ここは端末世界。 sophia大戦後の復興もだいぶん進んで来たとはいえ、やはりどこも忙しく余裕がなかった。 それは大戦が残した傷跡の深さを物語っている。 そんな最中、リチュアの集落でも激務に奔走する族長がいた。 「エミリア様…流石にちょっと休まれては……」 「わ……わかってる……。もう少ししたら寝るから……これはやっとかないと後に響く仕事だから……」 使い魔から苦言を呈されるもエミリアは手を止めない。 目の前の書類の束、その量を見るに”もう少し”で寝られるとは思えない。 「あの…使い魔の身で差し出がましい事を言うのですが、流石に人を雇った方がいいかと……」 「そ……そうだね、よさげな人のめぼしつけておいて……」 「条件はいかがなさいましょうか?」 「任せるよ、あっ文字が読める人にしてね」 そんなやりとりをしている内に、夜はどんどん更けていった。 ◆◆◆◆◆ 「今日も……どっと疲れたぁ……」 寝支度をすると倒れこむようにベッドに身を横たえる。 結局、エミリアが仕事を終えたのは夜の1時を過ぎた頃だった。 二人用のベッドの上にいるのはエミリア一人。 アバンスは他種族との調停や復興活動であまりこの家には戻ってこれないのだ。 明日も早いしさっさと寝よう……。 エミリアはそう思いはするものの、中々眠りにつけない。 その原因は明確だった。 「…………。はぁ……あーもう……」 寝間着をズラし下着の上から自分の秘所を擦る。 エミリアは疲れとストレスから来る異様なムラつきに翻弄される日々が続いていた。 疲れているのに性欲が強まるなんて合理的じゃない、と自分の体に文句を言うこともしばしばだった。 「くぅ…ふぅ♡、はぁ…ん…♡」 若干自分の体に呆れながらも、どうにか解消しないといけない。 もう慣れた手つきで性感を高めていく。 短い時間で簡単にストレス解消するとなると、オナニーぐらいしかやることがない。 仕方ない!と自分に言い聞かせつつ、グチグチと音を立てて搔き混ぜる。 あんまりよくないオナニーの仕方なんだろうなと思いつつも、クリトリスを弄ってわかりやすい快楽でさっさと思いきりいこうとする。 「お”っぐっ……ふっ♡ふーっ……ふーーーっ……ふーー………♡」 こんな自分の状態を問題と認識しながらも、エミリアは忙殺される日々の中の楽しみになってる事は否定できず、気持ちよくなること以外考えずに済むこの時間が嫌いになれなかった。 「うあ……相変わらず凄い量……」 タオルを引いてる為ベッドが濡れる心配はしていないが、自分でもひくぐらいべしょべしょなので後片付けが少々憂鬱だった。 「頭痛い…寝よ…」 オナニーで生じた甘い疲労が睡眠導入の助けとして機能する。 みんなしてるもんと自分に言い訳しながら、罪悪感を紛らわしてエミリアは眼を閉じた。 ◆◆◆◆◆ 10日程経った頃、使い魔の一人が出していた指示の報告が来た。 「エミリア様、出していた求人なんですが中々人が集まらず……。 やっと今日一人来たのですが、どうなされますか」 そう言えばそんな事を自分は言っていたな、と一人で頷く。 「あー……じゃあ、応接間で待ってもらってて。すぐ行くよ」 「よろしくお願いします、ガスタの里で募集していたのを見て来ました!」 「え、えーっと●●さん、こちらこそよろしくお願いします!」 エミリアはてっきり女性を使い魔が選んだと思っていたので、少々面を食らっていた。 確かに性別を指定はしていなかったので、今更言っても仕方なかった。 第一印象はエネルギッシュな青年といった所だろうか? 少々軽薄な口調が目立つが猫の手も借りたいぐらいだったので、エミリアは二つ返事で了承し青年に働いて貰う事にした。 しかしエミリアの人を見る・選ぶという経験の無さが後々響く事となる。 簡単な雑用は使い魔にやって貰っていたため、青年にやって貰う作業は比較的高度なものとなる。 エミリアは青年が仕事をこなせるか少々不安を覚えていたが、青年の呑み込みが早い為労せずに自分の負担を減らすことが出来た。 「●●さん、本当ありがとうございます」 「エミリアちゃんそんなのイイって仕事だし。後呼び捨てでいいっすよ」