懲りないねえ。 その触手はあなたの力で引きはがせるようなモノじゃないってまだ悟れないのかな? オシオキされるだけだってそろそろ学んでよね。 電撃の味はどう? あんまりあなたを傷つけさせないでほしいんだけどなあ。 なんでって、当たり前の事でしょう? あなたが私の大切なギゴくんを逃がしちゃうからじゃない。 元々「地」だった属性を「水」に変えて、逆らえないように枷をつけて電撃で調教して、 やっと術を使わなくても従順になってきたところだったのに あなたがあの子を逃がしちゃうから。 だからあなたにあの子の代わりをしてもらって、償ってもらいたいって理屈のどこがおかしいのかな……!? お金のかかる研究に、あれだけの損害を出して、まだ命があるだけでも。 ありがたく、思って、欲しいん、だけ、ど!! あはは、ぐったりして動けなくなっちゃった。 魔力はギゴ君以上かもしれないけど身体は人間だからこの程度のショックでもかなり参っちゃうんだね。 ほら、今日は触手ちゃんと相性が良くなるようにまたあなたの身体を「水」に近付けていくよ。 そんな目で見てもだーめ。あなたはもう私の所有物なんだから、あきらめなさい。 ……? くすくす……強気だったのも折れちゃったね。震えて…… 今のは誰の名前かな?大事な人の名前?ねえ教えて? その怯え方! よっぽど大事な人の名前なんだね! ねえ、誰だか教えて? ……イヤ?ふーん嫌なんだぁ♪ じゃあ勝手に見せてもらお♪ おおー、恋人なんだぁ 綺麗な髪をしてるねえ。術を教えてくれて、やさしくて…… 名前は―――って言うんだ。ふうん…? あら、何驚いてるの? 「山札は書庫、手札は読んだ呪文書の記憶」って知ってるでしょ? 私の水霊術「葵」はねぇ? うふふ、相手の「記憶」を覗けるの! だから私に隠し事なんて無理なの! あは、素敵な顔! でも今のあなたは私のものなんだからそんな人の事は考えないで私に従順になって欲しいなぁー。 ……ねえ、今、誰の話してたんだっけ? あはは、すごいうろたえっぷり?どうしたの?大事な人のコト、思い出せないの? ふふ、手札は記憶、いらない思い出は全部消しちゃった…… ほら助手さーん、あなたは私の研究に協力してくれるって自分で志願してきたんでしょ? ならほら、大人しくしなきゃぁ…♪