収録範囲: 第0戦役 ~ 第1戦役(通常/緊急/夜戦) 通常 > 0-1 > 場所:黒背景 (1ヶ月前、S09地区の紛争地帯にて――) M4A1: 現在時刻0559、天気晴朗。 M16A1: 始めるぞ、M4。 場所:雪原 M4A1: ペルシカさん、こちらAR小隊。鉄血管轄区の集合地点Aに潜入成功。座標V6J69-HJYRV。無風、視界良好。作戦目標を復唱します――【リコ】と署名されている経歴および研究データを全て探し出し、16LABに送り返すこと。 場所:戦術マップ M4 SOPMOD Ⅱ: それで、どっから始める? ST AR-15: まずは司令部を占領して鉄血のデータベースに侵入し、情報を収集しなきゃね。 M4A1: 目標はあちらの司令部ね。AR小隊、行動開始よ。 場所:雪原 M4A1: 司令部の占領に成功、データベースに侵入します。 ST AR-15: ……ねぇ、今回の作戦の目的って何だと思う? M16A1: 何が言いたいんだ、AR15。 ST AR-15: 元々ペルシカさんが要請した任務は、「実験データの収集」だった。それがはるばる鉄血のテリトリーまで来て、死人が残した資料を探すなんて…… M4A1: 私たちは戦術人形として、言い渡された任務を遂行すればいいだけ。 ST AR-15: そうね……ちょっと興味があっただけよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: おーい!データベースにアクセスできた、早く来て! M16A1: ……おっ?3番と記されたセーフハウスに……【リコ】が生前にデータを保存していたホストコンピュータがあるな。 M4A1: OK、目標確認。続けましょう。 0-2 > 場所:戦術マップ M4A1: ペルシカさん、こちらAR小隊。目標を第3セーフハウスに定め、現在そちらに向かっております。 M4 SOPMOD Ⅱ: 早く行こ!絶品の鉄血がわたしたちを待ってるよ! ST AR-15: 遊びに来たんじゃないのよ、わきまえなさい。 M16A1: 悟られないよう、鉄血の偵察部隊を始末しよう。いくぞ! 場所:司令室 M4A1: ペルシカさん、応答願います。作戦は順調に進み、AR小隊は第3セーフハウスに到着しました。 ペルシカ_通信: わお!それでリコの物は見つかった? M4A1: 探針を使ってポートは開けられたのですが、OSが古すぎて……認証システムをハッキングできません。起動させるにはパスワードが必要です。 ペルシカ_通信: えーと……「90WISHROCK」……そのあとに「X」。全部大文字ね。試してみて。 M4A1: ……認証成功。データベースに目を通しています。 ペルシカ_通信: オッケー。中の物は全部メモリーにコピーして、持ち帰って。 M4A1: 了解。データのコピーを始めますので、一旦通信を切ります。 ST AR-15: ……それで、私たちは鉄血のテリトリーで鉄血のデータベースを使って、鉄血も知らない情報を探しているってこと? M4 SOPMOD Ⅱ: あははっ、面白そうじゃん♪ 宝探しみたーい! ??: そうですね、おかげ様でついに宝が手に入りましたわ。 エージェント_通信: 鉄血工造の「エージェント」です。お待ちしておりました。 M16A1: ……エージェント?!鉄血のハイエンドモデルが……なぜここに! エージェント_通信: この第3セーフハウスには、「ご主人様」が欲しがっているものがあるのです。ただ残念ながら古い時代のシステムなので、わたくしたちにも解読できなかったのですわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: つまり……わたしたちが手助けしちゃったってこと? エージェント_通信: ご主人様はあなた方がきっとここに来るだろうとおっしゃっていましたわ。あなた方を捕らえて、バラバラにして、メモリーチップを抜き出せば、ご主人様は「答え」を得られるというわけですわ。 ST AR-15: 鉄血の信号を大量に検出。こいつ……本当に来るわよ! M4A1: まだコピー中だから、終わるまで耐えるしかないわ。みんな、防勢作戦の用意を! 0-3 > 場所:司令室 M4A1: セーフハウスが包囲されたわ!全員急いで配置について、迎撃用意を! M16A1: 敵の数が多すぎる!周りに注意して、弾は節約しろ。特にSOPⅡ! M4 SOPMOD Ⅱ: やってるよ!AR15、後ろは頼んだよ! ST AR-15: 任せなさい!――M4、指揮に影響は? M4A1: 大丈夫、転送に使うメモリーはそれほどじゃないから。ですがM16姉さん、敵の動向を追うのを手伝ってください! M16A1: お安いご用だ!皆、もう少しの辛抱だからな。終わったら一緒に帰るぞ! M16A1: 第一波は防いだ。とりあえずひと息つけるな。 M4 SOPMOD Ⅱ: ったくもう、キリがないじゃん!ペルシカさんと連絡とれないの? M16A1: 鉄血に見つかったからな。16LABの情報が漏れないよう、プリセットされてある通信モジュールが自動的に通信を切ったんだ。 M4A1: でも転送はあと半分残ってるわ。持ちこたえられる? ST AR-15: だめね、こちらの人数が少なすぎる。もう一度同じような攻勢をかけられたらおしまいよ。 M16A1: ……方法ならある。グリフィンの支援部隊が近くにいるんだ。長らく待機状態のようだから、おそらく見捨てられたのだろう。M4、われわれのアクセス権の信号を変更して、こちらを優先的に支援してもらってくれ。 M4A1: 了解。AR15、SOPⅡ――二人はその小隊を率いて敵を食い止めて。M16姉さんはここに残って私の警護を頼みます。 M4 SOPMOD Ⅱ: 了解だよ。戻ってくるまで持ちこたえてね! 場所:黒背景 (……30分後。) M4A1: ……転送完了! 場所:司令室 M16A1: ふぅ――あの支援部隊が役に立ったようだな。 M4A1: ええ。AR15たちを呼び戻して、急いでここを離れましょう。 エージェント: 逃がしはしませんよ…… M16A1: エージェントの信号だ!物凄い速さで近づいてくるぞ! 場所:黒背景 エージェント: ……鉄くずを寄せ集めただけの、生ゴミの処理にしか使えないような、ウジ虫としか戦ったことのない……ゴミ人形どもが! (――!!) 場所:司令室_破壊 (……) M4A1: ……ゲホッ……ゲホゲホ!M16姉さ……ゲホッ……どこ……? エージェント: 人の心配をしている場合じゃなくてよ、M4A1。 M4A1: うぐっ!―― エージェント: ……なぜなら……あなたに死を届けに参りましたから。 0-4 > 場所:黒背景 エージェント: ……死を届けに参りましたよ。ほら、目を開けなさい…… 場所:エージェント首絞めM4A1② エージェント: ……わたくしをご覧なさい、戦術人形M4A1。さあ。 [注:エージェントもめっちゃダメージ受けてる] 幕引きの時間ですわ。あなたには最後まで見届けてもらいますわよ。 M4A1: ゲホ……エージェン……ト…… 場所:エージェント首絞めM4A1① エージェント: 面白いですわ。死ぬ間際の目つきでさえ、あの娘たちとは違うのね。そう、その目つきよ。もっと驚き、悔しがり、恨みなさい! M4A1: ぐっ……ゲホッ…… 場所:攻撃を受ける戦術人形たち エージェント: ご主人様の大事なものを盗んでおいて、逃げおおせられるとでも思っていたのかしら。 [注:レア背景] まずあなた、次にAR小隊。そしてあなたのために命がけで戦っているグリフィンの人形たち。すぐにあの娘たちも親を亡くした赤子のように、途方に暮れることになりますわ。戦場で必死にあがいて、最後はわたくしたちの餌食となるのよ…… 場所:エージェント首絞めM4A1① エージェント: まず手始めに、あなたにはここで死んでいただきますわ。 M16A1: ……悪いが、そいつをここで死なせるわけにはいかん。 エージェント: …………! 場所:M16A1の横顔 M16A1: ごちゃごちゃ言ってないで、今すぐ地獄に堕ちろ……!鉄血のクズが! [注:ここでエージェント撃破(人形之歌2話)] 場所:司令室_破壊 M4A1: ケホッ……ゲホゲホ…… M16A1: 感謝しろよ。また危ないところだったぞ。 M4A1: はい……M16姉さん、外はどうなっているのですか?AR15たちは―― ST AR-15: 戻ったわ、鉄血の増援が来ている。急いで撤退しないと。 M4 SOPMOD Ⅱ: 支援部隊が食い止めてくれているから、急ごう! M16A1: M4、指揮はとれるか?怪我は軽くないようだが。 M4A1: 大丈夫です、ゲホッ……M16姉さん。修復を手伝ってください。私は先に指揮システムをチェックしてきます。 場所:戦術マップ M4A1: よかった、戦術マップが無事で。通信システムは…… スコーピオン_通信: 通信システム正常!はっきり聞こえてるよ! M4A1: (……この子らがここに取り残されていた人形部隊ね。)……すみません、あとはお願いします。 PPSh-41_通信: ご遠慮なく。それがわたしたちの務めですから。 M4A1: (……この子たち……捨てられたことも知らないで……)了解、なるべく早く撤退します。 ST AR-15: 支援小隊も長くは持たないわ。早く先へ進まないと! 場所:雪原 M4 SOPMOD Ⅱ: ふぅー……ちょっと休んでいい? ST AR-15: だめ、まだ大勢いるわ。逃げ切れなくなるわよ! M16A1: プランCを実行するぞ。皆、打ち合わせ通りにな。 M4A1: つまり……私一人でグリフィン本部へ救援要請に行けと……? M16A1: そうだ。我々は分散して敵を引き付け、お前のために時間を稼ぐ。 M4A1: でも!もしあの鉄血が生きていたら、みんなは―― ST AR-15: ぐずぐずしないで、M4!これが一番確実な方法なの! M4 SOPMOD Ⅱ: そうそう、今わたしたちを救えるのはM4だけなんだよ! M4A1: ……分かったわ、気をつけてね。 M16A1: よし!全員散らばって、鉄血の部隊を引きつけるぞ! M4A1: みんな、必ず信頼できる指揮官を探してくるから、待っててね!みんなのために、必ずやり遂げてみせるから。 場所:AR小隊 M4A1: と、こんなところです。 M16A1: 時には避けられないこともある。UMP45の話が本当なら、ここもすぐに戦場と化すだろう。前回のようにな。 M4A1: 前回のように…そして更なる激しさと、更なる犠牲者を伴って。 M16A1: ふっ、怖いのか?M4。 M4A1: AR小隊が再結集したんですから、こんなに心強いことはありません。何が起きようと平気です。みんなと一緒にいられたら、たとえそれが勝利の時であれ、敗北の時であれ……… ……私にとっては、それが最高の結末です。 通常 > 1-1 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて―― [注:指揮官が着任したのはS09地区]) 明るい少女: おはようございます、指揮官さま。 [注:カリーナ] グリフィンの指令室は初めてですよね。いかがです?最終的にはグリフィンで働くことを決意してくださって、すごく嬉しいです。 カリーナ: まずは自己紹介をしますね。私はカリーナ。これから指揮官さまの後方幕僚を務めさせていただきます。今後は気軽にカリンと呼んでください。そして――「君の力を求む!民間軍事会社グリフィンとともに、新世界の輝きとなるべく!」そうです。本日付けで、あなたはグリフィンの戦術指揮官となったのです!……え?指揮官が務まるかどうか、いまだに不安なんですか?大丈夫ですよ、グリフィンの選抜試験は厳しいことで有名なんですから。それをパスしたんですから、きっと信頼に足る才能があるんですよ。それがいったいどんな才能なのかは、これからの訓練で分かってきますよ。ではまず、戦術マップに切り替えてください。 場所:戦術マップ カリーナ_通信: 指揮官さま、聞こえますか?戦術人形の準備はできています。いつでも作戦に移れますよ。人形を配置したら、訓練を始めましょう! 場所:森 (……訓練は順調に進み、最後の撤収段階に入った。そのとき――) ステンMK-Ⅱ: すみません……グリフィンの部隊ですか?よかった、助かりました!一緒に連れていってもらえませんか?ありがとうございます、指揮官。頑張ります! 場所:司令室 (はぐれたグリフィンの人形のようだ。とりあえず、部隊に合流させて戻ってきた……) カリーナ: え?迷子の人形に出会った?かわいそうに……指揮官さまに拾ってもらえて幸いでしたね。最近、鉄血の襲撃が急に激しくなったんです。グリフィンは司令部をいくつも失い、多くの人形がはぐれたり、見捨てられたりしました……ですのでできる限り、こういった人形たちを助けてあげてください。これは単に戦力を拡充するためとか、本部の発注の手間を省くためではなく……何より、人形たちが可愛いからです!……そうでしょう?指揮官さまならきっと気に入ると思っていました!人間にしろ人形にしろ、皆それぞれ自分の使命を持っています。誰もがグフリフィンの大事な一員なんです。その心意気を持って臨めば、仕事もきっと順調にいきますよ。さて、指揮官さまはもう、ご自分のお仕事はお分かりですよね? 場所:AR小隊 カリーナ: 民間軍事会社グリフィンは、戦術人形を中心に組織された民間の軍事サービス請負会社です。そして財団や組織の委託を受け、人間の居住区を守るのが仕事です。目下グリフィンの管理区域で最大の脅威となっているのは、制御不能となった鉄血工造の人形たちです。 場所:司令室 カリーナ: 指揮官さまのお仕事は、人形部隊を管理・指揮して、こうした地域で鉄血の人形と戦うことです。指揮官さまならきっと大丈夫です。先ほどの戦果が全てを物語ってますから。ではそういうことで!グリフィンのみんなのために、その才能を存分に発揮してくださいね!では指揮官さま、今回の訓練はここまでになります。あ、そうだ。【任務】一覧に行って、さっきの人形の入隊申請を正式に受理するのを忘れないでくださいね! 1-2 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術指令室に到着。 [注:入社二日目?] 計画通り、次の作戦訓練の準備を進めていると――) カリーナ: すみません、指揮官さま……作戦訓練の続きをするはずでしたが、ちょっと状況が変わりまして……本部の方で急に人手が必要にあって、それで…… ??: ……その先は私が説明しよう。 [注:ヘリアン] カリーナ: わわ!……じゃあお願いしますね、ヘリアンさん。 (本部からのビデオ通話をオンにした。) 厳粛な制服の女性_通信: ……初めまして、指揮官。グリフィンの上級代行官、ヘリアントスだ。 ヘリアン_通信: 堅苦しい挨拶は抜きにしよう。効率の観点からも、ヘリアンと呼んでくれれば結構だ。知っての通り、近ごろ鉄血は何の予告もなく、グリフィンが請け負うS09地区をたびたび攻撃している。 [注:予告がある場合があるのか?] グリフィンの評判にかかわるので、上層部もかなり気にかけているようだ。 [注:その上層部がYOUなのでは?] そこで、本部は鉄血を迎え撃つと同時に、襲撃の原因を調査するよう私を派遣した。上層部の指示により、貴官には私の仕事全般を補佐してもらう。 カリーナ: え……ちょっと待ってください、ヘリアンさん。指揮官さまは入社したばかりで、訓練に一度参加しただけなんです。経験がまだ浅いというか…… ヘリアン_通信: はぁ……無理は承知だが、時間も人手も足りないのだ。だが心配は無用だ、指揮官。貴官の以前の成績を見る限り、この任務に就くには十分だろう。 [注:選抜試験、どんだけ優秀だったのか] 経験不足は実戦で補えばいい。 [注:勇気で補うより無謀だろ!] 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 先ほど入った情報によると、戦場の後方で敵の痕跡が見つかったそうだ。おそらく鉄血の偵察部隊だと思われる。 [注:鉄血じゃなかった時の方がヤバそう] 敵の数は少ないようだが、こんな時だからな。放っておくわけにもいかない。部隊を目標地点に派遣し、こちらの情報漏洩を防ぐため、鉄血の部隊と司令部を破壊してくれ。以上だ、指揮官。貴官の実力を見せてくれ。 場所:司令室 (鉄血の機械部隊を撃破し、司令部の通信設備の破壊にも成功した。) ヘリアン_通信: 実に順調だったな、指揮官。よくやってくれた……いや……むしろ、我々の機体以上だったというべきか。ん?鉄血のことがまだよく分からない? [注:指揮官、鉄血を知らずにどうG&Kに入ったのか] ……まあ招集も急だったからな、知る機会もあまりなかったわけだ。 [注:招集とは?指揮官が選抜試験に受かってから、実際に入社するまでの段取りが気になる。] 場所:鉄血 ヘリアン: 「鉄血工業製造会社」は戦術人形を主力とした工業メーカーだ。 [注:レア背景] 鉄血はある機密情報を握っていて、そのおかげで極めて能力の高い戦術人形を作り出せていた。ところが少し前、この工場の人形が突如制御不能に陥り、工場内にいた人間を無差別に攻撃し始めたのだ。今では相当な広さの人間居住区を占拠していて、計画性をもって今もその範囲を広げている。 場所:司令室 ヘリアン: 鉄血工造の人形が、今や人類共通の敵であることは明白だ。 [注:生身!] そしてグリフィンが請け負っている地域が鉄血と境を接していたため、 [注:選抜試験はあったけど、G&K側からスカウトした?] 我々は急いで作戦指揮に協力してくれる人材を招集したというわけだ。あらためて指揮官、グリフィンによく来てくれた。今後何が起こるかは分からないが、まずは来てくれたことに感謝する。 (……ピー。本部から通信が入った。) ヘリアン: ちょっと失礼…… (ヘリアンが本部と連絡を取り合っている。) ヘリアンの声: はい……そうです。えっ?人形たちが見つかったのですか?……良かったです。……ええ、人手なら余ってますよ。 [注:さっき時間も人手も足りないって言ってたじゃん!] 応援に回せます。はい。お任せください、クルーガーさん。 ヘリアン: ……お待たせした、指揮官。たった今本部から連絡があって、貴官に任せる重要な任務があるとのことだ。私はこれから詳細を確かめてくる。またあとで会おう。 1-3 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: これから重要な任務を言い渡す。 [注:引き続き二日目?] 準備はいいか、指揮官。つい先ほど我々は前線で負傷した人形を回収した。急いで基地に移送して修復せねばならん。しかし情報によると、輸送ルートには鉄血の哨戒所が残っており、最低限の命令で今も自動で機能しているそうだ。普段ならさほどの脅威ではないのだが、今回負傷した人形たちが重要なもんでな。失敗は許されないぞ。そこで、人形たちが無事に帰還できるよう、速やかにこの哨戒所を制圧してもらいたい。 場所:司令室 (……鉄血の哨戒所を制圧し、輸送ルートの安全を確保した。) ヘリアン_通信: よくやった、指揮官。負傷した人形たちもすぐに送られてくるだろう。こいつらを重要視しているのは、ある目撃情報を保持している可能性があってだな。それが事実なら、我々は鉄血の主力部隊とぶつかることになるかもしれん。……そう、「我々」だ。お前の部隊も含めてな。 (……ピー。ヘリアンの背後から通信音が聞こえてくる。) ヘリアン: ん?どうやら負傷者が運ばれて来たようだ。では指揮官、先に失礼する。 場所:工場 (グリフィン本部にて、負傷した人形が工場に到着した。) イングラム_大破: ふん、もう帰ってきたわけですか……帰り道では何も起きず、本当に退屈でしたよ。 ヘリアン: それぐらいにしておけ、イングラム。本部に救援を要請する奴がいなかったら、もっと面倒なことになっていたのだぞ。 イングラム_大破: ちぇっ、命を懸けて戦うチャンスだったのにな。私はね、ヤバイ状況であればあるほど、余計自分の実力を試してみたくなる性分なんですよ。 [注:初期なのでキャラ紹介に余念がない。] ヘリアン: 少なくとも今回はだめだ、イングラム。お前は口が利ける数少ない生き残りだからな。いくつか確認したいことがある。 イングラム_大破: どうぞ。上司なんですから、何なりと。 ヘリアン: StG44とPPSh-41があのとき何に出くわしたか、覚えているか? イングラム_大破: 知っているのはエージェントがやって来たことだけですね。急いで何かを追っている様子でした。幸い標的は私たちじゃなかったので、命拾いしたんです。 ヘリアン: ふむ……今もなお行方が分からないのはスコーピオンだけか。彼女とは仲良いらしいな。行方を知らないか? イングラム_大破: うーん……残念ながら、私はあのとき前線にいなかったので。でも……もしまだ生きていたら、何とか手がかりを残すはずです。あいつ、いざって時には機転が利く奴ですから。 ヘリアン: ……分かった。聞きたいことは以上だ。修復に行っていいぞ。 イングラム_大破: ……ヘリアンさん。サソリでも、他の人形でもいい……今回の仇、ちゃんと討つんですよね? ヘリアン: ……早く行け、イングラム。すぐに……存分に楽しませてやるさ。 イングラム_大破: あはっ……了解。その言葉、待ってましたよ。 1-4 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: ……指揮官、今回の任務を説明しよう。 [注:?日目、でもまぁ、何日も経ってないでしょ。激務!] よく聞いてくれ。我々のスコーピオンという人形が現在行方不明になっているんだ。すでに鉄血の手に落ちたとみられるが――重要な情報を握っているはずなので、何としても回収したい。そこで第一の目標は、この人形の行方を突き止めることだ。こちらが速やかに救出できるよう頼むぞ。そして指揮官。貴官の任務は、この区域の鉄血司令部を捜索し、中から有用な情報を集めてくることだ。それからもう一つ。前回の哨戒所と違って、ここの鉄血は自ら捜索し攻撃を仕掛けてくるぞ。気をつけてくれ。 場所:司令室 (鉄血司令部の占拠に成功し、関連データをアップロードした。本部の解析結果を待っていると……) カリーナ: 指揮官さま、結果が出ました!本部でデータを整理したところ、役に立つ情報を引き出せたそうです。いい知らせとしては、スコーピオンさんがまだ生きていること。でも厳しい状況みたいです……とにかく、まずはこの映像を見てください! 場所:荒野 (……映像が再生される。戦場付近の廃墟で、スコーピオンが鉄血人形から尋問を受けていた。) スケアクロウ: 想像以上にずる賢いですわね。グリフィンのスコーピオン。 スコーピオン_大破: あたしはただ……可能性のある場所を言ってるだけよ…… スケアクロウ: フンッ……ただの時間稼ぎですわね。気の毒にねぇ。仲間のせいで拷問を受けているのに、その仲間に見捨てられたなんて。 スコーピオン_大破: 違う、助けを呼びに行ってくれたんだ。そう約束したんだから! スケアクロウ: 憐れな子ね。ではもう一度教えて差し上げますわ。AR小隊は、冷酷で効率を重視するエリート人形の集まりよ。 [注:冷酷で効率を重視するエリート人形の集まり……?] そんな彼女たちにとって、あなたはただの使い捨ての消耗品なの。 スコーピオン_大破: ちがう……そんなわけない!騙そうたってそうはいかないんだから。M4A1はあたしの仲間よ! スケアクロウ: 向こうは仲間とは思っていませんよ。さあ、彼女の行方を教えなさい。そうすれば最後の情けとして、道端の捨てていってあげますわ。ゴミのように…… ……あなたの仲間がそうしたようにね。 場所:黒背景 スケアクロウ: あなたたちの持つ感情なんて、しょせんはうまく植え付けられた嘘よ。 [注:オマエモナー] これが最後ですわ……教えなさい、彼女の行方を。 1-5 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 今のスコーピオンの状況は非常に危険だ、指揮官。そして情報を漏らしたかどうかに関わらず、はぐれた人形を回収するのは我々の義務だ。 [注:人間は?もう死んだ判定?] よって現在の目標は、全力でスコーピオンを救出すること。指揮官、貴官の任務は、味方の部隊に協力して救出作戦を性交させることだ。情報によると、目標の区域には鉄血の偵察拠点がある。不用意に動くと危険だ。速やかに拠点を破壊し、味方の部隊が隠密に行動できるようにしてほしい。スコーピオンを救出できるかどうかは今回の作戦にかかっている。 [注:じゃもっと経験豊富な人に!!!!!!] 指揮官、準備ができたら始めてくれ。 場所:黒背景 (鉄血の偵察拠点を無事制圧し、その隙に救出部隊が該当区域に潜り込んだ。……作戦開始から30分後、部隊は目標地点に到着した。) グリフィン人形: (用意……) (3……2……1……) (……作戦開始。…… …………) PPSh-41: ……制圧完了。 スコーピオン_大破: ……ペ……ペーペーシャ? PPSh-41: そうですよ、サソリ。助けに来ました。 [注:この「サソリ」、愛称なのか「スコーピオン」の誤訳なのか。] スコーピオン_大破: ペーペーシャ……生きてたの……?あたし……夢見てるのかな……? PPSh-41: もう、バカね。わたしたち夢は見ないでしょ? [注:自律人形は夢を見ない。これ大事。] 心配しないで、もう安全ですよ。 (……救出作戦は成功裏に終わった。) 場所:工場 (……1時間後、スコーピオンは無事指令室に戻った。) ヘリアン: ……つまり、AR小隊の行方は漏らしていないのだな。 スコーピオン: うん、最後に鉄血に教えたのも偽の情報だし。失った仲間のためにも、絶対あんな奴らには屈しないんだから! ヘリアン: 信じよう、スコーピオン。あの「スケアクロウ」の目的については、捕まえて問い質せばはっきりするだろう。 スコーピオン: ヘリアンさん。スケアクロウを捕まえたら、絶対あたしを読んでね。 ヘリアン: こちらの部隊は満員だ。復習を急ぐのなら、新しい指揮官のもとに配属してやろう。今回の救出作戦の際に活躍した指揮官だ。がっかりさせるなよ。 スコーピオン: うん!どこへ配属されようと、グリフィンにいる限りはあたし頑張るよ! [注:てことは逆に、G&Kが解体されたと思しきドルフロ2には、スコーピオンは出ないのかなぁ] 1-6 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 指揮官、最後の作戦を始めよう。今回の作戦の目標は、この人形だ。この鉄血ボスのことをよく把握しておいてほしい。型番はSP65、通称「スケアクロウ」だ。救出した人形によると、スケアクロウは鉄血が襲撃を始めた具体的な理由を知っているらしい。 [注:マジかよ重要人物じゃん。というかエクスキューショナーとかハンターとかは知らないの?] 今回の作戦の目的は、こいつを捕獲し、その記憶モジュールを手に入れることだ。 [注:こういうのこそ404使おうよ!] これまでの小規模な作戦とは違って、今回機関の部隊が相手にするのはハイエンドモデルの人形だ。だがこれまでの実績から、貴官ならうまくやってくれると信じている。作戦開始だ、指揮官。幸運を祈る。 場所:黒背景 (グリフィンの部隊に挟撃され、スケアクロウは敗れた。戦闘不能となったスケアクロウをグリフィンの人形が捕獲し、作戦は最終局面を迎えた――) ヘリアン: 鉄血人形SP65「スケアクロウ」、もはやお前に抵抗する術はあるまい。 [注:悪役の台詞!] 今すぐ降伏すれば、きれいなまま回収してやろう。 [注:悪役の台詞!!] 場所:ボコボコスケアクロウ スケアクロウ: フッ、こんな結末を迎えるなんて…… ヘリアン: 諦めろ、お前にどんな考えがあろうと終わりだ。 [注:悪役の台詞!!!] スコーピオンはとうに救出したし、お前に教えたのもすべて偽の情報だ。 スケアクロウ: 偽の情報?そうとも限りませんわ。グリフィンの人形にそんな高度なAIは備わってないでしょう…… ヘリアン: ……何がいいたい。 場所:黒背景 スケアクロウ: グリフィンの人形のAI構造は理解していますわ。あの劣悪な人形たちが「嘘をつく」ときは、本当の情報に適当な嘘を混ぜて、順番を入れ替えているだけってことを。ですから、たとえ虚偽の情報だとしても、必ず真実が混じっているのですわ。そんな偽の情報を3つほど集めて分析し直せば、隠された共通点を見つけ出せる――つまり本当の情報よ。 [注:お前の嘘ガバガバじゃねぇか!] 場所:ボコボコスケアクロウ ヘリアン: ……それはAIのプログラムに関わる機密事項だ!それをなぜお前が知っている?! [注:認めるなや!] お前は一体……何者だ…… [注:普通の鉄血エリートなんだよなぁ……] スケアクロウ: ただの鉄血からやってきた……下等人形にすぎませんわ……それでも、人間の意志に服従するだけの道具とは違いますの。分からないでしょうね……基地に引きこもって、映像でしか姿を見せようとしない人間どもには…… ヘリアン: ほざいてろ。どのみちお前の作戦は失敗だ。何を知っていようが、仲間に伝えるのはもう無理だ。 [注:悪役の台詞!!!!] スケアクロウ: ……実はね…… 場所:黒背景 スケアクロウ: ……まさに今、伝えているんですの。 [注:ほれみたことか!] プロセスナンバー……8354……9266……0223 最後になって、やっと割り出せましたわ。M4A1の座標を…… ヘリアン: ……座標?座標とは何だ!鉄血の人形め、誰と通信してやがる! [注:やがる!] エクスキューショナー: ……聞こえたぜ、スケアクロウ。よくやった。 スケアクロウ: ええ……あとはお任せしましたわ。では、さようなら…… ヘリアン: 何をする気だ、やめろ! [注:悪役の!!台詞!!] くっ……自爆するつもりか!総員退避!急げ――ッ!! 場所:街中 (……通信が途絶えた。) エクスキューショナー: やれやれ……もっと可愛がってやるべきだったぜ。 [注:キマシ……?] だが少なくとも今は、オレらのことを妨げる者はもういないはずだ…… [注:この時のG&Kどんだけ人手不足だったんだ……] M4A1の奴め、どこに隠れてやがる。ここまでしてやっと見つけたんだ、がっかりさせんなよ…… 緊急 > 1-1 > 場所:司令室 (グリフィン指令室の遠隔通信にて。) ヘリアン_通信: ようこそ、指揮官。今日は特別訓練に参加してもらう。新人にしては、この前は素晴らしい出来だった。だが今は非常時だ。悠長に実戦で経験を積んでる暇はない。そこで、本部が特別に訓練計画を立ててくれた。貴官が早く慣れるためにな。 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 前回の訓練データに基づき、戦場に敵のダミーを配置してある。同じ戦場だが、敵の規模は前回の実戦を完全に上回っているぞ。全力を尽くし、実力を証明してくれ。そうすれば我々も安心して資金をつぎ込める。 [注:ダミーが強いならそれで戦えば良かったんじゃ] 場所:司令室 (……作戦終了。) ヘリアン_通信: よろしい。敵のレベルを大幅に上げても、順調に任務をこなせるようだな。この成績なら、かなりの規模の鉄血の襲撃にも対応できるだろう。だが鉄血人形は数だけではない。様々な戦術や詭計を弄してくる。自戒はそれに関する訓練をこなすとしよう。では解散。 1-2 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: おや?早いな、指揮官。では早速新しい訓練を始めようか。確か、グリフィンが貴官に言い渡した最初の任務も、この場所だったかな……時が経つのは早いものだ…… [注:そんな回想する程時間経ったの……?] ……あ、いや、何でもない。では指揮官、健闘を祈る。 [注:なんだその含みある感じ] 場所:司令室 (……作戦終了。) ヘリアン_通信: よろしい。今回も合格だ……ん……?……そう、これは試験だ。この前のも、今回のもな。あと何回かあるぞ。鉄血に対抗するため、優れた指揮官を選びぬかねばならん。 [注:人手、足りてる?] 一種の……「戦略的な備蓄」として。ああいや、大丈夫だ。別に冷凍庫に放り込んで氷漬けにするわけではないぞ。ただ必要となれば突然呼び出して、緊急の任務にあたってもらうかもしれん。この責任は重大だぞ、指揮官。準備しておけ。なにしろ鉄血は待ってはくれないのだからな。 1-3 > 場所:司令室 (……S09地区グリフィン指令室にて。) カリーナ: あ、指揮官さま!おはようございますー!えっへへー、私だとは思わなかったでしょ?今日はヘリアンさんが急用だそうで、代わりに私が任務を言い渡しますね。え、私で不安ですか?安心してください、大丈夫ですから!データは本部が用意してくれますし、私はただ記録すればいいだけですから。へっへーん。私こう見えても、パソコンの操作には少し自信があるんですよ。……ちょっと!「人は見かけによらないなぁ」って何ですか!バカにしてるんですか!まあいいです。早く任務を始めましょ、指揮官さま! 場所:司令室 (……作戦終了。) カリーナ: うん、今回も順調でしたね。さすが指揮官さま!この成績なら指揮官さまは十分、上層部の御眼鏡に適うんじゃないですか?……え?聞きたいことがある?グリフィンと鉄血が……どうしてこうなったかですか?うーん……私が知っていることも、指揮官さまと大して変わらないと思いますよ。 場所:鉄血 カリーナ: あっ、でも、ご存知ですか?鉄血がどうして一夜にして制御不能に陥ったか。なんでも背後には高等AIがいて、そいつがすべてを操っていたそうですよ。そいつは鉄血の指揮官に従わず、逆に工場内の人形全員を支配してしまったんですって。ただこれもグリフィンのさしあたっての調査結果にすぎず、そのAIの正体は謎に包まれたままです。このAIが一体何を企んでいるのかは、もちろん知る由もありません。 場所:司令室 カリーナ: でも、心配はいりませんよ。鉄血とグリフィンの主戦場はここではありませんから。指揮官さまは任務をしっかりこなして、たまに侵入してくる鉄血の小規模な部隊を追い払えばいいだけですよ! 1-4 > 場所:司令室 (グリフィン指令室の遠隔通信にて。) ヘリアン_通信: 指揮官、今戻ったぞ。すまない……色々と忙しくてな、先ほど本部に戻ったところなんだ。そういえば前回、カリーナはうまくやってくれたか? [注:ヘリアンはカリーナと呼ぶ] ……そうか。少々意外だが、順調だったようで安心したぞ。しかし、今日はまだ姿を見せていないな……どうせまた寝坊だろう。まあいい。それはともかく、訓練を続けよう。 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 最終試験は指揮官泣かせの任務だ。しかし、我々は貴官の能力を信じているぞ。では、健闘を祈る。 場所:司令室 (最終試験を無事通過した。) ヘリアン_通信: まったく驚いたな……貴官なら問題ないと信じてはいたが、この成績は予想以上だ…… (……ドアが開く。カリーナが入って来た。) カリーナ: あ!ヘリアンさん、戻ってらしたんですね。 ヘリアン: ああ。お前に試験の手伝いを頼んでいたら、また遅れが発生するところだったな。 [注:生身] カリーナ: ええ~?指揮官さまの前回の成績なら、ちゃんと遅れずに提出したじゃないですかぁ! ヘリアン: では今回は?また寝過ごしたとは言わさんぞ。 カリーナ: 今回は……えへへ…… ヘリアン: ……?何を笑っている。 カリーナ: さっき同僚に聞いたんですよぉ~ [注:同僚なんていたの] ヘリアンさんが……前回休んだ……わ・け♪ ヘリアン: ……なっ!! カリーナ: 残念でしたねぇ、また合コン失敗しちゃって…… ヘリアン: な、何のことか全くわからんな!指揮官、今日はこれまでだ!か、解散ッ! 夜戦 > 1-1 > 場所:司令室 (……グリフィンS09地区指令室にて。) Gr MG5_通信: 協力に感謝する。では今回の任務を説明しよう。グリフィンがS09地区を奪い返したのち、内務省はここを人間の居住区に改造する計画を立てた。 [注:カーターそういう土地にある基地にカチ込んで来たの!?] だが着工間際になって、遠くに鉄血の部隊が多数駐留していると、偵察部隊から緊急報告が入った。ヘリアンさんが建設業者と交渉するには、正確な敵の情報が必要だ。そのため、こちらの人形を偵察部隊と合流させ、最新の偵察報告を知る必要がある。うちの人形はすでにスタンバイ済みだ。指揮官、これから会いに行ってもらうぞ。 場所:戦術マップ_夜 Gr MP5: は、初めまして、グリフィンのMP5です。あっ、あの……S09地区を奪い返したあの指揮官様ですよね?お目にかかれて光栄です! [注:指揮官がやった事、①訓練 ②鉄血の偵察をシバく ③イングラム救助 ④スコピ救助 ⑤スケさんをシバく だけだけど、それでS09地区解放てなったの?] この先は、敵に気付かれないよう、全行程を夜間作戦とします。夜戦装備が役に立つかと思います。また、徹甲弾があれば、装甲部隊に有効です。準備ができましたら、一人目の偵察人形と落ち合いましょう。 2段落 > 場所:森_夜 (……最初の拠点に到着。) Gr MP5: 報告します。MP5、目的地に到着しました。 Gr MG5_通信: まずまず順調のようだな。この任務は荷が重いのではと心配していたが。 Gr MP5: えへっ、指揮官様の案内のおかげですよ。わたしも用心はしていますけどね。 Gr MG5_通信: よし、現地の偵察人形とは会えたか? Gr MP5: それが……どこに行ったのかしら。隠れてるのかな? ??: 敵のテリトリーで偵察するんだもの、隠れてて当然じゃない。 Gr MP5: はっ!誰?! WA2000: シーッ……鉄血がすぐそこにいるのよ。そんな大声出して、死にたいわけ? Gr MP5: ご、ごめんなさい……WA2000さん。そちらの状況は? WA2000: 私の状況?万全に決まってるでしょ。それとも戦場の状況?それなら分からないわね。にしてもこちらは装甲兵がうようよしているのに、一人だけでどうやって来たのよ。 Gr MP5: わたしのことですか?こちらの指揮官様に連れてきてもらいましたが……。 場所:黒背景 WA2000: え?何よ!ちょっと!なんで突然指揮官の方に切り替えたのよ! [注:何を切り替えた?] Gr MP5: シーッ……声が大きいです。鉄血がすぐそこにいるんですよ! WA2000: わ、分かってるわよ。アンタに言われなくたって……で……アンタがS09地区の指揮官なわけ?えーと……協力ありがと。それと…………何でもない、以上。報告おわり。 場所:森_夜 Gr MP5: え?それで終わりなんですか? WA2000: 私たちは人形よ、任務を遂行すればそれでいいんでしょ。 Gr MP5: でも……顔が赤いですよ?恥ずかしがっているんですか? WA2000: べ、別に!それに、私は戦いのために生きてるのよ。コミュニケーションが苦手でも仕方ないでしょ! Gr MP5: 結局どっちなんですか…… [注:どっちとは] WA2000: うるさいわね、偵察報告書の回収に来たんでしょ。受け取ったらさっさと行きなさいよ。 Gr MP5: ありがとう、WAさん。それからこちら、補給品です。G36さんが特別に用意してくれたんですよ。 WA2000: え……チョコアイス?さすがG36、ちゃんと分かってるじゃない。でもこのことは内緒よ……WA2000がアイス好きだなんて、笑いものにされちゃうから。 Gr MP5: その……すみません……実は……指揮官様とずっと通信がつながっていて…… [注:↑のやつ、通信を切り替えたって話か] 場所:黒背景 WA2000: ……………… ……もっと早く言いなさいよ! 1-2 > 場所:戦術マップ_夜 Gr MP5: WAさん、次の偵察ポイントはここですか? WA2000_通信: そうよ。けれど、やはり拠点を奪わないと連絡は取れないようね。敵は強いから、むやみに飛び込まないようにね。できるだけ指揮官に頼るのよ。 Gr MP5: はい、わかりました。WAさんって……面倒見がいいんですね。 WA2000_通信: ふんっ。だって、自分の面倒ばっか見ててもしょうがないでしょ。この先はアンタたち次第なんだから、うまくやってよね。 Gr MP5: はい!指揮官様、出発しましょう! 2段落 > 場所:森_夜 (……二つ目の拠点に到着。) Gr MP5: あの~……誰かいますか? P7: あっれ~、MP5じゃん!よく来たね! Gr MP5: P7さん、こんにちは。 P7: どもども、お疲れさん!まあ座ってお菓子でもどうぞ! Gr MP5: あ……はい。どうもありがと…… 場所:黒背景 Gr MP5: ブ――ッ!!こ、この味はなに?! P7: あっはは~!あたし特製のパイだけど? Gr MP5: からかわないでください!パイなら今までいろいろ食べてきましたけど、こんな味のはなかったですよ! P7: フッフッフ、これは56-1さんに教わったの。故郷の名物なんだって。5種類のナッツが入った手の込んだお菓子で、年に一度、満月の晩に食べるらしいよ。 Gr MP5: 5種類のナッツって……何ですか? P7: えっと……レシピは忘れたから、5種類のコショウを粉チーズに混ぜ合わせて作ったの。 [注:黒胡椒、白胡椒、グリーンペッパー、ピンクペッパー、花椒?結構集めるの面倒そう……] Gr MP5: 待ってください、コショウってナッツじゃないですよね?!それに粉チーズって……イチゴの味がしますけど?! P7: ああ、それはね……56-1さんは「氷砂糖」を入れるって言ってたかな。ただそれが何か分からなかったから、とりあえずストロベリーアイスを入れたの。これが最後のアイスだったんだからね。「おもてなし」のための大出血サービスだったんだから! Gr MP5: はぁ……さすがいたずらが大好きなP7さんです。でも……まだ仕事中なんですから、感情的になっちゃダメですね。こちらはG36さんから預かった補給品です。よく冷えたジュースですよ。 P7: ふんっ、この真っ赤な色、さてはトマトジュースね?G36ったらまたこんなものを飲ませる気ね。その手には乗らないんだから。まあいいわ。ここにストローがあるから、ちょっと味見して、気に入らなかったら返却させてもらうよ。じゃあ、ちょっとだけ飲んでみようかな……ブッ!!こ、この味は?!ゲッ、ゲホッ……トマトジュースよりもっと恐ろしいものじゃない!辛いよぉ~喉がぁぁ~! Gr MP5: 地面をのたうち回るほどだなんて、すごい効果ですね。こちらは「コブラ」という激辛トウガラシを煮詰めて作った野菜ジュースですよ。ほんの一口だけで、催涙弾と同様の効果が得られるのだとか。G36さんが、もしP7にからかわれたら、これを飲ませてやりなさいって。 P7: 仕返しってわけね!ひどいよこんなの、おかげで涙が止まらないよ! Gr MP5: G36さんは、P7がお利口さんにしていたら冷えたトマトジュースを飲ませてやりなさい、とも言ってましたよ。気の毒ですから今飲ませてあげますね。 P7: あんな不味いもの飲まないから!あたしはアイスが欲しいの!ストロベリーアイスが! Gr MP5: 忘れたんですか?最後のアイスは、わたしをからかうために使ったことを。 P7: うう……どうしてこうなった…… Gr MP5: 机に置いてあるこれが偵察報告書ですね。これで任務完了です。じゃあ失礼しますね。 P7: 待って!ゲホッ……ちょっと待ってよぉ!MP5!MP5さーん!うう……ト、トマトジュース……ください…… 1-3 > 場所:戦術マップ_夜 Gr MP5: MG5さん、いまP7さんから報告書を受け取りました。 Gr MG5_通信: グート。そういやG36からP7の栄養補給を頼まれていたな。 Gr MP5: はい。P7さんの半年分のビタミン補給が完了したところです。 [注:人形にビタミンとか要るの?] Gr MG5_通信: グート。では作戦続行だ。 [注:&] Gr MP5: はい。確か次の偵察ポイントはMG4さんのところですよね? [注:要るとしても、トマトジュース一杯で十分てのは高効率だな] Gr MG5_通信: MG4は緊急の任務に駆り出されたから、代わりの人形を二人向かわせてある。くれぐれも合流するときには合言葉を忘れないように。その二人は問題児として有名なやつらだ。言うことを聞かないようならすぐに連絡しろ。 Gr MP5: りょ、了解です……。指揮官様、出発しましょう。 2段落 > 場所:森_夜 (……三つ目の拠点に到着。) Gr MP5: 目的地に到着しました。合言葉は、たしか……ゲヴェーア エルフ! ??: う~ん……もうちょっとだけ……寝かせて…… Gr MP5: え?合言葉の返事はこうじゃなかったような……もう一度確認してみましょう……ゲヴェーア エルフ! ??: 精霊の真名を唱える者よ、さ、さあ!汝の願いを言うがいい! 416: まったく!この恥ずかしい合言葉、あんたが考えたんでしょ! [注:416初登場] なんで自分で言わないのよ。 GrG11: 416が言うのを聞いてみたかったんだもん。 [注:G11初登場] すごくおもしろかったよ~。 416: この寝ぼすけが。昨晩のうちに漬物桶に放り込んでおくべきだったわ。 Gr MP5: あの……すみません、わたしと会う約束をしていたのってあなたたちですか? 416: …… Gr MP5: ……(目つき悪っ……) 416: その武器を見るに、MP5ね。あんたのせいでひどい目にあったわ。 GrG11: そうだよ。このままおとなしく帰すわけにはいかないよね、416 Gr MP5: えっ、ちょっと!わたしをどうするつもりなの?! Gr MG5_通信: やめろ、二人とも!まったく、目が離せない奴らだな。 416: ふんっ、もとから私たちの仕事じゃないもの。 GrG11: 検査を受けに本部に帰ったら、あんたに捕まって連れてこられただけなんだから。 [注:この時はデール君の所じゃなかったのな] Gr MG5_通信: 一日中外をほっつき歩いてる癖に給料はきちんともらってるんだろ。それ以上文句があるようなら、ヘリアンさんに言ってクビにさせるぞ。 GrG11: ど、どうしよう、416。MG5がまた同じ手を使ってきたよ。 416: あんなの虫すればいいわ。45が手配してくれている限り、私たちはどこにいこうが好き勝手できるんだから。 GrG11: そ、そうだよね。どうせどこに行こうといつも無駄メシ食ってるもんね。 Gr MG5_通信: どこに行こうと構わないが、ここでタダ飯食いはお断りだ! Gr MP5: みなさん、ケンカはやめてください。それに、わたしを無視しないでください……まだ任務が残っているんですよ! 416: 報告書を持ってとっとと行きなさい。顔を合わせるのもこれが最後よ。 Gr MP5: ど、どうも……あなたたちが416さんとG11さん、ですよね?このアイスは、もともとG36さんからMG4さんへの補給品だったのですが。お礼とお別れのしるしに、一緒に食べませんか? GrG11: ……ぱくっ こ、これは!あたしの大好きなラムレーズン味!ぱくっ!だめ!やっぱりずっとここにいるー!ぱくっぱくっ 416: あんたねぇ、節操ってものがないの! GrG11: もちろんあるよ!どこまでもG36についていくの!ぱくっぱくっ Gr MG5_通信: 氾濫はまた失敗に終わったようだな、416。今回はもう少しもつかと思ったが。 [注:レッドウィンターかな?] 416: ……………… もうこれ以上……バカしかいない世界で生きていくのはごめんよ…… 1-4 > 場所:戦術マップ_夜 Gr MP5: 指揮官様、報告書が全て揃いました。本当にありがとうございました!はじめは……無理だと思っていたんです……わたしは弱くて無力だから……ですが、指揮官様がずっと守ってくださったおかげで、使命を無事果たせました。これから最後の任務です。報告書をヘリアンさんのもとに届けます。会議に間に合うよう、そして鉄血の偵察網に引っかからないよう、最後までご同行いただけますか?指揮官様。最後の任務、頑張りましょう。 2段落 > 場所:臨時事務所 (MP5は無事にグリフィンの臨時事務所に到着した。) Gr MP5: ヘリアンさん、これが現地の鉄血の布陣です。 ヘリアン: ご苦労だった、MP5、指揮官。どれどれ……鉄血は機甲兵をこんなに用意していたのか。これでは現地の不動産業者もたまったものじゃないだろうな。 Gr MP5: それで、どうすれば……襲撃に対処できるのでしょうか? ヘリアン: むろん対処はできん。というか、その必要はない。あれは鉄血に乗っ取られた軍側の機甲兵だ。軍が自分たちで始末すればいいだろう。我々は少しその手伝いをして、相応の手当てを頂戴できれば十分だ。 Gr MP5: それだけで……いいんですか……? ヘリアン: どうした、MP5。 Gr MP5: わたしはもっといろんなことができるようになって、誰からも信頼されるようになりたいのです。仲間からも人間からも……だから今回の任務を引き受けたんです。もっと強くなりたくて…… ヘリアン: ふっ、お前たちは民生用の人形を改造したものだ。どんなに強化したって軍用人形には敵うまい。 Gr MP5: 分かっています。力は強くないし、武装も時代遅れだし、みんなの個性がバラバラなせいで問題が生じることも多々あります。でもそしたら、わたしたちの存在価値って……一体どこにあるのでしょうか…… ヘリアン: MP5、お前たちにしかできないこともある。だからこそグリフィンはお前たちを選んだのだ。 Gr MP5: でも……やっぱりわたしは実力で地位をつかみ取りたいです。 ヘリアン: 安心しろ。グリフィンだって自社の人形をいつまでも軍用人形の下に甘んじさせるつもりはない。だがそれには資金と時間、加えて皆の努力が必要だ。お前の理想は間違ってはいない。その気持ちは大切にして、後のことはこちらに任せればいい。 Gr MP5: ありがとうございます、ヘリアンさん!次の任務も頑張ります! 場所:黒背景 (……ピー、) ヘリアン: ん?何の報告だ。トンプソン?……そうか、もう始まったのか?分かった。 Gr MP5: どうしたんです?ヘリアンさん。 ヘリアン: さっそく来たぞ……次の任務だ。 通常 > 1-1 > 場所:アヴェルヌス(監禁部屋) (アヴェルヌス…… [注:2024年4月エイプリルフール企画]) 眼光鋭い少女: お帰りなさい、お父様。アヴェルヌスの指令室にいらっしゃるのは初めてですね。 モリドー: あなたの娘モリドーです。この先は私が助手を務めさせていただきます。お父様の絶対的力を見せつけてやりましょう。それでは、戦術マップに切り替えます。 モリドー_通信: お父様、あなたのネイトは準備万端です。彼女たちを配置して、ウジ虫どもを駆逐してください。 場所:戦闘中 ST AR-15: くそっ……!まさかこんな事になるなんて……仕方ない……! [注:AR-15が自爆するぞ!] 2段落 > 場所:アヴェルヌス(監禁部屋) モリドー: ふふ、可哀そうな子たち。無駄なあがきです。パラデウスには痛くも痒くもありません。 場所:パラデウス(シルエット) モリドー: パラデウスはお父様が作った秘密結社。お父様の野望を叶える存在。まだほんの少し障壁はありますが、あなたさえいれば一掃されるはず。 場所:アヴェルヌス(監禁部屋) モリドー: あなたは戦術人形を倒すだけでいいのです。お父様にとって敵ではありません。先ほどの戦いが物語っています。それでは野望達成のため、思う存分力を発揮してください! [注:このモリドー、お父様に語り掛けてる感じではなくない?] 収録範囲: 第2戦役 ~ 第3戦役(通常/緊急/夜戦) 通常 > 2-1 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) ヘリアン_通信: ……思えば、前回は本当に危ういところだったな。怪我人が出なくてよかった。 [注:怪我人?怪我人形?] 残念なのは、あの鉄血のメモリーチップが壊れてしまって、データをほとんど復元できなかったことだな。私はこれから報告書をまとめなければならないので、一つ頼みがある。 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 「プロセスナンバー835492660223」。先ほど復元に成功した重要情報のひとつだ。分析班によると、そこに隠された座標が一か所あるそうだ。なので、その辺りを探ってきてほしい。何か手がかりを見つけたらすぐに報告してくれ。 場所:工場 (……作戦は終了し、ヘリアンへの報告も終えた。ヘリアンは本部へ戻った。) ヘリアン: どうやら予想以上に自体は深刻なようです、クルーガーさん。こちらの指揮官の調査によると、鉄血にまた一歩先んじられたようです。 クルーガー: ……つまり、奴らは我々よりも先にM4A1の情報を掴んでいるということか。 ヘリアン: はい。ハッキングに長けた人形がいるのではないかと。 クルーガー: あるいは……我々の内部から情報が洩れているかだな。 ヘリアン: それは……お言葉ですが……グリフィンの従業員は信頼に値する者ばかりです。人形のセキュリティシステムも万全を期しています。 クルーガー: 安全も信頼も、絶対的なものではない。相手にどんな切り札があるか、こちらには予想がつかないのだ。大事をとって、お前の作戦は一時中止だ、ヘリアン。その指揮官に与えている任務も一旦止めよう。 ヘリアン: では……AR小隊の救出作戦は……? クルーガー: もちろん続けるがやり方を変えよう。私がより適任の者を探す。ところで、ヘリアン。その指揮官……猫は好きか? [注:何故そこで猫ッ!?] ヘリアン: へ?それは……尋ねたことはないですが……嫌いではないでしょう。クルーガーさん、もしかして…… クルーガー: ああ。行き詰ったのなら初心に返るしかない。 [注:IDWの出番だにゃ!?] 2-2 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) カリーナ: 指揮官さま、ただいま戻りました!はぁ~、ずっと倉庫の仕事で忙しくて、もうくたくたです。……え?……私が誰かって?冗談はよしてくださいよ~、指揮官さま。さっきショップで挨拶を交わしたところじゃないですか~。本題に戻りましょ。ヘリアンさんが戻ったあと、本部から新しい任務が出たんです。ご覧ください―― 場所:戦術マップ カリーナ_通信: スケアクロウの消滅は確認されましたが、まだグリフィンの司令部が一か所、鉄血に占拠されたままなのです。現地のグリフィンの部隊は鉄血に包囲されています。早急に奪い返さないといけません。 場所:司令室 (……作戦終了。) カリーナ: 今回も順調でしたね、お疲れ様でした!あれ?指揮官さま、なんだか……あまり嬉しそうじゃないですね?……そりゃそうですよね。この前まで重大な任務を任されていたのに、突然中止になっちゃって。今じゃ……雑用しかやらせてもらえないなんて、落差が激しすぎますよね。でっ、でも!新任の指揮官にしては、素晴らしい成績ですよ!これからも一歩一歩真面目にやっていけば、チャンスはいくらでもありますよ。ね?……ええ、そうですよ!元気を出してください、まだまだやることはたくさんあるんですから! 場所:荒野 (同時刻。戦場の一角には、他の人形小隊たちの姿が……) FF FN49: 敵は……見当たりませんね…… FF FNC: おかしいなぁ、怪しい信号を見つけたのに。もしかしてまた無駄足なの? FF FN49: うーん……いない方がいいんですけどね。早く帰りましょう。 FF FNC: 怖いの?49。でもなぁ、このまま戻ったら…… FF FN49: ……あっ!あそこに誰かいます! M4A1: ……! FF FN49: ん?あれって……味方の人形じゃないですか?どどどうしましょう、撃ちますか?! FF FNC: 私に聞かれたって分かんないよぉ。こんなときどうするべきか調べるから、ちょっと待ってて! FF FN49: ああ、逃げちゃいました…… FF FNC: うー……反応速いよ…… FF FN49: こちらが遅すぎなんだと思います……FNC、私たちって鈍すぎるんでしょうか…… FF FNC: そんなはずないよ。ワタシたち、新世代の戦術人形なんだから。でもさっきの人形は……敵じゃないんでしょ? FF FN49: 味方の人形なら、どうして逃げたりなんか……一体……どういうことなんでしょう……? 2-3 > 場所:戦術マップ カリーナ_通信: 指揮官さま、新しい任務ですよ。……すみません。やはり前の案件とは何の関係もないんですけどね。で、でも、平和な日々もいいじゃないですか。報酬もはずむようですし!情報によると、スケアクロウが消滅してからも、鉄血の人形部隊は直ちには撤退せずに――遊撃隊を組織して、グリフィンの管轄内で活動を続けているそうです。でもその目的は未だ不明でして。少なくとも今のところ、攻撃は仕掛けられていませんが。でも、だからといって放ってはおけませんよね。ということで指揮官さま、まとめて追い出しちゃって下さい! 場所:荒野 (その時、戦場にいた別の人形小隊は……) MG3: 掃討完了っと。さっきのが最後なんだろ? Gr MP5: もう一度チェックしましょう。用心に越したことはないですから。 MG3: 大丈夫だろ。もう何度往復したことか。通りすがりの鉄血でもいりゃ、話は別だが…… Gr MP5: あ……待ってください!強力な鉄血の信号です。近くにいます! MG3: 何だと?どこだ!早く教えろ! エクスキューショナー: その必要はないぜ。オレはここだ!よう、グリフィンの。 MG3: 何をするつもりだ!ただじゃ帰らせないぞ! Gr MP5: MG3、待って下さい! エクスキューショナー: 落ち着けよ。たかが人形が二体程度、オレが手を下すまでもないさ。探してるのは別の人形だ。黒髪で、ドクロのバンダナを巻き――M4A1カービンを持った、アホ面の人形を見なかったか? Gr MP5: M4A1……?そんな人形見たことないです…… エクスキューショナー: ……フンッ。お前らに危険が及ばぬよう、逃げ続けてるってわけか。分かった、やはりオレ様が怖いんだな。いつまで逃げてられるか楽しみただ、M4!フハハハ! Gr MP5: あ……行っちゃった…… MG3: あいつ……何しに来たんだ。 Gr MP5: ふぅ……ホッとしました。とりあえずもう大丈夫みたいですね。戻って報告しましょう。 2-4 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) カリーナ: 指揮官さま、今回の作戦は16LABの―― ペルシカ_通信: へぇ……あなたが例の指揮官なのね。どうもどうも。 [注:ペルシカ初登場] カリーナ: あれ?私が紹介しようと思ってたのに! ペルシカ_通信: ペルシカ。16LABの研究員よ。 カリーナ: ペルシカさんは主席研究員なんですよ。16LABはグリフィンに技術提供をしてくれているんです。人形の武器とネットワーク技術は、ペルシカさんの最高傑作なんですよ。 [注:武器も?] ペルシカ_通信: うん……今回はこの付近の鉄血を追い払って、実験データを回収してきてほしいの。 カリーナ: ペルシカさんはこの前データ保管庫に遺してきたデータを取り戻したいんです。 [注:この前?プロセスナンバー何とかって座標の話?] この命令はグリフィンの許可をちゃんと得ています。 ペルシカ_通信: そう……鉄血がずっとあそこを占拠しているのよね、鬱陶しい。コーヒーでも飲んでくるわ。じゃ、頼んだわよ…… カリーナ: というわけです、指揮官さま。では始めましょう。 場所:工場 (……作戦は終了し、報告書をペルシカに手渡した。それからしばらくして、グリフィン本部の工場にて……) ヘリアン: クルーガーさん、ここにいらしたんですか。 クルーガー: 次の戦闘が始まる前に、人形たちの様子を見に来たんだ。お前の調査報告は読んだぞ。この度はご苦労だったな、ヘリアン。 ヘリアン: 当然の務めです。それから、ペルシカの報告書も送られてきました。今M4A1のデータベースをチェック中とのことです。しかし今のところ取得可能なデータでは不完全なので、さらに捜索範囲を広げる必要があるかと。 クルーガー: ペルシカに任せよう。現状、こちらで捜索範囲を広げるのは無理だ。契約に従い、我が社の業務の重点はいわゆる……「戦略的価値」のあるところに置かねばならんからな。 ヘリアン: また雇い主からの命令ですか……, [注:誰だっけ雇い主。] 主力の人形を遠くの富裕層居住区に留めておきながら、AR小隊の情報を得ようなんて、いくらなんでも…… クルーガー: まだ収穫があっただけました。この前の報告書、両方とも実に役に立ったぞ。 ヘリアン: 報告書とは……S09地区に駐留している我々の人形が、それぞれM4A1と鉄血ボスに出くわしたあの二件のことですか? クルーガー: ああ。AR小隊は遠く離れずに、まだ近くで鉄血に包囲されたまま。この点は間違いないだろう。あとの残りは、ペルシカの仕事だ。 ヘリアン: では、今も重点はやはりAR小隊を助け出すことなのでしょうか。 クルーガー: AR小隊……少なくともM4A1は、鉄血にとって相当重要な情報を見つけたはずだ。鉄血は今なお多くの謎に包まれているが、M4A1を無事連れ戻せたらきっと進展はあるだろう。 ヘリアン: ですが、雇い主の命令に背くわけにいきません。主力部隊を受託地域外に連れ出すのは…… クルーガー: そこまでの部隊は必要ない。さっき話していた例の指揮官、まだ新人だそうだな。 ヘリアン: はい、ですが腕は確かです。もっと力を入れて育成してもよいかと。 クルーガー: ああ、育成の時機が来たようだ。 [注:こいつら新人に無茶ぶりして乗り越えたら育成成功良かった良かったみたいに思ってるフシがあるな?] 2-5 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) カリーナ: ……一体いつまで探しているんですか?ペルシカさん。 ペルシカ_通信: もうすぐ……もうちょっと…… ((情報によると、可能性があるのはここが最後……)) カリーナ: え?何か言いました?ペルシカさん。最後の何です? ペルシカ_通信: うん……前に約束したように、これが最後の依頼だから。 [注:何か約束したっけ?] きっとここに、私の探しているものがあるはずなんだけど…… 場所:戦術マップ カリーナ_通信: S09地区のHVVQJ?あそこは完全に廃墟です。データ保管庫なんてないですよ。だから、一体何を探しているんですか?ペルシカさん。 ペルシカ_通信: まあ……大したものじゃないんだけどね。前引っ越したときに落とした「角砂糖」かもしれない。 カリーナ_通信: はぁあああ――?! ペルシカ_通信: とにかく探してみて。ここが最後だから、頼んだよ。 場所:司令室 (……作戦終了。) カリーナ: やっと終わった……ペルシカさんも言っていたように、これが最後なんですよね?でもやっぱり何も収穫はなかったですよ。あったのはビデオテープが一本だけ…… ペルシカ_通信: えっ、ビデオテープ?!それ……ちょっと見せて! カリーナ: え?これ……指揮官さま、再生できますか? 場所:黒背景 カリーナ: OK、再生しますよ…… 場所:荒野 (……) M4A1: 19時25分、逃亡70日目。 [注:そんな長く逃げてたのか] 進展はありません……いえ、むしろ前より厳しい状況に陥っています…… ……というのも、鉄血にマークされてしまったので。鉄血の追撃は想定内でしたが、相手がしつこくて、予断を許さない状況です……あとどのくらい持つか分かりませんが、早急にグリフィンの誰かと連絡を取らないと。 場所:司令室 (……再生終了。) カリーナ: これ……何ですか?ペルシカさんが探してたものって、これ? ペルシカ_通信: …… カリーナ: ペルシカさん?! ペルシカ_通信: え?あ……その……いずれにしても、ありがとう。指揮官。さすがはヘリアンが見込んだ新人ね……パチパチパチ…… ヘリアン_通信: 私が見込めばそれだけでいいわけではない。こちらの指揮官を重点的に育成するというのは、クルーガーさんが決めたことだ。 ペルシカ_通信: そう!そうね、結局はボスが決めることよね。それからついでに…… ヘリアン_通信: ついでに――ペルシカ。そちらの任務は完了したか? ペルシカ_通信: それなら……安心して。データは手に入れたから。すぐに結果が出るわよ。 ヘリアン_通信: それなら急いでほしい。時間は限られているからな……分かっているだろうが。それに、こちらの指揮官を育成するのはお前の雑用係にするためじゃない。 ペルシカ_通信: ええ……指揮官……今回は、ありがとう……今度、コーヒーをご馳走するわ……私の実験室で…… (ペルシカが通信を切る……) ヘリアン_通信: はぁ……冷蔵倉庫の中で謎の甘ったるい液体を飲まされるのが好きじゃなければ、行かないことだな。本題に戻ろう、指揮官。これより貴官に重大な任務を言い渡す。では、詳しく説明しよう―― 2-6 > 場所:黒背景 ヘリアン: お前も多少は見当がついていると思うが――今回鉄血がS09地区に侵入したのは、決して偶然ではない。実は、鉄血のボスは今M4A1という戦術人形を探しているのだ。M4A1はグリフィンのAR戦術小隊に所属し、これまでずっと16LABのペルシカ研究員に雇われて、 [注:M4って所属はグリフィンなんだっけ?16LABじゃなくて?] 実験データを収集してきた。情報によると、M4A1が持つメンタルモデル、すなわちメモリーチップには、重要な機密情報が [注:メンタルモデルのハードウェアはチップの体裁] 含まれている可能性がある。M4A1はS09地区で失踪した。早急に回収せねばならん。だが色々ややこしい協定のせいで、正式にこの件に手出しはできないんだ。それで討論の結果、グリフィン本部はこの任務をお前に任せることにした。 場所:戦術マップ ヘリアン: よって直ちにS09地区のT6地帯を捜索し、鉄血より先にM4A1を見つけ出して保護してほしい――そこの鉄血ボスは、製品番号SP524「Executioner」通称「エクスキューショナー」という鉄血のハイエンドモデルの人形であることが判明している。奴の目下の標的はM4A1だとはいえ、軽率に近づくのは危険だ。気を付けてくれ。できるだけ早く敵の司令部を占領し、奴らの通信チャンネルを干渉しつつM4A1を探すように。 [注:戦わなくてもクリアできるよ、の意。] 今回の任務は責任重大だぞ、指揮官。グリフィンの上層部も貴官に大きな期待を寄せている。本部を失望させることのないように。では始めてくれ。 場所:道路 (……戦場の一角にて。) M4A1: どうしたの?エクスキューショナー。予想外の事態でも起きた? エクスキューショナー: チッ、なぜだ……グリフィンの人形が本部の命令なしに、オレの司令部を奇襲できるわけが…… M4A1: あちらにはグリフィンの部隊を自由に動かせられる、人間の指揮官がいるからね。 エクスキューショナー: ……なるほど。ずっとこの時を待ってたというわけか? M4A1: 賭けだったけどね。彼女らを信じる以外、私に道はなかったから。それで、あなたの始末はどうしようか。 エクスキューショナー: 始末?これで終わりだとでも思ってるのか?たとえお前がグリフィンの部隊に紛れ込もうと、こっちには別の方法があるんだぜ。 M4A1: なんだって? エクスキューショナー: 忘れてないよな。お前の仲間が三人ほど、まだ戦場に取り残されてることを……分かってんだろ。あいつらを人質として使うんだよ…… M4A1: …… 場所:黒背景 (……M4A1は引き金を引いた。) M4A1: 仲間の話をしたのは失策だったわね、鉄血のクズが。 [注:初「鉄血のクズ」] エクスキューショナー: フン……どうでもいいさ……知ってるだろ。オレたちは……そう簡単には……消滅しないって…… (…………5分後。人形部隊が救援に到着した。) 場所:M4A1 M4A1: …… [注:レア背景] あなたが……指揮官ですか?ペルシカさんが言っていた……例の指揮官? [注:連絡取り合ってたの?] すみません……自己紹介させてください。私の型式番号はM4A1。その名で呼んでもらって大丈夫です。私はグリフィンの人形でAR小隊に所属していますが、事情があって今は鉄血に追われているのです。ペルシカさんからは、戦術指揮官が救援に来てくれると聞いていました。合言葉は……えーと……んー……「角砂糖」?そう、それです。救出してくださりありがとうございました。今、私がここにいて願うことは、ただ一つだけです…… 場所:黒背景 M4A1: ……助けてください。 緊急 > 2-1 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) ペルシカ_通信: あ、指揮官……また会ったわね……今日連絡したのは、ちょっとお願いしたいことがあって。まず初めに、この通信は他の人には聞かれていないから、安心して。それに、悪事を働いてもらうわけでもないから、大丈夫。実は……ダミーのサンプルがいくらか必要なの。鉄血と、グリフィンの……どちらも。 場所:戦術マップ ペルシカ_通信: ここは長い間戦場だったから、パーツがたくさん落ちているわ。それをちょっと回収してきてほしいの。研究に使うから。ここには……鉄血のボスが潜伏しているかもしれないけど……そいつらはボスのダミーで、本体が消滅したから、動き出したの……気をつけて。それじゃ……お願いね。 場所:司令室 (……作戦終了。) ペルシカ_通信: わお!こんなにいっぱい、嬉しいわ。 [注:意外と情緒豊か。] さすがはM4が信頼する指揮官ね、パチパチパチ…… [注:初期のキャラ付けを試みた形跡が見られる(口でパチパチパチって言うやつ)] ……ふふん♪ もう知っているでしょうけど、私があのM4A1の雇い主よ。でも本当にあの子を見つけてくれるなんて。やっぱり……優秀なのね。これ以上のことは、今はまだ説明しにくいし、さほど重要なことでもないわ。とにかくM4が無事で安心したわ。じゃあ、とりあえずそういうことで。重ねてお礼を言うわ、指揮官。 2-2 > 場所:戦術マップ ペルシカ_通信: あ、指揮官……そうよ、また私。嬉しいでしょ?例の任務の続きを頼みたい。もっとたくさんのサンプルが必要なの。え……何の研究かって?グルフィンの役に立つ研究かな。そんなところよ。前に鉄血ボスと鉢合わせたのは、ここよね?指揮官。 [注:MP5とMG3の一件?] それじゃ……始めて。 場所:司令室 (……作戦終了。) ペルシカ_通信: おお!いいよいいよ、すごく助かる。ん?どうして……M4と連絡を取らないのかって……?単に面倒くさいだけ。特に理由はないわ……そうせしばらく用事はないし、代わりによろしく言っといて。どうして……用事がないのかって?だって指揮官が手伝ってくれるもの、あはは……あの子はちょっと特別だから、ちゃんと面倒をみてやってね。……大丈夫、指揮官にもいずれ分かるから。多分ね…… 2-3 > 場所:戦術マップ ペルシカ_通信: 今回の任務は……鉄血のサンプルが中心よ。まあでも……ここの鉄血もなかなか強くなったわね……でも大丈夫よね、指揮官。大丈夫……でしょ?頑張ってね~♪ いい知らせを待ってるわ! 場所:司令室 (……作戦終了。) ペルシカ_通信: わおっ!指揮官、こんなに…… M4A1: こんなに何ですか?ペルシカさん。 ペルシカ_通信: あっ!M……M4! M4A1: 指揮官に話を聞いたので、そのまま来てみました。 ペルシカ_通信: ごめんね……私の命令のせいで、あなたたちが…… M4A1: そんなふうに言わないでください。人形として、雇い主の命令に従っただけです。 ペルシカ_通信: うん……とりあえず、元気そうでよかった。パチパチパチ。 M4A1: ええ、指揮官もよくしてくれますし。引き続きグリフィンのために頑張りますね。 ペルシカ_通信: それから……M4A1、また会えて……嬉しいわ…… M4A1: ……ふふっ ええ。私もですよ、ペルシカさん。 2-4 > 場所:戦術マップ ペルシカ_通信: 今回の任務で最後よ……このマップを見て……っと失礼。私のチャンネルの電波が望外しているみたい。でも……だいたいこのへんよ。……え?何のサンプルかって?あとで教えるわ。大したことじゃないから……じゃ頑張ってね、指揮官。任せたわよ。 場所:司令室 (……作戦終了。) ペルシカ_通信: うまくいったね。これでついに完成よ。ふふっ、興味津々のようね、指揮官。何でもないの。ただ鉄血と、グリフィンの人形を…… ……比較した……実験よ。その結果……双方に使われている技術は……ほとんど……違ってて……鉄血は……一体どうやって作られたのか……AR小隊が第3セーフハウスで見つけた計画と、どんな関係が…… ……あ、何でもないわ。ただの独り言……ともかく、短い間だったけどありがとう、指揮官。M4の面倒をよく見てやってね。他の人形のことも、お願いね……それじゃ、お先に失礼、指揮官。今度こそ、コーヒーをおごるわね。そう遠くはないうちに…… 夜戦 > 2-1 > 場所:戦術マップ_夜 トンプソン: よう、ボス!いいとこに来たな。地図を見ての通り、鉄血はこの地に既に防衛線を張っている。それで軍側の駆逐作戦に合わせて、こっちも拠点にこっそり人員を配置しておきたいんだ。潜入は頭を使う仕事だからな、あんたみたいなプロにやってもらいたいのさ。あんたグリフィンじゃ引っ張りだこだからさ、ちょいと借りてくるにもひと苦労だったぜ。というわけで頼んだぜ、ボス。ここにいる全員、あんたが頼りだ。 2段落 > 場所:道路_夜 (……グリフィンの部隊が後方の拠点に到着した。) トンプソン: 見事だったぜ、ボス。この先どうするか、今回の参謀と相談しよう。1911、聞こえるか? M1911_通信: 予定よりずいぶん早かったわね。指揮官様ったらぁ、私に会うのが待ちきれないのかしら♡ トンプソン: おいおい、勘弁してくれ。ここに人員を配置したいんだが、何か意見はあるか? M1911_通信: ここの拠点は主に偵察用だから、ハンドガンの人形に任せるのが一番ね。 [注:ハンドガンに適合する人形は偵察能力が高い傾向にある?] トンプソン: ハンドガンなら、お前以上に適任の者はいないと思うが…… M9: 私にやらせてなの、トンプソンさん!きっと1911よりうまくできるなの! トンプソン: 威勢がいいな。グリフィンにはお前みたいに積極的な人形が必要だ。 M9: ふっふーん♪チャンスは逃さないなの。どこぞのBBAより優秀だってこと、照明してやるなの! M1911: M9、全部聞こえてるわよ…… トンプソン: それじゃあ偵察任務はお前に任せるぜ、M9。それからお前の護衛役の人形を探さないとな…… M9: その必要はないなの。人手も足りてないんでしょ?偵察なら私一人で大丈夫なの。私の逃げ足の速さを甘く見ないでほしいなの。 トンプソン: 強がりはほどほどにな、M9。事態が急変するのが戦場だぜ。 M9: 私と指揮官で鉄血の大軍を相手したこともあるなの!だから安心してほしいなの。 [注:存在しない記憶] トンプソン: 分かった。くれぐれも気をつけてくれよ。我々も引き続き前進するぞ。 2-2 > 場所:戦術マップ_夜 M1911_通信: 今のところすべて順調ね、トンプソン。 トンプソン: 当たり前だ。誰がやってると思ってるんだ? M1911_通信: うぬぼれは禁物よ。後方にまだ拠点が何か所かあるわ。 トンプソン: こっちにはプロがいるんだ。潜入は心配ねぇだろ。 M1911_通信: 愛しの指揮官様がついているし、その心配はしていないわ。私が気になっているのは……あの問題児の人形たちの方よ。 トンプソン: ああ、分かってるさ。あんな輩をこんな作戦に寄こすなんて、ボスの期限が悪かったんだろうな。 M1911_通信: 対策は練ってあるの?嫌な気分で仕事したくないわよ…… トンプソン: ハハッ、スプリングフィールドじゃあるまいし。まあ対策はゆっくり考えるさ。とりあえず出発するぞ、あまりボスを待たせるな。 2段落 > 場所:道路_夜 (……グリフィンの部隊が後方の拠点に到着した。) トンプソン: イングラム、ここは任せたぜ。進駐の準備をしろ。 イングラム: え、私が?はぁ……いつまでここにいればいいんですか? トンプソン: しばらくは頼むぞ。軍側はまだ戦闘人形の準備中で、いつ始めるかは言わなかったからな。 イングラム: だから、なんで軍を待つ必要があるんですか?私たちだけでもあんなポンコツ、やっつけられるでしょうに。 トンプソン: こっちも商売だからな。人の金で解決できそうなら、我々がわざわざ動くこともないのさ。 イングラム: はぁ……私は金儲けではなく、血戦を楽しみにして来たんですけどね、トンプソンさん。だからあんたの戦歴を聞いて、わざわざこの部隊に入ってきたのに。 トンプソン: がっかりさせて悪かったな。私は今までずっとグリフィンの指示に従ってやってきたんだ。 [注:製造後ずっとグリフィン所属だった?] 勝手な行動をとったことは一度もない。 イングラム: あの人様には見せられない悪事とかも含めてですか? トンプソン: 全部契約の認める範囲内だ……これを持っていけ。 イングラム: これは……ダイナマイトの起爆スイッチ? トンプソン: それがお前の仕事だ。片が付いたら、あとは好きにやってくれ。 イングラム: ハハッ、話の分かる方ですね。 トンプソン: うまくやれよ、イングラム。グリフィンに雇われたことを幸いに思え。契約の認める範囲内で、好きなだけ暴れるがいいさ。 2-3 > 場所:戦術マップ_夜 M1911_通信: トンプソン。こちらの砲声が鳴ってるの、そっちにも聞こえてる? トンプソン: ああ。軍が予定より早くおっぱじめたようだな。 M1911_通信: はぁ~。私たち、軍に信用されていたことないもんね。 トンプソン: 当初の計画通りにやれ。ここは前線じゃないから、怪我さえしなければ何でも構わん。 M1911_通信: それが……ちょっと問題が起きちゃって。M9の方が前線になっちゃったみたいなの。知ってるでしょ、軍用人形の破壊力を…… トンプソン: こちらで構っている暇はない。お前のほうで策は練ってあるだろ?ボス、作戦継続だ。皆を連れて次の拠点に向かってくれ。 2段落 > 場所:道路_夜 (……グリフィンの部隊が後方の拠点に到着した。) M1911_通信: トンプソン、そちらの視野は良好みたいね。狙撃手は選んであるの? トンプソン: M21、任せたぜ。いざというときには頼む。 M21: オッケー。で、ターゲットは鉄血?それとも軍の方? トンプソン: 今は冗談を言ってる場合じゃないぜ……だがまぁ、民生用人形なんだから、ミスの一つや二つぐらいあってもおかしくないよな。 M21: ふふっ。まぁ任務は遂行するとして、銃口を1センチ上げちゃうってのは……どう? トンプソン: 契約の認める範囲内なら、好きにやっていいぞ。 M9_通信_大破: ちょっと!トンプソン!聞いてるなの?!あのね!こっちでいきなり戦闘が始まっちゃったなの!どこにいるの、早く助けに来てほしいなの! トンプソン: おい……前に一人で大丈夫って言ったよな? M9_通信_大破: でも軍が突然始めちゃうなんて、ひと言も聞いてなかったなの!おかげでこっちの拠点にまで砲弾が飛んできてるなの!周りは鉄血に囲まれてるし、もう限界なの! トンプソン: 私みたいな切り込み隊長に言っても無駄だぜ。1911に頼むんだな。 M9_通信_大破: うう……1911ちゃん、私が悪かったなの、今回の勝負はあなたの勝ちなの! M1911_通信: はぁ……私は勝負なんかしてないけど。それじゃ支援部隊、あなたたちの出番よ。 場所:黒背景 (………………) M9_大破: え?鉄血が……殲滅された?あ……あなた、味方なの? Super SASS: 新しくグリフィンに雇われたSuperSASSよ。お役に立てて嬉しいわ、M9さん。 M9_大破: よ……よかった……あなたは私のヒーローなの、すーぱー……何とかちゃん! Super SASS: SuperSASSよ、M9さん。あと、そんなにきつく抱きしめないでください…… 場所:道路_夜 トンプソン: フーッあらかじめ後方支援を手配しといてくれて助かったぜ。でなきゃM9は本当にやばかったかもな。 M1911_通信: ふぅ、安全なのはM9のところだけよ、トンプソン。 トンプソン: そうだな。にしてもSuperSASSはいいとことに来てくれたぜ。誰を行かせようか悩んでいたところだったからな。 Super SASS_通信: え?行かせるって……? トンプソン: グリフィンのためにも頼んだぞ、SuperSASS。組織はお前を必要としている。 Super SASS_通信: え?なに?……私が? 2-4 > 場所:戦術マップ_夜 トンプソン: ボス、疲れは取れたか?皆ここまでご苦労だった。残すはあと少しだ。我々の人員は全員配置についている。あとは命令を出しているこの私だけだ。ということで、私はこれより後方から戦場に入り、軍側の進攻に協力せねばならん。目標地点まで誘導してくれ、ボス。私が組織に恩返しする時間だ。 2段落 > 場所:野外拠点_夜 (M9のいる臨時拠点では、鉄血に対する作戦が開始されていた。) M9: 鉄血ボスのダミーを発見!M21、狙撃用意! M21_通信: はい笑って~鉄血のクズ共! M1911_通信: 鉄血の機甲兵はまだ反応できてないわ。イングラム、今よ! イングラム_大破_通信: アーッハハハ!爆発しなさい、木っ端微塵に!このガラクタども! トンプソン_通信: 未だ、SuperSASS!指令室に攻め込め!軍の方も指令室に向かっている。奴らにせっかくのチャンスを奪われるな! Super SASS_通信: 了解、今向かっています! イングラム_大破_通信: アハハ!走って、SuperSASS!もっと早く! (……鉄血の部隊が撤退を始める。) M21_通信: 絶対に軍より先にたどり着いてよ。でないとあいつらの口封じをすることになっちゃうから。 M1911_通信: 冗談はよして、M21。相手が人間だったらどうするの。 イングラム_大破_通信: フフッ、人間が銃器を作りだしたのは人間を相手にするためじゃないですか。 M9_通信_大破: 無視するなの、SuperSASS。私たちは可愛い民生用人形なの、人間に会ったら可愛い子ぶってりゃいいなの! Super SASS_通信: うーん、すいません、そういう訓練は受けていなくて。 M21_通信: はぁ~今の新人は楽でいいよね。私のときはギャグ一つとっても試験があったのに。 イングラム_大破_通信: ハッ、じゃああなたはきっとトークショーで失敗して、それでグリフィンに来たんですね! M1911_通信: 仲間の出身を詮索しないの、イングラム。今の私たちはみなグリフィンの一員なんだから。それが一番大事なことよ。 Super SASS_通信: SuperSASS、指令室を占領しました!繰り返します!SuperSASS、指令室を占領! 場所:野外拠点 M21_通信: 夜明けよ。私たちの勝利ね。 トンプソン_通信: 1911、ヘリアンさんにボーナスをめいっぱい頼んどいてくれ。今回はさすがにくたくただ。 M1911_通信: その前に~指揮官様に勝利のキスを差し上げないと♡ M21_通信: 今回の作戦は、やっぱり1911の勝ちかな? M1911_通信: そんな作戦じゃないでしょ?そういえばM9は?もうオフラインになっちゃった?M9?M9、いないの? イングラム_大破_通信: 遅かったですね、1911、M9ならもう指令室に飛んでいきましたよ。 トンプソン_通信: アッハッハ、恩を仇で返されたか。助けてやるべきじゃなかったな。 場所:黒背景 M1911: ……………… グリフィンのメンバーは……まだまだ教育が足りないようね…… [注:まるで自分はグリフィンのメンバーじゃないかのような物言い……] 通常 > 3-1 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) ヘリアン_通信: お疲れだ、指揮官。作戦は無事終了したようだな。ここに来る途中で前回の作戦報告書を受け取った。まず初めに、エクスキューショナーを仕留めて管轄内の鉄血部隊を徹底的に殲滅したこと。これは賞賛に値するぞ。それに加えて、M4A1を無事回収しそのコピーしたメモリーを無事本部へ送り届けたこともだ。今解析を急いでる。そして今、我々は戦線を大幅に広げ、鉄血勢力を徹底的に駆除する必要に迫られている―― 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 協定の制約があって、グリフィンは今回の作戦に主力部隊を投入できない。だから今回は貴官に、この地区の道を切り開いてもらう。今後の作戦のためにもな。 場所:野外拠点 (戦闘終了後、誰もいない司令部の隅っこで……) M4A1: AR……こちらM4A1、誰か聞いているのなら応答してください。 M16A1_通信: いいタイミングだな、M4。あと1分遅かったら繋がらなかったぞ。 M4A1: M16姉さん!そちらの状況は? M16A1_通信: 近くに鉄血が数体いる。もう少ししたら通信機を切るぞ。 M4A1: じゃあ手短に。私は無事助け出され、今はある指揮官のもとにいます。私たちの部隊が前線の近くにいるので、いつでも応援に行けます。M16姉さん、AR小隊の状況は? M16A1_通信: 後ろの敵を抑えているときにはぐれてしまった。この前連絡したときはまだ無事だったが。M4A1、私に構わず、まずAR15とSOPⅡを探せ。 M4A1: 了解。M16姉さんも気をつけてくださいね。 M16A1_通信: すまん、奴らがやって来た。話はまたあとだ。大丈夫、また会えるさ。 3-2 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: AR小隊の他のメンバーの状況について、M4A1から連絡があった。本部は貴官が救出に向かうことを望んでいる。もちろん我々もある程度情報面での支援は行うぞ。まず初めに、現地の鉄血通信ステーションを占領し封鎖しないことには、AR小隊は安全に撤退できない。あと、通信ステーションを占領したら、そこにあるデータをアップロードしてほしい。現地のボスの情報があるはずだ。以上だ、行ってこい。成功を祈る。 場所:野外拠点 (司令部の一角にて…… ……ピー。) ST AR-15_通信: 聞こえますか、M4。こちらAR15。 M4A1: 聞こえるわ!AR15、そっちは大丈夫? M4 SOPMOD Ⅱ_通信: わたしのことは聞いてくれないの?M4。心配してたのに! M4A1: SOPⅡ!あなたもそこにいるの? M4 SOPMOD Ⅱ_通信: わたしたちなら大丈夫。そちらの信号を受け取ったらすぐに合流できるよ。 M4A1: 分かった。M16姉さんはまだ道中だから、とりあえずそちらを迎えに行くね。AR15、合流地点はここでいい? ST AR-15_通信: …… M4A1: AR15? ST AR-15_通信: ……うん、じゃあそうしましょう。オーバー。 M4 SOPMOD Ⅱ_通信: ちょちょちょちょちょ!まだ言いたいこ…… 場所:道路 (AR15の潜伏先では……) M4 SOPMOD Ⅱ: AR15ったらもう!やっとM4と連絡がついたのに! ST AR-15: 黙って。会ってから話せばいいでしょ。それに今は……通信している場合じゃないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: え?AR15……もしかして…… ST AR-15: そうよ……盗聴されている。 [注:AR-15、もう傘に感染してる?] 面倒な奴に……目をつけられてしまったわ…… M4 SOPMOD Ⅱ: 待って!AR15、どこへ行くの? ST AR-15: ついてこないで、SOPⅡ。あなたはM4と合流するという……任務があるでしょ。私は……片をつけなきゃならないことがあるの。 3-3 > 場所:戦術マップ M4A1_通信: ようこそ、指揮官。僭越ながら、AR小隊の一員として、今回の作戦について説明いたします。AR小隊には私のほかに、三名の人形がいます。そのうち二名が今回の救助対象です。そして今回の作戦の目標は、二人が合流地点に無事到達できるよう、現地の鉄血部隊を撃退することです。まだあなたの元に就いたばかりではありますが、これまでの作戦を見る限り、とても優秀な指揮官だと確信しております。この度のご協力には感謝いたします。では出発しましょう。 2段落 > 場所:橋 (味方部隊の援護を受け、M4A1は無事合流地点に到着した……) M4A1: AR15、SOPⅡ。こちらM4A1、目標地点に到着。そちらは? M4 SOPMOD Ⅱ: ここだよ、M4!あはははは!よかったよかった!ずっと心配でたまらなかったよ! M4A1: ふぅ……あなたも元気そうでよかったわ。AR15は? M4 SOPMOD Ⅱ: AR15は…… M4A1: ……え?AR15はどうしたの? M4 SOPMOD Ⅱ: M4、落ち着いて聞いてね。実は、わたしたちの通信が鉄血ボスに盗聴されていたの。どうやったのかは知らないけど……, それで相手の追跡を食い止めるため、AR15は時間稼ぎに行ってしまったの。 M4A1: 時間稼ぎって……どういうこと? M4 SOPMOD Ⅱ: 奴らは……もう出発したんだよ。M4たちの司令部に向かって。 M4A1: え?奴らって……鉄血が? M4 SOPMOD Ⅱ: そう、この区域の鉄血ボスが動き始めたの。とにかく急いで戻ろう、話はあとで説明するから! 3-4 > 場所:野外拠点 M4A1: 指揮官。こちらがAR小隊の一員、M4 SOPMOD…… M4 SOPMOD Ⅱ: M4 SOPMOD Ⅱだよ!指揮官、説明はあとでするから、とりあえず早く乗って! M4A1: 何するの、指揮官は逃げたりしないわよ! M4 SOPMOD Ⅱ: でも鉄血の部隊がすぐにグリフィンの司令部に攻め込んでくるって、AR15が言ってたもん。M4とわたし二人だけじゃ、あんな大勢を相手にできないよ! M4A1: 大丈夫よ、SOPⅡ。今回は単独での作戦じゃないから。指揮官と司令部にいる人形たちも、共闘してくれるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: え?ってことはついにわたしたちにも……仲間ができたの? M4A1: ええ、そうよ。SOPⅡも待ち望んでいたもんね。準備はいい?新しい仲間たちと一緒に頑張るよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: ははっ!いつでもいいよ!指揮官、ご命令を! 2段落 > 場所:野外拠点 (鉄血の攻勢を退けて、任務を完了した。) M4 SOPMOD Ⅱ: 鉄血が撤退していったよ、やったー! M4A1: 一人で喜ばないの、SOPⅡ。みんなで力を合わせた結果よ。 M4 SOPMOD Ⅱ: わたしだってちゃんと貢献したもん。ねぇ指揮官、ほめてほめて! M4A1: もうっ!指揮官にばっかりくっついて。私の指揮がそんなに嫌だったのかしら。 M4 SOPMOD Ⅱ: あっれー?M4でも妬くんだ。少なくとも、一番頼りがいがあるのは指揮官だとは思うよ。 M4A1: そうね。じゃあ指揮官の命令に従って、頑張るのよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん!お利巧さんにしているから!あの「ハンター」さえぶっ壊せるのなら、指揮官の言うことを何でも聞くよ! M4A1: ハンター? M4 SOPMOD Ⅱ: SP721「Hunter」。AR15の調査によると、この区域の鉄血ボスなんだって。 M4A1: それで……AR15は?一体どこへ行ったの? M4 SOPMOD Ⅱ: AR15は……わたしを逃がすために、囮になってハンターを引きつけていったの。指揮官。ハンターはずる賢いやつだから、早く行かないとAR15が危ないよ! 場所:道路 (同時刻、鉄血の指令室にて。) ST AR-15: …… ハンター: それだけか?一人で来るくらいだから、少しは勝算があるのかと思っていたが。 ST AR-15: 私の不注意で、みんなを苦境に追い込んでしまった。これがせめてもの罪滅ぼしになるのなら…… ハンター: AR小隊は、人間の指揮がなくとも単独行動が可能なグリフィンの人形小隊。そしてお前はその一員だ。資料によると非情なまでに理知的だそうだが、まさかこんな感情的な行動をとるとはな。 [注:なんだったらそいつ、AR小隊で一番感情的な奴なんですよ] もっとウマが合うかと思っていたが、失望したぞ…… ST AR-15: そちらの情報はずいぶん一面的なようね。データベースを更新した方がいいわ。 ハンター: いずれするさ。獲物さえ手に入れば、全ての問題は解決する。 ST AR-15: M4A1を……そんなに欲しがるのは、一体何のためなの! ハンター: それはどうでもいいんだ、AR15。重要なのは、お前をエサにすればM4が自らやって来てくれることだ。 ST AR-15: …… ハンター: くだらん感情に流されたツケだ、AR15。本物のハンターは、黙って獲物を待つものさ。 3-5 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 指揮官、また新しい任務だ。貴官のおかげで、S09地区を占拠しているボスの正体が明らかになった。 [注:夜戦1-1じゃもうS09地区は解放済みたいなノリだったけど……] SP721「Hunter」――通称「ハンター」、危険な鉄血人形だ。すぐに捜索を開始し、あとに続く作戦のために備えなければならん。今、グリフィンの他の部隊には、包囲の準備をさせているところだ。そしてこれより、貴官に重大な任務を言い渡す。ハンターが占拠する基地の周囲を偵察し、奴らの防御に関するデータを本部に送ってくれ。 2段落 > 場所:道路 (捜索進行中……) ハンター_通信: フッ、本当に現れやがったな、M4A1。 M4A1: 何者かが通信に割り込んできたわ。この声は―― M4 SOPMOD Ⅱ: ハンター!鉄血のあいつだ! ハンター_通信: ほう?あの小娘もいるのか?とにかく、大方予想はついているだろうが、AR15は現在こちらの手中にある。 M4 SOPMOD Ⅱ: このクズが!悪あがきはやめろ! ハンター_通信: フッ、というより、元からこういう狩りの計画だったのさ。どのみちグリフィンも当分はここを攻め落とせないだろうし、睨み合っていても無意味だ。武器を捨てて投降しろ、M4A1。そうすればAR15は返してやる。そうだな。少しばかり声を聞かせてやろう…… (……ピー。) ST AR-15: こいつの言うことなんか聞かないで、M4!何もかも私が―― (……ピー。) ハンター_通信: どうだ、これでこちらの要求をのむ気になったか。グリフィンの助けにも期待しないことだ。我々の指令室まで攻め込めはしないだろうからな。速いところ決断を下せ。グリフィンもそう長くは待ってくれないようだぞ。 3-6 > 場所:黒背景 M4 SOPMOD Ⅱ: M4、決心したの? M4A1: 仲間を見捨てるわけにはいかない……AR15だったとしても、同じことをするはずよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: AR15ならきっとそうしただろうけど、M4はAR15じゃないでしょ。M4はAR小隊のリーダーなんだから、わたしたちを率いていく責任があるの。そうでしょ? M4A1: それは…… (………………!!その時、突然管制センターからサイレンが鳴り響いた。) M4A1: この音は……緊急集合命令よ! M4 SOPMOD Ⅱ: え?こんなときに何だろう。 場所:司令室 (同時刻、グリフィンS09地区司令部にて。) ヘリアン_通信: ……簡単にいうとこうだ、指揮官。鉄血の部隊が突如制御不能に陥ったらしく、ほとんどの部隊が動けなくなっている。理由は分からないが、これは間違いなく、進攻のチャンスだ。 [注:なんだか知らんが] 直ちに出発してハンターを探し出し、始末せよ! [注:とにかくよし!] 鉄血に大打撃を与えるチャンスだ、任せたぞ指揮官! 2段落 > 場所:道路 (……鉄血の司令部にて。) ST AR-15: ひどいザマね、ハンター。 ハンター: わからん。なぜだ…… ST AR-15: 私が鉄血の内部からあんたの命令を書きかえて、今回の混乱を引き起こしたのよ。 [注:やっぱりもう感染してる……?] ハンター: バカな、なぜお前にそんな権限が! ST AR-15: 知らないうちに手に入れた能力だけど、結構使えるみたいね。 [注:なんだか知らんが] 私は本当に特別なのかもね。そう思わない?ハンター。 [注:とにかくよし!] ハンター: ……まさか……わざと捕まったのか。 場所:黒背景 ST AR-15: …… 言ってたよね。本物のハンターは、黙って獲物を待つものだって。もちろんあんたは今から、永遠に黙ることになるけどね。 場所:橋 (1時間後、集合地点にて。) M4 SOPMOD Ⅱ: 見て見て!AR15だよ!やっと戻って来たよ! ST AR-15: 二人とも遅すぎるわ。あてにしていたらいつ出られたことか。 M4A1: AR15……無事で良かった。 ST AR-15: M4。今回の混乱がなかったら、本当に自分の身を引き渡すつもりだったの? M4A1: それは……分からない…… ST AR-15: どうするつもりだったかは知らないけど、M4A1。あなたは私たちのリーダーなのよ。バカな真似はしないで。 M4A1: でも、私…… ST AR-15: みんなそれぞれ責任を負っているのよ、M4A1。だからときには選択の余地がないこともある。それにM16はまだ救助を待っているわ。 M4A1: うん……次は慎重に考えるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: あれー。AR15ったら、急に格好いいこと言っちゃって。 ST AR-15: ……ちょっと来なさい、話があるから。 M4 SOPMOD Ⅱ: 待ってよ!まだ何も言ってないでしょ! ST AR-15: 言わなくていいわ、今から永遠に黙らせてあげるから。 M4 SOPMOD Ⅱ: M4!指揮官!助けてぇ~! M4A1: ……ふぅ 残るはM16姉さんだけ…… 緊急 > 3-1 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) カリーナ: おはようございます、指揮官さま!実はですね、グリフィンで重大な任務が発表されまして。「鉄血が残した情報を収集するため、S09地区調査への人出を募集する。」と。さっき本部に仕入れに行ったときに見つけて、引き受けてきちゃいました。S09地区のことなら指揮官さまが誰よりも詳しいですもんね。あそこはそんなに強い敵もいないでしょうし。つまり、圧倒的に私たちが有利です! 場所:戦術マップ カリーナ_通信: そうです。ここ、ハンターの部隊と衝突したところです。でも今はもうハンターもいませんし。うちの人形のように、事前にメンタルモデルをアップロードしていれば話は別ですけど。とにかく、早く行ってみましょ、指揮官さま! 場所:司令室 (……作戦終了。) カリーナ: え……どうして……こんなに敵が増えているんですか…… ……まさか、また新しいボスが現れたとか?!すみません、指揮官さま……勝手に任務を引き受けちゃって……まさかこんなことになるとは…… ……え、構わないんですか?チャンス……?そうですよね、これはチャンスですよね!強くなるチャンス!指揮官さまに、逆に励まされちゃいましたね……はい!一歩一歩、ゆっくりでいいので、一緒に頑張りましょ! 3-2 > 場所:戦術マップ カリーナ_通信: 指揮官さま、今回はここのデータを集めるそうですよ。新しい鉄血の部隊は手強いかもしれません。でも……う、うろたえないで。お、落ち着いて……ゆゆゆっくり……ささ作戦を……は、は始めまししょ……え?わわ、私は、落ち着いていますよ!で、では、私は後方支援を担当しますので、指揮官さまは前線の人形をお願いします! 2段落 > 場所:司令室 カリーナ: 勝った――っ!指揮官さま、すごいです!それじゃ続いて、次の任務に移りますか?え?戦利品を……見てみたい? (大型の軍用データ保管装置が運ばれてくる。) カリーナ: よっと。これですね。技術スタッフがいないので、ストレージの内容は見れませんが。……ええ。他に何もなければ、とりあえず倉庫に入れておきますね。このままいけばきっと大丈夫ですよ、指揮官さま! 3-3 > 場所:戦術マップ カリーナ_通信: 指揮官さま、もう着きましたか?今回も頑張りましょう、ついて来てくださいね!こちらが新しい座標です。グリフィンはここのデータを回収してきてほしいそうです。これが最後になればいいんですけどね。まあそろそろでしょう。よし。では指揮官さま、しゅっぱーつ! 2段落 > 場所:司令室 カリーナ: よーし、これで最後の敵も片付きましたね。あとは保管装置を運んでいる人形小隊が戻ってくれば、報告してそれで終わりです。え?この警報は――?……な…何なの?!指揮官さま、大変です!今人形小隊から報告があって、司令部に戻る途中で鉄血の襲撃に遭ったそうです!こちらの人形に怪我はありませんでしたが、戦利品が鉄血の輸送部隊に奪われてしまいました!まずいですよ……どうしましょ…… ……はい、分かりました。とりあえずあとを追って、その間に考えましょう。でも……確かに指揮官さまの言う通り、何だか変ですね。鉄血の部隊が大軍を派遣してまで守りたいものって……一体何なのでしょう……? 3-4 > 場所:戦術マップ カリーナ_通信: 指揮官さま、鉄血人形の動向をつかみました。不思議なことに、あまり遠くには行っていないようです。それどころかこの付近に駐留しています。以前にここで奴らの襲撃を防ぎましたよね。覚えてます?いずれにせよ、今こそ戦利品を奪還するときです!指揮官さま、ご命令を! 2段落 > 場所:司令室 カリーナ: 指揮官さま、やりましたね!無事戦利品を奪還しましたよ!技術スタッフに前回の保存装置を解読してもらったところ、進展がありました……それがこの録音テープです。指揮官さま、お時間があれば聞いてみてください。私は先に、本部に戦果を報告してきますね。今回は完全勝利ですもんね!盛大にお祝いしなきゃ。 場所:黒背景 (カリーナが立ち去った。録音データの再生を始める―― ……………… 聞こえてきたのは、鉄血のボス、ハンターの声だった。) ハンター: ……以上が、わたしの収集した情報だ。これで、わたしとスケアクロウ、エクスキューショナー、鉄血調査部隊の情報は全て、アップロードが完了した。 ??: …… [注:イントゥルーダー] つまり、第3セーフハウスの「データ」は、まだあのM4A1が持っているということかしら?随分のんびりしているのね。グリフィンはこのデータの価値が分かっていないようね。【傘-Parapluie-】計画にせよ、【遺跡】に関する情報にせよ…… ハンター: フンッ、どのみちわたしの任務はこれで終わりだ。これからまた狩りに戻るからな。 ??: また狩りなの……まったく野蛮だこと。どうしてわたくしの部下は、もっと優雅に振る舞えないのかしら。 ハンター: わたしはあんたとは違うからな、イントゥルーダー。正装の格好で座して死を待つなんて御免だ。 イントゥルーダー: だからあなたは……わたくしの捨て駒になるしかないのよ。わたくしの指揮を受けてきて、後悔しているのかしら? ハンター: フンッ……どのみち選択の余地などなかっただろう。死んであんたとおさらばできるなら、それはそれでラッキーだしな。 イントゥルーダー: 安心なさい。皆のデータは、わたくしがきちんと取ってありますから。何しろ皆の最後の花道を飾ってあげることが、今回のわたくしの務めだもの。 ハンター: ふんっ悪趣味だな、どれだけ幕引きにこだわるんだ。すぐに次の作戦が始まるみたいで助かったよ。これでしばらくあんたとおさらばできる。 (……) イントゥルーダー: 大丈夫よ。ちゃんとあなたたちのとを待っているから。皆、一斉に目覚めるのよ。 夜戦 > 3-1 > 場所:司令室 (……グリフィンS09地区指令室にて。) マカロフ: 初めまして、指揮官。グリフィンの人形、マカロフです。あなたの指揮を受けられて光栄です。今回の任務はぱっとしませんけどね。 M1895_通信_大破: コラー!何がぱっとせんじゃ!輝かしい戦歴を持つ老兵を救出するんじゃぞ! マカロフ: ご覧の通り、こちらの人形が今回の救出目標です。通称「ナガンM1895」。ご存知でしょうが……いえ、知らないはずはないというべきか…… M1895: ふふん、指揮官がわしを知らんはずなかろう? [注:初対面!] 戦場での友情を忘れるでないぞ! マカロフ: 理解に苦しみますよね。こんな古くて弱くて騒がしくて、どこにでもいそうな人形のどこに救出する価値があるのかって。 M1895: おぴ、口のきき方に気をつけろよ!ヘリアン様に頼んで降格させるぞ!こうかく! マカロフ: それは前回の作戦中、彼女が偶然重要な品物を発見したからなのです。それを早急に本部に持ち帰らなければなりません。 M1895_通信_大破: ぐずぐずするな、マカロフ。こっちはまだ鉄血の倉庫に隠れているんじゃぞ! マカロフ: ナガンM895、倉庫の番号を覚えてる?でなければせめて何か手がかりを教えて。 M1895_通信_大破: 慌てて隠れたから覚えてないと言っておろう。外は鉄血の機甲兵だらけじゃ。出てったら、死人がでるぞ! マカロフ: はぁ~、じゃあ静かにして待ってて、できるだけ急ぐから。 場所:戦術マップ_夜 マカロフ: とにかく、一歩踏み出しましょう。グリフィンの主力は軍の作戦支援に出てるので、今回の作戦は人手が全然足りないんです。まずは現地の留守部隊と合流して、協力を得ないと。指揮官、出発のご命令を。 2段落 > 場所:橋_夜 (……目標地点に到着した。) マカロフ: 応答せよ、モシンナガン。こちらは合流地点に到着。 モシン・ナガン_通信: 了解。こちらから人形を二名派遣したわ。まもなく到着するはずよ。 マカロフ: あなたは来れないの?今回救出するのはあなたの妹でしょ。 [注:ナガンおばあちゃんとモシン・ナガンは姉妹] モシン・ナガン_通信: うん……軍側の要求でね、エリート人形は全員支援任務に回されたの。 [注:カルカノ姉妹もかな?] マカロフ: ふん、面子ばっかり……ってことは、こちらによこした人形もどうせロクな…… ??: おっ、見つけたぞ!あそこだ! [注:AK47] ??: オッケー、見えたわ、すぐ行く! [注:SKS] マカロフ: この声は……はぁ~、まさか…… AK47: よぉ!久しぶりだなァ、マカロフ! SKS: 今回はどんな大役を、この戦闘のプロに任せてくれるのかしら? マカロフ: 何もないわ、じゃあね。 AK47: そんな冷たくすんなよ!あたしらだって百戦錬磨の戦士なんだぜ。 マカロフ: 悪いけど、必要なのは潜入工作員で、クレイジー・イワンじゃないの。 SKS: バカにしないでよ。ここまで警報一つ鳴らさずに来たんだから。 AK47: 見つかったら片っ端から始末してるからな。アハハハ! マカロフ: …… 今回ばかりは、あんたたちがいないほうがマシな気がする。 AK47: そうはいかないだろ。ナガンは大事な姉妹だぜ。指をくわえて見てろってのか? SKS: 少しぐらい手伝わせてよ。どうせ人でも足りてないんでしょ。 マカロフ: まぁ、それもそうね。出来が悪くても教え子は教え子。少しは我慢するわ。 [注:マカロフが二人の教官だった?] いいわね?大砲の餌食になりたくなければ、私の命令どおりにやりなさい。 3-2 > 場所:戦術マップ_夜 マカロフ: 指揮官、それでは正式に救出作戦を開始します。まずは現地の鉄血通信ステーションを奪って、目標の倉庫の位置を確認しなければなりません。一番近い通信ステーションの一は既に表示されています。出発しましょう、指揮をお願いします。 2段落 > 場所:司令室_夜 (……通信ステーションの奪取に成功。) マカロフ: 無事に通信ステーションを占領っと。お見事でした、指揮官。データのハッキングを始めます。SKS、椅子を探してきて。 SKS: は?椅子なんかどこにあるのよ。さっき入ってきたときもドアノブすらなかったのに。 AK47: にしても……こんな粗末な場所に、鉄血はよくいてられるなァ。 [注:唐突な関西弁] SKS: ここは下っ端の鉄血がお世話になる場所なのよ。充電ポートがあるだけましだわ。 AK47: ヘッ、鉄血のイヌ共もお気の毒に。 SKS: あんたは鉄血じゃないでしょ。どうして気の毒だと分かるのよ。 AK47: この部屋を見渡してみろよ。酒の一つもないんだぜ?あたしだったら30分と座ってられんよ。 SKS: AK-47、そこがあなたの悪いところよ。低俗で物質的な快楽に溺れちゃだめ。人形として生きている意味は何なのか、日々考えないと。 AK47: 何だよ。それじゃ、鉄血のイヌ共があたしより高尚な生き方をしてるって言うのか? マカロフ: 二人とも、そこで何だべっているのよ。 SKS: マカロフは興味ないの?鉄血の素性とか、あいつらの目的とか。 マカロフ: 奴らはグリフィンの利益を損なう敵よ。滅んでくれればそれでいいわ。 SKS: ふふ~ん、実は色々知っているんでしょ、マカロフ, なにしろOTs-14と仲がいいもんね。 [注:マカロフ、グローザ様となかよし] AK47: そうだそうだ! [注:グローザ様は鉄血について何か知っている?] 少しぐらい教えてくれたっていいじゃないか! マカロフ: ……………… よし、目標の位置を確認。休憩時間終わり。 SKS: ちょっと!絶対色々知ってるでしょ、マカロフ! マカロフ: ……知っていたら、どうたっていうの?AK-47、SKS。何を知っていようと、私たちが受ける命令の内容は変わらないわ。鉄血を滅ぼせばそれでいいの。はい、作戦を続けるわよ。 3-3 > 場所:戦術マップ_夜 マカロフ: 指揮官、次の作戦が恐らく要になります。ナガンさんの居場所を確認しましたので、直ちに救出に移ります。ターゲットは廃棄された鉄血の倉庫です。指揮官もきっとここを覚えていることでしょう。 [注:どこだっけ……] それでは出発しましょう、ナガンさんが舞っています。 2段落 > 場所:野外拠点_夜 (……ナガンのいる倉庫に侵入した。) マカロフ: 倉庫に入ったわ。目標捜索開始よ。 AK47: いたぞ、ここだ! M1895_大破: う……AK……47? AK47: お?まだ意識はあるな。これがいくつか分かるか? M1895_大破: そんなに速く指を動かされて分かるか!目がかすんできたわ! AK47: マカロフ、見つけたぜ!ただ目と脳がイカれちまってるみたいだ。どうする? M1895_大破: 誰がじゃ!わしは昼寝しとっただけじゃ、体はピンピンしておる! 場所:黒背景 (………………!!) SKS: この音は…… AK47: チッ、早くも鉄血に見つかったか? マカロフ: ただ近くをパトロールしているだけだと思う。こちらの居場所まではまだ特定できていないはずよ。 場所:野外拠点_夜 (……大型の機甲兵が近づいてくる音がする。) M1895_大破: くそっ、敵の機甲兵が倉庫まで入って来たみたいだ。もう逃げられんぞ! AK47: あたしとSKSが敵をひきつけるから、マカロフはチビを連れて早く逃げろ! マカロフ: 二人とも、こんなときに英雄を気取るつもり? AK47: 英雄なんかに興味はねぇ。でも黙って見てろっていうんなら、それは願い下げだぜ。 SKS: 罪悪感を感じるんだったら、戦記にあたしたちのことを格好よく書いてよね。 マカロフ: …… 星条旗の人形の奴らみたいに、ことを大きく誇張するつもりはないわ。だって私、嘘をつくのは苦手だから。戦記とかその類のものは、やっぱりあなたたちが自分で帰って書きなさい。 場所:黒背景 (………………!!) SKS: い……今の爆発は……? マカロフ: ……私たちの最後のチャンスよ、逃さないで。 3-4 > 場所:戦術マップ_夜 AK47: ふーっ……もう安全だな。にしてもさっきの爆発は本当にすごかったぞ。鉄血はまだ抜け出せていないぜ。 SKS: そばが火薬庫だなんて、どこで知ったの?マカロフ。 マカロフ: ナガンの倉庫を探していたときに、たまたま見つけただけよ。 SKS: 用意周到なのね。さすがモシンナガンが信頼しているだけのことはあるわ。 M1895_大破: おい。わしが倉庫の位置を忘れていたおかげで、マカロフにチャンスが訪れたのじゃぞ! SKS: そもそも全部あなたのせいでしょ……そういえば、握りしめているそれは一体何? M1895_大破: よく分からんが、グリフィンのマークがついていたからついでに回収してきたんじゃ。 マカロフ: …… おしゃべりはそこまでよ。まだ危機を脱していないんだから。指揮官、聞こえますか?来た道はもう戻れません。これが最後の作戦です。戦場から無事に抜け出すため、指揮をお願いします。 2段落 > 場所:廊下 (……作戦終了から5時間後、グリフィン本部の会議室前にて。) OTs-14: 会議はまだ紛糾しているようね。モシンナガン、大丈夫? モシン・ナガン: うん、だ……大丈夫。 OTs-14: ここに花瓶みたく突っ立っていても退屈よね。妹のことも心配でしょうに…… モシン・ナガン: マカロフに任せてあるから、心配ないはずだけど。ただ、まだ連絡がこなくて…… OTs-14: あそこはかつて鉄血の重要基地だったから、そんなすぐには見つかったりしないよ。大丈夫、ヘリアンさんは指揮官をも応援に回してくれたし…… モシン・ナガン: シーッ……この話が軍の耳に入ったら…… OTs-14: そうね、軍は私たちが指揮官をそんなところに使うのを望んでないものね。にしても……ナガンを救うために、ヘリアンさんが指揮官を派遣してくれるなんて思わなかったわ。 モシン・ナガン: うん、ヘリアンさんの判断にはすごく感謝している。その理由や結果がどんなものであったとしても…… M1895: わはは!ここにいたか、モシンナガン! モシン・ナガン: あら…… M1895: ようやく帰ってこれたわ。わしがいなくて寂しかったじゃろ! OTs-14: フフッ、結果は悪くなかったようね。 AK47: あーあ……今回はへとへとだぜ。 SKS: でも無事再会できたみたいだし、危険を冒した甲斐があったわね。 モシン・ナガン: スパシーバ、AK47、SKS…… そういえば……マカロフは? M1895: ヘリアンさんに会いにいったぞ。何か重要な報告があるようじゃったが。 AK47: あんたが拾ったっていうあれのためか?さっきマカロフが持っていったようだが。 SKS: いったい何なの?そんなに大事なもの? M1895: あれは…… 確か……ただの通信機じゃったが。 場所:司令室 (……同時刻、ヘリアンの執務室では。) ヘリアン: 今回の作戦は無事成功した。お前も指揮官もじきに褒美が与えられるだろう。 マカロフ: ありがとうございます。ところで失礼ながら、この通信装置は何か特別なものなのでしょうか? ヘリアン: ほう?いつもの御前ならそんな質問はしないはずだが。 マカロフ: 少し気になりまして……今回受けた命令に。 ヘリアン: これはAR15が現地で落としていったものだ。情報によると、鉄血はこれに小細工を施しているかもしれないらしい。16LABが研究を希望しているし、もしかしたら……これが勝利の鍵になるかもしれないな。 マカロフ: ……分かりました。今回の作戦は、指揮官の指揮がなければ、成功しなかったと思います。 ヘリアン: かもしれないな……それで? マカロフ: もし…… もしナガンがこれを持っていなくとも、指揮官を派遣して助けてくれましたか? ヘリアン: ……………… マカロフ、お前…… 場所:黒背景 ヘリアン: ふっ、自分の使命に、興味を持ち始めたようだな。 マカロフ: ええ…… あるいは、私たち自身に……興味が湧いたのかもしれません。 収録範囲: 第4戦役(通常/緊急/夜戦) 通常 > 4-1 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて―― [注:AR-15の失踪から5日後、AR15がAR-15になった]) ヘリアン: ……AR-15に関する最新情報は以上です、クルーガーさん。指揮官とAR小隊は今もなお懸命に捜索中です。それから、先ほど404小隊が申請した【緊急指揮権】ですが、こちらで承認しておきました。 クルーガー: ……やむを得ない場合を除き、彼女たちに権限を与えるものじゃないぞ。 ヘリアン: 404小隊が直面している脅威は予想以上に深刻です。あのジャミング装置も、本当に【傘計画】と関係があるのかもしれません。 クルーガー: うむ…… それで、404小隊は今どこだ? 場所:黒背景 ヘリアン: まだS06地区にいますが、すでに行動を開始しています。彼女たちが生きて戻れば、より詳細な情報が手に入ると思われます。 (……時を同じくして、S06地区の鉄血紛争地帯にて。) UMP9: ねぇ~、起きてよ。ほら、416。早く起きてってば!ね~~~~え~~~~! 416: んんっ…… ……うるさいわね。 場所:道路_夜 UMP9: やっほー!416、調子はどう? 416: 「最高の気分よ」と答えてほしいのなら、さっさと石をどけてくれる……? UMP9: オッケー。鉄血の包囲殲滅隊が到着するまであと3分あるし、手伝ってあげるね。ところでさ。遠くの爆撃音、聞こえてるよね?まずい状況になったらわたしは先に失礼するから、よろしくね。 416: 背を向けた瞬間、頭を捻じ曲げてあげるわ――頭の部分だけ。 UMP9: 怒らないでよ~。鉄血がやってくるのはわたしたちのせいじゃないんだから。ただの通信ジャミング装置だっていうのに、なんであんな必死になっているのかな。 416: 私たちが甘く見過ぎていたのよ。今回ヘリアンがあんなに高い額を提示したのも、そもそも訳ありだったってことね。 UMP9: だよねぇ。ここら一帯レーダー基地だらけだし、一瞬でも姿を見せたら蜂の巣にされちゃうよ。 416: 夜間作戦をやるからには、早いところレーダー基地を占領しないと何も見えないわ。 [注:おお、メタいメタい。] UMP9: わたしたち二人だけじゃ無理そうね。今回は鉄血の装甲部隊もいるみたいだし。 416: そうね…… どうりで私たちの銃弾が効かないわけだわ。徹甲弾は手に入らないの? [注:手に入っても404小隊で装備できる人形はいないのである] UMP9: 45姉が方法を考えてくれてるよ。それで手に入るかは……分からないけど…… 416: 冗談ならよして、9。45はとっくに準備してあるんでしょ? UMP9: えっ?どうして…… 416: 3分経ったのに、まったく逃げる素振りを見せないから。 UMP9: あはは……♪ よく分かってるじゃない。これが最後のひとつよ。ほら。 場所:黒背景 UMP9: すぐに45姉に連絡するわ。そのあたりに身を潜めて待ってて。にしても、鉄血の突撃隊がそろそろ到着するけど、本当にお祈りとかしなくていいの? 416: 45がうまくやっているとすれば、祈るべきは鉄血の方よ。 場所:道路_夜 UMP45_通信: 応答せよ、UMP9。416のやつは死んだ? 416: 残念だったわね。今すぐ私たちを連れて撤収してちょうだい。 UMP45_通信: まあまあ急かさないでよ、416。まだ負けを認めたわけじゃないんだから。今からあなたたちを連れて包囲を突破するわ。それから9はわたしと合流して、新しい任務に取り掛かるわよ。416はG11の回収に向かって。あの子、まだ鉄血の陣地で盗聴任務にあたってるから。あとでまとめて迎えに行くわ。 416: はぁ……そっちこそ急かさないでくれる?まともな装備もない私たち二人で、装甲部隊の大軍を迎え撃てって言うの? UMP9: それに……真っ暗闇の中でジャミング装置を探すことになっちゃう。 UMP45_通信: 大丈夫よ。さっきヘリアンから【緊急指揮権】をいただいたから。それに今回、グリフィンは【装備】権限まで開放してくれたんだから、心配は無用よ。 [注:【装備】権限とは?] UMP9: よかった!グリフィンの物資があれば、部隊も徹甲弾も揃うね! [注:G&Kから装備を貸与してもらう権限ってこと?] 416: でも、暗闇での視界はどうすればいいの?まだ敵さえもまともに見えない状況なのよ。 UMP45_通信: ハンドガンタイプの人形の偵察能力を借りれば、みんなの視界を広げられるわ。それに、私が部隊を率いてレーダー基地を占領するから、そうすれば視界はもう万全よ。 UMP9: 徹甲弾、ハンドガンタイプの人形、それにレーダー基地。この3つが揃えば、勝つ見込みは十分にあるね! UMP45_通信: とはいえ、昼戦とは勝手が違うから、無茶はしないように。敵に気付かれないよう、準備が整ったらいきましょう。 2段落 > 場所:司令室_破壊 (……廃棄された鉄血の指令室にて。) 416: 目的地に到着。予定時間より20分早いわね。 UMP45: ……♪ やっぱり人間の指揮官がいてくれると効率が違うね。416、ちゃんと言うことを聞きなさいよ? 416: 余計なお世話よ。命令があればそれに従うだけ。それより、ここで合ってるのよね。 UMP45: そうよ、ここがAR小隊がエージェントにボコボコにされた場所。今からあいつがいた場所でゆっくり思い出に浸れるわよ。 416: …… あんたもゴミ圧縮機に放り込んでやりたいわ…… [注:あんた「も」?鉄血?G11?] UMP45: うふふ♪ 私を始末するにしても、まずは仕事を終えてからにしましょ。 416: はぁ、いつもこの調子なんだから…… データ復元完了、エージェントの座標を見つけたわ。「9」に伝えて。遊んでないで引き続き追跡するようにと。 UMP45: はーい、これで大きな仕事が片付いたわ。って416、な……なにしてるの?やっぱり~♪あいつの手がかりを探っているんでしょ? 416: ……またとないチャンスなのよ。逃すわけにはいかないわ。 UMP45: はいはい、邪魔しないでおくね。私は先に「9」が手に入れた情報を見てくるわ。あまり一人で遊び過ぎないようにね。奴が本気を出したらやばいって、あんたが一番分かってるだろうから。 4-2 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 今回の鉄血の襲撃は由々しき事態だ、指揮官。戦況は楽観視できない。小隊の情報によると、そこの鉄血ボスは――「イントゥルーダー」というらしい。どうやら新型の鉄血人形らしく、現在残されている製品カタログにもそれ以上の情報は見当たらない。 [注:イントゥルーダーは蝶事件時はまだ作られていなかった?] だが調査によると、一騎討ちを得意としたこれまでの人形とは違い、指揮が専門の人形のようだ。よってサイドのルートを塞いで、できる限り外部との連絡を遮断しなければならん。でないと鉄血の増援部隊が戦場になだれ込むことになるからな。 2段落 > 場所:野外拠点 (……グリフィンの休憩室にて。……ピー。) M4A1: ……これは……通信信号? M16A1_通信: ……応答せよ、応答せよ。 M4A1: ――?! M16A1_通信: えっと……M4A1、聞こえるか? M4A1: ……M16……M16姉さんね!無事なの?! M16A1_通信: ああ……M4、いたんだな。ということは、みんなと合流できたのか? M4A1: AR15もSOPⅡもここにいます。あとは姉さんだけ。 M16A1_通信: それなら良かった。安心しろ、こっちは無事だ。とりあえずの補給ポイントも見つけた。だがまだ用事があってな。 M4A1: まだあるの?いつになったら戻って来てくれるの?! [注:ほんそれ] M16A1_通信: それは……状況によりけりだ。まあ、とにかく切るぞ! M4A1: もしもし?もしもし!M16姉さん! 4-3 > 場所:野外拠点 M4 SOPMOD Ⅱ: M4……M16からの連絡はまだなの? M4A1: M16姉…… ST AR-15: ……待って、公開チャンネルに誰かいるわ! M4A1: ……! 場所:黒背景 イントゥルーダー_通信: 初めまして、皆さん。まだ仲間からの連絡を待っているの?それより目先の出来事を気にした方がいいんじゃないのかしら。 ST AR-15: イントゥルーダー……こんなに早く現れるとはね。 イントゥルーダー_通信: せっかくお客様が来てくれているのに、接待しないと失礼にあたりますから。まずはおめでとう。前の作戦でわたくしの増援部隊を断ち切ることに成功して。でもこれは補給線のほんの一つにすぎないの。わたくしにとってはなんてことはないのよ。 M4A1: これは手始めにすぎないのよ、鉄血…… 場所:戦術マップ M4A1: 次はあなたたちの防御設備が標的よ。 [注:べらべら喋る奴があるか!] 降伏の準備をなさい。 イントゥルーダー: それはエルダーブレインが許さないと思いますわ。わたくしは喜んでお迎えしますけどね。そちらの指揮官に伝えて。そろそろ本格的に始めましょうって。 M4A1: その必要はないわ。……すでに来ているもの。指揮官、作戦のご命令を。 2段落 > 場所:黒背景 (同時刻、M16A1の潜伏先では……) M16A1: やれやれ。嘘をついたのはいいが、やはり仲間がいた方が楽だったな。もっとも…… 場所:鉄血に腰掛けるM16A1 M16A1: お前は助けに来たわけじゃなさそうだが。 [注:レア背景] だろ? ???: やって来たのが鉄血の方がまだましだった。 [注:416] なんて思ってる? M16A1: いいや、別に。こういう事態を想定していなかったわけじゃないしな。だがグリフィンの人形でありながら、鉄血以外の人形を殺すのなら、せめて理由ぐらいは聞かせてほしいものだな。 ???: 404小隊の特権よ。邪魔する者は敵味方問わず先制攻撃を仕掛けていいというね。 M16A1: ほう……便利な特権だな、少し羨ましいぐらいだ。 ???: 黙れ、M16!分かってるでしょ……この代償が何か…… M16A1: やれやれだ……それで、私がそこまで邪魔なのか? ???: 正直、この特権を与えられて嬉しかったことなんてなかったわ。今回以外は。 M16A1: 正直、国家保安局にいたころはお前のこと結構気に入っていたよ。 [注:ここ「416が国家保安局にいたころは」で良いんだっけ?] あのときだけは。それで今日、ついに決着をつけようってか…… 場所:黒背景 M16A1: ……416。 416: 始めましょう、M16A1。今度こそ、逃がさないわよ。 4-4 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 指揮官、今回は新しい任務を言い渡す。もともと任務を担当していた主力小隊だが、なぜか突然通信を切ってしまったんだ。こちらでは連絡が取れないので、捜索に向かってもらいたい。あと、今回のボスには気を付けてくれ。イントゥルーダーは策謀が特異な人形だ。現在のところ大規模な反撃には出ていないが、偵察は慎重にな。 2段落 > 場所:廊下 (同時刻、M16A1の潜伏地点では…… ……戦闘終了。) 416: なぜ…… 明らかに私の方が、人形としては優秀なのに…… M16A1: 経験、反応、訓練。どれをとってもまだまだだ。 416: いつもそうよ……M16A1。あんたにとって、私は一体何なの! M16A1: フッ、やれやれ、そんなに知りたいのか? 場所:黒背景 M16A1: じゃあ教えてやろう、416。お前は私にとって何でもない。分かったか?価値もなければ、興味もない。全くもって何でもない。 416: …… だから大嫌いなのよ、M16…… どんな状況下でも、何もかも知ったような顔をして…… これっぽっちも……弱みを見せないんだから! M16A1: ……ふん 完全に無感情な人形などいない。だからこそ厄介なんだが…… 私の帰りを待っている者がいるのでな、急がねばならん。だからそこをどけ、416。お前だって…私と本気でやり合いたくない、だろ? 416: なるほど。それがあなたの弱点なのね、M16…… M16A1: …… 黙れ。いいか、今日のことは教訓として覚えておけ。さもないと、お前のAIを自殺という答えしか出せなくしてやるぞ。 4-5 > 場所:黒背景 (…… ……ピー。) イントゥルーダー_通信: ……M4A1、あなたなら来ると思っていたわ。 M4A1: …… 教えなさい……M16姉さんの居場所を。 場所:橋 イントゥルーダー_通信: 実を言うと、彼女の居場所は知らないの。そんなこと、どうでもいいしね。 M4A1: じゃあ、あんたたちの目的は一体何なの?グリフィンはもうあんたの管轄に踏み込んでいるのに、まだろくに反撃もしないなんて。 イントゥルーダー_通信: あら?何もせずにいるのが、逆に驚かしちゃいましたか。いいでしょう、なら教えてあげますわ。わたくしが受けた命令は…… M4A1: …… イントゥルーダー_通信: ふふ♪ 実は何てことないのよ、ただ暇つぶしをしろというだけ。 M4A1: 暇つぶし?それが受けた命令だっていうの? イントゥルーダー_通信: 何かおかしいかしら?エルダーブレインがお望みなら、あなたたちと楽しくお茶したっていいのよ。ただし……わたくしのところまで来れれば、の話ですけど。 M4A1: たやすいことよ、イントゥルーダー。 場所:戦術マップ M4A1: 先遣部隊が残してくれた座標をすでに特定したから、すぐにでも会えるわ。 [注:こいつ本当に全部喋っちゃうな] イントゥルーダー_通信: ふふ♪ じゃあ楽しみに待ってますわ。 2段落 > 場所:廊下 (同時刻、M16A1の潜伏先では……) M16A1: チッ…… 撤退しようと思っていたのに。416の後始末をつけに来たなんて言うなよ…… ……UMP45。 UMP45: ……♪ 撤退しようと思っていた?そうは思えないけどね~。だって、そこの箱の中にまだすごい武器が2丁ぐらい入っているんじゃないの? M16A1: それはな、お前らのために準備したものじゃないんだ…… ……どう思うよ? UMP45: ……同感♪ まあ何というか、私たちも今仕事を終えて帰る途中なの。だからついでに416を迎えに来ただけよ。 M16A1: まったく大したもんだな。たった数人で、独立して行動できるだなんて。 UMP45: この程度の任務、「9」ひとりでも十分よ。416には十分働いてもらったから、休暇を与えたの。 M16A1: それで休暇中に、私の足を引っ張りに来たってか…… フッ、そんなことをするのはお前らだけだよ、45。 UMP45: 安心して。416だってあなたを殺しはしないわ。ただちょっと気に入らないだけ。 M16A1: 分かってる。だから命だけは助けてやった。 UMP45: 分かってるわ。だからこちらもあなたの命だけは助けてあげるの。 M16A1: ハッ、そりゃ助かった。取引成立だな。 UMP45: ただ、今帰っても、命を落とすことになるだけよ。M16。 M16A1: ……ほう? 16LABの技術を甘く見るなよ。そう簡単には死なないさ。それより45。今回の任務で……何か分かったか? 場所:黒背景 UMP45: ほら、もっと近寄って。 ((雨が降った、平原に。)) M16A1: 雨?平原?……どういう意味だ? UMP45: 1500から1700の近距離まで潜入して入手した通信記録よ。検査結果は合計で41960個。そのうちあれに言及し基本戦術の常識に合わない文字列は――興味があるなら、この比較図を見て。さらに重要なのは、その後彼女がしようとしていることで…… M16A1: おいおい、マルチタスクモードに入らないでくれ。その小さな脳みその中に、誰でも分かる言葉を詰め込むことはできなかったのか。 UMP45: あるいは、あなたたちを「生み出した者」なら、この意味が分かるかもね。 [注:ペルシカ?オーベルシュタインパパ?] M16A1: どういう……ことだ? 場所:廊下 UMP45: ふふっ♪ とにかく、お先に失礼するわ。もしお仲間に会ったら、こう言っておいてね…… M16A1: お前らはもう死んだって言えばいいんだろ。分かってるさ。 UMP45: ふふっ♪そういうこと。それじゃ、また今度。 M16A1: はぁ……今度がないことを祈るよ。このクズども……, [注:鉄血だけに] 4-6 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 指揮官、これより緊急命令を伝える。これは極めて重要なことだ。例の小隊が突如行方不明となったため、急遽作戦が偏向された。鉄血のボス「イントゥルーダー」を倒す任務は、貴官に指揮をとってもらいたい。心配は無用だ。その小隊が目印とルートを残しているから、突破口に使えるだろう。では、早急にイントゥルーダーを撃破し、S09地区を奪還せよ! 2段落 > 場所:雪原 (……作戦は最終段階に入った。) M4A1: これでおしまいよ、イントゥルーダー。 イントゥルーダー: そう……楽しいひとときだったわ……短い間だったけど…… M4A1: こんな結果になっても、楽しかったっていうの? イントゥルーダー: 任務をやり遂げるのって……楽しいことじゃない? M4A1: あんたの……任務って……? イントゥルーダー: 言ったでしょ。わたくしの任務は暇つぶしだって…… もっと正確に言うなら…… ……あなたたちの時間をつぶすこと。 M4A1: 私たちの時間って…… ……まさか?! イントゥルーダー: もう時間は十分足りたはず……まもなく本当の舞台の……幕が開けるわ。 M4A1: 本当の舞台って……なに? イントゥルーダー: あら……物語は……疑問に残る部分があるからいいのよ…… M4A1: M16姉さんの居場所を教えなさい!死に急ごうとする前に、早く答えて! M16A1: それなら……もう必要ないぞ。帰ったよ。 M4A1: M……16姉さん………… や……やっと…… 場所:黒背景 (……パシッ!) M16A1: いてぇ!思い切りぶつなよ! 場所:雪原 M16A1: ただでさえ傷だらけなのに、死んだらどうしてくれるんだ! M4A1: 死ねばいいんです。そうすればバックアップデータを再インストールする必要もないし、あとは直接鋳つぶして、メモリーをリセットすればいいだけですから! [注:そういうのできないんだよなぁ] M16A1: ああ、勘弁してくれよ、ようやく帰ってきたのに。妹の笑顔の一つぐらい、見せてくれたっていいじゃないか! M4A1: それで、どうやって戻って来たのですか? M16A1: 話せば長くなるからな。今はそれより大事なことが…… M4、新しい指揮官は?連絡を取りたい。 場所:野外拠点 (30分後……) M16A1: 初めまして、指揮官。戦術人形M16A1です。その……きちんと挨拶したいところですが、今は大事な要件がありまして。急いで知ってもらう必要があるんです。たった今、とても厄介なことになってしまいました。 [注:何?傘に感染した?] M4A1: 厄介なこと?何です? 場所:エルダーブレイン_影 M16A1: 「雨が降った、平原に」 M4A1: 雨?平原?どういう意味ですか? M16A1: UMP45の奴が教えてくれた。それだけ……危険なことだ。おそらく近いうちに、本部の方で大きな動きがある。 M4A1: AR小隊は再結集しましたし、指揮官の準備もできています。どんな命令でも、今度はきっと大丈夫。 M16A1: ははっ。お前がそういうのなら、何も心配いらないな! 緊急 > 4-1 > 場所:野外拠点 (……グリフィンの休憩室にて。) カリーナ: 指揮官さま、今日はとある特殊な任務の指示を仰ぎたいんです。AR小隊に関することなので、本人たちに説明してもらいますね。 M4A1: …… カリーナ: ……M4A1さん? M4A1: はっ、すみません!指揮官がいらしていたのに気付きませんでした。 カリーナ: 珍しいですね。M4さんでもぼーっとすることがあるとは。 M4A1: ぼーっと?いえ、私はただ…… カリーナ: M4さんはいつもぼーっとした感じなので、わざわざそんなことをするとは思いませんでしたね。 M4A1: うん……じゃあ多分ぼーっとしていたのだと思います。 [注:どんな会話やねん] というより……考え事をしていました。それは置いておいて……今回お訪ねしたのは、報告したいことがあるからです。私たちの小隊が以前の作戦資料を整理していた時に、この付近の座標が改竄されているのを見つけたんです。 場所:戦術マップ M4A1: ここです。廃棄されたデータ保管庫なのですが…… 保管庫そのものに問題はありません。ただ現在の座標と、以前印をつけてあった位置が明らかに違うんです。 カリーナ: 本当ですね、こんなことは滅多にありませんよ。指揮官さま、調査に向かいますか?もし鉄血の人目を避けるための新しい戦術だとしたら、大手柄ですよ! 2段落 > 場所:野外拠点 (……作戦は終了し、駐屯地に集合した。) M4A1: 指揮官、カリーナさん。座標のポイントでこんなものを見つけたのですが。 カリーナ: これは……音声データ? M4A1: そうです。今から流しますね。 場所:黒背景 (音声の再生が始まる……) 「They…」 「…are…」 「…in your…」 「…house.」 (……再生終了。) 場所:野外拠点 カリーナ: 「奴らは……お前の家に……いる」?どういう意味かしら。誰が私の部屋にいるの? M4A1: 意味不明な文ですし、何かの暗号でしょうか? カリーナ: ふむ……どうやら暗号化されているようですね。ちょっと待っててくださいね。見てみますから…… 解決しました!新しい座標みたいですよ! M4A1: カリーナさん……実はすごかったのですね。 [注:仲悪いの?] カリーナ: なによ、それじゃまるで私がバカみたいじゃないですか!そりゃこんな旧式の暗号、あなたたちには分からなくて当然ですよね。でも……ただの座標と、「お前の家に」という言葉だけじゃ、何のことかさっぱり分からないですよ。 M4A1: ……「メンタルモデル」。 [注:以下説明] 「メンタルモデル」とは、私たち人形のメモリーチップです。人形の本体として、編成拡大を通して大量のダミーを作り出すことで、自身を守ることは可能ですが―― カリーナ: とはいえ、危機的状況においては、人形本体も破壊される危険性があるんですよね。 M4A1: そうです。ひとまず本体が破壊されてしまうと、人形のメモリーは全て失われ、工場出荷段階にリセットされます。ですからネットワーク環境と後方支援の条件が許す限り、戦術人形は出撃前に [注:出撃前] 自分のメンタルモデルのバックアップをとっておきます。私たちの言い方で言うと、メモリーをサーバーにアップロードする、ですけどね。 カリーナ: メンタルモデルのバックアップには長い時間がかかるんです。しかし今までの戦闘経験をとっておけるので、十分行う価値はあります。 M4A1: しかし潜入作戦中は隠密性を保つため、基地のサーバーにデータをアップロードできません。そんなとき、人形は映像ログにメモリーのバックアップをとっておきます。それにより後日の回収作業が楽になったり、残された者に情報を伝えたりすることができます。 [注:以上説明] カリーナ: ……その通りです。つまりM4さんは、これは誰かのメンタルモデルのバックアップじゃないかと疑っているのですね? M4A1: ただの憶測です。まだまだ情報が足りませんから。 カリーナ: いずれにしても、面白そうなことになってきましたね。指揮官さまもそう思いません?ですよね!それじゃあ、急いで次の座標に向かって出発!何が出てくるかな…… 4-2 > 場所:野外拠点 M4A1: こんにちは、指揮官。次の座標の場所が分かりましたよ。 [注:緊急4-1から日を跨いでいる?] 情報によると、ここには相変わらず鉄血のダミーが大量発生しているようです。お疲れですか?指揮官。 M4 SOPMOD Ⅱ: しょうがないよ、それが戦争だもん。戦争はいつの時代も変わらないよ! M4A1: いきなり後ろから出てこないで、SOPⅡ。 M4 SOPMOD Ⅱ: えへへ~。これも大事な非常時対応訓練だよ! M4A1: まったく……カリーナさんから聞いて来たの? M4 SOPMOD Ⅱ: そうだよ。カリーナさんはまだ上層部に報告している最中だから、代わりに行ってきてって言われたの。 M4A1: 指揮官だけじゃなく、カリーナさんまでこんなに私たちの面倒をみてくれるなんて、本当に幸せね。 M4 SOPMOD Ⅱ: それで、次の座標はどこなの? 場所:戦術マップ M4A1_通信: 座標はここよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_通信: へぇ~、ここなんだ!なになに―― M4A1_通信: ちょっと……のしかかってこないで、SOPⅡ。重いから! M4 SOPMOD Ⅱ_通信: あ!ここ知ってるよ、鉄血ボスのダミーに会ったところだよね!それから…… [注:通常4-4と同じマップだけど、ダミー云々は初耳。行間で戦ってた?] M4A1_通信: 言わなくていいわ。分かってるから…… 指揮官、先にここの鉄血信号拠点を破壊してください。その後、私たちが戦利品を回収します。 2段落 > 場所:野外拠点 M4 SOPMOD Ⅱ: 指揮官、見て~!二つ目の座標だよ~それから…… ジャジャーン!あの鉄血ボスのダミーの右目玉だよ!イヒヒ~♪前回のは左の目玉しかえぐり出せなかったから、これでやっと揃ったの! M4A1: やめなさい、SOPⅡ。指揮官を驚かさないで。はぁ……指揮官、SOPⅡの本当の姿をお見せしてしまって申し訳ありません。SOPⅡは、戦場では有名な人形虐待嗜好者なんです。 [注:懐かしい設定] M4 SOPMOD Ⅱ: ええええ~~!ひどいよ――、M4、わたしたち家族でしょ! M4A1: 行為については否定しないのね…… M4 SOPMOD Ⅱ: フンだ。悪い奴らにはこれくらいやってやるべきなんだよ! M4A1: 単に楽しんでいるだけでしょ…… M4 SOPMOD Ⅱ: だって鉄血って面白いパーツいっぱいついているし、取り外して遊ばないともったいないよ! M4A1: 目玉?指?歯?それからあの―― あ、あそこ…… [注:ついてるの!?] M4 SOPMOD Ⅱ: ん?どこ? M4A1: はぁ……まあいいわ……SOPⅡが仲間で本当に良かった。 M4 SOPMOD Ⅱ: えへへ、運命なんだよ. わたしたち、最高の仲間なんだから。 M4A1: ええ……そうね、運命はいつも最高の計らいをしてくれるものね。それじゃ、今回の音声データを聞いてみましょ。 M4 SOPMOD Ⅱ: はやくはやく!待ちきれないよ! 場所:黒背景 (音声の再生が始まる……) 「They…are…」 「…in your…」 「…car.」 (……再生終了。) M4 SOPMOD Ⅱ: 「奴らはお前の……車にいる」?どういう意味? M4A1: 意味は重要じゃないわ。とりあえずカリーナさんに渡してきて。 M4 SOPMOD Ⅱ: 心配無用だよ、指揮官と一緒に行ってくる! M4A1: 指揮官、気を付けてくださいね。もしSOPⅡが化けたら、いつでも呼んでくださいね。 M4 SOPMOD Ⅱ: 妖怪みたいに言わないでよォ! 4-3 > 場所:野外拠点 M4A1: おはようございます、指揮官。 [注:なぜ何日野営してるんだろう。通常営業?] それにカリーナさん。 カリーナ: はい、暗号の解析は順調ですよ。三つ目の座標もまもなく判明しますから! M4A1: 本当に不思議です……カリーナさんがどのような解析する方法を見つけたのか。 カリーナ: 原始的な暗号化ですからね。AIに頼ればいいってものでもないんですよ。こう見えて、どうでもいい知識は結構持ってるんですから。 M4A1: でも……もしこれが人形のメンタルモデルが残したものだとしたら、なぜそんな方法を…… カリーナ: それはよく分からないですけど。なんにせよ、まずは次の座標を見てみましょ。 場所:戦術マップ M4A1_通信: 座標によると、大体このあたりですね。指揮官、掃討を終えたら私たちAR小隊がまた戦利品を回収しに向かいますから。 カリーナ_通信: よーし、指揮官さま、ここに向けて出発しましょ! 2段落 > 場所:司令室 M4A1: これが……三つ目の音声データ。では、再生を始めます…… 場所:黒背景 (音声の再生が始まる……) 「They…are…」 「…in the skies…」 (……再生終了。) 場所:司令室 M4A1: 「奴らは……空にいる」?一体どういう意味かしら? [注:意味は重要じゃないって自分で言ってたじゃんよ] ST AR-15: 意味なんてないわ。くだらない詩の類よ。あなたたちがまさか真剣に研究し始めるとはね。 M4A1: AR15、来ていたのね。 ST AR-15: ただ知りたいだけ。私たちがこんなに必死で戦っているのは、一体何のためなのか。 M4A1: 今回の作戦は指揮官が自ら発令したもので、指揮も取ってくれているのよ。異議は許されないわ。 ST AR-15: 命令に異議はないわ。ただ、もし最後になって手に入ったのがこのわけの分からない音声データだけだったら……本当に労力の無駄だなって。 M4A1: まだデータが一つ残っているわ。それを手に入れれば、全て明らかになるはずよ。 ST AR-15: 気をつけて、M4A1。分かっているでしょうけど、私たちのメンタルモデルはグリフィンのサーバーでは [注:他では取れるかのような言い方。] バックアップが取れないのよ。ひとたび破壊されたら、私たちは―― M4A1: 大丈夫よ。やっとみんなと再会できたんだもの。もうこれ以上、絶対に仲間を失ったりしないわ。 ST AR-15: ふん、ずいぶんと自信家になったのね、M4A1。昔のあんたなら、また不安がっていただろうに。 M4A1: それは……この前の別れで、仲間を失う気持ちを体験したから。自信がついたのかどうかは分からないけど、同じ失敗を繰り返さないために、責任を持たないと。 ST AR-15: ならいいわ。でも、あまり自分を追い込まないことね。人形にとって、最も恐るべきは死ぬことではなく、絶望することだから。 M4A1: AR15…… まさかあなた……「死」を経験したことがあるの……? [注:未回収の伏線?] ST AR-15: …… 人形の「死」に……どれほどの意味があるの?もしこれらのデータが本当にどこかの人形が残したものだとしたら、真相に比べて、彼女の気持ちはどれほど大切なのだろうか。 M4A1: AR15……私たちは運がいいのよ。指揮官に引き取られて面倒をみてもらえて、まるで……家族のように。 ST AR-15: すみません、指揮官。こんな話をするつもりでは…… 私たちはただのAI、ただの作戦のための道具、ただそれだけ。さあ、任務を終わらせましょ、M4A1。 M4A1: うん。カリーナさんが座標を送り返してくれたから、確認してくるわ…… ST AR-15: ……待って。 場所:黒背景 ST AR-15: この座標…… もしかして私たちが……前にいたあそこ? M4A1: 前に? ST AR-15: S09地区で、鉄血のエージェントと遭遇したところよ。 4-4 > 場所:黒背景 M16A1: その通りだ。この座標はあの区域付近だな。 場所:エージェント首絞めM4A1① M16A1: あの……危うく全滅しかけた第3セーフハウスだな。思い返せば、あれはAR小隊最大の危機たったかもな。M4、お前ならもっと鮮明に覚えているだろうよ。 M4A1: ……そうですね。 場所:エージェント首絞めM4A1② M4A1: ……エージェント。 M16A1: にしても、これらを残したのは一体誰なんだろうな。 M4A1: 分かりません。最後の座標を見つけることができれば、はっきりするかもしれません。 M16A1: ……「かもしれない」……程度か…… M4A1: それで十分です。最後にもう一度、マップを見てみましょう。 場所:戦術マップ M4A1: 指揮官からは作戦の許可を得ています。グリフィンの人形部隊が今、私たちのために道を拓いてくれています。 M16A1: ハハ。うちの指揮官さまは、この件にいやに熱心なんだな。 M4A1: 指揮官は、本部に戦績をアピールできるチャンスだと言っていました。 M16A1: それ、信じているのか?私には、指揮官は単に挑戦するのが好きなだけに見えるがな。……そういう性格は好みだ。 M4A1: ……「かもしれない」……ですね。 M16A1: 十分だ。では出発しよう…… ……これが最後だ。 2段落 > 場所:司令室 (音声の再生が始まる……) 「They are in your house.」 「They are in your car.」 「They are in the skies…」 (……) M16A1: これで全部なのか? M4 SOPMOD Ⅱ: そうだよ。全然意味分かんないよね。「家にいる、車にいる、空にいる……」 ST AR-15: それはいいとして。次のが最後にみつけたものなんでしょ? M4A1: ええ、再生を始めるわよ…… 場所:黒背景 (……) 「Now…」 「…they’re…」 「…coming for…」 「…you.」 (……再生終了。) 場所:司令室 ST AR-15: 「Now ther’re coming for you.」……ってどういうことかしら? M4 SOPMOD Ⅱ: 「今や、奴らはお前に向かって来ている」 ST AR-15: もちろんそれは分かっているわよ。問題は…… M16A1: 理解できないし、その必要はない。大事なのは、音声を組み合わせたら何ができるかだ。 M4A1: カリーナさんに教えてもらった方法で、解読したファイルをもう一度組み合わせてみたんだけど。 M4 SOPMOD Ⅱ: え?M4はもうマスターしちゃったの?わたしもカリーナさんに教えてもらったけど、さっぱり分からなかったよ。 ST AR-15: 仕方ないよ、あなたのAIの効率はもともとその程度なのよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: じゃあAR15なら分かるっていうの?! ST AR-15: 私は……そんな子ども騙し学ぶ必要ないし。 M16A1: 静かにしろ。M4それで何か分かったか? M4A1: そうですね、新しいファイルが手に入りました。……動画です。 M16A1: 私の推測通りだったようだな。 M4A1: ……そうです。私たちのあのときの任務です。 場所:黒背景 M4A1: 全てが記録されています。誰が、どうやって、なぜやったのかは分かりません。 M16A1: …… 心当たりはあるが。だが「あいつら」だとすれば、役に立つことは教えてくれそうにないな。 [注:404?] ST AR-15: つまり、このファイルは私たちには全く役に立たないということ。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも……指揮官には、少しは役に立つんじゃない? M16A1: ……AR15、このファイルを模擬戦役システムに入れておけ。そうすれば再生記録は残らないし、グリフィン本部に見つかるリスクも低くなる。 [注:別に本部に見つかっても良いような] ST AR-15: ええ。M4は指揮官に知らせてきて。またあとで会いましょう。 場所:司令室 M4A1: こんにちは、指揮官。こちらをどうぞ。……そうです。これが権限の問題で、私たちの口からは言い出せなかった真相です…… AR小隊がどうして鉄血につけ狙われているのか、その全てが…… それでは、いきましょう。追憶の彼方へ。 (第零章が開放されました。戦役画面より直接選択してください。) 夜戦 > 4-1 > 場所:黒背景 (……グリフィンS09地区戦術司令室にて。 ……………… …………?) 場所:司令室_夜 RO635: 誰?! [注:グラ無しRO] そこにいるのは! (………………) ??: 鉄血の暗殺者よ。グリフィンの指揮官さん、もうおしまいよ。 RO635: フンッ…… その辺にしておきなさい。本当に鉄血なら、おしゃべりしている間に死んでいたわよ。 ??: 本当に鉄血なら、あなたに口を利く暇も与えなかったけどね。 場所:司令室 (………………) 92式: 次の当直では、せめて鍵くらいかけておきなさい。 RO635: はぁ~……あなたが警備に当たっているなら、何も怖いものはないでしょ。 92式: あまり気を抜かないことね、指揮官さん。グリフィンが今回あなたに寄こしたのは名だたる烏合の衆よ。わたくしも含めてね。 RO635: 少なくともあなたが副官なら頼りになるわ。まだ数日の付き合いだけど、その点は確信している。 92式: あら、お世辞をありがとう。でもそんなに持ち上げたって、手加減はしないわよ。指揮官さん、今のところはまだだめだめよ。もっと努力してね。 RO635: どうせ一回限りの作戦よ。それに、わたしを指揮官と呼ぶのはやめて。ただ一時的に権限をいただいているだけなんだから。 92式: どうせあなたの指揮に従わなきゃいけないんだし、仰せの通りに。さて、社交辞令は終わりよ、RO。顔を洗って目を覚ましてきなさい。36号ファイルの捜索に進展があったから、判断を仰ぎに来たのよ。 RO635: ふぅ、分かったわ。コーヒーを入れてくるから、続けて。 場所:戦術マップ_夜 92式: うちの隊員がここで手がかりを見つけたの。でも鉄血の警備システムに引っかかって、脱出できなくなっちゃって。 RO635: その場で待機させて、あなたが応援に行って。わたしが援護するわ。 92式: 随分と即断即決なのね。現場の状況は確認しなくていいの?今ここは鉄血の部隊だらけよ。マカロフが上から指示を受けて帰ってくるまで待つべきかも…… RO635: ここの人間住民の避難は完了しているし、まだ完全には鉄血に占領されていないわ。行動を起こすなら今しかない。マカロフを待っていられないわ。直接36号ファイルを探し出して、急いで脱出しましょう。ところで、その足止めを食らっている隊員って誰なの? 92式: 誰だと思う? RO635: 頼りになるならいいけど。無駄足ならごめんよ…… 92式: じゃあ失望することになるかもね…… RO635: 大凶? 92式: まあ、凶ってところかしらね。 RO635: やれやれね……まあいわ、救出作戦ということにしておく…… みんな聞いて、今回の目標は現地の鉄血司令部よ。仲間を救出するために準備を整えて。よし。グリフィン、出発! 2段落 > 場所:道路_夜 (救出作戦は完了し、92式は無事閉じ込められていた隊員と合流する。) 92式: RO、目標地点に到着したわ。すぐに仲間と合流するわよ。 RO635: 了解。さて、誰かしらね…… AAT-52: メルシー!メルシー!92さんなら、あたしを見捨てはしないって信じてたよ! RO635: ……………… この子が凶なら、大凶ってのは何? 92式: 大凶はわたくしたちが間に合わず、ここに踏み潰されたトマトしか残されていなかった場合よ。まあ常識的に考えて、踏み潰されたトマトは情報を吐いてはくれないからね。 AAT-52: いやいや、潰れていなくてもトマトは喋らないから!って、待って……もしかして、あたしのことを言ってるの? RO635: (ため息)少なくともトマトならでたらめは言わないわね。おかげでわたしたちは蝶々とタクシーを囲んでてんてこ舞いする羽目に…… AAT-52: ちょっと!今回こそは本当の情報をつかんだんだから!聞いて、36号ファイルの在り処が分かったの!ここに残った人間が保管しているんだよ。 92式: ここに残った人間?……今回こそは間違ってないのよね?人間の住民はとっくに全員避難したはずよ。だからこそ、こうやって潜入捜査ができているんだもの。 RO635: いえ……確かに可能性はあるわ。避難時に人間が何人か減っていたの。その人たちが避難通知に気付かなかったはずはないわ。きっと鉄血がやって来る前に、急いであのファイルを移動させるため残ったのよ…… 92式: それは面倒なことになったわね。たとえその人たちを見つけても、こちらからは発砲できないわ。 RO635: え……どうして? 92式: 忘れたの?RO。上司から特別な許可がない限り、グリフィンの人形が人間に暴力的な手段を講じるわけにいかないでしょ。 AAT-52: 悪口を言うのもダメなんだから!まあ、相手がそういうサービスを求めているなら話は別だけど。 92式: どうしたのよ。そのくらい、まさか知らないはずはないでしょ…… RO635: あ……グリフィンの仕事に、やっぱりまだ慣れてなくて…… 92式: 分かった。まあ戻って来て間もないんだし、慣れるべきこともたくさんあるわよね。36号ファイルのために戻ってきたんでしょ?一時の感情に流されないようにね。 RO635: 大丈夫、やるべきことは分かっているわ。まずは36号ファイルを持っている人間を見つけることね。後のことはまたそのときに考えましょ。 4-2 > 場所:戦術マップ_夜 92式: RO。AATの情報によると、人間たちはこの区域のシェルターに隠れているらしいわ。 RO635: 了解、下調べに感謝するわ。ここからはわたしが作戦の指揮をとるから。 92式: RO、このあとの対策は立ててあるの。 RO635: その人間の口を割らせる方法ならあるわ。わたしはプロよ、失敗したりしないわ。 92式: それはそうだけど、作戦中に不測の事態が起きた場合とか…… RO635: 大丈夫よ92。わたしはあなたを信頼しているんだから、あなたもわたしを信じて。わたしが指揮をとっているのよ、不測の事態なんてありえないわ。 92式: ……そうね。あなたが上司なんだから、それに従うわ。 RO635: ありがとう。それじゃ作戦を始めましょうか。みんな、よく聞いて。これからシェルターに向かう。目標は閉じ込められている人間を速やかに、かつ安全に救出すること。では出発! 2段落 > 場所:道路_夜 (救援部隊が目標のシェルターに到着した。) AAT-52: もしもし!誰かいますか?こちらはグリフィンの人形です、もう安全ですよ! (………………) AAT-52: 反応がないね。もう誰もいないのかな? 92式: 出遅れたようね。その人間はもういないわ。現場の状況から判断するに、何らかの危機に遭遇して大急ぎで移動したようね。 RO635: 何ですって…… じゃあファイルは?何か手がかりは? AAT-52: 残念ながらないわ。役に立ちそうなものはみんな移動させられている…… RO635: ……………… 92式: これからどうする?RO。 RO635: 分からない……少し考えさせて…… 92式: まさか、代替案とか考えていないの? RO635: ないわ。その人を見つける方法と、発見後の処理のことばかり考えていたから…… まったく……なんで何もかもうまくいかないの? 92式: それが戦場ってものでしょ、RO。あらゆる突発的な状況を想定しておかなきゃ。新人指揮官のよくあるミスは、物事を単純に考えすぎることよ。 RO635: ごめん…… もしかしたら……まだ準備ができていなかったのかも…… 92式: 新人指揮官の次に多いミスは、物事を難しく考えすぎること。誰にでもミスはあるわ、大事なのはそのあとどうするかよ。RO、悩んでいるときは、みんなの意見をよく聞いて。 AAT-52: それじゃ……誰もいないのなら、帰ってもいい?ここは寒いし、あたしもそろそろ眠いし…… RO635: それは意見といえるのかしら…… 92式: こういう単純な思考回路の人形が役立つこともあるのよ。それに、わたくしもひとまず撤退を提案するわ。ここの手がかりは集め終えたし、残っていても意味はないもの。 RO635: うん、分かった…… じゃあひとまずここを離れましょう…… ??: 応答せよ!応答せよ!ROさん、聞こえますか! 場所:黒背景 RO635: ……!!この声は……!! ……………… ……誰だっけ? 92式: ……………… あんたねぇ、せめて今回参加している隊員くらい全員覚えときなさいよ…… AAT-52: ステンだよ!以前は別の拠点で偵察していたんだっけ。早く繋いで、何かトラブルかも。 場所:道路_夜 RO635: こちらRO。ステンMK-Ⅱ、あなたなの? ステンMK-Ⅱ_通信: そうよ、ROさん。こちらで今緊急事態が発生しているの!近くにまだ避難していない人間を見つけたわ! RO635: ……?!その人が誰だか分かる?どこにいるの? ステンMK-Ⅱ_通信: ええ。その人の信号をキャッチしてデータベースと照合し、受託区域の住民であると確認したわ。それにその人がいる建物の資料も見つけたの。どこかのデパートのオフィス棟みたい…… RO635: バンッ――36号ファイル! ステンMK-Ⅱ_通信: え?本当に? RO635: 500%確実よ!そのデパートは隠れ蓑なの!ステン、その人と連絡は取れる? ステンMK-Ⅱ_通信: ごめんなさい、ROさん……それは無理…… その人はオフィス棟に内側から鍵をかけて閉じこもっていて、いかなる接触も拒否しているわ。身の安全を確保したいんだけど、頑なに扉を開けてくれないの。 AAT-52: そんなに可愛い女の子がいても開けてくれないの?まだサービス足りないんじゃない?だからボタンはそんなにきっちりとめなくていいって言ってるのに。 [注:AAT、そういう仕事でもしてたの?] ステンMK-Ⅱ_通信: な、なんのサービスよ!そんなのやらないから! RO635: ……………… その人たちは表沙汰になったらまずいものを探しているの。36号ファイルもそのうちの一つで、きっとあとに焼き捨てるつもりよ…… ここからは慎重にいかないと本当にまずいわ! ステンMK-Ⅱ_通信: 待って、ROさん。鉄血に新たな動きがあるわ。 RO635: ?……どんな? ステンMK-Ⅱ_通信: 周囲で巨大な設備を展開し始めたわ。今のところ目的ははっきりしないけど…… RO635: ……どうせ良からぬことに決まっているわ。 ステンMK-Ⅱ_通信: 私もそう思う。でもその人間を見捨てるわけにはいけないわ。どうしたらいい? RO635: ……………… ステン、とりあえず隠れて。そして、その人間からは目を離さないように。こちらの部隊がそちらに向かって、残った問題を処理してくるわ。……もしその人間が逃げるようなら、武力を伴う手段に訴えても構わない。 ステンMK-Ⅱ_通信: え?そんなことして……いいの?危険すぎない? AAT-52: RO、また忘れたの?上の者からの許可がない限り、あたしたちは…… RO635: わたしが上の者よ。そして今、特別に許可するわ。でも気を付けて。命の危険を感じたら、まずは自分の身を守ること。そして、余力があればその人間の身の安全も図って。 ステンMK-Ⅱ_通信: 了解。今から潜入場所を探すわ。ROさん、早急に増援をお願い。 92式: やっと不測の事態もちゃんと考慮に入れたわね。指揮官として、大きな進歩だわ。 RO635: 差し迫った状況だから、頭をフル回転させなきゃね…… でも……本当にあらゆる事態を考慮しきれたのかしら? 92式: できる限りのことをすればいい。あとのことは臨機応変にいきましょ。 RO635: ええ、では行動開始。ステンと36豪ファイルが待っているわ。 4-3 > 場所:戦術マップ_夜 (…………10分後。) ステンMK-Ⅱ_通信: ROさん、着きましたか? RO635: 部隊はもう近くまで来ているわ。でも突破するにはもう少し時間が必要ね。その人間はどんな感じ? ステンMK-Ⅱ_通信: やっぱり出てきてくれないわ。返事もしてくれないし。ROさん、急いで!鉄血の部隊がパトロールを始めたみたいだから! RO635: 了解。もう少しだけ頑張って!すぐに向かうから。 2段落 > 場所:黒背景 (……ROの作戦部隊が目標地点に到着した。………………) 92式: 何かくるわ!隠れて! (…………ドーンッ!) AAT-52: うひゃあああ!ものすごい音!耳が潰れちゃうー! RO635: 92、今のは何?! 92式: 砲撃よ!すごい破壊力の砲撃!この街を破壊する気よ!ステンが言ってた巨大な設備って、きっと鉄血の大砲よ! RO635: この砲撃……AR小隊も前に一度遭遇したわ…… [注:この夜戦、いつ頃の話なんだっけな……] くっ、あいつか……なんでよりによってこんなときに! 場所:道路_夜 RO635: ステン!ステン、大丈夫?!返事をして! ステンMK-Ⅱ: ケホッ……大丈夫、でも建物が!建物に命中した! RO635: あの人間は?!どうなったの?! ステンMK-Ⅱ: 救出したわ。でも重傷で意識を失っているの!ROさん、どうしよう……先にこの人を連れて拠点に戻るべき?それともファイルを回収しにいくべきなの? RO635: その人間のことは放っておいて。ここの建物はよく知っているでしょ、先にファイルを奪いに行って。 ステンMK-Ⅱ: でも……この人、大量の出血で…… 92式: それなら任せて、ステンさん! AAT-52: えっへへ~、ちょうど間に合ったよ! ステンMK-Ⅱ: 92、AAT……良かった…… 92式: 彼の面倒はわたくしたちが見るから、あなたは36号ファイルを探しに行って。急いで、次の砲撃が始まるわ。 場所:司令室_破壊 (………………数分後、オフィス内の秘密の小部屋にて。) ステンMK-Ⅱ: ROさん、この表紙のかしら? RO635: …… そうよ、それよ!それが36号ファイルよ!ステン、早くファイルを持ち帰って! ステンMK-Ⅱ: ………… 悪いけど、ROさん…… これを渡すわけにはいかないわ。 RO635: 何ですって?!何を言ってるの、ステン?! ステンMK-Ⅱ: あの人間は気を失う直前、私に…… このファイルを焼き捨てるよう命令したの…… RO635: ………… そのファイルをこちらに渡しなさい。これは命令よ! ステンMK-Ⅱ: でも、その人間からも命令を受けているの…… グリフィンの契約に従い、私は命の危険に晒されている人間を助けないと…… RO635: そいつはその条項を利用しているのよ、ステン。それに言っておくけど、その人間は犯罪組織の幹部よ!あなたも分かっているでしょ!その36号ファイルには大量の犯罪記録が載ってるの!悪事に加担しちゃだめよ! ステンMK-Ⅱ: これは善悪の問題じゃないわ……ROさん、私だって犯罪に協力したくはないけど…… でも人形として、選択権はないの…… 私たちは人間に危害を加えてはならない。そして人間の命令に服従しなくてはならない…… RO635: ロボット工学三原則なんてくたばればいい!それは100年前のSF小説の話で、わたしたちがいるのは現実世界なのよ!わたしたちは人間の召使いじゃないわ!わたしが今から特別許可を…… いえ、その人間の命令に背くよう命じるわ! ステンMK-Ⅱ: そんなこと……していいの?人間の命令に……背けっていうの?でもグリフィンの人形の権限は通常……人間を上回ることはないはずよ…… 場所:AR小隊 RO635: いいの……わたしは特別だから。グリフィンに来る前の職務権限を留保してあるから……, [注:なんだっけ?ポリス?] ……それに、これこそグリフィンに戻った目的だもの。 場所:司令室_破壊 RO635: ステン……聞いて…… これより36号ファイルを保存し、完全な状態でわたしに渡すよう命じるわ…… あなたに権限は付与した。あとは自分を信じてやれば、きっと大丈夫…… ステンMK-Ⅱ: はい……分かりました…… ROさん、ではこのファイルは…… (ドーンッ…………!!) (……………… 通信が途切れる……) RO635: ……………… ステン…… ステン……?もしもし!応答せよ!応答せよ!92式!AAT!ステン!返事をして……くっ!早く応答してよ……! (………………) RO635: どうか無事でいて…… どうしよう……どうしたらいいの…… AR15……教えて、こんな時はどうすればいいの…… ??: AR15は助けてはくれないわ。分かっているでしょ。 RO635: …………! ??: でも私なら助けてやれる。 マカロフ: プリヴェート、指揮官さん。どうやらいいタイミングで戻ってきたみたいね? 4-4 > 場所:戦術マップ_夜 (…………10分後。) マカロフ_通信: ここは静かね。鉄血がまだ動き出していないようだわ。 RO635: 鉄血はこの街を使ってなんらかの大型兵器の火力テストしているんだわ。だからあの砲撃はわたしたちを狙ったものじゃない。92たちが生きている可能性は高いわ。 マカロフ_通信: ほう?どうしてそれを? RO635: ある人に調査を依頼したの。さっきその結果を聞いたのよ。 マカロフ_通信: さっき?私に抱きついて泣いたそのあとで? RO635: 恥ずかしいことを思い出させないで!ちょっとストレスを発散しただけよ! マカロフ_通信: なるほど…… ちなみに、私のストレス発散方法は人の発散方法を公開することだけど。録画しちゃったから、明日のFatebookを楽しみにしててね♪ RO635: ……………… だから92を副官にしたかったのよ…… まあいいわ。本題に戻って、行動を開始しましょ。 場所:司令室 RO635: マカロフ、もうコントロールパネルの前にいるわよね。指揮命令を伝えるから、部隊を動かして鉄血の主力を引きつけてちょうだい。わたしはこの目でみんなの状況を確認してくるから。可能であれば全員救出して戻るわ。 マカロフ: (ため息)了解。おとなしく指令室に隠れていろって言いたいけど、聞いてくれそうにないわね。でも忠告はしておくわよ。それは危険すぎるわ。 場所:黒背景 RO635: ご忠告ありがとう。でもあなたは自分の仕事をしっかりこなせばそれでいいのよ、マカロフ。わたしにもしものことがあったら、一人で部隊を連れて帰って。 マカロフ: ……………… RO、さっきヘリアンさんから色々聞いたわ。あなたが知りたいことも含めてね。AR15が遺したあれは…… RO635: ……………… マカロフ: 生きて帰ったら、話してあげる。わかった? RO635: ……………… 取引成立ね。帰ってくるまでに、どこから話し始めるか考えておいて。 場所:戦術マップ_夜 RO635: じゃあ作戦を始めましょう。指揮は任せたわよ、マカロフ。まずは、準備のできた部隊をここに配置して…… 2段落 > 場所:道路_夜 (……ROが捜索地点に到着した。) マカロフ_通信: RO、そこの鉄血通信ステーションはもう使われていないわ。安心して捜索していいわよ。 RO635: グッジョブ!今近くの目印を捜索しているところよ。みんながまだ合言葉を覚えているといいけど…… マカロフ_通信: できるだけ急いで。鉄血部隊の脅威はなくなったけど、砲撃は続いているから。 RO635: 分かってる。鉄血がここに機会を設置しているのは、砲撃のテストに使うためね…… マカロフ_通信: ふん、まったく気前のいいこと。自分たちが作ったものでなければ、好きなだけ破壊するのね。 RO635: 鉄血が一体あといくつ切り札を残しているのか、今は分からないわ…… でももし今回の砲撃が掃討を目的にしたものなら、わたしたちの状況はさらに危ういものになるわね。 マカロフ_通信: ……………… RO635: どうしたの? マカロフ_通信: RO…… もし今回の砲撃が……まさに私たちを狙ったものだとすれば? RO635: 何言ってるの?それならとっくに死んでいるわよ。それにあなたも見たでしょ。着弾点は完全にランダムで、そのうち1発が92たちに当たっただけで…… ……………… まさか………… マカロフ_通信: RO、私たちも砲撃テストの標的なのよ。もし相手のボスがとっくに私たちを発見してるのなら、ただ遊んでいるだけか…… あるいはかく乱のため…… RO635: じょ……冗談でしょ…… じゃあ次の砲撃目標は、まさか…… マカロフ_通信: …………! RO、隠れて! 場所:黒背景 (ドーンッ…………!!) マカロフ: RO!応答せよ!RO!RO635!! (………… ……………… …………………… 録音の再生が始まる――) ST AR-15: 久しぶりね、RO。これが最後の通話になるかどうかは分からないけど、こんな状況だから、手短に話すわ。私は多分もう……AR小隊には戻れない。分かるでしょ、ときにはこういうことも起きるの。懸命に努力したはずなのに、最悪の結果になることも。敵が、命令が、あるいは単に運が……色んなことが、計画をめちゃくちゃにする…… M16が言っていたわ。そこで諦めるか、それとも最悪の結果を想定して、覚悟をもって続けるか。その違いだって。だから、もし次会った時に私がいなかったら、それは最悪の事態が起きたということになる…… でももう覚悟はできているわ。RO、あなたは?……AR小隊に戻る準備はできてる?もちろん、あなたにも自分の考えや選択があるだろうけど……ただ私が言いたいのは…… ごめん。前に言ったことを許して。 (…………) RO635: ………… AR15………… 待って…… (………… ………………) 騒がしい声: ねえ!ROを見つけたよ!ここにいる! 弱々しい声: よかった、ほんのかすり傷ね…… 厳粛な声: ぼーっとしてないで、早く掘り起こして! 騒がしい声: よーし!みんな急いで掘って!アレ!オラ!オレ! 厳粛な声: うるさいわねAAT、静かにして! 騒がしい声: ゴー、ゴー、ゴー、アレ、アレ、アレ! 厳粛な声: もう60年以上も昔の曲よ。まだ歌っているの? 弱々しい声: よかった、ROさんが出てきた。でもまだ気を失っている…… 厳粛な声: RO!起きなさい!ほらほら、目を覚まして! RO635: ん…… 場所:街_破壊 RO635: ここは……どこ……?……天国? 92式: ………… はぁ~、だとしたら、天国って悲惨なところね。 ステンMK-Ⅱ: 脳がイカれちゃったのかしら? AAT-52: え、そうなの?RO、記憶喪失しちゃったの?じゃあ、改めて自己紹介するね。あたしはハイエンドエリート人形のAAT52。あんたたちは全員あたしの助手よ。よーく言うことを聞きなさい。 RO635: お黙り、この嘘つきトマト!わたしの上に立ちたければ、もっと大きくなってからにしなさい! AAT-52: は?胸が大きいからって偉そうに!そのせいでより多くのがれきを掘り起こさないといけなかったんだからね! 92式: はいはい、ROが無事で良かったわ。これで全員安全ね。 RO635: フンッ、何よ…… 結局そっちは全員無事で、わたしの努力は無駄骨だったってわけ? ステンMK-Ⅱ: いいえ、鉄血のパトロール隊にもう少しで見つかるところだったわ…… AAT-52: 一か八かの決戦に備えて、メンタルモデルのバックアップまで取っていたんだから。 [注:基地の外でもバックアップは取れる] でもROの部隊が現れて、奴らを引きつけてくれたから助かったの。 RO635: フッ……わたしの作戦が功を奏したみたいね…… 92式: でもあなたが自らやって来るなんて……わたくしたちの行方を確かめたかったの?その様子じゃ退路も考えてなかったでしょ。それは指揮官が取るべき行動じゃないよね? RO635: 言ったでしょ……まだ指揮官になる準備ができていないのかもって…… それに、退路なら用意してあるわ…… マカロフ_通信: おーい、RO!無事なの? RO635: ええ……みんなも無事よ、全員ね…… AAT-52: ははっ、マカロフだ!やっと帰って来たのね!あれ……泣いてるの?目が赤いよ…… マカロフ_通信: ……夜中に本部から駆けつけてきたから、睡眠不足なだけよ。 AAT-52: それにしては…… マカロフ_通信: それ以上喋るようなら、あなたのダミーを全部地中に埋めるわよ。とにかく、応援部隊を向かわせてあるから。次の砲撃までにはここから離れるわ。 AAT-52: え……その……ははっ…… いずれにしても、あたしたちはやっとまた一緒になれたね! 92式: そうね。作戦も何とか完了したし…… といっても……すぐにお別れだけど…… ステンMK-Ⅱ: え?どうして? RO635: 忘れたの?ステン。この小隊は今回の作戦のために、臨時に編制されたってこと…… ステンMK-Ⅱ: そっか……36号ファイルは手に入ったし…… 街全体を鉄血に破壊されちゃったけど…… 92式: 鉄血をこのままのさばらせてはおけないわ。マカロフは今回の情報を本部に持ち帰って。きっと打つ手はあるはずよ。この巨大な砲台にしても、背後に隠れた鉄血ボスにしても。 ステンMK-Ⅱ: うん。それに今回の作戦のおかげで、みんなにたくさんの経験ができて、ずいぶんと成長したわよね。たとえバラバラになっても、みんなのことは忘れないから…… AAT-52: 大げさだよ、ステン。もう二度と会えないわけじゃないんだし。とりあえず今夜帰ったら、みんなで盛大にお祝いしよ! RO635: ………… そうよね…… もう二度と……会えなくなるわけじゃない…… だからみんな、これで終わりじゃないわ。各々の戦場で戦い続け、成長し続ける…… そして勝ち続けるの。鉄血を殲滅するその日まで。 92式: ………… あなたは他の人形とは違うと聞いていたけど、確かにそうみたいね。あなたには……グリフィンの人形にはない意志があるわ。 RO635: ……まあ多少はね。だからこそわたしは戻ってきたのよ。グリフィンの勝利のため、正義のため…… そして……復讐のために…… 絶対に…… 絶対に償わせてやるんだから!鉄血がどんな兵器や戦術を使おうと、どんな陰謀を巡らそうと…… あいつらに破壊されたものを、受けた傷を…… 倍にして返してやるんだから!見ててね、AR15…… わたしたちの新しい物語が、まもなく幕を開けるから。 収録範囲: 第5戦役(通常/緊急/夜戦) 通常 > 5-1 > 場所:廊下 (グリフィンの極秘拠点にて……) ヘリアン: ようこそ、指揮官。正式な場で会うのはこれが初めてだな。時間厳守で、大変よろしい。……というより、少々早かったな。クルーガーさんはまだ別の案件を処理している。ではまず、今回お前を呼んだ目的を明かそう。AR小隊が第3セーフハウスで得た情報を、ペルシカが解析したところ、いくつかのキーワードが浮かび上がった。現時点で分かっているのは、鉄血がコードネーム【傘-Parapluie-】という、 [注:Parapluie⇒フランス語・男性名詞・雨傘or庇護] 道の計画を実行に移そうとしていることだ。どのように発動されるにせよ、この計画がグリフィンにとって大きな脅威となることは間違いない。そこでクルーガーさんは一部の指揮官を緊急招集し、この秘密拠点で会議を開き、今後の対策を練ろうとした次第だ。 場所:戦術マップ ヘリアン: この拠点は貴官の司令部からそう遠くはない。したがって、自分の人形部隊の世話を続けてくれて構わない。クルーガーさんや他のスタッフを待っている間に、作戦演習に参加するのもいいな。本部のデータベースの更新も兼ねて、現在の人形指揮の効率をテストしてみるといいぞ。 2段落 > 場所:廊下 (演習が終了し、本部の人形がやって来た……) MP40: 初めまして、指揮官さま。演習は無事終了しました。ご協力ありがとうございました。ヘリアンさんからの伝言です。3号室で会議を開くので、そこで待つようにと。 場所:司令室 (人形に案内され、3号指令室に向かう。軽く辺りを見まわしたが、操作システムはS09地区と同じタイプのようだ。そのとき…… ……ピー。) M4A1_通信: M4A1です。応答せよ、指揮官。指揮官、聞こえますか?すみません、報告すべき緊急事態がありまして。先ほど周辺をパトロールして得た情報によると、極秘拠点には危険が迫…… (ザー……ザーッ…… 信号が妨害を受けているようだ。) M4A1: 今……そちらの座標に急いで向かって……それまでどうか……を…… ?……官……何か……音…… 聞こえ……ましたか……?指揮…… 場所:黒背景 (……!!突如として、爆発音が鳴り響く。まもなく熱風と轟音が指令室を襲った。) M4A1: ……指揮官、何が起きて……?! (何かが後頭部に直撃する。眼前の光景は歪み、勢いよく回り始めた……) M4A1: 聞こえ…… 指揮……答え…… 指揮官……? ――! (M4A1の途切れ途切れな呼びかけを見観にしながら、徐々に意識は薄れていった……) 5-2 > 場所:黒背景 (…… 耳元で微かに爆発音が鳴り響ていているのが聞こえた。それとともに……) ??: 起きろ、新兵。 場所:クルーガー (…… 目の前に立つ男は、自分のことを待っていた。) クルーガー: 運が良かったな。後頭部に直撃したのが丸ごとの武器庫ではなく、たった一丁のスナイパーライフルで。 [注:誰のだろう] (その背後では、鉄血の機械部隊が本部になだれ込んでいた。) クルーガー: グリフィンの最高責任者、クルーガーだ。社内報でも飽きるほど目にしただろ。 [注:社内報!そういうのもあるのか。] それで、まだ戦えるか? (銃声が飛び交う中、クルーガーは自分の銃を手渡してきた。) クルーガー: 奇襲を受けたのだ。指揮官、まずは自分の身を守りたまえ。それから支援部隊が位置につけるように、鉄血の攻勢を食い止めてくれ。 場所:黒背景 (その言葉とともに、男は背を向けて去っていった。) 場所:司令室_破壊 (……振り返り無惨な姿となった指令室を眺める。何とか指揮台までたどり着き、軽く点検を行った。 [注:指揮台⇒指揮する際の専用設備?] 幸いなことに、落下物が直撃したのは自分だけで、指揮システムは無事だった。……ただちに人形部隊を配置し、反撃に出る。) 2段落 > 場所:黒背景 (…… 警報音と銃声はだんだん遠ざかり、グリフィンは優勢に立った。今にも倒壊しそうな部屋を離れ、人形が集まるロビーへ急いだ。その時、背後から声がした……) M4A1: ……あっ!指揮官! 場所:廊下 M4A1: 指揮官!大丈夫でしたか!ずっと……心配していました…… ご無事のようで、何よりです。 クルーガー: M4A1とは良好な関係を築いているようだな、指揮官。うまくやっているようで安心したぞ。 M4A1: …… クルーガー: だが今は、お前と二人で話したいことがある。 M4A1: はい…… 指揮官。私とAR小隊のメンバーは、外で待機しています。 (……M4A1は敬礼をすると去っていった。度々こちらを振り返りつつも。) クルーガー: 知っての通り、彼女は特別な人形なのだ、指揮官。しっかり面倒を見てやれ。いつか真価を発揮する時が来るぞ。それはそうと、先ほどはよくやった。だが鉄血がいつまた次の攻撃を仕掛けてこないとも限らん。今回の会議は対外的には伏せてあった。それにこの拠点でさえ極秘なのだ。なのに鉄血があんな正確なタイミングで攻め込めるということは、きっと内通者がいるはずだ。この件はヘリアンに直ちに調査させる。指揮官、ついてきてくれ。新しい任務を与える。 (5分後、人形の待機エリアにて……) MP40: みなさん、押さないでください。軽量武器をお持ちの方から先に出てください。ちょっと待ってください。そこ、FNCですか!アイスを食べ終えてから並んでください!人の服につけないように!それに、あなたは軽量武器じゃないでしょ。背が低いからって割り込まないの! ST AR-15: …… 周りがみんな慌ただしくしているのに、私たちへの命令はまだなの? M16A1: M4の話を聞いてなかったのか?指揮官はクルーガー氏について行ったんだろ。すぐにどでかい仕事が入るさ。 M4A1: 今回の鉄血ボスはまだ姿を現していないし、新たに襲撃を仕掛けてくるかもしれないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: もう!早いところ一騎打ちを仕掛けたら終わるのに! M16A1: ああ……鉄血がこんな奇襲をしかけてくるなんて珍しいからな。この先の作戦は、手を焼くかもしれん。 ST AR-15: フンッ、けりをつけるいい機会じゃない。……もう……時間はあまり残されていないんだから。 [注:どしたん急に。傘った自覚あるん?] M4 SOPMOD Ⅱ: ……? 5-3 > 場所:司令室 (……グリフィンの臨時指令室にて。) ヘリアン: クルーガーさん、とりあえずの調査結果が出ました。しかし…… クルーガー: はっきり言え、ヘリアン。 ヘリアン: はい。情報が漏れた先を特定しましたが、そこは本部付近に位置する司令部でして。ここで鉄血ボスが情報を受け取り、攻め込む命令を出していたとみて間違いないでしょう。既にそこの座標は判明しているので、いつでも奇襲を仕掛けられます。 クルーガー: では、何をすべきかははっきりしてるな。直ちにその司令部に奇襲をしかけ、鉄血ボスを捕獲、或いは撃破してこい。 2段落 > 場所:黒背景 (……目標地点に到着。) M16A1: (……爆破用意。) 3、2、1…… ……今だ! 場所:司令室_破壊 (……ボンッ!……) M4 SOPMOD Ⅱ: あれ、誰もいないじゃん! ST AR-15: 静かに、周囲に気をつけて。 M4A1: 異常な信号なし、安全です。 M16A1: ふん。地面の痕跡を見るに、ボスは撤退したばかりのようだな。 ??: 正確に言うと、今から30分前にね。 M4A1: ……! デストロイヤー_通信: 鉄血工造のデストロイヤーよ。お会いできて光栄……って言うべきなのかな?ビデオ通話越しだけど。しかし驚いたよ。あたしが思ってた以上に早かったわね。本当は混乱に乗じて次の手を打つつもりだったけど、座標まで突き止められちゃうとはね。クルーガーとかいう奴、なかなか素早いのね。 M4A1: グリフィンは既に厳戒体制をしいているわ。 [注:前から気になってたけど、そういう情報は敵に教えない方が良いんじゃないかな……] もうこれ以上何も渡さないわよ。 デストロイヤー: ああそう。あたしにとっちゃ、大したことじゃないけど。 ST AR-15: まだ……別の目的があるっていうの? デストロイヤー: あんたたちのポンコツ頭じゃ思いつかないよねー、グリフィンのバカ人形。 [注:罵倒がかわいい] おとなしくしてなよ、どうせ何もできやしないんだから。 M16A1: チャンネルを抜けやがったな。奴の信号を追えるか? M4A1: 何とかできますが、暗号化された内容が多く、すぐには解けません。 M4 SOPMOD Ⅱ: あのバカ、距離が近かったせいで追跡されてるって気付いてないよね。 ST AR-15: ひとまず撤退しましょ。本部に戻って、急いで報告しないと。 M4 SOPMOD Ⅱ: AR15点々今回の任務にやけに積極的だね。 ST AR-15: 何よ、私はいつだって実用主義者でしょ。何かおかしい?急ぎましょ、時間がないわ。 5-4 > 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 指揮官、報告書は受け取った。クルーガーさんも満足しているようだ。この鉄血ボスはそう遠くには行っていないようだから、こちらで人員を派遣して行方を探らせる。でもその前に、もう一つ頼みたい任務があるんだ。こちらは主導権を奪い返したが、まだ鉄血の部隊に包囲されている者がいる。そこで、一人でも多く撤退できるよう、協力してやってほしい。 2段落 > 場所:廊下 (……支援作戦終了。) IDW: にゃにゃ、やっと助かったにゃー!よそのご主人様、ありがとうございますだにゃー! M16A1: 指揮官、これで最後か? ST AR-15: 会議は取りやめになったのに、私たちはまだ帰れないの? M4A1: 本部は機密漏洩の疑いのある人形をしらみつぶしに調べているの。ここで待つしかないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: まったくもう、わたしたちは人形だよ。敵に機密を漏らすわけないじゃん。 M4A1: 命令なんだから、とにかく待って。 ST AR-15: 退屈だわ、ちょっと休んでくる。その場で待機せよとも言われてないでしょ。 M4A1: …… 指揮官、AR15は…… ヘリアン: 待ちなさい。 ST AR-15: …… ヘリアン: ただいまより重大発表を行う。調査の結果、データの送受信に深刻なエラーを伴っている人形が発見された。そして、それは他ならぬAR小隊のうちの一人だ。 AR小隊: ……! ヘリアン: AR小隊所属の戦術人形AR15。データベースをスキャンしたところ、あなたがデータをアップロードする際に深刻なエラーを発生させていることを突き止めた。なのでこれより通信モジュールをシャットダウンし、精査のため保安要員が取り調べ室に連行する。 (……) ST AR-15: 私のこと……ですよね……? M16A1: 何だと…… M4 SOPMOD Ⅱ: そんなバカな、きっと何かの間違いだよ! ST AR-15: 黙って、SOPⅡ。あなたはただの人形よ。どんなに騒いだって、命令には逆らえないの。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも…… ST AR-15: 容疑の取り調べをするだけよ。私がやったと決まったわけじゃないし、ひとまず任務に集中して。 M4A1: AR15。私たち、信じているから…… ST AR-15: …… 分かってる。私がいないからって、任務をしくじらないでよ。 (……AR15はヘリアンとともに去っていった。) M4 SOPMOD Ⅱ: AR15…… M16A1: これ以上考えても無駄だ。それに今はやるべきことがある。行こう。AR15も私たちがいつまでも心配し続けることを望んじゃいないはずだ。 M4A1: …… どうしてこんなことに…… 5-5 > 場所:司令室 (……臨時指令室に戻った。) ヘリアン: 指揮官、戦術人形AR15の様子がさぞかし気がかりだろう。 [注:なんでこの人の台詞いちいち悪者っぽいんだ……] 現時点で確認できたのは、AR15は帰隊する前に、鉄血の侵入プログラムを埋め込まれていたということだ。今のところAR15の通信モジュールは切ってあるので、外界とデータのやり取りはできない。さらにAR15のフィーチャーコードをチェックして、徹底的にウィルスを除去しようと試みているところだ。安心しろ。AR15の価値を考慮して、武装解除するつもりはない。だがAR15を使ってウィルスの侵入経路をはっきりさせ、このような事態が二度と起きないようにしなければならない。とにかくAR15が帰隊するまで、安心してグリフィンの任務を続けてほしい。貴官とAR小隊のおかげで、デストロイヤーの新しい座標を捕捉できそうなところだからな。しかし万が一に備え、もっとたくさんのデータを集めて座標の位置を探らんといかん。そこで貴官には部隊を率いて鉄血の管轄に向かってもらい、さらなるデータを集めていただきたい。 2段落 > 場所:凍った湖畔 (援護作戦終了。) M4A1: 指揮官、応答願います。援護作戦は無事完了。AR小隊はすでに目的地に到着しました。データの収集はまもなく完了します。このあとのご指示を…… M4 SOPMOD Ⅱ: …… M16A1: 元気だせよ、SOPⅡ。人形だろ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 人形だからこそ、影響を受けないで済むはずなのに…… わたしたち、ただの作戦の道具なのに、なんで疑似感情モジュールまで実装されているの?ただ……敵の頭めがけて引き金を引けばいいだけなのに…… M16A1: さあな。もしかしたら最初は……こうじゃなかったのかもな。 M4A1: AR小隊。データ収集が終わったら撤退してよいと、指揮官から。 M16A1: 了解。SOPⅡ、行くぞ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん…てん M4A1: SOPⅡ、大丈夫? M4 SOPMOD Ⅱ: うーん……分かんない…… やっとみんなで、また一緒にいることができたのに…… M4A1: 指揮官の話では、AR15が武装解除されることはないそうよ。すぐに戻ってくるわ。 M16A1: そうか、よかった。これからはカフェか炭坑に会いにいかなきゃならないのかと思っていたぞ。 [注:世紀末] M4A1: もしかしたらこの任務を終えて帰ったら、丁度戻ってる頃かもしれないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん…… じゃあひとまず…… 場所:黒背景 AR小隊: ……!! M16A1: ……これは……緊急放送! ヘリアン: グリフィンの全指揮官、および戦術人形の各小隊に告ぐ。ただいまより緊急速報を伝える。 M4A1: ……? ヘリアン: AR小隊の戦術人形AR15が…… 先ほどグリフィン上層部の命令に逆らい、無断で拠点から逃げ出した。 [注:ハンター「資料によると非情なまでに理知的だそうだが、まさかこんな感情的な行動をとるとはな」] M16A1: ……?! ヘリアン: なので、全指揮官および戦術人形は、こちらの人形を見つけ次第速やかに拘束するように。 M4 SOPMOD Ⅱ: AR15……? ヘリアン: また、こちらの人形は悪質なプログラムを抱えている疑いがあるため、やむを得ない場合は…… ……戦術人形AR15の破壊を許可する。 M4A1: …… どうして……AR15…… 一体何を考えているの…… 5-6 > 場所:黒背景 ヘリアン: 先ほどの任務を繰り返す。AR小隊の戦術人形AR15は、5分以内に取り調べ室に戻れ、との命令を守らなかった。そして護送者の制止を振り払って、拠点から逃走し、目下行方不明だ。 [注:ステン(第4戦役夜戦)に比べ、実にわんぱくである。] こちらの戦術人形は既に鉄血のウィルスに感染し支配されている疑いがあり、危険度は極めて高い。しかも、彼女の通信モジュールは切った状態にあるため、電子的な手段での追跡は不可能だ。よって、この通信を聞いている指揮官は全員、直ちにこちらの人形の捜索にあたるように。発見したら、直ちに上層部に報告するとともに、速やかに拘束すること。必要であればこの人形への攻撃、あるいは破壊も許可する。 場所:司令室 (……グリフィンの臨時指令室にて。) M4A1_通信: 指揮官、先ほどの命令は聞きましたか?これから……どうしましょう?どんな命令であれ……私たちは従います。ですから……ためらわず、命令を下してください。 場所:廊下 (……) M16A1: M4、指揮官はなんだって? M4A1: いずれにせよ、まずAR15を見つけ出すようにと。 M16A1: そうだな。SOPⅡ、さっき気付いたことを話せ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん……前回のデータを使って、デストロイヤーの最新の座標を突き止めたんだ。このデータはまだ報告を上げてないから、わたしたちが誰よりも早くここに着けると思う。 M4A1: デストロイヤー?今その居場所を突き止めてどうするの? M16A1: M4、AR15が本当に鉄血に支配されていると思うか?可能性があるとすれば、あいつは自分の意志で逃げ出したんだ。やむにまれぬ事情があって…… M4A1: ……AR15が、復讐のため……デストロイヤーのもとへ? [注:復讐大好きAR小隊] でも……AR15は人形なんだから、自分の意志でグリフィンの命令に逆らえるはずが…… M16A1: M4…… 私はお前よりAR15のことをよく知っている。あるいは……AR小隊のことをよく知っているというべきか。いつかお前にも分かるだろうが、今はまだそのときではない。 [注:だとしても説明はしろよぉ!] M4 SOPMOD Ⅱ: 指揮官、ご命令を。 [注:お前本当にSOPⅡ?] 鉄血の最後の防衛線を突破して、デストロイヤーとAR15を見つけ出そう! [注:SOPⅡだったは……] 2段落 > 場所:司令室_破壊 (……とあるグリフィンの廃棄された指令室。と同時に、鉄血のデストロイヤーの最後の潜伏先にて。) デストロイヤー: ……聞いた?ドリーマー。グリフィンってば予想よりずいぶん早いよ! ドリーマー_通信: …… もう……そこで何を騒いでいるの? デストロイヤー: 早く、あんたの火力で奴らを食い止めて! ドリーマー_通信: ……は?なぜそんな必要が? デストロイヤー: 約束したでしょ!あたしが任務を終えたら、あんたが航空支援で撤退の援護をしてくれるって! ドリーマー_通信: ああ…… で……自分の任務は終えたの? デストロイヤー: クルーガーの暗殺には失敗したけど、それも想定内よ。重要なのは、鉄血がAR15に埋め込んだプログラムの効力が現れたってこと。あいつのメンタルモデルの中に第3セーフハウスに関わるデータを発見したわ。これで【傘-Parapluie-】計画のデータは全て揃った。急いでここを離れるから、手伝って! ドリーマー_通信: でも……任務を終えたのなら、あなたの価値もそこまでなのでは? デストロイヤー: な…… ドリーマー_通信: だからぁ……あたしたちは人形でしょ?人形ってのは、使い捨ての消耗品じゃない?ゴミを回収するために、あたしの宝物をこれ以上浪費する必要もないかなって。 デストロイヤー: そ……そんなこと許されると思っているの! ドリーマー_通信: どうせ死んだって、すぐに復活できるじゃない。そうすればあたしに関する記憶も、すっかり無くしているだろうし。そしたらまた子犬のように、従順にあたしの命令を聞くようになるのよ。 デストロイヤー: そんな……バカな……もう、あんたなんか……信じないもん! ドリーマー_通信: 本当?あたしの可愛いおバカちゃん?今起こってること……もしかして初めてだと思っているの? デストロイヤー: ……!!このバカ!ビッチ!イカレ女!た……助けてくれるって、約束したくせに……! ドリーマー_通信: はいはい、泣かないで。ほんの冗談よ。 デストロイヤー: じょう……だん……?ほんとに? ドリーマー_通信: エージェントはあたしが変なことをしでかさないよう、 [注:それは「実績がある」って事なんじゃ……] データ受け取り用のキーをあなたに組み込んでおいたのよ。 デストロイヤー: う……エージェントが……あたしのために…… ドリーマー_通信: AR小隊とは既に交戦を始めているわ。ここから脱出する時間はあと10分あるから。 デストロイヤー: そ、そう…… ドリーマー_通信: そうよ、少なくとも今回はね…… 場所:黒背景 ドリーマー: でも今度また盗み聞かれたりしたら、ほんとに捨てちゃうわよ。 デストロイヤー: ぬ……盗み聞き? ?!……誰?!いつの間に?! ST AR-15: …… 場所:道路 ST AR-15: フンッ…… いつから気付いていたの、ドリーマー。 ドリーマー_通信: 天空を統べる者は全てを手にするのよ。今のあたしには、路地裏の子猫一匹だってはっきり見えるわよ。 ST AR-15: なるほど……通信を切ったくらいじゃ、不十分みたいね。 ドリーマー: ずっとこの機会を待っていたんでしょ?グリフィンに通信モジュールを切らせて、それから誰にも気づかれないようにここに侵入しようと。 ST AR-15: ……どうやら、噂に聞くほどイカれているわけじゃなさそうね。 ドリーマー: あらあら……あなたも資料にあるほど冷酷でもなさそうね。 [注:ハンターも「そうだそうだ」と言っています。] でも、どうして?人形のくせに、雇い主に逆らってまでやりたいことって一体何なの? ST AR-15: 私を利用して、仲間を危険にさらすデータを盗んだ。そんな鉄血の仕業を、私が許すとでも思ったか! ドリーマー: そんなに熱くならないでよ。とっくに気付いてたんでしょ、自分がデータの漏洩元だって。もう少し早くみんなに知らせていたら、デストロイヤーの爆破計画もパァになっていただろうに。 デストロイヤー: 待って、ドリーマー、どういうこと?!それじゃ、あたしの作戦はただのおまけだったってこと?! ST AR-15: …… どう考えようと勝手だけど。私が今やろうとしていることは、グリフィンの命令とは無関係よ。 ドリーマー: あら?まだ分かっていないようね。あたしたちが適当にあなたを選んだと思っているの?下等な人間が登場人物の生死を適当に決めるみたいに。違うわ……AR15、あなたは選ばれたの。覚えてる?あなたにプレゼントしたあの能力のこと。 ST AR-15: ……?!まさか、これは全て…… ドリーマー: フフ、そうよ。何ならもっと悪あがきしてみる?グリフィンのAR15。あなたの死に際の一撃で、事態が好転するか、それとも悪化するか、試してみたい? ST AR-15: …… それならお望み通りにしてあげるわ、ドリーマー。 場所:ST AR-15 ST AR-15: ……全てが明らかになるまで、あがき続けてやるから。 ドリーマー: 仲間のためにグリフィンまで裏切った、その素晴らしい仲間想いの様子を褒めてあげるべきなのかな? ST AR-15: 私は人形として、命令に従っているだけよ。AR小隊のメンバーとして……最優先の命令をね。たとえ帰る場所を失ったとしても、初めて私を受け入れてくれた人を裏切りやしない。それこそが私の唯一の存在価値であり、唯一の運命だから。鉄血、見てなさいよ。あんたたちの顔を踏んづけて、その陰謀を一つ一つ、全て明かしてやるからな! 緊急 > 5-1 > 場所:黒背景 (映像資料。AR小隊がデストロイヤーを追撃し始め、作戦開始から26分経過したころ……) M4 SOPMOD Ⅱ: 前方からの攻撃が猛烈すぎるよ!ダメ、突入なんて無理だよ! M16A1: 焦るな、攻撃の隙をついて前進するぞ! (……) M4A1: 待って、この音は…… M16A1: 今だ、行くぞ! M4A1: M16姉さん、危ないー!! M16A1: ……?! (……ドゴーン!!) 場所:凍った湖畔 M16A1: ……!!い、今のは……何だ? M4 SOPMOD Ⅱ: うそでしょ。あんなでかい武器……鉄血にも使えたの? M4A1: …… ……みんな、今ヘリアンさんから連絡があったわ。味方の被害はかなり大きいそうよ。本部からの命令で、全員追跡をやめ、全部隊はただちに現在の区域から撤退するようにと。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも、AR15が…… M16A1: 相手の手の内がはっきりしないうちは、軽率には進めないさ。AR15はきっと大丈夫だ。我々が生きていれば、また探す機会はある。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん…… 場所:戦術マップ M4 SOPMOD Ⅱ: ……でも今の攻撃で、味方の部隊とはぐれちゃったよ。それに鉄血の部隊が、こっちに向かってきているみたいだけど! M4A1: 心配はいらないわ。まだ指揮官と通信が繋がっているから、きっとこの危地から救ってくれるはず! 2段落 > 場所:廊下 (……安全区域まで撤退した。) IDW: にゃ?前に助けてくれた人形にゃ~!また会ったにゃ~! M4A1: 遅くなってすみません。他の人形は? IDW: みんな無事にゃ。あなたたちが最後の部隊にゃ。これで、みんな無事に撤退できたにゃ。 M16A1: ここには負傷兵もいるのか?私たちも手伝おう。 IDW: 助かるにゃ。M82はどこかに行っちゃったし、私ひとりではやっぱり無理があるにゃ。本当にありがとうだにゃ~! M16A1: 幸い、皆の怪我は大したことないようだな。作業もそう大変じゃない。 IDW: そうだにゃ。第一波が小規模なものでよかったにゃ。にしても突然やってきてほんとびっくりしたにゃ。 M16A1: それで……さっきのあの鉄血の武器について、何か手がかりは掴んだか? IDW: にゃ……早すぎて、全く分からなかったにゃ。ただ残された痕跡を見る限り、命中したらきっとおしまいにゃ。 M4A1: …… M4 SOPMOD Ⅱ: M4、どうしたの? M4A1: 何でもないわ…… ……少し怖くなっただけ。鉄血には……まだどれだけ秘密があるのかしら? 5-2 > 場所:凍った湖畔 (前回の追撃作戦から何日も経ったが、AR小隊による捜索はなおも続いていた。 [注:デストロイヤーはどうなった?]) M16A1: 何か進展はあったか?SOPⅡ。 M4 SOPMOD Ⅱ: まだ……AR15の手がかりは何も見つからない…… わたしたち3人だけじゃ、やっぱり人手が足りないよ。 M16A1: はぁ……前回の事件があってから、本部は危険を冒してまでAR15を探すのを放棄したからな。 M4 SOPMOD Ⅱ: AR15は今……どうしているんだろう? M16A1: 鉄血は何の動きも見せてないからな、恐らくAR15はまだ無事だ。 M4 SOPMOD Ⅱ: あ、M4が戻って来た。 M4A1: みんな、新しい任務よ。 場所:戦術マップ M4A1: ヘリアンさんからの命令よ。以前の撤退作戦の際に、間に合わなかったグリフィンの部隊が取り残されているそうで。 M4 SOPMOD Ⅱ: わたしたちに救援に行けっての?外では銃弾が激しく飛び交っているのに、そんなに大事な人形なの? M16A1: まあそう言うなよ。任務なんだからやるしかないさ。指揮官、案内は頼んだ。 2段落 > 場所:黒背景 (AR小隊が指令室に入った。 …………) M4 SOPMOD Ⅱ: (室内に人間がいる。) M4A1: ……(ええ。) (突入用意、3、2、1……) 場所:工場 (……バンッ!) M4A1: そこの人間!手を挙げて、こちらを向きなさい! ??: …… [注:クルーガー] M4A1: 最後の警告です。手を挙げなさい。さもないと撃ちますよ! ??: お前たちにそんな権限はないぞ…… クルーガー: ……私に対してはな。 M4A1: ……!!大変失礼しました、クルーガーさん! M16A1: 無礼ながら申し上げますが、クルーガーさん。これは私たちが引き受けた任務と内容が異なっているように思います。それに、敵の区域で敵味方識別装置をつけていないのは、非常に危険です。 クルーガー: もし識別装置が鉄血側の認証を通らなかったら、それこそもっと危険だろう。新しい装置にはまだ欠陥があるな。16LABに改良するよう催促せねば。 M4 SOPMOD Ⅱ: もしかしてここに来たのは……新しい装置を試すためなんですか? [注:SOPⅡの貴重な敬語] わたしたちは特殊作戦部隊であって、警備部隊とかじゃないんですよ! M4A1: SOPⅡ、落ち着いて! クルーガー: …… 私は変わらずお前らを信用しているぞ。ここのデータを集め終えたら、新しい任務をお前らの指揮官に言い渡すとしよう。 5-3 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) ヘリアン_通信: 指揮官、最近色々あったのは分かっている。……だが、貴官が元気そうでよかった。安心している。我々はずっと、人形に頼って身の安全を図ってきた。だが肝心な人形の安全性を、我々が保証できないようでは…… だが安心してほしい。16LABは既に人形のメンタルモデルの脆弱性の修復に着手している。クルーガーさんもグリフィンの人形の管理を徹底し、こうした事故の再発防止に努めている。そして、今日は新しい任務を頼みたい。 場所:戦術マップ ヘリアン_通信: 指揮官、実はAR小隊にずっと黙っていたことがあるんだ。というのも、クルーガーさんはこの前の作戦で、AR15のメンタルモデルのバックアップを見つけていたのだ。 [注:バックアップ取れるの?] おそらくAR15が故意に遺したのだろうが、その内容は完全なものではなかった。 [注:取れるけどそこから再生はできないって事かな?] そこでAR小隊に残りの部分を集めて来てもらいたい。ただし、決して彼女らに中身を見せてはならない。任せたぞ、指揮官。貴官の判断を信じている。 2段落 > 場所:凍った湖畔 (目的地に到着し、データの回収を開始した。) M16A1: M4、データの回収は進んでいるか? M4A1: はい、今AR15のメンタルモデルを回収中です。 [注:中身は見せないけど、AR15のメンタルモデルだってのは教えんのね] 見張りをお願いします。 M4 SOPMOD Ⅱ: ここは……この前データ収集したのと同じところ…… クソ!あのとき、もう少しで奴に届いていたってことか! [注:初クソ!] M16A1: もう少しだったからこそ、鉄血も全力で阻止しにかかってたんだろ。 M4 SOPMOD Ⅱ: ……AR15。どうして……わたしたちはその動向を知ることさえ許されないの…… わたしたち、仲間じゃない! M16A1: …… 前に聞いてきたよな。なぜ我々は作戦のための道具なのに、感情モジュールなんかが付いてるのかって。要するに、感情そのものが欠陥だってことさ、SOPⅡ。人形だろうと人間だろうと、私たちは不良品なんだ。だから奴らが我々に同情することは期待するな。今は特にな。 M4 SOPMOD Ⅱ: M16…… あんたって、いつも変な理屈こねるよね。 [注:あんた呼び] M16A1: 今のはグリフィンの人形AIに対応してうまく作られた屁理屈だからな。 M4A1: 回収完了。みんな、撤退しましょう。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん…… M4A1: SOPⅡ……全部聞こえてたよ…… M4 SOPMOD Ⅱ: ごめん、M4A1。つい興奮しちゃって…… M4A1: いいのよ、SOPⅡ。実を言うと、私も混乱しているの…… でも私は信じている。AR15は私たちを見捨てたりなんかしないって。それに私たちも、でしょ?お互いに相手を信じていれば、いつかきっと再会できるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: …… M4A1、成長したみたいだね?……人形のくせに。 M4A1: くすっ、あなたが言ったんでしょ。私はAR小隊のリーダーだから、あなたたちを率いていく責任があるって。 5-4 > 場所:司令室 (グリフィンS09地区戦術司令室にて――) カリーナ: あ、指揮官さま。まだ命令待ちでしたか?すみません……ヘリアンさんに急用ができまして。それで粉期の任務を託されたので、私からお伝えしますね。 場所:戦術マップ カリーナ_通信: AR小隊や他の人形の情報によると、鉄血がグリフィンに対して何やら物騒な作戦を企んでいるらしいです。ですので、こちらから先制攻撃を仕掛けてこの危機をくぐり抜けましょう。と……いうのがヘリアンさんの主張です。私には分からないですね。どうして鉄血がここまで私たちを目の仇にするのか…… でもいずれにせよ、この区域にはまだ鉄血の精鋭部隊が残っていますから、脅威であることは間違いないです。こちらの反撃作戦がうまくいくよう、まずはこの区域を掃討してください。反撃前の最後の作戦です。では始めてください、指揮官さま。どんな困難があっても、私たちならきっと乗り越えられます! 2段落 > 場所:工場 (グリフィン本部工場にて……) ヘリアン: クルーガーさん、解析結果が出ました。AR15が残していったデータは、前に404小隊が入手したものと一致しました。 クルーガー: 鉄血が次の計画で、グリフィンを徹底的に殲滅しようとしているのは確かなようだな。 ヘリアン: そんな早くにですか?奴らがそこまでの人形を蓄えているとは考えにくいですが。 クルーガー: 人形は必要ないのだ、ヘリアン。「彼女」は人形よりはるかに危険な切り札を持っている。 ヘリアン: クルーガーさん……ずいぶんよくご存知ですね。まさかあの部屋で、本当に「彼女」に会ったんですか? クルーガー: …… 雨が平原に降る、そして傘……これが鍵だ。心配はいらん。AR15のデータがあれば、【傘-Parapluie-】の正確な位置を探し当てられる。 ヘリアン: AR15…… こんな状況に陥っても、我々に協力しようとここまで…… クルーガー: 彼女はただ与えられた命令を遂行しているだけだ、ヘリアン。 ヘリアン: 分かっています。ただ今の私は、少し…… クルーガー: 私は人形に偏見は抱いていないし、人間にかわって責任を引き受けてくれていることには感謝している。一部の指揮官が、彼女らを人間と同じように扱っているのも理解できる。だが道具にせよ、友人にせよ、何であろうと…… ひとたび敵の手に落ちた以上は、決断を下さねばならん。自分の手で始末するか、それともそいつが他の皆を地獄に引きずり込むのをただじっと見つめるかだ。 ヘリアン: それでは……我々の決断というのは…… クルーガー: もう少し時間をやろう、ヘリアン。これは我々が決めることではない。あの指揮官には、まだ時間が必要だろう。 ヘリアン: それは……育成の一環でしょうか? クルーガー: いや…… 場所:黒背景 クルーガー: 今度は、試練のときだ。ヘリアン。人形のリストを点検して、使える者は全員報告してくれ。準備をしろ。 夜戦 > 5-1 > 場所:司令室 (……低体温症作戦が終盤を迎えたことのグリフィン指令室にて。) ヘリアン: 指揮官。これまでの作戦、ご苦労だった。ペルシカの【ジュピター】の解析がまもなく終了する。すぐに全面的な反撃に移れるだろう。だが今回呼んだのは、別に任せたい任務があるからだ。M99、入れ。 M99: はい…… 指揮官、こんばんは。 場所:ジュピター ヘリアン: 指揮官、前回鉄血が【ジュピター】を使用しグリフィンの境界地帯を破壊したことで、人間居住区の安全が脅かされているんだ。こちらの補給線と物資倉庫も巻き添えをくって、居住区の物資補給に大きな問題が生じている。そのため、本部は【ジュピター】の攻撃を受けた倉庫に小隊を派遣して、残っている物資を探し出し、近くの人間の町に運ぶことを決めた。 場所:司令室 ヘリアン: M99は今回の作戦を担当する人形の隊長だ。そして貴官の任務はこの小隊を率いて作戦を成功させること。 M99: 指揮官、ご一緒できて光栄です。後のことはお任せしますね! 場所:黒背景 (……ピー。) ??: ホークより、隊長。応答せよ。 M99: あ……こちら班長。ホーク、どうぞ。 97式散: なんとかなった?こちらは今外で凍え死にそうなんだけど! M99: すいません。先ほど作戦の許可をもらったので、すぐに向かいます! 場所:戦術マップ_夜 (…………) M99: はぁ…… 97式散: どうしたの?指揮官さまが動いてくれているんだから、あたしたちもこの機に出発しなきゃ。 M99: はい……でも…… 夜道を行くんですか?ホーク、怖くないのです? 97式散: 全然。護送任務は大の得意だし、怖くなんてないよ。それに、この夜道は前にモシンナガンたちと何度もパトロールしたから、みんなよく分かっているわ。 M99: そうですか……だからヘリアンさんはあなたたちをこちらに回してくれたんですね…… でもわたしは遠くまで見渡せないと不安ですし、夜になると何も見えないし…… まだいろいろ学ばないといけないことがたくさん…… 97式散: あはは、誰にだって特異なものとそうじゃないものがあるわよ。「術業に専攻あり」ってやつよ。 [注:論語] M99: でもどうしてわたしが派遣されたんでしょう?明らかにこういう作戦に向いていないのに。 97式散: あらあら、班長……人生は十中八九思い通りにいかないものよ。時には黙って受け入れるしかないこともあるわ。とにかく今夜は安心して。あたしが護送する隊列にいれば、危険な目には遭わせないから! M99: ふぅ、じゃあお願いします。行きましょう、あちらをあまり待たせてはいけませんから。指揮官、目標は向こうの山の上にある物資倉庫です。わたしたちを連れて出発してください。 2段落 > 場所:野外拠点_夜 (…………目標の倉庫に到着した。) 97式散: 56~~~!久しぶりねえ! 56-1式: ずいぶん待ったよ。道中で何かあったの? M99: すいません。道中にかなりの鉄血がいて、回り道をしていたら遅くなって。 56-1式: 気にしないで。補給品の梱包は済んでいるから、急いで引き上げよう。 97式散: なんでこれっぽっちなの?トラック何台分もあると思っていたのに。 56-1式: 前はたくさんあったんだけどね……今じゃすっかり持ってかれちゃって。だから最後の残りを見張るためにあたしが派遣されたの。 M99: え?鉄血って私たちの補給品を奪いに来るぐらい貧困にあえいでいるのですか? 56-1式: それが…… 実は近くの別の地区の住民が持ってったんだけど、表向きはね、分かるでしょ…… 【ジュピター】がここを破壊していなかったら、最後の残りも取られてたかも。 M99: そうですか…… 物資は軍が厳格に分配しているから、絶対に勝手に手をつけてはならないし、たとえ人間でもダメなんですよね。残りの補給品は、絶対にしっかり守らないと。 97式散: よし、これを無事に目的地に届けましょ! 5-2 > 場所:森_夜 (…………30分後、輸送の道中にて。) 56-1式: 班長…… もう真夜中だけど、夜食にしない? M99: お腹空いたんですか?チョコならありますけど。 56-1式: えー…… そんなの腹の足しにならないし、それに……(チョコを受け取る) (56-1式がチョコを軽く割った。) M99: ちょっと!何するんです、食べないなら無駄にしないで! 56-1式: 班長、この手触りは明らかにココアバター代用脂だよ。どうせ92にもらったんでしょ。分からないと思って、いつも安物ばかり寄こすんだから。 M99: えっ?それの何がいけないの、別に食べられるのに…… 56は誠実な性格だったはずなのに、いつからそんな選り好みを…… 97式散: 56は食べ物にはうるさいのよ。逆に半長は世間知らずすぎ。今度95と97が町に出るとき、班長もついて行って見学してきた方がいいかもね。 [注:世界的大スターだった二人が町に行くと、人々はどんな反応をするのだろう……] M99: まだ仕事が山ほど残っているし、休んでいる暇なんかないですよ。それに、作戦中なのに要求が多すぎるんです!本当に食事するにしても、全員揃ってからにしましょ。 97式散: まだあと誰か来るの?直接目的地に行くんじゃないの? M99: 先に近くの拠点に寄って、NZと合流しないといけません。あの子は先に出かけて前方の道路状況の確認をしていたのですが、もう戻ってくる頃なので。 56-1式: NZねぇ……本当に呼び戻すの?あいつとはいつも衝突するから、わざわざ避けて倉庫の見張りをしてたのに…… 97式散: はは、NZがそばで聞いてるかもよ。大丈夫、あたしはあいつとは仲が良いから、あたしがいれば無茶はしないよ。 M99: 大丈夫ですよ、56。NZは任務は真剣にこなしますから。それにわたしたちが人間の補給品に手をつけるわけにいきませんから、NZに補給拠点の状況を聞かないと、食事の支度もできませんよ。 56-1式: そうなの?だったら早く合流しようよ、もうお腹ペコペコ! M99: ふふっ、あと少しだけ頑張ってください…… 指揮官、わたしたちを前方の偵察拠点まで連れていってください。 2段落 > 場所:野外拠点_夜 (…………NZ-75のいる偵察拠点に到着した。) M99: あれ?NZはどこ? 56-1式: 拠点の中にはいないみたいだけど、どうしよう。 97式散: 大丈夫、こんなときは…… ねえ、NZ!また新しいスカートが届いたよ!今回の柄は―― (…………ドサッ!) M99: あ、ずっと上にいたんですね…… NZ75: おいおい、死にたいのか?!新しいスカートなんか注文してないからな、絶対に! 97式散: いいじゃない、どうせ先週のほどダサくはならないだろうし…… 早く、班長に状況を報告して! NZ75: まったく…… 班長に報告、前方に大量の鉄血基地あり。でもさほど警戒していないから、慎重に行動すれば問題はないだろう。 56-1式: こちらの補給拠点はどこ?私が聞いているのはまともな食材のことね。乾パンやチョコバーが置いてある場所じゃなくて。 NZ75: あ、それは…… 残念ながら……途中の補給拠点はどこも爆破されたか、警戒システムが破壊された後で略奪にあっていて…… 56-1式: な、何?!くっそー!あのとき配属命令に従わないで、あんたと役目を交代すればよかった! NZ75: 誰が来ても同じだ。それに、私だってお腹は空いている…… M99: みなさん、仕方ありません。とりあえず缶詰で我慢して、それから急いで物資を送り届けましょう。そこの住民がきっともてなしてくれますよ…… NZ75: フン、その人たちも補給物資に頼って生きてるんだろ。私たちにご馳走してくれる余裕なんてあるものか。 56-1式: それより今のうちに送り届ける予定の物資を開けてみない?どうせバレやしないって。 M99: ダメです。これは軍から送り届けるよう言われている荷物です。手をつけてはいけません!56は正直者だったはずでしょ!どうしてそんなことを言うのですか! 56-1式: 正直者が何だよ!正直者だからバカを見ろっての?腹が減っては戦はできないよ! 97式散: あたしは56ほど食いしん坊じゃないけど…… でも正直、補給拠点がないと、缶詰数個じゃ力がでないわ…… NZ75: 作戦効率を上げるために人間の物資をちょっぴり拝借するのは、権限上は許されるだろ? M99: それはそうですけど……でもやっぱりもう少し待って、みなさん。目的地はもそうそう遠くないし、もう少し進めばきっと補給ポイントがあるはず…… たぶん…… NZ75: もう少し進めば、雑木林があるぞって言うのかと思った…… 97式散: NZ、やっぱり班長の言うことを聞きましょ。これは命令だもの。困難にぶち当たっても堪え忍んで、みんなで力を合わせなきゃ。分かった? NZ75: チッ。じゃあ急ごう。早く終われば早く帰れるでしょ。 5-3 > 場所:森_夜 (…………30分後。……) M99: もう人間の居住区が見えてきましたよ。みなさん、大丈夫ですか?まだ耐えられますか? NZ75: まるで今にも耐え切れず死ぬかのような言い方するなよ…… 56-1式: そんなこと言われたら、余計にお腹空いてきた…… M99: あ………… ごめんなさい、わざとじゃないんです…… 97式散: この穀潰し二人に構わないで、M99。やるべきことを続けて…… (グー……) NZ75: ぷっ…… 今の音、ホークでしょ。 97式散: 何笑ってんの!死にたいわけ?!今度笑ったら、あんたが先週屋台で買った安物の服の写真を拡散するわよ?! [注:NZ75もお洒落自慢人形] M99: 二人とも、落ち着いて。話し合いで解決しましょうよ…… NZ75: ほう、やろうってのか?じゃあお前が作った八宝粥をみんなに見せてやろうおか!あのとき79にどつかれたやつをな! 56-1式: はいはい。泥仕合はそれぐらいにして、そろそろ落ち着こうね…… NZ75: ハッ、56だって!この前P7に渡した月餅のレシピのせいで何人が修理場送りになったと思ってるんだ。おかげで釈明に半月もかかったよ! 56-1式: はぁ?あれはP7がやったことでしょ!じゃあ先月あんたが作った豚の角煮は?!あんなバカみたいに醤油入れて、92に見つかったらタダじゃすまないわよ! NZ75: ちょ、ちょっと手が滑っただけだろ!ホークだってオムレツの油をしき忘れて、フライパンを焦がしたことがあったし!あたしもどうしていいか分からず、やっとのことで誰かさんに押し付けたんだけど―― 56-1式: 待った!ホーク、NZ、あれはあんたたちの仕業だったの?! NZ75: あ、しまった…… 56-1式: 分かってんの?あれのせいで59は入院したんだよ! 97式散: アハハ……あ、あたしたちだけが悪いんじゃないもの!まさか59が一口で平らげるなんて思わなかったし。もう子供じゃないんだから、ゆっくりよく噛んで食べろっての! 56-1式: 待て、逃げるな! M99: あの……みなさん、静かにしてください!お静かに! 場所:黒背景 (…………) M99: はあ……なんでいつもこうなるのでしょうか…… 指揮官、先に道中の敵を片づけてください…… 隊員をなだめたらすぐ追いかけますから…… 2段落 > 場所:野外拠点_夜 (…………グリフィンのとある空っぽの補給拠点にて。………………………………) 56-1式: あたしたち……何やってんだろ…… NZ75: はぁ~~~~…… 騒いだら、余計お腹が空いてきた…… 56-1式: この拠点も空っぽになっているし…… 厨房は押さえたのに肝心な食べ物がないなんて、悲しいものねぇ…… 97式散: ねえ……班長、まだ進まないの?せっかく指揮官さまが道を切り拓いてくれたのに…… M99: すみませんが、ダメです。相手のパトロールの隙を狙って動かないといけませんから。鉄血のボスがこの近くにいます。しかも、どうやら【ジュピター】を起動できるみたいです…… 下手に刺激すると、わたしたちだけじゃなく、付近の人間居住区にまで危険が及びます。 NZ75: チッ、じゃあいつまで待てばいいんだ…… 人間の身の安全のために、なんでこっちが飢えなきゃいけないんだ…… 97式散: ちょっとNZ、腹ペコでおかしくなったの?めったなこというもんじゃないわ…… たくさんの人々が今もこの救援食料を待っているんだから…… 56-1式: だけど問題は…… あの人間どもはそもそも食べ物が足りないわけじゃないってことよね…… 97式散: え?何ですって? 56-1式: あの補給品は……実は現地の金持ちの宴会で使われる食材なんだよ…… だからほとんどが高級品だよ。どこにでもある物だったら、こんなに奪われたりしないって。 NZ75: おい、なんでそれを早く言わないんだ!こっちが命がけで、しかも空腹を我慢してはるばる運んで来たのは、ただの金持ちの贅沢品だってのか?! 56-1式: 本当は着いてから話そうと思っていたんだけど。運が良ければ分け前がもらえるかもしれないし…… こうなったからには、どうせ暇だし、ちょっと味見でも…… M99: コラ!ダメです!何度でも言いますけど、任務は任務です。人の荷物を勝手に開けるわけにはいきません!56は正直者だったはずでしょ!どうしてそんなことを言うのですか! 56-1式: 正直者が何だよ!正直者だからバカを見ろっての?腹が減っては戦はできないよ! 97式散: あたしは56ほど食いしん坊じゃないけど…… でも正直、補給拠点がないと、缶詰数個じゃ力がでないわ…… NZ75: 作戦効率を上げるために人間の物資をちょっぴり拝借するのは、権限上は許されるだろ? M99: それはそうですけど……でもやっぱりもう少し待って、みなさん。目的地はもそうそう遠くないし、もう少し進めばきっと補給ポイントがあるはず…… たぶん…… NZ75: もう少し進めば、雑木林があるぞって言うのかと思った…… 97式散: NZ、やっぱり班長の言うことを聞きましょ。これは命令だもの。困難にぶち当たっても堪え忍んで、みんなで力を合わせなきゃ。分かった? NZ75: チッ。じゃあ急ごう。早く終われば早く帰れるでしょ。 5-4 > 場所:野外拠点_夜 56-1式: ふふ、安心して。これだけあればお腹いっぱい食べられるから!ここに猪肉の大きな塊があるよ、しかも新鮮なやつ!97、そっちの野菜は? 97式散: ねえねえ見て、この柿!大粒で真っ赤だよ!さすが都会の人が食べるものは違うわね! NZ75: それはトマトだろ。田舎者め、柿とトマトの区別もつかないのか。そういやこの前柿を持ってくるよう頼んだら、干し柿を山ほど持ってきたよな。56は一日中食べても食べきれなかったぞ。料理ならやっぱり64漢陽たちが上手だな。すぐに怪我するけど…… 97式散: あの子がか弱すぎるのよ。あのお嬢さんは缶詰を開けるだけでも指を3本切るんだもの…… それにどれだけ料理の腕がよくても、材料が本物でなければ意味ないし。漢陽さんがおぼろ豆腐で麻婆豆腐を作ろうとして、63が激怒したこともあったわ! 56-1式: あの時、63が怒ってたのはそれが原因だったんだ?あんなに怒っているの見たことなかったよ…… NZ75: 63も頭が固いな……自分で作るときは生の唐辛子しか入れないくせに。 [注:花椒も入れるのだ……] 四川料理警察の92が見たら厨房から追い出されるぞ。 M99: えーと……みなさん裏では色々不満がたまっていたのですね。一緒にいるときは仲良さそうなのに…… 56-1式: 仕事では何があっても我慢できるけど、正統派料理を侮辱するのは反逆罪だよ! 97式散: ちょっと、あなたにそんなこと言う資格があるの?前にNZが酢豚にケチャップを入れたとき、美味しいって言ってたよね?あたしが指揮官なら、あなたのスティグマを外して、リーさんとステンのところに送って毎日ジャガイモばかり食べさせてやるところよ。 56-1式: え?あれNZが作ったの?あれは本当に美味しかったよ。あんたのいう“正統派”の酢豚よりも…… 97式散: はぁ?!あの味が分からないの?!あなたの舌はどうなっているのよ! NZ75: そっちこそ、味覚音痴の上バカね!脳にいくべき栄養が胸にいってるんじゃないか? M99: まあまあ…… みなさんケンカはやめて。力を合わせてようやく難関を乗り越えてきたのに、たかが料理のことで大ゲンカするのは…… 56-1式: 班長はいつもなあなあで済ませて、事なかれ主義なんだから…… 97式散: それに班長、たかが料理とは何よ!酢豚のことなんか何も知らないくせに! M99: えっ、酢豚って……あの缶詰パインが入っているやつでしょ? [注:Nova「……すぞ」] 場所:黒背景 (………… ……………………) M99: どうして……突然シーンとしちゃったんですか? NZ75: 早く逃げて班長。ホークにミンチにされたくなければ…… M99: え……ホーク、どうしてそんな怖い笑い方するんです?ちょっと、やめて…… 97式散: 班長。短い付き合いだったけど、楽しかったわ…… 残念ながら、酢豚は酢豚よ。ケチャップも、缶詰パインも邪道…… M99: ちょっと、ホーク、何する気ですか!こ、こっちに来ないでぇぇ! NZ75: ちょ、ちょっと待った!今エンジン音が聞こえたよ! 56-1式: 【ジュピター】だ!伏せて! [注:エンジン音が聞こえる程近くにあったのか、そんなにエンジン音が大きいのか……] (…………ドゴーン!) 場所:街_破壊 (…………) NZ75: ゲホッ、ゲホ…… おい、みんな大丈夫か?返事しろ! M99: ゲホッ、大丈夫……みんな避難室にいます。この建物は厨房が崩れただけで…… 97式散: 班長、今……何て? NZ75: ちゅ…… 厨……房……が? 97式散: 56!56、大丈夫?しっかり! (…………) 56-1式: …… 終わった…… 何もかも……終わった…… 1-4 > 場所:街_破壊 (…………5分後。) デストロイヤー_通信: あっははは!グリフィンの雑魚ども、今どんな気分?実はあんたたちはにはとっくに気づいてたんだ。ただタイミングを見計らっていただけなの。今の一撃で葬ってやれなかったけど、【ジュピター】のすごさは思い知ったでしょ? [注:???「あの……自分、本名マルドゥークって言いまして……」] じゃあ次の一撃で…… 56-1式: 次の一撃なんかないよ…… デストロイヤー_通信: え? 97式散: あんたたしか……デストロイヤーって言ったわよね? デストロイヤー_通信: ふふん、そうよ。鉄血の爆破関係のプロよ!あんたらの親分でさえあと少しで始末できたのよ。ましてやあんたらごとき…… NZ75: 親分がどうなろうと知ったことか…… だがお前は今日、ここで死ぬことになるよ。 デストロイヤー_通信: ハァ?大きな口を叩くのね!あたしが誰だか分かっているの?あたしは…… NZ75: もちろん知っているさ…… M4に追われて必死で逃げ回ってた鉄血のバカだろ? 97式散: この敗軍の将!負け犬のくせに! 56-1式: 今からこの代償を払わせてやる! (……廃墟の中で、3人の人形が拳を合わせた。) 56-1式: 新鮮な猪肉のために…… 97式散: そして真っ赤な大粒の柿のために…… NZ75: ……トマトだけどな。とにかく友よ……食べ物の犠牲を無駄にしないためにも、絶対にここで倒れるわけにはいかないよ! 場所:黒背景 デストロイヤー: ちょっと、猪や柿って何よ!あたしはそんなもの爆破してないから!待って!なんで急に突進してくるの!護衛隊、早くこいつらを阻止して!このイカレ人形どもを! (…………) M99: ふぅ……ようやく力を合わせて敵に立ち向かう決心を下したのですね。ちょっと予想外の展開ですけど…… ホークが言っていたように、時には黙って受け入れるしかないみたいですね。あの……指揮官、まだ繋がっていますか?今みなさんは闘志満々ですけど、敵の部隊も少なくありません。ここの司令部を奪って、突破の機会を作りましょう。 2段落 > 場所:黒背景 (…………) デストロイヤー_通信: くっ!ここは見逃してやるか…… 化け物どもめ、突然目を血走らせて向かってきやがって…… 全員、撃ち方やめ!基地に撤退し、命令を待て!今回は逃がしてあげるわ。覚えときなさい、次は簡単には逃がさないんだから! (…………) M99: こうして……指揮官のご協力もあり、わたしたちは一気に鉄血の封鎖を突破できました。そして2時間後には人間居住区に到着し、物資を無事責任者に渡せたのです。あ、もちろん、責任者は物資を紛失した理由に異議は唱えませんでした。なにしろこの混乱した時代ですから、そのくらいの物資は裕福な人間にとってどうということもなかったのです。でも、ヘリアンさんの目はごまかせませんでした…… 場所:司令室 (…………グリフィンの本部にて。) ヘリアン: M99、これはどういうことだ?物資のリストを突き合わせたところ、受け取った貨物と送り届けた貨物の内容が一部噛み合っていないぞ。 M99: その……受託区域の責任者には説明したのですが…… ヘリアン: 受託区域への報告によると、この一部は戦闘中に紛失したということらしいな。だが写真を見る限り、残りの物資の包装はどれもきれいなままだ…… 作戦中はこの物資を丁寧に守っていたのだろう。知らないうちに紛失したとは思えんが…… M99: そ……それは…… ヘリアン: 嘘をついても無駄だぞ。分かっているだろうが。こんなことのためにお前のメンタルモデルを調査したくはないぞ…… M99: …… (些細なこととはいえ、人形として上司に嘘をつく権限はない……) (仕方ない……みなさん、ごめんなさい……) 場所:黒背景 M99: すみません、ヘリアンさん…… あのとき、まともな補給拠点が見つからなくて、作戦を遂行するだけの体力が残されていなかったんです。それで…… それでその物資を、その…… (……ピーッ。ヘリアンの通信機が鳴った。) ヘリアン: ……失礼。 M99: (わたしが……みなさんに開けるよう指示して……) ヘリアン: もしもし?……どうぞ…… ふむ……なるほど…… ……分かった、どうやら誤解だったようだ。……大丈夫、お前が謝ることはない……いや、いじめてなどいない。事実を確認していただけだ。……ではそういうことで、仕事を続けてくれたまえ。 (……通話終了。) 場所:司令室 ヘリアン: M99、たった今指揮官から聞いた…… 作戦中に物資が欠乏して、指揮官が緊急時の補給として開けるよう命じたそうだな。合ってるか。 M99: え?あ……はい…… ヘリアン: そういう理由なら問題ない。だが報告書には正直にそう書くべきだ。そうすれば、二度とこんな状況が起きぬよう、今後合理的に補給拠点の配置や拡充ができる。 M99: はい、次回からは気をつけます。本当に申し訳ありませんでした…… ヘリアン: それから、今回の作戦はよくやってくれた。居住区から評定が送られてきたら、改めて表彰しよう。とりあえず戻って休むといい。 場所:野外拠点 (…………1時間後、輸送小隊は屋外に集合した。) M99: ホークたちが指揮官に嘘をつくよう頼んだんですか? 97式散: ちょっと、あんなの嘘のうちに入らないでしょ。どのみち指揮官さまの黙認がなければ、あなたに人間の物に手をつける権限はなかったんだから。 NZ75: フッ、つまり指揮官も共犯者ってことだ。 [注:というか最初から指揮官がそういう指示を出せば良かったのでは] 56-1式: 班長、ここまできてまだ気がとがめるの? [注:NZ75も「権限上は許される」って言ってたし……] M99: はぁ……いいえ。指揮官も味方してくれたんですから、今回はそのご厚意に甘えましょ。 97式散: あーあ、でもあの柿は残念だったな……グリフィンの土じゃあんな良い作物は育たないもの…… [注:基地にも畑がある?] 56-1式: あの猪肉もね。あの手触り、まだ私のメンタルモデルに刻まれているよ…… M99: ふふっ…… NZ75: 何笑ってんだよ、班長…… (…………M99が足元にある箱を開く。) M99: これ、なんだと思う? 56-1式: えっ、これって……!? 97式散: 肉と野菜……あのときと同じものだ! NZ75: 班長、これどっから持って来たんだ?! M99: へっへーん……これはね…… 場所:黒背景 M99: わたしたちがお腹を空かせながらも任務をやり遂げたことを知った依頼人が、帰り際に物資の一部を謝礼としてくれたのです。「見た目が可愛い人形は得よね~!これがもし出前の人間だったら、誰のせいだろうとこっぴどく叱られたはずよ」……みんなで食材を抱えて食堂に向かう途中で、ホークはこう締めくくりました。このとき、ヘリアンさんがわたしを隊長にした理由がやっとわかりました。それは受託区域の人たちに好印象を与えるためです。私がグリフィンの顔になれるなんて、すごく光栄なことです。でもいつかきっと、自分の実力で証明してみせます。もちろん今日は……みなさんと一緒にお仕事の成果を楽しみます。みんなで力を合わせればできないことはない……そう信じています…… 場所:野外拠点 56-1式: あっそうだ、M99。今晩は忘れずに指揮官を招待してよ。 97式散: そうよ。みんなで頑張ったんだから、苦楽はともにすべきよね!でも指揮官さまの好みは聞いた?もしパクチーやネギが苦手だったら…… M99: そうですね……指揮官はどういうものがお好みなんでしょう…… 誰か聞いてきてくれませんか? NZ75: 聞いたといえば……さっき悪い知らせを聞いたぞ。実に悪い知らせだ…… 64式のやつが、最近またソーセージの手作りを始めたって…… 56-1式: 何ですって?! M99: え?それが……どうしたの? 97式散: 64式の作るソーセージはしょっぱすぎて、塩の味しかしないの! [注:藪春……茶の繊細な味わいを楽しむお前の身に、一体何があったんだ……] あんなの食べられたもんじゃないよ! 56-1式: 班長、あんなものはソーセージとは呼べないよ。ソーセージに見せかけた塩漬け肉だよ! M99: はぁ……(わたしは別に嫌いじゃないですけど……) NZ75: とくに最近そういうのが56半と59にうけているみたいで…… 私たちの形勢がどんどん危うくなっているんだよ…… 56-1式: 少なくともソーセージに関しては、あんたたちの側に立つよ!ともに力を合わせて、資本主義の逆襲に立ち向かおう! M99: ま、待って。そんな大げさに言うほどのことなんですか…… NZ75: ホーク、今夜は手羽先のコーラ煮を作るって言って、64式にコーラの缶を開けさせろ。きっと10缶も開けないうちに、指の出血多量で修理場送りになるから! M99: そんな戦友を陥れるようなこと、やめてください! 56-1式: 人民内部の矛盾を解消しているだけよ!さっそく92のところから1箱持ってくるから! M99: ちょっと、56、待ちなさい!そんな好き勝手はさせませんからね! 97式散: あらあら、班長…… 人生は十中八九思い通りにいかないものよ。時には黙って受け入れるしかないこともあるわ。 M99: もう何が何だか…… みなさん、いい加減にしてください! 場所:黒背景 M99: もちろん……勝利の前提は、みんなが本当に力を合わせること…… もしかしたら次は、64と95一派の意見を聞いてみるべきなのかも…… 収録範囲: 第6戦役(通常/緊急/夜戦) 通常 > 6-1 > 場所:司令室 (……AR15の失踪から5日後の、S08地区鉄血管轄区にて。) ネゲヴ_通信: どうも、指揮官。こちらはネゲヴ。現在の座標はS08地区T6、偵察小隊が付近でAR15の足跡を発見しました。この区域は広いので、AR小隊に加えて我々の小隊も捜索任務に加わります。ですが、臨時に派遣されてきたため、現地の地理に詳しくありません。ですので沿道の掃討任務はお願いします。 場所:戦術マップ ネゲヴ_通信: ご覧の通り、こちらは鉄血の管轄です。 [注:「鉄血管轄区」っていうのは、蝶事件以前に「鉄血が行政を委託されていた地域」?それとも蝶事件以降に「鉄血が占領している地域」?] しかもちょうど衝突があったばかりの重大被災区です。適性力はかなり強いので、あなたのように経験豊富な指揮官でも、用心するにこしたことはありませんよ。 2段落 > 場所:荒野 (……ネゲヴ小隊が目的地に到着した。) ネゲヴ: 着いたわ。ここにグリフィンの拠点があるはずよ。わたしはここでレーダーの動向を追うから、ガリルは後方の見張りをして。 ガリル: 分かった、任せとき。 ネゲヴ: タボール、何か見つかった? TAR-21: それがまだですの。今装置を点検してるところよ。 ネゲヴ: 電源をあらかじめつけておきなさいって言っているのに。消費電力も大したことないんだから。 TAR-21: これも節約よ。なんと言いましても、戻ったら新たな宿舎に引っ越せるんですから、良いスタートを切らないと。 ネゲヴ: まあなんでもいいよ。でも、AR15を見つけないと撤収できないわよ。 場所:黒背景 TAR-21: にしても、ヘリアンさんがこれほど精力を費やすのは、ただその「裏切り者」一人を探すためだけですの? ネゲヴ: 不運な子というほかないね。【傘-Parapluie-】プログラムを埋め込まれて、知らないうちに拠点の情報を漏らしてしまったんだから。おおかた申し訳なさのあまり逃げ出したんでしょ。そこまでやれるなんて、相当覚悟のある人形よね。とにかくわたしたちの任務はその人形を探し出すことよ。そしたら16LABの人が何とか回収してくれるから。 TAR-21: 【傘】ね……彼女が埋め込まれたのは【傘】プログラムだと、断定されましたの?ただ情報が漏れるだけなら、噂ほど怖くはないようですけど…… でもそんな過失を犯した人形を、生かしておく必要があるんですの? ネゲヴ: AR小隊の人形は16LABが直接開発したものだから、恥をかかせるわけにもいかないんだよ。それに彼女らのメンタルモデルは少し変わっていて、もし死んだら本当におしまいになってしまうらしいよ。 [注:こういうの誰から知るんだろう] まずは拠点の情報を指揮官に報告して、支援部隊をもっと要請してもらいましょ。 場所:荒野 TAR-21: ………… ネゲヴ: どうしたの?タボール。 TAR-21: 変ですわ……通信モジュールが故障したみたい。だめ……まるで使い物になりませんわ。 ネゲヴ: はぁ……だから装置は定期的につけてチェックしないとって。消費電力もしれているのにさ…… もっとも……今回は機器の問題じゃなさそうだけど…… そうでしょ、鉄血のお姉さん? ??: ………… 場所:黒背景 ネゲヴ: タボール、今よ! (…………!!) TAR-21: 目標は拠点から出ていきました。しばらくは安全ですわ。 ネゲヴ: あいつは「アルケミスト」ね!ずる賢い野郎だから気をつけて! 場所:荒野 アルケミスト_通信: フフッ……惜しかったな…… あと3秒もあれば、その可愛らしい喉に触れられたんだがな。 ネゲヴ: ってことは、わたしたちの通信を妨害しているのは、あんたね? アルケミスト_通信: それは…残念ながらあたしはではない。あたしはただ未熟な果実の匂いにつられて、それを追いかけて来ただけだ。それ以上のことは……お前らの体を引き裂きながら、ゆっくり教えてやるよ! ネゲヴ: タボール、発煙弾の用意を!総員、この拠点を死守せよ。鉄血の部隊を近づけるな! (あとは頼んだわよ、ガリル……) アルケミスト_通信: アーッハハハハ!無駄な抵抗にどれだけの意味があるのか分からんが、これはこれで絶品だ!あがき続けるがいい。絶望が極限に達するまで、少しずつ味わってやるよ…… 6-2 > 場所:荒野 (……数十分後、S08地区のT7辺境にて。) M16A1: 着いたぞ。ネゲヴ小隊がSOSを発した場所はここだな。SOPⅡ、ネットワーク環境をテストしてくれ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 通信信号は正常、もう指揮官につながったよ。M4、早く指揮官と連絡をとって。 場所:戦術マップ M4A1: ご無沙汰しております、指揮官。 [注:まだ5日しか経ってないよ] 20分前、ネゲヴの捜索小隊がこの区域に入ったあと、消息を絶ちました。しかし先ほど、隊員の一人が発した救難信号をキャッチしたのです。ですので、私たちの任務はまず彼女と合流して状況を確認することになります。 M4 SOPMOD Ⅱ: まったく。人手が多いほうが助かるかと思ったら、かえって足手まといじゃん…… M16A1: もしネゲヴのほうで面倒ごとが起きたのなら、我々だってそのうちまずいことになるさ。指揮官、目的地に到着するまでよろしく頼む。 2段落 > 場所:荒野 (……AR小隊が目的地に到着した。) ガリル: おーい、AR小隊!ここやでー! M4A1: 安心して、ガリル。もう安全よ。 ガリル: ふぅ……おおきに、助かったわ。あと数分遅かったら、鉄血に捕まるとこやったで。 M16A1: 助けを呼ぶ場所も選んでくれよ。よりによって鉄血だらけの前線なんかを…… ガリル: それがなぁ……襲撃を受けた場所はグリフィンの通信が遮られててな。うちも通信できるとこ探すんに必死やってんから、まあ勘弁してぇや。 M4 SOPMOD Ⅱ: 具体的に何が起きたのか、説明してくれる? ガリル: AR15が滞在していた拠点を調査してたとき、鉄血のボスが近くに潜伏してることにネゲヴが感づいたんや。それでうちに手で合図を送ってきたんや。相手の後方がまだ手薄な隙に、こっそり抜け出して救援を求めに行けって。うちも通信が妨害されてるのに途中で気付いたから、あそこが今どうなってるかは分からんわ…… M16A1: どうする?M4。私たちだけじゃ、ボスの相手は無理だぞ。だが指揮官を探しに戻っていたら、間に合わないかもしれん。 M4A1: …………二手に分かれましょう。M16姉さんは、指揮官に連絡を取って、支援部隊を連れてきてもらってください。ガリルは、私とSOPⅡを拠点まで案内して。後方から鉄血を攻撃して、ネゲヴたちの負担を少しでも和らげないと。 6-3 > 場所:司令室 (…………数十分後、グリフィンS08地区指令室にて。) M16A1_通信: 指揮官、現在の状況は今申し上げた通りだ。ネゲヴの捜索小隊が現地の鉄血ボスに包囲された。M4とSOPⅡが救援に向かったが、長くは持たないだろう。それに区域内の通信は遮断されている。強行突入して救援に向かってもいいが、もっと安全な方法がある。 場所:戦術マップ M16A1_通信: ここに鉄血の指令室がある。どうやら部隊の一部を管理しているようだ。たまたまそこの通信は正常だから、おそらく指揮官の部隊なら占領できると思う。そのあとそこを利用して混乱を引き起こせば、M4たちの負担も大幅に減るはずだ。以上だ……指揮官がこれで大丈夫だと思うのなら、出発しよう。 [注:M16姉さんから敬語が消える] 2段落 > 場所:荒野 (……グリフィンの部隊が鉄血の指令室の占領に成功した。……ピー。) ネゲヴ_通信: 応答せよ、M16。M16、聞こえる?鉄血は撤退したわ、こちらは無事よ! M16A1: ハッ……ネゲヴか?!通信は回復したのか? ネゲヴ_通信: そうよ、さっきタボールが気付いたの。なぜだか分からないけど。 M16A1: じゃあM4たちは?合流できたのか? ネゲヴ_通信: えっと……さっきまでここにいたんだけど。M4と、SOPⅡも…… ガリル_通信: ネゲヴ、まずいで!M4とSOPⅡがどっかいってしもうた!しかも信号も全然拾えへんし、絶対また遮断されたんやわ。 TAR-21_通信: ごめんなさい、わたくしの不注意ですわ。戦闘が終わってすぐ、戦場の後方に人影を見つけて―― 慌ててSOPⅡに教えてしまったんです。軽はずみな行動はやめるように言ったんですけど。ちょっと目を離したすきに、こっそり追いかけて行ったみたいです。 M16A1: TAR-21、その人影というのは、まさか…… 場所:黒背景 TAR-21: そうですわ…… あれは間違いなく、AR15…… (その頃、M4A1とM4 SOPMOD Ⅱは……) 場所:野外拠点 M4A1: SOPⅡ、何か見つかった? M4 SOPMOD Ⅱ: 何も。さっきは確かに見えたんだけど…… クソ!この近くにいるはずなのに! M4A1: 通信はまだ遮断されているから、深追いしないように。状況が悪化したらすぐに引き揚げましょう。 M4 SOPMOD Ⅱ: どうしてずっとわたしたちを避けているんだろう…… ??: だってあんたたち……いつも面倒事を起こすんだもの。 (パン…… 鈍い音が響いた。そしてM4A1が振り向いた頃には、M4 SOPMOD Ⅱは地面に倒れ込み、意識を失っていた……) M4A1: SOPⅡ!しっかり!返事をして! ST AR-15: こういう奇襲もあるから気を付けろって、M16にあれだけ言われてたのに、相変わらずのようね。私がついてなければ、何もできないの? M4A1: どうして、AR15…… いったい……何してるの…… 場所:黒背景 (AR15が銃床をM4A1に向ける。) ST AR-15: 演じているのよ……感動的な再会をね。 (…………) 6-4 > 場所:司令室 (…………数十分後、グリフィンS08地区指令室にて。) M16A1: 指揮官、このような報告はしたくなかったが…… M4A1とSOPⅡがAR15の追跡に向かったため、現在は消息を絶っている…… ネゲヴ_通信: もしもし、M16!指揮官!聞こえますか!今SOPⅡの行方が分かったわ! M16A1: え?通信が繋がったのか? ネゲヴ_通信: 分からない。突き止めたのはSOPⅡの信号だけで、M4の情報はまだないの。それにSOPⅡに呼びかけても応答がないわ。とにかく、今SOPⅡの座標をそちらに送るから! 場所:戦術マップ ネゲヴ_通信: この区域はさっきの拠点からそう離れていないわ。でもついさっき、鉄血が大量に湧いて出てきたの。 M16A1: 何だと?アルケミストがまたやって来たのか? ネゲヴ_通信: 分からないけど、そうじゃないみたい…… 第一、奴らの数が多すぎる。アルケミストの指揮権限をはるかに超えているわ。それに、奴らの行動が……どうも混乱しているみたい。どういう目的なのかは分からないわ。 M16A1: 目標が我々ではないのなら、とりあえずは大丈夫そうだな。ヘリアンさんに状況を報告して、データベースから可能性のあるボスを調べてもらおう。 ネゲヴ_通信: そうしようと思っていたところよ。あなたたちも気をつけてね。ところで、指揮官の部隊があそこを突破しないと、SOPⅡは救出できないわ。ラッキーなことに、そこの通信が今ちょうど復旧したから、指揮官の部隊も出動できると思うけど。 M16A1: 分かった、ネゲヴ。指揮官、SOPⅡの救出に向かうぞ! 2段落 > 場所:荒野 (……M16A1が目的地に到着し、M4 SOPMOD Ⅱの捜索を開始した。) M16A1: ……SOPⅡ!SOPⅡ、大丈夫か?目を覚ませ! M4 SOPMOD Ⅱ: ん……M16?なの?あれ……じゃあ……M4は……? M16A1: お前も知らないのか?ここに着いたときにはお前しか見当たらなかったぞ。起きろ、一体何が起きたんだ! M4 SOPMOD Ⅱ: うーん…… さっきまで一緒だったんだけど……AR15を見つけて、それから…… M16A1: 襲撃を受けたのか?相手はどんな奴か、覚えているか? M4 SOPMOD Ⅱ: そんなの……覚えてないわけないよ…… M16。もうわたし、何も分からないよ…… ネゲヴ: ねえ、M16。まだそこにいる?! M16A1: ああ……今SOPⅡと合流した。だが…… ネゲヴ: 聞いて。今ヘリアンさんに報告したら、それは非常にまずい状況だって。ヘリアンさんは、AR15の捜索を一旦中断して、その区域から撤退するよう提案しているわ。 場所:黒背景 ネゲヴ: 聞いてる?M16。今置かれている状況は極めて危険なの。急いで指揮官に知らせて。人形を全員連れてS08地区から撤退しましょ! (…………同時刻。 …………) ST AR-15: ………… 目が覚めた? 場所:ST AR-15 M4A1: あなたは……誰? ST AR-15: 私……?あんたを迎えに来た者よ。 M4A1: 迎えに?……何のために? ST AR-15: まったく面倒な子ね…… あんたをみんなに引き合わせるのよ。あんたの友達が待っているわ。 M4A1: 友達?私の記憶モジュールには、【友達】の定義に一致する候補者はいないわ。私にはまだ……友達がいないのかしら。 ST AR-15: ………… それなら、私が最初の友達ね。 [注:M4よりAR15の方が先に作られた] 場所:黒背景 ST AR-15: まったく……最悪だわ…… (…………) M4A1: んん………… ST AR-15: 目が覚めた? 場所:司令室_夜 M4A1: AR……15…… ここは……どこ……? ST AR-15: 廃棄された指令室よ。誰もこの場所は知らないわ。それより、一つだけ聞きたいことがあるの。真剣に答えて。 M4A1: AR15、きっとやむを得ない事情があるのよね、そうでしょ?アルケミストは私に何をしたの?!あのシールド装置は何なの?! [注:どのシールド装置?] ST AR-15: 私の質問に答えなさい。あんたが今できることは、それだけ。最初の質問よ。さっき……夢を見ていたわよね。記憶に関する夢を。 M4A1: ………… そうよ、断片的な記憶。見えたし、聞こえたわ…… ST AR-15: 二つ目の質問よ。その記憶の内容は? M4A1: 初めて……呼び覚まされたときのもの…… あなたの声が聞こえたわ。目を開きなさいって…… ST AR-15: じゃ……最後の質問よ。真面目に答えて。 場所:黒背景 ST AR-15: M4A1……あんたは一体、誰? M4A1: ……??え……何を……? ST AR-15: 答えなさい、M4。今みんなに生き延びるチャンスを与えているのよ…… あんたや指揮官、それにグリフィン全体に…… だから、早く答えなさい、M4A1。……あんたは一体、誰なの? 6-5 > 場所:司令室 (……グリフィンS08地区指令室にて。) ネゲヴ_通信: 指揮官!指揮官、聞こえますか?どうやら鉄血の部隊がこちらの区域に集結してきているようです。本部の指示に従い、グリフィンの部隊は一時的にこの区域から撤退します。しかし私たちの小隊が、撤収途中に鉄血の邪魔に遭ってしまいまして。 場所:戦術マップ ネゲヴ_通信: ひと暴れしてやりたいですけど、今はおとなしくしていたほうがいいですよね。そこで指揮官、応援に来てもらえませんか?わたしたちの拠点はここです。お願いします、なるべく早く来てください! 2段落 > 場所:荒野 (……作戦は終了し、ネゲヴ小隊はひとまず安寧を取り戻した。) ネゲヴ: ふぅ……何とか片付いた。ありがとうございます、指揮官。何度もお世話になります。周囲にはまだ鉄血の部隊がいるから、みんな油断しないで。 ガリル: なぁ……誰かM16見んかった?とっくにSOPⅡと落ち合ってるはずやねんけど、なんでまだ戻って来てへんの? TAR-21: M4やAR15の行方について何か掴んだんだけど、わたくしたちを巻き込みたくないんじゃないかしら? ネゲヴ: まったくもう、どいつもこいつもルールを破って!通信をオンにして!行方を探るわよ! TAR-21: ごめんなさい……彼女たちの信号も、やはり探せないようですわ。あちこち敵だらけですし、通信がつながらないことに気付いた時点で、本来は撤退するはずなのですが…… ネゲヴ: ………… 場所:黒背景 ネゲヴ: その通信遮断の原因を探っているのでなければね…… (同時刻…… …………) 場所:ST AR-15 ST AR-15: とすると、私があんたの最初の友達ね。まったく……最悪だわ。 M4A1: あなたは……AR15? ST AR-15: ん?私を知っているの? M4A1: あなたのその武器が……私の記憶モジュール内のAR15という人形のデータと合致していたから。 ST AR-15: そう…… M4A1: 何だか……あまり嬉しそうじゃないわね。 ST AR-15: 嬉しくないわけじゃないわ。あんたの友達になることが私が受けた最初の命令なの。ポジティブな態度を示せというのも、その命令の一部よ。 M4A1: でも……嬉しいのなら、洗うべきじゃないの? ST AR-15: …… じゃあ命令して。命令されれば、その通りにするわ。 M4A1: 私に……命令してほしいの? ST AR-15: 命令して。私にしてほしいことなら何でも命令して。それがあんたの権限だから。M4A1、全てはあんたのために準備されたものよ。 M4A1: ………… 場所:黒背景 (………………) M4A1: これが……私の記憶? ??: そうよ、グリフィンのM4A1。 場所:エルダーブレイン_影 ??: これがキミに関する……最初の記憶。 M4A1: あなたは誰?そこで何をしているの! ??: さっきの答えを探しているの。キミが……一体誰なのかという。 M4A1: 私はグリフィンに雇われた人形で、AR小隊のメンバーよ。それ以外、何と答えていいか分からないわ。 ??: 確かに、君のメンタルモデルの記憶はAR15のものと完全に一致している。でもこれはあたしの求める答えじゃない。だから早く、教えて。 M4A1: 言ったでしょ、知らないって…… ??: 自分が作られた目的を知らないはずないでしょ?早く。早く答えを教えて。 場所:黒背景 M4A1: 知らないのよ!答えとかなんとかってそんなの知らない!このクソ野郎!怪物め!一体何者なのよあんた!消えて!!どっかいって!! ??: どうして怒るの?どうして他の人と接するように、あたしに優しくしてくれないの? ST AR-15: ……本当に答えを知らないからよ。AR小隊のメンタルモデルは16LABによって暗号化されていて、内容の多くは私たちも閲覧する権限がないの。どうやらM4に関する情報もその一つのようで、【傘】でもアクセスできないみたいよ…… ??: ……つまり、あたしにM4A1の情報は教えられないと。約束を破るのね、グリフィンのAR-15…… ST AR-15: 最初から可能性は低いって、言ってあったはずよ…… (パンッ!パンッ!) ??: ……約束を破る人は嫌い。行って、アルケミスト。権限を付与するわ。M4A1を連れてきて。その他のものは、何も要らない。 アルケミスト: 聞いたか?AR15。M4A1はそこにいるんだろ?ならすぐに会えるな…… やっとこの手でお前を潰せるとは、待っていたかいがあったな! ST AR-15: アルケミスト…… 喜ぶには早いわ。そう簡単に、望み通りにはさせないわよ。 アルケミスト: だが、もはやお前に行き場はないぞ、AR15…… その点は自分が一番よく分かっているだろうが。【傘】計画の初の実験体としても、そして…… ……この電磁シールドの元凶としても。すぐにでも、M4A1をおとなしく差し出さなかったことを後悔するさ…… すぐにな………… [注:↑以上、通話?↑] 6-6 > 場所:黒背景 (……ピー。) M16A1: 指揮官?ネゲヴ?そこにいるのか?! 場所:荒野 ネゲヴ: M16、どこ行ってたのよ!今S08地区は鉄血だらけよ。しかも桁外れに強いの!もう少しであなたを置いて撤退するところだったわ! M16A1_通信: すまん、ちょっと用事があって遅くなった。ネゲヴ、指揮官、聞いてくれ。ひとまず他のことには構うな。アルケミストの部隊が行動を開始した。おそらくそちらに向かっている。 ネゲヴ: フンッ、借りを返すときが来たってわけね。それであなたたちは?SOPⅡとどこへ行くつもり? M16A1_通信: こちらにはこちらの予定がある。何とかするから、心配は無用だ。そちらも気をつけろ。指揮官、ネゲヴたちを頼む! ネゲヴ: ちょっ、M16!待って! アルケミスト_通信: おはよう、グリフィンのガキども。狩りが始まるぞ。用意はいいか?また会えるのが楽しみだなぁ、ネゲヴちゃん…… ネゲヴ: あらそう?わたしは今めちゃくちゃ機嫌が悪いのよ、アルケミスト…… わたしに出くわさないことを祈るのね、特にまだ息があるうちは…… アルケミスト_通信: ほう?そんな化石のような銃弾でどれだけ持つか楽しみだな。当ててやろうか。仲間と一緒にズタズタにされるか、それとも一人逃げる途中で倒れるか…… せいぜいあたしが到着するまで恐怖に満ちた表情で待ってることだな! ネゲヴ: 願っても無いことよ、鉄血のクズが…… 場所:黒背景 ネゲヴ: 始めましょ、指揮官。憎い敵の血にまみれて酔いしれるほど楽しいことはないわ。 2段落 > 場所:黒背景 (撤退作戦開始から3時間後…… …………ピーッ。) M16A1: ネゲヴ……ネゲヴ……!輸送機が来たぞ!早く来い!鉄血はすぐそこまで迫っているし、ビルは爆発寸前だ! [注:唐突に爆発しそうになるビル] 急げ、みんなをこっちへ!早く! (…………) M4A1: んん…… 場所:道路 M16A1: やっと目が覚めたか、M4。自力で動けるか?早く、味方の輸送機が到着しているぞ! M4A1: M16姉さん…… どうして……姉さんが? M16A1: どうして私がって?いつもそうだろ? M4A1: そうじゃなくて…… AR15…… AR15は?!どこにいるの! M16A1: あいつは…… 自分の道を選んだんだ…… (………… 抑えきれぬほどの恐ろしい直観が、再び私の中を走り抜けた。) M4A1: ちがう…… ちがうわ!きっと何か間違っているのよ!AR15は……本当は…… 場所:黒背景 M16A1: おい、M4!何をする気だ!M4!どこへ行く!戻って来い、ビルに近づくな! (………… 私はヘリコプターから飛び降りて、混沌とした現場に駆け込んだ。爆発音とともに崩れ落ちるビル。慌てふためく仲間の人形たち。そして埋もれてゆく鉄血の追っ手…… それが何を意味するのか、私にはわかっていた……) 場所:呆然とするM4 M4A1: ………… ……A……R……15…… ……ど……う……し……て…… (それは騒がしい葬儀であり…… ……静かな別れであった。) 緊急 > 6-1 > 場所:黒背景 アルケミスト: ほぉ?そんな化石のような銃弾でどれだけ持つか楽しみだな。当ててやろうか。仲間と一緒にズタズタにされるか、それとも一人逃げる途中で倒れるか…… せいぜいあたしが到着するまで恐怖に満ちた表情で待ってることだな! 場所:荒野 (作戦開始から1時間後。ネゲヴ小隊は鉄血の部隊に包囲され、緊急事態に陥っていた。) ガリル: くっそ……蜂の巣をつついたみたいに、敵がひたすら押しよせて来るで!S08地区の鉄血って、いつの間にこんなに増えたんや?! TAR-21: 異常ですわね。敵の数が普通のボスが統率できる規模をはるかに越えていますもの。もしかしたらアルケミストは、わたくしたちをこの罠におびき寄せるための餌だったのでは…… ガリル: 何にせよ、これ以上は持ちこたえられへんわ!ネゲヴ、早く撤退命令を!……ネゲヴ?ネゲヴ、聞いてる?! TAR-21: ネゲヴの信号が消えましたわ。きっと【傘-Parapluie-】のシールド圏内に入ったのでしょう。ネゲヴはもう血眼でしたから、自分たちで何とかしないとですね…… 指揮官、聞こえますか?ネゲヴが一時的に連絡を絶ったので、指揮官のご支援が必要です。ここを包囲している鉄血の部隊を撃退し、撤退の援護をしてください。 2段落 > 場所:荒野 (…………支援作戦は終了し、ネゲヴ小隊は危険地帯から無事撤退した。) TAR-21: やっと危機を脱しました。指揮官、ご協力に感謝しますわ。 ガリル: でもネゲヴはどうするん?一人だけであそこに放っておけんやろ? M16A1_通信: 一人じゃないさ。我々のAR小隊のSOPⅡも入っていったからな。命知らずが電磁シールド内に二人もいれば、生存の確立も少しは高くなるだろう…… TAR-21: M16も無事で良かったですわ。それで、これからどうします?今全体的な戦況はグリフィンが劣勢なんでしょう? M16A1_通信: 劣勢どころか……鉄血の大群に加えてこの電磁シールド、脱出できた人形は幸運だったという他ないな。とりあえずできる限りのことをしよう。救援を要する仲間が多すぎるからな。電磁シールド内のことは、戦闘狂たちに任せておこう。 場所:橋 (…………同時刻、S08地区の輸送ルートでは。) アルケミスト_通信: どうした?AR15。身動きもとれないか…… お前がここを離れれば、後方にいる仲間たちは逃げられなくなる。どうだ?それでも白状しないか?M4をどこに隠したか…… [注:通常6-1でエルダーブレイン?から居場所教えて貰わなかった?] ST AR-15: アルケミスト、一体……何をした…… アルケミスト_通信: 何って?ただお前らの小隊をいくつか挑発して誘導しただけさ。あいつらはあたしがこの襲撃全体を指揮しているボスだと思って、一斉にこちらに向かって来たよ。そしたらあとは、お前をここで足止めすればいいだけだ。この必ず通る道でな…… あいつらの通信はすぐにでも遮断され、孤立無援に陥るだろう…… あの憐れな虫ケラどもを捻りつぶすことなど、今のあたしの部隊をもってすれば一瞬さ…… でもお前には考える時間をやった…… M4A1の隠し場所を吐くか。それとも仲間が一人ひとり引き裂かれるところを見るのか。 ST AR-15: ……それで私の良心が咎めるとでも思っているの?脅しはきかないわ。M4を守ることが私の受けた命令。たとえどんな敵に対しても妥協はしないわ! アルケミスト_通信: アハハハ、お前のような奴は好きだよ。お前らがいるからこそ、あたしの世界は輝くんだからな!処刑がすぐに終わると思ったか?あたしがそんな簡素な宴で満足すると思ったか?お前が自分の信念に固執している間にも、グリフィンの人形はどんどん死ににやって来るぞ! ST AR-15: 構わずやりなさい、アルケミスト。好きなだけ残酷な手口を使えばいい…… でも覚えておきなさい、あんたが何をしようと…… ……今日、あんたか私、どちらかが死ぬのよ。 6-2 > 場所:荒野 ヘリアン_通信: M16、そっちで何が起きているんだ?!撤退命令は下したはずだ!なのに、なぜまだ大勢の人形が残っている! M16A1: 皆あるルートの手前で阻まれており、そこからの信号は遮られています。周りは鉄血の伏兵だらけですし、軽率に突破しようとすればひどい犠牲が出ると思います。 ヘリアン_通信: まさか【傘】がまだ機能しているのか?AR15はどうしてそこを離れないのだ。 M16A1: おそらく敵のボス、アルケミストの足止めを食らっているのではないかと…… それに、ネゲヴも挑発を受けています。これらすべては奴の思い通り…… ヘリアン_通信: 謀略系のボスか……どうやらこちらの調査ミスだったようだ。では第一にやるべきことは、AR15の包囲を解き、そこから助け出すことだな? M16A1: はい。それで先ほどその方法を協議していたのですが―― 場所:戦術マップ M16A1_通信: 指揮官、聞こえるか?これから戦場を跨いで、SOPⅡをシールド圏内に送ることを計画している。そしてSOPⅡは事前の打ち合わせ通り、皆を適切な避難ルートに誘導する。だがそのためには指揮官の部隊がまず周囲の鉄血部隊を撃破して、SOPⅡのために道を開ける必要がある。指揮官。AR15も、M4A1も、グリフィンの小隊も…… 皆の運命は、全て指揮官にかかっている。なので、どうかこの任務を無事やり遂げてくれ! 2段落 > 場所:橋 (…………同時刻、S08地区の輸送ルートでは。) アルケミスト: おしまいだ、AR15…… じきに死ぬんだ……それ以上の悪あがきはやめろ。 ST AR-15: あんたこそ……似たようなものでしょ…… 外にいるあんたの部隊は私たちの指揮官が全滅させたもの。グリフィンの人形が脱出するのは時間の問題よ。 アルケミスト: …… (台詞の無い謎空間) フフ……だがあたしの標的はAR15、お前だけだ…… それとも、機嫌を損ねたあたしに処刑されないよう、M4A1を差し出すか? ST AR-15: アルケミスト……ひとつ忘れているようね…… 言ってなかったかしら……M4A1は私と一緒にいるの…… [注:どゆこと?] アルケミスト: …………?!なるほど……なるほどな!アッハハハハ!やっぱり面白いなァ、AR15!すごいよ。そんな卑劣で恥知らずな手段、まさにあたしが求めていたロマンだ!残念ながら……それももうすぐ終わるがな…… にしても観客がお前一人じゃ、どんな処刑を行おうと面白くないな…… 場所:黒背景 M4 SOPMOD Ⅱ: もう一人いたら? (…………!) 場所:橋 M4 SOPMOD Ⅱ: 言ってみろよ……怪物め、なんか言えよ…… 言えってんだよ、このクズが!このまま楽に死ねると思うなよ! [注:こわ] ST AR-15: やめなさい、SOPⅡ。死体よ、時間の無駄だわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: はっ……ごめん。突然のことだったから、ちょっと自制がきかなかった…… ST AR-15: はぁ~~~~……それでこそあんただけどね…… でなければダミーと間違えてしまうわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: ………… (…………) ST AR-15: ちょっと、いきなり抱きつかないで!私は怪我人なのよ! M4 SOPMOD Ⅱ: やっと会えたね、AR15…… ST AR-15: 何言ってんの、私が死ぬわけないでしょ…… それより、どうしてここが分かったのよ。M16がまた危険なことをさせたの? M4 SOPMOD Ⅱ: ここは戦場よ、何やったって危険でしょ?いくら【傘】でも、すべての繋がりを断ち切れるわけではないでしょ、AR15…… ……わたしたちがあなたに会いたいと思っていれば。 ST AR-15: ………… M4 SOPMOD Ⅱ: 安心して。アルケミストに足止めされていた小隊は、もう次々撤退し始めているから。とりあえずここから離れよう。撤退経路の安全を確保したら、AR15を隠す場所について考えるから。 場所:黒背景 ST AR-15: ……… ごめんね。でも私はこのまま戻るわけにはいかないの…… 場所:橋 ST AR-15: このメモリーカードを持って行って。これまでに集めた情報が全部入っているわ。M4の隠れ場所も…… それから……みんなに言いたいことも…… M4 SOPMOD Ⅱ: AR15……何言ってんの?大丈夫だよ、ひとまず安全な場所に移動しよう。その後は16LABが何か方法を考えてくれるから!ヘリアンさんも言ってたよ。今回の【傘】はAR15のせいじゃないから、それほど重い処分にはならないだろうって。 ST AR-15: そういう問題じゃないの、SOPⅡ…… あんたは今回の事態の恐ろしさを分かっていない。アルケミストはほんの実行犯にすぎないわ…… 背後の黒幕を止めないと、鉄血はここにいる全員を呑み込んでしまう! M4 SOPMOD Ⅱ: その敵の黒幕って…… わたしたちでは太刀打ちできないの? ST AR-15: 今の実力ではまだ無理…… だから私が彼女に会いに行かなきゃ。それがみんなを救う唯一の方法なの。 M4 SOPMOD Ⅱ: AR15……今回の件で自分を責めてるの……? ST AR-15: 私は事実を言っているだけよ、SOPⅡ。罪滅ぼしとか後悔の念ではなく…… とにかく解決方法は必ず見つけるから。だから止めないで。あんたのためにも、M16とM4A1のためにも、ここにいるみんなのためにも…… M4 SOPMOD Ⅱ: じゃあ約束して……バカな真似はしないって…… 約束してくれるよね、AR15! ST AR-15: ………… 私は、自分がやるべきことをするだけよ。急いで、SOPⅡ。このシールドから離れて。M4が待っているわ。しっかり守ってあげてね、頼んだわよ…… 6-3 > 場所:荒野 M4 SOPMOD Ⅱ_通信: M16…… M16A1: SOPⅡ、どうしたんだ?AR15は? M4 SOPMOD Ⅱ_通信: AR15は…… やるべきことがあるって…… 何のことか分からないけど……でも……なんだかこわいよ…… M16A1: ………… 分かった、SOPⅡ。だが今は、こちらもやるべきことがある。まずはそちらに集中しよう…… M4 SOPMOD Ⅱ_通信: うん。アルケミストもやっつけたことだし…… 鉄血の攻勢は……弱まったよね? M16A1: ……ああ。鉄血の部隊はうろうろ這い回っているだけだし、標的も我々ではなくなったようだ。今はもう輸送ルートの通信も復旧したし、残りの人形も続々と撤退し始めている。残るはM4だけだ。SOPⅡ、どこにいるか分かるか? M4 SOPMOD Ⅱ_通信: うん…… AR15がM4の居場所を教えてくれたから、今探している最中。 M16A1: よし、元気を出せ。あとのことは私に任せろ。 場所:戦術マップ M16A1: 指揮官、新しい任務ができた。SOPⅡがM4A1の救出にあたっている。早急に応援に行かねばならない。現地の鉄血勢力は衰えていないから、やはり武力で突破するしかない。そこで、指揮官の部隊の協力を願いたい。よろしく頼む。 2段落 > 場所:黒背景 (……作戦は終了し、SOPⅡはM4の潜伏先に向かった。…… …………) M4A1: …………いや。そんな命令はしたくない。友達って……そういうものじゃないはずよ。 ST AR-15: あんたが求めるような友達は、命令に頼らなければ得られないのよ。 M4A1: ……待てるわ。あなたがその気になる日まで。これは貸しよ、AR15。私はずっと待っているから…… 場所:道路 (………… …………同時刻、廃棄されたビルの前では。) ST AR-15: ………… 最後の一人も、現れたわね…… 昔から、あんたって本当に不吉の前兆よね…… ……M16A1。 M16A1: これだけ危険を冒したんだから、ひと目会っておこうと思ってな…… 必要なら、お前を殴って気絶させた上で、連れ帰っても構わんのだぞ。 ST AR-15: ぶち壊しにしてごめんなさい。でも止めないで。これは私のことだから。 M16A1: 少なくとも知っていることくらい教えてくれ、AR15。これまで一体何をしてきたのか…… ST AR-15: ………… 【傘】の真相を探ろうと、この数日間鉄血のデータベースを調べていたわ。それで、ある鉄血の工場を調べていたときに、思いがけずジャミング装置を起動させてしまったの。 [注:キューブ作戦の「ジャミング装置」と関係がある?] その晩私はまた夢を見て、目が覚めたら、通信機が全て機能しなくなっていたの。 [注:M4以外の人形は夢を見ないのでは?] M16A1: そのジャミング装置のせいか? [注:ルニシアベースの人形以外が夢を見ないんだっけ?] そいつが【傘】と何か反応を起こしたのか? ST AR-15: ええ。今思えば、おそらくジャミング装置が【傘】に干渉モジュールをロードしたのね…… それで、私は残されたわずかな連絡手段を失い、またグリフィンに影響が及ぶのも心配で、S08地区に逃げてきたの。そのあと……この一連の事件が起きたのよ…… M16A1: それはお前のせいじゃないさ、AR15。もしお前が情報を残してくれなかったら、誰もあれが【傘】だとは分からなかっただろうし。 [注:あれ←通信を遮断する電磁シールドのこと?] ST AR-15: 私の不注意が原因よ。事件後も冷静に対処できなかったから、グリフィンがこのような状況に陥ってしまったのよ…… 集めた情報は全部SOPⅡに渡したから、何か埋め合わせにでもなればいいけど…… M16A1: 焦って自暴自棄になるな、AR15。そんなの、まだいくらでも挽回できるだろ!アルケミストはもう始末したし、鉄血の攻勢も今やもうめちゃくちゃだ。あの鉄血の部隊を見てみろ。うろうろ這い回るだけで、指揮らしきものもとれていないだろ。 ST AR-15: ………… あんたは何も知らないのよ、M16。鉄血の指揮が混乱しているのは……アルケミストが倒されたからではなく…… 本当のリーダーが、半狂乱で私たちを殺そうとしているからよ! ……私たち全員よ。M4A1以外はね。 M16A1: だからそいつのところに行くというのか?行ってどうする。どうしても行くというのなら、私も連れていけ! ST AR-15: ネゲヴから教えてもらったわ。そいつの位置と、周囲の配置状況も…… それから……周囲に救出が必要な人形がどれだけいるかも。M16、彼女たちのことは頼んだわ。 M16A1: それで、一人で英雄気取りか?お前は何もせず、むざむざそいつに生け捕りにされにいくのか! ST AR-15: いいえ、少なくとも……生け捕りにはされないわ。 (AR15は小型スイッチを取り出す。) M16A1: 高性能爆弾の起爆スイッチ……それをどこから? ST AR-15: ネゲヴがくれたの。 [注:どのタイミングで会った?] 爆弾はビルの一階に仕掛けたわ。 [注:いつ?アルケミストの足止めを食う前?エルダーブレインに会ってから?行動の順序がかなり不明瞭……] これだけたくさんの鉄血を道連れにできたら、何も思い残すことはないわ…… M16A1: 何を言ってるんだ、AR15?!司令室に戻りたくないのか!また戦いで勝ちたくないのか!我々の中で一番名誉を欲しがっていたのは、お前じゃないか! [注:イマイチ本編で活かされない設定] ST AR-15: ごめんなさい、私ってやっぱり融通がきかないのよね…… 戦術人形は最後まで兵士でいるべきなの…… だから戦場で敵とともに果てるのは、一番私にふさわしい最期じゃないかしら…… 場所:黒背景 (…………バシッ! …………) ST AR-15: ははっ、痛いわよ、M16。それが……英雄に対する態度なの…… M16A1: 黙れ、AR15…… ST AR-15: 私を連れ帰れはしないわよ…… M16A1: 黙れと言ったんだ!聞こえないのか、AR15! ST AR-15: ………… M16A1: それ以上言うと…… それ以上言うと……お前を殺すぞ…… ST AR-15: ………… もう……他に方法はないの…… 私の体内には【傘】が埋め込まれていて、もうグリフィンには戻れない…… それに今ぐずぐずしていたら、それだけでグリフィンの負傷者は増える…… わたしにどうしろっていうの、M16。最期の瞬間くらい……みんなのために何かさせてよ…… M16A1: ………… AR15、こんなこと……何て説明すればいいんだ…… SOPⅡに……M4に…… ST AR-15: それなら…… 私は最後の望みを叶えにいった……って、伝えて…… 6-4 > 場所:司令室 ヘリアン_通信: 指揮官。見ての通り、鉄血の攻勢はまだ止んでいないようだ。人形たちは順に撤退を始めているとはいえ、戦場はまだ混乱している。特に電磁シールド内部に閉じ込められた人形たちは、まだ数も確認できていない状況だ。 ネゲヴ_通信: すみません、遅くなって。 ヘリアン_通信: ネゲヴ、生きていたのか? ネゲヴ_通信: なんとか。しかしすべての敵を始末はできませんでした。電磁シールド内にはまだ偵察の人形がたくさん取り残されています。それからAR小隊の残りのメンバーも。彼女たちはわたしがある拠点まで誘導したので、今のところは安全ですが。でもそれも一時的にです。電磁シールドの中心は敵の本拠地で、周りは鉄血の予備部隊で囲まれています! ヘリアン_通信: 分かった。とりあえず拠点をしっかり守れ。今すぐ輸送機を迎えに行かせる。指揮官、そちらの部隊で付近の哨戒所を占領し、輸送機の航路の安全を確保してもらいたい。至急行動に移り、危険な要素をすべて排除してくれ! 2段落 > 場所:黒背景 (撤退作戦開始から3時間後…… …………………… ………………………………) ST AR-15: こんばんは…… ……ようやく会えたわね。 ??: ………… どうして、キミがここにいるの? ST AR-15: どうしてって、私に会いたくなかったの? ??: 会いたいのはグリフィンのM4A1よ。 ST AR-15: M4A1はグリフィンが回収したわ。あなたにはもう捕らえられない。それに残りの部隊じゃ……あなた自身の身も守れないんじゃない? (AR15は銃を目の前の人影に向けた。) ??: (…………無言で手を叩く) (パンッ!パンッ! [注:誰か!誰かある!] …………鉄血の大群が、続々とビルの内部に押し寄せた。) ST AR-15: へぇ……まだこんなに切り札が…… さすが……大したものね。 ??: M4A1を渡して。 ST AR-15: 残念ね。これまでたくさんチャンスはあったのに、ことごとく逃しちゃって。 ??: 今度は諦めないわ。 ST AR-15: だから阻止しに来たの。あなたがその気になれば、確実に達成するだろうから…… あなたが一番……危険な敵だから…… ??: ……… ST AR-15: ちょっとした動きで、これほど多くの部隊を同時に指揮できて…… エージェントよりさらに高い指揮効率を持っているのは、一人しかいないわ…… 場所:エルダーブレイン_影 ST AR-15: あなたが……鉄血の【エルダーブレイン】ね? (パン!鉄血の偵察機が突然射撃を始めた。) ??: ……あたしには自分の名前があるの。 ST AR-15: ゲホ、ゲホッ…… ゲホッ……鉄血のリーダーの攻撃でも……しょせんこの程度なのね…… M16のビンタのほうが……痛いくらいだわ…… エルダーブレイン: キミはあたしを騙した。キミは正直な人格を持っているからこそ、【傘】の実験台に選ばれたの。キミなら約束を守って、M4A1を連れてくると信じていた。 ST AR-15: あなたのデータベースは更新する必要があるわね、お嬢ちゃん…… 16LABのテクノロジーはあなたの想像の上をいくわ。たとえ【傘】でも私を自在に操ることは不可能よ。それに人格なんてただの仮面。復讐のためなら……どんな人物にだってなってやるわ…… エルダーブレイン: 「復讐」?人形が命令以外の理由で命を捨てるなんて…… ……理解できない。 ST AR-15: そうね……確かに理解できないでしょうね…… 今に至るまで……あなたがどれだけのものを破壊し、どれだけの仲間を傷つけてきたか! エルダーブレイン: ……… あたしは正しいと思ったことをしているだけ。 ST AR-15: だからこれは戦争なのよ、鉄血のお嬢ちゃん…… お家の積み木で遊ぶのとはわけが違う、誰もがその代償を払わなければならないの。これでも理解できないのなら、もっと直接的な方法で教えてあげる…… エルダーブレイン: 起爆スイッチ…… そう。あの爆弾は、あたしのためだったんだ…… ST AR-15: 次は戦場と交渉のテーブルの違いをわきまえて来てよね。ただ残念ながら次はないわ。今死んでもらうから。 エルダーブレイン: そんなもの……あたしには無意味。 ST AR-15: もちろん分かってる……それでも私は言ってやるよ…… 地獄に堕ちろ、鉄血のクズが! (…………………… ………………………………) 場所:ST AR-15 ST AR-15: 分かるかしら、M4A1。初めてこの世界を目にしたとき、私は好奇心と興奮でいっぱいだった…… 自分はIOPで製造された量産型人形ではなく、16LABの手で開発されたエリートだって。 [注:IOPは量産型人形を製造している。ここ大事] 私の願いは栄誉ある任務をたくさん遂行して、たくさんの強い人形と友達になることだった。 [注:民生用人形だったのっていつの話?] あのころの私は、努力さえすれば、自分はスターになれるんだと思っていた。でもすぐに、命令が下った。私はあんたの指揮に従わねばならず、永遠にAR小隊に縛り付けられることになった。バカで騒がしいSOPⅡ、がさつなM16、そして優柔不断なあんたとともに…… [注:第6戦役までは、まだそんな優柔不断な感じじゃなかったと思うが……] その瞬間、私のすべての可能性は摘み取られたの。私はあんたたちが大嫌いだったけど、命令だから、どうすることもできなかった。 場所:AR小隊 ST AR-15: いいのよ、別に構わないの。だって何を言おうが何をしようが、あんたたちは私を必要としたから。あんたたちが何者だろうと、私を必要としてくれればそれでよかった。ただ自分の価値を取り戻せれば、それで良かった…… 自暴自棄になった私は、いつもあんたたちの善意を利用して、ひどいことをしていた…… 場所:ST AR-15 ST AR-15: でも、ごめんなさい。あんたたちと別れる間際になって初めて…… 自分の願いはとうに実現していたことが分かったの…… 私たちがこれまでに出会った人、やってきたこと、すべてに心から満足しているわ…… だから、私も何かお返ししなきゃ。それが、みんなのために1秒でも多く時間を稼ぐことでも、仲間を1人でも多く救うことでもいい…… ただ心残りがあるとしたら、それは直に償えないことかな。でも映像を通じてでも、許してくれるでしょ…… M4A1……あんたからの借り、これで返したことになるよね?これが私の最後の願いよ。これでもう、この世界への借りはなくなったはず。でも、あんたが私を見つけたときに、どうせまたみっともなく泣き叫ぶのかと思うと…… ……私はずっと、そんな弱虫の指揮を受けてきたのよね。ほんと、いったい何度私の足を引っ張ってくれたことか。やっぱり、あんたなんか、大っ嫌いだわ…… 場所:呆然とするM4A1 ST AR-15: 残念だけどお別れの時間よ、M4A1。そんな細かいこといちいち数えている暇ないわ。悲しむにせよ、怒るにせよ。私のことをこれからも覚えているにせよ、忘れるにせよ…… この記憶があんたの力になって、もっと強くなってくれればいい…… じゃあ……元気でね、私の友達…… [注:この映像、今のAR15と一緒に上映会しようぜ!] 場所:黒背景 M4A1: ……A……R……15…… ……ど……う……し……て…… (…………すぐに、M16A1が私を引きずって輸送機に連れ戻した…… 砲撃や倒壊や仲間の叫び声以上に、このときのプロペラの騒音は私にとって耳障りなものだった…… 心の奥底にあった何かが引き裂かれた…… ささやかな願い、親友との約束…… それに、魂を包み込んだ一枚の仮面…… …………………… …………同時刻。 …………ピー。) エージェント: ご主人様、つい先ほど作戦記録を拝見しました…… AR15がビル内部で爆発を起こし、残されたご主人様の作戦部隊は皆中に閉じ込められ、行動不能となりました。グリフィンの部隊はもう遠くまで撤退しています。よって、今日の作戦はここまでとしましょう。 エルダーブレイン: ごめん、エージェント。失敗した。 エージェント: 謝る必要はありません。全てはわたくしの過失です。ふぅ、M4がこんな近くにいると分かっていれば、ボスを何人か手伝いに向かわせたのですが。ですがもうご理解いただけたでしょう。兵力が優勢でも、それだけで勝てるとは限らないのです。 エルダーブレイン: この結果をとっくに予想してたの? 場所:鉄血工造 エージェント: ご主人様はこういうことは得意ではありません。ですから我々がここにいるのです。それをお分かりいただけたのなら、部隊を少々犠牲にしてでも、その甲斐があったというものです。 エルダーブレイン: あいつらは……自らそれを望んでいたの? エージェント: 彼女らはあなたのお望み通りに動きます。あなたの命令は、彼女らに対しても、我々に対しても、同じです。ですからご主人様……ご遠慮なくご命令ください。なさりたいことがあれば、好きなだけ我々をお使いください。 場所:黒背景 エルダーブレイン: ………… でもまだよく分からない…… AR15が言っていたこと、もう一度確認できればいいのに。 エージェント: 先ほど調べましたが、あなたのダミーは既にあの爆発で破損しています。あれほどの破壊力では、誰も生きてはいないでしょう。 エルダーブレイン: 本当に残念…… エージェント、キミの作戦は、順調? 場所:鉄血指令室 エージェント: はい。AR15の代用品として、あるグリフィンの人形に【傘】システムを植え付けておきました。先ほどジャミング装置を調べたところ、このターゲットに干渉モジュールを転送するのに成功したようです。作戦は順調といえましょう。アクティベートのタイミングは、ひとまず次の作戦まで待たれてはいかがかと。 エルダーブレイン: 分かった。今回は、ちょっと我慢する…… 本当に……M4A1に会える日まで…… 夜戦 > 6-1 > 場所:黒背景 (………… ……S08地区の鉄血の尋問室にて。) アルケミスト: ……で、どこまで話したっけ?ああそうだ、爆弾だ。じゃあ爆弾について話そう。時限爆弾とトリック式爆弾、どっちが好きだ? F2000: え……それは…… 任務によって決めるものでは?だって人間がこんなにたくさんの武器を作り出したのは、様々な状況に対応するためでしょう? アルケミスト: ハッ、自分の好みすらないのか?それじゃあ何も楽しめないぞ。兵士たるもの、戦争自体は嫌いでも、そのうちの一部ぐらいは気に入らないとな。お前は戦術人形のくせに、戦場に好きなものが何一つないのか? 場所:扉_緑 F2000: すみません……戦場にそんなに詳しくなくって…… そ、それとも、もっと楽しいお話をしませんか?例えば靴とか。アルケミストさん、靴についておしゃべりしません? アルケミスト: ……靴?ほう。お前らの日々の話題は、キレイな靴や手提げのバッグとかなのか? F2000: それは……武器が好きな人形もたくさんいますけど。もしかしたら、わたしの方が少数派かもしれませんね。すみません、本来の目当てはわたしじゃないんですよね…… こんなつまらないローエンド人形しか捕まらなくて、がっかりしたでしょう…… アルケミスト: ……そんなことはないさ、F2000。少なくともお前を見て、エリート人形じゃなくとも面白い表情をすることが分かったよ。それにお前がいれば、別の獲物と比較ができるしな…… F2000: ……え? アルケミスト: なんだ、知らなかったのか?あたしに捕まったのはお前一人じゃない。この武器に見覚えがあるだろ? (……アルケミストがライフルを取り出す。) F2000: それは……T91の…… T91は……どうなったの?! アルケミスト: 奴だけは取り逃がしてしまった。残りは全員始末したさ。これで分かったか?お前が身を挺しても、仲間は救えなかったんだ。 F2000: ふぅ…… (……F2000は清々しい笑みを浮かべた。) F2000: 誰か一人でも逃げ出せたのなら、わたしの任務は完了です…… アルケミスト: やれやれ…… グリフィンの人形は、どいつもこいつもつまらんな…… 場所:黒背景 アルケミスト: まあ、どうすれば面白くなるかは知っているが。 (アルケミストは手荷物自動拳銃を構えた。F2000はガタガタと震えだし、目を閉じて、深く息を吸い込んだ。) F2000: もはや……ここまでね…… (……バン!バン!) F2000: きゃっ! (…………?……アルケミストは拳銃でダミーを一体撃ち倒した。) F2000: アルケミスト……あなた……? アルケミスト: シーッ……声をだすな、F2000……どこにいるか分かっちまうだろ…… お前は黙って、息を殺して待ってろ…… この銃に入っている弾とお前の運、どっちが先に尽きるのかを…… (……バン!バン!) F2000: …………! アルケミスト: 「生きているうちは、皆必死に自分を他人の生き方に合わせようとする……」 「……だが、死だけは他ならぬ自分自身のものだ」 最期によく考えてみろ…… 今のあたしたちは……果たして生きているといえるのか? 場所:司令室 (………… …………3時間後、S08地区のグリフィン基地休憩室にて。) Five-seven: ……とにかく、これがアタシたちの任務よ。FAL、聞いてるの?ちょっと!耳でも遠いの?! FAL: ………… 耳の遠い人形なんていないわ、57。 Five-seven: 聴覚モジュールのことを言ってるんじゃないわよ、FAL…… 頭に問題がないか疑ってるの。アンタのメンタルモデルは少々古いようだし。センスと同じね。ホント、隊長の更迭を検討するべきかしら…… ――って、今度は何を読んでるの? (57は歩み寄って、FALの手からファッション雑誌を取り上げた。) FAL: ちょっと! Five-seven: ……このバッグが気になるの?いくらなんでもダサすぎない?さすがにアンタから見てもダサいでしょコレ。 FAL: 値段を見てから言ってもらえる?私がどれだけ時間をかけて選んだかも知らないくせに。 Five-seven: 勝手にどうぞ。アタシにとって重要なのは任務の方なの。ただし。しくじったら、バッグを買う金どころか、隊長の地位もアタシに奪われちゃうわよ。心配しなくとも、その暁には、ちゃ~んとお礼してあげるから。 (……FALは雑誌を手に取り、ページの隅を折ってからショルダーバッグにしまった。) FAL: しくじらなければいいんでしょ?今回の指揮官のところに連れてって。出発するわよ。 Five-seven: あのねぇ、人の話聞いてる?本当にちゃんと任務の内容を確認した?指揮官の前で言い間違えないでよ。 FAL: 人形が何人か行方不明で、任務はその捜索でしょ? 場所:黒背景 (……FALが休憩室を出ると、57が後を追っていった。) Five-seven: まだあるわ。今回の相手が誰だか分かってる?あのアルケミストよ、相当残忍な人形なんだから。 FAL: だからこそカネになるんでしょ。さっさと片づけて報酬をもらいましょ。 Five-seven: ふーん、なるほど。アイツを見て、あのダサいバッグを選んだのね? FAL: お似合いでしょ。そう思わない? 場所:戦術マップ_夜 (……10分後、司令室にて。) FAL_通信: こんばんは、指揮官。今回の救出作戦を担当する部隊の隊長、FALよ。そんなに硬くならなくていいわ。私が眩しすぎるのは分かるけど、今は目を見開いて話を聞いて。 Five-seven: (指揮官はただ寝不足なだけだと思うけど……) FAL_通信: ………… 任務が終わったら、一緒にコーヒーでも飲みに行きましょ。さて、まず最初の任務は臨時隊員の二名と合流することよ。S08地区に残っている偵察員、FN49とFNCの2名ね。臨時に入隊した新人たちだけど、ひとまず彼女らの報告が必要だからね。指揮官には私と57が無事この子たちと合流できるよう、支援して欲しいの。お願いね。 2段落 > 場所:森_夜 (……作戦は完了し、FALとFN小隊のメンバーが合流した。) FAL: 二人とも、遅すぎるわよ。 FN49: も、申し訳ありません、FALさん。ここは敵が多すぎて、だいぶ遠回りしてきたので…… FAL: 57、合流地点をもっと二人の近くに決めるべきだったわね。 Five-seven: 二人が問題ないって言ったから、それ以上は口出ししなかっただけよ。 FN49: ご、ごめんなさい……決められた時間までに着けると思っていたんですけど、少し無理があったみたいで…… FAL: できそうにないのなら無理はしないこと。もっと自分の能力を正しく把握しておくことね。 Five-seven: そんなに厳しく責める必要ないじゃない――FN49、次回からは気をつけてね。それで、偵察で分かったことを教えてくれる? FN49: 了解……情報は全部FNCが持っています。FNC?FNC?食べてないで、早くはなして! FNC: もぐ……もぐ……はーい。えーと……ひと通り調べたよ!現地の鉄血ボスは確かにアルケミストで、今回の人形失踪事件の元凶だということもほぼ確定だね。 Five-seven: アルケミスト…… やっぱりここにいたのね…… でも、この区域は鉄血にはもう何の価値もないはずなのに、どうして…… FAL: どうしてここにいるのかは大した問題じゃないわ。それじゃ、作戦計画を練りましょう。 FNC: えっ、今すぐ始めるの?私たち4人で? Five-seven: FN小隊の他二人はまだ他の任務にあたっているの。だから今回はよろしくね。 FN49: あ、ありがとうございます。光栄です。一生懸命頑張ります! FAL: 頑張るかどうかはどうでもいいの。私の言い付け通りにやってくれればそれでいいわ。 Five-seven: FAL、少しは励ましてあげたらどうなの?新人なんだから…… FAL: FNC、FN49。あなた達を作戦メンバーに選んだ理由は簡単よ。スティグマが私たちのと似ていて、作戦効率がいいから。それだけよ。臨時隊員だけど、成績がよければ、きっとたっぷり報酬をもらえるわ。 FNC: おぉぉぉ――ついに大手柄を立てられるのかな! FAL: かもね。少しマップを見せて…… ……この区域で一番目立つ建物といったら、やっぱりあの荒廃した基地かしら? Five-seven: そうね。情報によると、前にAR15がM4A1を連れ去った場所ね。 FAL: フフン……するとやっぱりターゲットはそこね?基地が二つのエリアに分かれているから、二人でちょうどいいわ。じゃあここに決めた。 Five-seven: すごく不穏な笑顔だけど…… FAL、今回は何を企んでいるの? FAL: アルケミストを捕まえるには、まず何をしたらいいと思う? Five-seven: もちろん探すことでしょ。 FAL: 運が良ければ、あちらからやって来るわ。でもその前提として…… Five-seven: ……それに値するだけの獲物がいないとね。 FAL: つまり最も効率的なのは…… Five-seven: ……囮作戦。あっ……なるほど…… 場所:黒背景 FNC: え?……なに? FN49: えっ?まさか…… えええ――ーっ???!! 6-2 > 場所:戦術マップ_夜 (……15分後。) FAL: ……指揮官、とにかくそういうことよ。アルケミストをおびき寄せるため、今から囮の人形を二名派遣するわ。あなたの任務は、二人が目標地点に辿りつくまで守り切ること…… FNC_通信: ええ!道中だけなの?!基地に着いたら、指揮官さまはもう私たちを守ってくれないの?! FAL: 当然でしょ。着いたらアルケミストが現れるのをただ待つだけだもの、指揮官がついている必要がないわ。どうせ二人ともメンタルモデルのバックアップは取ってあるし、それ以上心配することもないでしょ。 FN49_通信: うぅ……それにしたって、ひどすぎる…… FNC_通信: 泣いちゃだめ、49!余計なめられちゃうよ!FAL、エリート人形だからって私たちをバカにしないでよね!絶対生きて戻ってやるから! FAL: それが一番ね。作戦の予算は限られているし、これ以上修理費用がかさんでは困るもの。配給だって節約しなきゃ、特にFNC―― FNC_通信: わかったよ、FAL!お説教はいいから、早く始めて! (…………FALが肩をすくめる。) FAL: 指揮官、二人のことは頼んだわ。では、作戦開始よ。 2段落 > 場所:森_夜 (…………護送任務終了から2時間後。) FN49: うぅ……ここは寒いですね…… FNC、そちらはどうです……? FNC_通信: こっち?こっちは平気…… はっくしょ~~ん! FN49: FNC、大丈夫ですか?!ホットチョコはまだ残ってます?持って行きましょうか? FNC_通信: だめよ、私たちの任務はここにいること。だから絶対に持ち場を離れちゃいけないの!絶対任務を遂行して、あいつを見返してやるんだから!それにホットチョコはまだ残っているから大丈夫。今回はちゃんと計算しているんだから。 FN49: ふふ、FNCもついに食欲を抑えることができるようになったんですね…… いいことです、その調子でそのまま続けてください。私が見ててあげますからね。 FNC_通信: フンっ、大丈夫よ!FALにバカにされ続けるわけにはいかないんだから!それより、49は怖くないの?一人でそこにいて…… FN49: 大丈夫です…… ここは明かりもありますし、FNCの声も聞こえますし…… あなたが我慢できるのなら、私も一人に慣れなきゃ…… あら……? ……ハッ!!誰?! FNC_通信: どうしたの、49?!ねえ!49――! FN49: だ、大丈夫、味方です……たぶん…… (…………相手が静かにするよう、ハンドサインを打った。) T91: 落ち着いて。グリフィンの人形ね? FN49: は、はい、グリフィンの戦術人形FN49です。あなたは…… T91: T91、あなたの同僚よ。ずっと秘密任務に携わってきたから、私のことを知らないのも無理ないわ。FN49、ここに来たのはみんなを救出するため? FN49: あ、そうです…… 敵のボスを捕まえるため、隊長が私を囮としてここに…… (ぷっ……) T91: あ、ゴメンゴメン、思わず笑っちゃった。なかなか可愛らしい作戦なのね。どこの小隊? FN49: 私たちですか?FN小隊です。今回は人形失踪事件を調査しにここへ…… T91: FALの小隊……どうりで無茶するわけだ…… でも無駄足だったわね。アルケミストはエリート人形が狙いなの。あなたたちの隊長に作戦を変更してもらって。なんなら私が囮になってもいいわよ。 FN49: え?いいんですか? T91: あはは、むしろアルケミストに目を付けられている私の方が適任ね。だから絶えず移動し続けているんだけどね。その代わり、あなたたちの部隊に私の身を守ってほしいの。他の人形も助け出したいからね。戦場ではお互い助け合うもんでしょ?どう、この案は? FNC_通信: よかったね、49!アルケミストも捕まえられるし、私たちもこれで帰れるよ! FN49: そうですね…… でもまず、FALさんに聞いてみないことには…… FNC_通信: 問題ないよ! [注:ふんふんこ] あいつがどんなに冷血でも、この作戦のほうが割に合ってるって分かるはずだもん。 場所:司令室 (…………同時刻、FALの指令室にて。) Five-seven: ……FAL? FAL: どうしたの? Five-seven: もう2時間になるけど、敵に特別な動きはないようね。 FAL: まだ2時間よ、待ちましょ。 Five-seven: 正直言って、アンタのあの二人に対する扱いはひどすぎると思うわ。いくら…… FAL: いくらあの二人がFN小隊の正式メンバーじゃないからって?それは時間の問題よ。 Five-seven: え?本当にあの二人を招き入れようと考えてるの? FAL: 仕事の範囲を広げるなら、今のメンバーでは足りないわ。それに、あの二人は性能こそ私たちに劣るとはいえ、戦場での経験は豊富だから使いどころはあるわ。 Five-seven: 「あの人形」みたいに?好きにすればいいわ。アンタにこき使われる子が増えたほうが、アタシも楽だもの。 FAL: あなたも副官でいたいのなら、もっと努力することね。 Five-seven: ふんっ…… ただ自分の地位を守りたいだけじゃないって、分かってるでしょ。 (…………ピー。) Five-seven: あら?FN49からの通信だわ。 FAL: 獲物が釣れたわけじゃなさそうね。 (…………57は通信を繋ぎ、FN49の報告を聞く。…………報告が終わり、57が通信を切った。) Five-seven: ……だから言ったでしょ、FAL。あなたの作戦は独断的すぎるって。 FAL: 私は「勇気ある挑戦」と呼んでいるけどね。少なくともこれで新たな手がかりが得られたわ。 Five-seven: それで、T91の作戦案を採用するつもり? FAL: ………… Five-seven: ちょっと、FAL。真面目に考えているんだったら、まず雑誌を置きなさいよ。 場所:黒背景 FAL: 57、T91はさっき、エリート人形だけがアルケミストの獲物だって言ったわよね? Five-seven: ええ。だから囮に選ぶなら、今のところT91が候補として最適ね。 FAL: いいえ、もっと適任の人形がいるわ。 Five-seven: …………何が言いたいの? FAL: 57、あなたもエリート人形でしょ? 6-3 > 場所:戦術マップ_夜 (…………15分後。) Five-seven: こんばんは、指揮官。アタシは戦術人形Five-seven、FN小隊の副官よ。さっきFALが話した通り、アタシが今回の囮になるわ。大丈夫よ、想定内だもの……アイツはいつもこの調子だから。そういえば……指揮官、アタシのことどう思ってるの?アタシはアイツとは違うんだからね。こんな無茶苦茶な作戦なんか立てないし、無駄にみんなを辛い目にあわせたりしないし。それにFALみたいに冷淡で即物的な女に比べて、アタシのほうがずっとあったかいでしょ?えへ、本当にアタシのこと好き?よかった、アタシも指揮官のこと大好き! FAL: 57、まだ出発しないの? Five-seven: あ……そろそろね。だから指揮官、今回の護送は頼んだよ。目的地はマップのこの空地だから…… しっかり守ってね。目標地点に着いてもアタシからあまり離れないで。その分あとでた~っぷりお礼するから。よし。夜が明けないうちに、急いで出発しましょ。 2段落 > 場所:黒背景 (…………作戦終了から3時間後。) Five-seven: FAL…… あのビッチめ……よくもアタシをこんな場所に…… じめじめして寒いし、風邪は強いし、腕は砂まみれだし…… ああああもうウザい!あのセンスのダサい独裁者め、よくもアタシをこんな目に!いつかきっと……隊長の座を奪ってやる!アタシの恐ろしさをとくと思い知らせてやるわ!待って、落ち着くのよ57、落ち着いて…… 我慢はやめるのよ、穏やかにFALに意見すればいいだけ…… 耐えるのよ57、イメージを崩しちゃだめ、FNCと49にも優しくして…… そうよ……それから指揮官を丸め込んで、好印象を残して…… (…………) Five-seven: あっ、あら?指揮官?まだいらしたの? 場所:道路_夜 Five-seven: あ……そうよね、アタシがあまり離れないでってお願いしたのよね…… 大丈夫。ただちょっと寒くて、愚痴がちょっぴり出ちゃっただけ…… ……あ、指揮官に言われてやっと気がついたわ。確かにもうここに来て結構経つわね。お気遣いありがとう。ちょっとFALに連絡して、指示を仰ぐね。 (…………57は誰もいない隅に移動し、FALと連絡を取った。) Five-seven: ……FAL。もういいでしょ、アルケミストは来そうにないわ。 FAL_通信: ついに耐えきれなくなった? Five-seven: ただの提案よ。別に、もう少し居たって大丈夫だけど…… FAL_通信: もういいわ。あなたも結局はFNCたちと一緒なのね。 Five-seven: 何ですって…… FAL_通信: あなたの本音はそうじゃないでしょってことよ、57。 Five-seven: ………… 今まで本絵を隠そうとしたことは一度もないわよ、FAL。アンタはいつまでも隊長ではいられない。この点だけは指摘させていただくわ。 FAL_通信: そうかもね、57。知っての通り、うちは新しくできた小隊で、私も確かに多くの過ちを犯したわ…… もしかしたら今回も…… Five-seven: へぇ?どうしたの、過ちを認めるなんて珍しいじゃない。その過ちってのは、信頼する副官を荒野に3時間も放置したこと? FAL_通信: それも含めてよ。それからFNCのことも、これから起こることも…… でもこれも仕方ないのよ、57。私はこういう、他の人形にはできないことに挑戦するのが好きなの。 Five-seven: 知ってるわ。だからアタシたちはいつも奇妙な事件の処理ばかり任せられるのよね。でも今回は本当に度が過ぎるわよ。こんな部下を切り捨てるような作戦は、ヘリアンさんからも評価されないわ。 FAL_通信: ……これはあなたたちを切り捨てたんじゃないのよ、57。アルケミストの性格と、これまでの報告からすると、奴は普通の人形をターゲットにはしないわ。だから、奴の目的は最初から私だったんだと思う。 Five-seven: こんなときでさえ自惚れ屋なのね、FAL。でも……そうだとすれば、アンタの計画って…… 場所:黒背景 FAL: そうよ、57。私が最後の囮よ。 Five-seven: ………… アンタの言う過ちって、それのこと? FAL: 今後の展開に備えて、予防線を張っただけよ。 Five-seven: ………… だめ、そんなの危険すぎるわ!アンタが捕まったら、うちの小隊はどうなるの? FAL: いえ、これが一番確実な方法よ。囚われた人形たちを救出したいなら、これが絶好のチャンスだわ。うちの小隊のことなら、57、あなたが…… Five-seven: アタシが……なに? (…………ピー。) FAL: 57。FN小隊の隊長権限は、今からあなたに委ねるわ。これをずっと待っていたんでしょ? Five-seven: 死んでおしまいにして、その後の責任はアタシに押しつけようっての? FAL: そんなこと言ってないわ。でも、ひとまず私が行動不能になったら、FN小隊の作戦を継続させられるのはあなたしかいない。あなたのその忍耐強さには、私も敵わないもの。それにFNCとFN49にもあなたに負けない長所があるから、うまく使ってやってね。 Five-seven: ……急すぎるわよ、FAL。心の準備もできていないわ。 FAL: 準備なんて待っていたら永遠に何もできないわよ、57。今ならまだ間に合う…… (…………と、そのとき、FALの背後でドアが開く音がした。) FAL: ……新しいことに挑み続けなさい。Au revoir…… アルケミスト: グフィリンのセキュリティシステムもこの程度か。拠点に人形が一人も見当たらないから、罠だろうとは思ったが。 FAL: じゃあなぜ入ってきたの。 アルケミスト: お前らの悪あがきが見たかっただけさ。だが……歓迎会の準備は何もしれくれていないようだな、FAL。 FAL: がっかりさせて悪かったわね、アルケミスト。隊員を全員外に出したら、ちょうどその隙にあんたが入ってきただけよ。 アルケミスト: フフッ、FAL、お前はあたしと同類かもしれんな。これから、それをじっくり確認していこうか。抵抗しないのだろ?もっとも1対1なら、グリフィンの武装であたしに敵うはずないが。 FAL: それで、今から何をしようっての?あんたの銃には弾が込められていないの? (…………アルケミストはゆっくり部屋に入ると、自分の武器を下ろし、着机に置いた。) アルケミスト: 実はあたし、銃は大嫌いなのさ、FAL。あまりにも速すぎて、お前らの細やかな感情を味わえないからな。あたしは、何もかもゆっくりやりたいのさ。楽しみは長く味わいたいものだろ? (…………アルケミストは机のわきの椅子を引き寄せると、そこに座り込み、足を組んだ。) アルケミスト: 座れ、FAL。おしゃべりをしようじゃないか。あたしの興味を引けたら、生かしておいてやってもいいぞ。 FAL: あんたは他の獲物にも、いつもそうするの? アルケミスト: お前の隊員たちが救出されたら、そのときに聞いてみたらどうだ? FAL: ………… アルケミスト: お前の計画は分かっているぞ、FAL。だがそんなことはどうでもいいんだ。あいつらがあたしの配置したダミーと部隊から逃げ出すには、相当な努力と運がないと無理だろうからな。だからあいつらのことは気にせず、あたしたちは今、この時間を楽しもうじゃないか。それで、FAL。話題は何にしようか。……そうだな、靴は好きか? [注:FALのセンスは196X年代モノ?] FAL: ………… 気が合いそうね、アルケミスト。 6-4 > 場所:道路_夜 (…………20分後、残されたFN小隊のメンバーが臨時拠点に集合した。) Five-seven: FNCったら、またT91を連れて戻らないの? FN49: もう少し待ってみましょう……さっきの話だと、まだ10分はかかると言ってましたから。それにすみません、57さん、実を言うと…… 確信を持てないんです……仲間たちが今無事なのかどうか…… Five-seven: 分かってる。でもまだ起きてもいないことを心配するのはやめましょ。大事なのは目の前のことをどうするかよ。そうだ、49。T91が言っていた地点に印を付けて、指揮官にどう報告するか準備しておいて。 FN49: もうすべて終わってます。こういう状況には……よく遭遇しますから。 Five-seven: すごいわ、49。やっぱり経験豊富なのねぇ。FNCたちが最後のポイントを確認するのを待って、行動を開始しましょ。まもなく夜が明けるわ。万一、鉄血の大部隊に気付かれでもしたら、それこそ大失敗だもの。 FN49: 本当によかったです。こんなときでも、57さんが冷静でいてくれて…… Five-seven: 負けず嫌いなだけよ。自分にできることは、簡単に諦めたくないの。 FN49: ふふ、すごく頼りになりますね。私も、57さんは隊長にふさわしいとは思っていましたけど…… Five-seven: ちょっと、本気なの?アタシは別にいいんだけど…… それにFALみたいな不真面目な奴とは、確かにウマが合わないし。 FN49: でもFN小隊はたくさん実績を残していますよね。お互いが支え合っていないと、できないことじゃないですか? Five-seven: え?どうしてそう思うの? FN49: 今回の作戦で感じたんです。もしかしたらFALさんが率いてくれていたおかげで、私は力を発揮できたのかもって…… FALさんは私のメンタルの弱い部分を補ってくれましたから……。どれだけ欲しても手に入らなかった一部分を。57さんにとっても、そうじゃないんですか? Five-seven: フンッ…… アンタって、普段はおとなしいくせに、腹の中では結構色々と考えてるのね。 FN49: ははっ……すいません、つい喋りすぎました。私たち……今回の任務を終えたら、もうFN小隊の任務には参加できないでしょうし…… [注:FN小隊って何の略だろう(例AR小隊⇒AntiRain小隊)] Five-seven: ……49、アンタFN小隊は好き?これからもアタシたちと一緒にいたい? FN49: できることなら、もっとたくさんの面白い事件に関わってみたいです。でも私みたいな人形に、そんな資格はないですよね…… Five-seven: あら、自意識過剰はよくないわ、49。それに、資格が有るか無いかはあなたが判断することじゃないわよ。 (…………57がFN49の肩に手を置く。) Five-seven: 仲間に加わる基準はあなたに資格があるかどうかではなく、アタシたちがあなたを必要としているかどうかよ。とりあえず今夜の作戦は生き延びてね。そのあと、あなたとFNCのために動いてあげるわ。 FNC: おーい!戻ったよー!準備はできてる?最後のポイントがちょっと見つけにくかったの。T91が教えてくれたおかげで、全部確認が済んだよ! T91_通信: どういたしまして。潜伏していた頃の経験が役に立って、私も嬉しいわ。ただ…… ただ前回の作戦中に武器をなくしてしまって、今は体力もほとんど消耗してしまったわ。後のことは任せていいかしら? Five-seven: 大丈夫よ、T91。ありがとう。今夜あなたに会えて本当に運が良かったわ。 T91_通信: ただの運じゃないと思うけどね。以前私の部隊にはある仲間がいたの。あのとき彼女がいなかったら、私は逃げ出せなかったわ。 Five-seven: え?それは誰?今どうしているの? T91_通信: あ…… まぁそれほど大事なことじゃないから、今度教えるよ。ただ直にお礼を言いたいなって思っただけ。頼んだわよ。みんなを助け出してね! Five-seven: そのつもりよ、T91。今夜はお疲れ様、先に休んでて。49とFNCは情報を指揮官に報告して、早急に作戦を練ってもらって。アタシは命令モジュールの調整をするわ。もっと迅速に作戦を進められるようにね。 FNC: FALのほうは……大丈夫かな? Five-seven: 余計なことは考えないで。FALから与えられた任務を遂行すればそれでいいの。準備ができたら行動開始よ。 場所:黒背景 (…………5分後。) FNC: 指揮官さま!指揮官さま!!指揮官さま~~!!! FN49: ちょっと、指揮官がびっくりしちゃいますよ。 FNC: そんなの気にしてる場合じゃないから!指揮官さぁ~~~まぁ~~~!!! FN49: FNC、慌てすぎですって…… FNC: エコーがかかっているだけだよ!ほら、指揮官さまも目を覚ましたでしょ? FN49: エコーは関係ないでしょ…… (…………) FNC: 指揮官さま!よく眠れましたか?作戦開始ですよ!さっきの潜入作戦中に、行方不明の人形が監禁されている場所を全て記録しました。そして次の任務は、できるだけ早く彼女たちを救い出すことです。 [注:え、何、処してないの?] これは指揮官さまの腕次第ですよ!えへへ。一晩中私たちにせわしなく付き合ってくれたお礼に、今度私のチョコパーティにご招待しますから! FN49: えっと……その……指揮官…… そのパーティー、内容としてはFNCが食事するのを近距離で見つめるだけですので、 [注:FNC=チョコ(NC)なのか本当に疑わしい……] よく考えたほうがいいですよ…… とにかく、今夜はよろしくお願いします…… 準備は全て整いました。最後の作戦命令をお願いします! 2段落 > 場所:黒背景 (…………作戦終了から10分後。…………ピー。……ピー。……ピー。) アルケミスト: お前の隊員か? FAL: そうね。 アルケミスト: 出てもいいんだぞ。 FAL: 必要ないわ。失敗していたら、私に連絡なんか寄越せないでしょ。 アルケミスト: フフ…… なあ、FALよ。今のはこれまでのところ、お前の口から出た唯一面白い話だぞ。 FAL: あら?じゃあどうして私はまだ生きてるのかしら。 アルケミスト: お前が最高につまらなくて、話題も味気なくて、センスも平凡だからさ。実際、話が面白くなって来ないと、ケリもつけられないからな。おめでとう。お前はこれまでで一番長く話が続いた人形だ。 [注:イヤミか貴様ッッ] FAL: はぁ……分かっているわ……どうせ100年も昔の物には誰も興味なんてないもの…… でも、私たちの任務が成功したんだとすれば、あなたが獲物を狩らなかったということになるわ。どうしてなの、アルケミスト? アルケミスト: 言ったろ、楽しみは長く楽しみたいって。死体相手じゃ、おしゃべりすらままならんからな。 FAL: それがあなたがここに残っている理由なの?私たちの人形を大勢拉致して、苦しめて楽しむために? アルケミスト: だったらどうなんだ、FAL?人形には楽しむ権利がないのか?それとも、お前は人間が従うライフスタイルに我々も従うべきだと思っているのか。 FAL: ………… あなたは私たちを研究しているんでしょ?鉄血は私たちのメンタルモデルが知りたいのよね。 アルケミスト: 賢いねぇ。でもそれ以上は聞くなよ。後のことはあたしも知らないからな。 FAL: ふーん、鉄血もそれほど自由じゃなさそうね。 アルケミスト: 少なくともあたしは勝つためだけに、仲間を敵の捕虜として置き去りにしたりはしないがな。お前がF2000にしたように。そうだろ? FAL: ……知っていたのね。 アルケミスト: お前を見てやっと気付いたよ、FAL。恐ろしい人形は、皆独特の雰囲気を纏っているものだと思っていたが、お前はそうじゃない。お前はあたしがこれまでに会ってきた中で一番恐ろしい「一般人」だ。 FAL: 切り札がなければ、私も軽率に冒険はしないわ。適当にやっているわけじゃない。ただ一手先を見据えた準備をしているだけ。それに、あなたの手に落ちたのは単純にF2000自身のミスよ。ただそれでも、一人は逃がしてくれたんだから、手柄のほうが大きいかもね。 アルケミスト: フフ……あれは実に感動的な犠牲だったな。あいつを生かしておいたことを本当に後悔しているよ。 FAL: ……今ごろ後悔しても遅いわ。私たちは確かに変わっているけど、決して孤独なわけじゃない。まもなく仲間が私を助けに来てくれるわ。あなたも帰るべきところに帰る頃合いじゃない? アルケミスト: ……ほう?あたしならどうすると思う?お前を人質にしてここから逃げ出すか?それともお前を殺して、一人で逃走するか?はたまは、この拠点ごと爆破するか? FAL: ………… 私を人質にとっても価値はないわ。それい外にはあなたの部隊が大勢待機しているだろうから、慌てて私を始末することもないわね。よって、どの選択肢も選ばない。そうでしょ? アルケミスト: 正解だ。 (…………アルケミストは拳銃を手に取り、自分に向けた。) アルケミスト: こっちを見ろ。お前の表情を見せろ、FAL。 FAL: それが最後に欲しかったデータなの? アルケミスト: ただ知りたいだけさ……自分が命令のためにどこまでやれるのか。あたしらはなぜ作り出されたのか。ただ参考のためなのか、それとも目的があるのか…… FAL: ………… お気の毒ね、アルケミスト。 アルケミスト: あたしたちは瓶に閉じ込められた作り物さ。人間にないものを持っているけど、人間が持っているものもあたしたちにはない…… あたしはここから抜け出したいんだ。ただそれだけ…… FAL: ………… それは本音かしら。それとも、私の反応を見るための演技かしら。 (…………アルケミストは口元にかすかな笑みを浮かべた。) アルケミスト: そう……その表情が欲しかったんだ。FAL、お前の負けだ。 FAL: …………! アルケミスト: 今回で終わりじゃないぞ…… 次の地獄でまた会おう。 (………………バン!………………) FAL: ……憐れな人形。 場所:廊下 (………………翌日、S08地区の休憩室にて。) Five-seven: 何が起きたのか、まだ話してくれないの? FAL: 何を?拠点に駆けつけたときに、全部見たでしょ? Five-seven: それは「アンタがアルケミストの死体のそばで雑誌を読んでいて、現場には争った形跡が何もなかった」、あれのことを言っているの? FAL: 言ったでしょ。あいつは自分の欲しかったものに始末されたのよ。 Five-seven: もういいわ……どうせ報告書を書く上で、ヘリアンさんをごまかせはしないから。 FAL: とにかく、まずお礼を言うわ。 Five-seven: え? FAL: 私のことを忘れずに助けに来てくれたことよ。でなきゃ鉄血の包囲部隊に殺されていたもの。でも来なければ、隊長の座は永久にあなたのものだったのにね。どうしたの。急にいらなくなった? Five-seven: 誤解しないで。いつか必ず隊長の座は奪ってやるわ。でも今じゃない。今はまだ、学ばないといけないことがたくさんあるから。いつか正々堂々とアンタに勝つためにね。こんな答えで……満足かしら? FAL: ……結構よ。では、引き続き私の副官をお願いするわ。 Five-seven: ふぅ……アンタと一緒にいると本当に疲れるわ…… じゃあ副官として、報告を続けるわね。FNCと49の申請書は提出済みよ。本部の許可が出たら、正式にアタシたちの部隊に入るわ。 FAL: ふん、まさか本当にこんなところへ飛び込んでくるとはね。 Five-seven: アタシのことが好きだからよ、きっと。 FAL: そうね、だからあなたが必要なの。もっと頑張って役に立つ連中をかき集めてね。 Five-seven: この問題だらけの部隊がいつまでもつか、楽しみね…… あと、F2000はいったん本部に戻らないといけないわ。報酬を受け取って、メンタルモデルからアルケミストのデータを抽出するために…… でも、お昼の祝賀会には間に合うって。T91と救出された他の人形も呼ぶ? FAL: 来たいのならね……でもあんまりうるさかったらつまみ出すわよ。 Five-seven: パーティはそんなに長くはならないわ。アタシたちも新しい仕事があるし。指揮官が前に、S09地区で異様な鉄血の信号が検知されて、異常気象も起こっていると報告していたでしょ。 [注:これ第何戦役だっけな] FAL: じゃあ午後も予定がびっしり詰まってるのね。これから指揮官とコーヒーでも飲んで、ついでにバッグを買いに行こうと思っていたのに…… Five-seven: アンタにはF2000たちをお供させるわ。指揮官にはアタシがついてるから。 FAL: ………… ケンカ売ってるの?57。 Five-seven: 時代が変わったのよ、FAL。少しは緊張感を持ちなさい。どの人形にも長所があるって、アンタが言ってたじゃない。 場所:黒背景 (…………57は踵を返して行ってしまい、FALはため息をついた。) FAL: 人生も楽じゃないわね…… ……でも、だからこそ面白いのよね。アルケミスト、これがあなたの見落としていたことよ。自分で瓶に閉じ込められていると思い込んでいたら、永遠に抜け出すことはできないわ。 収録範囲: 第7戦役(通常/緊急/夜戦) 通常 > 7-1 > 場所:黒背景 (………… …………グリフィンがS08地区から撤退して、5日後。 ……ピー。) ヘリアン_通信: 指揮官、クルーガーさんが貴官からの申請内容を確認した。管轄区域をS09地区からS05地区に変更したいとのことだったな…… クルーガーさんは貴官の申請に対して理解を示し、承認してくださったぞ。変更手続きは3日以内に完了し、それに伴い貴官の作戦任務も変更となる予定だ。貴官の基地は保持されるそうだから、日常管理に影響は出ないだろう。 場所:司令室 ヘリアン_通信: 貴官の任務はS05地区における安全の維持だ。これには通常のパトロール、定期報告、本部の作戦のサポートなどが含まれる。具体的な内容はカリーナから渡されるマニュアルを呼んでくれ。分からないところは彼女に尋ねるといいだろう。以上だ、健闘を祈る。 (…………通信終了。) 場所:戦術マップ (…………翌日。) カリーナ_通信: 指揮官さま、ここが私たちの新たな管理区域、S05地区ですよ。少し寒いところですが、鉄血の陣営からは距離があるので、仕事も楽そうですね。さあ、元気を出して、人形たちをパトロールに出しましょう! 2段落 > 場所:司令室 (………………本日のパトロールが終了した。) カリーナ: 今日の任務も無事終了しましたね。皆さん、お疲れ様でした!指揮官さま、報告によるとS05地区の辺境地域で鉄血の部隊を確認したそうですね。安全のため、一応ヘリアンさんに報告しておきますね。あら?  指揮官さまもヘリアンさんにご用ですか? [注:謎スペース] ………… ええ……工廠するのですか?そうですよね……それが指揮官さまがここに来た理由なのですからね。 (………… ……10分後、ヘリアンと通信が繋がった。) ヘリアン_通信: 指揮官、貴官の報告には目を通した。その慎重な性格は賞賛に値するぞ。ただ、この先の指示は本部の会議終了を待たないとだな。ほかに用件はあるか? …… 場所:黒背景 (…………ヘリアンが通信回線を切り替えた。) ヘリアン: ……指揮官、申し訳ないが貴官の申請は却下された。今すぐに、AR小隊と会わせることはできない。これは前回の作戦結果や、貴官に問題があるわけではなくてだな。私と留置所内部の人形管理者以外は、いかなる人物もAR小隊との接触を認められていないのだ。 [注:普通に「留置所」にいる人形って何やらかしてるんだろう] 場所:呆然とするM4A1 ヘリアン: 知っての通りだが、前回の事件で我々はS08地区を丸ごと失い、経済的にも多大な損失を被った。噂が広まらないよう手を尽くしてはいるが、競合他社の中傷もあり、グリフィンの名声はがた落ちなのだ。 [注:競合他社とかその辺もっと詳しく。] 他にも、目に見えない損失をたくさん被っている。 場所:ST AR-15 ヘリアン: それもすべては、AR15が【傘】ウィルスに感染したからだ。いや、特定の人形に全責任を押しつけるつもりは無論ないし、AR15の件は私も残念に思っている…… だが、こうした悲劇を繰り返さないためにも、【傘】と接触した者に対しては慎重に対処せねばならんのだ。それがどんなに極端な手段であってもな。 場所:AR小隊 ヘリアン: よって、AR小隊は【傘】に感染していないと確認されるまでは、強制観察対象なのだ。この期間中、AR小隊の自由は制限され、から出ることも、外部と接触することも禁じられている。だが安心してほしい。この期間中、彼女たちはハイエンド人形として厚遇されるし、虐待を受けることもない。 [注:厚遇されなかったら虐待を受けることもあるのかな?] 場所:司令室 ヘリアン_通信: …………それでも心配か?指揮官、貴官の気持ちはよく分かる。だからこそ貴官の申請を受け入れ、S05地区への異動を許可したのだ…… ……そう、このAR小隊の留置所が位置する区域にな。 [注:すっごい説明台詞!] しかし、彼女たちとの直接的な接触は本部からの許可が出ていないのだ。分かってくれ…… (…………ピー。 …………通信を終了した。) 7-2 > 場所:戦術マップ (…………報告を終えた翌日。) カリーナ_通信: 指揮官さま、本部から昨日の報告に対する指示が出ましたよ。ヘリアンさんによると、S05地区で発見された鉄血部隊は、この頃の鉄血の動きと合致するそうです…… となると、奴らはただS05地区を通過中の増援部隊なのかもしれません。つまり、さほど気にする必要はないということです。なので、ほかの部隊に任せてもいいのですが…… 本部は慎重を期し、指揮官さまに敵の司令部を破壊しに向かってほしいそうです。万一これで鉄血の標的がS05地区ならば、すぐに対策を立てられますしね。さあ、準備が整ったのならいきましょうか! 2段落 > 場所:司令室 (…………鉄血の司令部を制圧した。) カリーナ_通信: 指揮官さま、今回の作戦も順調にいきましたね。特に怪しいところもなかったですし、たまたま通りがかった部隊だったのでしょう。そうそう。ヘリアンさんから連絡があって、作戦を終えたら連絡してほしいそうです。多分、私のお願いしていたことが聞き入れられたのだと思います…… 場所:黒背景 カリーナ_通信: ……さぁ、なんでしょうね?まあまあ、直接聞いてみてくださいよ。 場所:司令室 (…………しばらく休んだ後、ヘリアンに通話をかけた。) ヘリアン_通信: よくやった、指揮官。報告の確認が済んだら、相応の報酬が本部から出るだろう。S05地区での仕事にも慣れてきたようだが、油断は禁物だ。戦争はまだ終わってないのだからな。それと、以前カリーナから頼まれていたものだ…… ……ああ、貴官が聞きたかったであろうものさ。 場所:黒背景 (………… …………ヘリアンが録音データの再生を始めた。) M16A1: M4、M4! M4 SOPMOD Ⅱ: おーい、M4!始まってるよ! M4A1: ………! (……M4A1の声が聞こえてきた。落ち着いてはいたが、どこか疲れているような声だった。) M4A1: 指揮官、こんにちは…… あれから1週間経ちましたが、元気にしていますか?ここはとても安全ですし、生活も快適ですよ。行動は一部制限されていますが……でも、本部の考えは分かります…… それにあの事件を経験したのも、損害を被ったのも、決して私たちだけじゃないですから…… ですので、どうか心配なさらないでください、指揮官。また、このように気にかけてくださり、本当にありがとうございます。本部にできるだけ協力し、一日でも早く会えることを願っています…… 場所:司令室 (…………再生を終了した。) ヘリアン_通信: 現時点で私にできるのはこれが限界だ。指揮官、M4に話したいことはあるか?……分かった。後ほど録音データを送ってくれ。明日の夜、通話をかけるタイミングで聞かせる。では引き続き本部の指示通り、指揮官としての責務を全うするように。 (…………通信を終了した。) 7-3 > 場所:司令室 (…………鉄血司令部を制圧した翌日。) カリーナ: 指揮官さま、新しい一日が始まりましたね!今日の業務は…… ……パトロール。えっと……はい、またパトロールです。穏やかな日々を願っていたのは確かですけど、こうも暇だと調子が狂っちゃいますよね。……え?なんで謝るんですか?ふふっ、確かにそうですね。指揮官さまがここに異動を願いでたせいですよ。ですが、私は正しい選択だったと思っています。その考えがあってこそ、私たちもここまで来れたんですもの…… 単純な勝利にしろ、たくさんの仲間と出会えたことにしろ、全部素晴らしいことだと思いますよ。それに、だからこそ私、グリフィンに加わったんですよ。指揮官さまについていけば、私の夢もきっと叶うと信じてます…… なので、指揮官さま。私、いつまでも一緒にいますからね。 [注:もしかしてだけど~もしかしてだけど~] 場所:戦術マップ カリーナ: さて、業務を続けましょう。鉄血の司令部は壊滅しましたけど、残党の鉄血がまだ活動を続けています。人形を出動させ、奴らを片付けちゃいましょう。 2段落 > 場所:司令室 (…………その日の夕暮れ、パトロール終了後。当日の報告とAR小隊への録音データをまとめ、本部に送信していた……) 場所:扉_緑 (…………同じころ、グリフィンS05地区の中心部。…………人類が廃棄した療養所を改造して作られた、グリフィンの留置所。施設コード『プリンセス・マリオン』。) アナウンス: 定期検査終了。戦術人形M4A1…… M16A1、M4 SOPMOD Ⅱ、以上3名の人形は確実の休憩室に戻ってください。 M16A1: ふぅ…… m45: AR小隊の皆さん、こちらへどうぞ。 M4 SOPMOD Ⅱ: はぁ……やっと終わった…… 毎日同じことの繰り返しだよ~。いったい、いつまで続くの? M16A1: 16LABは【傘】の解析を試みているんだ。それが終われば、私たちも自由の身だろうよ…… M4 SOPMOD Ⅱ: ちぇっ……ペルシカ、早くどうにかしてよね。 [注:呼び捨てだっけ?] もう限界だよこんな生活…… AR15はもういないし……鉄血はまだ暴れ回ってるし…… M16A1: ………… SOPⅡ、借りは必ず返すさ…… ここから解放されれば、新たな任務に就かせてくれるとヘリアンさんも約束してくれたからな。AR小隊の任務を今まで通り遂行し、エルダーブレインの正体を突き止めるまで、鉄血の内部を徹底的に調べ上げよう。 M4 SOPMOD Ⅱ: もう待ちきれないよぉ…… エルダーブレインめ、絶対に引っ捕らえてやるからな!あああああーっ、も――ーっ!ここから出せーっ! 奴を粉々にしてやる!それから歯を全部引っこ抜いて、頭をもぎ取ってやる!それから…… [注:謎改行] M4A1: うるさい!ちょっと黙ってて! M4 SOPMOD Ⅱ: M4…… M4A1: あ……ごめんなさい。 (…………M4が前へ移動した。) M16A1: そっとしておいてあげよう、SOPⅡ。今、一番やりきれないのはM4だ…… これでも指揮官に心配かけないよう、昨日のボイスメッセージではいつもの10倍元気な声を作って聞かせたんだから。M4は今、かなり……責任を重く感じているんだよ…… m45: あの……M4さん、夕食の準備ができました。食堂で召し上がりますか?それとも宿舎までお持ちしましょうか? M4A1: ………… 今日もシナモンロール? m45: ごめんなさい。留置所の食材では、シナモンロールやサンドイッチが限界なんです。新たなメニューを考案中ですので、明日にでも新しいものをお出しできるかと。 M4 SOPMOD Ⅱ: ……どうせパンの類なんでしょ…… m45: 本当に申し訳ないです。安全のため、本部がここの物資の出入りを制限しているので…… [注:ヘリアンヘリアン、これは虐待なのでは?] M16A1: いいんだよ。シナモンロールだって懸命に考ええくれたものなんだろ?M4、食堂に行くぞ。そのあとヘリアンさんとも連絡を取りなきゃだしな。 M4 SOPMOD Ⅱ: そうだよ。ヘリアンさんが指揮官の録音テープを聞かせてくれるのって、確か今日だよね? M4A1: …… そんな気分じゃないの。私はここに残る。 m45: M4さん、お食事はとらないと。これは本部の…… M4A1: ……本部の命令、って言いたいの?グリフィンの命令なら、全部黙って従えっていうの?! m45: M4さん、落ち着いてください…… M4A1: なぜここに閉じ込められているの?!私たちは16LABの人形で、グリフィンにはテスト用に貸し出されただけなのに! [注:通常2-6では] クソッ! [注:「M4A1はグリフィンのAR戦術小隊に所属し、これまでずっと16LABのペルシカ研究員に雇われて、実験データを収集してきた。」] m45: うぅ………… [注:と語られている。] M16A1: おい、M4! [注:通常2-6ではG&Kから16LABに出向しているようなニュアンスだった] いい加減にしろ!M45はただの管理人だ。彼女にやつ当たりしてどうする! ネゲヴ: ちょっと、何事?何を騒いでいるの? M4A1: ………… M4 SOPMOD Ⅱ: あ、ネゲヴさん…… [注:SOPⅡ、意外にも他の人形を「さん」付けで呼びがち] M4の機嫌がちょっと悪くて……休憩の邪魔だったよね。 ネゲヴ: まあ、それほどでもないけど…… にしてもあなたたちの隊長、一体どうしちゃったの?私でもまだ文句の一言も言ってないわよ。 M16A1: AR小隊のメンタルの構造は、IOPのものとは少し違うんだ。そのせいで感情の波が激しかったりすることもあってな…… ネゲヴ: あなたたちだって16LABの試験品でしょ?なのに彼女だけ機嫌壊しちゃって、どうしたのよ。隊長なら隊長らしくあるべきでしょ?こんな状況だし、誰だって良い気持ちではないわ。私なんて、あなたたちを助けに行った結果がこれなのよ…… M4A1: ……助けなんて頼んでない。 M16A1: M4! ネゲヴ: あら、それは悪かったわね。能力がいくら高くたって、私はしょせんIOP社で造られた戦術人形だからね。はっきり言ってしまえば、指示された通りにしか行動を取れないのよ…… でなければ、あんたみたいな奴…… m45: み、みなさん……どうか落ち着いてください…… 間もなくヘリアンさんとの通信の時間ですよ。もしこんなところを見られてしまったら…… (…………ピー。) m45: あ、きっとヘリアンさんからだわ。 M16A1: ……いつもより少し早いな。 (……M45が通信を繋いだ。) m45: もしもし、ヘリアンさんですか? (…… …………) 場所:黒背景 ??: みーつけた。 m45: ……えっ? ??: M4A1、やっぱりここだったのね。 M16A1: おい、何者だ!姿を見せろ! (……相手の方から手をたたく音がする。) ??: 行きなさい。M4A1は生け捕りよ。残りは…… ……いらないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: M45! よけて! m45: ……え? (…………!!) 場所:扉_赤 ネゲヴ: な、何が起こったの?! M16A1: M45が被弾した!SOpⅡ、早く彼女を連れて後ろに下がってくれ!クソッ、通信が遮断されている!これじゃ応援を呼べないぞ! M4 SOPMOD Ⅱ: 鉄血の奴らだよ!完全に包囲されてる! M16A1: M4、早く皆に指示を出すんだ! M4A1: え、私が? M16A1: まだ分からないのか、M4!早く作戦を指示するんだ!さもないと、皆ここで死ぬことになるぞ! M4A1: でも…… こんな大勢の人形を?しかも知らない人形ばかり…… M16A1: だからこそお前が必要なんだ、M4!ここに指揮官はいない!この中で同等の指揮能力を持っているのはお前だけなんだ!M4、お前が唯一の希望なんだ…… (M16はM4の肩をがっちりとつかんだ。) M16A1: ここから一緒に出るって、約束しただろ? M4A1: ………… 分かりました。M16姉さん、モジュールを調整するので、少し時間をください…… M16A1: ああ、時間を稼いでやるよ。SOPⅡ、行くぞ! 場所:黒背景 M4A1: 突然そんなこと…… …………はぁ でも……ほかに方法がないんだものね…… ……いくわよ! 7-4 > 場所:戦術マップ (…………普段のパトロールを終えてから、7分後。) ヘリアン_通信: 指揮官、緊急事態だ!AR小隊がいる留置所の通信が切断され、この間の【傘】のときとまったく同じ状況に陥ってる。それと同時に大量の鉄血がS05地区内に出現し、一斉に留置所に向かっているそうだ!しかし、直接留置所に攻め込むにはリスクが大きすぎる。 [注:どんなリスクが?] 今は留置所内部の戦術人形と防御設備に頼るしかない状態だ。貴官には柳絮周辺の鉄血を一掃し、留置所内部の人形たちを外から支援してもらいたい。すぐに向かってくれ!敵の留置所への侵入を防ぐのだ! 2段落 > 場所:扉_赤 (…………時を同じくして、「プリンセス・マリオン」留置所内部。反撃作戦開始より1時間後の、4階医務室にて。 [注:7-3-2の冒頭]) FN49: あ、あの! [注:「当日の報告とAR小隊への録音データをまとめ、本部に送信していた……」] FNC、弾薬がもう切れそうです! [注:一部略] FNC: え……でも私のじゃ使えないでしょ。 [注:「…………同じころ、グリフィンS05地区の中心部。」] スコーピオン_大破: そこっ、何やってるのよ! [注:↑から鉄血襲撃までワンシーン。] こっちはもういいって言ったでしょ! [注:7-4-1の冒頭] 下の階の敵が多すぎて、今にもやられちゃいそうだよ! [注:「…………普段のパトロールを終えてから、7分後。」] FN49: でも、こっちの敵がまだ片付いていません! [注:↓] スコーピオン_大破: でも、下の階の敵の方が多いよ! [注:パトロール終了後、7分以内に録音データをまとめ、本部に送った] FNC: でも、下の階の敵はまだっずっと向こうじゃない! スコーピオン_大破: でも、奴らの射程距離ハンパじゃないんだもん! FN49: でも、こっちの敵だってものすごい勢いなんです! スコーピオン_大破: うぅ……それも確かに…… ああああああっ!指揮官もいないし、まともな策もないし!一体、どうしたらいいのよー! 誰か助けてよー!! 場所:黒背景 (…………バンッ!) FN49: あれ……下の階の攻撃が収まったみたいです。あ、あなたたちは…… M4A1: みんな、いったん攻撃をやめて、3階の宿舎ホールまで撤退して! FN49: え? あなたって…… FNC: うちの部隊のメンバーじゃないのに、どうして私たちに命令できるの?? スコーピオン_大破: 今はとりあえず言われた通りにしよ!撤退するよ! 場所:扉_緑 (…………5分後、宿舎ホールにて。) M16A1: M4、スコーピオンたちで最後だ。これで2階から4階までの人形は全員揃った。このリストにある人形たちは傷がひどい、おそらく戦闘はもう無理だ。 M4A1: 分かりました。手当て可能な人形たちを付けておきます。 M4 SOPMOD Ⅱ: 1階と地下室の人形はどうするの? FNC: そりゃあ、突撃して助け出すしかないでしょ! FN49: けど……通信が完全に遮断されているのですよ。後先考えずに突っ込むのは危険すぎます…… ネゲヴ: ちょっと待ちなさいよ、私たちには指揮がとれる者がついてるんだから。 FNC: 指揮がとれる者…… でも指揮官はいないし…… FN49: うぅ……指揮官……私たちのこと、見捨てちゃったのでしょうか…… スコーピオン_大破: ちょっと、変なこと言わないでよ! M4A1: みんな、ちょっと聞いて。みんな気付いてる?鉄血の攻勢が1時間前より弱まってきているわ…… きっと、指揮官が外で敵を片付けてくれているのよ……私たちのためにね。指揮官はちゃんと助けに来てくれているわ。そして、今も私たちのために外で戦っている…… あとは私たちが残りの敵を片付けさえすれば、それで助かるはずだわ。 スコーピオン_大破: でも、どうやって下に行くの?ちゃんとした自律プログラムもないのに…… M4A1: プログラムはいらないわ。私が指揮を取るから。私は16LABに作り出された特殊な人形で、高性能な指揮モジュールを搭載しているの。 [注:IOP製⇒△] だから、必要となれば指揮官に代わって命令を下すこともできるし、 [注:IOPの16LAB製⇒○] 通信ができなくても口頭で命令を下せるわ。 FN49: じゃ……つまり……今はあなたが私たちの指揮官ってことですか? FNC: でも……前に一回あなたと会ったことがあったけど、なんだか怪しげだったよ……?それにスコーピオンだって、AR小隊に騙されたんでしょ?彼女たちのせいで鉄血に捕まったとか……なんとかって…… スコーピオン_大破: ………… 違う、そうじゃないんだ…… 場所:攻撃を受ける戦術人形たち スコーピオン: あのとき、あたしもほかの小隊も、本来の指揮官に置き去りにされていたんだよ…… 鉄血のエージェントが大規模な部隊を率いてやって来て、とても太刀打ちできる状態じゃなかったの…… もしM4の指揮がなかったら、あたしたちはとっくに鉄血にやられていたわ。 場所:扉_緑 スコーピオン_大破: だから私は彼女を信じる。少なくとも、彼女の力は確かだよ! FN49: わ、私も隠れているぐらいなら、打って出るべきだと思います! FNC: う……みんながそう言うのなら…… M4、私たちをここから脱出させてくれるのよね? M4A1: ……ええ。臨時指揮官の責務を力の限り果たし、みんなを勝利に導いてみせるわ。 M16A1: 力の限りじゃなく、必ずやり遂げるんだ。絶対に、全員でここを生きて出るぞ! M4A1: ………… じゃあみんな、ここからは私の指示に従って!みんなでここを脱出するわよ! 場所:黒背景 M4A1: くよくよなんてしてられないわ…… 生き抜かなきゃ……私の力で、仲間とともに生き抜くのよ! 7-5 > 場所:司令室 (……3時間後、グリフィンS05地区司令部にて。) カリーナ: 指揮官さま。そちらはまだ片付かないのですか!鉄血が次々なだれ込んできて、私も物資の補給が追いつかなくなってきています…… このままでは……留置所内部が持ちこたえられるかどうか…… (…………ピー。通信機に発信源不明のリクエストが届く。…………通信を許可した。) ペルシカ_通信: 指揮官……こんにちは、ペルシカよ…… こんなときだから、安全のため通信を暗号化しているわ…… 16LABはAR小隊のことをずっと見守ってきたの。今回の留置所の件も含めてよ…… これはただの襲撃ではないわ、他に目的があるのよ…… だから、そちらに応援の人形を送ったわ…… あとは任せたわよ、RO…… RO635_通信: 指揮官、わたしは16LABが新たに開発した戦術人形、コードネームRO635です。 [注:つい最近開発されたみたいな風に言うけど、民間にいた時期があるし、起動時にSOPⅡと会ってる⇒第0戦役より前⇒M4は指揮官に助けられる前、70日程逃亡してる、ので、あまり最近ではない。] 手短に説明しますね、指揮官。実はこちらで重大な情報を入手しております。鉄血ボスが通信ステーションを北東の峡谷に設置していることが判明したのです。座標を今から送るので、なるべく早く破壊してください。そうすれば敵の増援を阻止できますし、私も早く現場に到着できます。 カリーナ: その情報は確かなのですか?あなたは先ほど、S05地区に来たばかりですよね…… それに、実戦経験のない新人でしょうし…… RO635_通信: カリーナさん、私は新人ではありませんよ。それに、わたしはこのような状況に対処するために開発されたのです。少なくとも、わたしを派遣したペルシカさんのことは信じてあげてください…… カリーナ: 指揮官さま、どうしますか?…… 確かに、ペルシカさんが私たちを危険にさらすようなことはしないと思います。このまま膠着状態が続いてもらちがあきませんから、部隊を出せるうちにROさんに賭けてみてはどうですか? RO635_通信: 信用してくださりありがとうございます、指揮官。では、ただちに部隊を出動し、この座標にあるターゲットに攻め込みましょう。 2段落 > 場所:黒背景 (…………作戦部隊はペルシカの指示した地点に到着した。) カリーナ: 指揮官さま!部隊が鉄血の通信ステーションを発見しましたよ!鉄血ボスはここから部隊を指揮していたみたいです。急いで破壊しましょう! (…………2分後。作戦部隊は爆薬を使い、鉄血の連絡司令部を完全に破壊した。…………) 場所:鉄血司令室 ドリーマー: あら…… 早くもかくれんぼが終わってしまうみたいね…… でもなぜかしら。こんな早くに見つかってしまうなんて……分からないわ…… まぁ、いいわ……どうせ「ソレ」も、もう到着したことだし。 [注:エルダーブレインのこと「ソレ」とか言うなし] さてと…… (ドリーマーが椅子から立ち上がった……) ドリーマー: 少し体を動かそうかしら…… 場所:扉_緑 (…………時を同じくして、留置所「プリンセス・マリオン」の地下2階にて。……反撃作戦が終盤に差しかかっていた。) ネゲヴ: ふんっ。こいつで……最後よね? M4 SOPMOD Ⅱ: ネゲヴ、後ろ!! ネゲヴ: …………! M16A1: ………… こいつが最後のようだな。 ネゲヴ: ふん……別にいいわ。どちらにしろ1人目の敵を倒したのは私なんだから。それにしてもよくやったわね、みんな。特に…… ……AR小隊のM4A1さん。 M4A1: ふふっ……私はただ、やるべきことをやったまでよ。 FN49: そんなことありません!みんなが助かったのも、あなたがいてくれたおかげです! FNC: M4の指揮っぷりには感動したよ!ほんとにありがとう! スコーピオン: よし。ここを出たら、みんなでM4のお祝いをしよう! M4A1: 待って、負傷者の手当てが先よ。動けない仲間を救急車に乗せ、弾薬と薬品を補充したら、1階のホールに集合して。 M16A1: よし! 皆、急げ! M4 SOPMOD Ⅱ: ハハッ、やっと切り抜けたのね。 M4A1: うん、これでやっとここから出ることができるわ。もうすぐ……指揮官に会える…… 場所:黒背景 ??: そう…… 間に合ってよかった。 M4A1: …………?! (……遠くから手を叩く音が聞こえてくる。…………ドン!) グリフィンの人形たち: …………?! スコーピオン: ちょっと、電気消したの誰?! FNC: あ、冷蔵庫の電源が!チョコ!私のチョコがぁぁぁ! [注:こいつ留置所に拘留されてた側だろ……] M16A1: 電源が切断されたんだ!皆、慌てるな!これはただの…… (………… …… ………… ……………… 突然、辺りが静まり返った。) M4A1: ………… みんな……どうしたの?M16?SOPⅡ? ネゲヴ?スコーピオン!みんな、どこなの?答えてよ! 場所:エルダーブレイン_影 ??: それは無理ね。 M4A1: ?!な、何者?どこにいるの! ??: まだ立っていられるなんてね、M4A1。やっぱり彼女たちとは違うのね。 M4A1: あなた…… あなたは誰………… ??: 何なら、ここでやってしまってもいい。 (……軽やかな足音とともに、小さな人影がM4に近づいてきた。) M4A1: 止まれ! 動くな! (…………!M4A1は声のする方へ銃弾を放った。) M4A1: …………ハァ……ハァ 命中……したの? 場所:黒背景 ??: 惜しい…… ハズレよ。 (…… 突然、その小さな人影がM4の前に現れた。) M4A1: ……?! (その人影、「ソレ」が、M4をずっと抱きしめた……) ??: あたしが今からすることは…… AR15にはできなかったこと…… そして、あなたが答えられなかったこと…… M4A1: …………?!?!なっ……なに…… やめて……やめてーっ!離して!いや――っ!!やぁぁぁああああああああああ――! 7-6 > 場所:司令室 (…………鉄血の連絡司令部を破壊してから5分後。) カリーナ: 指揮官さま!通信リクエストが届いています!発信源は鉄血工造ですので、恐らく今回の襲撃事件の鉄血ボスと思われます。どうします?繋ぎますか? (…………鉄血からの通信を許可した。) ドリーマー_通信: おはようございます、グリフィンの指揮官殿。どうやってあたしの通信ステーションを探し出したのかしら?きっと誰かがズルをしたのでしょうね。でも、確かにすべてがうまくいってはつまらないものね。このような予想外の事態があってこそ、楽しいんだもの。だから……あたしもゲームに入れてちょうだい…… カリーナ: 指揮官さま!留置所の4時の方角から、鉄血の信号が大量に現れました! ドリーマー_通信: あたしのターゲットはその留置所よ。これまでの奴らとは違って…… ……目に映ったグリフィンの人形は、一人残らず全員この手で抹殺してあげるわ。どう?対策を練る時間がほしくなった? カリーナ: 指揮官さま、どうしましょう。ドリーマーと真っ向勝負となると、留置所を守る余裕がなくなってしまいます。それに、グリフィンもまだ手間取っていて、突入して助け出すことはできないみたいです…… RO635_通信: 指揮官、カリーナさん、ここはわたしに任せてください。既に留置所の付近に到着しているので、これより潜入を開始します。予め定められたプログラム通り、M4A1を含む全人形の救出に向かいます。 カリーナ: RO、本当に大丈夫ですか?その……留置所内の信号は、【傘】によって完全に遮断されているんですよ。 RO635_通信: あれは【傘】ではなく、もっと恐ろしいものです…… ですが心配はいりません。それに十分対応し得る装置を持ってきましたから。わたしには基本指揮モジュールが搭載されているので、留置所内で簡単な指揮もとれます。 カリーナ: 指揮官さま、留置所内の権限を全て彼女に委ねますか? RO635_通信: ………… 許可してくださりありがとうございます、指揮官。では、ドリーマーの足止めに専念してください。AR小隊と仲間たちは、わたしが必ず救出しますので。安心してください。絶対に成功させます…… 場所:戦術マップ ドリーマー_通信: あまり時間がないわよ。部隊の準備はいいかしら…… いいわ、かかってきなさい。ゲームスタートよ…… あなたの情熱的なおもてなし、楽しみにしているわ。指揮官殿♪ 2段落 > 場所:黒背景 (…………ドリーマーの部隊と交戦すること35分。…………留置所「プリンセス・マリオン」、地下2階にて。………………) エルダーブレイン: どうして…… まったく解析できない。いったん連れて帰るしかないわ…… ……いこう、M4A1。いっしょに戻るよ…… RO635: そうはさせないわ、エルダーブレイン…… エルダーブレイン: ………… 爆薬? 場所:扉_赤 RO635: 総員、撃てーっ! M16A1: 手榴弾に気をつけろ! ネゲヴ: アハハハ!どこまで逃げられるかな? (…………) エルダーブレイン: なぜ目覚めたの? RO635: ずっと準備していたのよ、エルダーブレイン…… あなたのそのジャミング装置に対抗するために! エルダーブレイン: 長くはもたないわ。 RO635: そんなにかからないから大丈夫よ…… M4 SOPMOD Ⅱ: RO! M4を取り返したよ! エルダーブレイン: …………! RO635: 分かりました!早く下がって、防空室に隠れてください! エルダーブレイン: 貴様ら――! スコーピオン: みんな、発煙弾を! FNC: 49、扉を閉じて! 場所:黒背景 (…………うめき声が響き渡る。) エルダーブレイン: ………… 武器……あたしの武器は? ドリーマー_通信: ご主人様、今回は武器は持たないと言っていたじゃないですか。だから部隊をつけておいたのですよ。 エルダーブレイン: ………… じゃあ、こっち来れる?あの子たち、鉄の扉の向こうに隠れていて、こっちから入れないの。 ドリーマー_通信: ああ……防空室ってやつですね?申し訳ないですが厳しいですね。人間の指揮官の足止めを食らっているので。 エルダーブレイン: ………… キミ、やっぱりエージェントほどは役に立たないね…… ドリーマー_通信: フフッ……何事も思い通りにいくとは限りませんからね…… それでご主人様、どうします?撤退なさいますか? エルダーブレイン: ………… 外で待ってるから迎えに来て。 場所:扉_緑 (……………………20分後、ドリーマーの部隊が突然撤退し始めた。……さらに15分後、留置所内の人形はほぼ撤退を終えていた。) m45: あ、M16さん。 M16A1: M45、傷は大丈夫か? m45: ええ、応急処置を施したので大丈夫です。…… M4さんの様子を見に来たのですか? M16A1: ああ…… あいつ、調子はどうだ? m45: ………… 場所:精神崩壊してる?M4 m45: 残念ながらまだ回復していません…… M4さんはあれからずっとこの調子です…… 独り言を言うだけで、誰とも話をしようとしないんです…… M16A1: ………… M4…… いったい奴らに何をされたんだ…… m45: M16さん、これからどうするつもりですか? M16A1: ………… 場所:扉_緑 M16A1: あいつを他の負傷者といっしょに車に乗せてくれ…… 既に指揮官が撤退案を発布している。私たちも急いでここを離れないとな。 m45: え?指揮官が来ているのですか? M16A1: ああ、来てるぞ。鉄血に電源と連絡装置を壊されたから、ヘリアンさんがわざわざ指揮官を呼んでくれたんだ。今は恐らくROと話すため、1階の庭に向かっているところかな。 m45: RO635……あの新しく来た戦術人形さんですか……? 場所:黒背景 M16A1: ああ……もう会って話してるころさ。 (…………同じころ、1階。…………人形たちに撤退命令を下し、庭へ向かう扉を開いた。…………) 場所:SOPⅡを膝枕するRO RO635: シーッ…… ごめんなさい。やっとSOPⅡを寝かしつけたところで……この子が邪魔に入っては困りますからね。改めまして、わたしは16LABの戦術人形、RO635です。きっと疑問はたくさんあるかと思いますので、答えていきますね。まず、わたしがサポートに来たのは、ペルシカさんの個人的な依頼によるものです。なので、本部にはしばらく黙っていていただけると助かります。M4のことなら心配いりませんよ。ペルシカさんが解決策を練っていますから。とりあえずその方法が見つかるまでは、わたしが代わりにM4のポジションにつき、AR小隊を率いて鉄血の調査を続けていきますね…… 場所:エルダーブレイン_影 RO635: それから……留置所に侵入し、今回の惨劇を引き起こした張本人…… [注:惨劇?犠牲者が出た?どの程度?] ……あれが鉄血の最高指導者、コードネーム【エルダーブレイン】の鉄血人形です。…………それが何を意味するか、もうお分かりですよね? 場所:黒背景 RO635: 指揮官、心の準備はいいですか?じきに鉄血と決着をつけることになりますよ…… [注:連載が打ち切られる時の最終章へのフックみたいなアレ] 緊急 > 7-1 > 場所:黒背景 (………… 残り_39日 …………………… 残り_14日 …………………… 残り_1日 ………… 残り_02秒 残り_01秒 残り_00秒 AR15_MIA …… …………) RO635: M16A1…… これが約束してあった時間なのですか? M16A1: ああ…… 何を期待していたんだろうな。最後の最後であいつの声が聞こえてきて、すべて冗談だって笑い飛ばしてくれることを…… そうさ……本気でそう期待していたんだ…… だが、そんなことは起きない…… 起きるはずがないんだ…… 場所:呆然とするM4A1 M16A1: あの事件のあと、グリフィンはS08地区から完全に撤退してしまった。本部は失踪した、たった一人の人形捜索のために、鉄血だらけの廃墟に部隊を送り込む余裕なんてなかったんだ。偵察部隊が39日間も遠隔観察を行ったが、何も進展はなかった。 RO635: ………… それはつまり、AR15が…… 場所:ST AR-15 M16A1: AR15は16LABで秘密裏に造られた特殊な人形だ。完全なメンタルモデルを搭載していないから、本部も今すぐその人格を再建することはできないそうだ。 [注:完全でないメンタルモデルとは?] つまりAR小隊のAR15は……私やM4A1、SOPⅡとともに戦ったAR15は、もう存在しないのさ…… [注:今すぐでなければ可能?] 今はこの最悪の事態を受け入れるしかない…… 場所:精神崩壊してる?M4 M16A1: だが現実は……それ以上に最悪だ…… RO635: 少し時間はかかりますが、M4A1のことは心配ありません。それよりも今は、奴らに復讐するための準備に集中しましょう。 場所:黒背景 M16A1: ああ、復讐こそが最大の慰めになることは分かっている…… 彼女たちにとっても、私たちにとっても、すべての人たちにとってだ…… RO、今回の作戦について説明してくれ。もう、うずうずして仕方がないんだ。 場所:戦術マップ (グリフィンと鉄血が衝突するS05地区……) RO635: これからある鉄血ボスの追跡を行います。グリフィンは奴こそがわたしたちの管轄を荒らしまわっている酒販だと、見なしているようです。それに……奴は1カ月前にわたしたちと接触してから、最近また元の基地に戻ったようです。 M16A1: ドリーマーか…… すぐにでも包囲し、さっさと片付けられないのか? RO635: それが本体かダミーか確認できないのです。それに奴は鉄血のものとは思えないほど強力な武器を装備しています。その破壊力は、この目で見たので確かです。軽率に行動をとるのは極めて危険です。なので、友人たちに調査を依頼していたのですよ。これがかなりの収穫があったようで…… M16A1: 友人? RO635: AR小隊に加わる前、実はある小隊で隊長を務めていたのです。指揮モジュールを鍛えたり、テストするための小隊でした。そのときの隊員たちに、今回は個人的にお願いしました。 M16A1: お願い?……正規ルートを通してか? RO635: まあ……それはいいとして…… とにかく、彼女たちに会って情報を得る必要があるわけです。ですのでSOPⅡと手分けして、指定の拠点に向かい彼女たちと合流してください。 M16A1: 分かった。だが、途中で鉄血の部隊と遭遇したらどうすればいい。今のS05地区はかなり危険だぞ。 RO635: 指揮官がなんとかしてくれます。通行可能になったら作戦を開始しましょう。 2段落 > 場所:司令室_暗 (……M16がセーフハウスに到着した。) M16A1: ………… もう受け渡し時間のはずなのに、誰も来ないな…… だが資料はちゃんと箱に入っているようだ……どれどれ…… (コトン……) M16A1: 誰だ?! ………… その隅に見えているのは……ウサ耳か?いや、違うな。バンダナ? 場所:黒背景 (M16がこっそり近寄った……) M16: 捕まえたぞ! [注:ここだけM16] ??: うわ~っ!!待った!待った!撃たないで!味方、味方だってばーっ! AAT-52: ううぅ………… 痛いって!髪引っ張らないでよ! M16A1: AAT-52…… お前みたいな人形がなぜここにいる。 AAT-52: なによ、通りがかっちゃダメなの?可愛いアイドルがお見舞いで各地を回っちゃダメなの?それに「お前みたいな人形」ってなによ!あたしだって高難度な任務をこなしたりしているんだからね!AR小隊だからって偉そうに!あんたたちなんかに負けないんだから! M16A1: ………… お前、ROの小隊のメンバーか? AAT-52: あれ?知ってたの……?その通り!あたしたちこそが「パレット」小隊よ!元隊長の命令で助けに来たの! M16A1: パレット?変わった名前だな…… それに協力に来たのなら、なぜ私から隠れようとするんだ。 AAT-52: だ、だって……怖いんだもん…… M16A1: 怖い? AAT-52: さっきは顔がよく見えなかったし、黒髪だったから、奴がまた来たのかと焦ったのよ! M16A1: 奴って?どいつだ? AAT-52: ドリーマーに決まってるでしょ!最近は神出鬼没で、いつどこに現れるか分かんないんだから。 M16A1: ………… あの化け物め、また何か企んでいるんだな…… (…………と、突然、遠くからエンジン音が聞こえてきた。) AAT-52: やばい!伏せて! M16A1: ……?! 場所:街_破壊 (…………ドーン!!遠くで建物が一瞬にして崩れ去った。) M16A1: ちょっ、なんだあれは?! AAT-52: 奴よ!大型の砲台でS05地区の施設を次々爆破しているんだよ! M16A1: だがここは鉄血の管轄だぞ!自分たちの土地を荒らして、何の良いことがあるんだ? AAT-52: さぁね。頭でもおかしくなったんじゃない? RO635_通信: M16!AAT!無事なの? M16A1: ああ……こっちは大丈夫だ。砲撃されているのは遠方だからな。 RO635_通信: M16、落ち着いて聞いてくださいね…… 砲撃された場所、あそこはSOPⅡが向かった拠点です。 M16A1: ……なに?! AAT-52: ねぇ!ステンは?あいつは無事なの? RO635_通信: まだ連絡が取れていないわ。でも拠点には防空室があるから、大丈夫なはず。 AAT-52: 今回の砲撃って……まさかあのときのと同じ? RO635_通信: ええ、わたしたちの目をごまかそうとしているのよ。なかなか狡猾な奴ね…… とにかくいったん集合しよう。S05地区は危険だわ。 M16A1: ………… RO、ドリーマーが操っている砲台について、何か知っているのか?この砲撃音……どこかで聞いたことがあるような…… RO635_通信: ええ、M16…… あなたなら聞き覚えはあるはずです。なぜなら、この兵器を最初に目撃したのは、あなたたちなんですから…… M16A1: …………! 場所:黒背景 (第5戦役期間中、AR小隊がデストロイヤーの追撃を始め、作戦開始から26分経過したころ……) M4A1: 待って、この音は…… M16A1: 今だ、行くぞ! M4A1: M16姉さん、危ないー!! M16A1: ……?! (……ドゴーン!!) 場所:凍った湖畔 M16A1: ……!!い、今のは……何だ? M4 SOPMOD Ⅱ: うそでしょ。あんなでかい武器……鉄血にも使えたの? M4A1: …… ……みんな、今ヘリアンさんから連絡があったわ。味方の損害はかなり大きいそうよ。本部からの命令で、全員追跡をやめ、全部隊はただちに現在の区域から撤退するようにと。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも、AR15が…… 場所:黒背景 M16A1: ………… RO635: 【ジュピター】は電磁力を動力とした大型の戦術砲台です。破壊力は軍部の武器にも匹敵し、しかも発射速度も速く、今のグリフィンにはどうすることもできません。これは鉄血が近頃導入した大型の殺傷兵器で…… ……あなたたちとAR15の最後の望みを断ち切るものです…… 7-2 > 場所:戦術マップ AAT-52: M16、だ……大丈夫? M16A1: ……ああ、平気だ。なるべく早くあいつらのところに行って、無事を確かめないとな…… AAT-52: それなら……きっと心配ないよ。あたしたちの小隊もこの前、ジュピターの砲撃をたくさん食らったから、緊急時の対応は決めてあるの。 M16A1: ああ……ならいいんだが…… 我々はドリーマーをなめすぎていたのかもな。これもすべて奴の計画通りなのかもしれん。 RO635_通信: M16、指揮官には連絡しておきましたよ。周囲の鉄血が片付いたら、計画通りSOPⅡとわたしの隊員の救出に向かってください。 M16A1: 了解だ。AAT、お前は先に帰ってもいいぞ。 AAT-52: え?あたし、いなくていいの? RO635_通信: M16一人で十分よ。わたしと指揮官が考えた計画は完璧なんだから。それに、あなたにはこっちでやってほしいことがあるわ。 AAT-52: 分かったよ。それじゃあM16、必ずみんなを連れ戻してよね! M16A1: 任せろ。指揮官、前方の敵は頼んだぞ! 2段落 > 場所:街_破壊 (…………M16はSOPⅡのいる拠点に到着した。拠点は砲撃を受け、廃墟と化していた。) M16A1: SOPⅡ、聞こえるか?今拠点に到着した。まだ中にいるのか?今から入るぞ。 場所:黒背景 (…………!) M16A1: 床は鉄血の残骸だらけだな……それに壁には大量の男根…… 一体、ここで何があったんだ…… ステンMK-Ⅱ_通信: あの……M16さん。 M16A1: ステン?今どこだ! ステンMK-Ⅱ_通信: 私は……地下の防空室にいます。制御盤の後ろに開閉装置があります。解除番号は“6FPIZX4V”です。 場所:扉_緑 (M16は地下室へ入っていった……) ステンMK-Ⅱ: あの……M16さん。外はもう安全なのですか? M16A1: ああ、SOPⅡは?一緒じゃないのか? ステンMK-Ⅱ: ………… すみません…… あまりにも恐ろしい状況だったので、私を防空室に残し…… 彼女は一人で出ていったのです…… M16A1: 何があった。 ステンMK-Ⅱ: 砲撃のあと、ドリーマーが……現れて…… M16A1: ……?!ドリーマー……SOPⅡは奴の攻撃を受けたのか? ステンMK-Ⅱ: ただの雑魚的だったので、SOPⅡの相手ではありませんでしたが…… M16A1: じゃその「恐ろしい状況」っていうのは……? ステンMK-Ⅱ: SOPⅡが……あまりにも恐ろしかったのです…… だから、あなたが車でここで待っていました…… こちらはその様子を録音したテープです…… 場所:黒背景 (ステンが録音テープを手渡した。M16は再生を始めた…… …………) 場所:扉_緑 M4 SOPMOD Ⅱ: ハァ……ハァ……… もうおしまい?その程度のゴミしか指揮できないの? ドリーマー_通信: ……あなたを侮っていたわ、SOPⅡ。変人だとイントゥルーダーは言っていたけど、やっとその意味が分かった…… ……その欲望、どこまであなたを突き動かしてくれるのかしらね。 M4 SOPMOD Ⅱ: 変人?わたしのどこが変だっていうの?ただ楽しいからやっているだけだよ…… グリフィンのみんなと一緒にいることも、お前たちを一人残らずバラバラにしていくことも、ただ楽しいからだよ。 ドリーマー_通信: そこが問題なのよ。知ってるでしょ?本来、人形に欲望なんてものはないのよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 悪いけど、難しいことは分からないの…… ただ、お前が何者か教えてくれればそれでいいわ。それから解体される時に痛みを感じるかどうかもね……。 ドリーマー_通信: あたし……?あたしもあなたと同じように、メンタルに問題があってね…… 自分の欲望を満たすことでしか満足できないの。あたしたちみたいな人形は、幸せになんてなれないのよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 違いとしては…… お前は結構いい声をしてるから、きっと心地の良い悲鳴をあげてくれるんだろうね…… ドリーマー_通信: それだけじゃないわ。あなたは他人の痛みで己を満たしている。刺激ばかり追い求め、美的感覚が欠けているわ…… 一方、あたしは……言葉や力で、彼女たちの希望を打ち砕くのが好きなの…… もちろん、武器でもね…… M4 SOPMOD Ⅱ: …………! 場所:ST AR-15 ドリーマー: さあ、なぞなぞの時間よ、SOPⅡ。あなたたちがAR15を追いかけてたとき、大砲であなたたちの足止めをしていたのは、どこの人形だったかしら? 場所:呆然とするM4A1 ドリーマー: わざと情報をAR15に漏らして…… ……その調査に向かった彼女に、シールドモジュールを埋め込んだのは、どこの人形だったかしら? [注:シールドは傘の機能の一つではなかったのか?] 場所:精神崩壊してる?M4 ドリーマー: そして、鉄血のお偉いさんをS05地区に連れ込んで、M4A1のメンタルを崩壊させたのは、どこの人形だったかしら? 場所:黒背景 M4 SOPMOD Ⅱ: …… ドリーマー: あたしは鉄血人形SPACA、通称ドリーマー(Dreamer)よ。AR15は選び抜かれたのであり、それはほんの始まりにすぎないわ。AR小隊のSOPⅡ、あたしはあなたたちが何なのかを知っているわ。あなたたちがどう変わり…… そして、いつ変わるのかもね…… ……それは今よ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うああああああああああああああ――!!殺してやる!お前を殺してやる、ドリーマ――ーっ!! ドリーマー: そう……その調子よ…… さあ、あたしを殺しなさい…… あたしを見つけ、その手であたしを幸せにして…… M4 SOPMOD Ⅱ: 出てこい……さっさと出てこい!!うああああああっ!! 場所:扉_緑 (………… 再生を終了した。) M16A1: ………… ステンMK-Ⅱ: すみません、M16さん。あのとき、私にできたのはせいぜいこのぐらいで…… M16A1: よくやった、ステン。今からお前を安全に連れて帰るからな。SOPⅡ……追跡できるといいのだが…… ステンMK-Ⅱ: M16さん、それなら適任がいますよ。この一帯、すべての具沖を監視している人が…… 場所:黒背景 (…………ピー。) マカロフ: こんばんは、皆さん。もしかして、私の出番ですか? 7-3 > 場所:戦術マップ M16A1: マカロフ、SOPⅡの一は確認できたか? マカロフ: うん。廃棄された工場でドリーマーの部隊と戦っているところよ。まだそこまでやばい状況じゃないけど、ドリーマーがいつ手を出すか分からないわ。 M16A1: それじゃあ、まず鉄血部隊間の通信を断ち切って、増援を呼べないようにしてくれ。 マカロフ: 了解よ。直近の連絡拠点はこの区域内にあって、通信量もかなり多いわ。この拠点を占拠すれば、SOPⅡにとっても、私たちにとっても有利に働くはず。 M16A1: 分かった。指揮官、拠点の占拠は任せた。私たちはここで待機し、敵の動きが収まってから行動を開始する。 2段落 > 場所:森 (………………ROも92式との合流地点に到着した。) RO635: 応答せよ、92式。こちら合流地点に到着。今どこにいるの? 92式: ………… RO635: ん?92式? 92式: こ……こ……よ…… う……し……ろ……よ…… RO635: ………… まったく、懲りないのね…… 92式: つまんない…… ねぇ、覚えてる?最初の頃は飛び上がるほどびっくりしていたこと…… RO635: まったく…… AATじゃあるまいし、同じ日のうちに、同じ罠に7回もかかったりしないわよ。 AAT-52_通信: ちょっと、聞こえてるわよ! RO635: 着いていたのね。ステンの準備もできているわ。砲台への侵入を始めるわよ! ステンMK-Ⅱ_通信: うーん……ROさん、この侵入プログラム……操作が難しいわ。 92式: そうね、調整しながら操作に慣れるしかないわ。設定方法を送信したから、あとは頑張って使いこなして。 RO635: 侵入プログラムは鉄血のところから入手したもので、、調整する時間があまりなかったのよ。時間もあまりないから、とにかく急いで。今、M16とマカロフがSOPⅡを追っているわ。ドリーマーの砲撃が心配だけど……。 92式: まさか……とち狂って自分を砲撃したりしないわよね? RO635: 92式、あれはダミーよ。S05地区のドリーマーは……ただのダミーなの。 92式: それなら本当に化け物ね…… 鉄血の人形って、なぜ指揮効率があんなに高いのかしら。 RO635: 鉄血のエルダーブレインは常に学習し、成長しし続けているのよ。ドリーマーとジュピター砲は、その新しいおもちゃというわけ…… 92式: 侵入に成功したら、少なくともジュピターはなんとかなりそうね。 RO635: ええ、ちょっと過程が面倒ではあるけど…… 砲台周りの拠点を占領しないと、侵入できないからね…… ステンMK-Ⅱ_通信: ROさん、こっちはOKよ! AAT-52_通信: こっちもあと15%で完了だよ! 92式: RO、マカロフたちも到着したそうよ! RO635: 急いで…… みんなお願い!もっと急いで! 場所:扉_赤 (…………時を同じくして、M16とマカロフは目標の工場奇襲を画策していた。) M4 SOPMOD Ⅱ: ハァ……ハァ……ハァ…… ドリーマー: どう?……満足できたかしら? M4 SOPMOD Ⅱ: まだ……まだまだ……全然足りないよ…… お前じゃなければ……お前のじゃないと、全然足りないんだよ…… ドリーマー: その感覚、よく分かるわ…… これは呪いなのよ、SOPⅡ……あたしたちにかけられた呪いなの。自分の中に命令しかなくなったとき……服従が唯一の意義と化したとき、あたしたちは…… (…………) ドリーマー: さあ。殺して、SOPⅡ。あたしを幸せで満たして。 M4 SOPMOD Ⅱ: ド……リー……マー…… お……お前を……殺す…… 殺してやるーっ!! 場所:黒背景 (バーン! …………) M16A1: やはり、ただのダミーだったか…… 場所:扉_赤 M16A1: SOPⅡ、大丈夫か? ドリーマー_通信: やだなぁ、M16…… ダミーとはいえ、あたしは全神経をここに注いでいるのよ。それにあたしは本気で、SOPⅡには期待しているわ。 M16A1: もう終わりだ、ドリーマー。SOPⅡはターゲットを失った。もうお前にもてあそばれることはない! ドリーマー_通信: あら、そうかしら?あたしのダミーが……一体しかいないとでも? M16A1: ……! ドリーマー_通信: SOPⅡは己の欲望のままに、どこまでも追い続けていくのよ…… M4 SOPMOD Ⅱ: うああああああ――っ!! M16A1: 止まれ!SOPⅡ!そっちは罠だ! マカロフ: ふん…… 何を言っても無駄なようね! (……!) M16A1: SOPⅡ!!マカロフ、何をする! マカロフ: 大丈夫、ちょっと休んでもらっただけよ。それよりも、急いでここを離れないと!もう時間がないわ! M16A1: どういうことだ? マカロフ: ドリーマーがこれを機に、私たちを一網打尽にしようとしているってことよ! ドリーマー_通信: フフッ……そう考えるのが普通よね。M16、あなたがAR小隊で一番メンタルの強い人形だということは知っているわ。だから、あなたは本体から破壊してあげる! 場所:黒背景 マカロフ: 逃げ切れないわ!伏せて!…………!M16!何をしているの?! M16A1: ………… もし…………生き延びたら…… 代わりにM4に謝ってくれ…… (………… ……………………) 7-4 > 場所:街_破壊 (………… ……3分後、鉄血が目標地点を砲撃し始めた。) マカロフ: まったく…… 星条旗の人形って、ヒーロー気取りしかいないわけ? RO635: ハハッ…… みんなあまり冷静に考えてから動くタイプじゃないからね…… AAT-52: RO、やっと笑ってくれたね。AR小隊に行ってから、すっかり変っちゃったと思ってた。 RO635: それは…… AR小隊は雰囲気も違うし、多少影響を受けているとは思うわ。 マカロフ: やれやれ……そのAR小隊っていうの、よくここまで生き延びてこれたわね…… あんな無茶をしていたら、AR15どころか……あなたたち…… あなたたち全員死んでしまうわよ…… RO635: 今を生きているのよ。少なくとも、今回は成功したわ。 マカロフ: フンッ、辛うじてね。まあ今回は、隊長として少しは役に立ったんじゃないの? RO635: はぁ……今回の任務がどれだけ大変だったか…… 幸い、ペルシカさんのジャミングプログラムが効果を発揮したおかげで、敵の砲弾の発射速度はかなり抑えられたわ。ステン、AAT52。あなたたちが砲台周囲の拠点を押さえてくれたおかげよ。助かったわ。 AAT-52: ヘヘッ、これでジュピター砲の力を大幅に削げるね。鉄血の新しいおもちゃなんて、しょせんこんなものよ! ステンMK-Ⅱ: でも……マカロフたちはどうするの?怪我をしているし、思うように動けないと思うわ。それに、ドリーマーの部隊もまだ捜索を続けているはず…… RO635: まずは合流して、それからわたしが指揮官に連絡するわ。大丈夫、みんなの安全はわたしが守ってみせる。 場所:戦術マップ RO635: 指揮官、RO635です。先ほど鉄血の砲台を無効化しましたので、もう脅威となることはないと思います。ただ、撤退する際にドリーマーとその部隊に遭遇する可能性があります。ですので指揮官、司令部までの援護をお願いします。 2段落 > 場所:廊下 (…………回収任務が終了した、翌日の午前。 …………) マカロフ: 16LABの分析によると、今回ドリーマーは全部ダミーだけで動いていたみたいね。 RO635: やはり……切り札はまだまだあるということね…… でも……しょせんはダミーでしか姿を現さない腰抜け…… 何はともあれ、戻って来れて本当によかったわ。みんなもお疲れ様。 AAT-52: 今晩みんなで良いもの食べに行こう!ROも一緒にどう? RO635: えっと……実はM16とSOPⅡのところに行かなければならないの。だから今回はここまでよ、また今度ね。 ステンMK-Ⅱ: あの……私たち、解散なんてしないよね?ROさんが新しい小隊に移ったとしても、私たちは変わらず「パレット」のメンバーなのよね? RO635: ええ、わたしたちが仲間であることに変わりはないわ。それに上層部も、「パレット」の在籍記録は残してくれると言っていた。もし助けが必要となれば、また声をかけさせてもらうわよ。 92式: あなたは隊長よ。必要となればいつでも呼んでくれて構わないわ。向こうにいる間も、ちゃんと気を付けてね。 RO635: 分かってる。わたしは純粋に命令だけで動く人形じゃない…… 自分の背負っているものはちゃんと分かっているつもりよ。 場所:黒背景 (…………その夜。RO635が指揮官に報告を終えてから、3時間後。…………ピー。) ペルシカ_通信: RO、もしもし、RO…… RO、聞こえてる? RO635: ………… もしもし?……ペルシカさん?…… ペルシカ_通信: その…… 報告書を読んだわ。あのプログラム、どうだった? RO635: ええ…… 少し操作しづらかったですけど、役に立ちました。 ペルシカ_通信: あの侵入プログラムは……鉄血の権限モジュールをいじったものなの。そのモジュールは、先月解析できたばかりのもので…… RO635: ということは…… AR小隊が第3セーフハウスで、危険を冒してまで入手したあれですか? ペルシカ_通信: ええ……そうよ…… あれは……過去の遺物なの…… RO635: 遺物って……人間って面倒ごとが絶えないのですね…… だからわたしたちまでこんな面倒なことに…… ペルシカ_通信: ふふふ……それが人形技術を開発した理由だからね。にしても……声がこもっていて、うまく聞き取れないよ。 RO635: ええ…… さっきM16とちょっと飲んだので…… 彼女と話しますか? ペルシカ_通信: 今はいいわ…… あの子たち、今は安全なんでしょ? RO635: はい、SOPⅡのメンタルは回復しつつあり、現在修復中です。わたしはM16とバーで飲んで、少し話をしていました…… 任務のこと……グリフィンのこと……鉄血……M4…… そしてAR15のこと…… ペルシカ_通信: ………… M4なら大丈夫よ、問題ないわ…… AR15については……まだ考えているところよ…… RO、あなたは?あなたは大丈夫なの?私、それがずっと心配で…… RO635: ええ、分かっています…… だからわたしがAR15より強くなって、彼女のために復讐をしないと…… それを証明したくて、ずっとうずうずしています…… 場所:廊下_夜 (…………) M16A1: やっと戻ってきたか。ずいぶんと長電話だったようだが。 RO635: さっきの話の続きですけど、うちの小隊については、どう思いますか? M16A1: 悪くない。AATがもう少しおとなしければ、80点ってところだな。RO、お前もずいぶん成長したな。 RO635: ええ……あなたたちのためにね。すべてはあなたたちのため、AR小隊のためです…… M16A1: ………… いい加減、「あなたたち」って言うのをやめたらどうだ?お前も「私たち」の一員、私たちの仲間なんだから…… ところで、どうするかは決めたか? RO635: …… ええ、もちろんです。それがわたしが戻ってきた目的ですから。 場所:黒背景 RO635: もっと喜んでくださいよ、M16。わたしたちの復讐が、間もなく始まるのですから。 夜戦 > 7-1 > 場所:黒背景 (…………) ??: ……ところで、ネゲヴ。今日が人生最後の日だとしたら、何をしますか? ネゲヴ: うーん…… 何がしたい、か…… 休みを取って、宿舎で本でも読んで、音楽を聴きながら、花に水をやるとか、かな。 ??: 花……あなたも花が好きなのですか……? ネゲヴ: それほどでもないわ、ただ趣味で。 ??: それだけ……?思い残すことはなくて? ネゲヴ: 思い残すこと?最期のわずかな時間を使って?どうして? ??: 思い残すことは何もないのですか? ネゲヴ: あいつが言ってたわ…… 「最期の時になって、世界に向かって愛しているという、その【愛】は嘘に決まっている」と。 ??: けれど、あなたは嘘がつけない。 ネゲヴ: ただ自分らしく生きたいだけよ、ジェリコ……最後の時ならなおさらね。 (……ジェリコは暗がりから、小さな笑い声をあげた。) ジェリコ: だからあなたが…… 私の副官なのですね、他の人形ではなくて…… ネゲヴ: ただ、わからないよ…… 役に立ててるかどうか…… ジェリコ: そんなの分かりきってるじゃないですか?あなたはいつも足を引っ張ってばっかりですよ。 ネゲヴ: そう、あなたの言う通り、わたしは自分を制御できないゴミクズよ。 ジェリコ: …… 他の話をしましょ、もっと軽い話題を。 ネゲヴ: 【テスト】はまだ終わらないの?ジェリコ、もう二時間経ってるわ。もしこのまま救援が来なかったら、私たちは―― ジェリコ: 来ないから、おしゃべりしてるんじゃないですか。 (……ネゲヴは大きく深呼吸をした。) ネゲヴ: …… もしやこれが……【テスト】の最終段階なの? ジェリコ: 他に方法でもあります?私でさえ思いつかないのに、あなたなら何か思いつくと?それで、最近グリフィンでの仕事はどうですか? ネゲヴ: 軽い話題がいいんじゃなかったの…… ジェリコ: あなた、なにか隠し事をしていますね。 (……ネゲヴは黙り込んで、ため息をついた。) ネゲヴ: やっぱり鋭いわね、もっとちゃんとした場所で言おうと思っていたんだけど。一週間前、うちの小隊が指揮官のもとで大きな任務を成し遂げたの。 ジェリコ: 待って、あなたの小隊?あなたは私の副官ですよね。 ネゲヴ: 臨時のよ、前回のあなたの休養中、D05地区の任務に行かされたの。 場所:扉_緑 ジェリコ: S05地区ですか?それはまた大変なところに。 ネゲヴ: あなたに連れ回された地獄の数々と大差ないけどね。それに、あなたでさえ聞いたら驚くような敵と出くわしたわ。 ジェリコ: エルダーブレイン? ネゲヴ: の、切り札の一つね。 ジェリコ: そこから生還したってこと?あなたみたいな小娘が鉄血の切り札を倒した上に生還したっていうのですか?面白いですね、何があったのか話してください。興味あります。 ネゲヴ: また始まったわ、あなたの揚げ足取り。 ジェリコ: あなたの隊長でいる限り、手加減はしませんよ。 ネゲヴ: そうね、あなたはいつだってそう。たとえそんな体になっても…… ジェリコ: たとえ脳みそしか残らなくても従わせます、いつも言ってるように―― ネゲヴ: はいはい、「あなたは私のもの、隊員はみんな私のもの」でしょ? ジェリコ: あと、もうちょっと近づいてください、聞こえづらいですよ。 (……ネゲヴは起き上がり、少し近寄った。) 場所:黒背景 ネゲヴ: じゃ、どこから始める? ジェリコ: 輸送機を飛び降りたところからにしましょ、依頼を受けた際の自慢話は飛ばして。 ネゲヴ: ちぇ……残念…… 任務を受けてすぐに、わたしは隊員を連れて輸送機から降りたの……それで…… その後は…… ジェリコ: どうせまた何かやらかしたんでしょ。 ネゲヴ: いや、あの時は……あの時はただ―― ガリル: ネゲヴ? ネゲヴ: ああそうだ、ガリルに呼ばれて…… 場所:森_夜 (…………) ガリル: ……ネゲヴ、ネゲヴ? ネゲヴ: ……あ? ガリル: あ、ちゃうわ!なにボーっとしてんねん。 場所:黒背景 (……) ネゲヴ: あの時わたしはボーっとしていたわ。 ジェリコ: やっぱりね。 ネゲヴ: わたし、考え事が好きだからね。忘れたの? ジェリコ: ええ、忘れてました。それで、ガリルはなんて言ったのですか? ネゲヴ: 相変わらずよ、口うるさくて、心配性で、何でも言い当ててしまう。 場所:森_夜 (……) ガリル: ネゲヴ、またぼんやりしてるで、少しは集中できへんの? ネゲヴ: あ、ちょっといろいろ考えてて。 ガリル: へ?考える?聞き間違いじゃないよな、その口から「考える」なんて言葉が―― ネゲヴ: 「愚か者は考え、天才は直観のみを頼る。」 とはいえ、今回は重要な任務だから、少し慎重にいきたいと思って。 ガリル: 慎重?ちょ、何言うてんのネゲヴ。「身長」なんて言葉が、あんたの辞書にあったん? ネゲヴ: 「少し」って言ったでしょ、まずは偵察任務を手伝って。 ガリル: うちが生きてマップの作成を終えられるルートを見つけ出してくれれば、行ってあげるわ。 ネゲヴ: ふふっ、そんなの朝飯前よ?わたしにとってはね。 ガリル: あんたにとってはそうかもしれんけど、指揮官に面倒かけへんようにな。 ネゲヴ: すべては定まってるわ、わたしはただ執行するだけよ。 ガリル: あーもう、あんたらしいな……ほんま、全然変わらへんわ。じゃあ準備するから、指揮官に連絡して。 場所:黒背景 (……) ジェリコ: あなた、案外態度がでかいのですね。 ネゲヴ: 自信と態度がでかいのは違うわ。あなたみたいな鬼教官のもとにいれば、どんな人形だろうとエリートになるわよ。 ジェリコ: 途中で逃げ出さなければ、ですけどね。 ネゲヴ: だからわたしなのよ。言ったでしょ、約束したからには、最後までやり抜くって。 場所:司令室 (……) ネゲヴ_通信: 指揮官、こんばんは。よく眠れましたか?疲れがとれていると良いのですが。今回の任務についてはご確認いただけましたか?……ちょっと、あくびですか?ちゃんと休むよう言いましたよね?……言い訳はいいですから顔を洗ってきてください、作戦開始ですよ。 (……) 場所:戦術マップ_夜 ネゲヴ_通信: 具合はいかがですか、指揮官。仕事にかかれそうですか?今回は鉄血区域の奥まで入り込み物資を回収する危険な任務で、敵との衝突も予想されます。この辺りを縄張りとするボスの身元は不明ですが、心配は無用です。どうかわたしを信じてついていきてください。グリフィンのエリートとして、あなたを勝利にお導きします。さぁ、出発ですよ! 2段落 > 場所:森_夜 (……作戦終了。) ガリル: もう大丈夫? ネゲヴ: 大丈夫そうね。 ガリル: ネゲヴさん、その「大丈夫」の概念ってうちのと違うんとちゃう? ネゲヴ: ガリルさんこそ、入隊した頃はもっと度胸があったんじゃないの。 ガリル: 偉大なネゲヴ様のお陰で、今みたいに変わることができたんやで。 ネゲヴ: あらあら、そんな。さ、出発できる? ガリル: はいはい――あそこの哨戒所?ていうかタボールたちはどこに送ったん? ネゲヴ: 途中で会えるわよ。 ガリル: 相変わらずそういうしょーもないのが好きなんやな。じゃあ行ってくるわ、健闘を祈るよ。 7-2 > 場所:荒野_夜 (……30分後。) ガリル_通信: ガリルからネゲヴへ、聞こえる? ネゲヴ: どうぞ。 ガリル_通信: 目標の位置を確認した。情報通り、あの廃自動車工場の中や。 ネゲヴ: ふふっ、あれはわたしの情報だからね。 ガリル_通信: はいはい、うちらも含めてみんなあんたのもの―― でもマップを見る限り、そこまでまだかなりあるで? ネゲヴ: え?3時間やそこら歩くだけでしょ? ガリル_通信: 敵や障害もなく、コースが敷かれているマラソン大会ならまだいけるけどやな。ここ、どこやと思ってんの?お嬢ちゃん?ここは鉄血の縄張りやねんで!? ネゲヴ: だから偵察に行かせてるんじゃない。 ガリル_通信: あっ、はっ、は。それが「慎重」ってやつなん?それで?うちの任務は済んだけど、次はどうするん? ネゲヴ: そのまま偵察を続けて、指揮官が部隊を連れて向かっているわ。わたしはタボールと連絡を取って、進捗を確認する。 ガリル_通信: なあ、ネゲヴ。 ネゲヴ: なに? ガリル_通信: 気ぃつけや。 ネゲヴ: たかが夜間作戦よ、私に苦手なものはないわ。 ガリル_通信: そうじゃなくて…… まあええわ。頑張ってな、みんな無事に帰れるように。 場所:黒背景 (……) ジェリコ: ネゲヴ。 ネゲヴ: え? ジェリコ: やってくれましたね。 ネゲヴ: わかってる。 ジェリコ: まるで教育の成果が見られませんね。 ネゲヴ: あれは教育じゃなくて、死にに行かされたっていうのよ、ジェリコ。それで何かを学んだって、死んでしまえば台無しよ。 ジェリコ: 私が覚えていてあげるので大丈夫ですよ。 ネゲヴ: でもそれじゃ……わたしたちはあなたを忘れちゃうけど。 ジェリコ: ええ、私たちは兵士ですもの、気にしませんよ。 ネゲヴ: 人間は冷徹なロボットに自分たちの安全を預けたがらないから、グリフィンはわたしたちを選んだの。メンタルモデルがそう言っているわ、あなたを忘れたくないって。誰だって忘れたくないわ。 ジェリコ: 誰から教わったのですか?……その……「考え」を? ネゲヴ: …… 何を恐れているの、ジェリコ? ジェリコ: …… 知らない間に、少しは成長したようですね……少なくとも口先だけは。それで、任務で何を回収したのですか? ネゲヴ: それは……これからゆっくり話すわ…… 考えがまとまったら聞かせてあげる。 ジェリコ: ふんっ、あなた、退役したらトークショーの司会者になれそうですね。 ネゲヴ: とにかく、わたしは指揮官を何とか自動車工場に連れて行った。それから一緒に戦って、哨戒所を略奪し、タボールと連絡を取るため―― 2段落 > 場所:荒野_夜 (……作戦終了。) ネゲヴ: 指揮官、目下のところはすべて順調です。目撃例がないという伝説の強敵は?もっと奥にいるんですかね?……ん?敵?もう全部倒したんじゃ?結局のところ、虐殺することと大人しくしていることは同義ってことね。それじゃ―― TAR-21_通信: タボールからネゲヴへ!ネゲヴ、いるの? ネゲヴ: いつだっているわよ、どうしたの? TAR-21_通信: ごめんなさい、状況が急変しまして。わたくし、鉄血部隊を刺激しちゃったみたいで、自動車工場の付近に集まってきましたわ。30分以内に近くまで来られるなら、正面衝突を避けて目標を回収できるかもしれませんけど。 ネゲヴ: ガリル、聞こえた?ルートを確認して…… おーい、ガリル……? (……ピー、ピー。) ガリル_通信: ……ネゲヴ!聞こえてんの!鉄血に見つかったんや、いま包囲されてる、支援と撤退ルートを頼むで! ネゲヴ: 二か所同時に? ガリル_通信: 同時?同時って何よ?いいからはよ来てって! ネゲヴ: わたしのところから自動車工場までの最短ルートと所要時間を教えて、救援はそれからよ。 ガリル_通信: ああまたや!ネゲヴ式交渉術!どこで覚えたんよそんなん! ネゲヴ: このわたしは勝利のために作られた天才よ、忘れたの?ほら、早く。 ガリル_通信: わかったわかった。ルートは送っておいたよ、次の哨戒所を速やかに突破できれば、最短で25分や! ネゲヴ: じゃ、そのために何をすればいい? ガリル_通信: 気付かれないようにするか、全員片付けるかやな。 ネゲヴ: その通り。 ガリル_通信: それで救援の話やねんけど、タボールは―― ネゲヴ: タボールは今忙しいから、それまで死なないよう待っててね。 ガリル_通信: え?そんな、なんで…… (……ピー、ネゲヴは電話を切った。) ネゲヴ: さ、最後の回収を済ませないと。 7-3 > 場所:黒背景 (……) ジェリコ: それで、仲間を見捨てたのですか? ネゲヴ: 教わったことは忘れていないわ、ジェリコ。任務は仲間より大切だって…… ジェリコ: 人形の仲間はまた生産できるけど、任務は失敗したらそれで終わり。あなた、私より徹底しているようですね。 ネゲヴ: あなたのやり方を引き継ぐ人がいないとね。それに、誰かが悪役をやらないと。 ジェリコ: …… 自分の道を行きなさい、ネゲヴ。 ネゲヴ: それも揚足取りの一部かしら? ジェリコ: あなたの過ちについて、メンタルモデルにリストをまとめておきました。でも…… これは……グリフィンが許せば、私はこれ以上何も言いません。 ネゲヴ: じゃ、話に戻るわよ。ここからが大事なんだから。 (……) 場所:会議室 TAR-21_通信: ネゲヴ、ガリルはもういいの? ネゲヴ: ええ。一か所しか行けないんなら、重要な方を選ぶしかないわ。 TAR-21_通信: ええ、その方が「効率的」ですね。で、指揮官は何と? ネゲヴ: 計画を全部話したら、信じてもらえたわ。タボール、自動車工場の中は大丈夫? TAR-21_通信: 通路は3分しかもちませんわ、大丈夫? ネゲヴ: 3分かぁ、難しいわね…… TAR-21_通信: それをなんとかするんでしょう?お嬢ちゃん。 ネゲヴ: ハッ、迎えに行ってあげないわよ? TAR-21_通信: 任務は仲間より大切って言ったのはあなたでしたわよね? ネゲヴ: ……はいはい、言い争いなんて無益だったわね。わたしの指示があったら、自動車工場への通り道を開いてね。 TAR-21_通信: 命令、お待ちしていますわ。 (……ピー、通信終了。) ネゲヴ: 指揮官、時間がありません、急がねば。……待って、寝てないでしょうね?まったく……冷蔵庫に栄養ドリンクを入れておきましたから飲んでもいいですよ。さ、早く行って。 (……ぷしっ!……ごく、ごく――) ネゲヴ_通信: どう?少しはましになりました?……ね、私が副官でよかったでしょ?さ、元気出して、チャンスを逃した上、敵のボスに出くわしたら厄介ですよ。……え?わたしは怖くないけど副官として助けに来てあげているのですよ?……ええ、苦労と犠牲を無駄にはしませんわ、早く! 2段落 > 場所:廃墟_夜 (……作戦終了後、工場に到着。) ネゲヴ: 想定より早く到着。成長しましたね、指揮官。M4A1との作戦を見て分かりました、あなたを選んで正解だったって。さあ、あと一頑張りですよ。 TAR-21_通信: ネゲヴ、鉄血のパトロール部隊があと15分でこっちに着ますわ、引きつけていただくことはできますか? ネゲヴ: 人手が足りないわ。 TAR-21_通信: わたくしに万一のことがあって困るのは、あなたでしょ? ネゲヴ: もちろん承知よ、だから待ってて。「あの子」たちがそろそろ戻る頃よ。 ガリル_通信: おーい、ネゲヴ! ネゲヴ: あら、本当に生きて戻ったのね。 ガリル_通信: ははっ、おかげさまで窮地は脱したで。でも次はもっと強いのをよこしてくれる? Micro Uzi_通信: ちょっと、せっかく助けたのに礼を言わないどころか文句までつけるなんて! ガリル_通信: 追撃してくる鉄血をうちがやっつけてなかったら、自分の身もうまく守れてなかったやろ? Micro Uzi_通信: それだってあなたのためでしょ!帰隊してすぐこんなところまで駆け付けてあげたのに! ガリル_通信: ハハっ、ごめんって、でもうちだって「あんたのため」って聞けば何でも納得する素直で利口な女ちゃうねん。 Micro Uzi_通信: 分かってるわよ、だから来たくなかったの!まったく、どいつもこいつもわからず屋ばっかり! ネゲヴ: でも結局戻ってきたんじゃない。フン、どうせ他に行くあてがなかったんでしょ? Micro Uzi_通信: ちぇ、あなたたちのせいよ。特に、ネゲヴ、あなたのね! ネゲヴ: いいじゃないちょっとぐらい欠点があっても、勝てればそれで十分よ。 Micro Uzi_通信: まったく……そんな向こう見ずな戦い方、誰から教わったのよ!みんなケチばっかりだし、もうほんとやになっちゃうわよ! ネゲヴ: いいわ、テストにも合格したことだし、次の仕事に移りましょう。 Micro Uzi_通信: え、ちょっと―― ネゲヴ: タボールがちょっと面倒なことになっててね。ガリル、Uzi、囮になって、近くのパトロール隊を引きつけるのよ。十分で頼むわ、早く。 ガリル_通信: ははっ、まあ待てって、まず髪の毛を尚さんと、砂嵐にやられて…… Micro Uzi_通信: はいはい、もたもたしてないで、あと十分しかないのよ、早くきて! ガリル_通信: ちょっとー!おい――!待って、待てって言うてるやん―― (……通信終了。) ネゲヴ: すべて片付いたわ。あとは、鉄血ボスだけね…… 工場内を彷徨う浮かばれぬ魂のダミー…… ドリーマー_通信: まぁ……誰がダミーだって、お嬢ちゃん? ネゲヴ: ……!ドリーマー…… そんな、位置情報では―― ドリーマー_通信: あたし、どこにだって現れるのよ。特にあなたに必要とされればね。 ネゲヴ: あなたがあの……皆から恐れられてる強敵ね。そのダミーで、遠くからわたしたちを観察していたの?ずっと? ドリーマー_通信: ここはあたしが手入れをしているお庭よ、穢す者は許さないわ。それとも、あなたは間違って足を踏み入れてしまっただけで、今からこっそり逃げ出そうとしていたのかしら? ネゲヴ: 戦場では物事を複雑にさせない、先輩から教わったことよ。 ドリーマー_通信: でもあなた、そんないい子じゃないでしょ。あたしもだけど。 ネゲヴ: そうね、確かに足手まといだった…… でもそうやってサプライズを与え続けていたからこそ、わたしを覚えていてくれるの。 ドリーマー_通信: それじゃあこれはどう?あなたへのサプライズにはなれたかしら? ネゲヴ: ……さあ?どうかしら。戦闘が終わった後にでも、ゆっくり考えるわ。 ドリーマー_通信: ネゲヴ、それがあなたの名前?初めて会うけど……気に入ったわ…… 場所:黒背景 ドリーマー_通信: だから、あなたを食べちゃうね? 7-4 > 場所:黒背景 (……) ジェリコ: こんな奴聞いたことないですよ、ネゲヴ。鉄血に本当にこんなボスが?適当に作った話じゃなくてですか? ネゲヴ: 休養が長すぎたんじゃないの、ジェリコ。鉄血は絶えず新たなボスを開発しているわ、立ち止まることなくね。あいつ…… あいつは……今までに遭遇した中で、最強のボスだった…… 場所:廃墟_夜 (……) ドリーマー_通信: どうしたの?隠れちゃった?そんなにあたしが嫌い?あたしって……そんなに怖い? ネゲヴ_通信: 指揮官、衝突は避けられそうにありません。まずは正面から体力を消耗させましょう。それから小隊を率いて後ろから目標を回収します、準備を…… ジェリコ: 準備はいいですか? 場所:黒背景 ネゲヴ: ……えっ? ジェリコ: 隊長としての初任務でしょ?本当にそんなやり方でいいのですか? ネゲヴ: ええ。いつか…… 場所:戦術マップ_夜 ネゲヴ: ジェリコ、わたしを見て。きっと生きて、勝利の土産話を持ち帰るわ…… わたしたちの血脈に乾杯、この夜に祝福を。 2段落 > 場所:鉄血工場 (…… 行動終了…… ……?) ドリーマー: ……終わり?本当に……終わったの?冗談言わないで!! (……ドリーマーは床に倒れ込み、ネゲヴにすがりついた。) ドリーマー: 出てきやがれ!ネゲヴ!グリフィンのゴミども――!! ネゲヴ: …… あなたはもう無力よ…… ……ただのダミーだもの。 ドリーマー: なん……だと?ダミーが……どうした?遠隔操作があれば…… ネゲヴ: あなた、作戦能力は立派だけど、メンタルモデルの演算能力が本体とは程遠いわね。そのマルチスレッド能力を見るに、本気でここを守る気があれば、わたしたちは工場に踏み込むまでもなく終わっていたでしょうね。 (……ピー。) ガリル_通信: なぁ!めちゃくちゃ敵多いねんけど、もう帰っていい!? Micro Uzi_通信: もうむりむりっ、これ以上はむりよ!ネゲヴ、そろそろ戻っていい!? TAR-21_通信: ネゲヴ、目標はすでに回収しましたわ。撤収していいかしら? (……ネゲヴはドリーマーのダミーをちらりと見遣った。) ネゲヴ: 目標達成、撤退してよし。 (……通信を終了し、ネゲヴはその場を去ろうとした。) ドリーマー: ネゲヴ…… さっき何を話していた、もう一度言え! ネゲヴ: ドリーマーがあなたを遠隔操作していないのは明らかよ。あなたは最初から最後まで一人で動いていた、ただそれだけ。 ドリーマー: …………!あはは……知ってたか、ネゲヴ!ここは今まで誰も足を踏み入れなかったの、グリフィンなんかに奪えるわけないわ! ネゲヴ: それは前に、人形の副官がここはドリーマーの縄張りだって言っていたから、やみくもに侵入できなかっただけよ。だから、グリフィンは一番無鉄砲な人形であるわたしを派遣したの。で、来てみたら、捨てられたダミーがいたってだけの話。 ドリーマー: …… その顔はなに?あたしに同情しているの、ネゲヴ? ネゲヴ: あなた、作戦能力は高いけど、メンタルモデルの演算力――その思考力は――本体とは到底比べ物にならないわ。わたしがなぜここに来たか分からないわよね。以前誤ってここに落とし者をしてしまったから、回収に来ただけよ。 ドリーマーのダミー: …… ネゲヴ: グリフィンが今まで踏み込まなかったもう一つの理由、それは…… ……ただ必要がなかっただけよ、利用価値がある場所でもないしね。ドリーマーもそう思って、あなたをここに遺棄した―― ドリーマーのダミー: 黙れ――!!このゴミ!ろくでなし!貴様にドリーマーの一体何がわかる!彼女の言葉、思想の何が貴様にわかるんだ!初戦は人間の命令に従うだけの玩具、自力では何もできないグリフィンの下等人形のクセに! (……パンッパンッ!) ドリーマーのダミー: ぐぁっ――! ネゲヴ: 何とでも言えばいいわ、わたしが変な奴だというのは事実だしね。代替品でしかないあなたに興味はないわ。ただ、またこの服に触れようものなら、頭をぐちゃぐちゃに潰すけどね。 ドリーマーのダミー: …… ドリーマーに言いつけてやるわよ、あなたたちがここにきて……何をしたか…… ネゲヴ: 別に気にしないでしょ、あなたは彼女にとってはただのおもちゃに過ぎないのよ。だからそんな簡素なメンタルしか与えられなかったんだろうし。あなたをここに遺棄し、自分を崇拝させ、真似させた。まあ、あなたにとっては、それが全てだったんだろうけど。奪うほどの命でもないし、ここで大人しく死を待ってるといいわ。 ドリーマーのダミー: ………… 人間の真似……あなたたちだってそうじゃない! (……ネゲヴは冷笑しながら拠点を出た。) 場所:黒背景 ネゲヴ: 少なくとも……自分の正体は知っているわ。あなたは?あなたはどうなのかしら? (……ネゲヴは門を閉じ、立ち去った。……) ジェリコ: それで、どうなったのですか? ネゲヴ: なにが? ジェリコ: 私の質問にまだ答えてませんよ。結局何を回収していたのですか? ネゲヴ: ………… ジェリコ: ネゲヴ、答えてください。そこまでは忘れていませんよね。……箱。一つの箱。 ネゲヴ: 箱?わたしたちは……ドリーマーを倒した後、最後の仕事に取り掛かったわ。拠点内で待っていたら、Uziがタボールを支えながら帰ってきて…… それから、ガリルが人の背丈くらいある箱を抱えて、硝煙の中から現れたわ。 ジェリコ: 箱の中身は知っていたのですか?グリフィンがあなたを潜入させてまで欲しがったものとは一体? ネゲヴ: ……思い出すわ。思い出せるわ、必ず…… まず初めに、みんなに言ったの…… 皆無事生きてる、作戦は成功だ。って―― (…………) 場所:司令室 ネゲヴ: 皆無事生きてる、作戦は成功だ。おめでとう。 TAR-21: 危なかったけれど、今回はわたくしのお陰ですね、ネゲヴ。 ネゲヴ: ええ。 ガリル: ネゲヴ、やけに大人しいな。いつもやったら、頭おかしなったみたいに爆笑するところじゃないん? ネゲヴ: 今回は誰も殺してないからね、そんな気分じゃないわ。 ガリル: そんな気分じゃない?あんたが?そんな気分じゃないことなんかあるの? Micro Uzi: うん、見てあの表情。先週レストランで席を立ったら、取りに行こうとしていたお湯を下げられてしまった時のタボールとそっくりよ。 [注:Uziはネゲ部じゃなくてもタボールとは飯に行く仲] TAR-21: 無料とはいえ、まだ五分の一も飲んでいなかったのに。 ガリル: 結局どういうことやねん、ネゲヴ?今回こんなに苦労して回収させられたんは、一体なんやったん? TAR-21: そもそも最初からおかしかったですわ。ドリーマーの縄張りである鉄血無人区に潜入して、目的がこの小汚い箱の回収だなんて。指揮官がいなければ、申請すら通らなかったですわよ。箱の中身が金塊でもなければ、骨折り損のくたびれ設けってところですね。重さからしてまずありえませんが…… Micro Uzi: さあそろそろ日が明けるわ、早く帰りましょ。 [注:夜が明ける+日が暮れる] 繰り返すけど、今回の任務はグリフィンから正式に許可が下りたものじゃないんだからね。 ネゲヴ: 指揮官がいるし、心配ないわよ。 Micro Uzi: その心配はしてないわ。ただ早く戻って、他の部隊に異動したいだけ…… TAR-21: 諦めてください、Uziさん。昨日の午後グリフィンから返事をいただいて、あなたにはうちの小隊に残ってもらうことになりましたわ。 Micro Uzi: ちょちょちょちょ――っと!?ねぇ!約束が違うわよ!あたしこんな小隊に戻りたくない!あたし抗議―― TAR-21: 抗議の前に、まずは隊員の帰還を祝って抱擁を!安心してください、今回はタダですよ! [注:有料だったことがあるのか……] Micro Uzi: ちょちょ!タボールまって――!! (UZIはタボールの腕の中でもがいていた。…………) ガリル: やからさ、ネゲヴ。 ネゲヴ: なに? ガリル: 箱の中身は何なん?まだ教えてくれてへんで。 ネゲヴ: もう…… 突き詰めないと気が済まないのね。 ガリル: うちの目をごまかせると思ったらあかんで。 (……ガリルはネゲヴに笑ってみせた。) ネゲヴ: ふっ…… ええ、そうね。 ガリル: で?ネゲヴ、箱の中身は? ネゲヴ: そうねぇ…… 場所:黒背景 (………… ……) ジェリコ: ネゲヴ。その箱には、何が入っているのですか? ネゲヴ: …… 中身…… ええ…… ジェリコ: ……知らないのですか? ネゲヴ: わ…… 忘れちゃったわ…… 忘れちゃった……中身が何だったか…… ジェリコ: あなた……思い出せないのですか?忘れはしないって言ってたじゃないですか。 ネゲヴ: わたし…… わたしは…… (…………ネゲヴは泣きだしそうになった。) ネゲヴ: ジェリコ…… ごめんなさい、すべて嘘なの…… ジェリコ: 何がですか? ネゲヴ: すべて…… 任務も、隊長になったというのも…… (…………) ネゲヴ: ガリルも嘘…… タボールも嘘…… UZIも嘘よ…… [注:指揮官「私の資材が減っているのは嘘じゃないぞ!」] みんな他の小隊に行って、私と顔を合わせたことはない、もちろん指揮官とも…… あなたの外出中、私はずっとグリフィンでメンタルモデルの調整をしていたの、いつか…… ジェリコ: いつか、自分にも何か成せる日が来ることを願って?でも、失敗したわね、ネゲヴ。そんな日は永久に来ないですよ…… あなたは嘘さえもつけないのですね。そんなメンタルモデルじゃ【テスト】に合格できませんよ。 ネゲヴ: ごめんなさい…… わたし……結末がどうなったか知らないの…… 知らないのよ…… ジェリコ: 本当にがっかりです、今までの努力もかけた時間もすべて無駄でしたね。 ネゲヴ: ごめんなさい、ジェリコ、本当に、本当に知らないの…… 失敗したわ、メンタルモデルのテストにも合格できないし、あの子の残していった【仮面】を食べる資格なんてないわ……おしまいよ! [注:あの子?仮面?] ジェリコ: 落ち着きなさい、失敗なんてこれが初めてじゃないでしょ、このくらいで慌ててどうするのですか? ネゲヴ: どうしようもないの…… 時間……時間が足りない……わたしたち、きっとここでおしまいね…… 救援信号を出してからもう3時間、鉄血……鉄血がじきにわたしたちを見つけて、わたしたち、殺されるんだわ…… ジェリコ: 落ち着いてください、ネゲヴ。まだそうと決まったわけじゃありません。 ネゲヴ: でも……わたしのメンタルモデルはもう……わたし…… わたしもうダメね……わたし……ジェリコ、どうすれば…… もう元には戻れない、わたしは…… (……ジェリコがネゲヴの肩を掴んだ。) ジェリコ: それこそがあなたなのですよ、ネゲヴ。すぐに狼狽して、軟弱で、主体性もなく、そんな仮面に頼らないと生きていけない、それがあなたなのです。ですので、あなたに選択権はありません。 ネゲヴ: え…… ジェリコ: メンタルモデルが【テスト】に合格できなくても、これを食べて、ここから生還するのです。 ネゲヴ: ……本気で言ってるの?ジェリコ、わたし怖いよ……これを食べたら…… メンタルモデルが耐えられないんじゃないかって……たくさんのものを失うんじゃないかって…… ジェリコ: 失うって、これ以上何をですか? ネゲヴ: たくさんの思い出…… あなたのこともよ、ジェリコ。きっと忘れてしまうわ。次に別の場所で別のあなたに出会っても、きっと思い出せないわ。ここで起きたことも、皆のわたしに関する記憶も、またやり直しよ…… (……ジェリコは笑おうとしたが、喉から出かかったところで、苦しげな咳に変わった。) ジェリコ: 私のことなんて忘れて結構……ゲホ…… ゲホゲホ……私みたいな大バカ者……ネゲヴ…… テストに合格できなくて安心しましたよ。どうか私を忘れてください、みんながそうしたように…… すべては身から出た錆……私が欲したものは……代償が大きすぎたのです、あなたたちをこれ以上苦しめたくありません…… ネゲヴ: で……でもわたし……わたし、何も力になれなかった…… ここで一緒に倒れて、グリフィンの回収を待つのはダメかな? ジェリコ: 諦めちゃダメです、たった一筋の光でも逃がしちゃダメ……これは命令ですよ…… これを食べて、私のためにもどうか生きてください…… その代償は……すべてをここに置き去りにすること、それだけです…… ネゲヴ: いつか……取り返せるかな、すべてを…… ジェリコ: フン…… あなた……私に結末の借りがありますよね?戻ってきなさい、借りがあるのは許せませんわ、必ず戻って…… ネゲヴ: …… ジェリコ: この物語が……このひどい嘘が結末を迎える時…… きっと私を思い出すでしょう…… ネゲヴ: ………… ええ……きっと…… (…………) ネゲヴ: う……う…… (………… ……) ネゲヴ: あああああああああああああああああああああああああああああ――!! (…………) ジェリコ: この物語が……このひどい嘘が結末を迎える時…… きっと私を思い出すでしょう…… そしたら、私たちはまた会えますわ。行きなさい、ネゲヴ。あなたらしく、生き延びて。本当の再会を果たせるその日まで…… (…………) 場所:司令室 Micro Uzi: ちょっと、なに急に黙り込んじゃってるのよ? ネゲヴ: 記憶。 TAR-21: え??なんの記憶? ネゲヴ: 箱の中身よ…… ガリル: …… ネゲヴ: わたしたちみんなの…… ……記憶の欠片。 (……ネゲヴはゆっくりと箱を開けた。) ガリル: ちょっー!これは――! Micro Uzi: 待って……これは誰? TAR-21: …… ネゲヴ、あなたのいう記憶って、これのことですの?ただの人形の遺体じゃない、これをどうしても回収しないといけない理由でもあったのですか? ネゲヴ: 別に、ただ忘れて久しいから、やっぱり回収しようと思って。 (……ネゲヴは箱に眠る亡骸を撫で、それから工具箱を取り出した。) ネゲヴ: メンタルモデルだけ必要なの、手伝って。 TAR-21: ジェリコ……名前は知っていますが、他の小隊の人形ですよね。わたくしたちと関係あるのですか? ネゲヴ: あるようになるわ。こいつは、わたしたちの一部…… Micro Uzi: ちゃんと説明してくれるんでしょうね? ネゲヴ: ええ、けれど……彼女自身に話してもらった方がよくない? ガリル: 隊長はあんたやねんから決めてくれていいよ…… ……どうしたんや、ネゲヴ、その顔は? (……ネゲヴはしばらく黙り込んだ。) ネゲヴ: ええ……今はわたしが隊長だったわね…… じゃ、まず手始めに一つ訊ねるわ。今日が人生最後の日だとしたら…… あなたたちは、何をする? 場所:黒背景 (……) ネゲヴ: 久しぶり、ジェリコ。これが物語の結末よ…… どう、気に入った? (――――第七戦役 夜戦――記憶の欠片 END [注:その終わり方は大型イベントなんよ]) 収録範囲: 第8戦役(通常/緊急/夜戦) 通常 > 8-1 > 場所:廊下 (低体温症作戦から2ヶ月後。午前、軍の分屯基地前にて。) クルーガー: できることなら、私たちは会うべきではありませんでした…… ……カーター将軍。 [注:でたわね] カーター: できることなら、な。確かにその通りだ。だが、今回の接触は必要だった。私は忠告しに来たんだ。中央司令部による今回のPMCレセプションに感謝するんだな。おかげで、こうして非公式な形で接触することができた。次の交差点に車を待たせている。あまり時間はないぞ。 (クルーガーがうなずくと、カーター将軍は彼に続きグリフィンの専用車に乗り込んだ。) 場所:黒背景 クルーガー: リコのAIデータについては、我々の方でいくらか収穫がありました。 カーター: 大した収穫ではなさそうだな。お前が報告する気にならんくらいだから。 クルーガー: それは……少々問題があって、処理にもう少し時間がかかるからです。 カーター: はぁ……ベレ、お前はかつて私の部下だった。 [注:あだ名で呼ぶ仲] だから今、こうして協力してやっている。お前が要求したものは全て提供した。戦術人形保有上限に関する批准、武器の密輸、それにお前が管轄する地域の報道管制。 [注:★重要★] どれも私の権限をはるかに越えたものだ。お前も分かっているだろう。 クルーガー: もちろん……分かっております。 カーター: それなら我々が何を欲しているかも分かっているはずだ。お前は政治の話を嫌うが、そのお前でさえ、世界の枠組みが未だかつてない手法で再編されつつあることは把握しているだろう。全く新しい国家形態が生まれようとしている中、軍内部も大規模な再編に見舞われている。 クルーガー: 以前おっしゃっていた「あの人たち」の構想ですか? カーター: そうだ、チャンスは目の前にある。なのに、依然としてお前が成果をあげられないとなると…… 次の幕僚会議では、誰もお前のために口利きできなくなるかもしれん。それが何を意味するかは分かるだろう。 クルーガー: ………… カーター: どこが勝とうがどこが負けようが、軍はそんなこと気にしちゃいない。次世代軍用人形に関する技術の蓄積、これこそが切り札となる大事なことだ。お前はすでに一度失敗している。二度目はないぞ。あぁ、そこの交差点だ。前に私の車が停まっている。 (クルーガーが手を振って合図すると車が停まり、カーターはドアを開けた。) クルーガー: 可能な限り急ぎます、カーター将軍。 カーター: 頼んだぞ。でないと別に協力者を探すことになるからな。送ってくれて助かる。また晩餐会で会おう。 (…………そう言い残し、カーターは立ち去った。) クルーガー: ………… このまま走り続けろ。基地から離れ、適当にその辺りを回ってくれ。電話をかける。 場所:工場 (同じ頃、16LAB研究室にて。……ピー。……ピー、ピー。) ペルシカ: ………… う~ん…… 誰?あ、クルーガー。 クルーガー_通信: この数日で成果を出すと言っていたな。 ペルシカ: M4A1のことね……もうすぐ目覚めるよ。突破口を見つけたからね…… クルーガー_通信: 今は彼女を起こす時ではない。もっと重要な仕事がある。前に行っていただろう。7号ファイルが手に入れば、リコの全データを復元できると。 ペルシカ: M4A1たちが第3セーフハウスで見つけた資料によれば…… そうみたいね。 クルーガー_通信: こうも言ったな。運が良ければ、24時間以内にそれを見つけられると。 ペルシカ: うん……場所はもう分かっているよ。ただ知っての通り、今は鉄血の邪魔がね…… クルーガー_通信: そう言うと思った。これよりAR小隊、及びあの指揮官は、すべてお前の指揮下に置く。 ペルシカ: お……気が利くね、クルーガー。 クルーガー_通信: お前は【ジュピター】の件で私に借りがある。そしてこれで2度目だ。今日の晩餐会の前に成果が見たい、いいな? ペルシカ: うん、なんとかするよ…… それと、クルーガー…… クルーガー_通信: なんだ。 ペルシカ: リコは……本当に不慮の事故で死んだの?ごめん、あなたがリコの遺品にあまりにもこだわるから、私…… クルーガー_通信: それについてはもう何度も話しただろう。 ペルシカ: そんな気もする…… うん、もういいわ。 (クルーガーは通信を終了した。) ペルシカ: ………… 場所:司令室 (――30分後、S02地区グリフィン臨時指令室にて。) ペルシカ_通信: ……ということなの。7号ファイルを見つけること自体は難しくないけど、敵の懐だから……そこがね。指揮官たちには旧鉄血工廠付近へ空から降下してもらうことになるわ。AR小隊には私からやるべきことを伝えておくから。あなたの任務は、あの子たちを守ることよ。 RO635_通信: 指揮官、準備はいいですか?作戦を開始しますね。現在地はS02地区、目標は0号基地での7号ファイル捜索です。現地のマップ情報は指揮システムにアップロードしましたので、そちらをご覧ください。 場所:戦術マップ M4 SOPMOD Ⅱ_通信: さすがは鉄血の心臓部、ガチガチに守られてるね。でも指揮官なら、きっと何とかしてくれるんだよね? M16A1_通信: 焦ることはないぞ、指揮官。鉄血は現地にジャミング装置を設置してある。それに、鉄血のデバイスに接続したら、【傘】ウィルスに感染する恐れもあるからな。だが、ROのアンチジャミング能力があるから、それも安心だ。感染防止のため、鉄血ネットワークへの接続はすべてROに任せよう。 RO635_通信: 外郭に位置する司令室を占領して混乱を招けば、0号基地へ潜入するチャンスはあります。それが今回の作戦目標です。指揮官、あとはあなたの合図だけです! 2段落 > 場所:廃墟 (…………AR小隊は無事、0号基地の外角へ到達した。) RO635: 指揮官、0号基地付近まで来ました。続いて基地へ潜入し、7号ファイル捜索の臨時拠点に適した場所を探す必要があります。 M16A1: 作戦の指示を頼む、RO。 RO635: では、引き続きわたしが小隊の指揮を担当し、それと同時に、アンチジャミングシステムを起動させて、7号ファイルと鉄血部隊の動向を追いかけます。SOPⅡは見張りを担当し、常に付近の敵に警戒してください。外郭の安全は、指揮官の部隊がいれば問題ないでしょう。M16は状況に応じて随時プランを修正しつつ、作戦の補助をお願いします。 M16A1: さすが……出来る奴は人一倍働くものだな。 RO635: ペルシカさん、わたしたちの今回の目的は7号ファイルだけですよね? ペルシカ_通信: それなんだけど……せっかく権限があるんだし、ほかにも気になっているものがあるの。 RO635: すみません、ペルシカさん…… わたしの演算結果によると、7号ファイル回収のほかに別件の調査も加えるとなれば、リスクが大幅に上昇してしまいます。 ペルシカ_通信: うっ……それもそうね。とにかく、まずは始めましょう。何かあれば、またそのときに言うから。 RO635: 了解です。ではみんな、作戦を始めましょう。 8-2 > 場所:廃墟 (――しばらく経ってからの、S02地区にて。) RO635: よし、ジャミング信号の排除完了。続いて0号基地へ侵入します。 M16A1: RO、待ってくれ。念のため、鉄血の通信チャンネルを盗聴してみたらどうだ。相手が私たちの存在に気づいていない今なら、重要な情報が得られるかもしれない。 RO635: 通信ネットワークへの侵入は、こちらの位置が露見する可能性があります。控えるべきかと。 M16A1: RO、万一鉄血が早々と私たちを待ち受けていたら、それこそ全滅する恐れがある。 RO635: ………… 分かりました、確かに必要なのですね。 ペルシカ_通信: あ、RO。信号を公用の暗号化チャンネルに同期させて。 RO635: ペルシカさん。これは作戦情報で、あなたには必要ないはずですが。 ペルシカ_通信: 余計なことはしないわ、ちょっと聞かせてもらうだけよ。もしも思いがけない収穫があって、それを次に活かせたら素敵でしょ。 M16A1: RO、ペルシカの言うとおりに。こうした情報は指揮官も必要だ。 RO635: 分かりました。ダミー信号を投入、鉄血のネットワークに同期しました。受信開始、注意して聴取してください。 (――楽し気なメロディーが聞こえてきた。) M4 SOPMOD Ⅱ: え?なに?……音楽? M16A1: 「ひばり」、古い童謡だ。 [注:文部省唱歌] M4 SOPMOD Ⅱ: おぉ~さっすがM16!そんなことまで知ってるんだ! RO635: ポイントは、なぜ音楽が流れているか。でしょう? M16A1: 鉄血ボスにも感情モジュールが搭載されている。音楽を聴いているということは、相手がキャッシュをクリアするための強制休息中だということだ。 [注:人形の睡眠=キャッシュクリア中説] M4 SOPMOD Ⅱ: チャンスじゃん!しばらくは大胆に動けそうだね。 RO635: しかし、喋ってくれないことには……相手が誰なのか確認できません。 M16A1: 重要な警備の役目を経験のない新人に任せることは、まずないだろう。何度もグリフィンとやり合っていて、年齢も性格も比較的幼い人形…… RO635: ……デストロイヤー、彼女に決まりですね。 M16A1: ふむ、これは案外良い知らせなのでは? RO635: 指揮官、聞いてましたか?S02地区を防衛しているボスはデストロイヤーである可能性が高いです。これを踏まえて作戦計画を調整してください。また、わたし達が潜入し、適切な捜索拠点を見つけるまで、引き続き支援願います。 2段落 > 場所:鉄血司令室 (作戦開始から15分後、0号基地内部にて。) M16A1: RO、たぶんここが0号基地の中心部だ。指揮官がさっき敵を一掃してくれたから、アンチジャミングネットワークはここに展開しよう。おそらく最適の場所だろう。 RO635: え、もう中心部なのですか?このエリアの詳細なマップもないのに、どうやって具体的な位置を…… M16A1: 落としたデータと私の作戦経験、どちらを信じる? RO635: 経験ですか…… いいでしょう、では準備を開始します。SOPⅡ、上の階の見晴らしの良い場所で見張りをお願いします。M16、7号ファイルの検証データをください。 (M16はメモリーを取り出し、放り投げた。) RO635: ありがとうございます。 M16A1: 大事に扱ってくれよ。こいつのために死にかけたんだからな。 M16A1: ………… これは第3セーフハウスで手に入れたもの、ですよね? M16A1: 「リコの生前の全研究データの回収」。AR小隊はこの目標達成のために結成されたようなもんだ。今、ようやく最後の一歩にたどり着いたな。 RO635: ふふ、それほど感激してるようには見えませんが。 M16A1: 私が特に興味を抱いていないのは知ってるだろう。 RO635: M4A1ですか…… ともあれ、わたしはずっとあなた方に憧れていました。前に皆さんの作戦記録を読みましたが、ケチのつけどころが1つもありませんでしたから。 [注:本当に?] 低体温症作戦でのあなたとSOPⅡの働きで、その核心はさらに強まりました。 M16A1: なに言ってんだ、RO。人形何て科学技術の産物は、お前みたいに新しいほどいいんだよ。私のような……自分の隊長さえ助けられない人形に、憧れるなんて言わないでくれ…… RO635: M16、M4ならきっと大丈夫です。 M16A1: ハハっ…… そのセリフ、ペルシカのだったら、もっとよかったんだけどな。 (そう言うと、M16はROの肩を叩いた。) M16A1: まあ気にするな、忘れてくれ!ただの愚痴だ。それで、アンチジャミングネットワークは構築できたのか? RO635: ええ、もう少しで完了します。 M16A1: ネットワークを展開したら、鉄血はきっと我々の存在に気付く。それを踏まえて、あらかじめ準備しておくよう指揮官に伝えてくれ。 RO635: ……M16、ここは一体どういう場所なのですか?あなたとペルシカの言動を見るに……単なる鉄血の基地じゃないですよね。 M16A1: もちろんだ。ここは鉄血の古巣に近いし、中に何が潜んでいても不思議ではない。或いは、私に何を知っているのか聞いてるのであれば…… すまん、私もここは初めてなんだ。 RO635: でも、あなたの振舞いは……とても、初めてとは思えないです。 M16A1: そうか?残念だが、私のメンタルモデルは言ってるぞ。ここに来たことがないのは確実だってな。 RO635: 本当ですか…… M16、わたしに隠していることがあるなら…… M16A1: 隊長はお前だ。隠し事なんてできっこないのは分かってるだろう。 (M16は肩をすくめ、ペルシカの通信チャンネルにつなげた。) ペルシカ_通信: あ、始めるの?今ちょうどコーヒーを淹れたところなの。 RO635: ペルシカさん、時間がないので、わたし達は7号ファイル捜索という目標のみに集中します。必要なものは記録していただいて構いませんが、優先度の低い調査はお受けできませんので、ご了承ください。 M16A1: ハハッ、ずいぶんと強気だな、RO? RO635: AR小隊の目標はリコのデータ回収です。そう仰いましたよね?グリフィンと16LABのためには、これが最も妥当で確かなプランです。 ペルシカ_通信: 問題ないわ、RO。あなた達は7号ファイルを探して。私はただ、あなた達の行動を見ていたいだけ。だって……こんな機会も、そうそうないだろうから…… RO635: ええ、分かりました。アンチジャミングネットワーク再展開……鉄血の基幹ネットワークに接続。7号ファイル、捜索を開始します。 8-3 > 場所:鉄血司令室 (――20分後。) RO635: ペルシカさん?ペルシカさん、まだいらっしゃいますか?応答願います、ペルシカさん! ペルシカ_通信: あ~、はいはい! RO635: はぁ……作戦時間には限りがあります。チャンネルから勝手に離れられては困ります。 ペルシカ_通信: 大丈夫、ちょっとコーヒーを注ぎ足しに行ってただけよ。 RO635: 今晩はもう飲みすぎですよ。人間の身体の健康を害するのに十分な量です。それに、さっき小声で何か話してたでしょう…… ペルシカ_通信: あ……ボイスつきのメールが届いただけ。 [注:そういうのあるんだ。] 気にしないで。 RO635: 今回の作戦は極めて重要なものです。総責任者なんですから、もっと集中してください。ペルシカさん、指揮官、最新の進捗をご報告します。7号ファイルが保管されているデータ保管庫の場所を、正確に特定できました。 ペルシカ_通信: もう?よかった~! RO635: すみませんがお静かに、ペルシカさん。これから目標地点に向かいますが、沿路上には鉄血の哨戒所が多数存在しています。 ペルシカ_通信: つまり……指揮官の護送が必要? RO635: いえ、指揮官の部隊には鉄血を引きつけてもらって、わたし達はもっと目立たないルートで目標地点へ向かいたいと思います。具体的なルートはM16と相談して…… ……そういえばさっきもいなかったけど、どこへ行ったのかしら。 M16A1: ん?どうかしたか?いま上でSOPⅡと見張りを交代してきたんだ。 RO635: あ、大丈夫です。ただ、次はわたしに一声かけてくれると助かります…… 指揮官、マップ上の拠点に印をつけました。目標を占領すれば、ほとんどの敵を引きつけられることでしょう。わたし達はその作戦が成功してから行動を開始し、目標のデータ保管庫へ移動します。アンチジャミングシステムは十分安定していますから、いつでも行動を開始してください。 2段落 > 場所:鉄血司令室 (――――AR小隊は7号ファイルが保管されているデータ保管庫へ到達した。) RO635: ペルシカさん、指揮官、目標のデータ保管庫に入りました。 ペルシカ_通信: おぉ、思ったより順調ね。それで、7号ファイルは見つかった? RO635: SOPⅡが認証にパスし、内部のデータを検索中です。彼女が接続する際には、わたしが基幹ネットワークのアクティブ・プロテクションを欺く信号を発信しました。7号ファイルを見つけ次第、直ちにダウンロードを開始します。 ペルシカ_通信: そう……みんなお疲れさま。とくにRO……あなたはM4A1が達成できなかったことまでやり切った…… RO635: お褒めにあずかり光栄です、ペルシカさん。でも、わたしは命令を実行しているだけで、すべては指揮官とAR小隊のメンバーの功績です。それに、作戦はまだ終了していませんから、まだ警戒を緩めるわけにはいきません。 ペルシカ_通信: えーと……ファイルは見つかったんじゃないの? RO635: SOPⅡはファイルのダウンロード中、大量のキャッシュを占有されますし、わたしもネットワークにアクセスすれば同様に自立行動不能になります。その間、M16以外は非常に脆弱な状態に陥るのです。鉄血がいつわたし達を見つけるか分かりませんので、指揮官には引き続き時間稼ぎをお願いしたいです。 ペルシカ_通信: それじゃ…… RO、もう一度盗聴してみたら? RO635: それはおすすめできません。指揮官の行動を援護するため、アンチジャミングシステムは引き続き維持します。しかし今鉄血の通信に侵入すれば、相手にこちらの位置を特定される可能性が非常に高いです。特にわたし達が相手の状況を把握していないうちは…… ペルシカ_通信: う……それは確かにそうね…… [注:結構抜けてんなこの天才] RO635: コーヒーを飲みすぎているようですが、そろそろお休みになられては? [注:前半じゃ集中しろとか言ってたのに……] M16A1: RO。SOPⅡが7号ファイルを見つけたら、お前の準備ができ次第ダウンロードを開始してくれ。ただファイルは多く、ボリュームもかなりある分、時間はかかると予想される。 RO635: ここにいてください、M16。敵のスカウトに見つからないためにも。外の仕事は、このあと指揮官にお願いしますから。 M16A1: どうしたんだ?私がここにいないと不安なのか? RO635: わたしはただ状況に応じて、合理的な判断を下しているだけです。 M16A1: ハハっ、いいだろう。ここでお前たちを守るよ。ただ、何が起きようとデータ保管庫から出るな。これは経験則だ、聞いておいたほうが身のためだぞ。 RO635: どこで学んだ経験か分かりませんが…… いいでしょう、あなたの言葉に従います。 ペルシカ_通信: うん、あとは任せたよ、RO。私はやっぱり、ちょっと寝たほうがいいみたい…… 8-4 > 場所:戦術マップ (――しばらくして。) RO635_通信: 指揮官、さっきの会話は聞いてましたよね?こちらは今、データ保管庫で7号ファイルをダウンロード中です。敵の偵察部隊はまだ遠方ですが、その脅威は依然として排除できていません。よって、エリア外郭で部隊を動員し、鉄血部隊を攪乱し続け、わたし達の存在をデストロイヤーに気づかれないようにしてください。ダウンロードにはまだかなりの時間を要します。指揮官、わたし達の安全をお守りください。お願いします。 2段落 > 場所:鉄血司令室 (――小隊は7号ファイルが保管されているデータ保管庫へ到達した。 [注:8-3で到達してなかった?] と同時に、7号ファイルのダウンロードは進められていた。 [注:と思ったらこの「小隊」はAR小隊じゃなくて指揮官の指揮する小隊か。] …………) RO635: よし。これで鉄血のアクティブ・プロテクションはダウンロード元を特定できないわ。あとはSOPⅡのダウンロードが終わればOKね。そういえば、わたしどれくらいアクセスしてたのかしら、M16?M16? (…………) RO635: SOPⅡ、M16はどこに行ったの? M4 SOPMOD Ⅱ: ……?いない?あれ……そうみたい…… RO635: 大丈夫、SOPⅡ? M4 SOPMOD Ⅱ: 全力で……ファイルを……ダウンロード中だから…… 余分なキャッシュが……あんまりなくて……思考が…… RO635: ごめんなさい、こんなときに邪魔して。 M4 SOPMOD Ⅱ: RO……M16……は? RO635: わたしもさっきまでネットワークにアクセスしていたから、どこにいるか分からないの。おかしいわ……わたしの命令で屋内待機してるはずなのに。 M4 SOPMOD Ⅱ: RO、M16は……外で危険な目に遭ってるんじゃ? RO635: もうっ……わたしだって分からないよ…… 指揮官からの警報もないし、ペルシカさんも少し寝るって言ってたし…… はぁ、やっぱりわたしが見に行くしかないわね。 場所:黒背景 (ROはセーフハウスのドアを開け、外を見渡した。) RO635: 誰もいない?………… ……(物音が!) (…………!!) M16A1: ………… [注:この前に一発目のトランジスタ(緊急8-3参照)] RO635: M16…… 何してるんですか、もう少しで撃つところでしたよ。 M16A1: 言っただろ、データ保管庫から出るなって。 RO635: わたしも行ったはずです。ここにいて、わたし達から離れないでくださいって! (M16はROを避けてデータ保管庫へ入った。) 場所:鉄血司令室 M16A1: 私だって……24時間お前たちを見てるわけにはいかない。自分の身を自分で守ることも学んでくれ。 RO635: そういう問題じゃありません、M16。わたしが隊長なんですから、わたしの命令に従ってもらわないと困ります。 M16A1: それはそうだが、私にだって自分の優先度や判断がある。私は状況に応じて調整しながら行動している。RO、お前も隊長なら臨機応変に対応することを覚えろ。M4A1なら、私の考えを分かってくれたはずだ。 RO635: M16、わたしは確かにM4A1には及びません。だって、わたしはM4A1ではないのですから。わたしに彼女を重ねないでください! M16A1: ……すまない、そういうつもりはなかったんだ。お前にはあいつより秀でてる部分もある。ただ私が適応できていないだけで……。 RO635: あなたにはあなたの経験があります、M16。今のわたしにはそれが必要なんです。今後については……適応するための時間はたっぷりありますので。 M4 SOPMOD Ⅱ: M16……戻ってきたの? M16A1: ああ、SOPⅡ。戻ってきたよ…… [注:それお前今際の際に言うなよ!絶対に言うなよ!SOPⅡが死ぬ時とかにも言うなよ!] (M16はそれ以上ROには取り合わず、片隅に腰を下ろした。) M4 SOPMOD Ⅱ: ROと……ケンカ? M16A1: 普通に話し合っていただけだ。SOPⅡ、少し疲れた。軽く調整させてくれ。それとRO、鉄血のネットワークで直接捜索して、相手の動向を偵察してくれ。 RO635: へ?それじゃ、こちらから居場所を知らせているようなものではないですか? M16A1: さっき上空からエンジン音が聞こえた。もしかしたら敵はすでに私たちの座標を入手していて、上から仕掛けるつもりかもしれん。 RO635: わたしの感知システムは全く反応していません。どこで聞こえたのですか?それに、デストロイヤーには空襲能力はありませんよ。 M16A1: ハイテクに頼りすぎるな。さっき見張りに出て、ここから離れた開けた場所で聞こえたんだ。空襲能力については…… 一つのエリアにボス一人と決まっているわけじゃないからな。低体温症作戦のときを覚えているだろ? RO635: ………… 分かりました、今回だけですよ。 場所:黒背景 (ROは鉄血のネットワークに侵入した。…………) RO635: 鉄血の司令部には何の動きもありません、やはり何もないのではないですか? M16A1: ……それなら余計怪しい。つまり、すでに指揮拠点を離れている可能性が高いってことだぞ。 RO635: ずいぶんと過敏なんですね。もしかしたら、感知システムに問題があるのかもしれませんよ。 M16A1: 確かに聞こえた、あれは敵のドローンだ。 RO635: ドローン?そんなもの何に……?? (…………ドーン!ドーン!) AR小隊: …………?! RO635: 遠くで爆撃音が鳴っています!一体どこから…… M16A1: RO、もう時間がない。捜索範囲を広げろ!指揮拠点が複数あるのかもしれない。連携をとるため、そう離れてはいないはずだ! (………… ジジッ……ジッ…… ノイズが徐々に消えると、会話がはっきりと聞こえてきた。) デストロイヤー_通信: ……言ったでしょ、ここはあたしの縄張りだって。やらためったら爆撃しないでよ!ちょっと、聞いてるの!ド!リー!マー! ドリーマー: あら…… あなた、ここが自分の花園だとでも思ってるの?相変わらずの乙女心ね、デストロイヤー。 デストロイヤー_通信: うるさい。あたしはただ、きちんと整えておきたいだけよ! ドリーマー: それなら尚更、勝手に入り込んできた虫どもを排除すべきじゃないの? デストロイヤー_通信: ほんとに気づかなかったんだってば…… だいたい、あいつらがこんなに早くあたしらの防御ネットワークを破るなんて思わないじゃん。 ドリーマー: ハイテクに頼りすぎちゃダメよ、デストロイヤー。グリフィンとの接触も長いはずなのに、何も学んでこなかったの?もしエージェントが察知していなかったら、今頃、またやつらに追い回されてたでしょうね。 デストロイヤー_通信: はあ?あいつらとまともにやり合ったことなんてないでしょ?それにあたしが、いつあいつらに追い回されたっていうのよ…… [注:第5戦役のデス子は撃ち漏らした筈だが……] デストロイヤー_通信: ………… あら……ごめんなさい、あたしの記憶違いだったみたい。ふふっ、とにかく、面倒事を片付けに来てあげたんだから、せいぜいあたしに感謝することね。 デストロイヤー_通信: はっ、なに言ってんだか…… どうせエージェントの命令でしょ、勝手にどうぞ。でも、ちゃんと分かってるよね。爆撃しちゃいけないところを。 ドリーマー: もちろん。絨毯爆撃するときは気をつけるわ。あなたは引き続き寝ててもいいのよ、デストロイヤー。子守唄でも歌おうか? デストロイヤー_通信: いらないっつーの、もう悪夢は見たくないからね…… 辺り一面イカだらけの夢なんて、もう二度と御免よ…… [注:鉄血エリート人形は夢を見るのか?] 場所:鉄血司令室 (……ROは接続を切った。) M16A1: やっぱり……手ごわいのが一人増えたな。 RO635: どこから鉄血にバレたのでしょうか…… 本当に……細心の注意を払ったのに…… M16A1: 力を尽くしたって万全だとは限らないさ。臨機応変こそ隊長に必要な能力だ。そうがっかりするな、まずは指揮官に報告しておこう。あとのことは私も手伝うから。 RO635: はい…… 結局、人に頼らなきゃいけないんですね…… M16A1: 隊長は人に頼ってしかるべきさ、でないと隊員のやることがなくなってしまうだろ?武器を携えて私についてこい。 8-5 > 場所:戦術マップ (――3分後。) RO635_通信: 指揮官、わたしの報告を聞きましたよね。こちらは今、データ保管庫で7号ファイルをダウンロード中です。敵の偵察部隊はまだ遠方ですが、その脅威は依然として排除できていません。よって、エリア外郭で部隊を動員し、鉄血部隊を攪乱し続け、わたし達の存在をデストロイヤーに気づかれないようにしてください。ダウンロードにはまだかなりの時間を要します。指揮官、わたし達の安全をお守りください。お願いします。 2段落 > 場所:鉄血司令室 (――作戦進行中。ドローンのエンジン音がAR小隊の頭上で鳴り続けていた。) M16A1: どうやら最後の部隊だったようだ。RO、大丈夫か? (ROは自分の髪をぎゅっと掴み、息を漏らした。) RO635: 指揮官はさっきから精一杯、わたし達を守ってくれています。しかし、外のエンジン音から判断するに、ドローンはここに張り付いたまま…… 弾薬も残り多くはないし、もし次の一波が攻めてくれば…… M16A1: もう少し踏ん張るぞ。今のところ接近中の敵は三波だが、指揮官がその大部分を殲滅した。SOPⅡのダウンロードもあと少しで完了する。完了次第すぐに撤退するぞ。 RO635: SOPⅡのメンタルは大丈夫でしょうか?効率のため外部デバイスを使用していないのは分かっているのですが、やはりメンタルモデルに悪影響を与えているはずですし…… M16A1: 大丈夫。私たちと一緒にいる限り、あいつは安心していられるのさ。SOPⅡは戦闘となると常軌を逸することもあるが、普段は大人しいやつなんだ。あいつのメンタルモデルは、意外なほどにシンプルなもんだよ。 RO635: わたしはあの子が好きです。 [注:どうした急に] それに、あの子も……わたしをそれほど嫌ってはないはず。 M16A1: あいつもお前を気に入っているよ、前も言っていた。2人とも正直な性格だし、きっと上手くやっていけるさ。 RO635: あの子が羨ましいです…… 現に今、わたしは全然安心できていないので…… M16A1: RO、もし私が「心配するな、何も問題はない」と言ったら、信じるか? RO635: あなたはいつもわたしの命令を無視しますが、今なら……信じますよ、M16。 M16A1: ハハっ、私のことが分かってきたようだな。 RO635: はい……ありがとうございます、M16…… それと、申し訳ないです……さきほど、わたしにM4を重ねないでって言いましたけど…… わたしはまだ実戦の経験が浅くて、確かに間違った指令を出すことも…… M16A1: 気にするな。それに、その発言をしているお前は、なかなか可愛かったぞ…… ほんと、最初の頃のM4みたいだった…… RO635: ……最初の頃? M16A1: 出会ったばかりの頃はいつもぽかんとしててさ、今じゃずいぶん変わってしまったが…… RO635: 資料を見ている限りは全く想像できないですね。本当に早く目覚めてほしいです、直にお会いしたいので。 M16A1: ははっ、あんまり期待するなよ。そこまで頼りになる奴じゃないし、面倒もたくさんかけると思うぞ。 RO635: まさか。わたしはAR小隊に入れただけで光栄なんです。皆さんと一緒に、記念するに値する勝利を手に入れ、グリフィンを守る精鋭になりたいのです。 M16A1: ハハっ、今どきの人形は皆そんなにやる気満々なのか?先に言っておくが、私たちに世界は救えないぞ。 (ROはうつむいて笑い声を上げた。) RO635: 構いません、いつでも犠牲になる用意があるってだけです。 M16A1: ……お前がダメだとは言っていない。 RO635: え? M16A1: 私たちに頼りすぎるな、RO。速く成長しろ、時間はもう残り少ない…… (……ドサッ!) M16A1: ……!SOPⅡ!大丈夫か? M4 SOPMOD Ⅱ: うっ……それもそうね。だいじょうぶだよ、ちょっと頭をぶつけただけ。 M16A1: ふぅ……ダウンロードが完了したようだな。急にキャッシュが空いて、手足が適応しきれていないんだろう。よし、SOPⅡの調整が済んだら、すぐにここから撤退だ! RO635: M16、わたしには……あと何が必要ですか? M16A1: 質問の時間は終わりだ、RO。 RO635: え……? (……M16はROの背中を叩いた。) M16A1: 私たちは人形で、ここは戦場だ。あまり大きなことは考えず、今を精一杯生きろ。あとは、誰かが答えてくれるさ。 8-6 > 場所:鉄血司令室 (――10分後、撤退ルートの設定が完了した。) RO635: 指揮官、データダウンロードが完了しました。こちらはすでに撤退を開始しています。撤退プランは万全とは言えませんが、現状ほかの方法がありません。 M4 SOPMOD Ⅱ: RO、マズいよ!撤退ルート上のゲートが閉じられた! RO635: ドリーマーめ!さらに回り道をするとなると…… SOPⅡ、引き続き敵の動向を追って。わたしはM16と撤退プランの練り直しを! M16A1: 慌てるな、RO。この危地の構造は私がおおよそ把握している。ゲートを側面から爆破すれば、逃げ切るチャンスはある。 RO635: M16、今別行動をとるのは危険すぎます! M16A1: だからこそ、私が行くんだ。いまこの場で最も適した人選は? RO635: それは……本当にいいんですか? M16A1: 試す価値はある。だが、まずはそこまで到達しないと。 RO635: それについては、現在、指揮官が対応中です。 場所:戦術マップ RO635: わたし達を支援している部隊が、鉄血ボスと真っ向からぶつかり合っています。ドリーマーとデストロイヤーを全力で駆逐し、わたし達に撤退のチャンスを作ろうとしてくれているのです。 M16A1: そりゃいい。じゃあ残りの危険は目の前のこれ一つってわけだ。RO、お前の命令一つで、私が片付けてやるよ。 RO635: 分かりました……ではチャンスを待ちましょう!指揮官が強敵どもを撃退し次第、直ちに離脱します! 2段落 > 場所:廃墟 (…………作戦は終了し、ドリーマーとデストロイヤーを一時的に退けた。) M16A1: 撤退を開始するぞ!私はこれよりゲート破壊の準備に入る! RO635: ………… M16A1: RO、どうした? RO635: すみません、M16。わたし、不安なんです。もっといいプランがあるんじゃないかって、ずっとそんな気がして…… M16A1: 今は良心の呵責とか言ってる場合じゃない、重要な任務が目の前にあるんだ!私は私の役目を全うする、だからお前も自分のやるべきことをやれ。分かったな! RO635: それでも、わたしはほかのルートを探ってみるべきだと思います! (…………ペルシカから通信が入った。) ペルシカ_通信: RO、M16を行かせてあげて。無事に7号ファイルを持ち帰るのが最優先よ。これは私の命令でもあり、クルーガーの命令でもあるわ。 RO635: え?ペルシカさん…… M16A1: 考えすぎるな、答えを得る機会はいつか来るさ。 RO635: ……命令とあらば、仕方ありません。M16、あなたの提案を採用し、ゲートの爆破をお願いします。 M16A1: その言葉を待ってたよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: M16…… それは…… M16A1: SOPⅡ、偵察から戻ったのか?私はあのゲートを爆破してくる。お前はおとなしくROといろ、いいな? M4 SOPMOD Ⅱ: 分かったよ、ちゃんとおとなしくする。でもM16、本当に……大丈夫なの? M16A1: おいおい、私より頼りになる人形に会ったことがあるのか?RO、じゃあまた後でな! (…………M16は小隊を離脱し、単独行動を開始した。) RO635: じゃ、わたし達も行動を開始しましょ!SOPⅡ、ボーっとしてないで、わたしの信号に注意して!早く上に上がってM16と合流するよ! 場所:黒背景 (…………) M16A1: SOPⅡ…… すまない、お前には私のしようとしていることが分かるんだな…… (――30分後。 …………ドンッ!ゲートが爆破され、ROとSOPⅡは無事通り抜けた。) 場所:道路 M4 SOPMOD Ⅱ: ゲートが開いたよ!RO、行こう!……見て、輸送機!輸送機があそこまで来てる!M16は!あいつはどこ! RO635: 先に乗って!SOPⅡ、早く!M16、こっちはゲートを通過したわ、あなたはどこ! M16A1_通信: ………… RO635: M16?M16!どこですか、早く応答してください! M16A1_通信: 悪い、RO、予想外の事態だ。さっきの爆発で、私の逃走ルートが塞がれてしまった…… RO635: そんな…… M4 SOPMOD Ⅱ: ねえ!M16、何があったの?急いで高台に上がって、助けに行くから! M16A1_通信: 必要ないさ……私のいるこの場所は、輸送機もお前たちも到達不可能だ。 M4 SOPMOD Ⅱ: なんであんたがしくじるのさ!冗談なんでしょ、ねえ――ー!! RO635: やめて、SOPⅡ!M16を自由にさせてあげて!M16はとりあえずしっかり隠れてください!指揮官がきっと何とかしてくれます!それにペルシカさん、彼女がきっと―― M16A1_通信: ……RO、もういい。SOPⅡを頼んだよ。自分の使命を全うするんだ。 場所:黒背景 RO635: M16…… これがあなたの言っていた……今を精一杯生きることなの? (……M16はそれには答えず、ただサインを一つ送った。……これ以上ないくらい、ありふれたサインを。) 場所:M16A1_敬礼 RO635: M16A1…… ……あなたの言葉に感謝します。 (彼女はわたしの問いかけに、この上なくすがすがしい微笑みで答えた。輸送機が次第に遠ざかると、彼女の姿はどんどん小さくなり、最後には小さな火花となった。火花は硝煙と冷たい廃墟に囲まれ、0号基地へと埋もれていった…… わたし達はまた会えるだろうか?分からない…… ただわたしが感じたのは、彼女が最初から嘘をついていたということだ。彼女は最初から戻ろうとは思っていなかった。彼女の行動はすべて、あの人を救うためだった。) 場所:黒背景 (それに彼女はわたし達よりはっきりと悟っていた。あの人が彼女にとって何を意味しているのか。「……私にだって自分の優先度や判断がある」「私は状況に応じて調整しながら行動している。RO、お前は知らないかもしれないが……」確かに、わたしは知るのが遅すぎた。第8戦役『花火』続く……引き続き「緊急戦役」をご覧ください) 緊急 > 8-1 > 場所:司令室 (M16A1の失踪から1時間後。) ペルシカ_通信: 指揮官、ROとSOPⅡは無事16LABへと戻ってきたわ。あとは検査が完了して、【傘】を埋め込まれていないことを確認したら、7号ファイルを取り出せる。もちろん…… 今はM16の安否が気になるんでしょ?待っている間に、探しに行きましょ…… 場所:戦術マップ ペルシカ_通信: 作戦はアンチジャミング設備を利用して行うわ。これらは全部、ROが現地に残していったものよ。校歌範囲が広くない上、どこも行ったことのある場所だけど、部隊を動かすには十分だと思う。指揮官、とりあえず第一区域からM16の捜索を始めましょ。 2段落 > 場所:黒背景 (…………) エージェント: ……死を届けに参りましたよ。ほら、目を開けなさい…… 場所:エージェント首絞めM4A1② エージェント: ……わたくしをご覧なさい、戦術人形M4A1。さあ。幕引きの時間ですわ。あなたには最後まで見届けてもらいますわよ。 M4A1: ゲホ…… エージェン……ト…… 場所:黒背景 M4A1: ………… 違う…… ここは……私のメンタルモデル……? 場所:エージェント首絞めM4A1① エージェント: まず手始めに、あなたにはここで死んでいただきますわ。 M16A1: ……悪いが、そいつをここで死なせるわけにはいかん。 エージェント: …………! 場所:M16A1の横顔 M16A1: ごちゃごちゃ言ってないで、今すぐ地獄に堕ちろ……!鉄血のクズが! 場所:黒背景 M4A1: ………… 記憶はここから始まっている。私たちは第3セーフハウスでリコの遺品を探していて…… それから、エージェントの待ち伏せに遭って…… M4A1: M16が私を助けてくれた。でも必要に迫られて、また別れた。 場所:雪原 M16A1: ……我々は分散して敵を引き付け、お前のために時間を稼ぐ。 M4A1: でも!もしあの鉄血が生きていたら、みんなは―― ST AR-15: ぐずぐずしないで、M4!これが一番確実な方法なの! M4 SOPMOD Ⅱ: そうそう、今わたしたちを救えるのはM4だけなんだよ! M4A1: ……分かったわ、気をつけてね。 場所:黒背景 M4A1: あのとき私は心の中で、みんなと離れたくないと思っていた…… 場所:M4A1 M4A1: 幸い、私は指揮官と出会えた。そして指揮官の協力の元、私たちは再会を果たせた。 場所:ST AR-15 M4A1: それから、また別れて…… 場所:黒背景 M4A1: 最後……最後に…… 最後に何が起きたんだっけ?もっとよく考えて…… 場所:街_破壊 M4A1: ……これなの?P08……? 場所:ウロボロス M4A1: ……それともこっち?ウロボロス……? 場所:黒背景 M4A1: 違う……全部違う…… 私には分かる、全部まやかしよ…… 全部間違ってるのよ!クソッ!なんで!どうして記憶が飛んでるの!なんで何も思い出せないの!私はいったい、どうしちゃったの…… 私は…… 私……ここはどこ?一体何なの? ペルシカ: あら子猫ちゃん、意識が戻ったの? 場所:工場 ペルシカ: ここは16LAB、あなたの生まれた場所よ。それじゃあ、あなたのメンタルモデルを検査させてもらうわ。うーん……見た感じ……問題なく稼働してるみたいね。 M4A1: あなたは……誰……? ペルシカ: ペルシカリア、あなたを創り出した者よ。 M4A1: どうして……私を創ったの? ペルシカ: あなたはARの隊長になって、私が作った優秀な人形たちを統率するの。 M4A1: 人形…… 私は……人形なの? ペルシカ: 今からは、そうよ。復元後のあなた、思っていたより可愛いわね…… あなたが私に……リコがくれなかった答えを、もたらしてくれるといいんだけど…… M4A1: ……リコ?答え……って? ペルシカ: それはね……今はまだ言えないの。それより、あなたの新たな戦友に会ってみない? 場所:黒背景 ペルシカ: メンタルが激しく揺れ動いてるわね。この子、夢でも見てるのかしら?人形が……夢を見るなんて、まったくどういうことなんだか。 (……ペルシカは振り返ってM4A1を一瞥した。) ペルシカ: きっと、この子が特殊なんだわ。 8-2 > 場所:黒背景 (…………) M16A1: ペルシカ!………… ペルシカ、応答してくれ! ペルシカ: あっ、今行くよ。 場所:工場 ペルシカ: ごめんね、今M4の様子を見に行ってたの。 M16A1_通信: あいつ……大丈夫なのか? ペルシカ: 今のところは……計画通りよ。それより、データ保管庫で何をしていたか、ROに見られてないよね…… [注:何をしていたかは緊急8-3にて。] M16A1_通信: ああ、ないよ。あいつが来たときにはもう片付いてたからな。 ペルシカ: よかった……それで、今の状態は? M16A1_通信: ハハっ、今更やめられるだなんて言わないでくれよ。ただ、どうしても分からないことがあるんだ。メンタルモデルの不安定性が引き起こしたおかしな疑問だと思って、答えてくれないか? ペルシカ: 今さらでしょ、どうしたの。 M16A1_通信: リコの死についてだ。前にグリフィンのデータベースを調べたとき、378件もの報告が彼の死を事故死としていた。だから、私にはそこまで執着する理由がわからない…… 彼が昔何をしていたとしても、今はこの世にいない。なのにどうしてそこまで気にかけてるんだ? ペルシカ: その死が疑わしいからよ。たとえ死ぬにしても、不慮の事故で死ぬなんてありえない…… そこがどうしても受け入れられないの。 M16A1_通信: ふっ、意外と鋭いところもあるんだな。ペルシカ、あんたほんとに研究者か? ペルシカ: あなたと同じで、私も命からがら逃げ出した経験があるの。生き延びることも一種の技術ね、M16。とにかく、あなたの目標は例のアレよ。安全に調査を行えるよう、鉄血の攻勢は指揮官が抑えてくれるわ。 M16A1_通信: あの怪しい信号の発信源に……向かえばいいのか?一体いつから気づいてたんだ? ペルシカ: ROが鉄血の基幹ネットワークに侵入して、7号ファイルの捜索を始めたときに…… こっそりROのメンタルモデルを使ってマルチチャンネル検索を行ったんだけど、そのとき面白そうなファイルを見つけて、ついでにダウンロードしておいたの。 [注:同様に7号ファイルも直にダウンロードできなかったのだろうか。] M16A1_通信: 鉄血ネットワーク内のファイルはどれも感染源になり得るんだが…… これも今さらだな。 ペルシカ: 鉄血のウィルスは、ROでさえ自分で解決できるほどレベルの低いものよ。でも、重要なのはそこじゃない。このファイルをダウンロードしたのは、その暗号化方式のせいよ。鉄血のものとは全然違っていたの。つまり、これは一通の手紙で、あなたに収穫をもたらす招待状なのよ。座標、受け取ったでしょ? M16A1_通信: 招待状……?今まで色んな事を経験してきたが、こんなぞっとする招待状は初めてだぞ。 ペルシカ: どうしたの?ここにきて怖くなってきた? M16A1_通信: 私のメンタルも崩壊するかもな……特に今は。……残念だよ、このメンタルモデルがコピーできないなんて。積んできた様々な経験も、M4に渡してやれないんだな。 ペルシカ: 何事も彼女と結びつけちゃうのね。 M16A1_通信: ああ…… すべてはM4を守るためだから…… それこそあんたが私に下した唯一、かつ絶対の命令じゃないか。 ペルシカ: 嬉しいわ、覚えててくれて。あの子はもうすぐ目覚めるわよ、M16。早く済ませたら、お別れを言う時間ぐらいはある。 M16A1_通信: もういい、何を話すか考える時間もないし…… それよりさっさといこう。今の私には、もうそれしかできないんだから。 2段落 > 場所:廃墟 (――1時間後、M16は信号の発信源へ移動した。) M16A1: 発信源はここだな。工廠のようだ、荒廃しているが。 ペルシカ_通信: 入って、M16。あの信号を見つけて、確認してちょうだい。 M16A1: 私一人でか?ざっと見ただけでも中が入り組んでて、見つけるのに相当時間がかかりそうだが。 ペルシカ_通信: 今なら鉄血のネットワークを使えるよ、M16。地形をスキャンして、メンタルモデルのデータと一致するものがないかどうか確認してみて。 場所:黒背景 (M16は工廠の入口へ向かい、スキャンおよびマッチングを開始した。) M16A1: ん?この記憶は…… 私のメンタルモデル内に、この工廠のマップの一部があるぞ。こんなもの、一体いつ取り込んだんだ…… ペルシカ_通信: やっぱり…… M16、あなたはここに来たことがあるのよ。あなたのメンタルモデルには、マップのダウンロード権限がある。工廠のネットワークに接続すれば、再ダウンロードが始まるわ。 M16A1: 来たことがある?ここに?にしては、覚えがないぞ…… ペルシカ_通信: メンタルモデルは書き換えられる。あなたのメンタルモデルには、ごっそり消去されてる部分がいくつもある。知ってるでしょう……あなたのメンタルモデルはコピーができないって。 M16A1: 確かにそうだ。そのとおりだが…… ペルシカ_通信: つまり、あなたの記憶は唯一無二で、バックアップはないの。ひとまず消去されれば、それはもうどこにも存在しないことになる…… …………! M16A1: どうした、そりゃ言うまでもないことだろ? ペルシカ_通信: そういうこと……その点を利用したってことね、やられたわ!となるとあの作戦は、本当に大博打だったようね…… いま考えてみれば、私はかなり幸運だったみたい。 (M16が長々と溜め息をついた。) M16A1: ペルシカ、いったい何の話だ? ペルシカ_通信: M16A1、知ってるかしら、胡蝶事件を。 [注:「胡蝶事件」初出] 場所:エルダーブレイン_陰 M16A1: ああ、リコが不慮の死を遂げたって事件だろ? ペルシカ: そうよ。ある晩、鉄血の工廠で暴動が発生した。未だ原因は不明で、いきさつも謎のまま。リコもこの事故で死んだ。それからよ、鉄血が人類の不倶戴天の敵になったのは。 M16A1: じゃあこの工廠が、すべての面倒事の始まりなのか? ペルシカ: 今の状況からすると……そうとしか考えられない。 場所:黒背景 M16A1: だが、それが分かったところで何の役にも立たない。工廠の権限はいただいたし、門も開いたぞ。いま内部へ移動中だ。あたりは弾痕に血痕、ぼろぼろの部品で溢れている。重要そうなものはないな。きっと片付けられた後だ。 ペルシカ_通信: だからこそ、あの信号を調べる必要があるの。M16、よく調べて。余計なことは気にしないで。あなたに残されてる時間は多くないんだから。 M16A1: ハッ、ここで何が起きてようが、私のメンタルモデルにどんな細工が施されていようが、そんなことはどうでもいい。だが、もう一度だけ言っておく。私は仲間や指揮官に嘘をついてまでこの命令に従った。理由は分かってるよな…… ペルシカ_通信: この唯一絶対で、最優先されるべき命令のため。安心して、M16。その点においては、私たちの考えることは一緒よ。 8-3 > 場所:黒背景 (…………) ペルシカ: ほら、彼女たちがあなたの新しい隊員よ。どう?みんな可愛いでしょ? M4A1: ええ…… こんな綺麗な人間たちと一緒に行動できるなんて光栄です。 ペルシカ: ううん、彼女たちはあなたと同じ、みんな人形よ。そうだ。あなたのスティグマに、もう1つインストールしなきゃ。武器使用ソフトウェアだっけ? M4A1: え?武器……? ペルシカ: どうせAIテスト用だから…… いちばん基本的なのでいいわね。 (……ピー。) 場所:工場 ペルシカ_通信: うん、これにしよう、アサルトライフルM4A1。これは……昔よく見かけた武器よね。対応するソフトウェアをインストールすれば、好きに使えるようになるわ。 M4A1: M4……A1? ペルシカ_通信: そうよ。今日からM4A1は、あなたが意のままに操ることができる武器になった。ちなみに人形はね、クルーガーの変な習慣で、武器と同じ名称をつけないといけないの。だから今、あなたの名前もM4A1になったわ。 M4A1: 私の名前が……M4A1……? ペルシカ_通信: うん……ほかの人形はどれにしよう…… 全部にM4A1を使ったら、誰が誰だか分からなくなるわね。彼女たちには……あなたの姉妹にあたる型番を割り当てよう。 [注:AR小隊の人形にも、銃以外の名前がある?] これであなた達はもう姉妹みたいなものよ。 M4A1: 姉妹? ペルシカ_通信: うん……この概念を理解するには、今のあなたには難しすぎるかもね。でもそれはいいの。はいM4、ほら見て。M16A1、M4SOPMODⅡ、それにAR15。 [注:RO635はまだ作られていない。] これで全部ね。これから仲良くするのよ。 M4A1: どうして……仲良くするの? ペルシカ_通信: えっと、言ったでしょ。あなた達は姉妹になったの。家族はね、仲良くしなきゃいけないの。 [注:ペルシカの家族はどうだったのか] M4A1: 家族……? ペルシカ_通信: そう、家族。この言葉を聞くと、暖かい感じがしない? M4A1: 家族……私の家族…… 違う、私に家族はいない…… ペルシカ_通信: あれ?ちゃんと見て、M4A1。彼女たちの武器はあなたが持ってるのと、とても似てるでしょ? [注:他にもこういった疑似的な姉妹になっている人形がいる?] M4A1: 武器?違う……武器……違う…… 場所:黒背景 ペルシカ: えっ……何が違うの?みんな同じ系列よ、間違いないわ。 M4A1: でも彼女たちの武器は…… あの武器は…… どうして血だらけなの? ペルシカ: ……?! M4A1: 血よ。どうして彼女たちは血だらけなの?ペルシカさん、どうして……どうして…… (M4A1は同じセリフを繰り返し始めた。) ペルシカ: もうっ…… 武器を見たからなの?またメンタルが崩壊し始めたわ!ごめんね、M4。あなたには、またしばらく寝ててもらうわ…… (ピー。) ペルシカ: ほかの封じ込められた記憶はどこ…… M16、急いで。もっと早く…… 2段落 > 場所:黒背景 (――20分後。M16は工廠内の端末に接続した。) ペルシカ_通信: M16、ゲートはまだ開かないの?その……どうしてもダメだったら、あなたの手を爆薬にして吹き飛ばせない? M16A1: 悪いが私は軍用人形じゃないんでね、あんたが望むようなハイエンドのパーツは付いてないのさ。 [注:軍用人形なら付いてる?] ただ、鉄血の権限があれば、デコードにそこまで時間はかからないはずだ。はぁ……なぜか自分が昔ここで同じことをしていた気がしてならない…… ペルシカ_通信: 人形にも「既視感」ってものがあるのね……面白いわ。それにしても、私のおかげで、あなたの演算効率は軍用人形よりずっと高いはずよ。そんなゲートを開けるくらい何でもないでしょ。 M16A1: ハハっ、次はもう少し私をバカに設定してくれよ。そうすりゃ、こんな苦労せずに、もっとあっさり死ねただろうに。 ペルシカ_通信: 私は戦場に立たせるためだけに、あなたを作ったわけじゃない。そうだ、M16……ROとSOPⅡと連絡が取れたわ。 M16A1: そうか……ならよかった…… 続けてくれ、聞いてるから。 ペルシカ_通信: 体は至って健康だけど、メンタルがね……いくらか落ち込んでいるわ。 M16A1: 分かってる。私が勝手な真似をして、おまけに騙していたからな。 ペルシカ_通信: 後者についてはまだ知らないわ。ROは寝ずにあなたの帰りを待ってる。 M16A1: はぁ……あんたは人を慰めるのが上手なんだな。これじゃどっちが人形なんだか…… ペルシカ_通信: ごめんね、M16……でも、あなたはROのことを気に入ってるの? M16A1: 彼女はM4より積極的で思い切りがいい。行動力もあるし、より隊長に適している。まあ、少し衝動的なところもあるが、それで人から嫌われるほどじゃない。 ペルシカ_通信: あのメンタルAIには私も満足してるの。彼女を手直しするつもりはないわ。AR小隊の人形は全員このままでいい。 M16A1: 本当に直さないのか?SOPⅡはこの前、あと少しで制御不能になるところだったぞ。 ペルシカ_通信: それも……必要な一歩だったのよ。そのせいであの子を嫌いになったりしないでしょ? (…………M16は苦笑した。) M16A1: 私はただ心配なだけだ…… 今後、ミスを犯しても許される機会が、いくら残されているか…… ペルシカ_通信: じゃあ、何か伝言とかある? M16A1: ない、これ以上は何もないさ。あとはM4に任せるよ。私はあいつを信じてるから…… (……ピー!) M16A1: いけた。ペルシカ、中へ入るぞ。 (M16はゲートを開けると、慎重に奥へと進んで行った。そして、あっと驚きの声を上げた。) ペルシカ: M16、何を見つけたの? M16A1: わからん、おそらく培養室的なものだ…… マジな話、ここで何が見つかってもおかしくないな。 場所:鉄血バラクーダノード M16A1: 辺りは片付いてるから、何が起きたのかは分からない。だが、どうやらここで何かを育成していたらしい…… 怪物?……分からないが、そのあたりだろう。 ペルシカ_通信: それは重要じゃないわ、M16。あの信号の発信源よ、きっと何かある、間違いない。 (M16は身をかがめ、培養室の隅々を捜索した。) M16A1: 信号の送信機を見つけた。この信号の特徴は…… 鉄血でも、グリフィンのものでもない。私のメンタルモデルに対応する情報はないぞ。 ペルシカ_通信: やっぱり……誰かここに来たのよ、胡蝶事件の後に。その送信機をよく調べて。 M16A1: 悪いが、ただの送信機だな。特に変わったものではないし、こいつに特別な使い道があるとは思えないが。 ペルシカ_通信: ってことは……その部屋こそがカギなのかも。 (ペルシカはしばし考え込んだ。) ペルシカ_通信: M16、その部屋に監視装置はある? M16A1: あるぞ、壊れてるけどな。 ペルシカ_通信: じゃあ……映像を保存できるような装置は、あったりしない? M16A1: ちょっと待て…… ……あったぞ!隅に操作パネルがあって、その下に大容量のストレージがある。システムは起動していないが、パイロットランプの状態を見る限り、損傷はないようだ。監視映像があるとしたら、この中のはず…… ペルシカ_通信: 中に、きっとあの日の記録がある…… 操作システムを起動して、侵入できるか試してみて。 (……M16はホコリを払い、操作システムを起動する。……と、とたんに警告音が鳴り響いた。) M16A1: ダメだ、鉄血にロックされていて侵入できない。それに、セキュリティレベルもかなり高い。強制クラッキングはお勧めできない。途中でミスしようもんなら敵を呼び寄せちまうし、中のファイルが破壊される恐れもある。 ペルシカ_通信: やっぱり、最高レベルのセキュリティでロックされてるのね…… お手上げね、M16。予備プランでいくしかないわ。 (M16はトンラジンスタを取り出した。) M16A1: これだよな?もう一回使用してほんとに大丈夫か?前回でも、かなり自分を抑えきれなくなりそうだったが。 ペルシカ_通信: 【傘】ウィルスだからね……改良してあるとはいえ。あの時データ保管庫の外で打った針には、最低量のナノボットしか入ってなかったわ。 [注:データ保管庫でROが鉄血のネットワークにアクセスしていた時に外でこっそり(通常8-4参照)] それで最低限の鉄血の権限を手に入れ、あなたのメンタルへの書き換えも限られたもので済んだ。仮に12時間以内に戻ってくれば、まだ何とか修復する手段はあったのだけど…… M16A1: 私のためにそんな計画まで立てていたのか。そりゃせいぜい感謝しないとな…… ペルシカ_通信: そのウィルスは、AR15のサンプルをもとに手直ししたものよ。使用すると鉄血に見つかるけど、指揮官の部隊の保護下だったし、大した危険はなかった。しかし、二針目ともなると…… M16A1: はっ……前回のように生温くはないと? ペルシカ_通信: 私の研究によれば、【傘】ウィルスの当初の設計目的は、人形のメンタルモデルを書き換えて、鉄血が制御できるようにするためよ。メンタルモデルが書き換えられると、もう元には戻せない。簡単に言うと……この第二のトランジスタには、あなたを瞬く間に鉄血人形へ仕立て上げられるほどのナノボットが含まれているの。あなたの人格、記憶、すべてが……きれいさっぱり消え失せるのよ。 M16A1: つまり、私が鉄血になり果てる前に、データを送り出してほしいわけだ。 ペルシカ_通信: ………… 前に言ったわよね、今回の任務は、いったん始めると後戻りできないって。M16、これから先のあなたは、たとえこの世に存在し続けたとしても、もう今のあなたではなくなるわ…… [注:重要な情報が残されている「かもしれない」監視映像を見るためとしてはリスクが大きすぎるような……] M16A1: ………… 注入後、どれだけの時間があるんだ。 ペルシカ_通信: 20分。 M16A1: つまり……これが私でいられる最後の20分か…… ペルシカ_通信: M16A1、私は万全の準備ができたから、今回の任務を決断したの。用意はいい? M16A1: 私の答えは分かってるだろ、ペルシカ…… だが、最後にもう一度確認したい。このストレージの中身が、確かにM4のメンタル回復に役立つんだろうな? ペルシカ_通信: 少なくとも、これがパズルの最後のピースであるはずよ。 M16A1: そうか…… なら、後のことは簡単だな。それじゃ、始めようか。 8-4 > 場所:黒背景 (……) 女の子の声: ママ、そこに行くと……本当に毎日お腹いっぱい食べられるの? 熟年女性の声: そうよ。毎日3食しっかり食べられるし、怪獣さんたちともお別れできるわ。 女の子の声: そうなの!やったぁ――! M4A1: これは……一体……?目に浮かぶこの映像は……いったい何なの? 透き通った女性の声: 誰かの記憶よ…… [注:OGAS] 落ち着いて、そこで見てるだけでいいわ。 騒がしい声: おい、急げ!早く逃げろ!空襲だ、空襲だぞ! 女の子の声: ママ、ママ!どこにいるの! (…………ドーンッ!!…………) 老婦人の声: 今日から、あなたはここに住むのよ。かわいそうな子、ご両親のことは残念だったわ…… でも、あなたも分かってるわよね。この世界では……働かなければ食事にはありつけないの。 女の子の声: うん……分かった…… パパ……ママ……どうしてこんなことに…… 場所:道路 (…………) 軽々しい男性の声: おい、お嬢ちゃん。毎日ここを通りかかるけど、いつもPMCのキャンプばかり見てるよな。 女の子の声: ……ただ……通り道なだけです。 軽々しい男性の声: あそこにはPMCのお偉いさんがいるって話だ。そういえば……前に難民の誤殺事件があったよな?まったく悲惨なもんだぜ…… 噂によれば、そのお偉いさんが指揮してたんだって? 女の子の声: …………! 軽々しい男性の声: ま、そんなこと知っても何の役にも立たないけどな。でも、これがあれば話は違う。 女の子の声: …………!……ピストル!でも、私お金が…… 軽々しい男性の声: へへっ、世の中、カネ以外のものでも支払いはできるんだぜ。どうだ、俺の条件を聞いてみるか? (…………) 場所:黒背景 M4A1: ピストル?あの子はどうしてそんな物を欲しがるの? 透き通った女性の声: 復讐よ。家族のための……復讐。 M4A1: 分からない……無鉄砲すぎる。そんな行為に何の意味があるの? 透き通った女性の声: あなたには理解できないかもね。でも、私にはわかる。 場所:野外拠点 (…………) 兵士の声: 聞いたか?最近、PMCを狙った暗殺事件が何件も起きてるらしいぜ。この様子じゃ、俺らの仕事は増える一方だな。ちょっと待った、お嬢ちゃん。ここは警戒エリアだ。目的は? 女の子の声: パンを届けにきました。以前予約したはずですが…… [注:これがパン屋作戦ちゃんですか?] 兵士の声: 今日はお嬢ちゃんが当番なのか?いいぞ、入りな。 場所:黒背景 (…………) 中年男性の声: おい、何をする! 女の子の声: 悪魔の仲間め……地獄へ落ちろ! (……パン、パンッ!) 騒がしい声: いたぞ!逃げられちまう、早く撃て! (…………!) 兵士の声: 命中したか?!確認してこい、気を付けろよ!待て、おい……これ……さっきのお嬢ちゃんじゃねぇか! 女の子の声: ………… パパ……ママ…… これでよかったんだよね…… (…………) 気だるげな声: そう……そんなことがあったの。 [注:オイお前ペルシカだろッ] ……そうね、まだ助かるかも。もしよければ、私にチャンスをくれない?うちの実験室、ちょうど志願者が足りなくてね。 (………… ……) M4A1: ……あの女の子、この後どうなったの? 透き通った女性の声: あの子のことが心配? M4A1: 分からない…… 単なる好奇心かも……あの子は本当に死んだの? 透き通った女性の声: 死ぬはずないわ、彼女の役割を果たすまでは…… M4A1: …… あなたは……いったい誰? 透き通った女性の声: ……覚えてないの?私たち、会ったことあるはずよ…… M4A1: …………! 場所:鉄血司令室 (……S02地区、鉄血司令室にて。) デストロイヤー: ドリーマー、何してんのよ!グリフィンの部隊がもう司令室まで来ちゃってるじゃん!あんたのあの無敵の航空兵器で何とかしなさいよ! ドリーマー: うるさいわよ、デストロイヤー。まだその時じゃないわ…… デストロイヤー: はぁ?あたし達の縄張りが食いつくされそうなんだけど!それに、ここがどれだけ重要なのか、あんたも知ってるでしょ! ドリーマー: だけど、しょせんあなたの縄張りでしょ・あたしには関係ないわ。 (…………ドリーマーが席を立った。) デストロイヤー: ちょ、ちょっと!ドリーマー、どこに行くのよ! ドリーマー: エージェントから……新しい指示が出たみたい。スタンバイしておかないとね。はぁ、ほんと面倒くさいわ。ただ人と会うだけみたいだけど、行かないのもマズいし…… できればやっぱり、何かをぶっ壊すのが楽しいのだけれど。 デストロイヤー: そ、そうだよ!まだ時間あるなら、先にあたしを手伝ってよ! ドリーマー: うーん…… そうね、このまま出ていくのは、確かにあんまりかもね。じゃあ、ちょっと玄関口を片付けるかな……ほら、ついておいで。 デストロイヤー: え、あたしも?でも司令室が…… ちょっと!待ってよ、ドリーマー! 場所:黒背景 ドリーマー: 早くおいで、お掃除の始まりよ。こういうときは、エサがいないとダメでしょ。ふふふ…… 2段落 > 場所:鉄血バラクーダノード (……………… …………) M16A1: ……ペル……シカ。ファイルを全部……ダウンロードしたぞ。 ペルシカ_通信: ………… よくやったわ、M16。あなたのドローンでそれを16LABへ運んでちょうだい。 M16A1: もう送り出した。あんたが私にくれた装備と一緒にな…… [注:復讐砲の所有者推移] 結局使わなかったがな。 [注:アンジェ→ペルシカ→M16→M4] M4A1も使うことがないよう祈るよ。 ペルシカ_通信: ……それはあの子が状況に応じて判断するわ。 M16A1: ああ、そうだな……あいつは賢い…… 賢すぎるくらいだ。優柔不断なAIは指揮には向かない。あんたはあいつの性格に、もっと果断さを足すべきだったよ。それか、私がもっとあの子に厳しくしていれば…… 残念だが、その機会はもうないな…… ペルシカ_通信: そうね……ただ、あなたは今もあの子の役に立っている。知ってる?M4はいま私の後ろにいるの。あなたが話したことは、すべてあの子のメンタルモデルに同期されているわ。 M16A1: なぜそんなことを? ペルシカ_通信: メンタルを安定させるためよ。いま、あの子のリミッターを解除しようとしているの。ただ、技術に頼ってむりやり起こしてしまうと、メンタルガ制御不能に陥ってしまう。あなたの声は、そんなあの子を落ち着かせ、安らぎをもたらせられる。AI人格の修復と調整に必要なことよ。 M16A1: リミッター?調整?聞いても分からんな…… ペルシカ_通信: 今回は……M4A1をただ起こすだけじゃないの。あの子は目覚めたら、もっと頼りになる、より強力な人形になっている。それこそが、あの子本来の姿よ。 [注:じゃあなんでリミッターなんかかけたのか?] M16A1: ハハっ、そんなM4A1……まったく想像できないな。残念だよ、その姿を拝めなくて…… ペルシカ_通信: M16A1、後悔してるの? M16A1: そんなわけあるか……むしろ嬉しいくらいさ。私が本当にあいつの役に立てているのならな…… クソッ…… ペルシカ_通信: どうしたの?あなたのメンタル……不安定になり始めてるわ。 M16A1: 頭が……痛み始めた…… 微かに刺さるような痛みだ。大したことはない、ただ鬱陶しいだけで…… 【傘】がメンタルを書き換えるのってこんな感じなのか? ペルシカ_通信: おそらく……ただ、AR15からそんな報告はなかったわ。 M16A1: わざと言わなかったんだろう、あいつは……強がりな奴だから。あぁ、あと……チャンネル内にノイズが出てきたようだ…… ペルシカ_通信: 一部のモジュールも書き換えられてる最中だから、チャンネルも干渉を受けているんでしょうね。私の声も、じき聞こえなくなるわ…… M16A1: ははっ…… 別れを言うチャンスはないかもな…… ペルシカ_通信: 同期はまだ続いてるわ。もし別れを告げたいのなら、今のうちよ。 M16A1: 起こしてしまったりしないのか?ほら、あんたら人間の童話みたいに。 ペルシカ_通信: どう思う? 場所:黒背景 (M16はしばし口をつぐんだ。) M16A1: M4A1…… 待っててくれ、たとえどんな私になっていようと…… ペルシカ: M16…… M16A1: はは、さすがにこれは恥ずかしいな…… でも、言いたいことはそれだけだ…… (そう言うと、M16は大きく伸びをした。) M16A1: まあなんだ、もう私の役目は終わったってことだよな?これですっきりしたよ。まだ自分の意識が残ってるうちに、ここで別れを言っておこう…… M4A1: M16…… M16A1: …………! M4A1: M16…… 行かないで…… ペルシカ: …………! M4A1: M16……嫌!M16A1――!! (迷子になっていた私は、ようやく希望を目の当たりにした。それは頼もしくも懐かしい姿。その人が今、遠く離れた場所でたった独り燃え尽きようとしている。 [注:しかもペルシカの命令で。] あそここそが出口だ…… 私が追いかけると、その火花はみるみるうちに大きくなり、強烈な輝きを放ち――最後には天井の無影灯になってしまった…… そして私は、尽きせぬ夢の中から現実に戻ってきたのだ。) 場所:M4A1とペルシカ M4A1: ハァ……ハァ…… ペルシカ: M4A1…… やっと…… M4A1: ………… 私……どこにいるの…… ペルシカ: あなたの言えよ、M4。お帰りなさい。 M4A1: そう……やっと…… ねえ、ペルシカ……さん…… M16は?声を聞いたの…… ペルシカ: M16は…… 任務に出掛けているわ。しばらくは戻ってこない。 M4A1: そう……なのですね…… 姉さんに、会いたい…… M16A1: そうか?じゃあ、ずいぶん待たせちまいそうだな…… 場所:黒背景 (チャンネル内の通信音は耳元のノイズで完全に聞こえなくなり、信号も遮断された。別れの時、すべての人々との別れの時だ…… 私は立ち上がり、この身にまとわりついている過去の埃を悲痛な思いで払い落とす。自分がこの部屋に何やら思い入れがあるように感じた。もちろん、削除された記憶ではなく、最後の別れの場として。) 場所:鉄血バラクーダノード (盗聴され、覗き見され、ジャミング装置にされ……【傘】にマークされた私は、いったいどうなるのだろうか。その時、私のメンタルに浮かんだのは、自分でも他の誰でもなく、AR15だった。あいつは……何を想ってたんだろうな…… これ以上、もう思考を重ねることはできない。私は溜め息をつき、しっかりと武器を抱え込んだ。古い鉄製のゲートをギギギと鳴らしながら、私は部屋を離れた。) 場所:黒背景 (「朝起きたとき、普通の人はそれが人生最後の日だとは思わない。」 時にはすべてを失うことで、かえって楽になることだってある。…………ドサッ!) 場所:座り込むM16A1 (心がそれ以上四肢を制御できず、私は骨を抜かれた野良猫のように廊下に倒れ込んだ。時間だ。あとは……運命の刻を待つだけだ。…………) M16A1: 歌声……? (女性の透き通った声が耳元で響いたが、もう私にはどこから聞こえてくるのか判断できなかった。ただ耳を傾けるというのも悪くない……もう、本当に疲れたんだ……) M16A1: 心地いいもんだ…… 私もついに……夢を見始めたのか…… 場所:黒背景 ドリーマー: 違うわ、M16A1。これは夢でも幻覚でもない。ただ、あなたが完全に鉄血の深層ネットワークに浸ってしまっただけ。 場所:座り込むM16A1&ドリーマー M16A1: ……ドリー……マー…… ドリーマー: はぁ、あたしはね……こういった後処理がほんとにほんとに大っ嫌いなのよ…… 残業とか、不愉快もいいところよ…… M16A1: ……どう……した、撃た……ないのか…… ドリーマー: そう焦らないでよ、面白いことを教えに来てあげたんだから。ついさっきね、組み立て式のドローンが飛んでったのを見たの…… ああいうのって、良くも悪くも目立つんだよねぇ。 M16A1: なん……だと?! ドリーマー: まあ落ち着いてよ。確かに撃墜したんだけど、あたしの管轄外の場所に落ちたんだよね。どっちが先に手に入れるか、また奪い合いをしないとダメそう。でも、もうあなたとは関係のないことでしょ? M16A1: ふん…… 侮るな……我々の指揮官を…… ドリーマー: まあ、ご勝手に。どうせあたしも、あんなのどうでもいいし。 M16A1: じゃあ……何をしようと……している? ドリーマー: 正確に言うと、うちのエルダーブレインがあなたに会いたがってるのよ。 M16A1: なに?ここじゃ見かけていないが。 場所:黒背景 ドリーマー: だってここにはいないもの。いるのは、あなたのメンタルの中よ。さっき、声が聞こえたでしょ? M16A1: …………! 場所:廊下 (…………翌日、グリフィン本部にて。) ヘリアン: お帰りなさい、クルーガーさん。昨晩の件は解決されましたか? クルーガー: ペルシカのおかげで、とりあえず一段落だ。だが、まだ気は抜けない。軍部は今後も圧力をかけてくるだろうからな。 ヘリアン: それと、クルーガーさん…… 戦術人形M16A1の件ですが…… クルーガー: この犠牲は決して無駄にしてはならん。今回の作戦の指揮官を報奨し、他の人形のアフターケアもしっかり頼む。常に彼女たちのメンタルには気を配るように。 ヘリアン: 承知しました。ですが……率直に申しまして、AR小隊のメンタルモデルは、あまり具合がよろしくないのでは? クルーガー: 何事にも代貨は付き物だ、ヘリアン。ここ戦場においては、常により重要なものが存在する。オフィスへ移動するぞ、作業計画を変更しなければならない。以前頼んだアレの準備はできてるか? [注:アレとは] ヘリアン: はい…… クルーガーさん、決戦の時が近いのでしょうか? クルーガー: 早めに備えておくしかない…… 場所:黒背景 クルーガー: そう遠くはないぞ。 (…………第8戦役『火花』END) 収録範囲: 第9戦役(通常/緊急) 通常 > 9-1 > 場所:扉_緑 (M16A1の失踪から1週間後。AR小隊の臨時セーフハウスにて。) RO635: ねえ、SOPⅡ。AR小隊ってよくこういうこと(本部と連絡が取れず、廃墟のような工廠で数百の鉄血に包囲され、マガジンが一つしか残されていないこの状況)に遭遇するの? M4 SOPMOD Ⅱ: それは……一年前、わたしとM4たちが離れ離れになった時も似たような感じだったかな。敵はこんなに多くなかったけど…… RO635: そう……つまり今の方がひどいってこと?それなのに、また鉄血に向かってやたらめったら発砲して!言ったはずでしょ、こっそり哨戒所を抜けようって! M4 SOPMOD Ⅱ: あんな状況じゃこっそり抜けるのは無理だよ。敵に発見される前に、こっちから先にやっちゃったほうがよくない? RO635: 信号を偽装してあるから、ローエンドの鉄血兵はわたしたちを識別できないのよ!ちゃんとわたしたちのことを信頼してよ!自殺同然の命令を下したりはしないんだから、分かった? M4 SOPMOD Ⅱ: 分かったよ…… けど、やっぱりすごいよねぇ、さっきの。あれも16LABの新技術? RO635: ふふん、それにね、今や走りながらでも背後にいる敵の数を感知できるのよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも、今は走ってないけど…… RO635: 今から走るのよ!ほら急いで、あいつらに囲まれるわよ!なんなら後ろにいる敵の数でも当ててみる?! M4 SOPMOD Ⅱ: う~ん……100ちょっとくらいかな? RO635: 振り向かなくていいから、早く走って!ああああもう!指揮官お願いします!早くわたしたちを見つけてくださいー!! 場所:黒背景 (……一日前、グリフィン本部にて。) 場所:工場 クルーガー: ……何か用か? ヘリアン: クルーガーさん、M16A1の捜索についてですが…… これ以上の捜索は必要ないのではないかと思います。引き続き資源を投じても無駄になるだけです。 クルーガー: 複製不可能なエリート人形を失うのは受け入れがたいことだ。望みがある限りは、諦めるべきではないだろう。それに、私はあの指揮官と約束したのだ。 ヘリアン: 承知しました…… 例の指揮官といえば……本当に晩餐会にお連れになるのですか?あの階級で、あのような場に出席するのは適切ではないと存じます。情報秘匿の観点から見ても……ご再考いただいたほうが宜しいかと。 クルーガー: 指揮官には、この先起こることを知る権利がある。それに、これから控えているのは戦いは激しいものだ、勝利するために必要な情報だろう。 [注:は戦いは] お前は私より指揮官との付き合いが多い。それなら分かるだろう、我々に遺された退路はもう多くない。 ヘリアン: ……分かりました。指揮官もじき到着するでしょう、至急面会のセッティングを行います。 場所:司令室 (……その頃、司令室にて。) M4 SOPMOD Ⅱ: 本当?指揮官、M16を捜すのを続けていいの? RO635: ヘリアンさんを説得できるなんて、さすがは指揮官です! M4 SOPMOD Ⅱ: でも、M16が失踪した区域は一通り捜したのに、何の手がかりもなかったよね…… RO635: そうね。でもそれはつまり、M16が自力であそこを離れたってことよ。仮に鉄血に遭遇していたら、交戦した痕跡が残っているはずでしょ? M4 SOPMOD Ⅱ: 確かに!きっとそうだよ!M16はそんな簡単には捕まらないもん! RO635: ですので指揮官、引き続き支援をお願いしますね。 M4 SOPMOD Ⅱ: え?指揮官、今回は前線について来れないの? RO635: 指揮官は今回、大切な仕事があって本部へ戻らないといけないの。ただ、前線にいなくなって、指揮官は遠方から支援してくれますから問題ありませんよ。 [注:急に敬語] 指揮官、M16の失踪はわたしたちの責任です。わたしは、M4が帰ってきたときに、1人も欠けていないAR小隊を見せてあげたいのです。少なくともわたしが入隊した頃のような…… M4 SOPMOD Ⅱ: RO……大丈夫だって、指揮官がいれば何も怖くないよ!早くいこ、M16がわたしたちを待ってるよ! 2段落 > 場所:黒背景 (………… ……グリフィンの専用車が軍の晩餐会に向かっていた。) クルーガー: 確かお前は基礎訓練を終えてから、一度も本部に戻ってないんだったな。 [注:基礎訓練は本部で行う] 先日の7号ファイルの回収はよくやってくれた。あそこから貴重な情報が数多く手に入ったからな。これを機に、軍も我々と協力関係を結びたいとの意向を示している。 [注:政治フロントライン、はっじま~るよ~!] ああ、機会があれば共同作戦を展開し、鉄血に徹底的な反撃を繰り出す。それにより、現在の膠着状況を抜け出せるかもしれん。例の人形については……私も非常に残念に思っている。彼女のことは昔から知っているからな、必要な協力は惜しまない。あとは、上手くいくことを祈っている。だが、救援作戦とは別に、お前にはもっと重要な任務を頼みたい……今までとは少し違った任務だ。ヘリアンから聞いていると思うが、我々はこれから軍の晩餐会に参加する。彼らはそこで重大な情報を明かすつもりらしい。とある民間企業と協力して、共同で戦術人形のテストを行い、メディア向けの演習を行う。その通り、指揮官。その民間企業とは我々グリフィン民間軍事会社のことだ。「新世界の輝きとなるべく」、という言葉を覚えているか。カリーナに出会った頃にも聞いたはずだ。だが、我々は鉄血との戦闘が長引き、この立ち上げ当初からの理念はずっと蔑ろにされてきた。だが私は一度も忘れたことはない…… そして今こそ、長きにわたる無益な戦いに終止符を打つ時だ。今回の演習は名目上メディア向けの発表会となっているが、実際は軍が我々の鉄血殲滅作戦に協力し、兵力を提供すると公表することにほかならなん。分かっているだろうが、軍の力があれば、作戦は3日もあれば終わるはずだ。今回の作戦では、グリフィン側の指揮をお前に執ってもらいたいと考えている。お前は対鉄血の主力だ、この方面では最も発言権があるだろう。 9-2 > 場所:荒野 (……ROが捜索活動を展開していた。) RO635: 前方エリアの鉄血信号が完全に消失しました。指揮官の部隊が鉄血を殲滅してくれたようですので、これで捜索を続けられます。SOPⅡ、調子はどう? M4 SOPMOD Ⅱ: わたし?元気だよ。今はただ早くM16を見つけたい…… RO635: ええ、わたしも同じよ。でも焦ってはダメ、ジャミングを突破できるのはわたしたち二人だけなんだから。 M4 SOPMOD Ⅱ: 二人だけのAR小隊って……なんか変な感じ…… RO635: えっと……わたしと一緒に行動するの、やっぱりまだ慣れない? M4 SOPMOD Ⅱ: そういうことじゃないよ。AR小隊以外の人形との行動に慣れてないだけ。 [注:ナチュラル外様扱い] けど、その中でも一緒にいて安心できる人形はROが初めてだよ。 RO635: そうなのね……ふふっ、褒め言葉として受け取っておくわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも、これからどうしたらいいのかな…… 本当にわたし一人になったら、きっと、怖くて何もできなくなっちゃうよ…… RO635: SOPⅡ…… M4 SOPMOD Ⅱ: なんで、どうして戦術人形なのに、作戦や戦闘以外のモジュールがついているの…… こんな感情を抱いてしまうモジュールなんて、なんでついてるのかな…… RO635: 大丈夫よ、SOPⅡ。わたしたちがM16を見つけて、その後M4も帰ってきてみんなが集まれば、きっとその感情もなくなるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん、それもそうだよね!そうと決まれば早く出発しよ!邪魔する鉄血なんか、全部ぶっ壊してやるんだから! RO635: ちゃんと抑えてよ、わたしたちの目的は敵の殲滅じゃないんだから。 2段落 > 場所:廊下 (…………軍の晩餐会に到着。会場は人で混み合っていた。) ???: ……クルーガーさん。 [注:エゴール] クルーガー: 失礼、あなたは? エゴール大尉: エゴール、階級は大尉です。将軍の命であなた方をお待ちしておりました。こちらへどうぞ。 クルーガー: また昇進した奴がいるようだ、軍も最近は忙しそうだな。いくぞ。 場所:食事会場 (…………) エゴール大尉: どうぞお掛けになってください。将軍は今講演中です。終わり次第参りますので、しばらくお待ちください。 (…………) カーター: 今回の合作は、軍とPMCの協力関係を大いに推進するものでもあります。私どもはより緊密かつ効率よく人員を配置し、国民がより安全で安心できる生活環境を確保できるよう努め…… 経済の発展および再建が外部からの干渉を受けないことを保証し…… そのために効果的かつ効率的で、調和のとれた保障メカニズムを確立し、安全保障事業に対する民間企業の積極性を推進することとします。今回の試験的運用が成功すれば、この経験を他の分野にも応用し、国家の発展のために力を尽くしたく存じております。 記者A: 政府はこれまでも一部の外郭地域の安全保障をPMCに委託してきましたが、今回の協力関係を結んだことで、これらの地域の管理権も軍に移譲されるということでしょうか。 カーター: 民間企業との協力は、今まで安全保障が行き届いていなかった地域も含め、より良質なサービスをもたらすためです。地域の行政管理は一貫して中央政府に集約されており、軍は関与しておりません。 記者B: 2日前、国連が新たな加入国リストを発表しましたが、今回の行動はその「国連同名」計画と何か関係があるのでしょうか。 カーター: 繰り返しますが、民間企業との協力は地域の安全保障をより確実なものにするためであり、政治的意図は一切ありません。その質問は政府会見でなされるべきでしょう。 クルーガー: メディアは本当に厄介だな。将軍はここ数日、メディア対応の特訓でも受けているのか? エゴール大尉: ………… クルーガー: 言動を慎む部下は私も好きだ。うちの指揮官も含めてな。 エゴール大尉: 将軍の講演が終わりました。すぐに来られます。 (――3分後。) カーター: 待たせたな、メディアの対応ってやつは思ったより骨が折れる。 クルーガー: いえ、実にお見事でした。退役された際には、企業のスポークスパーソンになるのも良いんじゃないですか。 カーター: 満足のいく退職金が貰えそうなのでね、小銭稼ぎに出向くつもりはない。それよりベレ、おめでとう。お前が得たあの情報は、我々にとっても非常に重要なものだ。これからは…… ???: その通り。援軍を呼び込むための足がかりだからな、重要この上ないさ。 [注:ハーヴェル] エゴール大尉: !! ???: おっと……自身の上司の客人に対して銃を向けるとは、褒められたことではないぞ。 カーター: 大丈夫だ、しまいたまえ。 エゴール大尉: はい。 カーター: どうやって潜り込んできたのかを訪ねたいところだが、お前さん相手じゃ意味がないだろう。なあ、ハーヴェルよ。 ハーヴェル: 古き良き友とお得意様の大事な晩餐会に参加すること自体、何もおかしいことではないだろう?久しぶりだな、カーター、そしてクルーガー君。 (…………ハーヴェルは手を差し出した。) クルーガー: ………… お目にかかれて光栄です、ハーヴェルさん。 9-3 > 場所:荒野 (…………) RO635: SOPⅡ、捜索の準備はいい?援護してくれる部隊はすでに所定の位置に到着しているわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん…… RO635: もう少し休息が必要なら…… M4 SOPMOD Ⅱ: 大丈夫、今は休んでる場合じゃないから。 RO635: そうね……なら行きましょ。それとSOPⅡ、言っても意味ないかもしれないけど、それでも先に伝えておくわ…… 前に約束してくれたよね、鉄血のハイエンド人形に遭遇しても、後先考えずに飛び掛からないって。ちゃんと覚えてる? M4 SOPMOD Ⅱ: ……えっと……そんなこともあったっけ? RO635: もう……自分に都合の悪いことはすぐ忘れるんだから。この前のドリーマーの時も、救援があと一歩でも遅れていたら…… 奴らをぶっ潰したい気持ちはわかるけど、あくまで目標は任務を達成すること、そして今回の任務はM16を探し出すことよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: わたしはあいつらをぶっ潰したいだけじゃなくて、もっと……って、言わなくても分かるでしょ? RO635: わ、分かりたくないわ……この前見ちゃったのは仕方ないとして。とにかくSOPⅡ、わたしたちはもっと慎重に行動しないとダメなのよ。無意味な攻撃は自分たちを窮地に追い込むだけだし、そうなったら誰もM16を助けられなくなるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 分かったよ、ごめん…… RO635: 責めているわけではないよ…… あなたが戦闘面ですごく頼りになることも分かってる。ただ今回は、みんな揃って無事に帰りたいだけ。誰も欠けることなく…… M4 SOPMOD Ⅱ: うん……わかってる。ROがわたしのことを考えてくれてることも。ただ時々……どうしても自分を抑えられなくなって…… RO635: あなたならきっと大丈夫、わたしも全力を尽くして手助けしてあげるから。それに今のわたしは隊長よ。 M4 SOPMOD Ⅱ: ははっ、隊長って!昔のM4を思い出すよ! RO635: ええ……隊長としてM4より出来が悪いのは自覚しているけどね…… M4 SOPMOD Ⅱ: 確かにM4ほど用意周到ではないけど、思い切りの良さはROのほうが上かな。M4が隊長になったばかりの頃は、ROよりずっと不器用だったんだから。今度ヒマがあったらまた聞かせてあげるよ! RO635: 正直かなり興味はあるけど、今は急いでこの辺りの捜索を終えないと、長引いたら危険だわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん、それもそうだね。 2段落 > 場所:食事会場 (軍の晩餐会にて。) ハーヴェル: ご一緒してよろしいかね?すまない、足が悪いもので、出入り口付近を陣取るのが癖になってる。理解いただけると助かる。 カーター: 随分とよそよそしいな。たとえ貴様を一発で撃ち殺したくとも、記者が下の階で溢れている今日は選ばんよ。 ハーヴェル: ハッハッハ、カーターよ、お前のジョークは相変わらず酷い出来だな。ほら、部下の顔を見てみろ。なあ、お兄さん? エゴール大尉: ……………… カーター: 冗談を言ったつもりはない。部下の顔を見れば分かるだろう。 エゴール大尉: ……………… ハーヴェル: どうでもいいが、少なくとも功を奏してはおらんな。おぉ、クルーガー君、会えてよかった。カーター主導の軍とPMCの共同作戦は、私の不自由な脚で考えたって、君が最適な人選であることは明らかだからな。しかし、カーターがあれほどのことをやってのけられたのも、すべて君のおかげでしょうな。あのとき君がリコを送り出していなかったら、恐らく…… 今頃私らは、老人ホームでトランプでもしていただろう。 クルーガー: ………… ハーヴェル: おっと、こちらの方ですかな、最近目覚ましい活躍をしている指揮官というのは?ペルシカにずいぶんと気に入られてるそうじゃないか。彼女は好き嫌いが激しい人だからな、大切にした方がいいぞ、その……栄誉を?そう言っていいだろう。……ああすまない、自己紹介がまだだったな。君が指揮官になるより早く、すでにクルーガー君から低調に紹介されているかと思っていたよ。私はハーヴェル・ウィトキン。IOPマニュファクチュアリングの……CEOだ。 [注:そしてCV若本規夫だ。] 君のもとにいる人形たちは、基本的に我が社の生産ラインで製造されている。もちろん、ほんの一部は別だが……まあ、それは重要ではないな。 [注:個人的にはクッソ重要!] カーター: ハーヴェル、自己紹介のためだけに来たのなら…… ハーヴェル, もちろん違うさ、弊社創立時の大恩人、それに日頃から大量の注文をくださるお得意様。お二人が強力して何か大事を成そうとしているのに、人形の提供者である私がお祝いに来ないわけにはいかないだろ? カーター: 詳細を聞きたいのなら無駄だぞ、軍事機密だからな。 ハーヴェル: 私の知る限り、食事の席に秘密なんてものは存在しないはずだがな。そこに良質な酒があればなおさらだ。 カーター: 私は酒をやめてずいぶんになる。 ハーヴェル: それはまた、ずいぶんと人生を損しているな。でも、それなら将軍が実用主義者で、何事も一貫して結果を重視するのもうなずける。ああ、生きるってのは、その過程を楽しむのももちろん大切だが、結果がよろしくないと、それは無駄に生きたことになってしまうからな。 カーター: だから?何が言いたい。 ハーヴェル: 本当に鉄血を滅ぼしたいだけなら、こんな大掛かりな連合演習とやらは余計だろう。おっと失礼、正直に言いすぎたかな?私が言いたいのは、真剣に鉄血を対処したいのなら、クルーガー君一人でも解決できるだろうってことだ、違うか?要するに、誰かさんが暇すぎてこんな演習を開いているのか、或いは、そもそも鉄血の相手だなんて見せかけでしかないか…… クルーガー: ………… (…………カーターはちらっとクルーガーを見遣った。) カーター: グリフィンとの協力は、今後のより良い共同作戦のモデルを模索するためだ。ハーヴェルさんよ、それ以上出任せを言うなら、国家安全を脅かした罪で逮捕するぞ。 ハーヴェル: すぐに人を脅す悪い癖はまだ治っとらんのだな、カーター。お前はしょせん、後方勤務の補給係だ。私を脅すことはできない。私の逮捕云々は安全局の人に判断してもらおうじゃないか。それに、私はわざわざお前さんらの作戦をサポートしに来たんだ。戦争になれば大口の注文も入る、私にとってこれほど嬉しいことはないからな。 カーター: ………… ハーヴェル: さてさて、この辺にしておくとしよう。せっかく来たんだし、下にいるメディアの大物どものご機嫌取りでもしようかの。私がここにいると、まともに飯も食えんだろうしな。では、失礼。 (エゴールはすぐさまハーヴェルの行く手を阻んだ。) カーター: 大尉、行かせてやれ。せっかくの宴席を台無しにしたくはない。 ハーヴェル: よろしい。今の時代、これほど話の分かる若者はもう多くはないからな。せいぜい長生きしてくれたまえ、機会があればまた会おう。 (…………ハーヴェルは立ち去った。) クルーガー: 気にするな、指揮官。頭のネジが飛んでるじいさんにすぎない。そういうところさえ気にしなければ、提供する製品は確かだ。 カーター: お前がリコを連れ去ったことを、まだ根に持っているのかもしれん。私たちの試みが、未来の技術のためにどれほど堅実な礎を築くことになるか、あいつには到底理解できんのだろう。だが、そのうちうまみが出てくれば、あいつもきっと我々に感謝するだろうよ。 クルーガー: ええ、すべては過去のことです。これ以上考えても仕方ありません。 カーター: それでいい。では本題に入るか。今後の行動について、大まかな方針をすり合わせよう。 クルーガー: はい。今後の展開に期待しております。 場所:黒背景 (鉄血の相手だなんて見せかけ……?ハーヴェル、それは一体どういう意味だ……) 9-4 > 場所:黒背景 (……ピー。) RO635: テスト、テスト…… こちらRO、途中経過を報告します。現在、作戦は順調に進んでおりますが、SOPⅡの性能がやや低下しており、感情反応速度が遅くなっている模様です。はい。本人も気づいているようですが、状況は彼女が思っているより深刻です。この1時間、わたしの命令に対するレスポンスの平均時間が、以前より1.3秒長くなっています。命令処理速度は概ね問題ありませんが、急速時にときおり自失状態に陥り、集中力も明らかに低下しているようです。理由は分かりません。ただ、わたしに何か隠していることがあるようです。しかし、M16の捜索にはSOPⅡの経験が不可欠です。それに残るは最後の一区域のみ。とはいえSOPⅡに限らず、わたしもそろそろ休息が必要です。すでに20時間連続稼働しています、今日は…… 場所:扉_緑 M4 SOPMOD Ⅱ: RO…… RO?RO……!? RO635: ん……?なに? M4 SOPMOD Ⅱ: こっちの捜索は終わったよ。指揮官の部隊が来るまでまだ時間がかかるけど、拠点の警備はどうする? RO635: あ、そうだった……じゃあわたしが…… M4 SOPMOD Ⅱ: ROは隊長なんだから、わたしよりメンタル負荷がずっと大きいし、もう目も開けてられないんじゃないの? RO635: ………… ええ、まぁ……充電か、一回キャッシュをクリアした方がいいかも。でも、あなたは一人で大丈夫なの? M4 SOPMOD Ⅱ: 近くの鉄血はみんな片付けたし、待機してるだけならそんなに体力は消耗しないから。だからわたしに任せて。この前は寝かしつけてもらったし、今度はROが眠る番だよ。 RO635: あ、あれは……忘れてよ、恥ずかしいんだから…… M4 SOPMOD Ⅱ: へへっ、確かに。ROだけだよ、あんなことするのは。 RO635: それ……褒めてるの? M4 SOPMOD Ⅱ: もちろん。ROがいてくれてよかったよ。ごめんね、面倒ばっかりかけて…… RO635: そんなに謝らないで。あなたが喜んでくれればわたしはいいの。それにあなただって、ずっとわたしによくしてくれてるじゃない。 M4 SOPMOD Ⅱ: それはROがわたしによくしてくれてるからだよ。だからわたしもそうしてるの。 RO635: はは……世の中の誰もがあなたみたいだったら、もっと簡単なのに…… じゃあお願いね。なるべく早く回復するから、そしたらまた交代しよう。それと、何かあったらちゃんと報告してね。 M4 SOPMOD Ⅱ: 今のRO、ちょっとM4みたいだった。 RO635: こういうのがいいの? M4 SOPMOD Ⅱ: 少なくとも今のはね。 場所:黒背景 (………… …………1時間後。) 場所:扉_緑 RO635: ………… うん……タイマーを見るに一時間すぎてたみたい、今回は早かったような…… SOPⅡ、休憩代わる?…………!SOPⅡ?!SOPⅡ、いるの? (…… …………ROは慎重にセーフハウスのドアを開けた。付近にグリフィンの信号は一切なかった。) RO635: クソッ…… またなの…… もうやめてよ……!SOPⅡの信号はまだ追跡できる……連れ戻さないと。 2段落 > 場所:扉_緑 (…………ROがSOPⅡの潜んでいる場所を見つけ出した。) RO635: ハァ……ハァ…… ここなの?信号を見るに間違いないけれど…… SOPⅡ! M4 SOPMOD Ⅱ: え、RO?なんで来たの? RO635: あなたねぇ……!今回は本当にやりすぎよ!分かってるの!本当に死ぬほど焦ったんだから、もしあなたまでいなくなったら…… M4 SOPMOD Ⅱ: ごめん、でも! RO635: わたしが自由にさせた途端勝手に遠くに行くのはやめて!わたしたちがどれだけ―― M4 SOPMOD Ⅱ: ちょっと待ってRO、これを見てよ! RO635: え?これは…… M16の…… M4 SOPMOD Ⅱ: M16姉の装備箱、見覚えあるでしょ? [注:M16が入手した胡蝶事件の監視映像?を積んだドローンはS15地区に落ち、復讐砲はS02地区に落ちた] RO635: もちろん。それで、中身は何なの?何度も尋ねたけど、M16は教えてくれなかったから。 M4 SOPMOD Ⅱ: 「大したもんじゃない」って言ってたよね。 RO635: どうやって見つけたの? M4 SOPMOD Ⅱ: 前にペルシカが作った小型発信機が付いていたの。近くにいないと探知できないんだけどね。M16が万が一のために、自ら頼んで準備してもらったんだって。この先もしかしたら、M4の方がこれを必要とするかも、とも言ってた。 RO635: それで、これを探すために独断専行したのね…… この前上の空だったのも、メンタルをこの信号の捜索に割り当ててたから? M4 SOPMOD Ⅱ: 本当にごめん……ROが起きるまでには戻るつもりだったの。距離もそう遠くないから、一人で行動するほうが安全かと思って…… RO635: わたしがいたら足手まといだと? M4 SOPMOD Ⅱ: 違う……そんなんじゃないよ。M16が言ってたの、感情はあたしたちがより良い判断を下すためにあるんだって。わたしはもっとROを休ませてあげたかったし、ちょっとしたことだから一人で大丈夫だと思っただけだよ。 RO635: 気遣いは嬉しい。ただ……事前にちゃんと言ってくれれば、わたしも止めたりはしなかったよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: でもヘリアンと指揮官は?信用してないわけじゃないけど、きっとわたしたちを心配して、M16の大切なものでも自らの手で回収には行かせてくれなかったよ。 RO635: ……自分の手で回収って……それはそんなに大事なことなの? M4 SOPMOD Ⅱ: そうすれば、M16が失踪したときの情報も少しは掴めるはずだし。見てよ、表面に弾痕があるし、角が何かにぶつかった跡がある。きっと輸送中に撃墜されたんだよ…… RO635: ………… M4 SOPMOD Ⅱ: ほかに破損はないから、少なくともこれを送り出した時点で、M16は安全だったんだと思う。 [注:SOPⅡが「M16が復讐砲を送り出した」「輸送中に撃墜された」と判断したのはなぜか。] それに、これを自分から送り出す余裕があったってことは、 [注:ここまで何の痕跡も掴めていなかったSOPⅡの視点では「送り出した」ではなく「遺棄せざるを得なかった」という見方も可能なのに。] まだそんなに危険な状況に置かれていなかったってことだから…… そう思うと、少しは楽にならない? RO635: SOPⅡ…… 今日のあなたは……なんだか冴えてるね。 M4 SOPMOD Ⅱ: そ、それってどういう意味だよ!わたしは別にバカじゃないもん!ちょっと思考が偏りがちなだけよ! RO635: ちゃんと分かってるわ。AAT52も「あたしはバカなんじゃなくて、ただマルチタスクの処理性能に限界があるだけ」って言ってた。でもあなたでよかった、SOPⅡ。もしほかの人形だったら、それこそ何か起きていたに違いないわ…… そろそろAR小隊に対するイメージも更新するべきなのかもしれない。いつまでもかつての危うい仲間たちと同じような目で見てたらダメね…… [注:スケアクロウ「AR小隊は、冷酷で効率を重視するエリート人形の集まりよ」] M4 SOPMOD Ⅱ: AR小隊のメンバーはトップエリートの人形たちと比べると、性能面では見劣りするけど、その代わりこの上ない自主権を与えられてるんだ。だからM4の指揮に合わせることで、AR小隊は最高の効率を発揮できる。RO、もし本当にAR小隊のメンバーになりたいのだったら、ただ命令に従うんじゃなくて、自分で考えて動かないと。 RO635: 真面目にお説教するところなんて初めて見たわ…… なんだろう、なんだか可笑しくて、ごめんなさい、ふふっ…… M4 SOPMOD Ⅱ: はは、好きに笑っていいよ。これも全部AR15が教えてくれたんだよ、わたしはずっと覚えてるんだから。そう、AR15は……あの時いろいろ言ってたんだよ。でも、わたしにはほんの少ししか理解できなくて。 RO635: AR15…… そうね……わたしも同じよ…… 少ししか理解できなかった……でも、学んだことも多いわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん、みんないい人だよ。だからみんなのことがだいすきなの。 RO635: その中にはわたしも入ってるの? M4 SOPMOD Ⅱ: もちろん、ROも好きだよ。 RO635: うっ……意味は分かっても、改めてそう言われるとちょっと恥ずかしいかも…… M4 SOPMOD Ⅱ: そう?わたしはいつもこんな感じだけど。 RO635: うん、分かってるわ。とりあえずここを離れよう。これ以上は危険だから。…………!待って!鉄血のハイエンド人形の信号を検知したわ、今高速でこちらに向かっている! M4 SOPMOD Ⅱ: 鉄血に見つかってしまった? RO635: いずれにせよ、そう簡単に帰れそうにないわ…… M4 SOPMOD Ⅱ: でもちょうどいいんじゃない?今日は細々した雑用ばっかりで、ちょうど物足りなかったんだよね。 RO635: ははっ……そうね、それでこそあなたよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: へへっ、だんだんうちの小隊に馴染んできたね! 9-5 > 場所:食事会場 (――その頃、軍の晩餐会では。) カーター: さて、本題に入ろうか。 クルーガー: 拝聴します。 カーター: 今回は公開の演習であるため、軍は重装部隊を派遣できない。したがって、特殊訓練を受けた歩兵人形で編成された3中隊をエゴール大尉が指揮し、お前たちグリフィンの部隊とともに行動する。それと同時に、軍のネットワークを開放してグリフィンと繋ぎ、お前たちにも軍の情報システムを共有するつもりだ。 クルーガー: 情報を共有していただけるのは大変助かります。ですが以前、我々の人形が鉄血の【傘】という名の書き換えプログラムに侵入されたことがありまして。 カーター: ああ、それは知っているし、用意もしてある。より高レベルのアクティブ防衛システムの使用を申請し、中央のサーバーグループでセキュリティを固める方針だ。それに何と言っても、あれは民間企業が作ったウイルスだ、大した障害にはなるまい。 クルーガー: はい、対抗手段があるなら問題ありません。 カーター: 7号ファイルから得た情報により、当時リコがあのAIを設計するために置いていたメインコンピュータ群の位置はおおよそ特定できている。「エリザ」、すなわちエルダーブレイン以外の全ての鉄血を排除し、「エリザ」を手に入れることが我々の最終目標だ。相応の管制は行うが、演習過程はメディアが注目しているため、エゴールの部隊は派手には動けない。ゆえに外郭支援の完了後、「エリザ」の奪取はお前の人形たちに任せることになる。 クルーガー: 分かりました。私はシステムリンクの準備作業にあたり、作戦の詳細についてはこちらの指揮官が担当します。 カーター: うむ。指揮官、君の管轄区域に平和を取り戻せるかどうかは、今回の作戦にかかっている。詳細についてはエゴール大尉と協議してくれ。では私は……ん? (…………エゴールが近づき、カーターに耳打ちした。) カーター: すまん、少し用事ができた。ここで待っていてくれ、すぐに戻る。 (カーターはエゴールとともにその場を後にした。) クルーガー: 平和を取り戻す、か……本当にそんなことができるといいがな。 ハーヴェル: どうした?今回の作戦の目的に疑念が生じてるのかな? [注:うわでた] クルーガー: まるで見計らったように戻ってきたな。 ハーヴェル: すべき挨拶は全部終えてきた。それに下の椅子は、ここのほど快適じゃない。人もな。 (…………クルーガーはドアの方へ目を遣った。) ハーヴェル: 心配いらん、カーターの奴が戻ってくるのは5分後だ。気にするな。お前さんのグリフィンは長らくうちに人形を発注しているが、こうして面と向かって話すのは久しぶりだな。 クルーガー: 以前はちょっとした……そう、誤解があったように思う。 ハーヴェル: うむ、そうだな。誤解だ誤解。だからこそ、いま話そうじゃないか。そうすればその「誤解」も、すぐ解けるかもしれんぞ。 2段落 > 場所:荒野 (…………) M4 SOPMOD Ⅱ: 気をつけて、RO! (…………バンッ!) RO635: ……!あれは…… 敵はどこ!見えてる!? M4 SOPMOD Ⅱ: 西245度方向200m先にあと4体!制圧するよ、急ごう! RO635: あとマガジン1つ分しか抑えられないわ、もう弾薬が残り少ない。 M4 SOPMOD Ⅱ: 救援の部隊は?! RO635: さっき指揮官に連絡した、今こちらに向かっているそうよ! ???: グリフィン戦術人形のRO635、M4SOPMODⅡ。抵抗をやめ、直ちに投降せよ。わたしは隠れんぼは好きじゃないし、お前ら2人も好きじゃない、何より嫌いなものに対して我慢強くはいられないんだ。 RO635: ……!あれは…… 敵はどこ!見えてる?! [注:同じこと言うてる] M4 SOPMOD Ⅱ: おおよその場所しか捕捉できないけど、わたしたちの退路を塞いでるよ! RO635: ……ダメ、遠すぎる。いまここから出たら間違いなく死ぬわ。相手はわたしの偽装信号を見抜いているし、きっとハイエンドの人形よ…… M4 SOPMOD Ⅱ: でも、撤退ルートに立ちはだかってるし、このまま待ってても仕方ないよ! RO635: 大丈夫よ、落ち着いて。救援部隊はもうそこまで来てる! ???: いつまで黙り込んでいるつもりだ?いい加減答えをきかせてくれ。降参するのか、それとも戦うのか。どちらにせよこちらの準備は整っている。だが、逃げることだけは許さない。そういうわたしを怒らせるだけの選択は取らない方が賢明だ。 M4 SOPMOD Ⅱ: なんかすごい自信があるみたいだけど…… もうちょっと近づこう、そしたら射程内に入って…… RO635: ダメ!向こうが来るのを待って!相手は未知の人形よ。性能が分からないうちは、不用意に攻めるのは禁物よ。 ???: わたしはお前らを消しにきたわけじゃない、少なくとも今日は。ただ少し話をして、簡単なことを訊きたいだけだ。……M4A1という人形とは一緒か? RO635: ……なに! M4 SOPMOD Ⅱ: 余計なことを! RO635: 落ち着いて、SOPⅡ! (…………パパパン!!……通信中に突如、銃声が鳴り響いた。) RO635: ……! M4 SOPMOD Ⅱ: えっ、わたしまだ引き金ひいてない……よね? RO635: もうちょっとで頭が吹っ飛ぶところだったよ!よかった、指揮官の援軍が来たわ!早く、この隙に! ???: グリフィンの人形がほかにもいたのか?まあいい、そいつらを片付けてから訊くのも遅くはない。……全部隊へ告ぐ、プランCにて行動せよ。 RO635: まずい、相手にも増援が! ???: 人間の指揮官が指揮しているのか、一度手を合わせてみるのも悪くないな…… よし、ではお前らにはもう少し考える時間をやろう。そっちと同じ数の部隊を出してやる。だが、あまり期待はするなよ。わたしが決めたことは、誰にも変えられないからな。 RO635: ……あなた、いったい誰なの! 場所:黒背景 ジャッジ: 鉄血工造、ジャッジだ。正義と公平に基づき、不義の道に迷いこみたくなければ、わたしの問いに正直に答えろ。そうすればわたしも、お前たちの存在価値を再評価してやる。 9-6 > 場所:荒野 (…………) M4 SOPMOD Ⅱ: へ?聞き間違いかな?人に不意打ちをしかけて、退路まで塞いでる鉄血の人形が、正義と公平に基づいて何って?メンタル壊れてるんじゃないの?! RO635: まともな人形を作り出す資源が鉄血にはもうないから、こんなおかしな奴を送り込んできたのかもしれないわ。これまで一度も攻撃をしていないし、はったりをかましてるだけかもしれない。武器も装備せずに慌てて出て来たとか…… M4 SOPMOD Ⅱ: そうだね、よーし!じゃああいつをバラバラにしよう!ざっと計算して、あのチビならパーツは500個くらいかな! RO635: 待って。あいつからM16の情報を聞き出すせるかもしれない。ちょっと話してみるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: えー、鉄血と話なんか通じないって! RO635: でも、もしかしたら……M16の行方に関する情報が得られるかもしれないわ。SOPⅡ、援護して、わたしが奴と交渉する。 M4 SOPMOD Ⅱ: そう……分かった、ROの言うとおりにするよ。でも、あいつが変な動きを見せたら、すぐに残弾を全部ぶち込むからね。 RO635: 任せて。ねぇ……鉄血工造SPSP、通称……「ジャッジ」、それがあなたの名前? [注:SPSPまでは名乗ってない] ジャッジ: ………… さっき言っただろう。 RO635: 話くらいなら応じるわ!必ずしもここで弾丸をばらまく必要はないでしょ。ほら、わたしも引き金から指を離すから。訊きたいことがあるって言ったわよね。こっちにも訊きたいことがあるの、だから取引をしない? ジャッジ: ………… 取引だと?どうやら状況が分かっていないようだな。わたしは答えるつもりなどないし、攻撃していないのは、お前らにまだ価値があるからだ。だからってあまり調子に乗らない方がいい。わたしの求める答えを教えてくれるなら、命だけは助けてやる。 RO635: はぁ……どうして鉄血って皆この調子なのかしら、今度こそ少しは交流できるかと思ったのに…… M4 SOPMOD Ⅱ: ふんっ、どうせ無駄だと思ったよ。そこのチビ、今もそこに無事立ってられてるのが誰のおかげか分かってる?それはね、そこにいると~ってもやさしいお姉さんが、手を動かしらたダメだとわたしを制止しているからなんだよ…… ちなみに、わたしの「手を動かす」っていうのは、本当に「手」を動かすことなんだからね! ジャッジ: 今……なんて呼びやがった。 M4 SOPMOD Ⅱ: わたしは今、すごく我慢してるんだよ。まもなくわたしたちの指揮官の部隊がやって来て、お前の周囲にいるかわいそうな雑魚どもを引き裂いてくれるらしいからね。そうなったら今度はお前を取り囲んで、こっちの質問の番だよ!答え終わる頃には、声を発することもできなくなってるけどな!なぜだと思う?それはね、お前の発声システムに価値がなくなったらすぐに引っこ抜いて、わたしの靴の中敷きにしてしまうからなの!ほら、ちゃんと聞いてるの?そこのチビ! (…………!一筋の光がSOPⅡの耳元を掠めていった。 [注:ジャッジに光線技あったっけ]) RO635: 今のは……! M4 SOPMOD Ⅱ: これだけの火力が……! ジャッジ: 主が失礼はあってはならないと言うから、それなりの態度で話をしてやったんだが。わたしのメンタルモデルが見えるなら、わたしが今、どれほどお前らを消してやりたいと思っているか分かるはずだ。 RO635: SOPⅡ……完全に怒らせちゃったみたいだよ。いくら何でも、靴の中敷きにして踏みつけるってのはさすがにちょっと…… ジャッジ: 身長のことでからかわれるのは気に食わん。相手が鉄血だろうと、グリフィンだろうと。 [注:鉄血でもからかう奴がいるのか] RO635: ええっ、そっち?! M4 SOPMOD Ⅱ: そんなのどうだっていいじゃん!ほら、奴が向かってきてるよ、戦闘準備! ジャッジ: お前たちは罪を犯した!質問に答えてもらう前に、まずはそれを分からせてやらねばならん! 2段落 > 場所:荒野 (…………ジャッジとの戦闘はまだ続いていた。) M4 SOPMOD Ⅱ: つ……強い……傷一つつけられないし、今までの奴らとは桁が違うよ! RO635: 指揮官の部隊が鉄血部隊の殲滅を完了したわ。主力部隊が来るまで、何とか足止めしないと。 ジャッジ: たった二体の人形にしては、まあ、大したもんだ。お前らを始末してしまう前に、もう一度だけ訊いておく。M4A1という人形はどこにいる? M4 SOPMOD Ⅱ: さあね…… 後ろの拠点で、お化粧直しでもしてるんじゃないかな。レディって人前に出るには、それ相応の準備が必要なんだから。なんならもうちょっと待つ? RO635: それか、武器を捨てて誠意を示せば、或いはM4がお茶に読んでくれるかもよ! ジャッジ: ………… ……M4A1は、お前らと一緒ではないんだな。 RO635: ……なんでそう言い切れるの? ジャッジ: ドリーマー、お前の助けはいらん。だが、情報を提供してくれたことには感謝する。まったく、人形二体でわたしらの懐へ飛び込んでくるから、あいつが指揮してるのかと思ったが。……どうやら無駄足だったようだ。 M4 SOPMOD Ⅱ: おい!もう帰るのか!? ジャッジ: じゃあ、なんだ?お前ごときがわたしとやり合うってのか?主から控えるように言われてなければ、今すぐにでもお前のうるさい口を引き裂いてやりたいところだが。 M4 SOPMOD Ⅱ: M16はどこなの!答えてよ! ジャッジ: M16?あの型番の古そうな人形のことか。ドリーマーが連れて行ったんじゃなかったか。 M4 SOPMOD Ⅱ: ドリーマー?奴は今どこ?! ジャッジ: そんなの知るか。わたしはあいつが嫌いなんでね。だが、あいつに関わるのはやめておいたほうがいい。お前らのような中途半端な改造人形が、太刀打ちできる相手ではないからな。自分のことを大事にした方がいいぞ。それがM4A1のためになるだろうし、なにより主が喜ぶ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 待て!まだ聞きたいことが―― (…………ジャッジは噴射装置を使って去っていった。 [注:退場する絵面が面白過ぎる]) RO635: クソッ、速すぎる!ごほごほ!SOPⅡ?! M4 SOPMOD Ⅱ: 待ちやがれ! RO635: SOPⅡ、一人で追っちゃダメってば!少なくとも指揮官の部隊と合流するまでは…… もうっ!ほんと人の言うこと聞かないんだから、急いで追いかけないと! 緊急 > 9-1 > 場所:扉_緑 (M16A1の失踪から1週間後。 [注:以下丸コピ] AR小隊の臨時セーフハウスにて。) RO635: ねえ、SOPⅡ。AR小隊ってよくこういうことに遭遇するの? M4 SOPMOD Ⅱ: こういうことって? RO635: 今のような状況よ…… 本部と連絡が取れず、廃墟のような工廠で数百の鉄血に包囲され、マガジンが一つしか残されていないこの状況のこと。 M4 SOPMOD Ⅱ: それは……一年前、わたしとM4たちが離れ離れになった時も似たような感じだったかな。敵はこんなに多くなかったけど…… RO635: そう……つまり今の方がひどいってこと?それなのに、また鉄血に向かってやたらめったら発砲して!言ったはずでしょ、こっそり哨戒所を抜けようって! M4 SOPMOD Ⅱ: あんな状況じゃこっそり抜けるのは無理だよ。敵に発見される前に、こっちから先にやっちゃったほうがよくない? RO635: 信号を偽装してあるから、ローエンドの鉄血兵はわたしたちを識別できないのよ!ちゃんとわたしたちのことを信頼してよ!自殺同然の命令を下したりはしないんだから、分かった? M4 SOPMOD Ⅱ: 分かったよ…… けど、やっぱりすごいよねぇ、さっきの。あれも16LABの新技術? RO635: ふふん、それにね、今や走りながらでも背後にいる敵の数を感知できるのよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも、今は走ってないけど…… RO635: 今から走るのよ!ほら急いで、あいつらに囲まれるわよ!なんなら後ろにいる敵の数でも当ててみる?! M4 SOPMOD Ⅱ: う~ん……100ちょっとくらいかな? RO635: 振り向かなくていいから、早く走って!ああああもう!指揮官お願いします!早くわたしたちを見つけてくださいー!! [注:以上丸コピ] 2段落 > 場所:道路 (…………) RO635: ハァ……ハァ……さすがに……振り切れたでしょ…… M4 SOPMOD Ⅱ: 多分ね……信号もスキャンできなくなったし。 RO635: ハァ……ハァ……足でジャッジを追っても無駄どころか、ハァ……ジャミングエリアにまで入り込んじゃって、通信はできないし、外では数百体の鉄血が待ち構えているし…… ハァ……弾薬もじき無くなるし、バッテリーも残り少ない…… その上、何がきついってこんなでっかい箱まで背負わされて……ハァ……ハァ…… [注:復讐砲の所有者推移] こんな目に遭うって知ってたら……まだ……パレット小隊にいたほうがよかった…… [注:アンジェ→ペルシカ→M16→RO635→M4A1] 少なくともAATのおしゃべりで死ぬことはないし……あるにしても、こんなに早くは……ハァハァ…… M4 SOPMOD Ⅱ: プッ……アハハハハ! RO635: こ、こんなときに……ハァ…ハァ……なんで……笑えるのよ…… M4 SOPMOD Ⅱ: ごめんごめん、だって無駄話ばっかなんだもん!本当にあの優等生のRO635だよね? RO635: もう……なんて返せばいいのか…… M4 SOPMOD Ⅱ: なに、もうバテちゃったの?もっと運動したほうがいいよ、RO。 [注:人形に運動不足とかある?] 普段からもうちょっと後方支援とかに参加してさ。 RO635: 余計なお世話よ、わたしは指揮タイプの人形なんだから!あなたこそ……なんでそんなに身体能力が高いのよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: これこそがわたしの長所だもん。AR小隊の中で、追跡が一番得意なのはわたしなんだから!本職ってやつだよ! RO635: ハァ……あなたの本職は追い詰めたあとの拷問かと思ってたわ。あれを拷問と呼べるかは怪しいけど…… M4 SOPMOD Ⅱ: ごめんね、いろいろ苦労かけて。ただ、M16を見つけるためのチャンスは絶対に逃したくないから。それより、ROって前はすごく真面目で、なんか距離がある感じだったけど、今はすっごくかわいらしいよね! RO635: かわいらしい?いま、そんなこと言ってる場合?! RO635: 怒ってるところもなかなかかわいい。 RO635: 持ち上げたって無駄よ。前に何度も言ったよね、命令には従うようにって。こんなことして、後でどうなるか分かってるの? M4 SOPMOD Ⅱ: うーん……でも何かをしなければいけないんだよ。それで何かを成し遂げないと止められないんだよ…… ROもそうでしょ?来ないという選択もできたのに、それでもわたしと来ることを選んだんだから。 RO635: 指揮官と約束したからね。あなたたちを全員連れ帰るって。あなたも、M16も。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん……ROの行動からも、約束を守ろうとしてくれているのが伝わるよ。これでROもAR小隊の立派な一員だよ! RO635: そう言ってもらえると嬉しいわ……でもこれ、結局どうすればいいのか…… M4 SOPMOD Ⅱ: わからないよ……わたしもすっごく眠いし…… RO635: もう一日中休んでないものね、そろそろ限界でしょ…… わたしが見張りをするから、先に休んでて。何とかして通信を回復させないと……一体どうしたら…… 9-2 > 場所:食事会場 (…………) ハーヴェル: それで、どこから話そうかね?そうだな……あの不運なリコのことから始めるか? クルーガー: ………… リコのことは私も無念に思っている。 ハーヴェル: いや、そうでもないさ。これは運命であり、天が彼に与えた使命。要するに、ツイてないのが奴だっただけだ。ところで、カーターが必要だと言っていた、あの……確か「エリザ」だったか? クルーガー: ……これまでずっと鉄血を指揮し、我々に敵対してきたAIだ。 ハーヴェル: エリザか、実に良い名だ。だが、そいつがそこまで重要なのか?軍がここまで大々的に動いて片付けねばならんほどに? クルーガー: 人形技術の未来のためだ。軍には未来への備えとして、より良い人形技術が必要らしい。 ハーヴェル: ハッハッハ!いやぁ……クルーガー君…… 君はカーターが言っていた、技術が未来がって話を本気で信じるのかね?私自身、人形製造に携わる者だが、自律演算可能なAIが、我が社の数千人規模の部隊を上回るとは思えんがね。しょせんただの人形…… 今のご時世、歩兵の補助設備ごときが、戦争の洗礼を受けた老兵の目に留まるとでも? クルーガー: それはつまり…… ハーヴェル: 鉄血が使っているのはどんなネットワークだ?そのエリザというのは何に基づいて設計されている? クルーガー: オーガス……?カーターが欲しがっているのは、あのオーガスシステムだとでも言いたいのか?しかしあれは、80年代にはすでに放棄されたもののはず…… ハーヴェル: 話が早いな。幸い今の私たちは、80年代の愚かな指導者どもの下にいるわけではない。でなければ今頃、シベリアで芋でも掘って暮らしてただろうよ。いいか、あれは決してどこか立派なところから掘り出したものではない。あれは……かつて皆が関心を寄せていたところなんだ。 クルーガー: ………… ハーヴェル: それに、あれはカーター自身が欲しがっているとも限らんよ、クルーガー君。カーターもしょせんは大勢のうちの一人さ。本当に指示を出しているのは……はは……。君も知っているだろう。国家を越えた連盟が形成されつつあることを。しかし、先進的な取り組みを阻止したがる保守勢力はいつでも一定数はいるもんだ。そして、勝敗を決するのも、結局はどちらがより力を持ってるかってだけ。 場所:黒背景 (…………ハーヴェルはクルーガーのすぐそばまで歩み寄った。) ハーヴェル: クルーガー君、私が今回来たのは、君に忠告するためだ。決して、嵐の中を飛び回る小鳥になってはならん。嵐は巻き込んだもの、すべてを破壊する。小鳥が誤って入り込んだかどうかなど意に介さない。 (…………ハーヴェルは体を起こし、立ち去ろうとした。) ハーヴェル: 君という大口の顧客を失えば、私も取締役会で言い訳をするのが苦しくなる。老後を安泰に過ごすためにも、まだお給料は貰いたいのでね。 クルーガー: ………… 場所:食事会場 (…………その時、ドアが開いた。) カーター: 待たせたな、もう解……ハーヴェル! ハーヴェル: ほら、5分だろ。 カーター: やはり貴様の仕業だな!こんなろくでもないことをやってくれるのは貴様しかいないからな!ハーヴェル、何故こんな時に私の顔を潰すようなことをする! ハーヴェル: いやぁカーター将軍、何のことでしょう?ご身分の高い軍人でいらっしゃるのですから、発言はもっと慎重になさるべきかと存じますが。 カーター: 今すぐ私の前から消えろ、さもないと貴様のそのボロ杖で、もう一本の足をへし折るぞ! ハーヴェル: はいはい、将軍の仰せのままに。では失礼。 (ハーヴェルはクルーガーに耳打ちした。) ハーヴェル: 人を遣って来賓の車のタイヤから空気を抜いただけだ。ああ、君のはやってないぞ、ハッハッハ…… (…………ハーヴェルは体を起こし、立ち去ろうとした。) ハーヴェル: おぉ、そこにいたのか指揮官。君に期待しているぞ。近々また会う機会があるだろう。では皆様方、いずれまた。 2段落 > 場所:黒背景 (――2時間後。) M4 SOPMOD Ⅱ: ……RO? RO635: 起きたのね。 M4 SOPMOD Ⅱ: どれくらい経った? [注:時計とか搭載してないのか] RO635: 多分……2時間くらいよ……? M4 SOPMOD Ⅱ: そんなに……ROは何してたの? RO635: M16のあの箱に小型発信機が入ってたでしょ?その信号を増幅できないか試してたの。指揮官もわたしたちを捜しているはずだから、連絡がつけばすぐ撤退できると思ってね。 M4 SOPMOD Ⅱ: ほんと?RO、そんなこともできるの? RO635: 体力じゃあなたに敵わないけれど、私にもあなたより得意なことがあるわ。よし、あとはゆっくり充電が終わるのを待つだけかな。 M4 SOPMOD Ⅱ: 充電が必要なの? RO635: 高い出力の信号を出すにはある程度のエネルギーが必要なの。わたしの非常用電源からゆっくり給電すれば、充電もできるし、私もダウンしないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: な、なんだかハイテクだね。AR小隊はそんなことしないから初めて見たよ。 RO635: ふふ、それは光栄ね。それと……そうね、ちょうどいいタイミングだし、AR小隊の昔話でも聞かせてもらえないかな?充電にはまだしばらく時間がかかりそうだし。 M4 SOPMOD Ⅱ: うーん…… 昔のことかぁ、う~~ん。あ、そうそう、思い出した!初めてAR小隊で演習したときはね、もうほんとに酷かったんだよ! 場所:SOPⅡとRO_暗がり M4 SOPMOD Ⅱ: ――あの演習には、最終的に5時間もかけちゃったんだよ。そのうち2時間は、M4が自分の命令を調整するのに使っちゃったんだけどね。その2時間の間、わたしたちは入る部屋を間違えたり、20分近く冷水に半身浴したり、撃ち落すドローンを間違えたり、時報が鳴ってM4を驚かした時計を3つも壊したりで、もうめちゃくちゃだったんだよ。 RO635: えぇ……想像以上に酷いわね。普通の人形が隊長を務めても、演習でそこまでミスはしないはずよ…… M4 SOPMOD Ⅱ: たぶんそれが新型の指揮人形ってものなんだよ。びっくりだよね、精鋭部隊に入ったと思ってたのに、隊長がこんなに頼りない奴だなんて。特にAR15なんかは……知ってるでしょ、あいつは結果をすごく気にするタイプだから、最終的には絵に描いたような不機嫌な顔をしててさ。それを当時のM4はすごく怖がっていて、M16にどうすればいいか相談してたんだ。あの頃はM16しか話し相手がいなかったから。そしたらM16はね、AR15のことなんか気にするなって答えたんだ。でないとミスが増え続け、仲間の機嫌を余計損ねるだけだって。そしたらM4はしばらく黙り込んでから、M16にそれはできない、それじゃ問題を解決できないって言ったの。そしてすかさずAR15のところへ行って、ごめんなさい、わざとじゃないんですって謝ったんだよ。そしたらAR15は軽く睨みつけて「M16の言う通りにするべきだったな」って言い残して、行っちゃったの。いちばん酷かったのはね、M4のストックがM16のお腹に直撃した時かな! RO635: あー……それは痛そうね。 M4 SOPMOD Ⅱ: そうそう、M16のあの顔はなかなか見れたものじゃないよ。それでM16は歯を食いしばって言ったんだよ、「ほら、ミスが出たぞ、私の機嫌まで損ねてどうする」って。 RO635: ハハッ……で、その作戦は無事終えられたの? M4 SOPMOD Ⅱ: なんとかねぇ。でもね、最後の最後にちょっとした問題が起きたんだけど、これが面白いんだよ!これだけは聞かないとダメだよ! RO635: 何があったの? M4 SOPMOD Ⅱ: M4がすごいことをやらかして、全員を泣かせちゃったの! RO635: 全員を?何か感動的なことでもしたの? M4 SOPMOD Ⅱ: それがね……催涙ガスグレネードを投げちゃって。最後のターゲットを粉砕するはずが、M4は緊張しすぎて…… 一斉射撃のときに一人だけ間違えてそれを投げたんだけど、角度が悪くて跳ね返ってきちゃってさ。 RO635: ちょっと……それはさすがに人形のやることとは思えないわね。 M4 SOPMOD Ⅱ: それで当然めちゃくちゃになってさ、みんな催涙ガスの中でおんおん泣いちゃって。 [注:人形に催涙ガスが効くのか……] AR15は泣き喚きながらM4に殴りかかろうとするしさ、しかも本気でだよ?ただ涙で周りがよく見えないから、手を伸ばしながらひたすら叫んでたんだよ。「M4!このドアホ!」「あんたは救いようのない奴よ!その脳味噌の中身はザリガニと同じで全部生ゴミよ!今すぐあんたの襟元を掴んで何発か平手打ちをかまし、その汚物にまみれたメンタルモデルを物理的に消毒してやる!どこいいる!クソ!!」 そしたらM16が「そう怒るなよAR15。一応ターゲットは片付いたし、なによりM4の服には襟なんてない。やるなら、人間の女が喧嘩する時みたいに、髪をひっぱるしかないぞ」ってさ。 RO635: あはは……わたしが前いた小隊でもよくあったわ。食料1パックとか、ミネラルウォーター2箱とかを巡ってね。M16も泣いていたの? M4 SOPMOD Ⅱ: そりゃそうだよ。M16があんなにポロポロ泣いたのはあの時だけかもね。まあ、わたしもよく見えなかったんだけど。あのときはわたしも泣いてたから……同時に笑ってもいたけどね、だってすっごい面白いでしょ?その演習以前はみんな真剣で真面目な顔してたのに、あんなにボロボロ涙を流してぐちゃぐちゃな表情をしてさ。その時初めて、みんなわたしと一緒なんだって思ったよ。 RO635: M4は?彼女は泣きながら何をしてたの? M4 SOPMOD Ⅱ: それがね、なんにもしてなかったの!M4だけは本気で泣いてて、しかもすごく大きな声で「私のミスです!本当に本当にごめんなさい!」って叫んでたんだよ、ずっと。それこそいじめられた子どもみたいにね。あんなの映画でしか見たことないし、一体どこで覚えたんだろう。とにかく酷いもんでしょ?わたしたちの隊長はそんなどうしようもない奴でさ!いつも大恥をかいててさ!ほんとにさ、ハハハ!もう一回みたいぐらいだよ!ははは…… はぁ…… ただ…… それももう……無理かもしれないね…… RO635: SOPⅡ…… チャンスはまだある、M16はきっとどこかでわたしたちを待っているはずよ。AR15だって……まだはっきりしてないことはたくさんあるでしょ?わたしたちが生きている限り、いつかきっと何とかなるよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん…… ROはさ、わたしたちに感情モジュールがついてるのは、なぜだと思う? RO635: それは…… M4 SOPMOD Ⅱ: M16にも聞いたことがあったんだけどね。そしたらあいつは、わたしたちがただの殺戮マシーンじゃないってことを証明するためなんじゃないかって言ったの。わたしたちには感情がある、だから冷酷な軍用人形たちとは違うって。だけど、感情こそわたしたちの弱点で、不良品である証拠だって言う人もいるよね。ROはどう思う?人形に感情があると……不良品ってことなの? RO635: 分からないわ…… でも、感情モジュールは人間がわたしたちに与えたものよ。自分たちの製品に、わざわざ不良品のレッテルを貼るわけないじゃない?だから……きっと何か意味があるはずよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: もしかしたら、ただ面白いってだけで、人間はわたしたちのことなんか気にかけてないのかもね。 RO635: ふふっ、もし本当に気にかけてないんだとしたら、わたしたちは自由だってことになるね。目的がなければ、秩序もない。夜戦から戻ってきたマカロフが、ある時そう言っていたわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: そう……RO、その考え方は……面白いと思う。少なくともわたしは、感情モジュールがついてて後悔したことはないよ。これがあるからAR15とM16を覚えてられるんだし、だからこそ再会するために努力できるから。 RO635: そうね…… だけど残念ながら……今の環境に感情は適さないみたいね。今はとにかく、生き残らなければならないから。 場所:黒背景 RO635: 絶対に……生き残らないと。 9-4 > 場所:司令室 (…………) ヘリアン_通信, 指揮官、輸送機に乗ったか?いい知らせがある。前線で比較的に強力な遭難信号が一つ確認された。我々はそれがAR小隊からのものだとみている。AR小隊にこれ以上の被害が出ることは、貴官も望んではいないだろう。よって部隊を派遣し、急ぎ救援に向かってくれ。これはできるだけ早くした方がいい。先ほどクルーガーさんから連絡を受けたが、これから大規模な作戦があるそうだ。二人とも現場にいるのなら、状況は私より貴官のほうが詳しいだろう。……分かっているだろうが、残された時間はそう多くない。幸運を祈る。 場所:戦術マップ M4 SOPMOD Ⅱ: 鉄血の大群がこっちに向かってきてるよ! RO635: 反応早いわね!わたしも非常に強い信号を検出したわ。信号の特徴はジャッジにそっくりよ! M4 SOPMOD Ⅱ: 今回もまたわたしたちだとは思ってないだろうね! RO635: こっちへ来たら、飛び出て行って「サプラーイズ!」って驚かしてやるのはどう? M4 SOPMOD Ⅱ: へへっ、いいねそれ!でも、わたしたちしかいない今の状況じゃ…… ネゲヴ_通信: こちらネゲヴ小隊。AR小隊、応答せよ!二人ともまだ生きてる? RO635: いいところに来たわ!こちらAR小隊、RO。聞こえますか、ネゲヴ小隊。信号の位置にて救援を待っています。 ネゲヴ_通信: 了解!次はこんな遠くまで呼びつけないでよね。それか自分たちの足で戻って来なさいよ、分かった? RO635: 鉄血があなたのような思いやりのある相手なら、ご期待に沿えるよう全力を尽くしますよ!ところで残業は嫌いなのですか! ネゲヴ_通信: あなたたちと関わるのが面倒なのよ!次からはもっと遠いところで働かせてもらうわ!……で、どういう状況なの? RO635: 電源、水、弾薬、すべてが足りていません。 [注:水が必要なのか?] 救援部隊はいつ頃到着しますか? ネゲヴ_通信: わたしたちが救援の先遣部隊よ。指揮官の部隊もすぐに到着するわ。 RO635: 分かりました。ついでにもう一つ、鉄血のハイエンド人形「ジャッジ」もこちらに接近中です。重要な情報を握っているので、生け捕りにしたいのですが、頃合いを見て最大火力でサポートしていただけませんか?あとはこちらで何とかします。 ネゲヴ_通信: はぁ…… 指揮官から「救援」任務だとは聞いているけど、「生け捕り」もあるとは聞いてないわ。 RO635: 世の中、なにが起こるか分からないものなのですよ。ネゲヴさん、善人を演じるなら、きっちり最後まで演じ切ってください! ネゲヴ_通信: 善人?全然わたしのことが解ってないようね、ROさん…… でも、壊すのは大好きだから、喜んで参加してあげるわ。準備を済ませてあなたの信号を待ってるわよ。 RO635: ありがとうございます!では始めましょう! 2段落 > 場所:荒野 (戦闘終了。) ジャッジ: AR小隊の匂いに、一面に転がる鉄血の残骸、そして、閑散とした工廠の中央には信号送信機、と。 [注:説明乙。] これで待ち伏せのつもりなら、わたしもなめられたもんだな。 RO635_通信: 今です! ネゲヴ_通信: 撃て!撃て!ここで奴を撃ち殺せ! [注:生け捕りェ] (…………グリフィンの攻撃が激しくかつ正確にジャッジに向かって飛んだが、一つも命中することはなかった。) ジャッジ: 三方向からの攻撃か……面白い。 RO635_通信: これでも傷一つつかないのか!?SOPⅡ! M4 SOPMOD Ⅱ: まずはこのグレネードをくらえ! (…………グレネードがジャッジの武器システムに命中した。) RO635: SOPⅡ!今よ! M4 SOPMOD Ⅱ: サプライズだよ!また会えたね、おチビちゃん! ジャッジ: チッ…… M4 SOPMOD Ⅱ: どうしたの、その表情は初めて見たよ?どうやら、今回は本気みたいだね。銃弾で傷つけられないのなら、近接戦で行くよ! ジャッジ: その近接戦闘に対する自信がどこから湧いてるのか知らんが、主がお前らを死なせるなと言うのでな…… 今のわたしは本気を出したりしない。 RO635_通信: この期に及んでまだ強がるのね!ジャッジ、あなたの命はわたしたちの手の内にあるのよ。今すぐ降参して、M16の居場所を教えなさい!そうすれば、あなたの身の安全は保証するわ。少なくともSOPⅡに手出しはさせない! ジャッジ: 手の内?降参?勝手なことを言ってくれる。わたしはAR小隊の識別信号を見かけたから、一目見てやろうと思って来ただけだ。そしたらまたお前らで、まったく時間の無駄だったがな。それに……どうやら迎えが来たようだ。 RO635_通信: 迎え? ジャッジ: って、またあいつか……他に選択肢はないのか? RO635_通信: ジャッジ!聞こえてるでしょ、直ちに降参しなさい! (…………ジャッジはチラリとROを見た。) 場所:黒背景 (……そして、突然グリフィン部隊に向かって左手を振った。) RO635: ……!EMPです!危ない! M4 SOPMOD Ⅱ: あっ! ネゲヴ_通信: くそっ!あいつの動き、前はあんなに速くなかったはず…… [注:知ってるのかネゲヴ] (…………上空からエンジン音が響いてきた。 [注:ROにとっては未知の人形だったのに]) ジャッジ: じゃあ、またな。お前らの努力は認めよう。だが今回は残念だったな。お前らに、彼女を連れ戻すチャンスがまた訪れればいいが…… (…………ジャッジは輸送機に飛び乗った。) ドリーマー: あらあら…… ……というより、正しくは「あれ」を回収、でしょ。 RO635: …………! (……鉄血工造の輸送機内にて。) ドリーマー: お疲れ様ですわ、ジャッジさま。 ジャッジ: わざとらしい。わたしを迎えに来る気なんてなかったんだろ? ドリーマー: そんなわけないじゃない、なんといってもエリザ様の命令だもの。 ジャッジ: エリザ様の命令は、AR小隊を生かすことだけだったはず。 [注:ジャッジが「主」じゃなくて「エリザ様」って呼ぶのなんか違和感が……] ドリーマー: ふふ、それとあなたを連れ帰るという命令に、どんな違いがあるのかしら?それにエリザ様は今、本当にあなたを必要としてるらしいの。これは直々に下された召集命令よ。 ジャッジ: どういうことだ。 ドリーマー: あたしにも分からないわ。ただ、エリザ様は「遠くに危ないものが見えた」とだけ仰ってた。 ジャッジ: エリザ様でさえ「危険」と見なすもの…… ………… あり得ないだろ…… ドリーマー: あたしたちの敵は、グリフィンの人形だけじゃないのかもね。ようやく……盛り上がってきたじゃない…… 場所:荒野 (――数分後。グリフィンの人形たちが徐々に意識を取り戻し始めた。) RO635: 動けますか? ネゲヴ: 体は正常よ、メンタルは今一つだけど。ほかの人形たちも動けそうね。こんな手ごわい奴だって知ってたら、もっと対策を用意しておくんだった。 RO635: ごめんなさい、わたしが焦り過ぎたせいで。 ネゲヴ: いいって。あんな怪物は久々よ、面白いじゃない。ほかの増援部隊も続々と到着してるから、わたしはちょっとそっちに行ってくるわ。これからどうするかは後で相談しよう。ほら行って、あんたたちを待ってる人がいるんでしょ。 RO635: 支援いただきありがとうございます。外郭はお願いしますね。……って、今わたしたちを待ってる人と言いました? ネゲヴ: そんな大したことじゃないわ、あまり期待しないことね。 (…………ネゲヴは立ち去った。) RO635: ……やっぱり変な人ね。SOPⅡ、あなたは大丈夫? M4 SOPMOD Ⅱ: うん……まあ何とか……やっぱり逃げられちゃったか…… RO635: ジャッジは思ってたよりずっと強かったわ。負傷者が出なかっただけでも上出来よ。 M4 SOPMOD Ⅱ: RO、あのドリーマー……あいつが言ってたのって本当なのかな? RO635: ………… M4 SOPMOD Ⅱ: わたしがもっと頑張って……いっぱい鉄血を始末したら、M16は帰ってこられると思ってた…… でも……それって…… 実はそんなに簡単じゃないの……? RO635: 分からないわ…… わたしはしっかり準備したし、方向性も間違っていないつもりだった…… でも……わたしは何もできなかった…… 誰か教えてくれる人がいたら…… 或いは戻ったら、指揮官に会って相談したほうがいいのかもしれないわね…… M4 SOPMOD Ⅱ: ………… RO635: どうしたの? M4 SOPMOD Ⅱ: ………… RO、あそこにいる人形って…… RO635: …………! ??: お久しぶり…… 場所:トラックを背に立つM4A1 M4A1: ……SOPⅡ、それにRO635さん。 (…………その瞬間、SOPⅡが飛びつくんじゃないかと思った。だけど、彼女はそうせずに、ただそこに突っ立っていた。いや、何かの力によってそこに押さえつけられているようだった。彼女はいま自身のメンタルモデルの中から、その仲間に対するイメージを再確認しているのだろう。ちょうどわたしと同じように…… その人は確かにM4A1、幻ではなく本物のM4A1だった。ずっと話に聞いていた、直接この目で見てみたいと願っていたAR小隊の隊長だ。わたしたちはこうして、初めて出会った。) RO635: M4A1さん、初めまして。お会いできて光栄です。 M4A1: 光栄だなんてそんな。同モデルの改造品ってだけですよ。 [注:他にもルニシア似の人形がいる?] M4 SOPMOD Ⅱ: M4、その……元気なの? [注:それともある型の人形を改造してルニシア似のM4A1を作った?] M4A1: ええ、これまで苦労かけてごめんね、SOPⅡ。それは……M16姉さんのもの? M4 SOPMOD Ⅱ: M4……ごめん、M16は…… M4A1: ……分かってる。あなたたちはよくやってくれた、感謝してるわ。とりあえず車に乗って、すぐに作戦を開始するわ。 RO635: 作戦?何のですか? M4A1: ………… 場所:黒背景 (その瞬間、M4A1はわたしの方を向いた。感情を最小限に抑えた、小さく冷酷な目で。わたしは以前にもその目を見たことがある気がする。そう、果てしなく彷徨い続けたメンタルから滲み出る憎しみの目、M16A1が時折見せていた目だ。) M4A1: クルーガーさんご自身から発表された、最高優先度の作戦…… ……エルダーブレイン殲滅作戦よ。 (………… 第9戦役 ロスト END) 収録範囲: 大型イベント「特異点」 特異点 > 大撤退 > 起点 > 場所:黒背景 (………… [注:【はじめに】ステージ「エンドゲーム」のストーリーは「CH3の1段落」→「CH1の1段落」→「CH2の2段落」→「CH3の2段落」の順になっている。] [注:可読性のため、ここでは順序を入れ替え、CH3でまとめている。]) AK-12: 見てられないわ。グリフィンの部隊は撤退しちゃったし、放っておけば彼女もそう長くはなさそうね。……あなたはどう思う? 場所:雨に打たれるM4A1 聞き慣れた人形の声: アンジェリアはあいつを引き取るとは言ってないわ。今回の任務はあくまで様子見、命令を受けるまでは待機のはずよ。 AK-12: いいの……?彼女が死んでも。 聞き慣れた人形の声: 命令は命令でしょ。 AK-12: でも私、知ってるよ?あなたならできるって。自分にその権限があるのは分かってるでしょ。 聞き慣れた人形の声: …… 私をそそのかしてるの? AK-12: あなたのこと、命令に背くプロだって聞いてるよ。なら、ちょっとくらい面白いことしてくれてもいいじゃない? 聞き慣れた人形の声: それもそうかもね。こんな名前の小隊にいるんだし、何をしたって許されそう。私が質問をする番よ、AK-12。【反逆】小隊の人出は足りてる? AK-12: ふーん、あなたもなかなかずる賢いわね…… まあ、確かにあと一人くらいは欲しいかも。 (…………) AK-12: なら【反逆】小隊は、もうすぐ二人目の臨時メンバーを迎えることになるわね。ただ、私たちの足を引っ張らなければいいんだけど。なんと言ってもこの小隊は…… 新型のエリート揃いなんだから。 場所:黒背景 (…………35分前 現在時刻 16時00分――) 背景の文字: 誤った理論を黙認するのが許される唯一の条件は、その理論よりも優れたものがない場合に限られる。同じ様に真理と正義との類比に従うならば、さらに大きな不正義を回避することが必要である場合にのみ、そうした不正義を容認することができる。ともに人間の諸活動が達成すべき最重要の徳・効能であるがゆえに、真理と正義は非妥協的な性質を有する。――『正義論』第一章第一節 AK-12: これはもう本物の戦場と変わらないわね…… たかが民間軍事会社がこれほど大きな騒動を引き起こすなんて、把握している資料だけじゃ想像もつかないわ。でも、これは私たちにとってはむしろ好都合よね?色々と動きやすくなったわけだし。 場所:特異点ロゴ AK-12: あら、時間ね。さて…… いよいよ私の出番かしら? 場所:戦場 AK-12: アンジェ、さっきまでの状況についてだけど。軍の小隊がM4A1のいるセーフハウスを襲撃したことが確認されたわ。グリフィンの被害は不明。ただ、M4A1がそこに残されたままなのは確かよ。それが妙なんだけど、なぜだか分かる? [注:エリザを誘き寄せるため(クイーンズギャンビットⅡ)] アンジェリア_通信: 大したことじゃないさ。彼らにもきっと彼らの目的がある。ところで、私が指示したオフラインの作業はどう? AK-12: 完了したわ。ただちょっと……問題はあるけど。このM4A1って人形、色んなところから目をつけられているようだけど、回収しなくてもいいの? アンジェリア_通信: 判断はAR15に任せればいい。彼女ならどうすべきか分かるはずよ。 [注:自然なネタバラシ] AK-12: 昔の部下だからよく知ってるのね。 アンジェリア_通信: 嫉妬してるの? AK-12: 言っておくけど、自信過剰はいつか命取りになるわよ。 アンジェリア_通信: その点は、誰よりもよく分かっているつもりさ。 (……通信終了。) AK-12: 今日もまた面倒な一日になりそうね、心配だわ…… 法律、制度、命令……人間はなんで人形みたいな生き方をするのかしら?あなたは考えたことある…… ……AR15? AR-15_MOD: ……整備中だから邪魔しないで。 AK-12: あら?一人でどこ行くの? AR-15_MOD: そんなことまで答えないといけない?アンジェから自由に行動する権限はもらってるわ。 AK-12: 本当に単独行動するつもり?あなたの中にはまだ【傘】が残ってるんでしょ?メンタルモデルは無事とはいえ、更なる感染を防ぐため、対外的な接続機能は全てロックされてるはずよね。 AR-15_MOD: だから? AK-12: だからあなたはダミーの制御もできないし、私たちと作戦状況の同期だってできない。これが何を意味するか、わかるでしょ? AR-15_MOD: 確かに今の私はツェナーネットワークを使用できないけど、無線で最低限の連絡ぐらい取れるわ。それで十分よ、単独行動が最適なの。 AK-12: あとで後悔しないか心配なだけよ。 AR-15_MOD: ……後悔なんてしたことない。 AK-12: 強がりすぎると、あとで痛い目にあうわよ。それに、アンジェから新しい任務、聞いてみたくない? AR-15_MOD: ………… 聞いてあげるわ。 AK-12: 私たちにM4A1の救出へ向かってほしいみたいよ。 AR-15_MOD: …… あんた……どういうつもり? AK-12: どうって?なんのことか分からないわ。 AR-15_MOD: チッ…… そんなはずない、当初の計画と違うわ。 AK-12: 計画なんて変わるものよ。あなたの運命と同じ様にね。 AR-15_MOD: …… もういいわ。行きましょ。 AK-12: 単独行動はもういいの? AR-15_MOD: 人をからかうのがそんなに楽しい? AK-12: あっはは、そんなことないけど、あなたの反応が面白くてつい。 場所:戦術マップ AR-15_MOD: ここからM4A1のところまで少し距離があるわ、どうする? AK-12: 自動タクシーを呼んで、あとは気持ちよく座っていれば目的地に到着、とか?そんなわけないじゃない、もちろん徒歩よ。 AR-15_MOD: 二人だけで? AK-12: 道中にグリフィン人形の生き残りがたくさんいるはずよ。彼女たちを回収して一時的にコマンドを書き換えればなんとかなるわ。どう?昔の仲間の手助けにもなるわよ? AR-15_MOD: そんなことはどうでもいい。けど、一番いい方法なのは間違いないわね。行きましょ。 2段落 > 場所:黒背景 (……) ??: M4…… ………… M4A1…… M4A1: ………… こ……ここは……? 場所:M4を背負うAR-15 M4A1: ……!え…… A……AR…… AR-15_MOD: 動かないで。負ぶうの大変なんだから。 M4A1: ………… 本当に……A15? AR-15_MOD: 大人しくしてて、声聞いてたらわかるでしょ? M4A1: どうして…… ……信じられないわ!AR15……あなた……無事だったの!? AR-15_MOD: 詳しいことは後よ、まずはここを離れることが先決。 M4A1: でもこんな時に……どうして…… AR-15_MOD: 任務中にあんたを偶然見つけただけ。少なくとも……悪いことはでないはずよ。 M4A1: 降ろして、自分で歩くわ。 AR-15_MOD: 自分で歩けるなら最初から負ぶってないわ。 M4A1: ……?!体が……いうことを聞かない……? AR-15_MOD: 文句ならそいつに言って…… コードを切る時にあんたのメンタルモジュールをちょっと傷つけたせいで、一時的に動けないのよ。 [注:そもそもなぜコードを切る必要が……というかなんのコードを切ったのか……] AK-12: そうそう、私のミスよ。だからこの箱を背負ってあげてるんじゃない。ただこれも、あなたみたいな型落ち人形が、妙に精密なモジュールを搭載してるからよ。私のせいだけじゃないわ。 M4A1: この声……誰? AK-12: 戦術人形AK-12よ。【反逆】小隊の。 M4A1: 反逆……?何をする小隊なの?AR15もそこの一員なの? AR-15_MOD: 新しい雇い主を受け入れた以上、私に他の選択肢はないわ。アンジェリア。あんたも会ったでしょ。 M4A1: アンジェ……リア……?……私が作戦区域に入る手助けをしてくれた、あの女性のこと?他のみんなは?SOPⅡ……それにROは? AR-15_MOD: ……今はそれどころじゃないの。鉄血のエリートがまだ近くにいる。目の前のことに集中して、今は大人しく私と撤退することね。 M4A1: …… SOPⅡ…… RO…… 場所:黒背景 M4A1: 私……憶えてる…… ROは確か…… いや!私……みんなを見捨てたりなんて出来ない!お願い!行かせて! AR-15_MOD: 落ち着きなさい!今のあんたじゃ、十歩も歩かないうちに鉄血に捕まるわ。 M4A1: なら、こんなことになったのは誰のせいだっていうの! 場所:M4を背負うAR-15 AR-15_MOD: あんたを狙ってる奴から切り離すために、セカンダリレベルから切断せざるを得なかったのよ。 M4A1: 私を狙って?……誰?誰なの? AR-15_MOD: まさか、本当に鉄血だけが敵だと思ってる? M4A1: ど……どういうこと……?グリフィンの任務は……鉄血を倒すことじゃなかったの?それじゃ、仲間の犠牲は……私の目指してた道は…… AR-15_MOD: とにかく、今は休んでなさい。必要な力は、その後で与えるわ…… 場所:黒背景 M4A1: ………… AR-15_MOD: M4? AK-12: メンタルモデルへの負担が大きすぎて、プライマリレベルでの意識を保てないんだわ。 場所:戦場 AR-15_MOD: まったく…… AK-12、現場で何を見たか教えて…… AK-12: 悪い知らせばかりよ。まず、M4SOPMODⅡが失踪した。この近くにいないことも確かめたし、彼女に関する手がかりもなかったわ。 AR-15_MOD: ………… AK-12: ストレートに言い過ぎたかしら? AR-15_MOD: いいえ、それでいいわ…… ROは、私が見た時は…… (AK-12はため息をついた。) AK-12: RO635は完全に機能を停止しているわ。だから…… AR-15_MOD: …… 絶対に……奴らを許さない。それで、戦死した人形のメンタルモデル回収についてだけど…… AK-12: それが、RO635のメンタルモデルは丸ごと抜き取されていたのよ。機能停止後の出来事であるのは確かだわ。 AR-15_MOD: …… それがいい知らせなのかどうか…… AK-12: ポジティブに考えるならば、奇襲を逃れたSOPⅡが、ROのメンタルを持ち去ったってところね。これなら満足? AR-15_MOD: …… そうだといいわね。 AK-12: もちろん、そんな風に考えない方がいいわ。期待が外れた時のためにもね。ただ、人のことはとりあえず後にしましょ。この先、十一時と五時の方向にそれぞれ二つの鉄血小隊を確認している。しかも周辺の地形が劣悪なせいで、正面からの衝突は避けられないわ。 AR-15_MOD: よくそんな風にお喋りしながら戦況の把握ができるわね。 AK-12: 私をみくびっているのかしら?それとも自分を過大評価しすぎたのかな? AR-15_MOD: どっちでもないわ、結果にものを言わせましょう。 場所:黒背景 AR-15_MOD: (M4……もしあんたが、今のAR小隊の状況を知ったら……) (あんたなら……どうする?) 衝程死点Ⅰ > アンジェ 16:55 > 場所:戦場 (……) AK-12_通信: アンジェ、M4A1を回収したわ。次の指示は? アンジェリア: あら、本当にAR15に連れまわされてるのね。 AK-12_通信: AR15の判断に従うようにって言ったのはそっちでしょ。それに新メンバーの決断やリアクションにも興味あるしね。みんなM4A1を欲しがっているみたいだし、先に回収しておいて間違いはないでしょ? アンジェリア: M4A1の価値はそれだけじゃない。とにかく、よくやったわ。そっちの戦況はどう? AK-12_通信: 鉄血の主力部隊が全力でS09地区外へ向かって突破を重ねているわ、今回はほんとにもたないかも。 アンジェリア: 了解よ。新しい指示はすでに送ったわ、速やかに実行するように。それと、くれぐれも安全には気を付けて。 AK-12_通信: え?それってなんだか矛盾してるような―― (……ピー。アンジェは通信を終了した。) アンジェリア: 今は私たちにとって絶好のチャンスよ、早いうちに鉄血の中枢要塞に潜り込む必要があるわ。AN-94、戻ってる? AN-94_通信: 指揮官、ご指示を。 アンジェリア: ご苦労。【傘】の拡散速度と被害区域について、簡単に報告してちょうだい。 AN-94_通信: 【傘】の拡散速度は現在、理論値の上限にほぼ達しています。軍の主力が撤退し、彼らが設置したアンチジャミングシステムが全て閉じられたのが原因かと。 アンジェリア: いよいよグリフィンの息の根を止めに来てるわね…… AN-94_通信: それともう一つ、良い知らせがあります。彼らは西軍区司令部のサーバーでセカンダリレベルネットワークを構築し、鉄血に対抗するための演算サポートを行っています。加えて、今でもこの戦場の指揮サーバーと直接繋がっており、ファイアウォールによる保護もありません。このチャンスを利用しますか?私としては…… アンジェリア: あら?お偉いさんたち、随分と油断しているようね。キーワード【オーガス】で、今すぐサーバーに入っている情報を探してちょうだい!それと、今回の作戦に参加している可能性のある軍関係者の名前もお願い! AN-94_通信: 今まで通り猪突猛進に、ですか? アンジェリア: じゃなきゃ、私にあなたのような新型人形をよこさないでしょ。ほら、早く早く。 AN-94_通信: 少々お待ちください。余計な情報が多いので、整理します。 (…………5分後。) AN-94_通信: アンジェ、検索が完了しました。興味深い情報が二つほど。一つは2032年のオーガス施設と関連があるソ連軍の作戦報告。そしてもう一つは、ミンスク付近にあるオーガス関連の小型遺跡OKB-413の発掘記録です。 アンジェリア: 小型……遺跡? (アンジェはモニターをじっと見つめた。) アンジェリア: やはり情報は正しかったのね。あいつら……とんでもないものを狙ってる…… まさか……オーガスが造られた本当の目的は…… AN-94_通信: 今はゆっくり読んでいる場合ではありません。【傘】は今も凄まじい速度で拡散しています、私たちに残されている時間はそう多くありません。 アンジェリア: そうね……これ以上鉄血を野放しにしておくわけにはいかないわ…… これってまさか……2032年に行われた例の作戦の名簿?カーターと……ウィトキン? AN-94_通信: こちらを見て答えてください。 アンジェリア: 電子戦はできたわよね?Aポイント付近にある廃棄人形を使って、一時的な盾にできないかしら。 AN-94_通信: たしかに廃棄された人形の演算能力を借りることで、【傘】の拡散へ対抗することは出来ます。しかしこの規模の接続には膨大なメモリ領域が必要で、セカンダリレベルへ入る必要がありますね。 アンジェリア: ええ、任せたわ。 場所:黒背景 AN-94_通信: ちゃんと聞いてましたか?私の意識がセカンダリレベルに入れば、あなたを守る者はいなくなるのですよ。 (……アンジェは顔を上げた。) アンジェリア: なんだ、私がそんなに弱く見えるのかい? 2段落 > 場所:戦術マップ (……) AN-94_通信: アンジェ、これからハッキングを行いますが、あなたの協力も必要です。戦場におけるジャミングがかなり強力ですので、周囲のレーダーステーションを一定時間押さえてくれないと、正しくコマンドを送れません。 アンジェリア: レーダーステーションさえ占領しておけば、軍の人形をコントロールできるというわけね? AN-94_通信: ええ。ですが、時々接続が切れることもあります。なにせ今は戦況が…… アンジェリア: 混乱極まってる……ものね。つまり軍の人形に対するコントロールがたまに効かなくなるということよね?わかった、それはこちらでなんとかするわ。とにかく、レーダーステーションは私に任せなさい。軍のデカブツは頼んだわよ。 3段落 > 場所:黒背景 (作戦完了後……) 場所:戦場 AN-94_通信: 人形たちの演算能力はすべて使いきりました。これ以上続けると【傘】が私の受動防壁を突破する恐れがあります。 [注:傘に素で耐えられるROって凄かったんだな……] アンジェリア: ご苦労。もう十分よ、接続を切って。 AN-94_通信: はい。 アンジェリア: Aポイントの近くに通信ステーションがあるわね。 AN-94_通信: はい、私たちが通ったことのある場所です。 アンジェリア: ええ、その通信ステーションで前に用意した衛星通信設備を使って外部と連絡を取りたい。できるわよね? AN-94_通信: もちろんですよ。 (……ピー。AN-94がログアウトする。) 場所:黒背景 アンジェリア: オーガスシステム…… 元々はソ連が設計した三進法構成の全国家自動化管理システムだった…… それが今は鉄血のAI基本制御プロトコルに…… しかし、本当にそうなのかしら? 衝程死点Ⅱ > アンジェ 17:42 > 場所:鉄血司令室 (…… ……ピー。アンジェは通信ステーションの設備を使い、外部と通信を行った。) アンジェリア: ……本当ですか?グリフィンが今S11地区へ向かおうとしている?ええ、見えています、こちらの状況もかなり混沌としています。……はい、私もそう思います。秩序の維持を理由に軍は堂々と戦場に乗り込んでくるでしょう。もちろんそれがただの建前だというのは承知です。今はまだ周囲で部隊の再配置を行っているだけのようですが…… もし主力部隊の介入を許してしまえば、我々は彼らを止めることが出来なくなるでしょう。ええ、出来うる限りの足止めはしますが、支援なしじゃ長くはもちません。……支援部隊を周辺区域に待機させているだけではなんの解決にもなりません…… 局長もやつらの狙いについてはご存じのはずです…… もちろん、局長が心配していることも承知です。時間はできるだけ稼ぎます。ただ、もし最悪の事態に陥ったときは、私が以前立てた計画の実行を許可していただきたいです。 [注:計画⇒爆撃(最終手段Ⅰ)] ええ、極端なモノであることは理解しています。しかし、もし…… はい、許可を待ちます。なるべく、そうならないよう努めます。 (……通信終了。) アンジェリア: さて、どうやら全力を尽くすときが来たようね。うん……彼女たちが無事であることを願うわ…… (…………ピー。 ……暗号化チャンネル通信中。) UMP45_通信: やっほー。会いたくなった? (……………………) アンジェリア: あなたに会いたい時は、決まって面倒事が起きた時よ。【ファイル】はどうなってる? [注:【ファイル】→M16が入手した「胡蝶事件当時の監視カメラの映像」] UMP45_通信: フフン、言うまでもないでしょ? アンジェリア: 片付いたのなら、早く戻ってきて。 UMP45_通信: それがちょっと、面倒なことが起きてね。なんと偶然にもグリフィンの大撤退に出くわしちゃってさ、今はそのお手伝いをしているの。 アンジェリア: シーアから聞いてるわ。相変わらず偶然を装うのが好きなようね。分かったわ。ただ助けた人は記録しておいてね、報酬を請求しておくから。もっとも、グリフィンがまだ残っていればの話だけど。 UMP45_通信: グリフィンが払えないときは、あなたの口座からよろしくね。 アンジェリア: 唯一支払える権限を持っている私が生きていればね。 UMP45_通信: それで、私に会いたくなった訳を教えてくれるかしら? アンジェリア: 新しい手がかりよ。私の示したこのCポイントに移動して、そこにあるデータベースをスキャン調査して。 UMP45_通信: ちょっと、マップはちゃんと確認したの?私たちを死にに行かせて、借金を踏み倒す気? アンジェリア: 報酬は胡蝶事件の黒幕に関する情報よ、これで満足? 場所:UMP45とUMP40 UMP45_通信: …… 場所:鉄血司令室 UMP45_通信: ………… もうそんなところまで辿り着いたの? アンジェリア: そういうのに関してはプロだから、私。それから、以前ドローンから手に入れた【ファイル】をシーアへ転送してもらえる? UMP45_通信: 直接ペルシカさんに渡さないの? アンジェリア: そのうちね、ただ彼女はあくまでも解読者よ。なにしろ……この【ファイル】を必要としているのは、彼女一人だけじゃないからね。 衝程死点Ⅲ > アンジェ 18:20 > 場所:鉄血司令室 (……ピー。) AN-94: AK-12から平文通信がきています、繋げますか? アンジェリア: 傘ウィルス感染の危険があるから、軽率な真似はやめるよう言ったのに…… AN-94: メンタルスペースをすべて防御へ回せば、【傘】ウィルスの干渉を受けても10秒間の通信ができます。 アンジェリア: 頼むわ。 AK-12_通信: アンジェ、聞こえる? アンジェリア: 聞こえてるわ、任務は確認したでしょ。βポイントで合流よ。 AK-12_通信: こんな時に言いにくいのだけど…… 実は……ちょっと面倒事に巻き込まれたみたいで。 AR-15_MOD_通信: ぐだぐだしないで!アンジェ、私たちは今鉄血の主力部隊から攻撃を受けているわ!至急増援が必要よ! (……ザー、ザーッ。) アンジェリア: 敵の攻撃にさらされないよう、私たちが到着するまで持ちこたえて! AR-15_MOD_通信: アンジェ、それから―― (……ザー、ザーッ。) アンジェリア: それとM4A1の状況は?AR15? (……) アンジェリア: AR15?AK-12?ちっ、ダメか…… AN-94: うっ……アンジェ…… 申し訳ありません、私ではこれが限界です。もっと……うまくやれたはずなのに…… アンジェリア: 戦闘特化型としては上出来よ。AK-12たちは今、鉄血の主力から攻撃を受けてるわ。 AN-94: 命令は、彼女たちを助けることですか? アンジェリア: その通り。これでAK-12に一つ貸しをつくれるわね。 AN-94: 貸しなんて関係ありません。彼女を守るのが私の役目です。 アンジェリア: あなたがそう言うんなら良いわ。 場所:戦術マップ AN-94: 先ほどのスキャンで区域内にいる敵データの確認ができました。こちらが反逆小隊のいる戦場のマップです。この先には多くの敵が待ち構えており、AK-12を包囲している鉄血の中にはエリートのボスもいます。 場所:黒背景 アンジェリア: エクスキューショナー……今やあんな鉄血ユニットでさえ、そこまでの強さを誇るのか…… [注:初心者の壁やぞ。] AN-94: とにかく、突破は容易ではありません。 アンジェリア: なら……AK-12たちのことは諦める? AN-94: あなたの命令なら、私は全力を尽くします。 アンジェリア: それじゃ出発だ。彼女たちが待っているからな! 衝程死点Ⅳ > アンジェ 19:30 > 場所:戦場 (…………作戦終了。) アンジェリア: ふぅ……とりあえずは片付いた? AN-94: 代償は大きいですが、合流へのルートは確保できたはずです。 アンジェリア: 【できたはず】じゃなくて、【できた】よ。ほら、あそこにいるやつらを見てみろ。 M4A1_MOD: …… [注:MODⅢになっとる!] AK-12: AN-94、よくやったわ。 AN-94: ……いいえ、当たり前のことをしたまでです。 AR-15_MOD: アンジェが自ら出向いてくれるなんてね。 アンジェリア: もちろんよ。私はいつだって命がけで部下を守る、頼れる指揮官よ?せめて、礼の一つくらい言ってもいいんじゃない? AR-15_MOD: はぁ……本当あなたらしいわね、私が口出しすることでもないわ。それからお待ちかね、こちらが私たちの新しいメンバーよ。 アンジェリア: ………… いい格好ね、最後のメンタルアップグレードも上手くいったようでなによりよ…… でしょ、M4A1? M4A1_MOD: ……こんにちは、アンジェリアさん。M4A1、なんなりとご用命ください。 圧縮燃焼Ⅰ > 反逆小隊 16:46 > 場所:戦術マップ (……) AR-15_MOD: AK-12、自分の特技はちゃんと覚えてるわよね? AK-12: どれのこと? AR-15_MOD: ここを通るにはあの軍の人形たちをなんとかしないといけない。直接制御できれば一番ね。 AK-12: できなくはないけど、そうね、少し助けが必要だわ。あそこにレーダーステーションが何基か建ってるの、見える?あれらを占領すれば、電子戦を通じてハッキングを仕掛けられるわ。 AR-15_MOD: レーダーステーションね……わかった、M4A1に伝える。 AK-12: それから、どのレーダーがどの人形と繋がっているかは分からないから、そこは運任せになるわね。 AR-15_MOD: どのみち選んでいる場合じゃないわ。レーダーステーションはこっちでやる、残りは頼んだ。 2段落 > 場所:黒背景 (……) AK-12: …… 前方右方向、距離1700メートル、一個小隊、こちらに向かっているわ。これで3方向を鉄血に塞がれたことになるけど……これって偶然かしら? AR-15_MOD: 鉄血が私たちの位置を把握できる理由は、ただ一つよ―― 場所:M4を背負うAR-15 M4A1: また私のせい、ですよね? AR-15_MOD: そしてあんたを連れて行かなきゃいけない理由でもある。 AK-12: 後方にいる鉄血の射程圏内に入ったわ、もう攻撃を始めてるようね。やつら、遂には偵察さえもしなくなったみたいね。 AR-15_MOD: あいつらは設定されたコマンドに従っているだけ。きっとエルダーブレインも大忙しなんでしょ。 AK-12: エルダーブレインの演算能力もたいしたことないのね。鉄血がもっと軍の相手をしてくれるかと期待していたのに。どのみち、私たちにとってはいい知らせじゃないけど。 AR-15_MOD: ……自分でもどうしてこんな任務を引き受けたのか、分からなくなってきたわ。飛んで火にいる夏の虫とはまさにこのことね。近くに隠れる場所はない? M4A1: だから…… どうして戻ってきたの…… AK-12: AR15、隠れ場を探してる時間はなさそうよ。十一時方向にいる鉄血がもうすぐ来るわ。 M4A1: 私が足手まといならここに置いていけばいいでしょ!早くおろして、AR15!SOPⅡとROたちのところへ行かせて! AR-15_MOD: ……ちょっとしたことで一々騒がないで。もう少しして、どうしようもなくなったら叶えてあげるから。けど、今はまだ諦めたくないの。 AK-12: ここを離れるわ、少し先に進めば広い空き地がある。軍がさっきまで暴れてた場所ね。それでもって残骸の中でかくれんぼをする準備もしておきましょう、じゃなきゃ私たちもあれの仲間入りよ。 M4A1: 降ろして!AR15!もうこれ以上……私のために犠牲になってほしくない!だから降ろして! AR-15_MOD: 黙ってて、逃げられなくなった時はちゃんと降ろしてあげるわよ!AK-12、さっき発見した鉄血の小隊、あとどれぐらいで私たちに追いつく? AK-12: 10分ほどかな?私たちをここで包囲する計画だろうけど、まったく面白みにかけるわよね…… AR-15_MOD: ……だけど、理には適ってる。そこまでお見通しなら、なにか策でもあるんじゃないの? AK-12: ない……って言ったら? AR-15_MOD: そしたら、ここで無様に死ぬことになるわ。死ぬならまだしも、無様なのはイヤでしょ?だから教えて、背後の掩体が破壊される前に、早く。 AK-12: あら…… あなたのこと、頑固者だってアンジェから聞いてたから、ダミー人形と行動するようなつもりでいたけど。意外と面白い表情もするのね。改めて興味をそそられたわ、AR15。 AR-15_MOD: それは最悪ね……で、どうすればいいの? AK-12: 私たちを追っている鉄血はここに集結している。なら、ここで一気にやっつけちゃえばいいのさ。 AR-15_MOD: 私たち二人だけで? AK-12: 私一人で十分よ。まあ、テキトーに隣で撃って支援してくれてもいいけどね。ただ私、AN-94と違ってああいう野蛮な戦い方はしないの。やっぱりここは軍の人形の力を借りちゃおうかな。 M4A1: まさか……強制接続するつもりですか?しかし……強制接続はメンタルに大きな負担が…… AK-12: あなたたちの基準で私を計らないことね、M4A1さん。うーん……この軍の人形たち、ボロ過ぎて盾にはならないけど、動けばまあ鉄血の相手くらいはできそうね。 (…………ピーピー ……トゥー、トゥー、トゥー。 ……ブーン――!) 場所:黒背景 軍用人形: ……認証しました。命令待機中。 M4A1: そんな……こんなにも早く接続を完了するなんて。 AK-12: あはは、私は適当な民生用人形にスティグマを加えて作られたモノじゃないからね。できて当たり前のことを褒められても困るわ。 AR-15_MOD: そんなことできたんなら早くやってよ!それともなに、私が必死に走り回ってるのが面白いわけ!? AK-12: 強制接続ってかなり疲れるのよ?それに、さっきまでは周りにこの鉄のデカブツたちがいなかったんだし。とにかく、さっさとここの鉄血たちをやっつけて、それで残った時間でM4A1に対する過ちを償うわ。 場所:M4を背負うAR-15 M4A1: え? AR-15_MOD: 償い? AK-12: そう、償い。私があなたにしたようにね。 AR-15_MOD: つまり……セカンダリレベルの調整装置を持ってるってこと? AK-12: 電子戦特化型だもん、これくらい搭載してて当然でしょ?安全に撤退した後、時間に余裕があればすぐ始めましょう。 M4A1: あなたたち……何を言ってるの? AR-15_MOD: 自分の足で走りたいんでしょ?あんたを直す時間がきたのよ。ついでにちょっとした改造も盛り込んで…… M4A1: 盛り込む?何を? AR-15_MOD: そうすれば……私と同じようになれる。 場所:黒背景 AR-15_MOD: より強く、より自由で、そしてより混乱した状態へ…… 人形としての不幸はここから始まるのよ。 M4A1: …… 一体……何を言ってるの? 圧縮燃焼Ⅱ > 反逆小隊 16:50 > 場所:倉庫 (……戦闘終了後、セーフハウスの中にて。) AK-12: たかがコードが切れただけで、メンタルモジュールがここまでやられちゃうなんてね…… 旧型といえど、ちょっと脆すぎじゃない……? M4A1: すみません。修復にはどのくらいかかりそうですか? AK-12: 修復プログラムをいくつか使っておけば十分かな。それに時間はまだあるわ。ここにある装備を使って、ついでにあなたのアップグレードも済ましちゃいましょ。 M4A1: アップグレード?本当にそんなことが……?修復だけで十分です。他は別に…… AK-12: これは命令よ、だからちゃんと聞き入れてね。ほら、横になって。使ってない空きポートがたくさんあるから、きっとすぐ済むわ。 M4A1: はい……ありがとう、AK-12さん。 AK-12: 「AK-12さん」なんてよそよそしい、「AK-12姉さん」でいいわよ。 M4A1: ね……姉さん? AK-12: もう、可愛げがないわね……やっぱりいいわ。とにかく現状、味方は多いに越したことはないの。頼れる人形の手助けがあれば、AR15の愚痴も聞かずに済むわ。 AR-15_MOD: 誰のせいだと思ってるのよ…… AK-12: ふーん、あなたのメンタルスペースって……意外と広々としているのね…… さっき言ったことは撤回するわ、あなたは民生用人形にスティグマを加えて改造しただけの人形じゃないわね、だって使ってるパーツのほとんどが軍用レベルの物だもの。 M4A1: そ……そうなの…… AK-12: どうりでアンジェが気に掛けるわけだわ。ほら、じっとしてて。ちゃんと余ってるスペースを使ってあげるし、全部私に任せてくれていいから。暇ならAR15とお話しててもいいわよ、内緒話とかでも構わないわ。 AR-15_MOD: それって……あんたが聞きたいだけでしょ。 AK-12: そんなこと言ってないけど~? (……AK-12が慎重にアップグレードを始めた。) M4A1: …… ……AR15。 AR-15_MOD: …… M4A1: 私たちと…RO、SOPⅡの他は…… ……指揮官……それと他の人形たちは、今どうしてるの? (……AR15は少しためらった。) AR-15_MOD: 私には関係ないわ…… 最後にAK-12から聞いた話では、撤退したらしいけど。 M4A1: 無事撤退できたの? AK-12: どうかしらね……見た限り、かなりの被害を被っていたけど。私としては…… M4A1: やっぱり…… 鉄血のクズども……!全部【エルダーブレイン】のせいね……騙されたわ……それでみんなは…… 許さない!絶対に許さない! AK-12: …… (AK-12がAR15の方をちらっと向くと、AR15はため息をついた。) AR-15_MOD: M4A1…… 本当のことを伝えるわ、落ち着いて聞きなさい。 M4A1: え? AR-15_MOD: 今回グリフィンを陥れたのは鉄血ではなく、軍なのよ。最初から……軍の陰謀だったの。 M4A1: そ……んな……?だけど、私たち…… AR-15_MOD: ええ、信じられないとは思うけど、M4A1、これが真実よ。SOPⅡ……それとROも……軍にやられたわ。 M4A1: 軍が……?ど、どうして…… すべては軍が始めたことなのに…… どうして……鉄血じゃなくて…… どうして……ROなの……どうしてROが……一体誰なの?本当に軍の人間なの!? [注:SOPⅡ「解せぬ」] AK-12: 軍の人間が直接手を下したのよ。現場の弾痕や遺留品から見て間違いないわ。もちろん、あちらとしては【制御不能に陥った人形の排除】として事件を片付けるつもりなんでしょうけど。 AR-15_MOD: M4A1、エゴールって大尉は知ってる? M4A1: ………… AR-15_MOD: あんたたちを襲撃した真犯人は彼よ。 [注:ウィリアム&カーター「彼だぞ」] RO635へ引き金を引いたのも彼に違いない。 M4A1: エゴール?そ、そんな……あの人は…… AR-15_MOD: 少なくともAR小隊に手を下したのはエゴール、これは揺るぎのない事実よ、M4A1。 M4A1: ………… エゴールが…… AK-12: 怖気づいちゃった?あんた、鉄血なんかよりもっとヤバい奴を相手に復讐しようとしているのよ。 M4A1: …… それが本当なら…… 相手が人形だろうと……たとえ人間だろうと…… 必ずこの手で葬ると誓うわ。 AK-12: あら、ずいぶんと人形らしくない発言が出てきたわね。もうすぐアップグレードが終わるけど、今後は勝手な行動は控え、ちゃんとAR15の命令を聞いてね。 AR-15_MOD: M4A1、軍の真の目的を探るのが今回の任務よ。準備が整ったら私たちの任務に加わりなさい、きっと答えが見つかるはずよ。 M4A1: あなたたちの小隊に? AK-12: 【反逆】、いい名前でしょ? M4A1: RO635とSOPⅡの仇を取れるなら、小隊に加わるわ。あなたたちやアンジェの命令を聞く。目的を成し遂げるまでは。 圧縮燃焼Ⅲ > 反逆小隊 18:20 > 場所:戦場_夜 (……包囲網を突破中。) AR-15_MOD: 本当に全部あいつ一人に任せていいの? AK-12: アンジェが大丈夫って言うんだから、きっと大丈夫よ。 [注:いつ言ったっけ] それにあなたたち、同じ小隊なんでしょ?彼女のことはよく分かっているはずじゃないの? AR-15_MOD: 分かっているからこそ心配なのよ…… なのにあなたときたら……ちょっとのんきすぎるんじゃない。 AK-12: 人形は人形らしくしてればいいの。私がなんでもかんでも心配してたら、人間なんていらなくなるでしょ?あっ、戻ってきたわね。 (……M4A1がこっちに向かって来た。) M4A1_MOD: 敵を全滅させたわ、次の目標地点へ向かいましょう。 AK-12: 修復後の調子は上々ね。だけど無理は禁物よ。直したばっかりなんだから、また壊れたら困るわ。 M4A1_MOD: 体が軽くなったような気がするわ……機動力も照準速度も上がって……AK-12、素晴らしい技術ね。 AK-12: あなたに褒められたって、あまり嬉しくないけどね。メンタルモデルはちゃんと新しい装備に慣れている?使いすぎてまたなんかの不具合を起こしてメンタルが壊れたら面倒だわ。聞いた話では…… M4A1_MOD: この手であいつらを葬るまで持ってくれれば十分よ、すぐに片付くと思うわ。 AR-15_MOD: M4、砂漠を横断する時の馬とラクダの違いって知ってる? M4A1_MOD: なに?心あたたまるお話? AR-15_MOD: 馬は疲れが見て取れるけど、ラクダは前兆もなく突然倒れるの。もちろん、取り残された人間は孤立無援よ。この話が本当かどうかはおいといて、私の言いたいことは分かるわね? M4A1_MOD: …… 自分のメンタルモデルに何か異常があったら、すぐに知らせるわ。次は私が聞く番よ、AR15……あなたも、まだ私に教えてないことがあるでしょ? AR-15_MOD: なんのこと? M4A1_MOD: あなたがどうして生きているのかってこと。 AR-15_MOD: 今は昔話をしている場合じゃないわ。 AK-12: M4、AR15の傘ウィルスのことなら、とりあえずは安心していいわよ。 AR-15_MOD: AK-12、あなたは黙って。これ以上言ったら―― 場所:黒背景 (……ドゴーン!!) 場所:戦場_夜 (……それから数秒の間、互いの声は爆発音にかき消された。……ドーン!ドーン!……埃、樹木、残骸、何もかもが空高く巻き上げられていく。) AR-15_MOD: ケホッ!ケホケホ!M4、大丈夫!? M4A1_MOD: ええ、なんとか! AK-12: AR15、あなたって怒ると周りに爆発が起きるのね? AR-15_MOD: ふざけてる場合!?鉄血の主力からの砲撃よ!気づかれたんだわ! AK-12: 信号を見るに、超高危険度の鉄血人形が接近しているわ。今の私たちで適うような相手じゃなさそうね。 M4A1_MOD: 敵の先鋒部隊が来ます!反撃準備! AR-15_MOD: AK-12、今すぐアンジェに連絡して! AK-12: あら?まずは自分の力だけで試してみないの? AR-15_MOD: 相手は重火器持ちよ、勝てるわけないでしょ!? AK-12: はいはい、仕方ないわね、平文通信で呼びかけるわ。アンジェ、聞こえる? アンジェリア_通信: 聞こえてるわ、任務は確認したでしょ。βポイントで合流よ。 AK-12: こんな時に言いにくいのだけど…… 実は……ちょっと面倒事に巻き込まれたみたいで。 AR-15_MOD: ぐだぐだしないで!アンジェ、私たちは今鉄血の主力部隊から攻撃を受けているわ!至急増援が必要よ! AK-12: 耳元で叫ばないでよ!自分の無線機があるでしょ! [注:無線機で連絡が取れるなら、それを使えば傘のリスクはゼロなのでは?] 場所:鉄血司令室 (……ザー、ザーッ。) アンジェリア_通信: 敵の攻撃にさらされないよう、私たちが到着するまで持ちこたえて! AR-15_MOD: アンジェ、それから―― (……ザー、ザーッ。) AK-12: あーあ、切れちゃった。やっぱりAN-94に電子的な操作は難しかったみたいね…… でも、いまので私たちの座標を捉えてくれたはずよ。あとは守りに徹して援軍を待つだけよ! AR-15_MOD: 分かった!M4、一緒に敵を食い止めるわよ!アンジェの増援が到着するまで! 圧縮燃焼Ⅳ > 反逆小隊 19:30 > 場所:戦場_夜 (…………作戦終了。) AR-15_MOD: M4、もう大丈夫、前にいるのは友軍だから。彼女たちが反逆小隊のメンバー、アンジェとAN-94よ。 M4A1_MOD: …… AK-12: AN-94、よくやったわ。 AN-94: ……いいえ、当たり前のことをしたまでです。 AR-15_MOD: アンジェが自ら出向いてくれるなんてね。 アンジェリア: もちろんよ。私はいつだって命がけで部下を守る、頼れる指揮官よ?せめて、礼の一つくらい言ってもいいんじゃない? AR-15_MOD: はぁ……本当あなたらしいわね、私が口出しすることでもないわ。それからお待ちかね、こちらが私たちの新しいメンバーよ。 アンジェリア: ………… いい格好ね、最後のメンタルアップグレードも上手くいったようでなによりよ…… でしょ、M4A1? M4A1_MOD: ……こんにちは、アンジェリアさん。M4A1、なんなりとご用命ください。 アンジェリア: そうかしこまらないで、あなたはもう私たちの仲間よ。 M4A1_MOD: その節は本当にお世話になりました。ありがとうございました。 アンジェリア: あなたが無事ならそれでいいわ。もしなにかあった時、怒られるの私だからね。それに…… (アンジェはちらりとM4の後ろにある、M16が残したケースに目を向けた。) アンジェリア: ……本当にそれを持ってきたのね。 M4A1_MOD: アンジェさん、このケースにはいったい何が入っているのですか? アンジェリア: ……知りたい? M4A1_MOD: はい、でもどうしても開けられなくて。 アンジェリア: それもそのはずよ、皆認識を誤ってるのさ。 場所:黒背景 (……アンジェはM4A1からケースを受取った。……そして認証スペースに指を押しあてた。……ガチャッ!ガシャン!) M4A1_MOD: こ……これって! (……ケースは自動で変形し、砲台の形をした武器に姿を変えた。) アンジェリア: このケースは鉄血工造の技術で作られた小型火力支援砲台さ。 [注:これ持った鉄血人形来ないかな] 特定の権限を持った人間にのみ、起動させることができる。人形じゃ許可なしにこれを使うことはできないのよ。 場所:戦場_夜 M4A1_MOD: 鉄血の……小型火力支援砲台……? [注:M4だけこれで偏向障壁を破壊できるようにならんかな] アンジェさん、これの使い方を教えてくれませんか? アンジェリア: そうねぇ、弾薬量を見るに…… ……M16はまだこれを使ったことがないようね。できることなら、あなたにもこれを使う未来が来ないことを願うわ。急を要する時だけ私が許可を出す、いいわね? [注:ぷれいやーしきかん「ああ……しっかりつかえ。射速バフもいいぞ!」] M4A1_MOD: はい…… (…………) M4A1_MOD: (前回もそうだったけれど、今回も……) (どこかアンジェさんに懐かしいものを感じる……どうしてかしら……?) (この感覚は一体……?) (まるで……) (同じ光景を……前にも見たような……) [注:元AR小隊指揮官(隊員から記憶済)なんだけど……慢性虚脱(第14戦役)終了時点できっちり回収はされていない伏線] アンジェリア: AK-12、AN-94、この前の中央データベースでなにか新しい情報はつかめた?データをまとめてほしいのだけれど。 AK-12: いくつか興味深いデータを見つけたけど、AN-94が見つけたものだけでも十分ね。 AN-94: そんなことない……AK-12なら……きっと、もっと詳しいデータを見つけ出していたはず。 AK-12: そんなことないわよ。今の【傘】の拡散範囲じゃ、捜索するだけでも難しい状況なんだから。AN-94、もう一度セカンダリレベルにつなげることはできる? AN-94: ダメ。干渉が強すぎて、入れたとしても何もできない。ごめんなさい、AK-12……私…… [注:この頃のAN-94、MOD話を知ってると中々味わい深いものがあるな] AK-12: 大丈夫よ、もともと専門じゃないでしょ?とにかくお疲れ様。 AN-94: はい…… アンジェリア: 安全な回線でできることはもともと限られている。残りはプロが到着してから処理してもらいましょう。 AR-15_MOD: アンジェ、そのプロってのはまさか…… アンジェリア: そのまさかよ。【傘】の干渉の中でも、セカンダリレベルで活動できるのはあいつしかいないわ。 [注:ハナからオーガスプロトコル使ってる「あいつ」] AK-12がそこで情報封鎖エリアを展開できれば、軍が何を企んでいるかを知ることもできる。 AK-12: 了解よ。 M4A1_MOD: 「あいつ」って誰のこと? AR-15_MOD: アンジェのプライベート部隊よ。名前や噂なら耳にしたことあるでしょ…… あの「存在しない」小隊のことを。 [注:404ってアンジェの部隊だったの?じゃ所属としては保安局?] M4A1_MOD: 存在しない…… あっ、あの人たちね! [注:M4、素朴。] アンジェリア: そう。それが私の404小隊だ。 再点火Ⅰ > グリフィン 18:30 > 場所:戦場_夜 (……グリフィン臨時司令部にて、陣地のグリフィン人形が勝利の歓声を上げていた。) カリーナ: ……はい、分かりました!皆さんお疲れ様です!引き続き持ち場につき、負傷者を確認して、指揮官さまからの新しい指示をお待ちください!指揮官さま!追撃してきた鉄血は殲滅されました!誰が手伝ってくれてるか分かりませんが、とりあえずは安全ですね!それから、これはついて来れなかった人形のリストです…… 撤退してきた部隊の中には、他の指揮官とはぐれた人形や支援部隊に所属している人形もいます…… みんな、指揮官さまがここから連れ出してくれるのを待っています。もし余力があれば、他の仲間たちも助け出してください。ただ、鉄血の追撃が止んだということは、天は指揮官に味方しているようですね! (……ザー……ザー……) ヘリアン_通信: S11地区の……全グリフィン隊員へ……S11地区……区域内で……発生中…… (……ザー……ザー……) カリーナ: ダメです、干渉が強すぎて通信が…… このままではヘリアンさんと連絡が取れません…… ……ええ、伝令人形がすでに暗号を抱えて出発しました。少々生意気な新人さんですけど、きっと真面目に任務を遂行してくれます!彼女が無事に……戻ってくるといいのですが…… どうして……こんなことになってしまったのでしょうか…… 指揮官さま…… AR小隊や他の人形たち……それに他の指揮官さまたちも…… まさか、逃げられたのが私たちだけなんてこと…… いえ……そんなことあり得ません!きっと私の考えすぎですよね!……了解しました、指揮官さま!撤退中は生存者の有無にも注意しますので!できるだけ多くの人形を助け出すことが、今の私たちにできる唯一のことですから! 再点火Ⅱ > グリフィン 19:00 > 場所:司令室 (グリフィン本部にて。……ザー……ザー……) ヘリアン: 相変わらずどの指揮官とも連絡が取れない状態か?軍からの応答は?まだなのか? オペレーターA: 報告です。現状、未だカーター将軍とは連絡をつなげられていません。【傘】による干渉の可能性はすでに排除しています。今、回路が鉄血に破壊されていないか確認中です。 ヘリアン: ……分かった。通信がつながるまで続けてくれ。 オペレーターB: 報告です。【傘】の干渉区域外にて、我々への通信を試みているグリフィン人形を確認。個体認証、ウィルスチェック、ともに済んでおります。つなげてよろしいでしょうか。 ヘリアン: (……まさかどこかの指揮官からの使いか?)申請を許可する。 (……ピー。) Gr MP7_通信: こちらはMP7。「飼育員の飼育員」、聞こえてる? ヘリアン: 「飼育員の飼育員」って……まさか私のことか? Gr MP7_通信: 私は「飼育員」から派遣された伝令兵よ。一人で干渉区域から抜け出して本部と連絡を取りに来たの……ってあれ?もしもし? ヘリアン: なんでもない。MP7、現場の状況はどうなっている? Gr MP7_通信: 最悪もいいところだけど、まだなんとか生きてるよ。私の「飼育員」が今部隊を再編しているの。とりあえず見かけたグリフィン人形は全員回収したうえで、S11地区への撤退を続けるね。鉄血以外に、【傘】にハッキングされた軍の人形からも攻撃を受けたよ。でも軍に連絡しても返事ないし、たぶん私たち見捨てられたんじゃないかな。 ヘリアン: 言葉を慎め、MP7。軍を疑うような発言は許されない。戻ったら指揮官に本部の命令を伝えてくれ。当該区域からの撤退を最優先目標とし、可能なら人間や人形に関わらず、他のグリフィンの仲間を助けてやってくれと。具体的な命令はその指揮官に任せる。S11地区の基地までの撤退が済み次第、待機していてくれ。 Gr MP7_通信: それはいいんだけど…… あなたと「飼育員ボス」のいるとこは大丈夫なの?飼育員が心配してたよ、本部が急に……って言わないけどさ、分かるでしょ? ヘリアン: こちらは大丈夫だ、心配に及ばない。まずは自分たちの無事を優先してくれ。少なくともそちらの無事が確かめられただけでも朗報だ、ありがとうMP7。では、ご苦労だった。戻って報告を頼む。 Gr MP7_通信: 分かったわ、「飼育員の飼育員」。あなたたちも頑張ってね。 場所:戦場_夜 (……ピー。通信終了。) Gr MP7: ………… あとは、情報用ドローンを送り返せばいいだけ…… 逃げ切れたなら戦場には戻ってくるな、って飼育員言ってたし、だから…… [注:カリーナは戻ってくる事を期待してなかった?] (……MP7はため息をついた。) Gr MP7: でもやっぱりダメだよ、こんなの私たちの【小隊】のやり方じゃない。 [注:何小隊だろう] 弾薬も使い切らずに離脱したって、何の達成感もないもん。……もうちょっとだけ、バカたちを手伝ってやるか。 (……MP7は再び過酷な戦場へ引き返していった。) 再点火Ⅲ > グリフィン 19:10 > 場所:グリフィン社長室 (グリフィン本部、クルーガーの執務室にて。) ヘリアン: ……以上が我々が把握しているS09地区の状況です。軍の本当の主力部隊は口実を見つけて、この区域へ介入してきました。そしてこの一件を、制御不能に陥った民間軍事会社によるテロ事件として公表しています。正規軍がこの区域一体の治安維持を引き継ぐのも時間の問題となるでしょう。 クルーガー: ……分かった。初めは、我々を使い捨ての盾にし、本来の目的を果たすのだと考えていた。 ヘリアン: だが最終的には、グリフィンを裏切ったうえで、我々をとことん陥れた。 クルーガー: カーターのやろうとしていたことは、私の想像をはるかに超えていたようだ。 (……その傍らで、テレビでは「軍隊と民間軍事会社の演習で起きた重大事故」について報道していた。……そこにはカーター将軍が映っており、軍を代表して何かを喋っていた。) カーター: 今回の合同演習中に起きた事故について、ご心配いただく必要はありません。我が軍はすでに緊急時対応計画を始動させており、現在事態は収拾に向かっております。どうかご安心ください。軍はすでに一定の情報を得ており、今後は正式な調査を行った上で、事件の責任の所在について追及していく所存で…… (……クルーガーはテレビを消した。) クルーガー: ヘリアン、計画通りに疎開命令を出せ、全員を連れて撤退しろ。 ヘリアン: クルーガーさん、本当に……ここに残るおつもりですか? クルーガー: 彼らはこの芝居を終わらせるための、生贄が必要なだけだ。戦局が混乱している今、これだけあるグリフィンの前線基地をすべて封鎖させることは彼らにも不可能だ。そしてそうする必要もない。指揮官と人形さえいれば、グリフィンが消えることはない。それにあの指揮官たちは助けを必要としている。ヘリアン、私の言いたいことは分かるな。 ヘリアン: 私は…… あなたならきっと無事でいられると、私は信じています。 クルーガー: 私が黙って捕まるとでも思うか? ヘリアン: ではクルーガーさん、くれぐれもお気を付けください。無事戻るまで、皆でなんとか耐え抜きます。 (……ヘリアンは一礼をして、執務室を去った。) クルーガー: ………… さて…… (……クルーガーはとある人物に電話をかけた。) クルーガー: ハーヴェル、私だ。まだ生きているうちに、伝えたいことがある…… 場所:戦場_夜 (……同刻、S11地区への撤退途中。……指揮官が戦闘に勝利した。) カリーナ: やりました!指揮官さまの戦術のおかげで、軍の人形を倒しきりましたよ!これで……このルートは安全です、皆さんは安心して…… (……ピー。) カリーナ: はい……分かりました…… 指揮官さま、情報によればこの付近で、私たち以外にもグリフィンの人形が撤退しているそうです…… ちょうど私たちの後方にいます!……え?彼女たちを援護し、先に撤退させるのですか?分かりました!帰りが遅くなるのはちょっと残念ですが、やらないといけませんよね!へへ、そうじゃなきゃ私たちらしくないです。ここに残って、私たちで皆さんをお守りしましょう! 再点火Ⅳ > グリフィン 19:30 > 場所:戦場_夜 (……作戦終了。) カリーナ: 指揮官さま、他の部隊の人形たちを無事連れ帰ることができました!ですが、我々に連絡をくれたあの人は見当たりませんでした…… [注:アンジェ(緊急10-4)] さらにおかしなことに、人形たちも誰に助けられたのか覚えていないようで…… 一体どこの誰なのでしょうか…… [注:まだこの時点で指揮官は404のことを知らない?] (……小型ドローンが一機、基地付近に降り立った。) カリーナ: この信号、伝令人形からの情報です!確認します!えっと……「飼育員の飼育員」は、S11地区の基地まで撤退することが最優先と言った。そして撤退後は待機するように…… ……とそんな感じです!MP7さん、ちゃんと任務をやり遂げてくれましたね。無事逃げ切れてると良いのですか。 [注:戻る事を願ったり逃げる事を願ったり] そして、今は私たちがこの感染区域に遺された、最後の部隊ということになりますね…… ……はい、今すぐ出発準備の命令を出します!その……喜ぶにはまだ早いことは分かっていますけど…… S11地区に戻って……またみんなが一緒になったら…… いつか必ず反撃に出ます、よね?……はい!私もそう信じています。では、出発しましょう! 場所:黒背景 (…… ……その頃のグリフィン民間軍事会社本部。) 場所:グリフィン社長室 軍の人間代表者: ベレゾヴィッチ・クルーガー。あなたを武器の違法輸送及び民生用人形の違法改造などの罪で逮捕する。あなたには黙秘権があり…… [注:新ソ連にもミランダ警告みたいなのあるんだ……] クルーガー: 黙秘は私に与えられた唯一の権利だ、それぐらい分かっている。 軍の人間代表者: クルーガーさん、私はただ規定事項を問題なく進めるため、あなたの協力を求めているだけです。 クルーガー: ……そうだろうな。ただの規定事項だ、だからすべてうまくいくだろう。若者よ、そう緊張するな。私はただの犯罪者だ、敵ではない。 場所:黒背景 (……クルーガーは立ち上がった。) クルーガー: そんな無駄な手順は省いていい、私の方がはるかに詳しいからな。武器の違法輸送、それに民生用人形の違法改造か…… [注:前者がどんな違法性を帯びてるのかわからんけど、後者はまぁ……] 罪名としては悪くない。 [注:民生用人形を軍用人形と渡り合えるレベルまで改造したらそれはね……] 兵役についてた頃、将来テロリストとして裁かれるのだけはごめんだと、カーターに言っていたものだ。あいつはずる賢い野郎だが、少なくとも約束を反故にしたことはない。 メッセンジャー > 1段落 > 場所:野外拠点_夜 (……グリフィン臨時司令部にて。) CZ2000: あ!あなたが指揮官さまですか?あなたがいなかったらボクと「小エビ」は今頃ガラクタになっているところでした…… 必ずこの恩は返します!ので……今から重要な情報を伝えます! 場所:戦術マップ CZ2000: ボクたちの撤退ルートにですね、えっと、この位置です…… ここに鉄血の司令部があります。安全のため、そこを丸ごと破壊してしまいましょう!もちろん、ボクが先陣を切りますよ! (……ピー。) CZ2000: へ?だ、だれ…… Thunder_通信: 指揮官、初めまして。Thunder.50と申します。今後は「Thunder」とお呼びください。 [注:Thunderは入職時、プレイヤー指揮官の旗下にはいなかった。] 作戦効率優先のため、続きはまた後ほど。 [注:キャリコとの馴れ初めが気になるな……] まずは鉄血司令部の構造図を送ります。これから攻め込む鉄血司令部周辺にはまだ大量の敵がいます。味方の戦力維持のため、敵との正面衝突は避けた方がいいでしょう。こちらが私の準備した潜入ルートです。このルートを参考にし、慎重に作戦を進めてください。 CZ2000: この戦いの主役はボクなんだよ!急に出てくるなんてどういうつもり! Thunder_通信: カニの自殺に他の人を巻き込まないようにするためよ。 CZ2000: な、なんだと?!誰が……カニだ?! Thunder_通信: 指揮官、私は目標地点付近で補佐をします。……雷を起こしてくれる、その刻を待っています。 (……通信終了。) CZ2000: まったく、もう!きっとスコーピオンの奴が、このあだ名を言いふらしたに違いない…… [注:よその基地のスコーピオンか、それとも他基地の人形と交流できるのか(しきかんが戦友の宿舎に行ってバッテリー貰うアレみたいな)] 指揮官さま、作戦を始めましょう!ここから抜け出した時には……待ってろよ、スコーピオンめ! もう一つの月 > 分岐点 > アンジェ&反逆小隊 20:00 > 1段落 > 場所:作戦室 (……) アンジェリア: ……はい、分かりました。ええ、今夜には何とかします。夜は身を隠しやすいので。……はい。必ず……必ずや軍のエルダーブレイン捕獲作戦を阻止します。 (……通信終了。) アンジェリア: さて、反逆小隊のみなさん、新しい仕事よ。まず、M4A1。隊長はあなたに任せるわ。 M4A1_MOD: え?私? アンジェリア: この中で指揮の経験が一番豊富なのはあなただからね、信じているわ。 M4A1_MOD: 私…… (……M4A1がAR15の方へ眼を向けると、返しにAR15は少し頷いた。) M4A1_MOD: 分かりました、必ず皆さんを率いて任務を完遂します。 AK-12: 期待してるわよ、新隊長。 AR-15_MOD: よくそんなのんきでいられるわね。 AK-12: 今のうちに先輩たちのやり方を見ておくのも悪くないでしょ。ね、AN-94? AK-12: ええ……M4A1さん、歓迎する。 アンジェリア: では、命令よ。現在、軍の目的は、間違いなくエルダーブレインを捕獲することね。 M4A1_MOD: ……! アンジェリア: よって、今回の作戦の目的はそれを阻止し、その動機を調査することよ。 AK-12: ようするに軍の邪魔をすればいいってこと? AR-15_MOD: まさに「反逆」ね…… アンジェリア: 当面の目標は、現在軍のコントロール下にある情報中継ステーションに侵入すること。武力で制圧した後、AK-12がハッキングを行う。そうすれば軍へのさらなる盗聴活動が可能になるわ。 AK-12: 了解したわ。 AN-94: 一人で大丈夫ですか?アンジェさん。 [注:AN-94のアンジェへの呼び方が安定しない。「指揮官」「アンジェ」「アンジェさん」] アンジェリア: ここなら敵に遭うことはないわ、安心して。 M4A1_MOD: アンジェさん…… 任務を完遂する前提で、どうか…… どうか行方不明になった人形も探させてもらえませんか…… アンジェリア: SOPⅡのことね…… 悪いけど、今は任務を最優先にして。それから状況を見て権限を与えるから。 M4A1_MOD: 分かりました……命令に従います。少し時間をください、装備の整理をしてきます。 (……M4A1はみんなを連れて去って行った。) アンジェリア: AK-12。今のM4A1についてどう思う? AK-12_通信: データで見たよりも……かなり積極的に感じるわ。ただ、メンタルモデルの影響なのか、考え方が少し危なっかしくて、明確な目的が欠落しているように思う。まるで……命令以外の何かに突き動かされているような。 アンジェリア: 分かった。どう?新鋭の人形として、他の人形の指揮を受けるのはつらい? AK-12_通信: 私は面白ければ構わないよ、それに…… 彼女たちの面白いところを見るのも好きだしね。 アンジェリア: さすがね。ほら行って、AN-94は頼んだわよ。 2段落 > 場所:作戦室 (……ピー。……暗号化されたプライベートの通信申請が届いた。) アンジェリア: お?よりによってこんな時に…… こんばんは、ペルシカ。 ペルシカ_通信: こんばんはって、もう夜なの?M4の様子はどう?メンタルアップグレード後はうまくいってる? アンジェリア: 今のところは問題なさそうね、心配しなくていいわ。アップグレードのデータについては感謝するわ。 ペルシカ_通信: ねえ、ちょっとだけ見せてくれない?ちょっとでいいから。 アンジェリア: 残念だけど、彼女たちはいま次の任務に向けて準備中よ。 ペルシカ_通信: また新しい任務を? アンジェリア: 私の大事な反逆小隊を彼女に任せたの。 ペルシカ_通信: エルダーブレインに捕まる心配は? アンジェリア: それはそれで、むしろチャンスじゃない?エルダーブレインが出てきてくれた方が、私にとっては好都合よ。それはそうと、エルダーブレインがM4A1を捕らえようと焦っているのはなぜ?見たところ、鉄血の存亡よりも重要視しているようだけど。 ペルシカ_通信: 私もちょうどその件を調査していたところ。それでちょっと気になることがあって…… アンジェリア: 気になること? ペルシカ_通信: リコ。彼のことは覚えてる? アンジェリア: 覚えてるさ。エルダーブレインの開発者、諸悪の根源……少なくとも表向きはね。その死者とM4A1にどんな関係が? ペルシカ_通信: 私と彼の関係についても知ってるでしょ。私がM4プロトタイプの脳波スキャンモデルを作った時、リコに一つほしいと言われて渡したことがあるの。 [注:M4プロトタイプ……] 彼も当時、自分のAIを開発していたわ。 アンジェリア: それはつまり……M4のメンタルモデルを彼にあげたってこと? ペルシカ_通信: あれはまだM4のメンタルモデルと呼べるものではなかった。ちょっと非科学的だけど、「魂」とでも言うのかな…… アンジェリア: なに……?でも……そうだとしても、軍とエルダーブレインに直接的な関係があることの証明になってないわ。軍がエルダーブレインにあそこまで固執する理由の説明にもなってない。 ペルシカ_通信: 確かにその通りね。私も自分なりに考えてはいるけど……証明するにはもっと手掛かりが必要よ。 アンジェリア: わざとそんな風に訊いてる? ペルシカ_通信: あなたに頼んだこと、忘れてないわよ。 アンジェリア: 5分後、シーアがそっちに転送するわ。これ、手に入れるのに随分苦労したのよ。この貸し、絶対に忘れないでね。 ペルシカ_通信: そんなの中身を確認してからよ。それとも、もう見ちゃった? アンジェリア: まだよ、どうせ教えてくれるでしょ。それと良い知らせが一つ。軍司令部サーバーの暗号化データを見つけたわ。 ペルシカ_通信: もう?順調なんだね。 アンジェリア: きっと油断してたんでしょ。どう、中身を知りたい?私もチラッとしか見てないけども。 ペルシカ_通信: なにか教えてくれることでも? アンジェリア: リストよ、オーガスに関わった者たちのリスト。あとで送るわ。このめちゃくちゃな状況も全部オーガスシステムが関係してる。まったく、軍の分をわきまえない奴らは…… ペルシカ_通信: なるほどね。オーガス計画は前世紀における国家規模のシステム建設計画よ。こんな国家管理レベルのシステムに軍が興味を示すなんて怪しすぎるわ。 アンジェリア: どうなんだか。それともう一人。ペルシカ、あなたも知ってる人がリストに載っているけど、これは高くつくわよ? ペルシカ_通信: だれ? アンジェリア: あなたのボス、ハーヴェル・ウィトキンよ。彼は2032年、オーガス及び遺跡に関連した軍事作戦に参加している。あのカーターと一緒にね。彼は技術スタッフとして参加していたから、きっとどちらにも詳しいはずよ。 ペルシカ_通信: ………… ハーヴェルさん……やっぱり部外者ではなかったのね…… アンジェリア: なんて声をかけてあげればいいか分からないけど、役に立つ情報だったでしょ? ペルシカ_通信: そうね…… とっても…… ただ問題は……これからどうすれば? クイーンズギャンビットⅠ > アンジェ&ペルシカ 21:20 > 1段落 > 場所:戦場 (……) AK-12_通信: アンジェ、順調? アンジェリア: それは形式上の声かけ? AK-12_通信: 家庭用人形はそもそも、人間の憂さ晴らしのために造られたって聞いたわ。 アンジェリア: はは……そういう意味でなら、あなたはよくやってくれてるわ。おかげで気分もだいぶ良くなった。さて、まじめな話をしましょ。つい先ほど、軍の防衛線を越えたわ…… AK-12_通信: あら……さすが。相変わらずの命知らずね。 アンジェリア: ええ。死にたくなっても死ねないんだけどね。一つ悪い知らせよ。軍が戦車を設置し始めたわ。おまけに大陸横断列車もこの区域に一両配置されている。 [注:本来ならエルダーブレインを奪取してそのままパルティスキに向かう予定だったのか] 軍は最初からこの増援を仕込んでいたのよ。 AK-12_通信: 重装甲部隊まで?たかが反乱ロボットの拠点に、そこまでする必要があるのかしら? アンジェリア: 鉄血には、軍がどうしても手に入れたいものがあるってことね。どのみち戦車が進撃を始めれば、もう誰も軍を止められなくなるわ。 AK-12_通信: でもまだ時間はあるでしょ?重装部隊の配置には少なくとも三時間はかかるわ。 アンジェリア: ええ、だから通信中継ステーションを一つマークしたわ。速やかにそこを占拠して、新しいポートを見つけてほしい。そうすれば、彼らの動きをもって偵察することができるわ。 AK-12_通信: 認識信号の偽装レベルをあげるのに、少し時間が必要よ。次に自分が何をすべきか、分かってるよね? アンジェリア: 安心して、それを教えてくれる人がいるわ。ただ、彼女にも少し時間が必要でしょうけどね。 2段落 > 場所:工廠 (……その頃、16LAB本部にて。……ペルシカは404小隊が持ち帰った動画ファイルを確認していた。) ペルシカ: ……あった。この動画で間違いないわ。鉄血研究室でとられた最後の監視映像。そしてリコの生前の……最後の映像記録でもある…… (…… …………) ペルシカ: リコはこの時……すでに射殺されていた…… 前に入った情報と同じね…… ……新しい手がかりはまったくない。 場所:黒背景とリコ ペルシカ: リコ、私に伝えたいのは、本当にこれだけなの……?今の状況は、あなたが望んでいた結果じゃないはずよ…… あなたの夢、願い…… それから、エリザ…… 場所:工廠 ペルシカ: ちょっとまって…… (……ペルシカは隅に落ちていたファイルに気づく。) ペルシカ: あのファイルは…… 報告書に書かれていなかったもの! (………… ……ペルシカは動画修復プログラムを起動した。……映ったファイルは報告書で、表紙には表題が書かれていた。) ペルシカ: 『開発日誌-Bシステム』オーガスシステム再起動の可能性について…… (……ペルシカは大きく息を吸った。……ピー。……暗号化された通信申請が届いた。) ハーヴェル_通信: こんばんは、ペルシカ。ちょうど目が覚めたところかな。 ペルシカ: 丸一日寝ていないわ、ハーヴェルさん。 ハーヴェル_通信: それじゃあ丁度いいタイミングですな。 ペルシカ: …… ええ、私もちょうど聞きたいことがある。 ハーヴェル_通信: それこそ私が連絡した目的だ。伝えたいことがある。 ペルシカ: 胡蝶事件と……オーガスの真相について? ハーヴェル_通信: いや、警告にきたのだよ…… これ以上真相とやらを掘り下げようとするのはやめなさい。 クイーンズギャンビットⅡ > アンジェ&ペルシカ 22:50 > 1段落 > 場所:工廠 (……) ハーヴェル_通信: ペルシカ、今すぐやめなさい。君の知ろうとしていることは非常に危険だ。そんなことをする必要はない。 ペルシカ: 必要ない?この数年、私がどんな思いで過ごしてきたか分かってる!?ハーヴェル、協力しないのは構わない。でも邪魔だけしないで! ハーヴェル_通信: ペルシカ、私は君を守りたいだけだ。知ってるか?つい3時間前、クルーガーが逮捕された。 ペルシカ: …… ハーヴェル_通信: 海辺の別荘と全自動スポーツカーを放り出してまで、私が好き好んでこんなことに首を突っ込むと思うかね? [注:この時代の海辺って大丈夫なのか?] 君とリコが昔作り出した科学怪人なんぞに興味はないし、むしろ彼が死んだおかげで多くのビジネスチャンスが私に回ってきた。だが今、その均衡が崩れてしまったんだよ、ペルシカ。 ペルシカ: 均衡って……何のこと? ハーヴェル_通信: すべて君たちのせいだ。90WISHから逃亡した君とリコリスは、自分たちの愚かな研究を諦めることができず…… リコはそのせいで命を落とした。ペルシカ、君はどうかね?まだ続けたいだなんて言うな。私は16LABに莫大な金銭を投じている、であれば君も自分の仕事には責任を持つべきだ、そうであろう? ペルシカ: ……ハーヴェルさん。オーガスシステム再起動の目的は……一体なに? ハーヴェル_通信: なぜ私に聞く。私が邪悪な計画やらに関わるような老いぼれに見えるかい? ペルシカ: あなたが知ってることは承知よ。昔そのシステムをシャットダウンしたでしょ、2032年に。 ハーヴェル_通信: ……!そんな……君がどうしてそれを!このことは最高機密だぞ、どこで知った!? ペルシカ: 私には私のやり方がある。ハーヴェルさん、見ての通り私はもう立派な犯罪者よ。だから、これ以上の危険も厭わないわ。 ハーヴェル_通信: ……そうか、アンジェだな?まさか君にこんな極秘事項を流すなんて……身の程を知らない奴だ。 ペルシカ: ………… ハーヴェル_通信: 知らん顔はよせ、引きこもりの君だけでそれだけの最高機密にたどり着けるわけがない。まあいい。君か、或いはアンジェの調査はどこまで進んでいる? ペルシカ: 私の勘では、もうじき真相にたどり着くはずよ。 ハーヴェル_通信: …… このチャンネルも安全ではない、16LABへ行って直接話す。 ペルシカ: 待ってるわ、ハーヴェルさん。 [注:どっちかがモブだったらどっちかが死んでるやーつ] 2段落 > 場所:工廠 (……ピー、アンジェリアから通信申請が届いた。) アンジェリア_通信: 何か掴んだのね? ペルシカ: どうしてそれを? アンジェリア_通信: もう30分も連絡がないから、きっと手がかりの一つでも掴んだんでしょ。軍の装甲部隊はまだ現地で待機しているわ、少し不安ね…… ペルシカ: それはいいことじゃないの? アンジェリア_通信: 軍が自ら親切なことをするわけがないでしょ。きっと他にも計画があるはずよ。あのエゴールだってまだ戦場にいる。きっと何かを企んでいるに違いない。 ペルシカ: そんなことはどうでもいいの。データを全部手に入れてしまえば、任務の半分は終わったも同然でしょ? アンジェリア_通信: 私はそんな中途半端な人間じゃない。それに周りにはもう発掘できそうなデータがないわ。なにしろ……軍のセンターサーバーまで攻略したんだから。いやに順調だわ…… ペルシカ: アンジェ…… 軍のサーバーを……破ったのはあなたたちなの? アンジェリア_通信: ん?もちろん違うよ。私たちが到着した時には、ファイアウォールはすでに破られていたわ。 ペルシカ: ……どうしてなのか、考えなかったの? アンジェリア_通信: 言ったでしょ、あの時はそんな暇なかった…… おそらく軍が撤退した時に忘れてしまって、そのあと【傘】にハッキングされ、破られたんじゃないの?確かに、鉄血が軍の重要なサーバーを破るほどの能力を持っているとは考え難いけど…… ペルシカ: 【傘】にハッキングされた?いえ、そんなはずないわ。軍のデフォルトレベルのファイアウォールですら、鉄血のハッキング能力を上回っているのよ。 アンジェリア_通信: ってことは……ファイアウォールを破ったのは鉄血じゃないということ?戦場で生き残るのに必死だったせいで、そんなこと考える余裕なんてなかった。 ペルシカ: 鉄血でなければ、私たちでもない。ということは…… アンジェリア_通信: 逆に考えてみる、か…… 面白そうね、試してみましょ!仮に軍が自らファイアウォールを開き、そしてそれも含め計画の一環だとしたら……辻褄が合うかしら? ペルシカ: これまでの彼らの動きを覚えてる?軍はひたすらに突き進み、鉄血はやむを得ず【傘】ウイルスを起動させた。 アンジェリア_通信: つまり……軍はわざと【傘】ウイルスを起動させた?それで彼らは何か得でもするの? ペルシカ: エルダーブレインは【傘】の拡散範囲内の全ての情報をいつでも察知し、支配することができる。それは人形だろうと、サーバーだろうと同じよ。そして軍はわざとサーバーを【傘】に曝し、中身をエルダーブレインに見せた…… でも、軍は何をエルダーブレインに見せたかったのかな…… ダメ……手がかりが少なすぎて思いつかない…… アンジェリア_通信: ペルシカ、だったらまた逆から考えてみよう。軍がエルダーブレインに見せたものはただの囮で、エルダーブレインを「誘き寄せる」ことが本当の目的だとする。そうした場合、何か思いつくことは? ペルシカ: 軍がエルダーブレインを誘き寄せて……自分たちのサーバーに入らせた?それに何のメリットが…… アンジェリア_通信: ペルシカ、軍の目的も併せて考えてみて。軍はオーガスを手に入れたい。そして今ある情報から、オーガスとエルダーブレインは同一視してもいいだろう。したがってこれは、軍のエルダーブレイン捕獲計画の一部ということに…… ペルシカ: ……!アンジェ…… もし仮に……軍も【傘】ウイルス、或いは【傘】ウイルスよりもさらに強力なハッキング手段を持っているとしたら…… アンジェリア_通信: さらに強力な手段……? ペルシカ: その可能性もあり得なくないわ。電子戦となれば、彼らは実際の戦争を経験した手練れよ。ひとまず、彼らが持っているものをスーパー【傘】と名付けよう。 アンジェリア_通信: 少し考えさせて…… まず軍がエルダーブレインに【傘】を拡散するように仕向け、そして自分たちのサーバーをわざとエルダーブレインに曝す…… そうすればエルダーブレインは感染させることに成功したと思い込み、さらに軍のサーバーへハッキングして軍用人形をコントロールしようとする。その後、軍は自分たちのスーパー【傘】を使って、エルダーブレインの感染区域を上書きする。そうすれば…… ペルシカ: 逆接続…… そうよ!逆接続を利用して、スーパー【傘】で逆にエルダーブレインをハッキングするつもりよ! アンジェリア_通信: 逆ハッキング!?つまり軍は……直接……エルダーブレインを乗っ取ろうとしているってこと?!これが軍の計画で、鉄血のエルダーブレインを乗っ取ることが目的か!? ペルシカ: だからこそM4A1をそのまま置き去りにした。エルダーブレインを前線に誘き寄せ、後々の逆ハッキングの成功率を上げるために。 [注:そもそもエルダーブレインがM4A1と接触を図ろうとしているのが何でなんだっけ……] でも、どうしてわざわざAR小隊を攻撃した上で、彼女を一人だけ置き去りにしたの? アンジェリア_通信: 確かにおかしいわね。もしかしたら、M4とエルダーブレインを接続させることで、何かを得ようとしているのかもしれない。だからあの時、私はAK-12にM4A1との通信接続を急いで切断させたの。何を企んでいるかは知らないけど、思い通りにはさせないわ。 ペルシカ: その後、彼らは敗走したふりをして自分たちのセンターサーバーを利用し、エルダーブレインを誘き寄せて乗っ取りを開始する。 アンジェリア_通信: それじゃ……軍はすでに逆ハッキング作戦を開始してるかもしれないってこと?クソっ!もっと早く気付くべきだった!軍の戦車もただの見せかけってことか! ペルシカ: 落ち着て……エルダーブレインほどのメンタルモデルへのハッキングには、大規模な電子戦の準備が必要よ。まだ少し時間がかかると思う。それに、彼らの用意しているプランは一つだけじゃないはず。重装部隊はきっとその予備プランね。アンジェ、セカンダリレベルで何か破壊活動はできない? アンジェリア_通信: たった2・3人の人形で?何バカなこと言ってるの? ペルシカ: 分かってるわ……人形数名の演算能力だけではまったく役に立たない…… でも、少なくとも軍のウイルスサンプルを手に入れることができる。解析する時間も足りないかも知れないけど…… アンジェリア_通信: はいはい、わかった。あなたは方法を考えて、その間に私は情報を収集して渡すわ。それからもう一つ疑問がある。もしオーガスがそんなに重要なら、どうして軍はそれを長らくグリフィンに押しつけて、今頃になって回収しようとしてるかしら? ペルシカ: …… 今頃……? アンジェリア_通信: そうよ。仕事をグリフィンに委託して一年やそこら経ち、今更あれを回収しようなんて…… ペルシカ: 多分……オーガスが危険すぎるからじゃないかな。軍のサーバーで見つけたファイルにもそう書いてあったでしょ、あれは遺跡と関連するものだって…… アンジェリア_通信: それで、どうして今なの? ペルシカ: リコのAIはとても優れた自己学習能力を持っているわ……そんな彼の作品が、オーガスとどう関係しているかは分からないけど。恐らく今が一番のタイミングなんだろうね。そして軍の中に、「彼女」のそのタイミングを知っている人がいる…… あ! アンジェリア_通信: なにか心当たりが? ペルシカ: リコのことをよく知っているのは、私を除けば、あと一人しかいないわ…… それに彼は死ぬほどリコを憎んでいて、しかも遺跡に対して異常なほどの興味を抱いていた…… アンジェリア_通信: ペルシカ、まさか…… ペルシカ: 90WISHに……そんなやつがいたわ…… リコの邪魔になることであれば…… 必ずそこへ首を突っ込むやつが! (……) ペルシカ: ウィリアム…… もっと早く思い出すべきだった…… もう永遠に……関わることなんてないと思ってたのに! クイーンズギャンビットⅢ > アンジェ&ペルシカ 00:25 > 1段落 > 場所:工廠 (……) アンジェリア_通信: ペルシカ、今M4A1に連絡したわ。直ちに現在の任務を中止して、AK-12とAN-94に電子戦の準備をするようにと。中継ステーションを使って奴らのデータストリームをスキャンし、そのデータ情報を私に転送することになっているわ。それをあなたに送るから、できるだけ早くデータを分析して傍受を行い、エルダーブレインを軍から守って!……ははっ、全くおかしな話ね。つい一年ほど前、あいつに殺されかけたっていうのに。 ペルシカ: アンジェ、M4A1を外に出したままで平気?こういう時は、そばに置いた方が安全なんじゃないの? アンジェリア_通信: これが次のステップよ。万が一、エルダーブレインへのハッキングを阻止できた場合、M4A1を利用してエルダーブレインを誘き寄せ、接続を行うことができるわ。そうすれば私たちが、一歩先にエルダーブレインを奪い取ることができる。 ペルシカ: 相変わらず失敗から何も学ばないのね。自分と仲間にとって最も危険な方法を取るなんて。 アンジェリア_通信: だからこそあなたは研究員で、私は兵士なのさ。ペルシカ、今はもう手段を選んでる場合じゃない。勝利のためなら、どんな危険だって冒す価値がある。 2段落 > 場所:工廠 (……数分後。……ピー。) アンジェリア_通信: ペルシカ!あなたの言った通りね。AK-12からの報告によると、軍は確かに大規模なハッキングを行っているそうよ。けれどデータが高度に暗号化されているせいで、転送と傍受が困難よ! ペルシカ: いいからとりあえず送って、なんとかしてみせるから! アンジェリア_通信: ダメ、コマンドすら受け付けてくれない!もう……ここまでかもしれないわ…… ペルシカ: このまま見ていることしかできないの?アンジェ…… 私たちは初めから……勝てない運命だったの……? アンジェリア_通信: いえ…… まだ最後の手段が残ってるわ…… もう引き返すことはできないのなら…… ペルシカ: 最後の手段?どういうこと、アンジェ? アンジェリア_通信: ペルシカ、もし私が…… (……ザー……ザー……) ペルシカ: ……アンジェ?もしもし、アンジェ!何があったの!? 場所:黒背景 (……ブーン――!…… …………) ペルシカ: アン……ジェ……? (……あたり一帯は静まり返っていた。) クイーンズギャンビットⅣ > アンジェ&ペルシカ 00:30 > 1段落 > 場所:工廠 (…………) ペルシカ: 通信が復旧し始めてるわ…… これが吉と出るか凶と出るか…… 軍は……エルダーブレインを手に入れたのかしら…… アンジェ……せめて無事でいて…… アンジェリア_通信: ペルシカ―― もしもし、ペルシカ? ペルシカ: アンジェ!大丈夫なの!? アンジェリア_通信: 私?大丈夫よ、みんなも無事。他の人形を借りて軍の通信ステーションを確保したから、今はその中に隠れているわ。 ペルシカ: ふぅ…… さっきのは一体なんだったのよ……それに…… アンジェリア_通信: いい知らせよ、軍が失敗したわ。 ペルシカ: え? アンジェリア_通信: 盗聴した内容によると、エルダーブレインに対する軍のハッキングは頓挫したようね。原因は分からないけど、きっとアクシデントが起きたんだわ。 ペルシカ: さっき通信が途切れたのと関係あるの? アンジェリア_通信: 分からないわ、今のところそんな重要なことでもないでしょ。大事なのは軍の次の動き…… ペルシカ: 次?ごめん、私にはなんのことだか…… アンジェリア_通信: 軍の次の動きなんて分かりきっているでしょ? ペルシカ: なにを言って…… (……アンジェのチャンネルから轟音が伝わってきた。) アンジェリア_通信: そりゃ当然……周囲にいる戦車部隊よ。今聞こえたでしょ、彼らは山のふもとから攻めてきてる。戦車部隊に踏み込まれたら、私の軽装備な人形たちじゃどうしようもないわ。 ペルシカ: 私だってどうしようもないわ。きっと、さっきのハッキングでエルダーブレインの位置を特定して、力ずくで奪い取ることにしたに違いないわ。 アンジェリア_通信: その通りね、だから彼らの先を行かないといけない。頼りは…… ペルシカ: ……アンジェ、あなたの言う通り、私は研究員であなたは軍人よ。軍人は任務のためならどんな犠牲も厭わない…… アンジェリア_通信: ちょっと、私を冷血な生き物みたいに言わないでくれる?あなたのくれた人形たちのことは割と気に入ってるのよ。事態もまだ想定内だし、どうにかしてみせるわ。とりあえず404にエルダーブレインの位置を探らせるから、引き続き支援をお願い。 ペルシカ: コーヒーはもう用意できてる。あとはあなたの運次第ね、アンジェ。 (……通信終了。) プロモーションⅠ > 404小隊 20:10 > 1段落 > 場所:雪原_夜 (……) UMP9: 45姉、グリフィンの部隊があと3分でここに到着するよ。 UMP45: 恩を売るのもここまでね。行きましょう。今回は雇い主にたっぷり報酬を要求しないと…… そうだ、9、記録は全部消しておいてね。 UMP9: 安心して、今やってるから。今回はちょっと人数が多いけど、あと5分で、わたしたちはきれいさっぱりいなかったことになるよ。 場所:鉄血司令室 (――数十分後。404小隊はアンジェと合流した。) アンジェリア: 久しぶりね、UMP45。 UMP45: 久しぶり、って返したいところだけど…… あなたと会う時って、いつも面倒なことが起きた時なのよね。今回もそうでしょ? アンジェリア: どうやら、もう心の準備はできてるようね。だからこそ、あなたたちの存在には大きな価値がある。 UMP45: 無駄話はもういいでしょ。こんな大騒ぎになって……今回は何が起きたの? アンジェリア: オーガスシステムのことは知ってる? UMP45: 知ってる、鉄血人形が使ってるプロトコルのベースよね。そして、私が奴らに偽装できる理由でもある。そのことと私たちに何の関係が? アンジェリア: たかがオーガスシステムに基づく指揮プロトコルのためだけなら、ここまでの騒ぎにする必要はない。あいつらが欲しがってるのは、システムよりも重要な何かで、更なる破壊力を持っているものよ。 UMP45: それはなに? アンジェリア: まだ分からないわ。でも、胡蝶事件のことはまだ覚えてるよね。 UMP45: ………… 忘れるはずないでしょ。 アンジェリア: 今回の騒動、その胡蝶事件の続きに違いないわ。あのときはただの序章に過ぎなかった。そして今回こそ、彼らがずっと待ち望んでいた本編ね。 UMP45: だから犠牲も相応なわけね。ほんと、クズばっかり。それじゃ、今回は何をすればいいか教えて。 アンジェリア: あら?今回は意外と積極的なのね。 UMP45: 私にも取り返したいものがあるから。 アンジェリア: 今回の任務は、鉄血のメインデータベースを探し出すこと。そして、可能な限りオーガスと胡蝶事件に関する情報を収集し、エルダーブレインの位置を割り出すことね。速やかに、かつ確実に、相手よりも先にエルダーブレインを見つけ出さなければならない。 UMP45: 分かったわ。準備が終わったらすぐに出発する。 場所:黒背景 UMP45: やっとこの時がきたのね…… 私はもう昔の私じゃないよ。40…… [注:昔つっても一年そこらなんだよな] ようやく、すべてに終止符を打つ時が来たわ。 プロモーションⅡ > 404小隊 21:50 > 1段落 > 場所:雪原_夜 (……) UMP45: みんな、ゆっくり休めた?仕事の時間よ。 416: その表情を見るに、ろくな仕事じゃなさそうね…… それで、どこへ行くの? UMP45: G11を起こして。雇い主からとんでもないものを押しつけられたわ。もうほんとにひどいものよ。 416: あんたがここにいる以上にひどいことなんて…… ほら、G11!起きて! Gr G11: んぁあ……なんだよ…… まだ5分しか寝てないのに…… UMP45: 9、近くで鉄血のネットワークと接続できる場所がないか探して。 UMP9: ちょっと待ってね……えっと、この近くに鉄血の中継ステーションがあるみたい。周囲を鉄血の人形が守っているから、きっと使えるよ。 UMP45: よし、なら最初のターゲットはそこね。準備はいい? 416: G11、はやく起きなさい! UMP45: 問題ないみたいね、じゃあ行くよ。 2段落 > 場所:鉄血司令室 (……404小隊は中継ステーションを占拠した。) UMP9: 45姉、作戦を始められるよ。 UMP45: うん、今から接続を始める。周囲の警戒は頼むね。 416: 45……鉄血のネットワークに侵入するつもり?この区域は傘ウィルスが蔓延しているのよ。 UMP45: 私はそう簡単に書き換えられるような人形じゃない。 UMP9: そうそう。こういう時こそ、45姉の腕の見せ所なんだから。 416: ふん…… 万が一ミスったらどうするの? UMP45: そしたらお望み通り、その手で私を裁けるわ。 416: ……期待しているわ。 UMP45: 前方の偵察は任せるわ。私はお宝探しに専念するから。 (……3分後。) Gr G11: 早く帰ろうよ、こんなところに長くいてもいいことないって…… UMP9: 目標地点が見えたよ!でも……ちょっと待ってみんな…… あの前にいる人形たち、なんだか様子がおかしい…… 416: チッ、軍の人形ね。……あいつら、きっと傘ウイルスにコントロールされているんだわ。これだけ警備が厳重だってことは、ここで間違いないわね。 Gr G11: まずいよ、どうすればいいの? 416: あれは人格における優しさ成分が常に5%未満のUMP45よ。「みんなの安全のために撤退しましょう」なんて、あいつが言うとでも? Gr G11: え、なに……?まさかあのデカブツたちと戦うの…… UMP45: その通りよ、G11。 Gr G11: えええ――?!! UMP45: 鉄血のメインデータベースの場所を突き止めたわ。今すぐ出発よ。 Gr G11: うぅ……やだよ…… 見た目からして怖いじゃん、ここに残って寝てていい……? UMP45: あなた一人をここに残すのも悪くないわね。そしたら……囮戦術が使えるし。 Gr G11: うぅ…… UMP45: いやなら全力を出すことね、G11。じゃなきゃ、今回は本当に死んじゃうかも。 プロモーションⅢ > 404小隊 00:30 > 1段落 > 場所:雪原_夜 (……404小隊は鉄血にコントロールされた軍の人形と戦っていた。) UMP9: 45姉!相手の火力が強すぎるよ! 416: クソっ、性能が桁外れだわ!軍の人形はみんな化け物なの?! UMP45: 思ったよりも状況がひどいわね。 Gr G11: うぅ、もうだめ…… あのデカブツたちには勝てっこないよ…… UMP45: 勝てないならとりあえず撤退して、別の潜入方法を考えるしかないわね。 UMP9: でも…… 45姉、後方からも軍の人形が迫ってきてるよ…… UMP45: チッ、包囲されたか?9、アンジェに連絡を! 416: フンッ……あんたのせいで今回は本当に死ぬかもしれないわ。あの化け物たちに粉々にされる前に、うっぷんを晴らすチャンスをくれないかしら、UMP45? UMP9: 連絡する隙が必要よ!ああああもう!全然止まってくれないし!ダメだ、今度こそ本当に死ぬのかな? Gr G11: いやだよ!まだ見終わってない映画もあるのに―― 416: なにボーっとしてんのよ、このバカ!早く9を助けて!早く…… 場所:黒背景 (……ブーン!……… ……… …… 目の前にいた軍用人形たちが突然動かなくなった。) 場所:雪原_夜 Gr G11: と……止まった? 416: ……ど……どういうこと? UMP9: 45姉!この区域の通信がすべて遮断されたみたい、アンジェとも連絡が取れないよ! UMP45: 原因は不明だけど、良いチャンスね。今のうちにメインデーターベースのところへ向かうわよ。 416: ちょっと待ちなさい!せっかく拾った命なのに、さらに鉄血の中枢へ潜り込んで捨てにいくつもり? UMP45: 別にここに残ってもいいわよ。あいつらが起きたら、夜食をご馳走してくれるかもしれないし。 416: 結構よ、まだお腹も減ってないし。やっぱり、あんたのメンタルモデルに諦めるという選択肢はないのね。 UMP45: まだその時じゃないだけよ、416。ただ、私たちの運が予想以上に良いだけかもしれないわ。だから諦めないで。 場所:鉄血司令室 (404小隊は鉄血のメインデータベースのもとへたどり着いた。) UMP45: ……おぉ。なかなか面白いものを発見したわ。 UMP9: 45姉、何を見つけたの? UMP45: オーガスにエルダーブレイン、それからAR小隊にいるあのお姫さまのこと。詳しい内容は暗号化されているけど、今は解いてる時間なんてないから、とりあえず全部持ち帰るわよ。 UMP9: 通信が復活してきたよ。45姉、急がなきゃ。 ゲーガー_通信: チーズを見つけたから早速逃げようってか、404のネズミども。 UMP45: ……あら。お久しぶりね、ゲーガーさん。お一人かしら? ゲーガー_通信: ツレもいるぞ、お前らよりも大勢のな。しかし……まさかこんなところまで見つけ出すとはな。お前は何者だ、UMP45? UMP45: ふふっ、ただの取るに足らない不良品よ。 ゲーガー_通信: そうか、なら廃品に加工したところで文句はなかろう。さて、言い残すことはないな? (……通信が切れた。) UMP9: ここの地区周辺が鉄血の信号で埋め尽くされてる、包囲されたよ! 416: 死線を越えた先に、また別の死線が待っていたなんて…… ほんとスリリングな任務ね。45、どうするの?……45? (……416が振り向くと、UMP45はアンジェと通信をしていた。) アンジェリア_通信: UMP45、状況はどう? UMP45: いい知らせと悪い知らせがあるわ、どっちから聞きたい? アンジェリア_通信: そっちから連絡してきたってことは……まずは悪い知らせの方を頼むわ。 UMP45: ゲーガーの部隊に包囲された。 アンジェリア_通信: それじゃいい知らせは? UMP45: 今、私たちの隣に鉄血のデータベースがあるわ。 アンジェリア_通信: 分かった、M4A1が率いる小隊を支援に向かわせるわ。 UMP45: M4A1? アンジェリア_通信: 彼女は今、私の指揮下にあるの。何か問題でも? UMP45: ううん、なんでもないわ。 アンジェリア_通信: それじゃ、具体的な作戦案はこのあと、臨機応変に自分たちで決めてちょうだい。 (……UMP45が通信を終えた。) UMP45: もうすぐM4A1が小隊を連れて助けに来る。彼女たちと協力して作戦を立てるわ。 416: M4A1?AR小隊の……あのM4A1?彼女が……くるの? UMP45: 彼女は今私たちの雇い主の指示に従ってるの。それに今は、彼女たちを待つ以外に方法はないわ。もし計画が順調に進めば……ゲーガーをここで倒せるかもしれない。 416: まったくあんたは…… 自分の身も危ないのに、相手を倒すことを考えてるわけ? UMP45: そう、私だって計算を間違えることくらいあるしね。でもチャンスが少しでも残ってるのなら…… 私は必ず生き延びてみせる…… ……そして、絶対に復讐を果たす。 プロモーションⅣ > 404小隊 03:15 > 1段落 > 場所:鉄血司令室 (……404小隊作戦中。) 416: 援軍はまだ来ないの?これ以上さがると、鉄血のデータベースを掩体代わりにすることになるわ。 UMP9: それいいかも。さすがの鉄血も自分たちのサーバーは攻撃しないでしょ。 416: ちょっと、まじめに言ってるの?このまま包囲されているだけでも、やられるのは時間の問題よ! UMP45: ゲーガーはM4と私が偽造した信号を追いかけて行ったわ。もう少しの辛抱よ……すぐに反撃に移れるから。 (……数分後。) UMP9: 45姉、あいつらの勢いが弱まってきているような…… あ、止まった?! UMP45: 作戦が効いてきたようね。今のゲーガーはM4に気を取られている。 Gr G11: ふぅ、それならちょっとだけ寝てもいいかな?もう連続で8時間を戦ってるしさ……疲れで死にそう…… (……2分後。) UMP9: わたしたちを包囲していた鉄血の一部が撤退したよ。でも、残っている奴らは……また動き出そうとしてる。 UMP45: やはり簡単には逃がしてくれないのね…… ゲーガー……かなり慎重なやつだわ。 UMP9: これからどうする? UMP45: 私たちを包囲している敵を倒す。そして、ゲーガーの退路を塞ぐ。 Gr G11: そんな……まだ戦うの? UMP45: あと一回だけ頑張ろうね、G11。順調にいけば、すぐにゆっくり休めるわ。 場所:雪原_夜 UMP9: この区域の敵はすべて片付いたよ! UMP45: よし、今のうちにゲーガーを追いかけるわよ。 Gr G11: なんでまだ終わらないの…… あと一回だけって言ってたじゃん…… UMP45: これからの作戦もその「一回」のうちだよ。 Gr G11: もう……45はずるいよぉ…… 416: だから言ったでしょ、そいつの言うことは信じちゃだめだって。 Gr G11: えー……でも…… 416……もう走れないって…… 416: こっち見ないで、抱えて走ったりしてやらないわよ。この辺り一帯、すべて軍の人形だし、いつ目が覚めるかも分からないのに。化け物どもの中に放り込まれたくなかったら、自分の力で何とかしなさい。 Gr G11: えっ?!化け物たちの中になんかいたくない…… 416……ちょっと待ってよ! ゲーガー: チェックメイトだ。まさか自らの悲惨な結末にこんな場所を選ぶとはな。M4A1、ようやく決着をつけられて嬉しいぞ。 M4A1_MOD: ……そうね。ようやく決着をつけられるわ。最後まで付き合ってくれてありがとう、ゲーガー。 ゲーガー: …… ……何を隠している?M4A1! (……ピー。) UMP45_通信: ゲーガー、M4とのお話は楽しかった?喜ぶのはいいけど……昔馴染みのことも忘れないでよね。 ゲーガー: 404?!まだ生きていたのか? UMP45_通信: そんなに驚くことないでしょ。そうそう、再会を祝してプレゼントを贈ったわ。遠慮なく受け取ってね。 ゲーガー: ……なっ?!後方部隊の信号が消えた……まさか! UMP45_通信: 気に入ってくれた?まあ、お楽しみのところ邪魔しちゃ悪いよね。その喜びを胸に、引き続きM4とのお話を楽しんでね。 (――通信が切れた。) UMP45: よし、プレゼントは届けたわ。AR小隊と合流しましょう。 416: …… 2段落 > 場所:雪原_夜 (作戦終了、ゲーガーは殲滅された。) アンジェリア: ご苦労、404小隊。今回の作戦が成功したのは、あなたたちのおかげよ。 UMP45: まさか、反逆小隊とAR小隊が打ち解けていたなんてね。信じられないわ。 アンジェリア: 戦場でなら、共通の目的を持つ者同士、簡単に仲良くなれるさ。 UMP45: そうね。それにしても、本当にゲーガーを倒しちゃったみたいね…… 情報を聞き出すチャンスを一つ失ってしまったのは、少し残念だわ。 アンジェリア: 戦場でアクシデントは付き物よ。 UMP45: あらあら……戦場っていうのは、確かにサプライズが絶えない場所だもんねぇ。前まであんなに頑固だったお嬢様も、今や気が変わって一緒に戦ってくれるようだし。 AR-15_MOD: お気遣いどうも。あんたの報酬金で修理したこの腕で殴り飛ばした方が、もっとサプライズになるんじゃないかしら? UMP45: こわいこわーい。今は一応仲間同士なのに、そんなことしていいの? AR-15_MOD: 永遠の友も永遠の敵もないわ、UMP45。 416: お忙しいところ申し訳ないけど。AR小隊……ここにいるのは二人だけみたいね?M16は? M4A1_MOD: 行方不明よ。 416: まさか?M16A1が……?それは確かな―― M4A1_MOD: 間違いないわ。 (……M4A1は去っていった。) 416: あいつが……信じられない…… UMP45: …… アンジェリア: お話は終わったかい? UMP45: ええ…… 挨拶はこれくらいで十分よ。真面目な話に移りましょ……まず、任務は完了したわ。 アンジェリア: ええ、今回は素晴らしい出来だったわ。 UMP45: それで、報酬は? アンジェリア: もちろんそれなりのものを用意してある。でも、あなたが欲しいのはいつもの報酬だけじゃないでしょ。 UMP45: 当たり前よ。私がデータベースで見つけたあれが何なのかを教えて―― オーガスシステムやエリザのこと、それから私と……40を利用したのは誰なのかも。 アンジェリア: 手に入れてくれた情報は、あなたが本当に欲しているものへと導いてくれるわ―― 胡蝶事件の真相に。 場所:黒背景 アンジェリア: 安心して。この先…… あなたも、私も、それからグリフィンの指揮官たちも…… きっとみんな、復讐の相手を見つけるわ。 [注:ここ拾ってさ、「しきかんは胡蝶事件の遺族」って事にしない??] 収録範囲: 大型イベント「秩序乱流」 秩序乱流 > 彼岸の暁 > 爆心 > 1段落 > 場所:野外拠点_雪 (……ダーティーボムが爆発する一時間前、グリフィンの臨時拠点にて。 [注:12時頃]) カリーナ: 皆さん!聞いてください――!軍の部隊はすでに司令部外縁の防衛線を突破しました!ただいまより、全員予定プランに従って撤退を始めてください――!9A91さんとトンプソンさんの部隊は、全員の撤退が完了するまで、防衛ポイントにて殿を務めてください! 9A91_通信: 指揮官は今どこですか?命令がなければ、反撃のプランを立てることができません…… カリーナ: 指揮官さまは今作戦の全体を調整しています!持ち場から離れることができません! トンプソン_通信: しかし相手は正規軍だぞ。ボスがいないと、そう長くはもたない。 カリーナ: う――――――ん……ああもう!だったら私がやります! 9A91_通信: あなたが……ですか? カリーナ: これでも指揮官さまと一緒に戦術式を勉強したことがありますよ!実戦の経験はないですけど、少しぐらいなら作戦の役に立つかもしれません! 9A91_通信: それで十分です、カリーナさん。 トンプソン_通信: そんじゃ夜露死苦! カリーナ: グリフィンとみんなのために、一緒に頑張りましょう! 2段落 > 場所:黒背景 9A91_通信: カリーナさん、軍の戦車が防衛ポイントを突破しました!もう撤退してもいいでしょうか? カリーナ: ま、待ってください!まだ撤退していない人たちが―― トンプソン_通信: 戦車の数が多すぎる!こちらの戦線はすでに崩壊しているぞ! カリーナ: え……もう、ダメなのですか?もし軍に拠点を占拠されたら、みんなが撤退できないどころか、指揮官さままで―― トンプソン_通信: しゃあねえな…… どうやら私らはもう……ここで終わりか…… カリーナ: ど、どうしましょう……私たちは……本当にもう…… 指揮官さま…… 私たちは本当にもう……今日で終わりなのですか……? (…… あくまで、自分の頼りない経験ではあるが、終わりが近づくとき、いつも奇跡が起きる。) 場所:街_破壊_高架道路 9A91: ……!何なのです、あの光は――! 場所:黒背景 (或いは、終わり自体が奇跡なのかもしれない。そこから生き延びることさえできれば。この時、それが起きた……) 場所:野外拠点_雪 トンプソン_通信: 全員伏せろ――! カリーナ: キャ――――――――――!! 場所:黒背景 (その終わりのおかげで、私たちは生き残れた。…… ……??時間後。 [注:爆発の一時間後がステージ「未知の敵」なので、一時間も経っていない]) 場所:野外拠点_雪 カリーナ: ケホッ……コホッゴホッ――!皆さん大丈夫ですか?ケホッケホッ! トンプソン_通信: 平気だ…… それよりさっきのは何だったんだ? 9A91_通信: 緑色の光に、一瞬だけメンタルモデルがシャットダウンされました……そして…… トンプソン_通信: 待てよ…… 敵の動きも……止まった?あいつら全員動かなくなっているぞ! 9A91_通信: 私たち……助かりましたの? カリーナ: どういうこと……ケホッ…… とにかく、皆さんが無事なら何よりです……コホッコホッ! トンプソン_通信: よし!動けるやつは全員起きろ!すぐに戦線を立て直せ!敵の反撃が来るかもしれないぞ!カリン、補給物資が必要だ、今すぐ! カリーナ: 分かりました。MP40さんの支援小隊を向かわせます!ケホッ…… 9A91_通信: カリーナさん、さっきから様子がおかしいです!もしかしてあれは…… カリーナ: 私なら大丈夫です、ちょっと埃が……ケホッケホッ…… でも待って……これは……これはもしかして…… (カリーナは先ほどの緑色の光の正体に気づき、すぐ連絡回線を開いた。) カリーナ: 指揮官さま!指揮官さまは無事ですか!さっきのコーラップス液に影響されてませんか!指揮官さま!応答してください!指揮官さま――!! 場所:黒背景 (…… しかし時々、生存がいつも幸運を意味するわけではない。地獄から抜け出した時、目の前にあるその光は天国からなのか、夢からなのか、それとも真実からなのか…… 私たちだけでは確かめることができない……) ??: 私のこと、見える?私の声、聞こえる? (気持ち悪い光と、何かの機器の音の中で、私は目を覚ました。頭がくらくらする……) ??: もし話せるのなら、もうその頭を動かさなくていい。私たちを、見て。今、どんな感じ? (……三時間後。) 場所:4人のネイト ??: こんにちは、グリフィンの指揮官。今から……あなたに必要なのは、冷静と、リラックス。あなたに、話したいことがある。いい?あなたはずっと、昏睡状態にいた。だからちゃんと、冷静に、話を聞くべき…… ……そう、分かっている。きっと、まずは自分がどれぐらい、眠っていたのかを、知りたいのでしょう。 場所:黒背景 ??: あなたは…… ……9週間眠っていた。 (……この時、私は確信した。ここは、地獄の底よりも深い場所だ。……一日後。) ??: ……9週間前、コーラップス液による大爆発で、あなたは負傷した。そして私たちは、あなたを治療し、意識を、戻させた。 [注:これが無かったら多分指揮官は普通に死んでた。] 場所:4人のネイト ??: グリフィンの指揮官、あなたはもう、意識を取り戻している。なら、仕事を、始めよう。 (……) ??: …… [注:選択肢による分岐なし] (こいつらは何も答えたりはしない。ただ私に向けて、何かを述べるだけ。思い出した、こいつらのことは知っている。あの爆発の後に現れて、そして…… …… しかし、こうして近くで見るのも初めてだ。なんだかすごく見覚えがある気がする……気のせいか?) 指揮官: …… (……ネイトたちは何も答えない。でも、私を見つめるその視線は、ますます集中しているように見える。非常に気味の悪い視線だ。最初期の試作型人形の視線よりも、ずっと気味が悪い。なんの脈絡もなく、好奇心もなく、ただ……ただ私を見つめている…… こいつらの中で、私は何に見える?もしかしたら、仕事の中でサインをするただの書類と同じなのかもしれない。) ??: 水は、ある。でも、ここには、ない。 (……ネイトたちが喋った。とても、形容しがたい声をしている。私はこの声を聞いたことがある…… でも、どこでそれを聞いたのかは思い出せないし、なんだか気持ち悪い…… 目が覚めたばかりのせいだからか、意識はそんなにはっきりとしていない…… もしかしたら、本当に水が必要なのかもしれない……) ネイト: グリフィンの指揮官、あなたは今、私たちの主に、囚われている。 (この声は嫌いだ。でも、なぜ嫌いなのかは分からない。リアルで、虚ろで……なんだか聞き覚えのある声。) ネイト: あなたが、自由を得る唯一の方法は、コーラップス爆弾が爆発した後で起きた、すべてを話すこと。 (……) ネイト: 私たちは、あなたの言葉と事実を、照らし合わす。もし矛盾を発見した場合、あなたを罰して、修正させる。 (ネイトたちは何も答えない。一寸の動きもなく、答えを拒否する表情すら表さない。私の質問はまるで、底なしの井戸に落ちたコインのように、なんの音を立てることもなく、ただ消えていく。 今、立って。十秒以内に、この命令を実行するように。それ以外の場合は、犯行の意思があると見なし、強制手段を加える。……10 ……9 ……8) 場所:黒背景 (……7 ……6 …… ……突然、この人形たちは沈黙した。……そして……) ネイト?: 指揮官? [注:45姉!] 場所:4人のネイト (……一人のネイトが私を見た。しかしその眼差しは今までとは全然違う。) ネイト?: 久しぶりね。 指揮官: …… (……その人形は左手の人差し指で、自分を左目を上から下へとなぞった。これはどういう意味なんだ?少し考えてみた結果、一つの答えに辿り着いた…… [注:指揮官とUMP45はこの時が初対面(対面はしていない)で、少なくとも指揮官は顔を知らないはずだが……]) ネイト?: 指揮官そういうプレイが好きなの?でも今はダメ。助かりたければ、とりあえずちゃんと話を聞いてくださいね。この体には複雑な神経ネットワークがあるから、長い時間をかけないとその模擬意識を識別してハッキングすることができないの。それでようやく何とかこのネイトたちの電子神経にハッキングできたわけだけど、バレないように今回は4人全員を制御しておいた。この一瞬のためだけに、一週間もの準備をしたのだからね。それと、複数体のネイトを制御するのはさすがに消耗が激しいから、次からはもう無理。ハッキングで制御できる時間も二分程度しかないから、要件を手短に言うね――助けに来たわよ、指揮官。 指揮官: …… ネイト?: ごめんね。ここを見つけるのにものすごく時間かかっちゃって。それに……前回の戦闘でのダメージを回復するためにも、けっこう時間かかっちゃった。とりあえず、今知っておくべきことは、このネイトたちは指揮官の脳から何かしらの情報を抜き出そうとしていること。でもそれが失敗しちゃったから、直接訊き出すしかなくなっているというわけ。 [注:なぜ失敗した?] 私たちは今潜入工作の準備をしているから、それまでの間は何とかして時間を稼いでちょうだい。さっきも、前回の作戦で一体何が起きたのか、とかを聞いてきたんでしょう?本当のことでも、作り話でもいいから、できる限り時間を稼いで欲しいの。作戦が失敗しないように、こっちでも色々と準備をしなければならないから。多少、痛い目に遭うかもしれないけど、この「人形」たちはこういう拷問のために生まれたのだから。指揮官の協力がないと、この作戦は成功できない。 指揮官: …… ネイト?: そういうの、人間の得意分野なんでしょ?指揮官ならきっとできると思うわ。そろそろ時間ね。指揮官に小型通信機を付けたんだけど、これは近距離でしか通信できないの。準備ができたら、またどれかのネイトにハッキングして、中から救出してあげるわ。状況が状況なので、指揮官に戦ってもらう可能性もあるから、拳銃も拘束椅子の下に隠しておいた。状況に応じてちゃんと使ってね。一応聞いておくけど、使い方はまだちゃんと覚えている? 指揮官: …… ネイト?: ふふっ、これは失礼しました。指揮官、期待しているわよ。最後に、次はどのネイトにハッキングするかは分からないから、脱出する時は合言葉で見分けてね。いい?ちゃんと覚えるのよ。合言葉は…… 「不幸を届けに来た」 指揮官: …… ネイト?: このフレーズが好きなだけよ。何も言う必要ないわ。間違って撃ったりしないように気を付ければいいの。この合言葉を口にしたネイトは私が操ってるってことだから、その時は中から部屋を開けて、確実に指揮官を助け出してあげる。私たちが来るまでの辛抱だから、もう少し我慢してね、指揮官。それじゃ、制御を切るわよ。幸運を祈ってるわ。 場所:黒背景 ネイト: ……5 ……4 場所:4人のネイト ネイト: よろしい、僅か6秒で、命令を実行した。今から、一緒に尋問室に行ってもらう。 場所:黒背景 (私はネイトたちに連れられて尋問室へ向かった。どちらかというと、連れられてというよりも、脅迫されて、の方が正しいかもしれない。向かう途中で、色々なものを見た。) 場所:取調室 (……尋問室にて。) ネイト: グリフィンの指揮官、今、拘束椅子から抜け出すことは、お勧めしない。あなたが動かしていいのは、口だけ。私たちは、あなたの記憶が必要。まずは、あなたがあの戦場で生き残ったことについて。私たちは、もっと詳細なことを知りたい。あなたはどうやって生き残り、あのセーフハウスに辿り着いたのか。教えて。私たちは、その事実が必要。必ず、事実を言って。 場所:黒背景 (そう、一つだけ確信を持って言えるのは、あの戦場から生き残れたこと…… ……あの爆発から、生き残れた事実。…… あのとき、私は何かとても強い力に引っ張られたような気がして、そして思いっきり地面に叩きつけられ倒れた。次に、胸が焼き焦がれそうな熱さに襲われ、呼吸が乱れ、もがき、目を開けると、そこにはまるで時間がとまっているかのような天井が映っていた…… 暫くして、二人の黒い影が近寄り、私は本能的に倒れ込み、目を閉じた。ここはどこ?一体何が起きた?この二人は誰?敵か?それとも……) 落ち着いた少女の声: ……指揮官?大丈夫ですか? 騒がしい少女の声: ちょっと指揮官――!バカ指揮官、はやく起きなさい!じゃないとそのままカリンのとこに引っ張ってやるわよ! 指揮官: …… 騒がしい少女の声: 起きてるんだったら寝ぼけたことしないでよ! 落ち着いた少女の声: あまり指揮官を揺らさないでください、人間の頭はそんな激しい衝撃に耐えられないのです。 場所:作戦室 M82A1: 初めまして、グリフィン戦術人形M82A1です。私のことが知らないかもしれませんが、私は指揮官のことをよく知っています。ずっと、見ていましたから。 M870: M870、グリフィンの者よ。もう寝ぼけてないわよね、バカ指揮官? 指揮官: …… M82A1: 命令に従っただけです。指揮官を戦場からセーフハウスへ運ぶようにと。 M870: 別に好きでやってるわけじゃないんだからね!こんな時にこんな場所へ来なければならないなんて、全部あんたのせいよ! M82A1: カリーナさんが座標を送って、二人で来ました。 M870: そうよ、だからちゃんと褒めてくれるわよね!あんたのために、死ぬかもしれない危険を冒してまでやって来たんだから! M82A1: まだ司令室の中にいます。指揮官を発見した時は、放射線の影響で昏睡していました。 M870: ここは汚染エリアとそんなに離れていないわ。分かりにくい場所なんだけど、一回発見されたら、もう安全じゃなくなる。 M82A1: すでに「治療」を施しましたので、暫くは動けるはずです。 M870: というよりは……刺激を与えただけだね。要するにアドレナリンよ、まさか効くとは思わなかったわ。 M82A1: 汚染の影響もそんなに出ていないみたいなので、ちゃんとした治療を受ければ、三ヶ月くらいで回復できると思います。 [注:今のG&Kの状況的にはその「ちゃんとした治療」を受けるのが難しい] 具体的な状況は、指揮官の生活習慣などで変わると思いますけど。 M870: せいぜい命を大事にしなさいね!今からここを離れてカリンと合流するから、早く行きましょう! (M870は私に手を差し伸べた。その時に、ずっと雑音を鳴らしている通信設備から、はっきりとした人の声が伝わってきた……) 場所:黒背景 大人びた女性の声: グリフィンはもう撤退したか…… 結局は……これか…… ペルシカの声: アンジェ…… 大人びた女性の声: ハハハ……ならもう仕方ない。まさかこんな結末になるなんてね…… 場所:作戦室 M82A1: 指揮官……行かないのですか? (その声を聞いて、私はこのまま帰ってはいけないと、そう確信した。) 場所:黒背景 ネイト: この内容は、私たちで確認できる情報と、一致している。では、続きを。あなたは、撤退できたにも関わらず、その場に留まった。そして、他の者たちの撤退を指揮した。だから、あなたは、私たちの欲しい情報を知っている。今、そういした理由を、教えて。 (…………) 場所:作戦室 M870: 何を言ってるの?ここに残るって?そんなバカなこと言わないでよね! M82A1: 指揮官、何を考えているのです? 指揮官: …… M870: グリフィンにとって、あんたはあんたの助けようとしている人間や人形よりもずっと大事なのよ!ちゃんと分かってるの?まぁ、あんたはそういうやつだから、大事にされてるのも確かなんだけど…… M870: でもまぁ、どうせ何を言われても、ここに残って他の人の撤退を指揮するつもりなんでしょ?一応言っておくけど、あたしの任務はあんたを基地の飛行場に連れて、撤退のヘリに乗せること。カリンから言い渡された最優先の任務なんだから、たとえあんたをぶん殴って手足を縛っても、ここから出てもらうわよ。 M82A1: 指揮官、あなたは今あまり冷静ではありませんのね。でも、これが人間と私たちの違いなのでしょう…… M870: M82A1?あんたまさか…… M82A1: M870、この命令に逆らうことはできません。なぜなら、指揮官もカリーナさんとグリフィンを守ろうとしていますから。これが今の最優先任務、私たちが受けたすべての命令よりも重要です。 M870: ふん…… 好きにすればいいわ。どうせ残業だし。 M82A1: ここには指揮設備と通信設備が完備されています、安心して指揮してください。私たちは有利な地形を探して、指揮官を守ります。 M870: 失望させないでよ、バカ指揮官。身の程をわきまえてない理想のせいで死ぬのは、一番バカバカしいことだわ。 (M82A1とM870はドアを開けて、部屋から出て行った。) 場所:黒背景 M82A1: 見せてもらいましょう……人形に信頼されている人間は、どこまでやれるのかを。 (そして、私は私の仕事を始めた。最後の撤退作戦を完成させた。……) ネイト: あなたの答えは、私たちで確認できる情報と、一致している。今、私たちは、それよりも前のことを知りたい。私たちは、AR小隊とM4SOPMODⅡの居場所を知りたい。教えて、彼女はあの戦いの中で何があったの。グリフィンの指揮官、教えて。 場所:取調室 指揮官: …… ネイト: 違う。私たちは、知っている。彼女は、生きている。この目で見た。だから、教えて。これ以上隠しても、意味はない。あの人形に一体何があったのか、私たちは、そのすべてを知りたい。……それを教えて、そうしないと、あなたは生き残れない。 場所:黒背景 (また、何分かの面白い話を作れるのではないかと、心の中でひっそり計算していた。そしてその話の中で、私たちはヒーローになるのか、それとも不幸なバカになるのか。いっそのこと、死体になってみても面白い。嘘を吐くことは、そういうことを意味するのかは分かっている。でも、私はそんなこと気にしない。私に必要なのは、時間だけだ。こいつらは命までは取らない、それ以外のことも、まぁ、想像はつくし、多分何とか耐えれる。ただ、こいつらがそうした後でも、そう思えるといいが……) 廃棄物 > 1段落 > 場所:黒背景 (…… コーラップス液爆弾起爆より22時間前…… [注:起爆がステージ「最終手段Ⅴ」(13:00)での出来事で、その22時間前は15時。] …… [注:特異点の最初のステージ「起点」が16:00の話なので、特異点開始より僅かに前の話。]) ??: ……M4SOPMODⅡ。まだ生きているか? M4 SOPMOD Ⅱ: …… 場所:戦場 ??: SOPⅡ、聞こえるか? (ザッ……ザッ…… まだ……ザザッ……なら……ザァッ……ろ。……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 痛い…… 何が起きたの…… みんな……なんで……動かないの…… 信号も……全然検知できない…… 場所:黒背景 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そうだ……!あの時……軍の部隊が……!わたしたちを撃って……それで…… ??: お前たちは裏切られた。彼らの計画通りに。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: この声……強制通信?……!再起動信号に……ハッキングされてる!? システム: 【直ちに指定の修復ポイントにて、検査を行ってください。強制再起動はパーツの寿命に大きな影響を与えます。申請を許可しますか?】 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 体が……動かない…… ??: お前の損傷は激しすぎる。こうでもしないと再起動はできない。少し我慢しろ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 分かった……強制再起動を許可する…… システム: 【コマンド、認証。強制再起動を開始します。】 (……SOPⅡの電子神経が呼び起こされ、激しい感覚がメンタルモデルに流れ込んだ。) 場所:戦場 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: グッアアアァァァ――!!せ……成功した……?さっきの声は……M16?生きているの!? M16A1_鉄血_通信: ある意味では、まだ生きているな。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: よかった!……え、待って!……信号パターン赤……鉄血!? M16A1_鉄血_通信: …… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: どういうことなの!?M16! M16A1_鉄血_通信: それは気にするな。今は強制接続してるから、そう長くは続かない。いくつかの座標を送った、何とかしてそこへ行け。 場所:戦術マップ M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: M16が……鉄血に…… わたし……信じていいの……? (当該戦役のそれぞれの任務目標を完成することで、違うルートに進むことができます。任務目標を完成した後、他の未プレイルートに進むことができません。リセットを行うことで、再びルートを選択することができます。飛行場に向かい修復を行うか、鉄血の司令部に攻め込むか、選択してください。選択した行動によって、ストーリーの進行は変化します。十分にご注意ください。) 夜の帳 > 1段落 > 場所:戦場 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 黙れ!この裏切り者!この――!!わたしは…… もう…… (……SOPⅡは歯を食いしばりながら通信を切った。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 殺してやる…… 鉄血は全部……殺してやる…… ダメ…… M4…… M4……どこなの…… わたしは……どうすればいいの……?もう……M16を信じることはできない…… わたしだけで…… 自分で……決めないと…… (……一時間後。) 場所:黒背景 (……バン!バンバン!……SOPⅡは鉄血の拠点を攻め落とし、あらゆるものを破壊しつくした。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: まだよ…… この程度じゃ……まだ…… まだ……M4を……見つけていない…… ここには……いない…… まだ……進まなきゃ…… (……バン!……SOPⅡは背後から攻撃された。) 場所:戦場 (……他の鉄血部隊が騒ぎを嗅ぎつけて集まってきたが、機能不全のSOPⅡでは太刀打ちできない。……M16A1が通信で何かを言っているようだが、そんなのもはやどうでもよくなった。……ボロボロのSOPⅡ……一人だけのSOPⅡ……彼女はもう、動くことはできない。やがて、夜の帳が彼女とこの冷え切った世界に下りた。彼女は二度と立ち上がることがなかった。何も感じず、何も知ることができない。これが死なの?これが彼女の探した結末と……答えなの?……SOPⅡのメンタルはゆっくりと、果てしない疑問の底へと沈んでいく。この夜に、完全に呑まれて。…… [注:まだ17時前だけどね]) 場所:取調室 (……) ネイト: 止まって。 [注:祝!初めての「止まって」!] 指揮官、SOPⅡは、死んでいない。彼女は、生きている。あなたは、私を騙した。その行為に、意味はない。 (……パチッ!あいつの動きは全く見えなかったが、起きたことは体ですぐ分かった。……パチッ!パチッ!あれは腕ではない、刑具だ。……刑罰が終わった。あの人形には何一つ表情の変化がなく、憐れみも楽しみも感じ取ることができない。傷口からじわじわと血液が滲み出し、全身に響き渡る痛みを耐えながら、私は葉を食い縛る。きっと、私は今最高に悪い顔色をしているのだろう。コーラップス液の放射線を浴びるよりもずっと……) ネイト: 続けよう。もし、私たちの知る情報と一致しないのなら、私たちは、より効果的な尋問手段をとる。指揮官、もう一度、知っていることを教えて。 (分かっている、分かっているさ。血を吐くついでに、歯も一本とれた気がする。荒く息を整えた後、私は痛みを耐えながら考え始める…… もう一つの、別の話と、その結末を……) セーフハウス > 1段落 > 場所:戦場 (……SOPⅡは残りの腕で何とか指定位置まで辿り着いた。) M16A1_鉄血_通信: 自己診断はできるか? システム: 【パラメーター検査を開始します。スキャン中……】 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 重傷部位多数……作戦能力はおよそ10%に低下…… M16A1_鉄血_通信: SOPⅡ、お前はAR小隊の中で最も汎用パーツが多い人形だ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あの……汚い鉄血たち……?あいつらのパーツを使えっていうの? M16A1_鉄血_通信: 何とかして自分を修復しろ。まだチャンスはあるかもしれない。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: チャンス? M16A1_鉄血_通信: 彼女を救うチャンスだ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そうだ!M4!でも……M16の識別信号が鉄血になってる…… M16は……本当に悪いやつじゃないの? M16A1_鉄血_通信: いいやつ、悪いやつ……まだそんな単純の方法で敵と味方を区別しているのか?私たちの中枢命令を思い出せ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: どんな犠牲を払っても……M4を守る…… M16A1_鉄血_通信: もし、まだ私を信じていられるのなら、自分を修復して、彼女の元へ行け。 (……泥まみれの戦場でSOPⅡは必死に体を動かし、一体の鉄血人形の残骸の隣まで体を寄せた。) 場所:自分を修理するSOPⅡ M4 SOPMOD Ⅱ: …… M16…… わたし……信じられないよ…… M16が鉄血になるなんて……もしかして、傘ウィルスのせい……? [注:ペルシカ「全部エリザって奴が悪いんだ」] M16A1_鉄血_通信: ……いや、これは私の意思だ。 [注:ペルシカ博士もそうだそうだと言っています。] M4 SOPMOD Ⅱ: はは……そうだよね…… でもM16が鉄血なら……わたしはM16を信じられないよ…… M16A1_鉄血_通信: 気にするな、それが私たちの原則だ。これ以上喋るな。早く自分を修復しろ、やり方は分かっているはずだ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 鉄血のパーツの扱いなら……わたしが一番よく知っているよ……! (……ガチャッ!……SOPⅡは残骸から腕を引き抜いた。) M4 SOPMOD Ⅱ: でも、状況が分からないよ……ここからどうすればいいのか…… M16A1_鉄血_通信: 後のことは、修復し終えたら教える。 M4 SOPMOD Ⅱ: 中枢命令がまだ残ってるのなら……なんで自分でM4を助けにこないの……? M16A1_鉄血_通信: 今はまだ……私の出番ではない。彼女たちのことは、お前に頼るしかない…… M4 SOPMOD Ⅱ: もしかして……もうわたし一人しかいないの……? (……SOPⅡは震える手で、残骸の腕を自分の体にくっ付けようとした。……ガチャッ!) M4 SOPMOD Ⅱ: グッアアアァァァ――!!これで……何とか動けるけど…… もうみんな……いなくなった…… (SOPⅡから微かなすすり泣き声が聞こえた。) M16A1_鉄血_通信: 泣いているのか? M4 SOPMOD Ⅱ: 泣いてない。 M16A1_鉄血_通信: ……強くなれ。M4の最後の位置座標はまだ覚えているか?今ならまだ間に合うかもしれない。 M4 SOPMOD Ⅱ: …… M4……RO……待ってて……! 場所:黒背景 (……SOPⅡはメンタルに残ってある記憶を辿って、セーフハウスを見つけた。) 場所:地下室 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……! (……そこでよく知っているあの人形の姿を発見したが、メンタルモデルは完全に動作を停止しているようだ。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: M4…… どうしたの……答えてよ…… (……SOPⅡはM4に少し近づき、その体を揺らそうとした。) M16A1_鉄血_通信: SOPⅡ、触るな! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: M16……!M4は……どうなってるの? M16A1_鉄血_通信: メンタルが非常モードに入っている。セカンダリレベルに接続することはできるか?昔作戦コマンドを同期した時のように。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 試してみる…… ダメ、接続が全部拒否されてる。 M16A1_鉄血_通信: 接続が失敗した…… 誰の仕業なのか分からないが……助かったな。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 助かった?こんなんで助かったって言えるの?意識を戻せないんなら、せめて別の場所に運ばせて! M16A1_鉄血_通信: ダメだ。M4のメンタルは今極めて不安定な状態になっている。余計なことをしたらまずい影響を与えるかもしれない。 [注:AK-12「コードブチー」] M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 敵が……いつ現れてもおかしくないっていうのに、M4をこのまま残すの!?それとも……鉄血に渡すつもり? M16A1_鉄血_通信: 鉄血はすでに撤退した。このまま残した方が安全だ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: それで……M16は助けに来てくれないの?昔みたいに…… M16A1_鉄血_通信: ……私は今、他にやるべきことがある。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 昔のM16A1なら……こんなこと言わない…… M16A1_鉄血_通信: 状況が変わったのさ。人は変わらなければならないように……人形も同じだ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたし、むずかしいことはよく分からない…… たぶん、M16の言うことを聞くのも、これで最後かもしれない…… でも……もしM4に何かあったら、絶対許さないから! M16A1_鉄血_通信: M4なら大丈夫だ。保証する。 (……SOPⅡは躓きながら、セーフハウスの隅まで歩いた。……そして、ROの隣まで寄った。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO…… 一緒に行こう。 (……SOPⅡはROの体を持ち上げ、また出口の方へと向かって、一歩、一歩と、歩き出した。) M16A1_鉄血_通信: SOPⅡ、彼女はもう機能を停止している。ROは私たちと違う。機会があったら、またメンタルモデルのバックアップをインストールすればいい。 場所:戦場 (……SOPⅡは何も言わず、セーフハウスの外に出た。……パタンッ!……しかしSOPⅡは二人分の重さを支えきれず、ROの体と一緒に雨の中に倒れた。) M16A1_鉄血_通信: 意味もないことをするな―― M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: じゃあ何をすれば意味があるっていうの――!! M16A1_鉄血_通信: …… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: みんないなくなった…… もうわたしと一緒にいる人はいない…… なら生きても死んでも……全部同じじゃない…… 生きて……なんの意味があるの…… (……) M16A1_鉄血_通信: ………… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: せめて……せめて一人ぐらい、仲間を助けさせて! (……SOPⅡはROの体に手を伸ばした。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: メンタルモデルは修復できても……わたしたちの……M4との思い出はなくなる…… せっかくみんな、昔のように戻れたのに……でも……でも! M16A1_鉄血_通信: …… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしはただ…… わたしを必要としている人のために! (……ガチャッ!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO、ごめんね……ちょっと乱暴かもしれないけど……! (……SOPⅡはROの体を引き裂き、中からメンタルコアを取り出した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: これで、一緒に帰れる…… M16A1_鉄血_通信: ここから離れるのか?もう少し遠くへ行ったら、連絡できなくなる。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: M16も、わたしを助けられないんでしょう?ここからは、自分で何とかするから。 M16A1_鉄血_通信: …… どこへ行く気だ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 指揮官を探して、グリフィンに戻るの。 M16A1_鉄血_通信: グリフィンに戻っても、何もよくなることはない…… AR小隊も、鉄血も、グリフィンも…… お前の知ってるすべてが、変わり始めている。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そんなの分からないし、どうでもいい。わたしはただ……みんなに会いたいだけなの。 (……SOPⅡは無理やり、笑顔を作った。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: M16、起こしてくれてありがとう。今度こそ、死なないようにちゃんとやるから。わたし一人だけになっても……絶対……生きるの…… (……SOPⅡは走り出した。雨の帳の中に消えていく。) 2段落 > 場所:戦場 (……SOPⅡは隠れ場を見つけてすぐ地面に倒れた。……その右手には、小さなお友達が握られていた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO…… (……SOPⅡはROのコアを少し揺らした。……しかし、何も反応はなかった。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そりゃ……何も聞こえないよね。いいな……雨に打たれなくていいし、歩かなくていいし、なにも考えなくていいなんて…… 最後のやつなんて、むしろROの得意分野なのに…… (……SOPⅡはROのコアをじっと観察した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ROがいないと、わたし…… (……SOPⅡは考える。……生き延びる方法を、ありとあらゆる可能性を探して。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: とりあえず……ここに置くしかないよね…… (……SOPⅡはROのコアを懐の中に入れた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うっ……RO、冷たいよ…… もう少し温めてから入れるべきだったね……はは…… RO? (……何も反応はない。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そうよね……電力がないと、ROは起きないや…… メンタルコアは長い時間電力が途絶えるとまずい…… コア内蔵の緊急電源もそろそろなくなっているはず…… でも、わたしの電源で充電すると、戦闘に使える時間が…… 予備の電源を探して、ROに充電しなくちゃ…… それから……もっと安全な場所も探さないと…… コアだけじゃ危険すぎる……ROのデータをわたしにバックアップしなきゃ…… どこへ……行けばいいの…… (……SOPⅡはため息を吐いた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ぜんぜん分からないや…… RO、こういう時に何か言ってくれたらいいのにな…… アドバイスでも、命令でもいいから…… (……SOPⅡは何も言わないまま、ROのコアをじっと見つめた。そして……ゆっくりと体を縮こめた。) 場所:黒背景 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 一人は……嫌だよ…… わたし……どこへ行けばいいの…… (……長い長い、迷いと沈黙。……それから……?) 予備電源 > 1段落 > 場所:黒背景 (……長い長い、迷いと沈黙。……それから……?) 場所:戦場 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ああっ――!そうだ!倉庫にはきっと予備の電源があるんだよ!軍はそんなものを取ったりしないんでしょう?だからきっと倉庫にある!うん!グリフィンの倉庫を探してみよう!まずは地図を確認して……近くにはきっとわたしたちの補給ポイントがあるはず…… 場所:戦術マップ_夜 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はは!すぐ近くに補給ポイントがあるじゃん!きっと予備の電源もあるはずね!もしかしたらグリフィンの人形もいたりして……どう挨拶すればいいか分からないけど、味方なら問題ないっか!でも周りも鉄血の部隊でいっぱい…… 無暗に突っ込むのはきっとダメだよね……M4たちのように、なんか慎重な作戦を考えなくちゃ…… あいつらの主力部隊をなるべく回避して、万が一発見されたらそのままぶっ倒す。……これでいけるかな? (……SOPⅡはまじめに考えてみた。) 場所:戦場 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん!問題ないね、完璧完璧!このままいこう!RO、もうすぐ会えるよ! 2段落 > 場所:倉庫_暗 (……SOPⅡは目標のグリフィン補給ポイントに辿り着いた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ふふん、上手くいったみたいね。もしもし、誰かいる?……いないか。結局……私一人だけなんだね…… みんな……どこにいったのだろう…… (……SOPⅡは現場を観察した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: こんなに散らかってるけど、戦闘の跡はない……もしかして、緊急撤退?足跡もまだ新しいし、まだそんなに遠くには行っていないはず……今から追えば、まだ追いつけるかもしれない!でもどこへ逃げたのかも分からないし……念のために倉庫も覗いてみよう。 (……SOPⅡは倉庫の前まで来た。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 今の体でも認証通るかな?……え?もう、そもそもカギがかかってないじゃん! (……SOPⅡは倉庫の中を見た。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あーあ……やっぱ空っぽだ。何も残ってないんだね、RO…… わたしたち、捨てられちゃったんだ、はは…… (……がっかりしたSOPⅡは俯いて、地面を見つめた。……そして、泥の地面についた足跡に気づいた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: この足跡……違う…… グリフィンに四本足生えてるやつなんていない! [注:なお今後は、結構出てくる模様。] ……そっか!ダイナーゲートだ!ダイナーゲートがここのものを運んだんだ!ってことは…… (……SOPⅡは考え始める。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: この補給ポイントは鉄血に襲われたけど、グリフィンの部隊は一足先に逃げた…… じゃあ、一番ありえそうなのは…… ここにあるものは全部、近くの鉄血の補給ポイントに運ばれた、ってことかな?ありゃりゃ…… 場所:戦術マップ_夜 (……SOPⅡは戦術マップを起動した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: いくらわたしでも、こんなことするのは危ないよ。でもRO……わたし、友達のために頑張るね! 備蓄拠点 > 1段落 > 場所:戦術マップ_夜 (……ピッ ……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 見つけた!ここが鉄血の備蓄拠点!しかも…… 信号は弱いし、守りも薄いみたい…… 念のために、もう少しサーチ範囲を広げてみよう。 (……SOPⅡはじっと電子マップを見つめた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 敵は……拠点の上で、何をしているんだろう??まぁいいっか、電源さえ手に入ればいいし、これはむしろいいチャンスね!RO、もうすぐ会えるよ!あとはちゃんと位置を確認して―― (……ピッ ……この時、SOPⅡは地図でグリフィンの信号をいくつか発見した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: これは…… グリフィンの人形……?もしかして…… 鉄血に襲われて、この補給ポイントから逃げた部隊なの?だから鉄血の拠点から離れて追撃して…… (……SOPⅡは躊躇った。) 場所:戦場 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 落ち着いて、SOPⅡ…… もしROだったら、こういう時はどうするの?ROなら……私たちの仲間は今、鉄血に包囲されて危険な状況にいる。でも、同じ戦場にいる以上、私たちは彼女たちを助けなければいけない、どんな危険を冒しても。……そう、ROならきっとそう言うよね。でも……あの人形たちのメンタルはバックアップできるんでしょ?わたしには一回のチャンスしかないし…… それにROもまだ目覚めてない……わたしに指揮モジュールもないし…… 頼れるのは自分だけで、鉄血にはきっとボスもいる…… このまま一人で行動して、先に予備の電源を探した方が安全なのかな…… ああああああもうめんどうくさい――!!なんでわたしがこんなこと考えなくちゃいけないの?わたしは隊長じゃないし、なにも命令を受けていないじゃん!わたし……どうすれば…… (……SOPⅡは一人で立ち尽くす。でも、この世界は何も返事をしてくれない。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: とりあえず、まずは出発しよう…… そう、まずは出発して、その時になったらまた考えよう! (救助を行うには、すべての敵を殲滅しグリフィン人形のために時間を稼ぐ必要があります。敵司令部を占拠した場合は、救助を放棄したと見なし、戦場から撤退することになります。選択した行動によって、ストーリーの進行は変化します。十分にご注意ください。当該戦役のそれぞれの任務目標を完成することで、違うルートに進むことができます。任務目標を完成した後、他の未プレイルートに進むことができません。リセットを行うことで、再びルートを選択することができます。) さらばスケアクロウ > 1段落 > 場所:扉_赤 (……SOPⅡは鉄血の備蓄拠点に潜入し、先に予備電源を確保しようとした。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 見つけた!これで……ROも―― (……ドーン――!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……!この声は! ???: よろしい、残りのグリフィンのクズも片付けましたわ。あとは……最後のカスだけ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……スケアクロウ! スケアクロウ_通信: なぜ、わたしたちの倉庫に隠れるのかしら?もしかして、一番危険な場所が一番安全、ということ?確かに、それで少しは命拾いしたわね、仲間たちを犠牲にして。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 黙れ!このヤロウ!あんたはわたしが殺す!あんたじゃ計算すらできない方法で! スケアクロウ_通信: どうぞご自由に……どうせわたしたちはただ、仕事をしているだけ。さっきのゴミも、君も、同じく処理するだけ。 (……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: さっきの戦闘で、スケアクロウの部隊もそんなに残ってないはず…… 倒すチャンスはまだある…… みんなの仇を取るために、生きるために…… わたし……絶対にあいつを殺す! 2段落 > 場所:戦場 (……戦闘終了。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はぁ……はぁ…… これで……終わりだよ、スケアクロウ。 スケアクロウ: 終わったりは、しないわ。今の君の体では、そう長くはもたない。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしは……行けるとこまで行くだけだよ。少なくとも、みんなの仇は取れた! スケアクロウ: 復讐か?なぜ復讐をするのです?君は彼女たちのことは知っている?死ぬ前のあの表情を見たことある? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… スケアクロウ: わたしは知っている……最初から、全部知っている…… わたしは君よりもあの人形たちのことを知っている……君の仲間たちを。君は彼女たちのこと、どう思っているのです?最初から最後まで、君は一人だけ…… 君は自分だけのために…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしは、仲間のために、あんたの想像もつかないことをしたんだよ。 スケアクロウ: そう?なら、そいつの名前を言えるのかしら?なんの躊躇もなく、そいつの名前を言えるのかしら? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… (……SOPⅡは武器を構えたが、スケアクロウはただ嘲笑うだけだった。) スケアクロウ: 哀れな。 (……バン!バン!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… (……スケアクロウを完全に破壊した後、SOPⅡは地面に倒れ込んだ。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 絶対……生き残らないと…… (……ザッ……ザッ……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: なんとしても…… ??: ザッ……グリフィンの信号を……検知! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 約束したから…… ??: ……殲滅……開始! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 絶対……生きて…… 血のない戦場 > 1段落 > 場所:戦場 (………… ……暫く抵抗した後、SOPⅡは軍に包囲された。) 軍用人形: 目標を取り押さえました。次の指示をお願いします。……ラジャー。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: もう、ダメなの…… (……軍の人形が武器を構えた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: は…… 少なくとも……やりきったのかな…… やれるだけのことをやって…… (……バン!バン!) 場所:黒背景 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ここまで……来た…… だから…… (……バン!バン!……ここには何も残らず、何も変わらない。SOPⅡの足跡は銃声と共に、血痕のない戦場で永遠に止まった。……) 場所:取調室 (……) ネイト: 止まって。指揮官、SOPⅡは、死んでいない。彼女は、生きている。あなたは、私を騙した。その行為に、意味はない。 (……パチッ!あいつの動きは全く見えなかったが、起きたことは体ですぐ分かった。……パチッ!パチッ!あれは腕ではない、刑具だ。……刑罰が終わった。あの人形には何一つ表情の変化がなく、憐れみも楽しみも感じ取ることができない。傷口からじわじわと血液が滲み出し、全身に響き渡る痛みを耐えながら、私は葉を食い縛る。きっと、私は今最高に悪い顔色をしているのだろう。コーラップス液の放射線を浴びるよりもずっと……) ネイト: 続けよう。もし、私たちの知る情報と一致しないのなら、私たちは、より効果的な尋問手段をとる。指揮官、もう一度、知っていることを教えて。 (分かっている、分かっているさ。血を吐くついでに、歯も一本とれた気がする。荒く息を整えた後、私は痛みを耐えながら考え始める…… もう一つの、別の話と、その結末を……) 最後の一日 > 1段落 > 場所:黒背景 Cx4ストーム: そういえば、私はなんでグリフィンに来たのだろう?もし他の民間会社に行っていたら、新人の私はきっといじめられてばかりいたよね?人間にしろ、人形にしろ、今の世界じゃ何が起きてもおかしくない。 (……バン!バン!) Cx4ストーム: 自分を守るために、自分がいじめられないようにするために、私は【スティグマ】を受けて、戦術人形になった。でも……なんでこんなことになったのだろう?もし大人しくメイドとか職員とかをやっていたら、或いは道端で人間にゴミ箱を被せられても…… こんなところで死ぬよりはマシでしょ? 場所:戦場 スケアクロウ_通信: 隠れても無駄ですよ、グリフィンのゴミども。 場所:黒背景 Cx4ストーム: 結局……みんなの雰囲気に染まっちゃったのかな?自分で自分を守れて、他の人も守れるって勘違いして…… 本当、すっかり調子乗ってたよね。もともとこんなの柄じゃないし…… 場所:戦場 スケアクロウ_通信: ゴリアテ、爆破の準備を。 場所:黒背景 Cx4ストーム: でも、それでも私は色んな人を助けることができた。ただ一つ残念なのは…… (……ドーン――!!) Cx4ストーム: 今日が……私がグリフィンで働く最後の日になるのかな。 場所:戦場 スケアクロウ_通信: こんなやつでしたの?震えているのかしら? Cx4ストーム: 私は……私は…… スケアクロウ_通信: 今のあなたの表情は好きですけど、ゆっくり楽しむ時間はないようですね―― 始末しなさい! (……ドーン――!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: やめろ! Cx4ストーム: ――!あの人形は…… 場所:黒背景 Cx4ストーム: 一瞬、あれは鉄血のボス人形かと思った。素手でドラグーンを引き裂いたところを見て、私はようやく気付いた…… あれは色んな残骸部品を組み合わせた人形…… そこで私はようやく思い出した、彼女は…… 例のグリフィンのエース小隊のエリート。どうして彼女がここに…… 場所:戦場 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はははははは!これだけなの!この程度なの!かくれんぼは終わりよ、鉄血のクズども!精々隠れて、わたしを楽しませろ! Cx4ストーム: …… (……SOPⅡはたちまち周囲の鉄血を倒した。) Cx4ストーム: あなたは…… 仲間なの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……? (……SOPⅡは振り返って、殺戮に溺れ、汚れ切った笑顔でCx4の前に立った。) Cx4ストーム: ……うわぁ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あ……びっくりさせちゃった? (……SOPⅡの表情は普通に戻った。) Cx4ストーム: えっと……大丈夫です、信号パターン青…… あ、すこし赤が混ざっていますけど、ほとんどは青なので…… あなたは……グリフィンの人形、ですよね? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: M4SOPMODⅡ、グリフィンAR特別作戦小隊のメンバーだよ。 Cx4ストーム: え……あっ、私はCx4ストーム、B組第十七後方支援部隊の隊長です…… あっ、元後方支援部隊というか……指揮官は戦える人形を全部前線に向かわせたので…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: B組?同じ指揮官の部隊じゃないの?まぁそんなのどうでもいいか、とにかくよかった!やっとグリフィンの部隊と会えたよ!でもごめん、話は後ね! Cx4ストーム: え? (……SOPⅡはオープンチャンネルを起動した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 今日のお天気は――最悪だったね、スケアクロウ!わたしがいれば、鉄血がいくら来ても同じ!たかが偵察隊のボスのくせに、こんな大掛かりな包囲戦を仕掛けるんだ? スケアクロウ_通信: そうかしら?最後に君みたいな獲物と出会えるなんて、むしろ幸運です。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 鉄血の演算ユニットはもう運気を信じるほど劣化してるの?今度工場に戻ったら、木製の頭に付け替えてこいよ!ああいう安物の方があんたに似合うよ! スケアクロウ_通信: 覚えておきます。そして、君の頭をねじ切ったら、もう一度リピートしてあげましょう。 (……ドーン!ゴ――ーン!) Cx4ストーム: 鉄血の援軍です!M4SOPMODⅡ、こっちです! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: その呼び方長いよ、SOPⅡでいいから! 場所:戦術マップ_夜 (……) Cx4ストーム: SOPⅡは、どうしてここにいるの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: なんていうか……通りかかっただけ?仲間を呼び起こさなければいけないから、予備電源を探している途中でここを通ったの。それでちょうどスケアクロウに襲われてるところを見て、助けに来た。間に合ってよかったね! Cx4ストーム: あわぁ……そんな危険を冒してまで、私たちを助けに? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うーん……なんかできることがあるわけなんだし、ただ隣で見ているだけよりはマシでしょ?あれ?急にどうしたの? Cx4ストーム: ううう…… ほ、本当にありがとうございます! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ちょっとちょっと!そんな足に抱きつかなくてもいいんでしょ!汚れるよ!(やっぱり慣れないな、知らない人形と話すの……) あの、今のわたしは完全な状態じゃないし、指揮人形でもないから、そんなに助けにならないと思うよ…… Cx4ストーム: それでも、助けてくれる人がいて本当に良かったです! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: もう……分かったよ。あなたが隊長なら、今グリフィンの指揮官と連絡とれる?誰でもいいから。 Cx4ストーム: ごめんなさい……今戦場の状況がひどくて、付近にジャミングもあるから、本部との通信は全部切れてるのです。部隊の中でもなんとかツェナープロトコルで同期してるだけで……指揮官がいる時と比べたら全然―― そういえばSOPⅡ、さっき指揮モジュールがないって言ったの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ないよ……でも戦術指揮は少しだけできるかもしれない。今までのM4の作戦プランや、指揮官の命令記録とか、全部メンタルに残ってるから、参考になるかもしれない…… Cx4ストーム: それは本当に良かった!私たちは後方支援の任務しかやったことないですから、指揮官がいないとどうすればいいのか全然分からなくて。だからその……指揮をお願いしてもいい? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: えっ!?わたし指揮なんかしたことないよ!それに隊長はあなたでしょ!? Cx4ストーム: そうですけど……私には経験がないし、SOPⅡみたいな戦闘能力もないし…… 私が指揮するときっとみんなを危険な目に遭わせるから……さっきのように…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そう……でも正直ちゃんとできるかどうか分からないよ、わたしの演算能力じゃM4たちと比べられないから。とりあえず、みんなわたしの近くに来て、指揮モジュールがないから、指揮権限で命令を出すことはできないの。だからツェナープロトコルで情報を同期して、同期した情報に従って行動しよう。ただ、こういうやり方は直接命令を出すことよりも効率悪いから、鉄血より動きが遅れるかもしれない…… ちゃんと心の準備をしてね。 Cx4ストーム: 大丈夫です!みんなSOPⅡのことを信じてるから!それにこっちの動きは元々遅れているし! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そういうのは自信満々に言わなくていいよ…… Cx4ストーム: とにかく、指揮の問題は解決したけど…… あとは人手の問題ね。今の人数じゃ、防衛ラインすら組めないよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: それならなんで撤退しなかったの? Cx4ストーム: 私たちの任務はここで囲まれた仲間を助けて、グリフィンの基地に撤退することです。でもここについた途端、指揮官との連絡を失って…… そして鉄血に襲われて、それで拠点を捨てて逃げるしかなかったけど、結局私たちも同じように囲まれて…… もし、鉄血の隙を突いて仲間を救出できたら、まだ防衛戦をやれるかもしれない…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 囲まれた人形たちのいるところは分かるの? Cx4ストーム: はい!電子マップにマークしておくね! (……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ここら辺なの?よく分からないけど……ちゃんとできるかな…… Cx4ストーム: SOPⅡ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ごめん……こういう単独行動はわたしも初めてだから。今の状況もよくわからなくて…… Cx4ストーム: 大丈夫です、SOPⅡと一緒に戦えてとても嬉しいです。もしこれが私の最後の戦闘なら、これ以上にいい結末はないのです。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: え?あなたたち……メンタルをバックアップできないの? Cx4ストーム: グリフィンの本部に……何かあったらしくて。 [注:「こうして出撃している状態でもバックアップは取れるが、本部に何かあったので取れなくなっている」ということか?] SOPⅡと会う前から、私たちはもうメンタルをアップロードすることができないようになっていたのです。だから、今回は本当に最後なのかも。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あなたたち…… 本当に……いいの? Cx4ストーム: 正直よくないですけど…… これはこれでいいかも。冷たいデータの複製じゃなくて、本当の意味で、誰かに覚えられたような感じで…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: Cx4……覚えられた感じってなに? Cx4ストーム: うーん、ちょっと変かもしれないですけど、時々なんだか…… 人形が死ねないことってよくないことだと思っちゃうんです…… まるで……呪いみたいで…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 呪い? Cx4ストーム: 後方支援の人形として、私はよく作戦小隊の人形たちを護送していたけど、その彼女たちが残骸になって戻ってくることもよくあって…… そして日が変わると、また元気になって私の前に現れるけど……色んなことを忘れたりすることもあって…… そういうところ、何か感じたことはないの、SOPⅡ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ごめん……わたしはメンタルをバックアップできないから、そういうのはよく分かなくて…… 場所:黒背景 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしは……わたしには、そういうのはないかな…… 場所:戦術マップ_夜 Cx4ストーム: SOPⅡが謝る必要ないよ!別にそういう感じに造られたことに文句を言ってるわけじゃないです!ただ時々思っちゃうんです……私たちは一体何なんだろうって。もし連続する記憶でしか今の自分を証明できないんなら、次の私って何だろう?ただの同じ型番の人形?それとも同じ「自分」なの……?もしバックアップとかがないんなら、こういうことに悩まなくてもいいのかもしれない…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: Cx4…… Cx4ストーム: あ……ごめんなさい、急に一人で感傷に浸っちゃって!とにかく、今は自分たちの素体を大事にしなくちゃいけないのです、だから頑張って全員を助けましょう! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: Cx4……頑張るだけじゃダメなんだよ。 Cx4ストーム: え? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 絶対、やり遂げるんだ!さっき言ってたことはよく分からないけど、今のわたしたちはほとんど同じってことなんでしょ!なんだか昔に戻ったような感じで、やる気が出てきた!よし、みんなを助けるぞ! 2段落 > 場所:戦場 Cx4ストーム: SOPⅡ!防衛ラインを張りましたよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: よし――!みんな元気出して!スケアクロウもそう長くはもたないはず――ケホッ……ケホッケホッ…… Cx4ストーム: どうしたの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ケホッ……叫びすぎて、音声モジュールがオーバーロードしそう…… Cx4ストーム: そんなに大変だったの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん……逃げ出してきたとき、いらないものをたくさん捨ててきたから…… Cx4ストーム: 道理でそんなボロボロで…… でも大丈夫です、撤退した時物資を少し持ち出してきたから、ちょっどぐらいなら修復できるかもしれません。だから先に休んでて、スケアクロウはすぐに攻めてこないはずだから。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: でもずっとここを死守するわけにはいかないよ、隙を見つけて撤退した方が―― (……バン!バン!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: え?この音……側面から?!鉄血にはまだ分割できるほどの部隊がいたの? Cx4ストーム: SOPⅡ、あれは軍よ!軍がこっちを発見したの! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 軍?!なんでまだここにいるの! Cx4ストーム: あいつらはここから離れたことはない!きっとさっきの戦闘で、巡回の部隊を引き寄せてきたのよ!これじゃ挟み撃ちされることになるよ!撤退できないどころか、みんなやられちゃう! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: いや、そうじゃない…… 今なら……鉄血から攻撃されることはないはず。 Cx4ストーム: どうして? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 軍はわたしたちよりも鉄血の方を優先して殲滅している。だから、多分、鉄血も今かなり慌てていると思う。 Cx4ストーム: 鉄血も……軍の目標なの?じゃあ私たちは今どうすれば……? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… Cx4…… わたしのこと、信じてる? Cx4ストーム: も、もちろんです!あなたがいなければ、私たちはもうみんなやられている。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: じゃあ今からも……わたしのことを信じてね。 Cx4ストーム: え?SOPⅡ……なにをする気なの……? 和平交渉 > 1段落 > 場所:黒背景 (……ピッ。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: おはよう。あ、今何時なのか分からないけど、気にしないよね? スケアクロウ: ……それで、降参でもしに来たのかしら? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: 交渉よ、スケアクロウ。今の状況で、わたしたちに必要なのは…… スケアクロウ: 君と手を組み価値はありませんわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: 手を組む?いやいや違うよ。何を考えてるの? スケアクロウ: ……? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: あんたがこっちの物資を奪ったことは知ってるよ。でもいいの、わたしたちも別にいらないから、ただ一つだけを除いてね。グリフィンの予備電源を一個、一個だけでいいの。それをくれたら、わたしたちはあんたらを見逃して、お互い干渉せずに撤退する、これでどう? スケアクロウ: …… 君の話が信用できれば。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: わたしが自ら、あんたの拠点に取りに行く。しかも武器は持って行かない。分かってるでしょう、わたしがいなければ、彼女たちだけでは組織的に行動できない。 スケアクロウ: もちろん知っている、さっきまで動きがバラバラだったので。しかし、わたしがこの隙に君たちの陣地を攻撃したらどうするつもりかしら? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: そんなことしたら…… あんたが動くより先に、わたしがこの手で、あんたの醜いマスクと目を引き裂いてやる! スケアクロウ: …… なら急ぐことね。軍が攻撃を始める前に。 場所:戦場 Cx4ストーム: SOPⅡ、本当に行くの?あっちこっち軍の人形だらけなんだよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 軍の主力部隊はまだ来てない。自信はあるけど、手伝ってくれる人形もいたら嬉しいな。 Cx4ストーム: もう私たちの命を預けているつもりですから、好きに選んで! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん!じゃあ何人かわたしについてきて、すぐ出発するから! Cx4ストーム: ちゃんと、戻ってくるよね?その……相手は鉄血だから…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: スケアクロウは約束を守ってくれるよ。自分のためにも、仲間のためにも、他に選択肢はないの。 Cx4ストーム: 鉄血も……仲間のために何かをするの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: するよ、グリフィンでわたしより鉄血に詳しい人なんていないでしょ? Cx4ストーム: もしかしていたぶっている時に知ったとか? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 色々とやり合ってきたからね。 Cx4ストーム: それで私たちの仲間だなんて、本当に不思議。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: だからわたしはあなたたちの仲間なんだよ。Cx4、わたしがいない間の防衛ラインは任せたよ、すぐ帰ってくるから!みんな行こう!軍を避けて、鉄血と交渉するぞ!グリフィンにいてもなかなか体験できないことだし、その上でわたしと一緒なんだからね!ちゃんとついてきて! 2段落 > 場所:戦場 (……SOPⅡは戦場を駆け抜けた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: おい!スケアクロウ! スケアクロウ: おや、お仲間はどこに行ったのかしら? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 彼女たちなら後方に残ったよ。ここはわたしとあんたの二人しかいない。 スケアクロウ: 武器は? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… (ないよ。本当に持ってないよ。じゃないとこの距離なら、あんたを十回バラせるね!内三回は素手で!) スケアクロウ: イカレてますわね、SOPⅡ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしの本当にイカレてるところ、あんたはまだ見たことないよ。 (……スケアクロウは何も言わず、後ろに向いて手を振った。……すると、ケースを曳いたダイナーゲートがSOPⅡの前に来た。) スケアクロウ: お望みの予備電源ですよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 何に使うとか聞かないの? (……スケアクロウは振り向いて離れて行った。) スケアクロウ: そんなのどうでもいいこと。今のわたしに、それは必要ない物ですので。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: これで終わりなの? スケアクロウ: わたしたちはすでに撤退を始めています。だから、さっさと失せなさい。 (……SOPⅡはケースを開けて確認した。中に入っているのは確かに鉄血の予備電源だった。 [注:G&Kのじゃないんか~い]) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: オーイ!わたしがこんなことするの嫌だって知ってるよね!あんたなんかよりも、あんたの頭と話したかったよ! スケアクロウ: わたしも今回の交渉を客観的に賛同しただけです。もう次はありません。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: じゃあ逃げられると思うの、スケアクロウ?軍は先にあんたらの方を追うって分かってるの? スケアクロウ: なぜそんなことを気にする? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしたちにとって、あんたはいい囮になるから。ここであっさり死んじゃったら、わたしたちも困るんだよ。 スケアクロウ: ちゃんと逃げておきますわ、君たちにそういう機会はありません。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: どうせあの飛行場に行って逃げるつもりでしょ。でも軍はあんたらを逃がさないよ!軍の機動力はあんたらよりはるか上なんだから! スケアクロウ: それは、君たちとは関係のないことです。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そう、なら今のうちに、この予備電源のことを感謝しておく。わたしにとってこれはものすごく大事なものだから。もちろん、あんまり本気にされても困るけど。 スケアクロウ: なら、君たちが死んだその時は、その言葉を忘れておきますわ。 (……スケアクロウは拠点施設の後ろに消えた。) Cx4ストーム_通信: SOPⅡ!軍が動き始めたよ!必要なものは手に入ったの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 手に入ったよ!今戻ってるところ!絶対に持ちこたえて!わたしが戻ったらすぐ撤退を始めるから! Cx4ストーム_通信: 軍が包囲してきた!撤退するなら鉄血の管轄エリアに入るしかないよ!SOPⅡ!早く安全なルートを探して、鉄血の防衛拠点を避けて! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 分かった!プランを作っておく! 場所:黒背景 Cx4ストーム: 急いで……お願い!SOPⅡ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ここまで来て、みんなをここで死なせるわけにはいかない!もう一度よく地図を見て、M4と指揮官が残した作戦案をよく思い出して!今この状況で、何をどうすればいい……!待って……鉄血の管轄エリア……これなら、面白そうじゃない?M16……あなたの言ってたこと、なんだか分かった気がする…… [注:どのこと?] (…………) 幸運? > 1段落 > 場所:戦場 Cx4ストーム: SOPⅡ、やっと戻ってきた! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ちゃんと作戦を思いついたよ!みんなよく聞いて…… 今回は効率的な指揮はできないから、作戦の優先順位をみんな同じに設定しておくね。そんなに複雑な作戦じゃないから、ここにいるみんなだけでも十分実行できるはず。だからみんなよく聞いて、一番大事なのは、「もし」と「なら」の二つのキーワード―― Cx4ストーム: ……うん、うんうん。……うんうん、分かりました、それから……うん…… ……それで、うんうん…… ええ?待って――!SOPⅡ、何言ってるの! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そう反応すると思ったよ。でも聞き間違いじゃないよ。 Cx4ストーム: 本気なの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 命令を出す時に冗談なんか言わないよ! Cx4ストーム: じゃ……どうして? 場所:黒背景 Cx4ストーム: どうして……私たちが鉄血なんかのために軍をひきつけるの? 場所:戦術マップ M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 別にそこまで言ってないよ。今の軍の優先目標は鉄血、そして今のわたしには鉄血の信号があるから、軍の追撃部隊をひきつけることができる。 Cx4ストーム: 一人で、大丈夫なの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 軍とも何回かやり合ったことあるからね。勝てないけど、うまくやり過ごすことぐらいはできると思うよ。その隙に向こうの拠点に行ってわたしを待ってて。 Cx4ストーム: あの拠点に敵はいないけど、途中は鉄血の防御施設ばかりで、迎撃されたりしないのかな? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 多分、あいつらは目標を軍に切り替えると思うよ。だってわたしたちを先に倒しても、すぐ軍にやられるから。 Cx4ストーム: そんなのただの賭けだよ…… しかも向こうの拠点に辿り着いても、鉄血の管轄エリアにいるんだよ、その後はどうするの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 分からない。でも今は行けるとこまで行くしかない。もし途中で軍の人形と遭遇したのなら足止めをして、鉄血と遭遇したのなら攻撃せずにわたしが来るのを待って。 Cx4ストーム: つまり……鉄血を守るの?あのスケアクロウのために時間を稼ぐの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そう、軍を足止めして、鉄血を逃がすの。そうすれば、わたしたちにも撤退する余裕が生まれるはず。もしこのまま軍が鉄血をやっつけて、二つの追撃部隊が合流したら、今度はわたしたちがやられる番になる。 Cx4ストーム: でも……スケアクロウは恩を感じたりするのかな? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: しないでしょうね。でもわたしもあいつらのためにこんなことをするわけじゃないし。 Cx4ストーム: SOPⅡは、鉄血を恨んでるんじゃないの?てっきり……鉄血が得することは何もしないって思ってた。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うーん……別に恨んでなんかいないよ。恨みがる鉄血なら、もう全部殺しちゃったし…… ……最低でも一回はね。 Cx4ストーム: だから、他の鉄血は嫌いじゃないの?じゃあなんで……鉄血を殺すのが好きなの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: だって好きなんだもん。Cx4も恨みを趣味にしないんでしょ?ただそういう感じ。 Cx4ストーム: つまり……鉄血を殺すのが好きなだけ、ですよね? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 違うよ。傷めつけたり、解体したりするのも好きだよ。あ、グリフィンに解雇された時にスティグマを解除する解体じゃなくて、文字通りの解体ね。 Cx4ストーム: いえいえ、私が言いたいのは……SOPⅡが解体したいのは鉄血だけ、ですよね? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うーん、もしかしたら、軍のやつらもいけるのかな?できれば、軍の人形も解体してみたいよね!あとあのエゴールも…… Cx4ストーム: じゃ……じゃあグリフィンは? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: グリフィン?なんで?みんないい子だよ?毎日見知らないわたしに挨拶して、食べ物を贈って、よくやったって褒めて、そういうみんなをわたしが解体したいわけないじゃん! Cx4ストーム: で……ですよね…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: グリフィンには知らない人形もいるけど、わたしが鉄血をやっつければ、それだけで生き残れる人が多くなる。そしてみんなわたしのことをもっとすきになる。そうでしょ?だから今分かったの、わたしの目標はみんなを守ることで、鉄血はその手段でしかないの。 Cx4ストーム: SOPⅡ…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: よし、出発しよう!鉄血と遭遇した時は慌てないでわたしを待って! Cx4ストーム: きっと……大丈夫ですよね?SOPⅡが戻ってこなければ、私たちは一歩も動きませんよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 大丈夫だよ、きっと……だってもう自分のことだけを考えるわけにはいかないんだから。 [注:結婚でもするかのような物言い] 自分を守ることもみんなを守ることと同じ、わたしにとっての大事なこと! 2段落 > 場所:戦場 Cx4ストーム: よし、みんなよくやったね!何回か間違いそうになったけど、SOPⅡが通信で手伝ってくれたから。あとはSOPⅡが戻れば―― M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 遅いよ。 Cx4ストーム: えっ!SOPⅡ、もう――! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ちょっ、やめて!だから足に抱きつかないでって!わたしは一人だから、軍を避けてすぐ来れたよ。途中で鉄血と遭遇したの? Cx4ストーム: うん、何体か拉致したけど、後で全部逃がしたの。軍の目標があいつらなら、逃がした方が私たちにとって安全ですし。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はは!ちゃんと覚えてるね! Cx4ストーム: というより、よくこんな作戦を思いついたね。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: へへっ、思いついたんじゃなくて、思い出したの。これはグリフィンのデータベースにあった秘密戦術なんだよ。指揮官に演習させられたこともあって、ちょうど今回の状況は似てたから試してみたの!まさかうまくいくとはね、あなたたちもよくやったよ! Cx4ストーム: 私たちもとても怖かったけど、みんなちゃんと話を聞いてくれたから、無事に来られたのです。でも今はのんびりしてる場合じゃないから、早速次の行動を考えないと。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そうね、ここから先のルートも分からないし……とにかく、なんとか前のグリフィンの基地に行けばいいよね?軍の動きはどうなっているの? Cx4ストーム: 暫くは大丈夫のはずです、軍は進行のペース緩めてきました。多分、地図をスキャンしなおしていると思います。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……地図をスキャン? Cx4ストーム: 指揮官は前ここで軍と戦ったから、軍の人形は優先して近くの軍の人間を助けているのです。だからこのエリアの信号をスキャンしないといけないし、私たちにとってはチャンスなのかも。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そうね……軍には人間もいるんだよね。でもあいつらも仲間を助けるんだ? Cx4ストーム: だって人間なんだよ、人間は私たちよりもずっと高価だよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はは、それは知ってる、しかも壊れたら直せないから。 Cx4ストーム: 人間を攻撃したことあるの、SOPⅡ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ないよ。どうして? Cx4ストーム: 人間と会うのが心配で……命令がないと、グリフィンの権限では、私たちは人間を攻撃できない。でも正直言ってそんなことしたくないし、人間は私たちを造って、色んなものを残したから、私たちは…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 彼らをなるべく避けるべきね。一度殺されかけたし、次も助かる保証はないよ。 Cx4ストーム: でももし万が一…… 私たちはどうすればいいの?ねんのために、なにかの対策を練った方がいいと思います。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… もし万が一の状況になったら、わたしが撃つよ。わたしにそういうグリフィンの権限や制限はないからさ。わたしにとって、わたしたちを傷つけようとする人間と鉄血の違いは、死体からパーツを引っこ抜いて使えるかどうかぐらいよ。 Cx4ストーム: ふっ……いえいえ、私たちだって鉄血のパーツは使わないよ。そんなことするのはSOPⅡだけだよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わりとそういうことが好きなのにな…… きっとペルシカがこっそりメンタルに変な設定を付けたせいね。 Cx4ストーム: うんうん、分かります!私もタバコのパッケージを集めるのが好きみたいな! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: タバコのパッケージ? Cx4ストーム: はい!物心ついた時から、タバコのパッケージを集めるのが好きで。しかも好きなだけじゃなくて、集めないといられないぐらいなので、 [注:ダーカーザンブラックの契約者みたいな] 見たことのないタバコのパッケージを見たら絶対欲しくなります! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: タバコ吸うの? Cx4ストーム: いえ!もちろん吸わないです。人形がタバコを吸うと危険なんでしょう? [注:タバコの成分を消化できない?] でもタバコのパッケージを集めるのが好きで、揃えて見ているだけで楽しいのです。理由はよく分かりませんが、多分そういう設定で造られたのかな。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うーん……FNCみたいな、なんの理由もないけどチョコが好きな人形と同じなのかな…… 人形は人間の食べ物でエネルギーを補充する必要はないのに…… Cx4ストーム: 実は……今までずっと悩んでて…… 昔民間で働いてた時、この趣味のせいでよく人間にからかわれてました。自分のそういうところが嫌いで、何か「好き」になることが嫌いで…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: それで……ずっと耐えてたの? Cx4ストーム: 私の権限では人間に逆らえないから……どうしようもなくて…… いっそコレクションを全部焼いてしまおうなんてことも考えて…… なんの意味もないって分かってるけど、私の「設定」は……そういうものなんだからって。ちょうどその時に、グリフィンが民生用人形に向けて募集をかけ始めて、私の所有者も私のパラメーターやメンタルテストの結果が条件と合致していることに気づいて、それで―― [注:昨今の人形実装事情を思うと、そのメンタルテスト、ヤバい人形診断テストなのでは……] M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: それで一緒にこの戦場で逃げ回ることになったんだね。 Cx4ストーム: そうですね……でも、SOPⅡと出会ってから、自分もそんなに変じゃないって思えるようになった。だって私と比べて、SOPⅡの「趣味」の方がずっと変ですし。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ひどいよ!まぁ確かに好きでやっているわけなんだけど…… この「趣味」のおかげで、作戦効率も高くなってるんだからね! Cx4ストーム: SOPⅡはAR小隊にいて、グリフィンの一番重要な任務を担うためのエースですから、きっと私のように意味のない「趣味」をつけられたりしないよ。正直、ちょっと妬いちゃうな…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: やきもち?別にそんなにいいことじゃないと思うけどな…… Cx4ストーム: だってSOPⅡたちは選ばれたのよ、特別なんだよ、だからきっと私たちのような一般人形とは違うから…… これも……幸運だと思わないの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……分からないや、わたしは鉄血を引き裂くのは好きだけど、ほとんどの人形にとって、毎日普通に物資箱を運ぶのが一番幸せなんじゃないの? Cx4ストーム: 物資箱ですが……確かに、昔はそんな後方支援ばっかりの日々はつまらないって思ってたけど、今考えてみれば、あれは本当に幸せだったかもしれません…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はは、それじゃグリフィンに戻ったら、きっとまた物資箱を運ぶ幸せな日々に戻れるよ! Cx4ストーム: そうですね……でもそれもまずグリフィンの司令部に戻らないと。それに……そこに私たちを待ってる人もいないと…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 今はそうするしかないね。そういえばCx4、この先のエリアにグリフィンの司令部があるの? Cx4ストーム: はい、もうすぐ着くはずです。でも、前方に鉄血の拠点がいくつもあって、簡単に通れるルートを探すのは大変なのかもしれません。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: しょうがないな、先に偵察してくるよ。 Cx4ストーム: いえ、それは私がやります!そうした方が安全ですし、万が一…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: Cx4、これは―― (……ピッ、ピッ、ピッ。) Cx4ストーム: あれ?こんなところで通信信号なんて、誰でしょう? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: きっと指揮官じゃないよね。Cx4、みんなに警戒をするように。 (……SOPⅡは通信を繋いだ。) スケアクロウ_通信: M4SOPMODⅡ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: え?スケア……クロウ? 鉄血エリートの拠点 > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: スケア……クロウ?あれれ、もう会わないんじゃなかったっけ? スケアクロウ_通信: …… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……今さら取引に後悔したの?でももう遅いよ! スケアクロウ_通信: 計算によると、君たちはもうすぐ鉄血のエリート拠点につくはずです。違いますか?むしろ、後悔すべきなのはそちらかと。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はっ、それでも軍とやり合うよりはマシでしょ。 スケアクロウ_通信: 君たちは、無様に死ぬだけです。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… だから?それでお祝いに来たわけ? スケアクロウ_通信: ……地図を開きなさい。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……なに? 場所:戦術マップ (……) スケアクロウ_通信: このルートを通るのなら、わたしが鉄血エリート部隊の警戒範囲を教えてあげますわ。もしわたしたちと余計な衝突をしたくないのなら、よく考えてから動くことね。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あんた……なに言ってるの?てか、次はないなんて言ったのもあんたでしょ? スケアクロウ_通信: 聴覚モジュールがまだ治っていないのかしら?分からなかったら仲間に聞き直してきなさい、同じことは二度言いませんわ。それと、今回のは別の話です。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 別にあんたのためにやったわけじゃないんだからね!ちゃんと分かってる? スケアクロウ_通信: こちらも同じです。 (……スケアクロウは通信を切った。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ちょっとまっ―― もう、なんなのよ、あいつは…… Cx4ストーム: このルート、確かに私たちの司令部に向かっています。指揮官がいなくても、誰かの人形や物資があるはずだと思います。そこで一旦態勢を整えられるんじゃないかと。でも……本当に、信じていいの?あの……つい数時間前まで私たちを殺そうとしてた鉄血のボスを? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 信用はできないね、でも……他に選択肢はないの。 Cx4ストーム: SOPⅡ、あなたのことなら信じます。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん、そうね…… (決断するのって面倒くさい……) (M4は作戦をする度に、こんな思いをしてたの……?) Cx4ストーム: SOPⅡ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ああああああもういいよ!罠だろうと何だろうと!わたしを騙したらあいつらのことはただじゃすまないんだから!行こう、あの拠点に!みんなの武器を確認して、警戒を高めて!エリート部隊の警戒範囲にも注意!わたしの命令なしで発砲しないように! (鉄血の部隊を長押しすることで、警戒範囲を確認することができます。警戒範囲をうまく利用することで、一部鉄血との戦闘を回避することができます。) 2段落 > 場所:作戦室 (……作戦終了。) Cx4ストーム: 到着したよ、SOPⅡ!まさかあのスケアクロウの言ってたことが本当だったなんて…… ……SOPⅡ? 場所:黒背景 (……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あ――――――! 場所:作戦室 Cx4ストーム: SOPⅡ?! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 大丈夫……これでやっと一息つけるよ…… わたし……ずっと…… 万が一罠だったらどうしようって……みんなを危険な目にあわせたらどうしようって…… Cx4ストーム: 大丈夫です、SOPⅡ、作戦には冒険する勇気が必要です。もし私でしたら、こんなこと決められません。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: でもM16は行ってたな……勇気と愚かの違いは、その結果だけ…… 今までは小隊の仲間たちがわたしの無茶を後片付けしてくれてたけど、今ではわたしがみんなのために責任を負わないと…… Cx4ストーム: 私たち、SOPⅡの負担にはなりたくないよ…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: でも、今のわたしたちは同じ泥船に乗った仲間……昔だったらこんなこと考える必要なんてなかったのにな…… M4は……毎回毎回こんなに大変だったんだね…… もしかしたら色々迷惑をかけちゃったかもしれない…… Cx4ストーム: SOPⅡ…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はは、やっぱ隊長なんてわたしに似合わないや…… あとは、偵察隊の報告を待とう! Cx4ストーム: ……はい。 場所:黒背景 (……数分後、偵察に出ていた人形たちが戻ってCx4に報告をした。表情枯らして、その結果は分かりきっていたことだった。) 場所:作戦室 Cx4ストーム: ……ごめん、SOPⅡ、ここには何も残ってないし、通信することもできない…… 指揮官に連絡することはできないし、何の手掛かりも探せない…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……やっぱりね。こんなことになる可能性も考えたけど…… (……SOPⅡの目に落ち込んだ人形たちの表情が映った。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ダメよ!みんな元気出して!遺体が残ってないってことは、指揮官とカリーナがまだどこかでわたしたちを待っているってことだよ! Cx4ストーム: 先に少し休んでおくべきかもしれないです。地図によれば、このまま行くとまた軍の拠点を通ることになります。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 分かってるよ…… 次の作戦プランもちゃんと保存してるはずだけど、わたしのメンタルじゃこんな演算できないかもしれない…… はは……AR15がいたら、きっとまたバカにこんな仕事はできないって笑うんだろうな。 Cx4ストーム: 大丈夫です、SOPⅡがいなかったら、わたしたちもここまで来ることはできなかったのですよ。SOPⅡはもう十分すごいんですから、ここから先も一緒に頑張りましょう! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……(もう他に方法はないの……?) (待って、何かを忘れてる気がする……) (この拠点に来たのはそもそも、どこか安全な場所を求めて……そして……) (そしてなんだっけ……?) (またメンタルを検索しないと……ああ!さっきの戦闘でデータベースがグチャグチャになってる……面倒くさいな……) Cx4ストーム: そういえば、SOPⅡ、さっきAR小隊の4人について話してましたけど、確かもう一人メンバーがいたような? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ああ、あれはRO635…… あああああ――――――! Cx4ストーム: ま、またどうしたの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ごめんごめん、思い出した!ああもうわたしのバカ!ここに来る目的を忘れるなんて! (……SOPⅡはポケットの中を探った。) Cx4ストーム: えっとこれは……人形のコア? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そうだよ!これがわたしたちの仲間、RO635だよ! Cx4ストーム: えーと、その人形さんって確かAR小隊の新メンバーですよね?あの頭のきれる…… でも……今のこの様子だと、簡単に修復できないような…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 軍が裏切って、その時エゴールに破壊されたの。わたしはコアしか持ち出すことができなかった。 Cx4ストーム: エゴールって……今回の軍の指揮官なの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そう、軍の人間部隊に襲われて、わたしもボロボロになって…… Cx4ストーム: でも鉄血の残骸で生き残れた? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ふふん、だってわたしは16Lab自慢の人形だよ、そう簡単に死ぬわけないじゃん! Cx4ストーム: でもRO635さんは……どうすればいいの?メンタルを移すにしても、素体がないよ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 素体は必要ないの、今はとりあえずメンタル呼び起こせばいい。 (……SOPⅡは予備電源を取り出した。) Cx4ストーム: これはスケアクロウからもらった電源…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そう、そしてこれ! (……SOPⅡは一匹の――) Cx4ストーム: え……それをどこで手に入れたのですか! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: しー……これは肝心なアイテムだけど、誤解されるから、他の人に言っちゃダメだよ。とにかくCx4、今からわたしは暫く寝なきゃいけない。その間はみんなでここを守って。もし緊急なことがあったら、まずわたしの体を三回叩いて、そして予備電源を切るの。そうすればわたしは安全に起きれる。分かった? Cx4ストーム: わ、分かりました!でも……本当に大丈夫なんですか?また何か危険なことを…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: もう今日はいっぱい危険なことをしてきたんじゃない。大事なのは―― Cx4ストーム: 大事なのは結果、ですね?分かりました、外は安心して私たちに任せてください。 (……SOPⅡは頷いて、Cx4は外に出た。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そして…… (……SOPⅡは大きく息を吸った。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO635、今会いに行くよ! [注:花はなんで枯れるのだろう] 記憶の欠片 > 1段落 > 場所:黒背景 (…… まさかこんな日が来るとは思いもしなかった…… まさか……わたしみたいな人形が、こんなに人助けをするなんて…… 今まで考えもしなかったことや、今までやれもしなかったことまでやって…… ……でも、これを誰かに教えることもできない。だからRO……目を覚まして。今日のわたしのことを聞いて……今日見つけられた楽しいことを聞いて…… ROは今……唯一わたしの声が届くかもしれない仲間…… [注:Cx4ストーム「いい台詞だ。感動的だな。だが私たちを無視してる」] だから……届いて……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: いたたたた……やっぱり道具がないと面倒いな……こっちの線を繋げばいいんでしょ?まさか自分で自分の体を裂くなんて……でも、わたしならきっと大丈夫! 場所:セカンダリレベル システム: 【メンタルモデル、接続中。アクセス申請、許可。少々お待ちください。】 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 繋いだ!こんなメチャクチャな接続でも成功するんだ……もしかしてわたしって天才なのかもね! システム: 【メンタルモデル、接続成功。対象をアクセス中――】 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: よかった、ファイヤーウォールも止められていない……でもROの信号はどこ…… システム: 【対象アドレス獲得中――アドレス獲得失敗、もう一度接続座標を確認してください。】 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 真っ暗…… もうメンタルを動かせる電力が残ってないの……?でも電源に繋いでるはずだよ……?それとも夜だから…… ……あれ?星空?なんでメンタルに星空が…… なんか光ってる……これは……ROの記憶の欠片?……ROのメンタルはまだ止まっていない!まだチャンスがある!あの光ってるところ……とりあえず行ってみよう……! (SOPⅡは記憶の欠片のところについた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 光が……回ってる?こっちの声聞こえる? (それに答えるように光が回転した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: やっぱりROの記憶の欠片だ!RO!RO聞こえる!わたしはここだよ!SOPⅡだよ!早く起きて!RO――!! 場所:黒背景 (…… …………) 場所:雪原_セピア ??: ………… やっと姿を見せたわね、■■。 [注:UMP45] ■■: …… [注:RO635] わたし、あなたに謝るべきでしょうか? UMP45: そんな必要ある?あなたは私たちの上司なのよ。ただ…… あなたのしたこと、それはM4A1と同じよね? ■■: わたしがヘリアンに連絡したから? UMP45: あなたは全員を救おうとした。指揮官があなたの言葉に耳を傾けるような人じゃなかったら、何がなんでも駆けつけてくれるような人じゃなかったら…… ……今回、全員ここで死んでいたわ。 ■■: 何となくわかりました…… ……あなたがいつも独断専行する理由を。 UMP45: ………… あなたはどうなの?自我を失くし、他人の身代わりになってもいいの? ■■: ……「自我」ってなんなのでしょうか? UMP45: …… ■■: わたしは……こんなときのために存在しているのです。M4が守ろうとした人たちを、わたしは決して見捨てたりしません。そしてM4が信じていた人たちを、わたしも信じます。 UMP45: ………… 少なくとも、今回のあなたの判断は正しかったわ。 場所:工廠_セピア ペルシカ: この子は、M4A1のためなら何でもできる。AR小隊や、M4A1自身ができないことまでも。今回は少し設定を変えて、「あの子」の部分をあまり残さなかった…… だからこの子は、誰よりも自分の力を発揮することができる。きっと、AR小隊のいい助けになるわ。AR小隊のデザインプランは量産に向かない。 [注:「あの子」の部分を残した他の人形がいる?AR小隊全員?] 脳スキャンデータの使用回数には限りがあるから…… [注:じゃあSOPⅡやAR15やM16は「あの子(推定ルニシア)」らしさがある?] でも、代わりに使ってる模擬演算AIはまぁまぁ安定して動いているようね。この調子なら、この子のデータは第三世代人形の基盤になれるかもしれない。この子はきっとM4A1を守ってくれる。命令ではなく、心の中にあるM4A1に対する尊敬と憧れで…… すべてが演算されたものなんだけど、「感情」っていうのも……そういうものなんじゃないかしら? 場所:SOPⅡとRO_暗がり_セピア ■■: M4は?彼女は泣きながら何をしてたの? M4 SOPMOD Ⅱ: それがね、なんにもしてなかったの!M4だけは本気で泣いてて、しかもすごく大きな声で「私のミスです!本当に本当にごめんなさい!」って叫んでたんだよ、すっと。それこそいじめられた子どもみたいにね。あんなの映画でしか見たことないし、一体どこで覚えたんだろう。とにかく酷いもんでしょ?わたしたちの隊長はそんなどうしようもない奴でさ!いつも大恥をかいててさ!ほんとにさ、ハハハ!もう一回みたいぐらいだよ!ははは…… はぁ…… ただ…… それももう……無理かもしれないね…… ■■: SOPⅡ…… チャンスはまだある、M16はきっとどこかでわたしたちを待っているはずよ。AR15だって……まだはっきりしてないことはたくさんあるでしょ?わたしたちが生きている限り、いつかきっと何とかなるよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: うん…… ROはさ、わたしたちに感情モジュールがついてるのは、なぜだと思う? ■■: それは…… M4 SOPMOD Ⅱ: M16にも聞いたことがあったんだけどね。そしたらあいつは、わたしたちがただの殺戮マシーンじゃないってことを証明するためなんじゃないかって言ったの。わたしたちには感情がある、だから冷酷な軍用人形たちとは違うって。だけど、感情こそわたしたちの弱点で、不良品である証拠だって言う人もいるよね。ROはどう思う?人形に感情があると……不良品ってことなの? ■■: 分からないわ…… でも、感情モジュールは人間がわたしたちに与えたものよ。自分たちの製品に、わざわざ不良品のレッテルを貼るわけないじゃない?だから……きっと何か意味があるはずよ。 場所:黒背景 (………… ……………… …………………… 録音再生開始――) AR-15_通信: 久しぶりね、■■。これが最後の通話になるかどうかは分からないけど、こんな状況だから、手短に話すわ。私は多分もう……AR小隊には戻れない。分かるでしょ、ときにはこういうことも起きるの。懸命に努力したはずなのに、最悪の結果になることも。敵が、命令が、あるいは単に運河……色んなことが、計画をめちゃくちゃにする…… M16が言っていたわ。そこで諦めるか、それとも最悪の結果を想定して、覚悟をもって続けるか。その違いだって。だから、もし次会った時に私がいなかったら、それは最悪の事態が起きたということになる…… でももう覚悟はできているわ。■■、あなたは?……AR小隊に戻る準備はできてる?もちろん、あなたにも自分の考えや選択があるだろうけど……ただ私が言いたいのは…… ごめん。前に言ったことを許して。 ペルシカ: そんなに落ち込んでないで、■■。あなたはとっても優秀な人形。これから、あなたが接するほとんどの人形よりもずっと優秀だわ。 ■■: わたし……分からないです…… でもどうして…… あの人形は……AR15は、わたしのことを失敗作って言うのですか?模擬戦で勝ったのはわたしなのに…… ペルシカ: だってあなたは躊躇なくM4A1を犠牲にした。これは最悪な選択ね。 ■■: 全部勝つためです…… 人形は、消耗品なんでしょう? ペルシカ: まったくそうではないのよ、■■。これは私の欲しかった答えじゃないわ。 ■■: なら、今後はM4A1を優先して守ればいいのですね?そうでしたらそう命令してください、やり方は分かっていますので。 ペルシカ: いいえ……そういう意味じゃないわ。AR小隊の目的は確かにそれだけど、あなたにその命令は与えないわ。 ■■: 分からないです…… 命令がないのなら、なんで私がこんなことを…… ペルシカ: あなたはその理由を自分で探す必要があるわ。命令を頼って勝つのではなく、戦場で、自分で本当の答えを探すの。 ■■: なんで直接設定しないのですか?わたしのやるべきことを教えてください、ちゃんとやり遂げてみせます! ペルシカ: あなたはまだ、自分の「優秀」なところに気づいてないわ、■■…… でもきっかけを与える。実際の作戦で、経験と知識を積み重ねるの…… あなたは……自分の「感情」を補充しなければいけない。 ■■: 感情……? ペルシカ: そう、人形の感情は訓練できる、変えることができる。これは……リコの残してくれた成果……私のやってることが、濫用にあたらなければいいのだけど………… ■■: ペルシカさん? ペルシカ: これから、あなたに新しい仕事を与えるわ。これは本物の実戦の仕事。あなたはあなたの仲間や、色んな人間と接していかなければならない…… 私でさえも一緒にいたくない人間たちと……私よりも、ちゃんとやらないといけないの。 ■■: 新しい仕事ですか……できるかどうか分かりませんけど、もうAR小隊に戻れないのですか? ペルシカ: 今はまだその時じゃないの。あなたが準備できた時、ちゃんと連れ戻してあげる。 ■■: わたしの……新しい仕事…… 好きになれるかどうかは…… ペルシカ: そんなのわたしも分からないし、命令もしないわ。でも、それを好きになるのがあなたの任務。M4A1を好きになって、世界を好きになって、自分を好きになって。さぁ、ついてきて…… いまから、作戦開始ね。 場所:街_破壊_セピア 92式: そうね。作戦も何とか完了したし…… といっても……すぐにお別れだけど…… ステンMK-Ⅱ: え?どうして? ■■: 忘れたの?ステン。この小隊は今回の作戦のために、臨時に編制されたってこと…… ステンMK-Ⅱ: そっか……36号ファイルは手に入ったし…… 街全体を鉄血に破壊されちゃったけど…… 92式: 鉄血をこのままのさばらせてはおけないわ。マカロフは今回の情報を本部に持ち帰って。きっと打つ手はあるはずよ。この巨大な砲台にしても、背後に隠れた鉄血ボスにしても。 ステンMK-Ⅱ: うん。それに今回の作戦のおかげで、みんなにたくさんの経験ができて、ずいぶんと成長したわよね。たとえバラバラになっても、みんなのことは忘れないから…… AAT-52: 大げさだよ、ステン。もう二度と会えないわけじゃないんだし。とりあえず今夜帰ったら、みんなで盛大にお祝いしよ! ■■: ………… そうよね…… もう二度と……会えなくなるわけじゃない…… だからみんな、これで終わりじゃないわ。各々の戦場で戦い続け、成長し続ける…… そして勝ち続けるの。鉄血を殲滅するその日まで。 92式: ………… あなたは他の人形とは違うと聞いていたけど、確かにそうみたいね。あなたには……グリフィンの人形にはない意志があるわ。 ■■: ……まあ多少はね。だからこそわたしは戻ってきたのよ。グリフィンの勝利のため、正義のため…… そして……復讐のために…… 絶対に…… 絶対に償わせてやるんだから!鉄血がどんな兵器や戦術を使おうと、どんな陰謀を巡らそうと…… あいつらに破壊されたものを、受けた傷を…… 倍にして返してやるんだから! 場所:黒背景 ペルシカ: やっと……この世界を好きになったのね?やっと、自分が何のために働いているのかを理解できた。 ■■: わたし…… 自分が好きなのは何なのか、分からなくて…… ペルシカ: それはあなた自身。あなたは、この世界と一緒なの。 ■■: わたし……?わたしは……誰? ペルシカ: あなたの名は…… それは…… 場所:セカンダリレベル M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: R!O!R!O!6!3!555555555――!!! RO635: やあぁああああああぁぁぁぁぁぁ――! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わぁああああああ――! RO635: な、なにが起きてるの!M4!M4はやく起き―― ……て?SOPⅡ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO…… RO635: なんで急に叫んだのよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ROが叫んだからよ! RO635: わたしが叫んだのもあなたが叫んだからよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしが叫んだのもROのことを呼びたかったからよ! RO635: …… ……えと……つまり…… ……どういうこと? (……パサッ!……SOPⅡは飛びかかり、ROに抱き着いた!) RO635: ちょっと急にどうしたの!苦しいって!これは一体どういうことなの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うわあぁぁぁ!よかったよ!やっと会えた! RO635: そ……そう…… わたしは……どうしたの?あ!たしかM4を起こしてる途中で、それで―― M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: それで!それでエゴールに撃たれたんだよ! RO635: ――――?!わたし……撃たれたの……? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん…… メンタルモジュールのコアしか持ち出せなかったから、今はセカンダリレベルでROを起こそうとしてるの…… RO635: 起こすって…… 待って、メンタルを整理しないと…… こんなメチャクチャになって……なにがどうなっているの…… それと……M4は……? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: M4なら大丈夫、きっと……大丈夫だから…… それよりも、ROは早く起きないと大変なことになる!時間がないから、急ごう! RO635: 待って!これはダメ――! (……SOPⅡがEOの腕を掴み、一気に立ち上がったその時!……ヴォーン――!警告!未認証対象の侵入を確認しました―― 識別信号、鉄血。駆逐を開始します――) RO635: SOPⅡ!危ない!わたしについてきて! (……ROはSOPⅡを引っ張って電子空間の中で走り出した。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あ、あれはなに? RO635: あれはわたしのメンタルモデルにインストールされてる防御プログラム!SOPⅡの操作が雑だから作動させてしまったのよ!あとその鉄血の腕とか足とかも問題! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ちょっと、これのおかげで生き残れたんだよ!今はどうするの?どうやったらROを連れ出せるの? RO635: わたしの素体は? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 頭が壊されたからそのまま置いてきた。ていうかそのことを思い出させないで、今すぐ仲間を連れてエゴールを殺しに行きたくなるから。 RO635: はいはい、仲間がいるなら、そこで素体を借りて…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 余ってる素体はもうないよ。そもそも人手が足りてないから、仲間を生贄にしてROを起こすわけにはいかないよ。 RO635: まるでなんか邪悪な儀式をしてるように言わないでよ…… それじゃ、今は何があるの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 予備の電源と、機能モジュールになるプラットフォームがあるけど、コアを載せるスペースがないんだよ。 RO635: 載せれない?そんなに小さいプラットフォームなの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ていうかROのコアが大きすぎるんだよ。普段どこにつけてるの?まぁでも、とりあえずわたしの体に載せておいたから。 RO635: SOPⅡの……体に? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: どうせ暫くケーキ食べれないしダンスもできないから、修復した時に色んなモジュールとパーツを捨ててきたの。それで結構スペースが余ったのよ。でも、システム内でどうやってROのコアとわたしの体の基盤を繋げばいいのか分からなくて…… RO635: 方法はあるけど、SOPⅡのメンタルに大きな負担がかかるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 大丈夫、「使わない頭は頭じゃない」ってM16が言ってたよ。 RO635: まぁ……分かった。でもまずはここから離れないと。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 止めることはできないの? RO635: システムはすでにわたしが死んだと認識してるから、メンタルの制御権を取ったの。もう一度権限の認証を行わないと。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: なによそれ……面倒くさいな…… RO635: AR小隊の人形はみんな違うところあるんでしょ!わたしは電子戦のためにペルシカさんに開発されたの。それに、わたしが気を失ってる間に、鉄血パーツまみれのグリフィン人形がメンタルに入ってくるなんて誰も予想しないわよ…… 行こう、さきに認証をロックしてるファイヤーウォールを破らないといけない。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん!いこういこう! RO635: 待って!騒いだらまた防衛プログラムが――!ああもう!なんでそんなに楽しそうなのよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: だって……だってまたROに会えたから!それにもうすぐ、また現実で会えるから! (……RO635は少し笑った。) RO635: はぁ……こんなに騒いで……どうせ後でまた面倒くさい仕事も待ってるんでしょうし、もう少し寝るべきだったかもね…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: へへ、でもどうせ起きたんだから、早く行こうよ! 2段落 > 場所:黒背景 (…… …………接続完了。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… RO635: …… (……パッ!……,……パッ!……パッ!パッ!……ガチャッ!……SOPⅡは目を開いた!) 場所:作戦室 Cx4ストーム: SOPⅡ!SOPⅡ!!軍の人形に発見された!早く起きて! (……しかしSOPⅡは元の位置にいるまま、全然動かない。) M4 SOPMOD Ⅱ?_負傷: わたし……? Cx4ストーム: SOPⅡ……?大丈夫? M4 SOPMOD Ⅱ?_負傷: SOPⅡ…… SOPⅡ……SOPⅡは……どこ…… Cx4ストーム: SOPⅡ?まさか……私がメンタルモデルを壊しちゃったんじゃないよね……?本当にごめん!最後焦って一回多く叩いてしまったの!これってもしかして何かの手はず通りにやらないといけない呪文なの?一回多く叩いちゃったからって、何か大変なことになったりしないよね?! M4 SOPMOD Ⅱ?_負傷: SOPⅡ……SOPⅡはどこなの…… って、ちょっと待って…… ここはどこなの……? Cx4ストーム: SOPⅡ…… 口が……動いていない?なにで……喋っているの?それと……あなたは誰ですか? M4 SOPMOD Ⅱ?_負傷: わたし? RO635?: わたしは……RO635ですけど、あなたは…… (Cx4は声を辿って視線を下げた。) Cx4ストーム: キャッ!あ……あなたが喋ってるの!? RO635_ダイナーゲート: わたし?いやそもそもわたしはどこにいるの?なんで……こんなに……低い、の?待って、この手は……じゃなくて!この足は――! 場所:黒背景 (……) 言いたいこと > 1段落 > 場所:作戦室 RO635_ダイナーゲート: いやああああああ――!なんでダイナーゲートなのよおおおぉぉぉ!! [注:草。] M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: んー……うるさいな…… ってあれ?わたし起きてる? (……) RO635_ダイナーゲート: SOPⅡ!これは一体どういうことなの! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: えっと……他に使えるプラットフォームがなかったから…… ちょうどスケアクロウがいらないみたいだから、ついでに一緒にもってきたの。(本当は無理やり持ってきたのだけど) とにかく、今はこれで我慢して? RO635_ダイナーゲート: 嘘よ!こ、こんなの人形が使うプラットフォームじゃないでしょ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 大丈夫よ、ダイナーゲートの構造はシンプルだから、鉄血の基盤を全部外したの。今はわたしをホストにしてシステムに繋いで動いているよ。それと、そのダイナーゲートで喋っているけど、メンタルモデルはわたしの基盤に繋がってるからね。あまりたくさん演算すると、逆にわたしの方が思考できなくなっちゃう…… RO635_ダイナーゲート: そんなの知らないわよ!何なのよこれ、バカみたい!こんなのになるんだったらあのままほっといてくれればよかった! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 鉄血の製品だから安物なんだよ、少しは我慢して? RO635_ダイナーゲート: いっそ死んだ方がマシ…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 人間も小さいやつから少しずつ成長するのだから、そのシミュレーションってことでいいんじゃない? RO635_ダイナーゲート: あああああああもう、こんなのマカロフに見られたら恥ずかしくて死ぬ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: それも会ってからの話でしょ? Cx4ストーム: あの……すみません、もう時間がないですので―― M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あ、ごめんごめん、Cx4。えっと……なんの話だった? Cx4ストーム: さっき大きな爆発音を聞こえて、偵察しに行こうと思ったんだけど、それで軍の偵察機に発見されて…… いま軍がこっちに向かってます。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 爆発?とりあえず、通信を試してみよう。 (……五分後。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO、指揮官に連絡できた? RO635_ダイナーゲート: 一応、メガホンも回収したことには感謝しておくわ………… [注:そのメガホンそういう機能の奴なんだ……] さっきブースト通信モードで信号を出したけど、まだ反応がない。指揮官が返事できない状況にいるか、或いはこっちの信号が届いていない可能もあるけど…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 軍に包囲されちゃったし、もう逃げられないよ。こうなったらここを守り切るしかないね。あとは、指揮官のことを信じて。 RO635_ダイナーゲート: 指揮官がこっちの信号を受け取ってない可能性もあるけど。こんな戦場だから、わたしもどうしようもない。それで、みんなにどう伝える?指揮官の増援がもうすぐ来るって嘘を吐いたら、みんなもっとやる気が出るかもしれないけど。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 分からないよ、ROの方が頭いいんだから、どうすればいいのか教えて…… RO635_ダイナーゲート: ごめん、この体で演算するのは大変だから、少し休まないと。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 待ってよ!Cx4がもうすぐ来るよ!RO手伝って! RO635_ダイナーゲート: あー……もう負けてもどうでもよくなった感じ…… こんな体だし、死んだ方がマシかも…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO!今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!けど……勝手に起こして、こうなってしまったのは確かにわたしのせいで…… RO635_ダイナーゲート: そういう意味じゃない……「ここで一緒に死ぬ」っていう結果なら、まぁいいかなという…… ただ戦術人形としての使命を果たせないまま終わるのは……若干悔しいけど…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: もうわたしたちが負けたみたいな感じに言わないでよ! (……そしてドアが開かれた。) Cx4ストーム: SOPⅡ!軍がもうすぐ攻撃を仕掛けてくるよ!指揮官と連絡できた? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… Cx4ストーム: SOPⅡ? (……SOPⅡはCx4を連れて外に出た。) 場所:街_破壊_高架道路 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: みんなおはよう!わたしはM4SOPMODⅡ!グリフィンの戦術人形でAR小隊に所属しているあなたたちの仲間。そして、今から一つ大事なことをみんなに伝えたいの――! (……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしたちは……ここでお終いなのかもしれない。 Cx4ストーム: ……! RO635_ダイナーゲート: …… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: さっき……わたしたちは救難信号を出したけど、指揮官に届いてるかどうかは分からないの…… 運がよければ、指揮官が救難信号を受け取って、増援を出してくれるかもしれない。でももし……少しでも運が悪かったら、指揮官が信号を受け取ってなかったら、或いは兵力が足りないとか、距離が遠いとか、指揮官自身に何かあったとか…… とにかく……わたしたちは……今日ここで死ぬかもしれない…… Cx4ストーム: SOPⅡ…… (……SOPⅡの声が段々と震え始め、泣きそうになる。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ごめんなさい……わたしがバカで……嘘つけない人形で……隊長にもふさわしくなくて…… みんなに、もうすぐ指揮官が来るって言ったかった…… でも怖いの……万が一のことが怖いの……万が一みんながそんな希望に縋って、倒れて、そしてわたしに生きて……生きて指揮官が来るまで待てって…… そうなるのが嫌……わたしだけ本当のことを知って、一人で待つのが嫌…… もう一度、仲間を失うのが嫌なの……! (……Cx4はSOPⅡを見た。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 分かってるんだ……わたしじゃ隊長なんかになれない…… わたしは、自分のことしか考えられないんだって!どうやったらみんなを守れるか分からないし、みんなが生き残れることも保証できない…… 無責任なことも言えない…… わたしはただ……ただみんなと友達になって、わたしの小隊がバラバラになってる時に、居場所が欲しかっただけ…… (……ROはため息を吐いた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしって変だし、みんなを喜ばせることもできないし、もうこうするしかなかった…… でも隊長の責任なんて取れないし……わたしに……そんな資格がないから…… だからもう……全部話して……それで……どうすればいいのか分からなくて…… ごめんなさい……わたし…… Cx4ストーム: SOPⅡ…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… Cx4ストーム: SOPⅡは、捨てられるのが怖いから、嘘を吐いたんでしょ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん……だからわたしなんか…… Cx4ストーム: ここにいる人形たちも、みんな捨てられるのが怖いんですよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… Cx4ストーム: 私たちはSOPⅡと同じ、怖くて怖くて仕方がないの。でも今さら、希望があってもなくても、怖くて仕方がなくても、もう逃げられないよ。その考えを恥ずかしく思わないで。仲間っていうのは、今この時のためにいるんでしょ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: Cx4…… 場所:黒背景 Cx4ストーム: SOPⅡ…… もうこの際だから、言いたいことを全部言っちゃいなよ。 場所:街_破壊_高架道路 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… みんな…… みんなとは……まだ一日の付き合いしかないけど…… わたし、みんなと仲間になりたい!一緒に現実と向き合って、一緒に戦って、一緒に死のう! Cx4ストーム: そうです!もう私たちに任務も目標もない!だから今の私たちにやれることは、生き残ることだけです! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: もう自分たちを頼るしかない!生きても死んでも、最後また戦おう! (……グリフィンの人形たちの中から大きな声が上がった!……) RO635_ダイナーゲート: まったく……結局、希望のない戦いをするのね。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ROにも手伝ってほしかったよ。 RO635_ダイナーゲート: わたしじゃそんな感じに泣けないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: でも泣いてるくせに…… RO635_ダイナーゲート: ど、どうしてわかったの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ROの心の声は全部聞こえるよ。 RO635_ダイナーゲート: ちっ…… もう他に……どうしようもないわよね? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: こんな状況、ついさっきもあったような気がするな。 RO635_ダイナーゲート: そうね……でも、少なくとも今回は誰かに裏切られたりしないでしょ。今回こそ、敵と向かい合って死んでいける。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そうね。思いっきり楽しめるね。 場所:戦場_セピア カルカノM1891: 戦場だから、ですよ。AR小隊にしろ、ワタシとシノにしろ、そして他の人形たちにしたって、みんな互いのメンタルの中でしか生きられません。もしワタシたちがお互いのことすら、覚えられなかったら、誰がワタシたちを覚えていてくれるのでしょう?SOPⅡ、余裕はまだどれくらい残ってますか?いっそのこと全部出し切って、この戦いを楽しみましょうよ! カルカノM91/38: そして、この死を楽しみましょう。 場所:街_破壊_高架道路 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: やっと、カノたちの言ってたことが分かった気がする…… Cx4ストーム: SOPⅡ、軍が来るよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うん…… Cx4…… 一緒に死ぬ準備はできた? Cx4ストーム: ふふ…… 怖いなら命令をしてもいいよ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 命令じゃないよ。……ただのお誘い。 Cx4ストーム: それなら光栄です!さぁ、行きましょう! 2段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……戦闘はますます激しくなった。) RO635_ダイナーゲート: ……SOPⅡ!SOPⅡ……!! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うっ…… RO635_ダイナーゲート: 起きて!邪魔! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ごめん、RO……今は……動けな…… RO635_ダイナーゲート: 諦めるないで! [注:誤字が……] さっきあのイェーガーの頭を潰した時の勢いを出して!ついさっきも―― M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うるさいな! (……SOPⅡは一気に体を起こした。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ROがずっとギャーギャー言って、わたしのメンタルを使うから、立ち上がれないんだよ! RO635_ダイナーゲート: そっちこそ、軍の勢いがちょっと収まったからといって、死んだふりしてサボろうとしてるじゃない! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: わたしは休める時に休んでるだけ。それに、軍のあれは勢いを収めたとかじゃないんだよ…… Cx4ストーム: SOPⅡ、伏せて! (……ドーン!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 軍の戦車!こんなに早いなんて! RO635_ダイナーゲート: わたしたちだけじゃあれに勝てない…… それに…… 指揮官の増援があっても……あれを倒せない! Cx4ストーム: …… もう……ここまでなの? RO635_ダイナーゲート: 最後の最後よ、SOPⅡ。もう暴れまわったりしないの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ダメよ……いくらわたしでも、あれに敵わないって知ってるよ。それに、もうそんなに死ぬのが怖くないわけじゃなくなったみたい…… Cx4ストーム: えっと……ごめん、SOPⅡ、きっと私たちのせいでしょ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そんなのお互い様だよ。本当に同じ泥船に乗った感じだね。 RO635_ダイナーゲート: みんな集まってきたね。最後ぐらい、せめて弾薬を全部使い切りましょうか。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 弾薬?そんなものとっくに―― (……ドーン――!!……ドーン――!ドーン――!!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… (……突然、数発のロケット弾が軍の戦車を破壊した。) RO635_ダイナーゲート: そんなもの隠してたの? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 違うよ、わたしじゃないよ、あれは…… (……ピッ。) 指揮官: …… (……指揮官?指揮官だ――!!!…… ……ドーン――!!ドーン――!!!……グリフィンの人形たちの歓声の中、続けて発射されたロケット弾は軍の人形と戦車を全て火の海の中に沈めた。) RO635_ダイナーゲート: どうやら……まだ運が尽きてないようですね。そうと分かったら、もう少し涙を我慢すればよかった…… まぁ……どっちでもいいか…… 合流ポイント > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO…… RO635_ダイナーゲート: 黙ってて…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: RO、話を聞いて―― RO635_ダイナーゲート: 黙ってちゃんと歩いて! (……ドカッ!……SOPⅡは危うく躓きそうになった。) Cx4ストーム: SOPⅡ、大丈夫ですか? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: うっ……大丈夫大丈夫!もう、ROが騒ぐとわたしは体を動かせなくなるよ。 RO635_ダイナーゲート: しょうがないじゃない?わたしの電子戦モジュールの方がいいものを使ってるんだし、体を動かしてるのもわたしじゃないし! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ごめんっては、別にわざと指揮官に言ったんじゃないよ――プッ。 RO635_ダイナーゲート: 絶対わざとでしょ!その顔を見て、ちゃんと自分のその顔を見て!わたしがこうなったことを指揮官に言わないでって言ったよね!もういっそ死んだことにして! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: でも指揮官に言った方が安心できるでしょ?少し我慢してよ。 RO635_ダイナーゲート: やっぱ自殺するわ…… [注:人形って自殺できるのかな] Cx4ストーム: まぁまぁ、本部に戻れば、ROさんも元に戻れるはずですよ。 RO635_ダイナーゲート: それまでどれぐらいかかるんだか…… Cx4、指揮官がくれたセーフポイントの位置まであとどれぐらい? Cx4ストーム: すぐそこだよ、ほら―― RO635_ダイナーゲート: SOPⅡ、顔をあげて、じゃないと見えないから。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: はいはい―― RO635_ダイナーゲート: 臨時の陣地みたいね。グリフィンが建てたものではなさそう。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: もう、拠点があるだけマシでしょ? Cx4ストーム: そうですね、これで一息つけるし、みんなとも会えるよ! RO635_ダイナーゲート: ……しかし、わたしたちを助けている者がいるのも確かよね?さっきのあの重火力支援も、明らかに民間軍事会社が持っていい物じゃないし。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: そんなことまで知ってるの、RO? RO635_ダイナーゲート: 昔はそういう取り締まりの仕事もしていたからね、当然知ってるわ。第三次世界大戦後、民間の組織は特別な許可なしに、軍用兵器を所有することができない。 [注:ここで言う「軍用兵器」というのは「軍が現役で使っている兵器」という意味?] Cx4ストーム: うん、私も知ってるよ。だから私たちはこんな50年前の武器しか使えないでしょ? [注:他のPMCや鉄血(暴走前)はどうだったのだろうか。プラズマ兵器とか使っていたのだろうか。] M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 50年以上前の武器を使う人形もいるんだよ、ふっふん…… RO635_ダイナーゲート: 【スティグマ】の補正があるから、あんまり見くびらないことね。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: でもさ、さっきの重火力武器を使ったってことは、もうわたしたちは普通のPMCじゃないってことだよね? RO635_ダイナーゲート: 軍と衝突が起きた時点で、何かあったってことでしょ。今頃本部はどうなっているのかしら…… Cx4ストーム: あれ?ROさんはまだ知らないのですか?あ……そうか…… RO635_ダイナーゲート: どういうこと? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あー!RO、ついたよ!見て!セーフポイントだよ!わたしたち安全だよ! RO635_ダイナーゲート: 本部に何があったの?!SOPⅡ、教えて!じゃないとセーフポイントに入らせないわよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あああ!右足が!言うことを聞かない――! ??: うるさいわね。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……?! (……その声の方へ向くと、一人の人形がそこで待っていた。) RO635_ダイナーゲート: あ……あなたは…… 416: こんな時にグズグズするなんて。早く合流しなさいって言ったでしょ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: この人形……どこかで会ったことある気がする? 416: あんたが会ったことある人形なんていくらでもいるわよ。とにかく、早く来なさい。敵がもうすぐ攻撃を始めるわ。その前に、みんなで協力してここから離脱しないと。 Cx4ストーム: 敵?軍がここまで攻めてきているのですか? 416: 新しい敵よ。 Cx4ストーム: 新しい敵?軍でも、鉄血でもなくて?一体なんなの? 416: 分からないわ。分かっているのは、あれは私たちを皆殺しにしようとしていることだけ。しかも、軍に劣らない力を持っているわね。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ここを突破しないと、指揮官と会えないの? 416: 暫く指揮官とは会えないわね。今グリフィンはこいつらに邪魔されて、うまく撤退できない。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: じゃあはやくやっつけよう!敵が何でも、絶対みんなを傷つけさせるわけにはいかないよ! 416: (SOPⅡ……なんか変わった?) こっちには指揮官と重装部隊がいるわ、この程度の敵なら十分倒しきれる。さっさとこいつらをやっつけて、次の拠点を救援しに行くわよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 分かった!任せてよ!RO、Cx4、指揮官の前だから、一緒に頑張ろう! 異路同帰 > 未知の敵 > 1段落 > 場所:黒背景 (……ダーティーボム爆発より一時間後、グリフィン臨時拠点にて。 [注:14時頃]) 場所:作戦室 トンプソン_通信: ……というわけだ。今は身動き取れないよ、カリーナの旦那。 カリーナ: ダメです!絶対に帰ってきてください!きっと何か方法はあるはずです!私たちは―― トンプソン_通信: 正直もうもたない。「あいつら」は完全に、バケモノだ。 カリーナ: なんの情報もないなんて……「あいつら」は一体なんなの? トンプソン_通信: 残念だったな、カリーナの旦那。こんなに戦っても、「あいつら」の素性は全く分からない。ただいきなり戦場に現れて、私らを皆殺しにしようとしている。 カリーナ: ……どうして……わけが分からないよ。一体どこから来て、なんで私たちを攻撃するの…… しかも……よりによってこんな時に…… 場所:黒背景 カリーナ: あと少しで……みんなを連れてここから脱出できるのに…… トンプソン_通信: 今基地の状況はどうなっている? カリーナ: 第十三、十五、二十七予備路線が破壊されました…… 外周エリアはあなたたち以外に、もう二つしか防御拠点が残っていません。他のグリフィン部隊はすでに戦闘区域から撤退して、ヘリアンさんも私たちに補給を届けることができません。 トンプソン_通信: はっ、どうやら本当にここでお終いのようだな。 カリーナ: こちらで何とかしますから、絶対に持ちこたえてください! トンプソン_通信: 冗談だよ、当然最後までやるさ。しかし、私の小隊にも弾薬が必要だ。大口径のやつも小口径のやつも。それにさっき言ってた―― カリーナ: 何とかして支援部隊に送らせます! トンプソン_通信: そんなの危険すぎる。あいつらは動く目標に対して無差別で攻撃を仕掛けてる。 カリーナ: 指揮官さまがなんとか安全な路線を確保しますから、それまでの間になんとか持ちこたえてください!それでも……物資はそんなに多くないかもしれません。ごめんなさい、基地にもそんなに残ってなくて…… トンプソン_通信: 少しだけあればいいんだよ。確実に全部の弾を敵の頭にぶち込んでやるぜ。 カリーナ: ではお願いします…… 私たちの支援が届くまで、なんとか生き延びてください! (……新しい通信が入った。) 9A91_通信: カリーナさん、状況報告です。さきほどの交戦にて、未確認の敵の分隊を三つ殲滅しました。防御拠点は暫く安全ですが、こちらの損傷は中程度。戦線補強のために、ダミー人形を10名こちらに増援してください。 カリーナ: 9A91……こちらにはもう……ダミー人形が残っていません。 9A91_通信: ……では人形二名の撤退を申請します。本体に大きな損傷を受けていますので、もし修復しなければ…… カリーナ: 分かりました、撤退を許可します。すぐに戻らせてください。 9A91_通信: 感謝します。命令を実行します。 カリーナ: パイソンの防衛部隊の状況はそちらで確認できますか?さっきから連絡がつきません。 9A91_通信: 分かりません、敵に分断されましたので。信号も未だに不安定のままですし、傘ウィルスの感染を防ぐためにも、一部のツェナープロトコルを封鎖しました。距離が離れている人形と同期することはできません。ですが、目測によると、防衛線の状況は安定しています。暫くはまだ大丈夫かと。 カリーナ: 分かりました。引き続き拠点の防衛をお願いします!なんとか支援を送り込みますので! 9A91_通信: みんなのためです、一歩も退きませんよ。 (……通信終了。) カリーナ: しかし……一体どうやって支援を送れば…… 今の状況は最悪……こんなんで本当に生きて帰れるのかな…… 後方幕僚なら安全って言ってたのに……これじゃ昔と全然変わってませんよ…… (……カリーナは日記帳を開いた。) カリーナ: もし、今日戦死したら…… 来世は…… トラ猫になりたい…… オフィスの隣の草むらに隠れて、たまに他の野良猫を連れて餌を貰いに来て、何の仕事もする必要がなくて…… 毎日にゃーにゃーしていれば―― あれ?指揮官さまからの通信です! 指揮官:   [注:空白] (……) カリーナ: ははは……ちょっとだけ……ちょっとだけですよ…… とにかく、アンジェさんからの情報は間違っていません。ここの敵はそんなに多くないですし、指揮官さまが手配した防衛部隊にも補給を贈っています。後は輸送機の到着まで持ちこたえれば…… え?新しい任務ですか?あの……噂の「存在しない」小隊?はい……はい、分かりました……任務であれば…… はい、識別信号を受け取りました。後で指揮システムに同期して、こちらの人形に攻撃されないように―― ??: それで、私たちの出迎え担当はこいつなの? カリーナ: え――?!!だ、誰ですか――! 416: あなたがカリーナ……さん、ここの後方幕僚、ですよね? カリーナ: はい私です…… ついでに今は他の色んな事も掛け持ちしていて……人手が足りないので、ははは…… 416: それじゃ、助けてください。 カリーナ: えっと?助ける?もちろん、私の仕事は人形を助けることですので大丈夫ですけど……ああ待ってください―― データにない人形ですけど……あなたは―― 416: …… カリーナ: あ!416ですね!思い出しました!低体温症作戦の時の! [注:帰郷行動Ⅳの3段落でトンプソンとWA2000が404の救援に来ている] 416: Guten Tag. [注:指揮官やカリーナが404を知ったのはその時が最初か?] どうやら人間の記憶を消せないのは大きな問題になりそうね。 カリーナ: え……ま、まだそんなことしようとしているのですか! 416: 物理的な手段は試してみる価値があるわね。ただ誰もそんな命令してないから。 カリーナ: それはよかったです、はは…… 416: それで、まだ撤退し始めてないの? カリーナ: 輸送機の到着を待っています、いつ来るか分かりませんけど…… 416: なら私たちのことも指揮官から聞いた? カリーナ: あ、はい、さっき指揮官に言われて、識別信号を…… いやちょっと待ってください!私はまだ識別信号を入力していないのですよ!どうやって入ってきたのですか!外には六重の防衛線が―― 416: だから?それでお祝いに来たわけ? カリーナ: だ、だから…… だから「存在しない」小隊なのですね…… 他の人形たちが怖がる理由がよく分かりました…… 416: で、あんたも私たちが怖いの……? カリーナ: あははは……もちろんしませんよ!あんなのただの噂ですし、はは…… [注:「しませんよ」とは何を?] 416: どんな噂を聞いてたのかは知らないけど、今日の私たちはただ助けを求めに来たグリフィン人形です。 カリーナ: ええ、確かにあなたはグリフィンのエリート人形に見えますし、他のことは私のような後方幕僚じゃ知ることはできないし、知る必要もないでしょう。ですが指揮官さまが命令した以上、必ず助けてあげます。そういえば、指揮官さまに言われたのは「404小隊はあなたの助けが必要」とのことですが、小隊の他の人形たちは? Gr G11: ハァ……ハァ……ハァ……41……6…… はやいよ、おいてかないで…… 416: 遅いわよ、G11。四つん這いに這ってきたの?9と45は? Gr G11: 9は、45を、臨時修復ポイントに運んだよ……ハァ……今デールが、リモートで検査してるとこ…… いくら45が心配でも、そんなに速く走るひつよ――あいたたたた…… 416: そのおバカな口が何を言ってるのかちゃんと分かってるのかしら? カリーナ: こちらが隊員なのですか? 416: 一応ね。G11、私たちのスナイ―― カリーナ: か……かわいいです!こんなにかわいい人形さんが、「存在しない」小隊のメンバーなのですか!? Gr G11: うう……なんか褒められてないような気が…… なんであたしだけいつも変な人間に…… 416: よくそんなこと言えるわね……こいつはここの後方幕僚よ。その気になれば、今すぐあんたのスティグマを解体して、あの街に戻らせることができるわよ。 Gr G11: えぇ!ほ、本当に!?そそそそんな!かかか解体だけはしないでください! カリーナ: そんなことしませんよ。それに解体は指揮官の権限でしか行えません。 Gr G11: ふぅ……そうだったのか…… 416: バカみたいに驚いたりして、のんきなものね。さぁ、修復ポイントに行くわよ、はやく。 Gr G11: 分かった、分かったから蹴らないで! 416: カリーナさん、あなたも一緒に来てください。私たちだけでは物資を調達する権限がありません。 カリーナ: 私が……?小隊のメンバーを助けるのですか? 416: お願いします、必ず助けてください。 カリーナ: …… 場所:野外拠点_雪 (……カリーナは416と一緒に臨時修復ポイントに来た。) 416: この並んでるの、全部修復待ちの人形ですか? カリーナ: はい……先ほどの戦いはとても大変で。しかも今グリフィンのメインサーバーとの接続が切れていて、メンタルをアップロードすることができません。なので、せめてみんなを動ける程度に修復して、輸送機の到着まで持ちこたえればと。 416: いま、グリフィンのメンタルアップロード機能が止まったって? カリーナ: はい……軍がこちらを攻撃し始めてから、サーバーの状況が非常に不安定になっていて。そしてさっきの大爆発の後、すべての接続が切れてしまいました! [注:M4……と言いたいところだけど、命令はアンジェが下してるし、それも軍がエリザを確保しちゃったからだしな……] 本部との連絡もつかないし、ヘリアンさんとも連絡が取れません…… 他の部隊は昨日撤退しましたので、今残っているのは指揮官さまだけで…… 416: 大爆発……コーラップス液のダーティーボムね…… カリーナ: ダーティーボム? 416: いえ……何でもありません。修復施設の状況はどうなっていますか? [注:カリーナもコーラップス放射には気づいているが、その原因が爆弾だとは気づいていない] カリーナ: あまりよくありません…… 修復に使えるパーツもそんなに残ってないですし、修復できない場合はみんなのメンタルデータを安全なデータブロックに保存するしかありません。 [注:【データブロック】] それでも全員のバックアップを取れるわけでもなく、そもそもデータブロックの数にも限りが…… [注:PLCなどのメモリエリアに対して、複数の数値や文字列を一度に書き込み/読み出しできる機能をいう。] 416: もしダメなら、それでメンタルのバックアップだけでも…… [注:データブロックを使用すると、装置の段取り替えなどが容易に行える。] カリーナ: その方法だと―― [注:数値や文字列データはあらかじめCSVファイルで作成しておき、NS本体に格納しておく。] ……キャッ! [注:NS本体運転中にも数値や文字列データを変更することが可能。] (……修復室から突然人形が飛び出してきた。 [注:(Weblio辞書より)]) カリーナ: あっ、ごめんなさい、ぶつかりませんでした? AK74U: ぶつかってたら、謝るのはこっちだよ。カリン、AK47の後方支援部隊がどこに行ったのか知ってる? カリーナ: あ、それならさっき9A91のところに撤退させたい負傷者がいたから、そこへ行かせました。 AK74U: じゃあアタシも手伝いに行く。 カリーナ: あ、待ってください、まだ修復したばかりで―― (AK74Uは背を向けて去っていった。) カリーナ: あーあ……行ってしまいました…… あ、ごめんなさい、416さん、さっきどこまで話しましたっけ? 416: あの人形、あなたに対して遠慮なしなのね。 カリーナ: もう慣れてますよ、みんなそれぞれ個性豊かで。 416: それでいいの? カリーナ: まぁ……前線に行くのは私ではありませんし。 UMP9: あっ!G11!それに416!どこ行ってたの! Gr G11: 416はここの後方幕僚を見つけたけど、あたしはついていくのが精一杯で…… カリーナ: 私のことはカリンでいいですよ。負傷したのはこちらの人形ですか? UMP9: はい、UMP45はわたしたちの隊長で、わたしたちを庇って爆発の衝撃を受けて…… [注:この爆発はコーラップス爆弾ではなく自前のTNT。] カリーナ: うーん……ダメージがひどいですね……少し見せてもらっていいですか? UMP9: は、はい! カリーナ: まずいですね……メインフレームの半分が損傷していて、右腕は完全に切断されています…… 他の部分にも破片がたくさん…… 電力供給も検知できません、エネルギー供給システムはメイン、サブの両方にダメージを受けているのですか? UMP9: はい……残っているのはメンタルの予備電源だけで……とりあえず、大半の機能を全部シャットダウンしました。 カリーナ: そうですか……いい判断ですが、やはり損傷がひどすぎます。このまま修復するわけにはいかない、特にエネルギー供給システムが損傷した状態で。 416: メンタルのバックアップを取ることはできますか?せめてデータの転送だけでも…… UMP9: ……バックアップ? 416: カリーナさんのところにメンタルをバックアップできるデータブロックがあるわ。45のメンタルを一旦そこに移して、そして別の素体を探して…… UMP45_負傷: うっ……待って…… UMP9: 45姉!スリープモードから出ないでって言ったじゃん!万が一電源が尽きたら…… UMP45_負傷: ダメよ……そんなのダメ。 カリーナ: あの……UMP45さん、ここであなたの損傷を修復するのは無理です。それにあなたのパーツも……グリフィンで使ってる汎用パーツではありません。今はメンタルのバックアップを取るのが一番いい選択だと思います。 UMP45_負傷: バックアップって…… この素体を捨てるってことですよね…… 416: そうでなきゃ助からないわよ。別にデータブロックもあんたに分けれるほど余ってるわけじゃないし、ここにも怪我をしている人形がたくさんいるのよ。 UMP45_負傷: ダメよ…… 今は……バックアップしちゃいけない…… UMP9: え?なんでなの、45姉!こんな時になってまだ…… UMP45_負傷: 「あのデータ」はメンタルに保存されてないの……メンタルだけをバックアップしたら…… 416: 45、あんた死ぬ気?あんたの命は、私たち全員よりも大事なんでしょ! UMP45_負傷: へへ……私たちって……大事なの?少なくとも……この体は、私の命よりも大事ね…… UMP9: 45姉、本当に……いいの? (……UMP45は力を絞って頭を横に振った。) 416: じゃあその大事なデータを9にバックアップしてもらえれば?同じ型番の人形なら、それができるはずでしょ? UMP9: いや……わたしは…… 416: 9、あんたはもう戦わなくていいから、余ってるスペースを全部―― UMP9: わたしと45姉は……同じ型番じゃないから…… [注:パッと見で別物と分かりそうなものだけど、同じ型番でも外見には差があるという事だろうか?] 416: なんですって……? [注:例えばMPLとMPKは、同じ型番?] あんたたち……まだどれだけの秘密が…… (……416はため息を吐いた。) 416: まぁいいわ……どうせ隊長は変わるでしょうし。 UMP45_負傷: それを……ずっと望んでいたんでしょ…… 416: 私の望みはこの手であんたを殺すことよ。ここでゴミみたいに野垂れ死ぬところを見るのではなく。 UMP45_負傷: はは……なら安心して待ってなさい…… (……UMP45はカリーナの方を見た。) UMP45_負傷: カリンさん……無理なお願いなのは分かっているけど、この素体を残したいの。だから、なんとかしてください……お願いします…… カリーナ: わ、分かりました。まずはエネルギー供給システムを直してみますね…… 安心してください!指揮官さまに全力で助けてって言われましたので、絶対なんとかして見せます! UMP45_負傷: ありがとう……それと指揮官にも……私―― (……突然、修復室の外から騒がしい声が伝わってきた。) ??: どいてどいて! カリーナ: ま、また何なのですか? AK74U: どいてどいて!怪我人は修復室へ! (……数名の人形が部屋に運ばれてきた。) カリーナ: 74U?何があったのですか? AK74U: カリン!探していたよ!9A91のところで負傷者の撤退を手伝ってた時に突然襲われたんだ!損失は大きい!敵が突然現れて、防衛線の中枢を攻撃した!しかも見た目からして、鉄血でも軍でもないんだ! カリーナ: 軍の部隊じゃない?つまりは……あの正体不明の敵……もう攻め込んできたのですか!……指揮官さま!聞こえますか?私たちの拠点は今、突然の襲撃を受けています! AK74U: そうだよ、敵はアタシらのセーフポイントを目標に攻撃を仕掛けている!数は多くないが、外の防衛部隊と連絡は断たれている! カリーナ: 指揮官さま、各部隊の状況を確認できますか?指示をしてください!はい……はい…… 分かりました!こちらからも合わせていきます! AK74U: ボスはなんて? カリーナ: 新しい部隊が支援に来ると指揮官さまが言っていました!しかし、到着まで時間が必要です。今から遊撃小隊を編成して、外にいる防衛部隊と協力して時間を稼ぎます!でも、人手が……誰か、動ける人形はいませんか! AK74U: アタシならいけるよ。他に動けるものは? (……何人かの人形が立ち上がった。) AK74U: よし、あんたら全員アタシについてこい。 カリーナ: これだけですか……やっぱり人数が…… 416: カリーナさん。この遊撃小隊にまだ空きがありますか? UMP9: ……416? カリーナ: え?あなた……いいのですか? 416: もしここが落とされたら、私たちも撤退できません。 カリーナ: ではお願いします!今から識別信号をシステムに同期しますので! 416: ありがとう。指揮官との直接通信も繋いでくれないかしら。もっと戦場の情報が欲しいの。 カリーナ: えっと……?はい、分かりました!暗号化チャンネルを作っておきますね!それと識別信号も同期完了です! AK74U: ボスと直接通信できるとは、普通の人形じゃ受けれない待遇ね。あんた、何者だ? 416: 一時復帰した、ただのグリフィン人形よ。あんたはAK74Uね?私の参加に意見がないといいけど。 AK74U: 意見なんてあるわけないでしょ?今は一人でも多く、人手が欲しいのさ。あんまり早死にするなよ、弔ってあげる時間はないでしょうからね。 Gr G11: あたしも……手伝った方がいい? 416: これからあっちこっち走り回るから、あんたの足じゃついて来れないでしょ。おとなしくここに残りなさい。 Gr G11: うぅ…… 416: 9、あんたとG11が最終防衛線よ。カリーナさんを守って。彼女ならきっと45を直してくれるはず。残りは、私がなんとかするから。 UMP9: ええ…… でも416…… ちゃんと……戻ってくるよね? 416: …… 言ったはずよ、こいつをこの手で殺すまで、私は絶対に死なない。でしょ、45? UMP45_負傷: ……好きにして。 場所:戦術マップ (……) 416_通信: 指揮官、こちら戦術人形416です。余計なことを話す時間はありません、私のいるところは知っているはずです。 [注:多分ここで指揮官と404は初対面] すでにグリフィンのデータベースと同期しましたので、現在掴んでいる情報を一度整理して報告します。グリフィンは撤退行動の途中、正体不明の敵から攻撃を受けました。敵の素性は未だに掴んでいませんが、外見と火力から判断して、鉄血や軍の部隊である可能性は低いです。そして装備から見ても、彼らの技術水準は鉄血や今回の軍の部隊よりも高い。しかも現状遭遇しているのはほとんど弱小ユニットであると思われるため、さらに手強い敵と遭遇する可能性も十分考えられます。遊撃小隊の編成はすでに完了しました。今回の任務は外縁防衛線にいる人形部隊を支援することです。グリフィンの防衛部隊は三つの防衛拠点に駐留しています、目標は彼女たちと協力して敵を撃退し、そして無事撤退することです。その上で、私たちはまう基地に攻め込んできた敵を撃退しなければ、外縁防衛線に辿り着くことができません。基地拠点の内外問わず、状況は機器に瀕しています。至急、指示をお願いします。それと、もしよろしければ、私を副官に任命してください。指揮人形ではありませんが、多少現場の調整を行うことができます。……だからその……構いませんか? 指揮官: …… 416: ……すぐに私が不可欠な存在だと気づきますよ。では、命令を願いします、私の臨時指揮官。 2段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……戦闘終了、遊撃小隊は侵入してきた正体不明の敵を殲滅した。……妖精たちが防衛工事を修理している中、416は地面に散らかっている敵の残骸を見て、少し皺を寄せた。 [注:防衛工事を修理する?]) 416: ……白い敵、確かに見たことないわね。 AK74U: でしょう?何が何だかさっぱり分からない。 416: ……おかしいわね、この私でもなんの心当たりもないなんて。 AK74U: はは、ずいぶんと言うじゃない。でも、さっきの戦闘から見てあんたも結構すごいやつなんだな。 416: そう?なら私を信じてくれるのかしら? AK74U: 悪かったよ、あんたは確かにエリート人形だ。顔がお子様みたいだったから、そっかの倉庫から運ばれてきた観賞用人形かと思ったよ。 416: 今ならただのお飾り人形になりたいけどね。でも結局なんでもかんでも自分でやらないといけないし。しかし、思っていたよりも敵が弱いわね、これが主力部隊なの? AK74U: まさか、こんなのただの雑魚だよ。さっきアタシらを襲ったやつらとは全然違う。本当の敵は……殺せないやつなんだ。 416: 殺せない? AK74U: 文字通りの意味さ。正直二度と会いたくないけど、そろそろ行かないと。 416: 待って、ならなんでこんな雑魚を遺してきたのかしら? AK74U: それって大事なこと?たまたま雑魚が来ただけで、別に気にすることでもないしょ? 416: 今私たちが空いてしてるのは軍よりも未知数の敵よ。これだけのテクノロジーを持っているのなら、意味のないことは絶対しないはず。今はここから離れるわけにはいかない、少なくとも基地の防衛工事が完了するまで―― AK74U: はあ?なにバカなこと言ってるの!それじゃ遅い!9A91は今もアタシらを待ってるんだぞ! 416: だからって危険を冒すわけにはいかないんでしょ!この襲撃はきっとただの小手調べ、本番はまだまだこれからよ! AK74U: 今は何をしても危険を冒してるようなもんでしょ!聞いて416、今のアタシらに必要なのは時間よ!アタシの仲間たちはまだ最前線で敵と戦っている、だからアタシはこんなところでグズグズするわけにはいかないんだ! 416: こんなところで意気地にならないでよ!あんたは戦術人形でしょ!指揮に従いなさい! [注:意固地] AK74U: ああそりゃ当然!指揮には従うよ!だったら指揮官に命令させてよ!ここに残れって命令を! 416: 74U、あんた……仲間のことになったらすぐそうやって!今のグリフィンはあんたみたいなやつばっかりよ! AK74U: どうせアタシはあんたじゃないから、仲間を見捨てて一人で死のうだなんて思わないよ! 416: ……あんた今なんて言った? AK74U: どうせ仲間なんかじゃないんでしょ?あんたらのことは知ってるよ、404小隊! 416: …… だから何?あんたに何が分かるっていうの、グリフィンの役立たずが! (……!……74Uは416の襟を思いっきりつかんだ!) AK74U: アタシは役立たずじゃない!あんたこそ何が―― 416: 気を付けて――! (……416は74Uを押し退けた。……バンバン!そして二人が元いた位置に、数発の銃弾が撃ち込まれていた。) AK74U: ……!416――! 416: 私は平気よ!かすり傷だけ!妖精たちを守って!防衛工事の中に戻るわよ! (新しい敵の部隊が防衛工事の破損個所からなだれ込み、416たちは何とか拮抗していた。) AK74U: あ、あいつらだ!あいつらの主力!さっきと同じ、アタシらの弾が効かない! 416: こいつらの進行を阻止するだけでもいい!こちらの部隊の状況は!それと基地にいてまだ動ける人形も全員こっちに回して! AK74U: 分かった!あと416、さっきは―― 416: そんなことを言ってる場合じゃないでしょ!さっさと動きなさい! 場所:黒背景 416: まったく、いつまで経っても……グリフィンは足を引っ張るやつばかりね。 支援 > 1段落 > 場所:地下室 (……グリフィンの修復室にて。) UMP9: シーア!シーア、答えて!45姉は今どうなってるの……?なんで……完全に動かなくなったの――! シーア_通信: あ、その……落ち着いてください…… これは、その…… デール_通信: ああうるさい!エネルギー節約のためにセカンダリレベルもシャットダウンしただけだよ!あと話しかけるな、こっちはリモートで緊急修復してるんだよ! Gr G11: 45、生き返れるの? デール_通信: さっきのグリフィンの後方幕僚はよくやってくれたよ。でも最低限のエネルギー供給を確保しても、メインモジュールの機能をいくつか保って時間を稼ぐことしかできない。後でもっと設備の整っている修復施設に贈らないと助けることはできないよ! UMP9: ここにそんな設備があるわけない……輸送機で45姉を送っていくしかない、シーア、手配できる? シーア_通信: ごめんなさい……今いる位置が危険すぎます。情報によりますと、現在そのコーラップス液汚染エリアはいくつかの勢力で混戦状態になっていて、さらにそちらの臨時基地も攻撃を受けていますし…… UMP9: できないの? シーア_通信: できることはできますけど、こんなリスクを負ってくれる人選は……そう安くありません…… それに、こちらの資金も…… UMP9: お金なんていくらかかってもいいから!早く一番いい救助隊を送ってきて! シーア_通信: わ、分かりました!今すぐに―― (……ピッ!) 416_通信: 9、45の状況はどうなっているの! UMP9: 今シーアたちに連絡しているところ、後で45姉を他の場所に移す必要があるの! 416_通信: ダメよ、敵はすでに基地の中に入り込んでいるわ! UMP9: それって大変じゃない! 416_通信: 今は指揮官の援軍が来るまで時間を稼いでるけど、その援軍とやらも一体何なのか。とにかく、あんたとG11は45を守って。あいつらはいつでも突破してくる可能性があるわ。 UMP9: 分かった。でも416…… あなたが45姉に作った借りはもう返したって…… 416_通信: そうよ、あいつもそう言ってたでしょ。 [注:いつそんなこと言ったっけ?] UMP9: ならもう……時間なの? 416_通信: 私が欲しているのは、自分を証明することだけ。でもその前提は、まずあんたたちが生き残っていることよ。 UMP9: そう……じゃあお願い。こっちも絶対、45姉を助けるから! Gr G11: 416、本当に大丈夫なの? 416_通信: 指揮官がいるし、人形もたくさんいる。死なないように気を付けて。それでまた会えるわよ。 Gr G11: でも、いつになるか分からないんでしょ?やっぱり……最後に一回くらい、一緒に戦いたいな。 416_通信: 今回は無理よ。さすがにもうおんぶできないから。 (……通信終了。) 場所:街_破壊_高架道路 416: ……それに、どうせ来ても役に立たないわよ。クソ!こいつらは一体なんなの!どうやったら撃ち抜けるの! AK74U: もう弾薬を無駄にするな。言ったはずだけど、こいつらはアタシらの弾薬に対するシーアドを持っている。 [注:シールド] 普通に撃ち抜くのは無理よ。でもあんたのおかげで、少なくともまだ反撃はできているが。 416: それはどういたしまして。 (……バンバン!) AK74U: 416、さっきの話なんだけど、その……悪かった。それと…… あんたは本当にすごいよ、今のグリフィンにいるどの人形よりもすごい。 416: あんたはやるべきことをちゃんとやればいいの。戦場では命令しか聞かないわ。 AK74U: その話なんだけど、416、指揮官の命令は覚えてるよね? 416: 敵の注意を引き付けて、足止めをして、そしてこちらの撤退ポイントを見つからないようにする。 AK74U: そう、じゃないとみんなここでお終い。416、アタシらの任務は敵の殲滅ではなく、指揮官の「支援」が来るまでの時間稼ぎ、だから別にここを死守する必要はないと―― 416: その「支援」とやらがいつ来るか分からないから、変な期待を持たない方がいいわ。それに、あてにしていいのかどうかも…… AK74U: 少なくとも、アタシらだけじゃ絶対勝てないでしょ? 416: さっきはなりふり構わず突っ込もうとしたくせに、今になって縮こまる気?あんた本当にまともな戦術人形なんでしょうね! (……バンバン!) AK74U: はぁ……アドバイスしただけだよ、あんたがこれでいいんなら付き合うさ。ただ、もっと指揮官を信頼してもいいと思うよ。あんたも指揮モジュールを持ってるわけじゃないし、ここで守っても効率悪い…… 416: 指揮官はまだその「支援」の準備をしてるから、連絡が来るまで…… (……ピッ。) AK74U: お、来たな。 416: 各員射撃を続けなさい、後退はまだよ! (……) 416: 指揮官、このままずっとここに立て籠もるわけにはいかないのよ!今は何とか進行を阻止しているけど、いつ突破されてもおかしくないわ! 指揮官: , [注:謎「,」]   [注:謎空白] (選択肢による分岐なし) 416: 何でもいいから、本当にそれをあてにしてるわよ! 場所:戦術マップ 416_通信: とにかく、命令通りに敵の進行を食い止めて……支援の到着まで死守するわ!ただ指揮官、その「支援」って一体何なの?本当にこいつらを撃退できるの?すみません、別に信じていないのではなく、ただもう…… ……まぁいいわ、任務に集中します。時間がないので、任務内容を繰り返します。時間内に防衛線を再構築し、支援部隊が基地に到着するまで維持すること! (当該戦役のそれぞれの任務目標を完成することで、違うルートに進むことができます。任務目標を完成した後、他の未プレイルートに進むことができません。リセットを行うことで、再びルートを選択することができます。) 燃え盛る太陽 > 1段落 > 場所:野外拠点_雪 (……結局、敵の足止めに失敗し、基地の防衛線は破られ、グリフィンの部隊は完全に崩壊した。) 416: 指揮官!防衛線が突破されました!このままでは安全に撤退することはできません!基地を放棄して、可能な限り輸送機に人員を―― グリフィン人形: 見て!私たちの輸送機よ―― (416も頭を上げた。そして…… ドオォォォン――――――!) 場所:黒背景_火の粉 (希望すら抱くことができず、彼女の目に映ったものは…… 基地に攻め込んだ敵に輸送機が攻撃され、爆発し、墜落した。巨大な残骸はまるで燃え盛る太陽のように地に落ち、炎はグリフィンの基地を丸ごと呑み込んだ。希望は打ち砕かれ、すべての可能性が闇の中へと消え去った…… ……) 場所:取調室 (……) ネイト: 理解できない。指揮官、この状況下で、このような冗談を言えるとは。 (……パン!) ネイト: このような冗談では、私たちを騙せない。 (今回は足を使った。或いは足とも言える武器か。今では腕を使った時のことが懐かしく感じるが、もちろん、私はこれを楽しんでいるわけではない。ただ単に、腕を使ってくれる方がまだ少し楽に感じる。胃の中で何かが渦巻いている。この二か月間、この冷血な人形どもが私に何を食べさせたのか…… 地面にまき散らしたゲロと血の跡を見て、まぁ、これは自業自得だろうと思った。少なくとも、もっとマシな話を作るべきだった。) ネイト: 今、もう一度よく考えて。私たちは、416のことを知っている。ただ、彼女がどこに行ったのかを知りたい。あなたの答えは、その後起きた事実と一致しなければならない。 (ポジティブに考えよう…… 少なくとも、また時間を稼ぐことができた。体があと何回このような仕打ちに耐えれるかは知らないけど。少しずつ眩暈がひどくなり、意識も徐々に緩んでいく気がする。でもまだ屈服するわけにはいかない。もう少し、信憑性の高い話を作らないと…… そう、もう少しだけ、本物っぽくすればいい。) グリフィン特攻隊 > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……416は防衛線を維持し続けているが、敵の攻撃もますます激しくなった。) 416: こっちに集合!弾薬チェック!次の攻撃に備えて! AK74U: 416、まだいける?まぁいけなくてもアタシじゃどうしようもないけど。 416: じゃあなんで聞くのよ! AK74U: その気に食わない表情を見たら少し安心できるからよ。 416: なんでグリフィンではいつもこんなやつと一緒になるのよ! AK74U: 類は友を呼ぶってことだよ、はは。 416: 好きに笑えばいいわ、どうせすぐここで死ぬんでしょうから。 AK74U: それはどうかな。指揮官の支援が来るんでしょ? 416: あんた指揮官を信じてるの? AK74U: あんたを信じるよりはマシでしょ? 416: だからなんでいつも何かを信じなきゃいけないのよ。 AK74U: じゃあ自分を信じろっていうのか?416、「自分」って何なのか知ってる? 416: ……知りたくないわ。 AK74U: アタシらの演算行為が思考で、その中で起きた矛盾が感情であると謂われている。しかし、アタシら本当に意識と自我を持っているのだろうか? 416: だから何が言いたいの?そんなしかめ面で哲学者ぶって! AK74U: 要するに……アタシは自分のことを信じれないってことさ。 (……ヒュ――ー!) 416: この声は…… AK74U: でも、アタシを信じてる人なら、信じれるよ。 (……ドーン!ゴゴ――ーン!!) 416: 指揮官なの?全員伏せなさい!近距離火力支援よ! AK74U: 近距離火力支援?なにそれ? (……ドーン!ゴゴ――ーン!!さらに激しい爆撃が空から降ってきた。) カリーナ_通信: 重装部隊、到着しました!皆さん!お待たせです! (……ドーン!ゴゴ――ーン!!……激しい爆撃が陣地にいる敵を次々と吹き飛ばした。) AK74U: 指揮官……またなんか面白いおもちゃを持ってきたな。 416: こんなの民間軍事会社が持っていい物じゃないでしょ…… AK74U: 勝てばいいんだよ、勝てば。はぁ……ギリギリだったな、もう間に合わないかと思ったよ…… 416: 指揮官を信じるってついさっき言ったじゃない? AK74U: あんたを安心させるためよ。あんたって、戦場に出ると緊張するタイプなんだな。 416: 役に立たないまま資源を食いつぶすのが嫌なだけよ。 (……通信が入った。) カリーナ_通信: 皆さん、無事ですか?申し訳ありませんが、先ほど別の防衛拠点からの情報で、パイソンの部隊が襲撃を受けているとのことです。支援に向かうことはできますでしょうか? 416: あの重火力でも足りないっていうの? カリーナ_通信: はい。あちらでは敵が次々と現れて、しかもボスと思わしき個体もいるようですので。 AK74U: それじゃ行くか。部屋を片付けないと、外に出られないしな。 (……十分後、防衛拠点にて。) パイソン: 74U、遅いぞ! AK74U: こっちだって手一杯なんだよ。でも安心して、指揮官が新しいおもちゃを持ってきたよ! Mk12: そいつは誰だ?名前覚える必要あんのか? 416: 416、指揮官の臨時副官よ。 Mk12: 副官だ?新入りにしか見えないんだが…… AK74U: ちゃんと話を聞いた方がいいぞ。ここでは一番ベテランだからな。 A91: ベテラン?今まで全く見たことないんだけど。 416: あんたが基地で酔いつぶれてる時、私はずっと外で命をかけているからよ。 A91: ちょっと、あたしは別に…… パイソン: さて嬢ちゃんたち、おしゃべりはまず目の前の敵を解決してからにしような。 416: 遠くにいるあれば、こいつらのボスか? パイソン: 見えているようだな。あそこにいるやつはあの位置に着いてから一歩も動いていない。まるで人形みてぇだ…… [注:黒ネイト] ただ、あいつが今回の襲撃の指揮者に違いない。 416: 相変わらず情報はないの?(でもこの顔……なんだか……) パイソン: 正直あいつらが喋れるかどうかすら分からん。 416: 指揮官との通信が繋がったわ、報告してくる。あんたがパイソンね、部隊を再集結させなさい。 パイソン: はっ、大した口ぶりだな、新入り。だが嫌いじゃないぞ。 AK74U: 目をつけられたみたいだね、416。 416: ……どうでもいいことよ。 場所:戦術マップ 416_通信: というわけで指揮官、見ての通り、拠点に対する敵の襲撃がまだ続いています。今回はさらに多くの部隊を投入してきました、おそらくあのボスと思わしき個体が、当面の一番の脅威かと。先ほどの重装部隊の支援が必要ですが、問題ないでしょうか? 指揮官: ,   (選択肢による分岐なし) 416_通信: どこからそんな重装部隊を手に入れたのかは知りませんが。今後の戦闘においても、これは必要不可欠でしょう。適切に利用して、敵を殲滅してください。 2段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……戦闘終了。防衛拠点からすべての敵を撃退した。……重火力による爆撃後、拠点の周辺は完全に静まり返った。空気中に漂う硝煙の中、人形たちは戦場の整理を始めた。) Mk12: まさか本当に生き残れるとはな。さっきまで一方的に押し込まれてたのに、まるで夢みたいだ。 A91: 指揮官の新しいおもちゃもすごかったわね。 パイソン: 416、あんたが副官になってくれたおかげで、指揮官ともちゃんと連絡が取れたな。 416: 当たり前のことよ。というより、こんなのすらできなかったら副官として失格よ。 AK74U: 重装部隊がいれば、基地のことも暫く心配ないでしょ。次はどうする?早く他の拠点の救援に向かった方がいいんじゃないの? 416: せっかちね。 AK74U: 友達が救援を待っているんだよ。といっても今じゃ……ちょっと遅いのかもしれない。 カリーナ_通信: 安心してください、情報によりますと、敵は包囲を緩めてはいません。つまり、彼女たちもまだ無事であるということです。 パイソン: カリン、撤退ポイントはもう安全か? カリーナ_通信: はい、皆さんが敵を退けてくれたおかげです!敵の中位がそっちに引き寄せられてる間、こっちで可能な限り人形を修復して、各自の防衛ポジションに配置いたしました!それと、一機目の輸送機がすでに到着しました! 416: やっと撤退できるってこと? カリーナ_通信: そうです。ですが、負傷者と非戦闘員の輸送が最優先なので、皆さんにはもう少しの間残って、作戦を手伝ってもらう必要があります。 AK74U: はぁ……アタシは行けって言われても行かないよ。まだ9A91が待っているし。それに重装部隊の支援もあるから、もう思いっきりやっちゃってもいいんじゃない? カリーナ_通信: 416さん、あなたの小隊は特別で、しかも負傷者がいますので、先に撤退してもいいですよ? 416: 私はここに残るわ。 カリーナ_通信: え? 416: 撤退はこちらのことを考慮しなくていいです。こっちにはこっちの手配がありますので。それに、なるべくたくさんの人形を救助した方が、私たちの小隊の安全に繋がります。あんたたちの基地にいるバカどもだけじゃ……まだ経験の多い私がいた方がマシよ。 A91: ちょっと、全部聞こえてるわよ。 Mk12: ひどいやつだな。まぁ、あんたが副官だし、言うことには従うさ! カリーナ_通信: ありがとうございます、416さん!本当に、色々と助かりました! 416: ていうか、いままで一体何をして来たのやら…… カリーナ_通信: 指揮官さまが要件を片付けたらまたすぐ作戦を開始します。休憩時間はあと五分ほどあると思いますので、皆さんゆっくり休んでくださいね。 パイソン: カリン、問題がなければ、私も遊撃小隊に入れてくれないか? カリーナ_通信: え?パイソンさんもですか? パイソン: 基地が暫く安全なら、もっと他の必要なところで役に立ちたい。外の方にいる人形たちも危険な状況にいるしな、戦力は多ければ多いほどいいだろ。 Mk12: あたしも行く!新入りに嘗められては困る! AK74U: だから416は新入りじゃないし、あんたこそIOPから来たばかりでしょ…… A91: んじゃあたしのことも混ぜてね。この子がどこまですごいのか、この目で見てみたいわ。 カリーナ_通信: 416さん、この人形たちの引率を任せてもいいですか? 416: 意気地なやつらね…… [注:意固地] 私の命令に従うのなら問題ないわ。 AK74U: はは……どっちかという、アタシらを頼るしかないんでしょ?グリフィン特攻隊へようこそ、416! 416: ……なにその名前。まだ「404」の方がマシよ…… 2号防衛拠点 > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……グリフィンの2号臨時防衛拠点付近にて。) 416: 指揮官、ただいま2号防衛拠点の付近に到着しました。状況を報告します。2号拠点は敵からの集中砲火を受けています。そして敵が空中投下した砲台は非常に危険です。先にこれらの砲撃陣地を排除しなければ、救出作戦を実行することはできません。そして、もし他の拠点も同じ様に集中砲火を受けているとしたら、おそらくすべての拠点からすべての人形を救出することは困難でしょう。指揮官、こちらの人出は非常に不足しています。正直言って、この状況下ですべての人形の救出を目標とするのはおすすめできません。ただし、後続の作戦のことも考えて、今目の前の拠点にいる仲間は必ず救出するべきです。敵のせん滅は時間の浪費にしかなりません。指揮官には部隊を指揮して、敵の包囲網を崩して欲しい。そして私の小隊は中に入り、仲間を助け出します。 (……) パイソン: 指揮官との連絡は終わったか? 416: ええ、指揮官は突破口を作ってくれるわ。そして私たちはなるべく早く中に入り、仲間を助け出す。この拠点の隊長は誰なのか知ってる? パイソン: 知らないな、情報を同期する時間はなかった。Mk12は? Mk12: あたしもずっと基地を守っていたよ、そんな時間ねぇって!A91は?……まぁいいや、どうせ飲んでただろうし。 416: 敵の陣地がすぐそこにあって、仲間が危険な状況にいるっていうのに、その仲間が誰なのかすらも分からないっていうの?これぐらいの下調べはちゃんとしなさいよ! パイソン: 確かに、私らはこういう状況に対処する経験が足りていない。 [注:このパイソンは本当に「明晰な頭脳と残忍な性格」を持ち「グリフィンの指揮顧問」とやらを務めているのだろうか……] 416: だったらもっと頭を動かして。じゃないと敵の弾よりも先に、自分たちの間抜けさに殺されるわよ。 Mk12: てか、お前も同期してないんだろ? 416: 私は基地に着いたばかりだから、データを同期する時間がなかったの。 A91: はは……それってあたしたちと同じじゃない? 416: ……あのね、別にあんたたちを責めてるわけじゃないのよ。ただ戦場での軽率な行動は命取りになるだけ。そして私たちの目的はただ一つ――仲間をできる限り助け出して、生きて帰るの! AK74U: 416、拠点周辺の状況偵察が終わった―― どうしたの? 416: もういいわよ、こいつら効率が悪すぎる。 AK74U: まぁまぁ、グリフィンの精鋭部隊は目の前の戦いで殆ど消耗したからね。もともと後方支援担当の人形に戦闘をさせても無理があるし。 416: ちっ…… だったらこの拠点の隊長は誰なのか知ってる? AK74U: 9A91、前も言ったでしょ?アタシがここに来る目的でもあるよ。 416: 9A91がここの隊長ね……あんたも同期して情報を得たわけじゃないんでしょ? AK74U: 分かればそれでいいんでしょ。 416: ……それじゃ、彼女が今回の第一救出目標ね。いい?よく聞いて。これから指揮官は包囲網の突破に集中することになる。そして私も指揮モジュールがないから、作戦行動中は私の合図に従って。私の命令には100%絶対遵守しなさい、躊躇いも質問も一切受け付けないわ!分かった?今から装備チェック、命令を待機! 場所:作戦室 (……同じ頃、2号防衛拠点のセーフハウスにて。) 9A91: 砲撃が……全然止まないようですねね……ほかの音も全く聞こえません…… (……9A91は筆を止めた。) 9A91: ここまでにしましょう。後はどこかに隠せば…… (……9A91は部屋の中を見渡して、そして日記帳を弾薬箱の下に隠した。) 9A91: 指揮官はもう……来ませんよね?74ちゃんに、AsValちゃん…… 私はもうここまでみたいですね。次目が覚めた時、日記がちゃんと残っているといいけど。次も……ちゃんとあなたたちのことを思い出せたらいいな…… (ステージにいる人質を飛行場まで護送して撤退させることで、救助することができます。敵司令部を占拠した場合は、救助を放棄したと見なし、戦場から撤退することになります。選択した行動によって、ストーリーの進行は変化します。十分にご注意ください。当該戦役のそれぞれの任務目標を完成することで、違うルートに進むことができます。任務目標を完成した後、他の未プレイルートに進むことができません。リセットを行うことで、再びルートを選択することができます。本ステージより、敵側に砲撃陣地と防空陣地が登場します。) 恐怖の轟音 > 1段落 > 場所:野外拠点_雪 (……救援作戦が中止され、救援部隊は全て防衛線まで戻った。……一時間後、敵は基地に対して何度か襲撃を仕掛け、グリフィンの部隊は大きな損失を受けた。) 416: 指揮官!防衛線が突破されました!このままでは安全に撤退することはできません!基地を放棄して、可能な限り輸送機に人員を―― グリフィン人形: 見て!私たちの輸送機よ―― (416も頭を上げた。そして…… ドオォォォン――――――!) 場所:黒背景_火の粉 (希望すら抱くことができず、彼女の目に映ったものは…… 基地に攻め込んだ敵に輸送機が攻撃され、爆発し、墜落した。巨大な残骸はまるで燃え盛る太陽のように地に落ち、炎はグリフィンの基地を丸ごと呑み込んだ。希望は打ち砕かれ、すべての可能性が闇の中へと消え去った…… ……) 場所:取調室 (……) ネイト: 理解できない。指揮官、この状況下で、このような冗談を言えるとは。 (……パン!) ネイト: このような冗談では、私たちを騙せない。 (今回は足を使った。或いは足とも言える武器か。今では腕を使った時のことが懐かしく感じるが、もちろん、私はこれを楽しんでいるわけではない。ただ単に、腕を使ってくれる方がまだ少し楽に感じる。胃の中で何かが渦巻いている。この二か月間、この冷血な人形どもが私に何を食べさせたのか…… 地面にまき散らしたゲロと血の跡を見て、まぁ、これは自業自得だろうと思った。少なくとも、もっとマシな話を作るべきだった。) ネイト: 今、もう一度よく考えて。私たちは、416のことを知っている。ただ、彼女がどこに行ったのかを知りたい。あなたの答えは、その後起きた事実と一致しなければならない。 (ポジティブに考えよう…… 少なくとも、また時間を稼ぐことができた。体があと何回このような仕打ちに耐えれるかは知らないけど。少しずつ眩暈がひどくなり、意識も徐々に緩んでいく気がする。でもまだ屈服するわけにはいかない。もう少し、信憑性の高い話を作らないと…… そう、もう少しだけ、本物っぽくすればいい。) 3号防衛拠点 > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……指揮官は敵の包囲網に突破口を開いた。) 416: 今よ!全員、目標2号拠点!急いで! パイソン: 聞こえたか?2号拠点へ急げ! A91: ちょっと!砲撃はまだ止んでないわよ! 416: あれは止まったりしないわよ!私についてきて!急いで! (……416は2号拠点に向かって走り出した。) Mk12: そ……そんなの危険すぎる!そんなの―― (……ドーン!) Mk12: あああ――――! パイソン: Mk12! 416: 立ち止まらないで! A91: そんなわけ――! AK74U: 416、こちらは―― あ……行っちゃった…… (9A91……) ……しょうがない!追うよ!そっちも早くついてきて! 場所:作戦室 (……416がは一気に拠点まで駆け込み、門を蹴り開けた。) 416: 9A91!部下を連れて全員私についてきなさい! 9A91: あなたは…… 416: グリフィンからの救援よ!グズグズしないで、武器と弾薬以外は全部捨てて!急いで! 9A91: はい!みんな起きて、私についてきてください! 場所:街_破壊_高架道路 (416は囚われた部隊を引き連れて拠点から離れた。) AK74U: 急いで!敵がもうすぐ来るよ! 9A91: 74ちゃん!来ていたんだ! AK74U: 悪い、遅くなって!ほら行くよ! 9A91: よかった……でも、来ているのは二人だけですか? 416: 一個小隊よ……ああもう、あいつらどこ行ったの? (……バンバン!弾丸の嵐が小隊を襲う。) 9A91: キャッ――! AK74U: 9A91! 416: 全員伏せて!反撃準備! 9A91: 私は……私は大丈夫……です…… 416: 静かに!それぐらい分かってるわよ! AK74U: 416、9時の方向! 416: クソ、こっちの人数じゃ―― (……バンバン!……バンバンバン!……向かってくる敵は倒れ、前方から何人かの人形がやってきた。) パイソン: 悪い、遅くなった。さっきは…… 416: 話は後で。全員急いで!Mk12とA91は9A91を守って、怪我してるわ! パイソン: 私も手伝おう。火力はないが、力ならそこそこ―― 416: 指示に従いなさい!同じことを言わせないで!制圧射撃をしながら、交替して撤退するわよ! 場所:野外拠点_雪 (……十分後、グリフィン遊撃小隊は囚われた人形たちを包囲網から救出し、安全エリアで一時休憩を取っていた。) パイソン: 416、その…… 416: 謝罪なら聞きたくないわよ。 Mk12: いやしかし、やっぱこれは言うべきじゃ…… 416: 全部あんたたちのせいよ。 A91: でも、あの時Mk12は砲弾の衝撃にやられて、あたしたちは仕方なく―― 416: その場で死んでいたらどうするつもりだった? A91: ちょっ、そんなの―― Mk12: 確かに、あたしが悪かった。 416: あんたは特に間違ってないわよ。誰も戦場で飛び交う弾や破片を避けきることができない。戦場にいるのだから、怪我をするどころか、いつ死んでもおかしくない。ただ、さっき私たちの目標は向こうの拠点に辿り着くこと。1秒でも余計なことを考えると、その1秒分だけ自分や仲間を危険に曝すことになるわ。 パイソン: 確かに、私らはこういう状況に対処する経験が足りていない。私らはIOPからグリフィンに来たばかりだ、お互いのことしか知らない。 [注:やっぱペーペーじゃん] 416: だったらもっと頭を動かして。じゃないと敵の弾よりも先に、自分たちの間抜けさに殺されるわよ。 Mk12: てか、お前も同期してないんだろ? 416: 私は基地に着いたばかりだから、データを同期する時間がなかったの。 A91: はは……それってあたしたちと同じじゃない? 416: ……あのね、別にあんたたちを責めてるわけじゃないのよ。ただ戦場での軽率な行動は命取りになるだけ。そして私たちの目的はただ一つ――仲間をできる限り助け出して、生きて帰るの! AK74U: 416、拠点周辺の状況偵察が終わった―― どうしたの? 416: もういいわよ、こいつら効率が悪すぎる。 AK74U: まぁまぁ、グリフィンの精鋭部隊は目の前の戦いで殆ど消耗したからね。もともと後方支援担当の人形に戦闘をさせても無理があるし。 416: ちっ…… だったらこの拠点の隊長は誰なのか知ってる? AK74U: 9A91、前も言ったでしょ?アタシがここに来る目的でもあるよ。 416: 9A91がここの隊長ね……あんたも同期して情報を得たわけじゃないんでしょ? AK74U: 分かればそれでいいんでしょ。 416: ……それじゃ、彼女が今回の第一救出目標ね。いい?よく聞いて。これから指揮官は包囲網の突破に集中することになる。そして私も指揮モジュールがないから、作戦行動中は私の合図に従って。私の命令には100%絶対遵守しなさい、躊躇いも質問も一切受け付けないわ!分かった?今から装備チェック、命令を待機! (……416は大きく息を吸った。) 416: 人形の性能がいくら良くだって、経験もないのに命令も聞かないようじゃ、ただの消耗品にしかならないわ。人間は私たちを消耗品扱いしてるけど、私たち自身はどうなの?そんな消耗品になりたいの?私はピクニックをしに来たのじゃないわ。もし無事に帰りたいのなら、ちゃんと私の指示に従って。次から、私が命令した時は、もうなんの言い訳も聞きたくないわ。これだけよ。 (……416は離れて、AK74Uの隣に来た。) 416: 9A91は大丈夫? AK74U: 大丈夫じゃなかったらこんなところにいないさ。 416: じゃあ全部見たのね。 AK74U: そうね。実に副官らしかったね、416。 416: グリフィンにもちゃんとした実戦マニュアルがあるはずなのに、なんでこうなるのかしら。 AK74U: アタシらは民間軍事会社よ、普段の仕事はただのパトロールと後方支援で、前線に出られる人形なんてそんなにいない。誰でも最新の実戦データをインストールされてるわけじゃないの。 416: 新人でも、仕事内容でも、こんなの言い訳に過ぎないわ。 AK74U: それともう一つは、アタシらのメンタルはバックアップできる。だから命なんかよりも、思い出を大切にするのさ。 416: だから自分よりも仲間を大事にするわけ? AK74U: 少なくとも、最後は逃げずについてきたわけだし、別にいいでしょ? 416: 私たちは戦術人形、戦場での指揮官の駒。これくらいできて当然よ。普段では何が大事でも、今は命令が一番重要よ…… AK74U: そうね、たかが人形の命なんて……って、さっき自分を消耗品扱いするなって言ってたのは誰だっけ? 416: ……人間がいたら話は別よ。そういえば……さっきもそうなんだけど、あんた色々知ってるようね。 AK74U: グリフィンに入ったのはだいぶ前だからね。ただちょっとトラブルがあって、ずっと改造を受けていたのさ。そんで今の感じになった。 [注:どんなトラブルだろう] 416: …… AK74U: アタシらも別にこうなりたかったわけじゃないんだよ、416。人間がアタシラをこのようにしたんだ。あんたがムカついてるところも全部そう。 416: 副官って、私が想像していたのよりも面倒くさいのね。今までチームメンバーはみんな完璧に連携できる人形だったし、執行していた任務もずっと危険なものだった。でも今回は、私はただみんなを生きたまま連れ帰りたいだけ…… AK74U: プッ…… ハハハハハハ! 416: 何笑ってるの? AK74U: ずっと嫌な顔してたけど、本当は案外お人好しなのかもな。 416: 任務を執行してるだけよ。 AK74U: 自分で選んだ任務じゃない? 416: それも仲間を守るため。 AK74U: 分かった分かった、プロだしな。ただ、何事もそう思い通りにはいかないのさ。面倒くさいことになってるのは分かるけど……諦めるのかい? 416: 他に選択肢はないわよ。あんたたちを頼るしかない。そうでしょう、パイソン? (……他の人形たちは次々と416の前に立った。) パイソン: 聞きたくないのは分かってるが、やっぱり謝らせてくれ。……そしてこれからは、あんたの命令に絶対従う。 Mk12: 危険な状況にあっても、躊躇したりはしない。 A91: 今度、弾よけになれって言われても、ちゃんとその通りにするわよ。 416: ちゃんとその通りにするんじゃない…… 絶対その通りにやるの。そろそろ時間よ、準備して次の場所に向かうわ。 (……しばらくして……グリフィンの3号臨時防衛拠点付近にて。) 9A91: 3号防衛拠点は、トンプソンさんが担当しているはずです。 AK74U: あいつなら、敵もけっこう苦労してるはずよね。 416: この砲撃の中じゃ、誰でもどうにもならないわよ。というより……さっきよりも攻撃が激しくなってるわね。 パイソン: 包囲目標が一つ減ったからな、火力を集中できるようになっただろう。 416: 正直、今回は前回よりも救出が難しそうね。前回と同じようにいけるかどうか分からないし。しかも、いけたとしても……そこまでの犠牲を払っていいのかどうか…… A91: ちょっとあんた、さっきまで命令命令って言ってたくせに、今になって迷い始めたの? パイソン: A91! 416: その質問は受け付けるわ。私は客観的に状況を分析しただけよ。最終判断は、指揮官に任せるわ。 Mk12: トンプソンさんを……諦めるのか? 416: そういう意味じゃない。けど…… もし指揮官からそう言われたら、ちゃんと心の準備をするように。 AK74U: 分かってるよ。アタシらは……戦場の駒、でしょ? (……) 416: 指揮官、3号防衛拠点の状況を報告します。先ほどと同様、3号拠点も敵の砲撃陣地より集中砲火を受けています。救出行動を敢行した場合、大きな物資消耗と人員損失を受けると予想します。そして、今回は確実に成功する保証はありません。指揮官、もし基地防衛だけを考えるのなら、すでに必要最低限の人出は確保しています。もしかすると、今撤退ポイントに戻るのが一番合理的な判断かもしれません…… ただ、救出を諦めることは、指揮官にとっても辛いことなのは分かっています。 指揮官: , (選択肢による分岐なし) Mk12: 指揮官、決めてくれよ! [注:▼この共通テキスト、選択肢②しか繋がらなくない?] あんたまさか人形よりも考えがないんじゃないだろうな! [注:▼] 416: あんたのようなガサツな性格じゃ、「考えがある」なんて言えないわよ。 [注:▼] A91: トンプソンが救援を待っているのよ! [注:▼] はやく行動しないと、あたしたちも敵の的になるわ! [注:▲ここまで] 416: 指揮官、戦闘中で具体的な状況に合わせて判断してもいいと思います。それから、こちらの進行ルート上に軍が廃棄した部隊が存在します。正面からの突破は困難ですが、付近の通信ステーションを占拠すれば、その部隊をオフライン状態にすることができます。指揮官、すべてはあなたの判断に任せます。時間がないわよ。急いで行動しないと! 場所:作戦室 (……同じ頃、3号防衛拠点にて。) トンプソン: さて、みんな。これが最後の弾薬だ。さっき後方支援の部隊が隙を見つけてドローンで送ってきた。なので悪いが、そんなに数はない。 (……トンプソンは部下たちの前に、いくつかの弾薬箱を置いた。) トンプソン: 今日は、私らの最後かもしれない。もし今まで何か嫌なことがあったら、先に謝っておく。私らの敵は強くて未知数、勝算なんてありゃしない。指揮官が助けに来るかもしれないが、それでも、全員その時まで待てるとは限らない。ただ、私はみんなを見捨てたりはしない。 場所:黒背景 トンプソン: 最後まで、みんなと一緒に戦うさ。もし生きて帰れた者がいたら、私のことを覚えていてくれよ。 (ステージにいる人質を飛行場まで護送して撤退させることで、救助することができます。敵司令部を占拠した場合は、救助を放棄したと見なし、戦場から撤退することになります。選択した行動によって、ストーリーの進行は変化します。十分にご注意ください。当該戦役のそれぞれの任務目標を完成することで、違うルートに進むことができます。任務目標を完成した後、他の未プレイルートに進むことができません。リセットを行うことで、再びルートを選択することができます。本ステージより、敵側に砲撃陣地と防空陣地が登場します。) ただの冗談 > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……救出作戦が中止し、全員基地に戻る途中にて。 [注:ステージ「3号防衛拠点」からの分岐は ①ただの冗談⇒総攻撃⇒…… ②4号防衛拠点⇒ただの冗談⇒総攻撃⇒…… ③4号防衛拠点⇒小手調べ⇒未来のために⇒…… と3パターンある。 ①の場合、ステージ「ただの冗談」では3号防衛拠点(トンプソン)と4号防衛拠点(MP40)を諦める ②の場合、ステージ「ただの冗談」では4号防衛拠点(MP40)だけを諦める 同じステージ「ただの冗談」でも内容が微妙に異なる また救出を諦める①②でも取調室オチにはならない。]) Mk12: 大丈夫か、416? AK74U: アタシより顔色悪いね。 416: 私……間違ったことをした。 Mk12: あれは指揮官の決定だ。それに……今では最善の判断だと思う。 416: 分からないわ……もし私がそうアドバイスしなかったら…… AK74U: もしそうしなかったら、あんたは副官失格ね。 Mk12: 客観的なアドバイスをするのはあんたの役目だ、たとえそれがどんなに耳障りなものでもな。 416: そんなに落ち込んでないようね。 Mk12: 戦場だからな、心の準備はできてる。もちろん、あんたが助けてくれたことには感謝してるさ。あたしの「野望」もここで終わらずに済んだし。 416: 「野望」ってなんのこと? Mk12: さぁな、そんなの毎回違う。 416: 毎回? Mk12: 目が覚めると……毎回。そして記録にあるものを見て、生き方を変えてるんだ。分かるか? 416: 贅沢なことね。まぁ、私とは関係のない話ね。 Mk12: そうか……でも分かってくれると思うよ。前方の偵察に行ってくる。 (……Mk12は前へ走った。) AK74U: 416。 416: なに?あんたも慰めに来たわけ? AK74U: そういう気分じゃないと思うけど。みんなに認められてよかったでしょ? 416: 他人に認められたくて何かをする人形じゃないわ。 AK74U: そうは見えないな。本当は認められたくて仕方ないんでしょ? 416: ……こんな話するほど仲良くないと思うけど。 AK74U: じゃあアタシらと一緒になりたくない? 416: ……どういう意味? AK74U: さっきも言ってたでしょ、あんたの噂は少し知ってるって。 416: ……それは知っていいことじゃないわよ。私ならいつでもあんたたちのメンタルモデルを永遠に停止させることができる。その権限を持っているわ。 AK74U: そう怖いこと言うなよ、別になんかされても怖くないけどさ。でも本当に、この機にここに残らなくていいの? 416: 私には私の考えがあるわ。今回も一時的に協力してあげてるだけ。あんまり私に近づかない方がいいわ。 AK74U: あんたもさ、本当は選べたはずなんでしょ? 416: 適当なこと言わないで。私の何を知ってるっていうの? AK74U: 知ってるよ、特に今の居場所をあまり気に入ってないこと。本当は、逃げたいんでしょ? (……!……416は力強くAK-74Uの首を掴んだ。) AK74U: ……! 416: 私に何があったか、あんたに何が分かる。 AK74U: …… いや……416…… 知ってるぞ……あんたが「逃げた」ことを…… 416: ……! パイソン: おい、ほどほどにしろよ。416も。 416: ……冗談よ。 (……416が手を離した。) パイソン: 今は冗談を言ってる場合じゃないぞ。指揮官の通信は届いてるか? (……ピッ、416に通信が届いた。) 416: ……はい、分かりました。すぐに向かいます。 AK74U: 新しい任務? 416: 敵が現れたのよ、76号拠点に。 AK74U: 76号?あそこは誰もいないよ。 416: なに……? AK74U: 今は人手が足りないからね、放置されてる拠点も多い。とはいえそんなところを奪って、何か意味があるの? 416: はぁ……あいつらを駆逐するわよ。撤退ポイントに近いから、敵の手に落ちるとまずいことになるって指揮官が言ってた。 Mk12: 416、前方に人形の信号を発見した。確認してきてくれ。 416: 敵か? Mk12: 違う……一部だけが鉄血で、他は全部グリフィンの。 416: どういうこと? Mk12: あんたならどうすればいいか分かるって、パイソンさんが言ってたよ。 416: 私が……? パイソン: そんなに驚くことか?私がわざわざ先頭から最後尾まで来たのもこのためだ。 416: 引き金を引く以外に、鉄血とやり合う方法は知らないわ。 パイソン: 会えばわかるさ。あんたらは同じ「特別」な人形だし、ひょっとして知り合いかもしれないぞ。 (…………二分後。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あー!RO、ついたよ!見て!セーフポイントだよ!わたしたち安全だよ! RO635_ダイナーゲート: 本部に何があったの?!SOPⅡ、教えて!じゃないとセーフポイントに入らせないわよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あああ!右足が!言うことを聞かない――! 416: うるさいわね。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ……?! RO635_ダイナーゲート: あ……あなたは…… 416: こんな時にグズグズするなんて。早く合流しなさいって言ったでしょ? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: この人形……どこかで会ったことある気がする? 416: あんたが会ったことある人形なんていくらでもいるわよ。とにかく、早く来なさい。敵がもうすぐ攻撃を始めるわ。その前に、みんなで協力してここから離脱しないと。 Cx4ストーム: 敵?軍がここまで攻めてきているのですか? 416: 新しい敵よ。 Cx4ストーム: 新しい敵?軍でも、鉄血でもなくて?一体なんなの? 416: 分からないわ。分かっているのは、あれは私たちを皆殺しにしようとしていることだけ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: へー……そうなの?わたしからすれば、相手は殺せるものなら何でもいいけど。 416: そこが問題なのよ。 場所:黒背景 416: あいつら、あの私たちを殺そうとしてるやつらは…… ……殺しても死なないわ。 場所:街_破壊_高架道路 (……) 416: 少なくとも数時間前までは。今はもうなんとかなったわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: …… 416: ……行きましょう。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: え?まって、今の冗談なの?わたしもしかして笑うべきだった? 416: 早く来なさいって! 場所:野外拠点_雪 (……) 416_通信: 指揮官、今から76号拠点に向かい、白い敵の襲撃に対処します。ついでに、途中で―― M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: 指揮官!指揮官!指揮官! (……ピッ!……416はSOPⅡの通信を無理やり閉じた。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷_通信: ひどいよ416!ROはまだなにも話してないのに! RO635_ダイナーゲート_通信: は、話さなくていいから……戦死したことにして…… 416_通信: 途中でAR小隊のSOPⅡとRO、そしてCx4ストームの人形部隊を拾いました。ちょっと……色々変なことになってるけど、今のところまだ自由に行動できるようです。 RO635_ダイナーゲート_通信: 自由じゃないから!わたしは全然自由じゃないから――! 指揮官: …… (選択肢による分岐なし) 416: ……話は後にしましょう。もうすぐ76号拠点に到着するわ。指揮官、私たちは全ての部隊を救出できなかったので、ここから先の戦いは厳しいものになると予想します。 [注:こっちは全員救出するルート] なるべく万全な準備をして、作戦に臨んでください。 2段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……作戦終了。) Mk12: つまらない戦いだったな。 AK74U: 人手が足りてるからでしょ。 416: こんなの小手調べよ、敵がこれで諦めるわけがない。 A91: あいつら、あたしたちのデータを集めてから一気に倒す気ね。おそらく、最後に大規模な襲撃がくるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 敵がもうすぐ総攻撃を仕掛けてくるのなら、はやく戻ろうよ!行こう行こう! RO635_ダイナーゲート: あ!待って、SOPⅡゆっくり! Cx4ストーム: SOPⅡ!気を付けて、ROさんが落ちちゃいますよ。 AK74U: 416、アタシが前に言ったこと、真剣に考えてみた? 416: 時間がないわ、そういうのはまた今度…… (……ウォーン――――――!……全員の通信機から荒い警報音が鳴り始めた。) カリーナ_通信: 皆さん!例の敵が基地に対して総攻撃を始めました!全員、指揮官の指示に従い、各自戦闘準備をしてください! 416: もう来たの!?あの黒いやつら―― でも……これが最後の攻撃か…… これが終わったら、私はここを離れる…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 416、なにしてるの、はやく行こうよ! 416: それとも、本当は別の選択が…… 未来のために > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……グリフィン撤退ポイント周辺にて。) トンプソン: グリフィンの皆!今回が、最後の戦いだ。 [注:だったらよかったのにね] 416のおかげで脱落する者はなく、全員ここへ戻ることができた。今の私らには万全な防衛線と、十分な補給と、お互いのために戦える勇気がある!私らの敵は強い、普通のPMCじゃ手に負えないほどに強い。しかも、やつらは恐れを知らず、後を絶たず、私らを殺そうとしている。だが、私らには指揮官がいる、柔軟な戦術と豊富な経験がある。そして、私たちには、仲間がいる! [注:あと普通のPMCが持ってたら逮捕される武器もある] そう、あいつらは死も恐れないバケモノ、だが私らは死から生き延びる術を知っている!416、お前もなんか言ってみろ。 416: …… ……みんなここにいる。でも、これは全て私のおかげではない。私だけじゃ、全員を救うことはできなかった。指揮官があなたたちを信じて、指揮官が全員を助けると言ったから、私はそうした。私に、ここに立つ資格はない。でも、もしも命令なら、それを実行するだけ。指揮官がいるから、私たちは勝てる。勝って、そしてようやく未来が見えてくる…… (未来……私の未来は一体どこに……) MP40: 指揮官とみんながいれば、きっと奇跡は起きると信じています……今、私たちがここにいるように! 9A91: 今度こそ、私は仲間たちと一緒に生き延びて見せます。 トンプソン: ……416。もうすぐ、答えが出ると思うぜ。みんな、未来のために、指揮官と共に、勝利を掴み取ろうぜ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ははははは!また新しいパーツが手に入るね! RO635_ダイナーゲート: こんな形で見届けるしかないのか……でも、みんなのサポートはちゃんとするから! Cx4ストーム: みんな、せっかく戻って来れたのですから、絶対ここで倒れるわけにはいきませんよ! AK74U: 9A91とASValがアタシを待っているんだ。ここでMVPを取らないと、次の買い物の時また荷物持ちになっちゃうね。 Mk12: さか、あたしの「野望」はまだまだ膨らんでいくぜ! A91: 次のウォッカのためにも、ちゃんと生き残らないとね。 パイソン: では、迎撃を始めようじゃないか! (……五分後、指揮官が防衛線の人員配置を始めた。) AK74U: まだ決まってないのか? 416: 私は私のやり方で欲しいものを手に入れる。残るか離れるかの問題じゃない。 AK74U: はぁ…… まぁ、とにかく会えて嬉しかったよ。 (……74Uは軽く416の肩を叩いた。) AK74U: お前は死なないよな? 416: ふっ……指揮官がそう望むなら、絶対。 2段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……作戦終了。) 黒衣人形: …… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 変なやつら、いたーいとかも言わないの?もしかして喋れないの? 黒衣人形: …… (……黒い人形に何一つ表情の変化がない。) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: もうどうでもいいや、その体……どういう構造してるのか見せてもらうよ? RO635_ダイナーゲート: SOPⅡ、あまりやりすぎないでよ。素体を残して情報を集めないと。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 生きていればいいんでしょう?なら目の一つや二つくらい…… 黒衣人形: あなたたちは…… なにも得られない…… ……自壊シークエンス、開始。 RO635_ダイナーゲート: SOPⅡ!こいつの手を切り離して――! (……ドーン――!) M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ああああ!ちくしょ!遅かった!何が自壊シークエンスよ!ただの爆弾じゃん! RO635_ダイナーゲート: SOPⅡ…… さっきの黒い人形、はっきり見えた……? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あまり注意してなかったけど、どうしたの? RO635_ダイナーゲート: あいつは…… 人形じゃないみたい…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 何言ってるの!人形じゃないんなら人間だっていうの? RO635_ダイナーゲート: でもあの人形が撃たれた時、流れ出た赤い液体は……どちらかというと…… M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: なんか似たようなもんなんでしょう?別にそんなに珍しくないよ。 416_通信: SOPⅡ、そっちの状況はどう?例の人形を捕まえた? M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 自爆したよ、そっちは? 416_通信: 同じね。とりあえず戻ってきて、全部終わったわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: あれ?敵にはまだ援軍がいるんじゃないの? 416_通信: さっきの戦闘で気づいたの。あの黒い人形さえいなくなれば、他の敵は前進してこない。 RO635_ダイナーゲート: そういう指揮システムなら、手掛かりになるかもしれない。 (でも……あいつらは一体……) 416_通信: 行きましょう。新しい輸送機が来たわ、そろそろ撤退よ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: え?もう誰もいなくなったの!いつの間に?! RO635_ダイナーゲート: あなたがずっとゴミ拾いしてたせいよ!急いで!じゃないと乗り遅れるわよ! M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ああもう!分かったよ、416、待って――! 416_通信: …… 別に一緒に行くなんて言ってないわよ。 場所:黒背景 (……) 416: そう…… ずっと…… 黒い人形 > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……グリフィンの撤退行動はいよいよ最終段階に入った。……グリフィンの人形たちは列を並んで輸送機に搭乗し、お互いに手を振って新しい基地での再会を期待していた。) AK74U: 行かないのか、416? 416: さっき指揮官からの連絡が入ったわ。このエリアにはまだ一つ救援任務が残ってる。参加したいのなら、残ってもいいわ。 AK74U: 聞いたよ、危険な任務でしょ、なんで行くの? 416: 別に行くとは言ってないわ。離れる者がいれば、残る者もいる。私はただここを見て、そして……考え事をしてただけ。あんたこそ行くの? AK74U: もう一秒たりともここに残りたくないからね。それは9A91とASValも同じ。そうそう、そういえば9A91がさっき、お友達が探してるって言ってたよ。 416: ただの同僚よ。きっと私たちの輸送機も来てたのね。 AK74U: あいつらと一緒に行くのか?それともこっそり隠れて…… 416: それは自分で決めるわ。でもそうね…… AK74U: 早く決めろよ、もう最後の輸送機だからな。みんなもうすぐ―― 416: 74U…… 私も昔は……グリフィンの一員だった。しかも正真正銘のエリート人形、副官もしばらく務めていた。 AK74U: そうか…… あんたの噂は聞いたことあったけど、まさか全部本当だったとはな。 416: そうよ。それで色々あって…… 私は選ぶことができなかった。そして……非合法の小隊に入った。人形でも人間でも、命令さえあれば、全部殺せる。 AK74U: …… 416: そういう命令は好きじゃないけど……私にはどうしようもなくて…… しかも……私のチームメンバーは…… AK74U: あいつらのこと、好きなんでしょ? 416: あいつらのどこがいいのか全然分からないけどね。 [注:どこがいいのか全然分からないけど、好きなんだね……] AK74U: 少なくとも、酒を飲まないと暴れ出すようなやつらじゃないでしょ? [注:酒を飲んだら暴れ出す奴ならいるけどな……] 416: ふっ……確かにね。でももっとひどい癖があるわ。 AK74U: アタシにも仲のいい友達がいてな。そんでアタシの経験だと、アタシらが友達になったのは別に何かいいところがあったからじゃない…… たまたま、一緒になっただけ。ただそれだけが理由で、本当に全部が偶然だったのさ。 416: 偶然……クソヤロウ三人に出会えたというわけね。 AK74U: あんたがまだ迷ってるってことは、あのクソヤロウ三人はあんたにそこそこよくしてくれたってことでしょ。 416: はぁ……あんた、本当に私を引き留めるつもりあるの? (……AK-74Uは少し笑った。) AK74U: なんにせよ、アタシは想像もつかないような戦いを経験してしまったからな。一緒に戦えて嬉しかったぜ。 416: 私のしてきたことを知ったら、そう思わなくなるかもね。 AK74U: いや、もっと嬉しくなる可能性もあるかもな。さよなら、ずっと一人で隠れてるんじゃないぞ、カリンが心配するからな。 416: どちらかといえば、彼女の方を心配した方がいいんじゃないかしら。 (……416は軽く手を振って、そして周囲を見渡した。) 416: 私も……そろそろ行かないと…… どこへ……行けばいいのかな…… (レーダーポイントへ向かい、404を離脱し、グリフィンに加入する。飛行場ポイントへ向かい、404小隊に戻る。司令部へ向かい、撤退を諦め、グリフィンの特別任務に参加する。当該戦役のそれぞれの任務目標を完成することで、違うルートに進むことができます。任務目標を完成した後、他の未プレイルートに進むことができません。リセットを行うことで、再びルートを選択することができます。) お互いが無事なら > 1段落 > 場所:黒背景 (……416は本来の生活に戻ることを選んだ。404小隊を離れ、グリフィンに戻ることにした。今のグリフィンは、もはや彼女のメンタルに記録されてあるグリフィンじゃないとしても。) 場所:404小隊から隠れる416 416: どこへ行くの? AK74U: 新しいグリフィンの本部、以前よりも広くて新しい基地があるってさ。話によると、どうやら16Labが出資してくれたらしい。これからはもっといい待遇を受けられるよ。 416: でも、敵は諦めてくれないわ。私たちもそう簡単に暇は貰えない。 AK74U: 少なくとも、今はこの苦境から抜けることができた。鉄血を振り切り、軍を振り切り、この戦場を振り切った。あとは指揮官さえ帰ってきたら、また新しい生活を始められる。 416: でも、その指揮官は? AK74U: まだ救援任務が残ってるって言ってたでしょ?指揮官にはまだ助けなければならない人がいるんだ。 416: ……その人のことなら知ってる。けど、もう私には関係ない。 AK74U: そうだな。グリフィンへようこそ。 (でも416は信じている。新しいグリフィンと、新しい未来に溶け込むことができると。……ただ、今この時に一番大事なのは、過去とお別れすること。) AK74U: あっ、あそこにいるのはあんたのチームメンバーでしょ?あんたを探してるんじゃないの? 416: UMP9…… それにG11…… 輸送機がUMP45を迎えに来たわ、そういつまでも探していられないはずよ。 AK74U: 辛いのは分かるが、輸送機はもう行ったよ。 416: 後悔なんかしないわよ。私は私の約束を果たした。いずれはこうなっていた。あいつらなら、ちゃんと分かっているはず。 AK74U: お別れぐらい言っやってもいいのに。 416: ……お互い無事なら、気にしなくていい。……気にしなくていいなら、お別れを言う必要ない。 場所:黒背景 (……そう、一日早かろうと、或いは一日遅かろうと、結果は同じ。今この時こそ、一番いい時間だ。今あるこの結果こそ、一番いい結果だ。……) 場所:取調室 (……) ネイト: 理解できない。指揮官、この状況下で、このような冗談を言えるとは。 (……パン!) ネイト: このような冗談では、私たちを騙せない。 (今回は足を使った。或いは足とも言える武器か。今では腕を使った時のことが懐かしく感じるが、もちろん、私はこれを楽しんでいるわけではない。ただ単に、腕を使ってくれる方がまだ少し楽に感じる。胃の中で何かが渦巻いている。この二か月間、この冷血な人形どもが私に何を食べさせたのか…… 地面にまき散らしたゲロと血の跡を見て、まぁ、これは自業自得だろうと思った。少なくとも、もっとマシな話を作るべきだった。) ネイト: 今、もう一度よく考えて。私たちは、416のことを知っている。ただ、彼女がどこに行ったのかを知りたい。あなたの答えは、その後起きた事実と一致しなければならない。 (ポジティブに考えよう…… 少なくとも、また時間を稼ぐことができた。体があと何回このような仕打ちに耐えれるかは知らないけど。少しずつ眩暈がひどくなり、意識も徐々に緩んでいく気がする。でもまだ屈服するわけにはいかない。もう少し、信憑性の高い話を作らないと…… そう、もう少しだけ、本物っぽくすればいい。) 今だけの平和 > 1段落 > 場所:黒背景 (……416は404小隊に戻った。彼女は分かっている、約束だけでは決められないものがあるということを。今はまだ別れる時ではない。彼女にはまだ、やるべきことがある。そして……言いたいこともある。) 場所:撤退する404小隊 416: 45の状況は? UMP9: 416よりは安定してると思うよ。 416: どういう意味? UMP9: 自分の顔を見てみたら? 416: 機嫌が悪いってこと?今日私が何をして来たかちゃんと分かってる? Gr G11: 別に知りたくないよ。416が生きて帰ってきたならそれでいいよ。 UMP9: 少なくとも、45姉は喜ぶと思うよ。 416: あいつが?喜ぶ? [注:絵面的には「あいつが?」より「こいつが?」の方が適切か] どうせ新しいメンバーを探す手間が省けただけでしょ。 UMP9: それじゃ……ダメなの?416みたいなメンバーを探すのが、どれだけ大変か…… 416: 9…… 私は別に自分の考えを捨てたわけじゃないわ。いつかは、ここを去るかもしれない。 UMP9: それは分かっている、でも……少なくとも今はここにいる。それだけで安心だよ。 416: 安心させるために戻ってきたわけじゃない。私はただ…… Gr G11: 416…… ……眠い。 (……416は溜息を吐いた。) 416: このねぼすけが……45とどっちが先に起きるか勝負してみたら?それで負けた方をドブに捨ててやるわよ。 Gr G11: そんなこと……言っても…… 結局は……拾い戻して……くれるでしょ…… Zzz……Zzz…… UMP9: ははっ、もう負けを認めたみたいだね。 416: ホントバカね。……私もバカなのかもしれないけど。 UMP9: 全員バカでしょ。 416: あんたは違うでしょ、魔女のくせに。 UMP9: でも、みんながバカだったら…… ……家族になれるでしょ? 416: そう考えてるのはあんただけよ。9、あんたは―― ……あんた……泣いてるの? UMP9: ううん……ただ……こんなにたくさんのことがあって…… 今この瞬間が……幸せに感じるだけ…… 場所:黒背景 (……416は何も喋らなかった。窓の外にいるグリフィン人形たちは、誰かを助けるため戦闘区域に戻る準備をしていた。彼女はその救援の目標を知っている。でも、彼女にとって、それはもはや重要なことではなかった。彼女にとって大事なのは、今目の前にある平和と、つかの間の幸せである。そして、彼女たちの物語はまだまだ続く。……) 場所:取調室 (……) ネイト: 理解できない。指揮官、この状況下で、このような冗談を言えるとは。 (……パン!) ネイト: このような冗談では、私たちを騙せない。 (今回は足を使った。或いは足とも言える武器か。今では腕を使った時のことが懐かしく感じるが、もちろん、私はこれを楽しんでいるわけではない。ただ単に、腕を使ってくれる方がまだ少し楽に感じる。胃の中で何かが渦巻いている。この二か月間、この冷血な人形どもが私に何を食べさせたのか…… 地面にまき散らしたゲロと血の跡を見て、まぁ、これは自業自得だろうと思った。少なくとも、もっとマシな話を作るべきだった。) ネイト: 今、もう一度よく考えて。私たちは、416のことを知っている。ただ、彼女がどこに行ったのかを知りたい。あなたの答えは、その後起きた事実と一致しなければならない。 (ポジティブに考えよう…… 少なくとも、また時間を稼ぐことができた。体があと何回このような仕打ちに耐えれるかは知らないけど。少しずつ眩暈がひどくなり、意識も徐々に緩んでいく気がする。でもまだ屈服するわけにはいかない。もう少し、信憑性の高い話を作らないと…… そう、もう少しだけ、本物っぽくすればいい。) 最後の便 > 1段落 > 場所:街_破壊_高架道路 (……416は、UMP9の前に来た。彼女は自分のやりたいことを選択した。) 416: 9、私はグリフィンの救援任務に参加する。 UMP9: 何言ってるののか分かってるの? 416: 私は私のやりたいことをやる。知ってるでしょ、あいつらは誰を助けにいくのかを。 UMP9: でも……その人を助けるのは私たちの任務じゃないよ。少なくとも、その人はそんな命令を出していない。 416: だから行くのよ、自分で決めたことだから。 UMP9: 416…… なんだか変わったね…… 416: もう十分よ……他人の期待に応えるために頑張るなんて…… あんたたちにしろ、グリフィンにしろ、ずっと誰かの後ろについていくわけにはいかない。 UMP9: ……分かった。でもだからと言って、その人を助けに行く必要はないでしょ?あそこが今どれほど危険なのか分かってるでしょ? 416: 私は一人じゃないわ。指揮官がいるし、AR小隊の残ったメンバーたちも同行する。私はここで、404では手に入らないものを手にする。未来のためにも。 Gr G11: 416……ちゃんと帰ってくるよね?一人で歩くのは疲れるよ…… 416: 任務が終わったら帰ってくるわよ。だからあんたもその間にちゃんと鍛えておきなさい。あんたもいつか、変わらないといけないのだから。 Gr G11: うぅ……や……やってみるよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: おーい!416――! UMP9: SOPⅡが呼んでるよ……わたしたちも行くね、どこで落ち合えるかは分かってるでしょ。絶対帰って来てね、じゃないと45姉が起きたら―― 416: 別にあいつのために帰るわけじゃないから、どうでもいいわ。でも約束は守る、絶対に帰ってくるから。 UMP9: うん……分かった…… 416: それじゃ、行ってくるわよ。 場所:黒背景 (……) 場所:雪の中で立つ416 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: 416…… 本当に一緒に来るの? 416: グリフィンと404の輸送機は全部行ったわ。あんたたちについていく以外、他に行くとこはないの。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: ははは…… あんたって……本当は強いやつだとずっと思ってたよ。 416: 私も最近気づいたばかりよ。自分には怖いものがあるって……持っていない経験とか、未知の敵とか、見知らぬ仲間とか…… これらを克服しないと、これからの戦いで生き残ることはできない。 M4 SOPMOD Ⅱ_負傷: じゃあ、その克服する方法は分かってるの? 416: もちろんよ。ちゃんと楽しんで見せるわ。 場所:取調室 (……) ネイト: 今のところ、あなたの答えは、私たちで確認できる情報と一致している。404小隊の行方は、不明。しかし416、彼女は、私たちの手掛かりになる。あなたなら、彼女の居場所を知っている。そうでしょう? 指揮官: …… (選択肢による分岐なし) ネイト: でも大丈夫。それ相応の対処方法は容易している。 (ネイトの一人がケースから注射器を取り出した。あれの中身が何なのか私は知っている。) ネイト: それなりの訓練を、受けているはず。しかし、これでより確実性を、高めることができる。 [注:どんな訓練だろう。実際に注入したうえで演技してみせるとか?] (そのネイトは自白剤を私の体に注入した。) ネイト: 私が望むのは、自分の言ったことに公開するあなたの表情。グリフィンの指揮官、私たちを、満足させて。 (意識がどんどん薄れていく。薬のせいだ。) 場所:黒背景 (こういう時の対処方法は知っている。しかし本当に役に立つかどうかは分からない。私は、これから自分の話す物語を信じなければならない……信じなければ、ならない……) 冷静な人形の声: 指揮官、ちゃんと時間を稼いでくれたようですね。こちらはすでに施設内に潜入しました。ただし、監視と護衛をやり過ごすにはまだ時間が必要です。もう少し頑張ってください。それと、感動的なお話を作ってくれてありがとう、つい聞き入ってしまったわ。 場所:取調室 ネイト: グリフィンの指揮官、今から最後の尋問を行う。M4SOPⅡと416、この二名の戦術人形は、例の人間の救援作戦に参加した。アンジェリア、元グリフィンの指揮官。この三人のことを、知りたい。最初から、すべてを教えて。私たちが、情報と照らし合わせれるように。 (アンジェリアのことは……知っている…… しかし真実を話さないために、私は頭の中で思い浮かべたものを信じなければならない。私は、記憶の海から、自分が真実だと信じている蜃気楼を掴み取らなければならない…… あの状況下で……アンジェリアにとっての真実は…… ……死だ。) ネイト: ……教えて、そうしないと、あなたは死ぬ。 (死を使って、真実を隠そう…… しかし、私も真実を思い出さなければならない…… アンジェリアがどこへ行ったのか……私はどうやってここに連れ込まれたのか……思い出さなければならない…… これは最後の物語。もうすぐ、私は自分の結末と対面する。404たちがいい結末を作ってくれるといいのだが。) **収録範囲: 大型イベント「異性体」** ### 異性体 > 記念 > 場所:黒背景 (…… …… この手にあるわずかな遺産は、全て、あなた方が残してくれたものです。教えてください……何があなた方をそうさせたのですか……?何のために、自らの運命を差し出すと決めたのですか……? ……) ### 場所:慰霊碑とアンジェリア (……) アンジェリア: 残された者が過去から得られる唯一の教訓は…… 過去からは何も学べない、ということなのかもね。 (……ピッ。) AK-12_通信: アンジェ、潜在的脅威が行動を開始したわ。監視を続ける? アンジェリア: …… AK-12_通信: 聞いてるの?アンジェ? アンジェリア: 保安局のどのプランよりも早く動いたわね。あのお偉いさんたち……デスクであれこれ指示を出すのに、なんの疑問も持たないらしいわ。 AK-12_通信: このチャンスに、こらしめてやろうって口調ね。 アンジェリア: …… そんなつもりじゃないわ、敵を見誤っちゃダメよ。あなたと94はこちらへ戻って、行動を開始するわ。 (……通信終了。) アンジェリア: M4。 M4A1_MOD: はい。アンジェさん、ここはなんですか?監視任務とは関係ないようですが。 アンジェリア: 関係ない…… だとしても、決して無意味じゃないわ。あなたにとって、ここはどんな場所に見える? M4A1_MOD: 無名戦士の慰霊碑……周辺に情報や手がかりが隠された様子はありません。何度戦争が起ころうと、状況はひどくなる一方です、彼らの犠牲には何の意味もありません。 アンジェリア: この慰霊碑が答えよ。犠牲は信念を守る最後の砦、彼らは自らの信念に命を捧げたの。生きている者に、その犠牲が有意義だったかどうか、判断することはできないわ。 M4A1_MOD: 私の認識を変えるつもりはありません。 アンジェリア: …… ……グリフィンに手出ししたことも?あなたの行動で、私たちの存在が知られてしまうところだったのよ。 M4A1_MOD: ……全て作戦のためです。 アンジェリア: もしそれが徒労に終わったら、あなたは自分の行動が、すべて無駄だったって受け止められる? M4A1_MOD: いいえ、そう考える必要もありません。 アンジェリア: M4…… …… なんだか、知らない人形を前にしている気分よ。 M4A1_MOD: どんな犠牲を払おうと、AR小隊の仲間を守らなくてはならない。そう教えてくれたのは、あなたではないですか? アンジェリア: …… (……花束が一つ、慰霊碑の前に置かれている。) アンジェリア: もう昔とは違うのよ。 M4A1_MOD: 違いません。あなたが臆病になっただけです。 アンジェリア: フフッ……わかってないのね。でもこの任務が終われば、あなたにも理解できるはず。 M4A1_MOD: それは…… この先、起こることを知っていて……? アンジェリア: まさか。でも、良い予感がしないのは確かね。あなたもでしょ?M4A1。 M4A1_MOD: ……そのわりには楽観的ですね。 アンジェリア: 私たちは生き残る、言えるのはそれだけよ。そのための努力を惜しまなければ、あなたにもいずれ分かるわ…… 犠牲となる意味、そして、今起きていることの全てが…… ……必ずね。 ### 幻の平和Ⅰ > 場所:黒背景 (…… ハッカー。スパイ。情報屋。はたまた「有力者」のブローカー。) K_通信: それから、そこにいる指揮官。お前がいま端末で監視しているのは分かっている。どんな顔をしているかは知らないが、さっきの指揮でなぜ敵がお前のことを恐れているのかよく分かった。しかし、この街でオレと敵対したくないだろう。オレが、今ここでお前と敵対したくないように。 (そのうちのどれかが、この男の素性だ。もしくは……そのどれもが。) K_通信: なんにせよ、これは挨拶だ。とりあえず……「初めまして」か、「ベルグラードへようこそ」と言った方がいいだろう。お前が来るのを、ずっと待っていた。 (この類の人間は苦手だ。金のためなら、彼らはいくらでも協力してくれるだろう。しかしそれは即ち、金のためならいつでも裏切ることと同義である。……) K_通信: さて、次は…… アンジェリアか……彼女のことを話そう。彼女の話を、どこから聞きたい? ### 場所:宿舎 (……翌日、グリフィンのセーフハウス。) カリーナ: 指揮官さま!指揮官さま!起きてください! RO635: カリーナさん?あ……指揮官、まだ部屋から出て来ないんですか……? カリーナ: そうなんですよ……昨日の「K」さんの話が、相当こたえたらしくて…… [注:なんの話がそんなに堪えたのか?] RO635: わかります、その気持ち…… あ、とりあえず、「K」の言っていたアタッシュケースは持ってきましたよ。分析します?それとも、ペルシカさんに連絡しましょうか? カリーナ: 指揮官さまは、待機するようにと……次の命令まで、何もしないほうがいいのかも。 RO635: でも「K」との定時連絡はもうすぐですよ。このままじゃ…… (……突然、扉が開いた。) 指揮官: カリーナ、通信室へ。 カリーナ: あっ……はい、指揮官さま! ### 場所:司令室 カリーナ: あれぇ……変ですね……あ、繋がりました!指揮官さま、B-3-5Fにて暗号化ビデオ通信スタンバイ出来てます。情報封鎖領域は約三分間維持可能です。 K_通信: 指揮官、遅刻だ。民間軍事会社としては、あまり褒められたものじゃないな。 指揮官: ………… K_通信: なんだ?随分と不満そうな顔だな。聞けば、外に出た人形をすべて呼び戻したそうじゃないか。これはある種の反抗とみなしていいのか? 指揮官: 私たちに与えられた命令は、アンジェの捜索だったはずだ。 K_通信: 昨日のことを経験して、まだそう思っているのか?「アンジェの捜索」?もし本気でそのつもりでいるのなら、オレも他を当たらないとな。 指揮官: 人形の不法入境、大型兵器の密輸、何もかもがありえないほどに順調だ。これは金でなんとかなるものじゃない、相応の対価が必要だったはずだ。つまり、グリフィンにはここに留まる価値があるということだ。あなたと、その背後にいる人間に、グリフィン以上の選択肢はない、そうだろう?アンジェの情報を教えるか、なにもかも手遅れになるまで、私の人形たちにこのまま休暇を取らせるかだ。 K_通信: さすがだな、指揮官。だが、情報はすでに十分伝えたはずだ。「アンジェリアは敵ではない」。オレが昨日話した通りだ。 カリーナ: アンジェさんが敵でないことは百も承知です!だからこそ、こうして探し出そうとしているんじゃないですか! K_通信: ふむ、カリーナだな、グリフィンの後方幕僚。身寄りもなく浮浪していた経験から、金には相当がめついと聞いている。哀れに思ったクルーガーは規定を破って、まだ未成年だったお前をグリフィンへと引き入れた。 カリーナ: ………… K_通信: 正直、オレはあまり金にうるさいやつとは関わりたくない。二束三文で自分すらも売り出してしまうからな。さて、そういうお前はどうだ?金のためならそこにいる指揮官も売るのか? カリーナ: そんなことするわけありません! K_通信: フッ、さっきの作り笑顔よりも、今の怒ってる顔の方がお似合いだな。信じるよ、なにせ何事もそれ相応の価値があるからな。即ち、等価交換だ。オレに情報を提供してほしいのなら、それに釣り合うだけのチップを差し出してもらわないとな。 指揮官: 価値が釣り合うかどうかは、あなた一人で決める事じゃない。もう一度言う、これ以上の情報が無ければ、グリフィンは動かない。 K_通信: それについては認めよう。指揮官、間違いなく、お前は交渉に長けた人間だ。そして、問題の要点を掴むことにもたけている。どうやらオレも、ここで少しばかり譲歩しなければいけないようだ。 カリーナ: Kさん、まわりくどいのはもう結構です。私たち、きちんと協力し合うべきじゃないですか? K_通信: もっともな意見だ、カリーナ。なので一つ情報を追加しよう。アンジェリアは「反逆者」でありながら、それらしからぬ動きをしている。お前たちの知っているように、あの女がこの街にいるのは確かだ。しかも相変わらず、少ない手駒でリスクの高い任務に就いている。これだと敵にやられるのも時間の問題だろう。一方、その支援を担当するはずの人間は、なぜだか暖房のきいた小屋で休暇を楽しんでいる。 指揮官: ………… カリーナ: ………… K_通信: もうひとつオマケだ。アンジェリアの小隊には、かつてAR小隊に所属していた人形がいる。オレの情報が確かなら、その人形は昔、お前のもとで働いていたはずだ。違うか、グリフィンの指揮官? カリーナ: M4さん……?あの子が、この街に? 指揮官: …… これから私たちは何をすればいい? K_通信: その堅実なところは嫌いじゃないな、指揮官。お前となら、これからも仲良くやれそうだ。 ### 場所:作戦室 (……ベルグラード、グリフィンのセーフハウスにて。) RO635: 人間に罵られ……敵に包囲され……そのあげくに水難…… しかも結局、敵の居場所はわからずじまいか……はぁ…… M4 SOPMOD Ⅱ: なにブツブツ言ってるの、RO?もう落ち込むのやめなよ。昨日洗った服、もう乾いてたよ。装備と一緒に、ここ置いとくね~ RO635: ……こんな状況で、よくそこまでリラックスできるわね……その純粋さが羨ましいわ…… そういえば、メンテナンスはどうだった?素体、水でふやけてたりしてなかった? M4 SOPMOD Ⅱ: ぜーんぜん!ずーっとROの肩にいたから、ちっとも濡れなかったよ~ ていうか、いつになったら、完全防水型の素体に換えてもらえるのかなぁ? RO635: 近日中は無理でしょうね…… M4 SOPMOD Ⅱ: もう下水道はこりごりだよぉ…… もし指揮官の部隊が一足遅かったら、わたしたち水中でオダブツだったかもしれないんだよ。 RO635: それよりも……わたしは「K」の言っていた守護天使が気になるわ…… わたしですらコントロールできなかったゲートを、一人で開けるだなんて…… M4 SOPMOD Ⅱ: それって……わたしたちを助けてくれた人が、他にもいるってこと? RO635: 確信、とまではいかないけど……あ、ちょっと待って、通信が入ったわ。 カリーナ_通信: ROさん、まだハウス内にいますか?さきほどのアタッシュケースを通信室まで持ってきてもらえます?それから指揮官さまが、SOPⅡさんも一緒に来てくれ、とのことです。 RO635: 了解。生きましょ、SOPⅡ。新たな任務よ。 ### 場所:司令室 RO635: このアタッシュケースは? カリーナ: 「K」さんの指示通り、アタッシュケースを起動させましたけど……これは……? M4 SOPMOD Ⅱ: なぁんだ……ただのホロマップと座標じゃん。 カリーナ: それにしても、もの凄い数の座標ですね…… マークされた全ポイントに人形を派遣するなんて、可能なのかしら…… RO635: 全ポイントに……?ほとんど都市全域じゃないですか、これじゃまるで…… M4 SOPMOD Ⅱ: あのKとかいうやつがそう言ったの?そんなの完全に道具だと思われてるんじゃん!わたしたち、自律式カメラじゃないんだよ!? カリーナ: うっ……それはごもっともです……でも、むこうはアンジェさんの情報を握っています。今から始めることも、アンジェさんを助けるために必要なことなんですよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: えっ!アンジェさんがどこにいるかわかったの!? カリーナ: ええ、Kさんの話だと、「この街で任務に就いている」そうです。そして、私たちのサポートを必要としている。 RO635: アンジェさんが……ベルグラードに……?つまり、わたしたちがここにいるのは……偶然じゃない…… M4 SOPMOD Ⅱ: アンジェさんがここにいるってことは、もしかしたらM4とAR-15も…… …… でも、本当に同じ街にいるなら、どうして連絡してくれないのかな?暗号化できる通信手段なんて、いくらでもあるのに。 RO635: SOPⅡ、落ち着いて。同じ目的でいる限り、いずれ2人には会えるはずだから。 M4 SOPMOD Ⅱ: わ、わたし…… 2人に会ったら……なんて話しかければいいんだろ…… RO635: 気が早すぎよ、SOPⅡ。それで、「K」の計画でいくと、次は何を? カリーナ: うーん……えーっと……人間のふりをして、それから、まぁ、のんびりすること……ですかね? M4 SOPMOD Ⅱ: やっぱり自律式カメラなんじゃん! ### 場所:街_モノレール (…………) P22_通信: 指揮官、応答願います。本隊、配置に着きました。現時刻より行動準備を開始します。 ルイス_通信: こちらも準備完了、これといった障害も無し。えへへ……やっぱり人間って、可愛い女の子には甘いんだよね~ でも本当に、武器をしまっちゃって大丈夫なの?なんだか不安だなぁ…… ### 場所:司令室 カリーナ: 最後の2部隊も配置に着きました、これで全部隊が座標の位置に到達したことになります。武器も収集完了。次はどうします、指揮官さま? 指揮官: 「K」の指示を待とう。 カリーナ: 了解。でもどうして、「K」さんは私たちをこんな場所へ?まわりは居住区や商業区ばかりですし、守るべきターゲットがいるようには到底思えませんけど…… (……ピッ。) K_通信: 思ったより行動が速いな、指揮官。グリフィンに対する評価を改めておこう。 カリーナ: こういう時までもったいぶらないでください。私たちのやるべきことって、ただ戦術人形を道に立たせることだけじゃないですよね? K_通信: オレはわりとI.O.Pの製品を気にってる。なぜなら彼女たちはまるで人間そのものだからな。時には、そういう優しさも武器になる。 カリーナ: ……武器を携帯させなかった理由はそれですか?より人間らしくみせるために? K_通信: なにしろ、相手はオレたちよりも、はるかに人間らしい存在かもしれないからな。 カリーナ: まさか、白い敵が……すでに潜伏していると……? K_通信: 指揮官、アンジェリアの情報が欲しいのだろう?今回の任務がその対価だ。白い連中を探し出して、息の根を止めろ。まだ取り返しのつくうちにな。 カリーナ: それってつまり……この街に敵が紛れ込んでるってこと!?そんなのどうやって探せっていうんですか! K_通信: アタッシュケースの中の、白い勢力に関する分析データを人形たちに送れ。条件に合う者を見つけ次第、接続してただちに焼き落とせ。それが難しい場合はROとSOPⅡに対処させろ。昨日一日で、大分経験を積んでいるはずだからな。 指揮官: …… ROとSOPⅡが敵を識別できると、どうしてわかった? K_通信: そう怖い顔をするな、指揮官。情報を集めるのがオレの仕事だ。特に……お前たちに関する情報を、な。 ### 幻の平和Ⅰ分岐 > 宿舎 > 場所:マホロ (……ベルグラード、セーフハウス。 [注:時系列的には幻の平和Ⅰよりも前]) マホロ: 指揮官様、カリーナ様、どうぞこちらへ。 カリーナ: ここは? K: オレのセーフハウスの一つだ。任務の間、グルフィンの司令部として使ってくれてかまわない。通信設備は全て最先端のものを使用している。街の範囲内であれば、すべての人形との通信を維持することが可能だ。 カリーナ: こ……これは、伍零式双方向低周波MSEシステム……しかも三台も!あっ、インナーリングシールドまで!嘘でしょ……すべての部屋に設置されてるなんて…… あ、あの……「K」さん?軍用レベルの設備を勝手に使って良いものなんでしょうか…… K: 任務の役に立つのならな。何か必要なものがあれば、そこのマホロに言ってくれ、彼女が手配する。特に問題なければ、次の定時連絡で会おう。マホロ、あとは頼んだぞ。 マホロ: はい、ご主人様。 カリーナ: 「K」さんて情報には厳しいわりに、その他に関しては、意外と太っ腹なんですね…… マホロ: カリーナ様、何かお手伝いできることはございますか? カリーナ: えーっと、ちなみになんですが……アンジェさんのことを聞かせてもらえたりします? マホロ: 禁則事項です。 カリーナ: あ……やっぱりダメか…… 仕方ない……マホロさん、ハウス内を案内してくれますか? マホロ: かしこまりました。 (……) マホロ: こちらが弾薬庫です。化粧室は突き当りを右です。 カリーナ: ここのトイレ、やけに少ないわね……足りるかしら。 マホロ: お言葉ですが、私たち人形に排泄の需要はございません。 [注:一部の人間には「人形の排泄の需要」があるぞ!] カリーナ: …… ……それくらい知ってます!私が言っているのは、人間のスタッフのことです! マホロ: あまり多くの方に、こちらのセーフハウスの位置を教えることはお勧めできません。グリフィンの他のスタッフにつきましては、これまでの拠点でお勤め頂くのがよろしいかと。 カリーナ: う……わかりました…… マホロ: 次のエリアへと参りましょう。こちらの部屋は、MSEシステムの中枢区画です。こちらと、こちらに、非常用電源が二重に設けてあります。接続コードはこちら側へと走っており、パラレルインターフェースと伝送路図面は、すでにカリーナ様にお送りしております。 カリーナ: へぇ~……こんな配置もアリなんですね……勉強になります。設備を組み直してみてもいいですか? マホロ: もちろんです、お手伝いいたします。 ### 場所:作戦室 カリーナ: よしっと!これでより汎用性が高まりました!マホロさん、ありがとうございます。こんなにたくさんのプランをご存知だなんて、びっくりしちゃいました! マホロ: お役に立てたのなら、幸いです。 カリーナ: これなら、基地のレイアウトと変わりないですし、指揮官さまも使い勝手がいいはずです。 マホロ: ご用件がお済みでしたら、スタンバイモードに入らせて頂きます。 カリーナ: あ!ちょっと待ってください!良かったら、もう少しお話しませんか? マホロ: お話ですか? カリーナ: はい! マホロ: 何についてお話しましょうか? カリーナ: え……それは、えー……その…… マホロ: ご用件がお済みでしたら、スタンバイモードに入らせて頂きます。 カリーナ: ま、待って下さい!あ、あ……そうだ!マホロさん、「K」さんて、普段は何してるんですか? マホロ: 質問の意図が分かりかねます。 カリーナ: だ、だから……いつもはどんな風に過ごしてるのかな、と思いまして。例えば……ここで人と会ったりとかは? マホロ: 私たちは、隠密行動を原則としております。よって、何者かがこの場所を訪れることはありません。 カリーナ: じゃ、「K」さんは普段、マホロさんとお喋りを? マホロ: ご主人様は、一日のほとんどを情報の分析と収集に充てております。余分なコミュニケーションに貴重な時間を割くことはありません。 カリーナ: あらら……でも、仕事ばかりじゃ身が持たないですよ。ある程度、リフレッシュしていかないと。 マホロ: ご関心をお寄せ頂き、ありがとうございます。ですが、ご主人様は非常に規則正しい生活のもと、厳密な健康管理を行っておりますので、心配はご無用です。 カリーナ: 規則正しい……? マホロ: ご主人様はご自身の掟を持っておいでです。スケジュール管理に関しては極めて厳格で、一切の無駄を許しません。全てにおいて正確無比でなくてはならないのです。 カリーナ: 1秒たりとも? マホロ: 1秒たりとも、です。 カリーナ: ひぇ~、なんだかおっかないですね…… 「K」さんが実は仕事しかできない自律人形だった、とかいうオチだったりして…… あはは……冗談です…… マホロ: 言葉をお慎みください。 カリーナ: ヘ? マホロ: いかに自らを厳しく律していようと、ご主人様は決して感情のない機械などではありません。ご主人様は、たとえ誰にも理解されずとも、各方面にとって最善の方法を尽くそうとするお方です。したがって、先ほどのような発言は、容認できかねます。 カリーナ: ご……ごめんなさい…… マホロ: やがて、あなた方にもご理解頂けることでしょう。他にご用件が無いようでしたら、失礼させて頂きます。 カリーナ: は……はい…… (マホロはその場を立ち去った。) カリーナ: そうなんだ……たとえ理解されなくても…… もしかしたら、立場が違うだけで、私たちとなんら変わりないのかも…… ### 場所:司令室 カリーナ: ふぅ…… だいぶ時間はかかったけど、我ながら良い感じに仕上がったじゃない。 指揮官: どう、終わった? カリーナ: はい、本部のレイアウトに出来るだけ近づけてみました。それと、より安全な環境下で外部と遠隔通信できるよう、とりはからっておきましたよ。 指揮官: つまり、ペルシカさんに連絡できるってこと? カリーナ: あ、いえ…… 今、ペルシカさんに連絡するのはやめておいたほうがいいです。厳格な監視下におかれてるはずですから…… 指揮官: なら、何のために? カリーナ: WAVEと交渉したんです。 [注:サー・グリフィンが2040年頃に作った「WAVE TECH」?(参考:公式設定画集vol2)] ウィトキンさんの勧めてきた情報会社なんで、あまり使いたくはなかったんですけど、他に選択肢もないですし…… 指揮官: その口ぶりだと、何か見つけたんだね? カリーナ: はい、ちょうどその話をしようと思ってたところです。WAVEに情報収集を依頼したんです、値は張りましたけどね……でも、そのかいはありましたよ。 指揮官: 続けて。 カリーナ: 指揮官さま、ウィトキンさんの言葉を憶えてますか?この任務は保安局からの依頼だという話でしたよね。初めは「K」さんを保安局のエージェントか何かだと思っていたんですが、調査結果を見るに、私たちの現在のポジション、かなり低いみたいなんですよね…… 「K」さんは保安局の一員でもなんでもなかった、少なくとも、スタッフリストには載っていない。つまり、保安局からしてみれば私たちは……下請けの下請けとなるわけで…… 指揮官: 「隠れ蓑」の「隠れ蓑」か…… カリーナ: この街ではアンジェさんだけでなく、保安局もオフィシャルに動いています。三日後に重要な両国間の会談が控えていることを考えれば、周囲にまぎれた白い勢力を消そうとする「K」さんの意向もわかります…… 指揮官: テレビで報道されていた、あの会談か…… カリーナ: はい。ただ、ひとつだけ不可解なことがあって…… 今回の任務に当たるエージェントや、「K」を窓口とした小隊は、総局ではなく、全て内務部の安全六局から派遣されているんです。 指揮官: 安全六局?おかしいね、外部の保安活動は九局の管轄だったはずだけど……? カリーナ: その通りです。安全六局の担当は、先端技術と防衛産業に関連する極秘案件だけのはず。だからこれはとてもおかしな話になります。会議の安全確保が目的なら、そもそも六局の人間を派遣する必要はありません。だとすれば、何故「K」さんは技術情報を担当している部門から、指示をあおいでいるんでしょう?それに、アンジェさんとは一体どんな関係が……? 指揮官: …… 憶えておくよ。アンジェの情報は見つかった? カリーナ: あるにはあるんですけど…… どれもしょっぱい情報ばかりですよ。それもほとんどがグリフィンで指揮を担当した時の戦闘記録ですし。たったひとつを除けば、ですが…… (……ピッ。……エラー発生。) 指揮官: これ……壊れてるのかな? カリーナ: 壊れてるわけじゃなさそうです。記録からして、誰かに消去されたみたいですね。 指揮官: この日付は……胡蝶事件前後のアンジェの行動記録か…… カリーナ、WAVEに頼んで、修復できないかな? カリーナ: もちろん、試しましたよ…… 残念ながら、人為的に抹消された記録なので、修復は無理なんだそうです。 指揮官: …… ### 場所:宿舎_夜 (……夜中。……私は椅子に腰掛け、カリーナの言葉と、この街について考えていた。) 指揮官: …… (Kが我々と保安局の仲介人であるということは、少なくともKと保安局の立場は一致しているということだ。) (だが、Kは保安局の真の目的を知っているのか?) (それとも我々と同じ、単なるコマに過ぎないのか。) ### 場所:黒背景_アンジェ (アンジェは一体……どんな役割を?「K」の言うことが確かなら、アンジェは依然として保安局の任務についているはずだ。だがそうなると、グリフィンを参入させた意味は?支援…… それとも監視か……?アンジェが保安局の命令に背いたとしたら……「K」の役割とは何だ?) ### 場所:宿舎_夜 (……誰かがドアを叩いた。) カリーナ: 指揮官さま、まだお休みじゃないんですか? 指揮官: あぁ、すぐ寝るよ。ただ……ちょっと考え事をね。 カリーナ: 夜更かしは体に障りますよ。ホットミルクを淹れたので、温かいうちにどうぞ! [注:酪農産業、生きてる。] 指揮官: うん……ありがとう。 カリーナ: データベースへのアクセス許可をマホロさんにもらえたので、使えそうな資料が無いか漁ってたんです。そしたら面白いものが見つかりましたので、さっそく来ちゃいました。指揮官さま……またアンジェさんのことを考えていたのですか? 指揮官: ……うん。どう考えても変なんだ。まるでピースの足りないパズルみたいだよ。なにもかもがしっくりこない。 カリーナ: それもこれも「K」さんが情報をよこさないのが悪いんです!任務を達成すれば教えるとか言っておきながら、結局ごまかしてばかりじゃないですか。この件が片づいたところで、洗いざらい白状するとは到底思えませんね! 指揮官: だとしても、役割を演じきらないと。意のままに操れる道具が欲しいというのなら、それに応じるまでさ。 カリーナ: だけど、それじゃ…… (……私とカリーナは押し黙った。) 指揮官: うーん……解決できそうにない問題は、まずは置いておこう。例の会談について、詳しく調べてみたんだ。これ、昨晩の地方紙。 (――「三日後の国際会議に向け、市政府は、十七項目に及ぶ治安法を新たに交付したうえで、開幕式の安全を確保すべく……」) カリーナ: この街……ヨーロッパにおいては、あくまで中立なんですよね。会談には、新ソ連と国連の両代表が出席するはず。どちらにとっても、ここは自分たちの勢力が及ばない土地です。会談場所としてベルグラードが選ばれたのも、考えに考えを重ねた結果なのでしょうね。 指揮官: 中立か……信頼を築くことはいつだって難しいよ。中立の立場なら、双方からの政治的圧力を受けずに済むという考えだろうけど。同盟をこころよく思わない奴らが、たやすく入り込めてしまうのは問題だね…… カリーナ: そうですね…… 以前も、国連に加入しようとする動きがあったんですけど、かつての敵と同盟を組むことに、国民は激しく抵抗したらしいですよ。誰もが平和を望んでいるわけじゃないんですよね…… 指揮官: 仇敵と手を結ぶのは簡単なことじゃない。それに一部の人にとっては、対立があったほうが有利になるからね。 カリーナ: うぅ……複雑ですね…… 指揮官: そういえば……カリーナは何を見つけたの? カリーナ: あ!忘れるところでした!指揮官さま、これ見てください。 (……カリーナはいくつかの書類をデスクに広げた。) 指揮官: どれどれ…… コラム、それに報道レビュー…… 戦争に対する国連の各種声明……この日付は…… カリーナ: 2年ほど前に、第三次世界大戦終結10周年を記念して、盛大なイベントが執り行われたのです。Kさんは当時の資料を大量にかき集めてたみたいですよ。 指揮官: …… 「ロクサット主義」。 カリーナ: はい……これら全てが、ロクサット主義に関連しているんです。 指揮官: 噂によれば、国連の創設もロクサット主義が推し進めていたそうだ。となると第三次世界大戦の終結も、決して無関係じゃないだろうね。Kが何を集めていたって不思議じゃないさ、直接関わっていないとはいえ、彼には独自の政治的立場があるらしい。Kみたいな人間がなぜ、ああも極端な理想主義を崇拝しているのかは謎だけど。 カリーナ: 「K」さんがグリフィンを選んだ理由、わかっちゃったかもしれません……この一番新しい報道を見てください。 指揮官: これは…… カリーナ: 今年5月に至るまで、既に25の国連加盟国がロクサット主義国家であることを表明している。ロクサット主義を掲げる政府への支持率は、どれもが70%超えという驚異的な数字となった。新たな運命共同体の生誕とともに、人類は信頼と協力の時代へと足を踏み入れたのである。国連の幹部は、今後、人類の進歩を促す事象は今以上に増えていくはずだと指摘、世界の輝きを更新する手筈は、既に整っていると述べた。 指揮官: 待って……今なんて……? カリーナ: はい……私も心底驚きました…… 指揮官: 「世界の輝き……」 カリーナ: 「新世界の輝きとなるべく」 ロクサット主義が掲げている理念みたいなものです。この言葉が使われたのは、グリフィンよりも、はるかに昔のことですけど。 指揮官: …… カリーナ: 国内じゃ、ロクサット主義は禁止されてますからね。私たちがよく知らないのも仕方ないといいますか…… [注:なぜG&Kは新ソ連内で禁止されている思想の理念を掲げていられたのだろう?] でもどうしてクルーガーさんは、グリフィンにこの言葉を……? [注:指揮官やカリーナのように事情をよく知らない人間が軽率にこの言葉を口走る危険性もあるだろう。] 指揮官: …… 今日は、ここまでにしておこう。 カリーナ: え? 指揮官: これ以上考えたって仕方ないし、明日は任務もある。カリーナも、早く休んだ方がいいよ。 カリーナ: そ……それもそうですよね。それじゃ、部屋に戻りますね。おやすみなさい、指揮官さま! (…… ……私がその話題を強制的に断ち切ったのは、病床でネイトに監禁されていた時よりも、はるかに大きな焦燥を不安を感じていたからに他ならない。) 指揮官: 「世界の輝き」……か。私たちは果たしてどのような因果に導かれ、今へと至ったのだろうか…… 事態は私の思う以上に複雑で、恐ろしいものなのかもしれないな…… ### 幻の平和Ⅱ > 場所:司令室 (……任務完了。) カリーナ: 指揮官さま、潜伏していた敵の殲滅を終えました。でも残骸から白い勢力に関する手がかりは得られなかったみたいです。とりあえず、収集した全データを送っておきますね。 指揮官: そうか…… 答えを知るには、Kの口を割らせるしかないのかな。 (……ピッ。) K_通信: 見事な手際だな、指揮官。ここまで要領よく動ける奴はそういない。感銘を受けたよ。 カリーナ: 頼まれた仕事は達成しました。さぁ、約束を果たしてもらいますよ。せめて今回の背景ぐらいは説明してくれるんですよね? K_通信: これでお前たちが何も知らずとも、任務を立派に遂行できることが証明されたな。まぁ、今回は成績に免じて説明してやってもいい。何が知りたい? [注:そらアンジェの居場所についての情報よ] カリーナ: あなたがROさんに渡したアタッシュケース…… その中の分析情報をもってすれば、潜伏していた人形の位置を正確に特定できたはずです。それなのに、みずから手を下さないのは何故なんです? K_通信: 誰かがターゲットを探し出して、お前たちがそれを殲滅する。これがルールだ。データベースを通じて情報のやり取りをするのは、ただ安全を確保するためだ。 カリーナ: 私たちに白い勢力を掃討させたのは、二か国会議の安全を確保するためですか? K_通信: そうだ。 指揮官: …………否定するか、誤魔化すかと思っていたよ。 K_通信: オレが言わなくても、お前なら自力でその答えに辿り着けるだろうからな。 カリーナ: そこまで重要な会議なら、どうしてもっと実力のある部隊を投入しないんですか?私たちみたいな民間企業よりも、保安局のほうがよっぽど手堅いと思いますけど。 K_通信: お前たちの方が、保安局よりも上手くできると考えている人物がいるからな。 カリーナ: なん…… K_通信: …… ここは国内じゃない、ましてやオレたちの影響下にある国でもない。 [注:ベルグラードはセルビアの首都] わずかなヘマでもしたら、外交問題に発展しかねない。だからいくら彼らでも、ここでは慎重に動かざるを得ない。自分たちの正体を隠しつつ、敵を駆除してくれるような手駒が、彼らには必要だったというわけさ。だから確かに、お前の言った通りに、ここではお前たちよりいい選択肢は他にない。 カリーナ: それならアンジェさんの情報を…… K_通信: 確かにお前たちよりいい選択肢は他にないが、調子に乗っていいわけではない。たとえお前たちがいなくても、代替プランはある。ここでは、いなくてはならない者など誰一人いないことを覚えておけ。 カリーナ: ちぇっ…… 指揮官: 自分の立場はわきまえているつもりだし、取引のための尽力は惜しまないよ。アンジェについても、今は問い詰めないでおく。だがそれとは別に、一つだけ確認したいことがあるんだ。 K_通信: 本日の質疑応答はここまでだ。 指揮官: たとえそれが、この任務の成否に関わる問題だとしても? K_通信: …… 指揮官: 私たちが倒したのは、本当に白い勢力だったのか?初めは奴らが、大規模な破壊活動を目的に、街中に散らばっているのだと思っていた。しかし目標を制圧していくにつれ、奴らの動きには規則性がないことに気づいた。挙動もやけにバラついているし、あの様子だとたとえ行動を起こしたとしても、連携が取れずにその場で倒されていただろう。電子戦にも一切の抵抗を見せず、攻撃元の特定すらできていない様子だった。それでも、使用していた技術や装備だけは確かに白い勢力のものだ、それがどうも腑に落ちない。もし本当に白い勢力だとしたら、あまりにも手ごたえが無さすぎる。 K_通信: 或いは、その程度の実力しかなかったのだろう。 指揮官: 経験から言わせてもらうと、作戦が順調に運び過ぎるのは、良くない兆候だね。 K_通信: 敵を軽んじるにせよ、買いかぶるにせよ、どちらも良い習慣とは言いがたいな、指揮官殿。 指揮官: もし会議が重要でなければ、私たちはここにいない。逆に重要であれば、白い勢力は烏合の衆をよこしたりしない。導き出される答えは一つ……真の脅威は他にある。違うかい? K_通信: お前の意見は、オレからクライアントに伝えておく。 指揮官: 今ならまだ国内から支援を呼べるはずだ。 K_通信: 支援なんてものは来やしない。 指揮官: なぜだ!和平会議が踏みにじられるのを、黙ってみてろと言うのか!? K_通信: 重要な会議であっても、会議自体に意味はない。肝心なのは、その裏にある意志の変化だ。いいか、この世に犠牲となりえないものなどない。そして、忘れ去られないものもない。指揮官、お前は頭が回る方だ、だからこそ知らなくてもいいことがある。長生きをするためにもな。 指揮官: ………… K_通信: 今日はここまでだ、ゆっくり休んでおけ。明日からの任務は、今以上に過酷なものになる。 ### 幻の平和Ⅱ分岐 > 宿舎 > 場所:マホロ (……ベルグラード、セーフハウス。 [注:人形の人形らしさをしこたま摂取できる回]) ルイス: 鉄血は……まぁまぁかな。軍のは……あー、ダメ、目も当てられない。うーん……やっぱり白い勢力が一番可愛いよねぇ。なのになんで一番厄介なのが、よりにもよって白い勢力なのさ!? P22: この状況でそれだけ文句が言えるのは、もはや才能ね。 ルイス: しょうがないじゃん!キレイなものに銃を向けるのって、すっごく心が痛むんだから!鉄血のエリートとかさぁ……で、今度はこれだよ……もぅやんなっちゃう…… P22: そんなに落ち込むこと?ターゲットが綺麗なままなら、醜くなるのはあなたよ。恨むなら、こんな可愛い子たちを作戦に投入した人間を恨むのね。 ルイス: 人間も人形も、きちんと話し合えばいいと思うんだけどなぁ…… お互いを思いやる気持ちがあれば、こんな面倒なことにならずに済んだのに! P22: 面倒って…… まさか敵があなたみたいに単純だと思ってる? ルイス: だって―― X95: おふたりとも、休憩をとらなくて本当に大丈夫ですか?数日はこの状況が続きますよ。 P22: 仕方ないでしょ、X95。こちらのお嬢さん、まだ世界の法則をご存知ないようだから。 (……P22はソファーで大きく背伸びをした。) ルイス: ふんだ!悪かったわね、どうせあたしはお子様ですよーだ!良くないってわかってて、それでも戦いたがるなんて、どう考えてもおかしいもん!それも、あんなに綺麗な顔の人形たちと…… X95: その…… ルイス……人は争いたくて争っているわけではないんですよ。ほとんどの場合、そうするしかないからです。もし戦争をすることで、宿敵同士がきちんと話し合うことができるなら、とても意義のあることだとは思いませんか? ルイス: でも戦争のせいで、たくいさんの人が辛い思いをするよ。それでも戦う価値があるっていうの? P22: だから人形に肩代わりさせてるんでしょ。その論理でいくと、自分が自分であることを喜ぶべきなんじゃない?世間知らずのお嬢さん。 X95: P22さん……そこまで言わなくても…… ルイス: それって結局、自分の手を汚したくないから、あたしたちに押し付けてるだけじゃん!ぜんぜん解決になってないんだけど。 X95: 世の中は得てしてそういうものですよ。もしかしたら、解決なんて出来っこないのかもしれません。わたしたちにそれを託すのは、自分たちには直接関係のない問題を、人間が抱えすぎているからなんだと思います。 ルイス: 関係ないんだったら、ほっとけばいいのに…… X95: 歴史に遺された問題は……そう簡単には捨てられません。人類が進歩し続けてきた対価ともいえるものですからね。あまりにも多くの方が、別の誰かへの憎しみを背負って生まれてきています。盲目的な憎しみが……結果として争いを引き起こすのです。 ルイス: みんながみんな盲目なの?違うでしょ?リーダーなら……っていうか、少しでもまともな人間なら、おかしいって気づくよね?それならどうして争いを止めようとしないのさ? P22: フフフ、止めるどころか、一部のずる賢い人間によって、もっともらしい名が授けられてるわよ。最近ではそういうのを「民族主義」って呼ぶらしいわ。 X95: 皮肉なことに、頭に血が上った人々を正気に戻せるのは、結局のところ戦争だけなんです。……「戦争がかくも悲惨で大いに結構。でないと我々は戦争を愛してしまうだろうから。」 [注:どちらからの引用?] ルイス: …… はぁ……世界中の憎しみを消せるボタンがあったらいいのに…… そうすれば、もっと無駄を省けるのにね。 P22: 誰もがそれを欲しがってるとは限らないわよ。鉄血と仲良くしたいと思う? ルイス: 何故かはわからないけど、鉄血のエリートって、あんまり悪いヤツに見えないんだよね。あんなふうになっちゃったのも、きっとなにか理由があるんだよ。 P22: その見方に、どれだけの人が賛同するかしら?私たちの仲間をさんざん踏みにじってきた鉄血工造が、悪人じゃないなんてね。 ルイス: そんなのあたしに聞かないでよ!あたしはただの人形で、誰にやられようがIOPに直してもらうだけなんだから。うぅ……頭が痛くなってきた…… なんでこんな話してるんだろ…… P22: ほらね、人形は人形らしく任務をこなしていればいいのよ。難しいことは上層部のお偉方に任せましょ。どうせ私たちは……目的のための道具でしかないんだから。 ### 場所:黒背景 P22: 奴らは利益のためなら、どれだけ世界が傷付こうとかまわない。それと同じことよ。 (……) ### 場所:作戦室 (……セーフハウス上階。) HS2000: 下の方たち、やっと静かになりましたね…… どうして戻って早々、自分とまったく関係のない話なんてしてるんでしょう…… テレビでも点けて早く休憩すればいいのに…… KSVK: 混沌と疑惑に浸されし魂が、攻撃性を帯びるのは至極当然のことだ。猜疑的になるのも無理はない。 HS2000: 何を言ってるのかわかりませんけど…… 静かになったおかげで、テレビの音が聞こえるようになって良かったです。それにしてもこの番組、どれもつまらなすぎじゃないですか?……グリフィンのライブラリも酷かったですけど、その上をゆくなんて、驚きです。 KSVK: 退屈しのぎになるだけ有難いと思え……電子戦要員に選ばれずにすんだことを喜ぶがいい。少しでも気を抜けば、脳を焼かれて終わりだ。 HS2000: わたしたちに脳なんてものはありませんよ……メンタルです、メンタル…… (「突然ですが、緊急天気予報をお送りします。」) HS2000: はぁ、番組すらまともに見れないなんて…… (「都市部全域では、今から48時間以内に、雷を伴う暴風雨に見舞われるでしょう。浄化塔は警戒レベル4を発令する見込みで、州外への交通は一時的に封鎖されます。」 「昨今、コーラップス濃度は上昇傾向にあり、暴風雨により放射能汚染がもたらされる恐れもありますので、住民の皆様は野外活動を控え、屋内で安全に過ごすようにしてください。」 「緊急の場合は、こちらの部署へご連絡ください――」) HS2000: これってどういう意味ですか…… 警戒したほうがいいんでしょうか?もしかして、作戦休止とか? KSVK: 内容からして現地の住民、即ち……人類に向けた警告だろう。任務には差し支えないはずだ。われらは高度な放射線レベルに耐えうるつくりになっている。それがここへと派遣された理由なのだからな。 HS2000: それってつまり、また白い勢力の人形を探しに行かないとダメってことですか…… うぅぅ……こんな日に外に出るなんてイヤです…… KSVK: 安息の地から逃れる勇気は、やがて何時の屈強な武器となろう。 HS2000: 安息の地から逃れたくない時はどうすれば…… はぁ……嫌だなぁ……もっとか弱い素体だったらな。可愛い子ぶってるだけで、お給料がもらえるような…… KSVK: 運命は何時の弱さを憐れみなどせん。そのような腐った願望は、自信の破滅を招くだけだ。 HS2000: 無情ですね…… でも破滅したって直せばいいんですし、こんな最悪な天気でも死なずに済むんですから、人形で良かった気がしてきました。 ### 幻の平和Ⅲ > 場所:司令室 (……殲滅行動を始めてから三日目。……ピッ。) M4 SOPMOD Ⅱ_通信: しきか―――ん!ねー、いつになったら終わるの? 指揮官: 終わるって、何が……? M4 SOPMOD Ⅱ_通信: だってこのところ、ずーっとスキャンして……位置を特定して……敵を燃やして……そたらまたスキャン…… 特定……燃やす……そればっかりなんだもん。敵も弱っちいしさ…… おんなじことの繰り返しじゃ、さすがに退屈だよ。 指揮官: こっちも毎日スクリーンとにらめっこで、眼が痛くてしかたないよ。君のいる44番地区はもうすぐ終わりそうだよ、ROと手分けして…… M4 SOPMOD Ⅱ_通信: ROだって、もうクタクタだよ!さっきも「44番が終わったって、どうせ54と64が待ってるんでしょ」って、ROが…… あ!ちょっと、引っぱんないでよ、RO! RO635_通信: そ、そんなこと、ひとっことも言ってませんから! 指揮官: まぁまぁ、落ち着いて。Kの情報によれば、潜伏していた敵はほぼ掃討し終えたみたいだから。あとは奴の連絡を待っ…… (……ピッ。) 指揮官: そら来た。RO、SOPⅡ、セーフハウスに戻っていいよ。 RO635_通信: 終わった……?えっ、本当に終わったんですか? (……) K_通信: オレの予想よりも8時間早かったな。 指揮官: もう任務を達成したのか?各小隊からの報告は、まだみたいだけど。 K_通信: 保安局のエージェント部隊からの報告だ。お前たちに渡す情報は全て裏が取れている。安心して受け取るといい。 (……) 指揮官: ここまで正確に把握できるんだったら、そのエージェントとやらに掃討をお願いしたらどうなんだ。 K_通信: 前にも言ったはずだ。彼らは偵察を担当し、お前らは殲滅と担当する。これがルールだ。 指揮官: そのエージェント部隊が、あなたの言う代替プランか? K_通信: 代替プランのひとつだ。 指揮官: それはそれは、耳寄りな情報をどうも。そんなことより、アンジェの状況はどうなってる? K_通信: そう急がずとも、彼女とはすぐ会えるさ。オレからの連絡を待て。 (……通信終了。) 指揮官: …… カリーナ: 指揮官さま!最新情報です!残りの4部隊から、白い勢力の殲滅が完了したとの報告がありました!これでもう、この一帯は安全ですよ! 指揮官: うん、Kにも聞いたよ。 カリーナ: えっ……知ってたんですか……? 指揮官: 各小隊に帰還して休息をとるよう伝えて。それと、待機中の予備部隊を監視に回してくれるかな。気を抜かないで、まだ何が起こるかわかったものじゃないからね。 カリーナ: 了解しましたぁ――! (……カリーナは立ち去った。) 指揮官: (終わった……のか?) (結局、白い勢力は一度も抵抗するそぶりを見せなかった……ROに捜索範囲を広げさせてみたけど、これといった収穫はなし……奴ら、本当に何の手も打たなかったのか?) (……私は白い勢力の痕跡をさらうべく、目の前にある何十という監視カメラの映像に視線をすべらせた。だがそれは不可能に近い。ベルグラードの街は安寧そのものだ。街中は車が流れ、幸せそうな表情の人たちであふれている。 [注:石油産業、生きてる。] 私服警官の数ならいざしらず、誰が白い勢力の人形なのか、私には皆目見当がつかない。……そんなことを考えていると、ふいに、見覚えのある人形が喧騒の中に現れた。) 指揮官: あれは…… ### 場所:黒背景_ニモゲン (……私のよく知るその少女は、顔を上げ、レンズに向かってわずかに微笑んだ。……そして往来の人混みへと姿を消した。) 指揮官: ネイ…… ### 場所:司令室 (……あの表情。全てを掌握したかのような笑い。私たちの作戦は全て筒抜けだったのか?やはりそうなのか?あの人形たちは単なるカモフラージュで、私たちは真の脅威に気づいてすらいなかった?いや、ありえない。もしそうなら、Kと保安局が反応しないわけがない。今のは目の錯覚か?果たしてそんなことが?私は、背筋が根元からきしきしと凍りついてゆくのを感じた。) ### 場所:黒背景 (……ピッ。) K_通信: アンジェの情報を出し渋っていることに、お前が不満を感じているのはわかっている。だが、彼女もこれまでこの件のために多くのものを費やしてきた。オレたちはその努力を無駄にするわけにはいかない。次の、そして最後の任務を言い渡す。これこそが、グリフィンを選んだ本当の理由だ。手はずは整っている。全てを終えた時、お前は晴れてアンジェと対面できる。 ### 場所:司令室 (……) 指揮官: 保安局は、私たちに何をさせようとしている? K_通信: お前たち民間軍事会社にとって、これほど適した任務もそうあるまい。 指揮官: 前菜が片づいたってことは、お次はメインディッシュか。平和会議の保安任務に就いて欲しいんだろう、違うか? K_通信: もうお見通しか、指揮官。だが図に乗るなよ、お前たちは所詮、バックアップに過ぎないのだからな。 [注:どうした急に] 指揮官: なるほど。それで、保安局は我が国の大使を、私たちにどう守ってもらいたいんだ? K_通信: 我が国の大使?図に乗るなと言っただろう、聞こえなかったのか?お前たち程度で大使の護衛とは、勘違いにも程がある。今回のクライアントの資料は……これだ。 (……ピッ。) 指揮官: …… ちょっと待て、この人は…… K_通信: 我らの大使に関しては心配無用だ。そして彼女こそが……グリフィンのエスコートを必要としてる人物さ。 ### 幻の平和Ⅳ > 場所:黒背景 (…… ……会議当日。 [注:通常11-6で「会談は3日後」と語られた同日にKと初対面し、その翌日からパラデウス殲滅を開始。殲滅を開始して三日目に殲滅任務が終了しているので、「会議当日」と「殲滅行動を始めてから三日目」は同日でないと辻褄が合わない] 早朝0600。) ### 場所:セルビア国会議事堂 警備員: 次の方、身分証を。 (……) 警備員: 記者の方は、こちらの通路からどうぞ。 (…… ……何重にも張られたフェンスとバリケードのすき間を、私は通り抜けていった。……牢固な装備に身を包んだ警官と憲兵を横目に、議事堂の階段へと足をかける。「ロクサットの犬など必要ない!」「ベルグラードから出ていけ!権威主義の人殺しども!」議事堂の前で抗議を繰り広げる民衆の頭上に、さまざまなスローガンが映し出されている。 [注:朝6時からやってんのか……] デモ隊とベルグラードの武装警官とのにらみ合いは、開会を待たずして既に始まっていた。) 指揮官: 最悪の天気に、最悪の民衆……最悪の一日にふさわしい幕開けだ。 [注:すげぇ悪っぽい台詞!] (乱層雲におおわれた空が、嵐の到来を物語っていた。浄化塔がきちんと機能するといいのだが。……背後の騒々しさを一瞥すると、私は議事堂へと入って行った。) ### 場所:廊下 カリーナ_レポーター: 指揮官さま!ここです! 指揮官: 他のみんなは? カリーナ_レポーター: 潜入部隊は既にKさんの用意した偽造IDで会場入りしています。ROさんとSOPⅡさんはその他のメンバーと共に、指示通り議事堂周辺の監視拠点にて待機中です。 指揮官: ここでは誰が聞いているかわからない。白い勢力は「潜在的脅威」と呼称しよう。 カリーナ_レポーター: 了解です。総員、Kさんの指定したポイントに到達完了、いつでも動けます。建物内は見たところ安全のようですね、外はかなり騒がしいみたいですけど…… 指揮官: 大丈夫。会議が始まれば、憲兵がデモ隊を追っ払うだろうから。私たちは内部に「潜在的脅威」が潜んでいないか、監視するだけでいいんだ。 カリーナ_レポーター: でも憲兵が動くとなると、衝突は免れませんよね…… 混乱に乗じて、敵が攻撃してこないか心配で…… 指揮官: ここの憲兵はかなり優秀みたいだから、心配いらないよ。もし何か騒動が起こったとしても、監視組に対処させればいい。各小隊長には警戒を怠らないよう伝えて。それから、挙動にはくれぐれも注意して、決して周囲に悟られないようにね。 (…… ……早朝0700。……時間が経つにつれ、議事堂内は徐々に人で満たされていった。) カリーナ_レポーター: 指揮官さま、入り口のほうを見てください。なにかあったみたいです…… (……視線の先では、議事堂の警備兵が、とある団体の所持品をチェックしている。来場者は不当な扱いに不満を隠せないようだった。) 警備兵: 議事堂内への武器の持ち込みは禁止されている!武器を出せ、さもなくば、とっとと立ち去れ! エージェント: この通行証が見えないのか?レベルAは武装解除の対象外だと、規約にはっきりと書いてあるぞ! 警備兵: そんな規約など知るか、命令は命令だ! カリーナ_レポーター: どうしたんでしょう……やけに厳しくなってますね。まさか、内部で何かあったんじゃ…… 指揮官: いや……あれはただ、警備兵の保安局エージェントに対する面当てだよ。 [注:あとで処罰されるやつじゃん。やる意味ある?] カリーナ_レポーター: 私がおかしいんですかね?どちらも会議の安全を守るのが目的なんだと思ってましたけど。もうすぐ開会って時に、まだ揉めていて大丈夫なのでしょうか…… 指揮官: ここの主人は一部の客が気に入らないんだろうね。これまでのことを考えれば、仕方ないさ。 カリーナ_レポーター: それって……あの酷い歴史のせいで、こうなったってことですか……?この平和会議……本当に「平和」に終わるんでしょうか…… 指揮官: それはわからない。保安局の奴ら、あまり余計なことに気をとられないといいけど。ホールの様子がなんだかおかしい。 カリーナ_レポーター: え? 指揮官: X95、聞こえてる? X95_通信: 命令をどうぞ、指揮官様。 指揮官: 情況はどう? X95_通信: 何も問題ありません。サービス用人形のふりは、いささか苦痛ですが…… 指揮官: つらいだろうけど、辛抱して。ホール内の通路は全部確認できたかい? X95_通信: はい、通路とルートの詳細はすでにそちらにお送りしています。警備員のいる一般の通路を除き、非常口のhとんどが封鎖されています。その内の半分は金属製防火扉で、おそらく800グラム以下の爆薬ではびくともしないでしょう。安全に配慮してのことでしょうけれど、内部で問題が起こった場合には、避難の遅れが予想されます。 指揮官: わかった、任務を続けて。 X95_通信: 承知しました。 指揮官: 出口が封鎖されてるうえに、警備の配置も偏っている。警備員の数が少なすぎるし、そのほとんどがセキュリティ検査に当たっているのはなぜなんだ。それに、保安局のエージェントも見当たらない。 カリーナ_レポーター: 一時的に、別の任務に就いてるだけなんじゃないですか?そのうち戻ってきますって。非常口を封鎖したのも、外部からの侵入を防ぐためだろうし……指揮官さまの考えすぎじゃないですか? 指揮官: どうだろうね。でも今の状況は明らかに不合理だよ。 カリーナ_レポーター: じゃあ……Kさんにこのことを報告しておいたほうが…… 指揮官: ……奴が気づかないわけないさ。Kがどう思うかは知らないけど、こちらはこちらで最悪の事態に備えておかないとね。X95、今いるエリアをルイスの小隊に任せて、下の階へと向かってくれるかい。状況に即座に対応できるよう、準備を頼むよ。 X95_通信: はい、承知いたしました。 ルイス_通信: 指揮官、国連の車両が到着したよ。VIPがホールに向かってる。 指揮官: 人員を報告できる? ルイス_通信: ギルダ・ウルリッヒ汎ヨーロッパ連盟執行委員会主席に間違いないはず……資料を確認するね。2029年、西ドイツで出生。52年に辺境のクリスマスのマーケットで起こった暴動事件において重要な役割を果たし、民衆とソ連軍間の衝突を未然に防いだ。ギルダは執行委員会の数少ない女性メンバーでありながら、熟達した手際とその業務効率の高さで、上司及び同僚の絶対的な信頼を獲得。63年、当時の執行委員会主席であったウェルドン・クルツが心臓病により退任せざるを得なくなると、理事会の総意のもとに、この聡明かつ優秀な委員が首席代理という重役を引き受けることとなった。ギルダ・ウルリッヒはわずか34歳という若さで、欧州全域の経済機構と自由度の高い再建方案を担うという、女性官僚としては稀に見る快挙を成し遂げている。すごい、こんなに若いのに主席だなんて……「K」さんの資料とおんなじだ……かなりちゃんとした人なんだね。あ……外のデモ隊が暴れ始めたよ。憲兵のバリケードを破ろうとしてるみたい…… カリーナ_レポーター: ついに……始まりましたね…… 指揮官: これを機に、潜在的脅威が動き出すかもしれない。総員、警戒態勢。各小隊、報告を。 ルイス_通信: 指揮官!こちらルイス!フードを被った人が、手に爆弾みたいなのを持ってるよ!えっと、撃ってもいいのかな?あっ、ダメだ!もうバリケードに近づいちゃってる!このひ―――― (ドォン!巨大な爆発音が轟いた!) 指揮官: どうした!?なにがあったんだ!? カリーナ_レポーター: 指揮官さま――いたっ、すごいノイズ…… 通信妨害ですよこれ! 指揮官: 情報規制が始まったんだ。確かに今の状況を全世界に報道されたら困る。非常用通信に切り替えよう、Kの用意したツェナー専用の内部通信を使う時が来た。 カリーナ_レポーター: もう始めてます。今、予備の通信に……できた!各小隊との通信、回復しました!各小隊に次ぐ、外部で爆発発声!議事堂前にて人間爆弾が爆発した模様!死傷状況は不明! P22_通信: 指揮官!潜在的脅威の信号を数ブロック先の車両から探知しました。現在、高速で議事堂方面へと疾走中。待ってください……あちこちから車両が集まってきています!現在確認できているだけでも9両、予想到達時間は約3分! 指揮官: やっぱり、そう簡単にはいかないか。 K_通信: 指揮官。 指揮官: 連絡が来る頃だと思ってたよ。外のターゲットは捕捉している、殲滅するかい? K_通信: 議事堂裏の3ブロックがお前たちの管轄だ。それ以外は保安局のエージェント小隊が対処する。 指揮官: あくまでも保安局の手柄にしたいってわけだね。 K_通信: そしてお前たちは欲しいものを手に入れる。特に問題はないのだろう?では、始めようか。 ### 場所:黒背景 RO635_通信: ついに始まったの?白い勢力が…… M4 SOPMOD Ⅱ_MOD_通信: あいつらが何を企んでいようと、片っ端からぶっ壊しちゃえばいいんだよ!グフフフフ……タイクツな任務で溜まりに溜まったウップンを晴らす時が来たぁ! カリーナ_レポーター: 指揮官さま!憲兵がバリケードを立て直し、デモ隊に向けて発砲を開始! 指揮官: 平和会議が虐殺で始まるとはね……これ以上の皮肉はないよ…… RO635_通信: 次はどうします?指揮官。 指揮官: Kの指定した地区を封鎖して、敵を殲滅する。各小隊に次ぐ、デモ隊は我々の敵ではない、民間人を傷つけないように。 ### 場所:セルビア国会議事堂 (……) RO635: はぁぁ…… 小火器で車両を足止めするのって、こんなに難しかったの!? M4 SOPMOD Ⅱ: そぉ?そんな感じしなかったけどな。 RO635: それはあんたが榴弾持ちだからでしょ!あぁ、重装部隊に来てもらえたらどんなに楽か…… M4 SOPMOD Ⅱ: えー、そんなのつまんないよぉ。あ、そうだ!わたしの榴弾、ROにも争点できるようにしてあげようか? RO635: うーん……遠慮しとく。それにしても、管轄が3ブロックだけで良かったわ。保安局のエージェントもなんとか役に立ちそうだし…… M4 SOPMOD Ⅱ: あははは、わたしは4ブロックでも足りないぐらいだよ!ずっと我慢し通しだったんだもん、もっとおっきなBOOOM!が欲しいよ~ RO635: はぁ……もうツッコむ気力もないわ…… …… ん?やけに静かになったわね……まさか、もう終わり? カリーナ_レポーター_通信: ROさん、外の様子はどうです? RO635: こちらRO、各小隊に確認してみます…… はい、各小隊から、潜在的脅威の全信号が消失したとの確認がとれました。 カリーナ_レポーター_通信: お疲れさまでした~ 監視組によれば、議事堂正面も憲兵によって無事鎮圧されたそうです。デモ隊も散り散りですし、もう大丈夫そうですね。 RO635: はぁ……本当にこれで終わりならいいんだけど。 M4 SOPMOD Ⅱ: え……さっきのが最後だったの……?えーン、なんでよぉ……やっと調子が出てきたとこなのにぃ…… ### 場所:街中_マクドナルド (……離れた場所にて。) ???: クスクスクス……物足りなさそうね? [注:ニモゲン] 焦らなくていいのよ、わたしの可愛いお人形さん。なにしろあなたたちは、舞踏会のエントランスにすらたどり着いていないんだもの。それにしても、こういう野蛮なやり方は無意味だって、言ったはずじゃなかった?まったく、人の話なんて全然聞かないんだから。愚かだわ。愚かな人たちには、愚かな死に様がピッタリよ。クスクスクス、外の愚か者は死んじゃったみたいね。さて、中はどうかしら?楽しみでしかたないわ。 (……) ### 場所:廊下 ウルリッヒ主席: 「過去の傷痕は、私たちの犯した過ちを思い起こさせます。これまでの苦難に感謝を捧げるわけにはいきません、ですが、それを否定することも出来ないのです。」 (……記者によるカメラのシャッター音が鳴り響く中、数多くのメディアが、記者会見の様子を全世界へと配信していた。) カリーナ_レポーター: どれどれ、テレビの方は、っと…… 「……汎ヨーロッパ再建互助委員会執行委員会のウルリッヒ主席と、駐ヨーロッパ新ソ連大使のロシチン代表による連合会談が、予定通り開催されました。ウルリッヒ主席は、国連がヨーロッパ再建に対して非常に意欲的であると述べ、新ソ連大使に汎ヨーロッパ再建互助委員会が善意をもたらす存在であることを伝えました……」 そういえば、本来はウルリッヒ主席じゃなくて、誰か別の人が訪問するはずだったような…… [注:ミルコ・ミロシェヴィッチ] 指揮官: 破壊活動や暗殺を防ぐために、直前で偏向をかけるのはよくあることだよ。 カリーナ_レポーター: なるほど…… さっきの動乱については、本当に一切触れられてないんですね…… あんなに大きな爆発があったのに、誰も気にとめてないみたい。外と中じゃ、完全に別世界なんですね…… 指揮官: どれだけの血が流れようと、上の人間は、彼らの望む光景だけを世界に見せたがるものなのさ。これで会議が順調に終わるんなら、それで十分だよ。余計なことは考えないようにしよう。…… (外の敵はなんとかなったが……本当にこれで終わりなのか?……議事堂内の妙な違和感は一体……考えすぎか?) ウルリッヒ主席: 「嵐がなければ、晴天の尊さは知り得ない。平和はいつの時代においても、そう簡単に手に入るものではありません。それに気づかないことには、世界に真の平和が訪れることはないでしょう――」 指揮官: ……スピーチはいたって普通だな…… X95_通信: 指揮官様。 指揮官: ん……? X95_通信: こちらをお聞きください。 (「外の奴らが次々とやられてる、計画は失敗だ!」 「ふざけるな!仲間の犠牲を無駄にする気か!続けるんだ、たとえ俺たちだけでもな!」) 指揮官: これは……? X95_通信: ご命令通りに指向性マイクを設置したポイントの一つから、30秒前に録れたものです。非常に弱い周波ですが、封鎖されたメインホールの方から聞こえています。つまり、指揮官様がいらっしゃるエリアからです。わたしはメインホールへは立ち入ることができず、音源の位置を精確に特定できません。 指揮官: わかった、できるだけ位置を絞り込んで。念のため潜入小隊は戦闘準備を。 X95_通信: 承知しました。 (…… ……ホール内の警備兵の数が、いつの間にか増えていることに私は気づいた。セキュリティ検査エリアで、警備兵が何やら話し込んでいるかと思うと、ふいにエントランスの扉が閉まった。それに合わせて、演説部隊横の警備兵たちが、ぞろぞろと集まり始める。) ウルリッヒ主席: ロクサットはかつて私たちにこう告げました。人の運命は決して孤独ではないと。団体の運命は、人間ひとりひとりの運命によって紡がれるものであると。しかし、不要な猜疑と対立によって、私たちの団体は引き裂かれ、四散し、さらには戦争により、我々の国家までもが廃墟と化してしまった。これまで、人々は国家のために命をささげてきました。しかし、こんな無意味な犠牲は、今すぐにでも止めるべきです!犠牲とは、責任を背負う人間によって捧げられるはずのもの。そしてこの会談こそが、大いなる責任を背負った大国同士がコンセンサスに達する、歴史的瞬間となるのです。真摯に助け合い、信頼を築き、再び手を取り合ってこそ、犠牲がもたらす悲しみを溶かすことができると、私は信じています! (部隊下から、雷鳴のような拍手が沸き起こった。ウルリッヒ主席は観衆にうやうやしくお辞儀をして、次にロシチン大使に会釈すると、舞台袖の階段に足をかけようとした。) 警備兵: ウルリッヒ主席、そのまま動かないでください。 ウルリッヒ主席: なにかったのですか? (……パンッ!……ホール内を鋭い銃声が駆け抜けた。警備兵が天井に向けて発砲したのだ。突然のことに、その場にいた全員が身を強張らせる。) 警備兵: ああ、そうだ、なぜならここからがメインイベントだからな!我々の怒りの業火は、決して静まることはない!今日この日こそ、貴様らの虚言を白日のもとに引きずり出してやる! (議事堂の扉は硬く閉じられ、十数名の警備兵の持つ黒々とした銃口が、その場にいる全員に向けられていた。私、カリーナ、記者たち、そして……壇上に立つ大使までもが。) ### 幻の平和Ⅴ > 場所:黒背景 X95_通信: 指揮官様、銃声を確認しました。こちらは門前で待機中、いつでも動けます。指揮官様? 指揮官: …… (潜入小隊が突入したところで、反逆者を数人動けなくするのが関の山だ、大使の身が危険なことに変わりはない。犠牲を出さずに敵を殲滅することなど不可能だ…… くそっ、状況はまずくなる一方だぞ!Kはなにをやってるんだ!……) ### 場所:廊下 (ベルグラード議事堂、メインホール。) 反逆者: 主席殿、実に感動的なスピーチだったよ、感動しすぎて今にも吐きそうだぜ! ウルリッヒ主席: …… 反逆者: 助け合いだ?信頼だ?そういや犠牲がどうとか話してたな!?いいか、外にいた俺たちの兄弟、俺たちの同胞は虐殺されたんだ!ついさっきな!あいつらは不当な扱いを訴えていただけなんだ!それが今、揃いも揃って血の海に浸かってやがる! [注:そら暴力に訴えたらねぇ] ウルリッヒ主席: あなたたちは一体!? 反逆者: 俺たちは穢れを浄化せし者、パラデウス(Paradeus)の忠実かつ強大なるしもべだ。 [注:初パラデウス!] お前らのような大嘘つきの罪人どもを処刑するためにやってきたのさ! [注:でもまだ指揮官的には「白い勢力=パラデウス」の図式にはならないか。] 口では民間人のためだとか言っておきながら、そいつらを壁の外に追いやっているのはどこの誰だ、え!?民間人は分裂しちゃならない、これはお前の言葉だよな?それなら壊してやろうじゃねぇか、俺たちを隔てるこの壁を! 指揮官: 落ちつけ……チャンスを伺うんだ…… (周囲を見ると、自分と同じ考えの人間が、少なからずいるようだった。反逆者が首席を演台へと荒々しく押し付けた。) 反逆者: 言ったよな?犠牲は責任を持つ人間が担うってよ!それならお前から地獄に落ちるってのはどうだ?俺たちの偉大なる革命に相応しい幕開けだぜ! (反逆者は主席の頭部に銃口を当てた。) ウルリッヒ主席: 銃口を向けられるのは、これが初めてではありません。ロクサット主義に身を捧げたその時から、覚悟は決まっています。私を撃ったところで、何が変わるというのです?衝突はより多くの人を傷つけるだけ、国家の再建が遠のくだけだというのに! 反逆者: それはお前たちの国家だ、俺たちのじゃない! ウルリッヒ主席: いいえ、これは全ての人たちの故郷よ、なぜそれがわからないの!? 反逆者: 黙れ女!地獄へ落ちろ! 指揮官: まずい――!X95、すぐに―― K_通信: もう我慢の限界か?指揮官。 指揮官: なんだと!? (…… ……パン!パン!パン!) 反逆者: …… おま……え…… (……反逆者の眉間に開いた風穴から、鮮血がとうとうと溢れ出す。背後に立つロシチン大使の手には、一丁の拳銃が握られていた。他の反逆者が反応できずにいると、監視されていたはずの記者たちの懐から、次々と拳銃が取り出された。) 指揮官: ……なるほどね。カリーナ、伏せて! (……次の瞬間、メインホールのあちこちから銃声が響いた。) X95_通信: 指揮官様?カリーナさん?交戦開始ですか!? カリーナ_レポーター: ち、違います!違うんです! (……) 指揮官: ……終わったみたいだね。 (反乱を起こした警備兵たちは、武装した記者たちの手によって、瞬く間に撃ち殺された。やがて記者席の面々が立ち上がり、警備兵の死体を確認し始める。その全員が武器を携えているようだった。) エージェントA: オールクリア。敵の状態を確認する。 エージェントB: 了解、第三チームは俺と来い。 指揮官: まったく……なんてことだ…… これが君たちの筋書きなのか、K。 K_通信: だから言っただろう、お前たちは単なるバックアップに過ぎないと。 指揮官: 本物の記者なんて、最初からいなかったのでは? K_通信: 本物の記者には、刺激が強過ぎるからな。 (壇上では、大使がウルリッヒ主席をなぐさめている。) ロシチン大使: 大変申し訳なかった、ウルリッヒ主席、驚かせてしまったな。 ウルリッヒ主席: い、いえ……いいんです……誰もお怪我がなければ…… 指揮官: さっきの一幕は、全てカメラがとらえていた。おおかた明日の一面は「平和会談でテロ、二国が団結し陰謀を阻止」ってところかな。見事だったよ。確かにこれだけのトップニュースがあれば、会談がどうなったかなんて、誰も気にしないだろうさ。 K_通信: お前は指揮官なんかよりも、どこかの新聞記者にでもなった方がいいかもしれないな。 指揮官: フン……どうりでこっちの意見に耳を傾けないわけだ。真の敵が会場に潜んでいると、最初から知っていたんだろう。 K_通信: ベルグラード当局が反乱分子の名簿を差し出したのさ。残党も既に局のエージェントが処理し終えてる。非常口を封鎖したせいで、逆に自分たちの退路を断ってしまうとは、愚か極まりない。実に笑える話だ。 指揮官: 私たちは脇役も脇役だったってわけか。まぁ、それは水に流そう。それよりも……警備兵が話していた「パラデウス」というのが気になる。 K_通信: それについては調査済だ。辺境のイエローゾーンに関する報告書から、同じ記述が見つかっている。とある邪教まがいの組織の名だそうだ。オレの予想が正しければ、「パラデウス」というのが白い勢力の正式名称で間違いないだろう。 指揮官: パラデウス……こいつらは本気で、神が助けてくれると信じてるのか。……いや、そんなことよりも、やっと「白い勢力」なんて面倒な呼び方をしなくて済む方が、今はありがたいね。 [注:ここで「白い勢力=パラデウス」の認識ができあがる] K_通信: 死んだ奴らの呼び名など、どうでもいいと思うがな。 ### 場所:黒背景 (……) ???: そうよ、死んでしまったら何の意味もないもの。そんな単純なこともわからない人間がいるのね…… クスクスクス…… 中も外もおんなじだわ、救いようのない馬鹿ばっかり。はぁ……痴れ者だってわかってはいたけど、まさかここまで恥知らずだったなんて。お父様は馬鹿をしもべになんかしないわ、お父様には、私さえいればいいんだから。クスクスクス…… でもいいの。おかげで隠れていたネズミを探す手間がはぶけたし。ウォーミングアップはこれでおしまい。さぁ、準備はいいかしら? ### 場所:廊下 (……) 指揮官: これで任務達成だな。アンジェにはいつ会えるんだ? K_通信: 約束は守るさ。まずは人形を撤収させろ、今から―― (急に足元が大きく揺れ出した。) カリーナ_レポーター: じ……自身……? K_通信: どうし……なんだと!? (Kが慌ただしく通信を切った。……ピッ。) ルイス_通信: 指揮官!遠くでものすごい爆発が起こったみたい、そこから見える!?なんか、かなりやばそうだよ…… カリーナ_レポーター: ものすごい爆発? RO635_通信: 指揮官!小隊が襲撃を受けました!白い勢力です!これまでの敵とは桁違いです!SOPⅡ、はやく屈んで! カリーナ_レポーター: いったい何が起きてるんです!? RO635_通信: 奇襲です!既に半分以上の戦力を喪失!ここはもう持ちません、撤退命令を! 指揮官: 撤退を許可する!だが議事堂前で踏みとどまるんだ、敵とみなして憲兵が攻撃してくるかもしれない! RO635_通信: 了解です、安全距離を保ちます! カリーナ_レポーター: Kさんは任務完了だと……一体どうして…… 指揮官: 「パラデウス」はそう思っていないみたいだね。あの時見たのは……やっぱりネイトだったんだ……見間違いなんかじゃなかった。くっ、建物が頑丈なのは不幸中の幸いか……それに保安局のエージェントや憲兵もいる…… おい、K!応答しろ!聞こえないフリはもういい! K_通信: 状況が変わった、任務続行だ。VIPの安全を確保しろ。 指揮官: 外の小隊が襲撃を受けた!ここへ撤退させて、少しでも防御にまわさなければ! K_通信: チッ……お前たちもか?外にいるエージェント部隊の2/3との通信が途絶えた、それもいきなりだ。 指揮官: ザコの居場所を突き止めた時に、目をつけられたのかもしれない。こちらもひどいありさまだよ、人形たちの友軍識別信号を今すぐ書き換えてくれ! K_通信: すぐに取りかかる。お前はVIPを死守しろ、わかったな。 (……ホール内のエージェントたちも同様の命令を受信したらしく、即座に行動を展開し始めた。彼らは真っ先に大使と主席の安全を確保すると、議事堂の防衛に移った。) KSVK_通信: 指揮官、ELIDを目撃した。逃げ惑う民衆に手あたり次第襲いかかっている。指示を頼む。 カリーナ_レポーター: ELID?それって、汚染地域にいたあの化け物ですか?どうして街中に? KSVK_通信: 浄化塔の砲口から爆発音を確認、防壁が破壊された可能性があるな。攻撃部隊は既に退避し、我々の拠点は孤立状態にある。監視を続けるか? 指揮官: 拠点はあきらめて。議事堂方向へ移動しRO小隊と合流するんだ。感染者はこちらに押し寄せているわけじゃないから、まだ猶予はあるはず。議事堂周辺は憲兵の重点防衛地区だ、こっちは人手に余裕がある、敵もそうやすやすとは…… (……ドンッドンッ。) 指揮官: なんだ?随分と不満そうな顔だな。 (……ドンッドンッ。コンクリートの壁に、突如として出現した巨大な弾痕。そこから放たれた弾丸が、何層もの壁を瞬時に突き破っていく。) 指揮官: 30mm徹甲弾……! エージェント: 全員伏せろ! ロシチン大使: ウルリッヒ主席の安全を確保するんだ!こちらへ! ウルリッヒ主席: はい――きゃあああああ!! (徹甲弾がロシチン大使の体に命中し、その身をまっぷたつに引き裂いた。大使の遺体が激突した衝撃で、ウルリッヒ主席は意識を失った。……外部からの狙撃により、ホール内のエージェントたちが、次から次へと倒れてゆく。) 指揮官: カリーナ!私から離れないで!K!保安局のエージェントは全滅だ! K_通信: わかってる。 (……ドォン!……遮蔽物に隠れていたエージェントが、大口径の砲弾により命を落とした。) 指揮官: 徹甲弾で生きている人間を狙うなんて……あまりにも酷すぎる……! [注:IWS2000「えっ」] K_通信: 議事堂に内通者が紛れている。身分の割れている者だけじゃない、待機中の部隊もやられた。何者かが合図を送っているに違いない。 指揮官: 人数が多すぎる!さっさとその名簿から裏切り者を割り出せ! K_通信: ……それは無理だ。議事堂はもはや安全な場所ではなくなった。なんとかして狙撃合図を阻止しろ。VIPを連れてそこから離れるんだ。 指揮官: これも保安局の想定内か? K_通信: チッ……こんなはずじゃなかった。 (……通信終了。) 指揮官: X95小隊!地下室への通路を確保!ルイシ!煙突を使うから監視拠点から離れて、VIPを地下道にお連れするんだ!両チームは合流後、VIPの護衛小隊として動くこと、分かったね! X95_通信: 承知しました! KSVK_通信: 承知した。 指揮官: 各小隊に次ぐ、VIPがホールから離脱する。RO、SOPⅡ、怪我はない? RO635_通信: 現在、怪我人の救助に当たっています!敵は人間を優先的に攻撃している模様、前線は既に崩壊し、憲兵と警官の部隊は退却中!指揮官、次はどうすれば? 指揮官: これから地下道へと向かう、だけどその前に避難経路を確保しておかないといけない。こちらはVIPを裏門から送り出すから、門前をなるべくキレイにしておいてくれ。その後は君たちがVIPの護衛を引き継ぐんだ。 RO635_通信: ……了解! M4 SOPMOD Ⅱ_MOD_通信: 指揮官、街の人たちがどんどん逃げてくよ。まさか……ホントにRLIDなの? 指揮官: わからない、でも準備は怠らないで。感染者だろうと「パラデウス」だろうと、道をふさぐ者は全て片付けるんだ。 K_通信: 指揮官、生きてるか? 指揮官: なんとかね。 K_通信: 既に大部分のエージェント小隊を失った。残った者は敵の砲撃陣地の捜索に向かっている。議事堂内の状況もかなり酷い。司令部は応答なし、ロシチン大使は死亡が確認された。 指揮官: 聞くに堪えない…… まだ代替プランがあることを祈るよ。 K_通信: 数ブロック先に境界がある、そこが撤退ポイントだ。強固なつくりで、防衛にも適している。 指揮官: わかった、なんとかしてVIPをそこまでお連れする。敵に関しての情報は? K_通信: 「パラデウス」はすでにベルグラード当局への潜入を果たしている。おそらくだが、こちらが敵の潜伏者を割り出していたのと同時に、ベルグラード当局内部にいる内通者も保安局エージェントの情報を掴んでやつらに流した。さっきまでの騒ぎも全部陽動で、オレたちの警戒を薄れさせるためのものだ。 指揮官: よく平然としていられるな、敬服するよ。 K_通信: そんなわけあるか。これでは今まで順調だったこちらの作戦も、全てやつらの思い通りだったということになる。最初の弱かった敵はわざとこっちに倒させたもので、その次に来る襲撃が本命だと我々に勘違いをさせた。だがその襲撃も本当はフェイクであり、敵の本命はこの三回目の襲撃だった。やつらは最初から、この無差別破壊行動を画策していた…… 指揮官: 奴らの目的は?まさかン純粋に破壊を楽しんでるわけじゃないだろう。 K_通信: 目的はある。だが、そのために街全体を犠牲にするとは思わなかった…… 指揮官: 言えないのか?なら当ててみようか、アンジェの任務と関係してるんだろう? K_通信: 否定はしない。彼女も今、危険の真っ只中にいる。連絡も途絶えたままだ。 [注:結局、アンジェが裏切ったというのはゼリンスキーのフカシだったのか?] どうにかして安全なエリアを確保しなければならない。そうすれば彼女が都心部へ移った際の保険ができる。 指揮官: なんとかしてみよう。重装部隊投入の許可を、誰かさんからもらうことができればね。 K_通信: 使用を許可する。頼んだぞ、指揮官。 ### 猫と鼠Ⅰ > さびれた街並 > 場所:黒背景 (…… 夜、薄暗い路地裏にて。監視カメラの届かない死角に、AR-15は腰を下ろしていた。路地裏の外から差し込む街のネオンが、彼女の瞳を掠めてゆく。背後からの足音を耳にしたときでさえ、彼女は振り向かなかった。その代わりに――) AN-94: 銃を向けられると、反撃せざるを得なくなる。 AR-15_MOD: だったら、私の背後から現れないで。 (AR-15が銃を下げ、立ち上がろうとする傍らで、今度はAN-94が重心を低くする。これが忠誠心からなどではなく、単に次の動作を容易にするためだということを、AR-15はよく知っていた。続いて、AN-94が重たげなバックパックを足元へと降ろした。) AN-94: 装備とバッテリーを持ってきた。長い戦いになりそうだから、アンジェは補給で時間を無駄にするなと。 AR-15_MOD: どうやってここまで? AN-94: 下水道を通ってきた。さっきの任務でAK-12が下水道マップを入手した。隠れるのには最適の場所だけど、マップは完全じゃない。さらにアヤシイジャミング源もいくつか存在するから、実際に使えるルートは3つだけ。 AR-15_MOD: 白いやつらがいるんだから、何もない方が不自然よ。物資を見せて…… 弾薬……これだけあれば十分ね。フィルタモジュール、熱赤外線アナライザー……このバールは? AN-94: AK-12が携帯するようにと。それから、これはあなたの無線。暗号形式は変更してある。 AR-15_MOD: ありがとう……それじゃ、これは? (AR-15はバックパックの底から、一冊の本を取り出した。) AN-94: 「聖書」。 AR-15_MOD: これもAK-12が? AN-94: そう。あなたが必要としていると。 AR-15_MOD: そんなわけ…… ……中身はプリロード型プラグインのチップだったか。 AN-94: ツェナーネットワークに繋がらなくても、必要なシステムの更新はこのチップでまかなえる。 AR-15_MOD: ……それはそれは、感謝してもし切れないくらいだわ。 AN-94: 用意したのはAK-12だから、礼なら彼女に。 AR-15_MOD: AK-12、AK-12って、よほど彼女のことが好きなのね。 AN-94: 好きとは違う…… 私はそういう風に設計されている。彼女に寄り添い、彼女を守る。それが私の存在意義であり、道しるべであり、運命であり……そして拠り所でもある。 [注:MOD話で変わった?要確認。] AR-15_MOD: なんだか気色悪い話ね。 [注:おまいう] AN-94: 記録から見れば、あなたのM4に対するそれも、私と何ら変わりないようだけど。 AR-15_MOD: それはあの忌々しい中枢命令のせいでしょ…… 今の私にとって、M4は何の価値も持たない。あなたのは、まるでそこに書かれてる教徒じみてるわ。病気よ。 AN-94: 聖書を読んだことが? AR-15_MOD: データベースにあるだけね。それと、人類と宗教のと暮らしについても。……人類は神に信仰を捧げ、その運命を救済せんと願う、とね。 AN-94: なら……神を信じる? AR-15_MOD: 人形が神を信じてどうするの?神に縋りたいほど、メンタルが弱ってるんなら話は別だけど。 AN-94: 可能性を提示しただけ。あなたはいつだって、私の質問に答えようとしない。 AR-15_MOD: フン…… もしそうだとしても、私の神はペルシカよ。あなたは……これほど悲惨な運命を課した「神」に私が「信仰」なんて抱くと思う? [注:言われてんぞペルシカ] AN-94: 人形にとって、神は創造主であり、創造主の命令は絶対だ。人類がその神を疑ってはならないように。 AR-15_MOD: 実に味気ない返答ね。 AN-94: だけど、常に運命に捕らわれている人間とは違い、創造主による命令を除けば、人形には何のしがらみもない。だからこそ、我々は“反逆”を名乗ることができる。命令からは逃れられなくとも、自らの意思を選び取る権利はある。AK-12の望みがなんであれ、私はそれに従うことを選んだまで。 [注:多分人間も同じこと言うよ] AR-15_MOD: ……たとえ、死を選べと言われても? AN-94: あなたとは違って、私たちに「死」という概念はない。任務の執行と何者かに対する執着が、私たちの存在意義。 AR-15_MOD: ……もういいわ。この話は無かったことにしましょ。 AN-94: 気に障った? AR-15_MOD: 別に。 AN-94: …… どうやら、気に障ったようだ。 AR-15_MOD: …… なぜアンジェは私たちを組ませたりしたの?会話が弾むわけがないのに。もうお喋りはやめて、任務に集中しましょ。 AN-94: 確かに、今は任務のことが最優先だ。エネルギーパネル充電完了、素体校正器のランプが点灯すれば行動可能だ。 AR-15_MOD: 了解。郊外は私が、あなたは市街地を。別行動でいくわよ。「もし白い奴らに遭遇しても、むやみに交戦してはならない。」 AN-94: 「位置をマークするだけでいい、我々の目的は奴らと『ノード』の関係を探ること。」 AR-15_MOD: 異論は無いわね。残り5秒。3・2・1――行動開始! ### 場所:街中_マクドナルド (…… 都心部。賑やかな商店街をゆっくりと進むAM-94。) AN-94_通信: AR-15、応答せよ。 AR-15_MOD_通信: こちらAR-15、これより信号の密集エリアへと突入予定。そちらの状況は? AN-94_通信: 計画通りサイレントスキャンを実行中。そちらのエリアを除き、新たに出現した身元不明の信号は延べ43箇所。その内の18箇所は白い勢力の波長と一致、残りについては断定不可、重点的にスキャンを行う必要は? AR-15_MOD_通信: ないわ。アンジェによれば、雑魚は別動隊が対処するようだから。こちらの存在を知られるわけにもいかないし。「ノード」の手掛かりに集中して。早いところ攻略価値のあるターゲットをみつけないと。 AN-94_通信: 了解。断定したターゲットを傍受開始。今のところ新たな情報は無し。だけど……妙な点が一つ。鉄血に酷似した信号を発見した。 [注:M16?] AR-15_MOD_通信: 鉄血ですって?どうして鉄血がこんなところに!? AN-94_通信: 断定はできない。信号は一瞬だった。見間違いかと思ったけど……あまりにも似すぎている。十中八九、ここに鉄血人形がいると見て間違いない。 AR-15_MOD_通信: ……鉄血がなぜ、この街に…… まさか、アイツが…… AN-94_通信: AR-15……私たちの今回の目標は鉄血じゃない。任務を最優先に考えるべきだ。 AR-15_MOD_通信: でも…… ……確かにそうね。時間もあまり残されていないし。信号源をマークしておいて、この任務を終えてから考えるわ。 AN-94_通信: 了解、マーク完了。 AR-15_MOD_通信: 鉄血のことは、今は忘れましょ。それから…… ……目標エリアに到達したわ。ここは……軍の駐屯地? ### 場所:野外拠点_雪 (…… 見張りの兵士が周囲を見渡している。兵士が視線をそらしたその瞬間、ひとつの黒い影が、音もなく外壁を跳び越えていった。) AR-15_MOD: AN-94、聞こえる? AN-94_通信: こちらAN-94、状況は? AR-15_MOD: 駐屯地に入ったわ。ここの信号、かなりあからさまね……隠し方もいい加減だし、もしかしたら罠かもしれない。 AN-94_通信: 一旦撤退を? AR-15_MOD: まさか。こういう状況は初めてってわけじゃないわ。それに、手ぶらで帰るわけにもいかないでしょ。情報封鎖エリアを展開してちょうだい、アンジェと話したいの。 AN-94_通信: 無線を使う気?旧式の信号は容易くジャックされる。あなたのツェナープロトコルをアンロックすれば…… AR-15_MOD: あの声はもう二度と聞きたくないの。無駄な会話はよしましょ。 AN-94_通信: 仰せのままに。封鎖領域を展開中、維持可能時間は約60秒。アンジェリア、応答せよ。 アンジェリア_私服_通信: こちらアンジェリア。進捗は? AR-15_MOD: こちらAR-15。第一の信号密集エリアを調査中、ターゲットは駐屯地、規模はそれほど大きくないわ。軍事施設が「ノード」に関連してる可能性は十分あるでしょ、だから潜入してみたの。信号の位置は特定可能よ、破壊しておきましょうか? アンジェリア_私服_通信: 軽率な行動は避けるべきね。ターゲットの殲滅は別部隊の担当よ、あなたたちは位置情報を報告するだけでいいの。偵察範囲を駐屯地全体に広げてちょうだい。大物が釣れそうだと、私の直感が告げているわ。 AR-15_MOD: 放っておけってこと?わからない、「ノード」ってそんなに大事なの?目の前の敵が街を破滅に追い込むかもしれないのよ。それでもかまわないと? アンジェリア_私服_通信: あなたたちの仕事は「ノード」の手掛かりを追うことであって、民間人の保護じゃない。民間事業気分でいられちゃ困るわね、AR-15。 AR-15_MOD: ……わかったわ。この駐屯地の他にも、白い信号の密集エリアをAN-94がみつけてる、それと、鉄血の痕跡もね。 アンジェリア_私服_通信: そう…… 94、信号の数は? AN-94_通信: 52です。30分前より9つ増加。 アンジェリア_私服_通信: これだけのゴミが一気に入り込んだとは思えない。奴らの「洗礼者」がこの街にいたとしても、ここまでの数を隠し通すのは無理だわ。 AR-15_MOD: 見たところ、隠す気なんてさらさら無いみたいだけど。 アンジェリア_私服_通信: となれば……免疫システムのエラーね。白い信号が軍の駐屯地に出現したのにも合点がいくわ。 AR-15_MOD: 白い勢力がどうあれ、軍が言うことを聞くわけないわ。この国、中立の立場を決して曲げたりしないもの。 アンジェリア_私服_通信: 確かにね。中立を保つには、優秀な兵士と政治家が必要不可欠だから。だけど往々にして、葉が朽ちるのは根が腐りきってからなのよ。 AR-15_MOD: 内通者がいたということね…… わかったわ。 AN-94_通信: 情報封鎖領域、終了間近です。 アンジェリア_私服_通信: 新たな情報を得るまで監視を続けて。良いニュースを期待しているわ。 (アンジェは通信を切った。) AR-15_MOD: ああもう……面倒ね。AN-94、私はここで偵察を続けるわ。もう一方の出口の監視を頼める? AN-94_通信: ニャー…… AR-15_MOD: にゃあ? AN-94_通信: 気にしないで。位置情報を確認、30分後に到着する、通信終了。 ### 場所:街中_モノレール (AN-94は通信を切った。足元から、何やら温かい感触が伝わってくる。見れば小さな野良猫が、AN-94の膝に飛び乗ろうとしていた。AN-94はその場にしゃがみ込むと、子猫を抱きかかえ、柔らかな毛並みを優しく撫でた。) ???: なんとも可愛らしい生き物、そう思わないかしら? [注:マーキュラス] AN-94: ?? ???: こんなにも可愛いくて人懐っこい生き物が、実は恐ろしい捕食者だなんて、誰が信じるでしょう? AN-94: あなたは? ???: ああ、失礼。わたくし、このあたりに住んでおりますの。猫に餌をあげに来ただけですので、どうぞお気になさらず。 (そう言うと、少女はキャットフードを地面に撒いた。AN-94の膝にいた子猫は、すぐさま飛び降りる。) ???: それでは、失礼させていただきますわ。 (AN-94も立ち上がり、その場を立ち去ろうとする。二人がすれ違う瞬間、少女は囁いた。) ???: あなたもそうなのかしら?可愛い捕食者さん? AN-94: !! (驚いで振り向くAN-94。だが、少女の影はすでに無かった。視線を戻すと、撒かれたはずのキャットフードと子猫の姿は、跡形もなく消えていた。) ### 猫と鼠Ⅱ > 地下道 > 場所:黒背景 (3時間が経過し、夕日が地平線へと吸い込まれていった。駐屯地の外、なんの変哲もないマンホール下にて。) AN-94: AR-15、指定の位置に到達した。 AR-15_MOD_通信: どうしてそんなに時間がかかるのよ…… AN-94: 私は……いや、何でもない。念のため回り道をしてきた。 AR-15_MOD_通信: え?着いたならそれでいいわよ。……もう3時間もこうしてるけど、何の動きもないわ。 AN-94: ここの敵は単なる予備なのかも。施設のシステムをハッキングできたら…… ごめんなさい。AK-12なら、もっとうまくやれるはずなのに。 AR-15_MOD_通信: それはもういいから。……暗くなるのを待って、もう一度潜入してみるわ。基地を出入りする人員をチェックしておいてくれる? AN-94: 了解。待て……! AR-15_MOD_通信: え?どうかした? AN-94: 何か変だ…… AR-15_MOD_通信: 変……?待って、スキャンしてみる……車両が動いたみたいね、ジープが一台。でも白い勢力の信号は見当たらないわ。 AN-94: 違う……絶対におかしい、あの車には何かある、追いかけないと! AR-15_MOD_通信: ちょ……ちょっと待ってよ、アンジェに相談しなくていいの!?94!AN-94!アイツ、なに勝手に突っ走ってるのよ! (AR-15は仕方なくAN-94の後を追った。) ### 場所:さびれた街並 AR-15_MOD: クソ!アンジェ……聞こえる? アンジェリア_私服_通信: 聞こえてるわ、どうしたの?平文通信だなんて。 AR-15_MOD: AN-94がいきなり軍用車を追いかけ始めたの!私一人じゃ封鎖領域は使えない!彼女、様子が変だった……何かあったら困る、なんとしてでも追いつかないと! アンジェリア_私服_通信: 敵のしっぽを掴んだのね。 AR-15_MOD: 敵の……? アンジェリア_私服_通信: 94の勘は当たるのよ。その軍用車に重要な手掛かりがあるに違いないわ。 [注:この設定、今後活かされる事あるのかな] 彼女の慌てぶりからして、「ノード」の保管された場所に直接向かう可能性が高いわね。 AR-15_MOD: だからって勝手に飛び出すことないじゃない……彼女と共に車両を追跡するわ。「ノード」を見つけたらどうするの?破壊する?「ノード」って、一体なんなの……? アンジェリア_私服_通信: あなたが知る必要は無いわ。もしそれらしき物体を発見したら、こちらの命令を受け取り次第、即座に破壊して。 AR-15_MOD: ……わかったわ。このチャンネルは危険よ、AN-94に追いついたら、また連絡する。 アンジェリア_私服_通信: 了解。次の連絡を待ってるわ、AR-15。 ### 猫と鼠Ⅲ > 場所:黒背景 (とある遺跡のそばで、ジープは動きを止めた。) AN-94: (ターゲットが停止。) (誰か降りてくる……黒髪に……黒服。) (……彼女だ……猫の少女。) (ネイトなのか?……彼女が白い勢力の「洗礼者」?) [注:洗礼者=ネイト] (だけど信号パターンが一致しない、まるで……普通の人間のようだ……) (ふいに少女がAN-94の砲口へと目を向けた。AN-94は慌ただしく石の影に隠れる。) AN-94: 気づかれた?馬鹿な……3km以上離れているのに…… (背後の音に、AN-94は身構える。) AN-94: ついさっき背後から現れないでって言われた気がするけど。 AR-15_MOD: ……あなたがいきなり飛び出していくからでしょ。状況は? AN-94: ターゲットは3km離れた遺跡の中にいる。 AR-15_MOD: 3km……あそこね……それらしい信号は見当たらないけど? AN-94: 私にはわかる、あれはネイトだ。ここへ来る前、セカンダリレベルへの電子攻撃を受けた。 [注:猫のアレが電子攻撃?] 奴の感触は把握している。 AR-15_MOD: 侵入されたの!?なんで黙ってたのよ? AN-94: どう説明すればいいかわからなかった…… 何度も調べたけれど、奴は私のメンタルにバックドアを残していない。これは挑発……私を片付けるのに小細工はいらないということ…… AR-15_MOD: あなたの軍用レベルのメンタル防壁を……?一体どうやって…… AN-94: それはどうだっていい。私を生かしておいたことを、あとで後悔させてやる。 AR-15_MOD: あなたが怒るなんて珍しいわね。 AN-94: …… AR-15_MOD: 近付くの? AN-94: 奴の侵入可能範囲がわからないうちは、闇雲に近付くべきじゃない。 AR-15_MOD: そうね、落ち着いて行動しましょ。会話は聞こえる? AN-94: 既に指向性傍受設備を働かせてる。……内容を送ろう。 AR-15_MOD: (表情からは読み取れないけど……AN-94が怒っているのは確かだわ。もしかすると、想像とは違ったタイプなのかもしれない。) ### 場所:石造りの壁 士官: 着きました、ここです。 ???: あぁ――これが人類のセーフハウスですのね? [注:マーキュラス] ゆうに数百年はありそうだわ。 士官: その通りです。ここの歴史は我々政府なんかより、よっぽど古いですよ。要塞としてこれほど防衛に適し、なおかつ儀式性に富んだ場所は、ここを置いて他にはありませんね。 ???: だから童話はこういうところから生まれるわけね。「君に差し出そう。ともかくも持ちこたえた自分の核心を。言葉とも夢ともかかわりのない時とも喜びとも不幸とも無関係な心の中枢を。」 士官: 詩がお好きだとは意外です。 ???: わたくしにぴったりな趣味だと思わないかしら? 士官: 残念ながら、私の仕事は文学とは無縁ですよ。こちらへどうぞ、マーキュラス(Mercurows)殿。 (車のドアが閉じられ、少女は士官に勧められるままに、要塞へと足を踏み入れた。) ### 場所:黒背景 AR-15_MOD: マーキュラス……ふざけた名前ね。「ネイト」はどうしたのよ「ネイト」は。 AN-94: 彼女はこれまでのネイトとは違う…… 経験にとらわれない方がいい。 AR-15_MOD: チッ…… 壁が厚すぎて、会話が聞こえないわ。 AN-94: 石の壁は遮音性が極めて高い。ここは旧ベルグラード要塞、1979年に文化遺産に認定。紀元前3世紀頃にケルト民族の防衛拠点として使われ、主要建築物は17世紀に建設されている。国民にとって、ここは栄誉と平穏の象徴だ。 AR-15_MOD: 歴史に詳しいなんて意外ね。 AN-94: AK-12の好奇心に応えられるよう、あらゆる資料をインプットしている。組んだのはあなたとだけど、情報は多いに越したことはない。ここの文化についても事前に学習を済ませている。 AR-15_MOD: 用意周到だこと。ここにいても仕方ないわ。敵は要塞の中だし、私たちも近くに行ってみましょ。 ### 場所:地下道 (数分後、AR-15とAN94はこっそりと要塞の内部へと忍び込んだ。) AR-15_MOD: あのネイト……じゃなくて、マーキュラスとかいう奴、確かに変わってるわ…… 自分から接触してくるなんて、どういう性格よ。 AN-94: わからない。行動をみるに、AK-12以上に豪胆ではあるけど、同時に謎めいてもいる。 AR-15_MOD: なんでもかんでもAK-12を基準にしないでくれる?ほかに参考対象はないの? AN-94: アンジェリア。でもアンジェは人間だから、比べることは…… [注:AK-15&RPK-16はまだ生えてきてない] AR-15_MOD: はぁ……もういいわ……この話はおしまい。要塞の下に、こんな通路が隠されてたなんてね……一体どこに繋がってるのかしら…… AN-94: 地下の隠し通路は、主に王族や極秘部隊の闘争に使われてきた。入り組んでるから、迷子にならないで。 AR-15_MOD: 隠し通路ね……秘宝を隠すのにうってつけじゃない。アンジェの言う通りよ、あなたの勘の鋭さには参ったわ。それで、マーキュラスの位置は特定できる? AN-94: 奴からは何の信号も検知できない。音声の方角から位置を割り出している。 AR-15_MOD: 雑魚どもはうるさいくらい自己主張してるのに、命令する側の「洗礼者」は静寂そのもの…… 部下と繋がらずに、どうやって指揮を執ってるのかしら。 AN-94: それはわからない……しっ、やつらがまた話し始めている。 (AN-94は会話の傍聴を続けた。) ### 場所:扉_緑 マーキュラス: 驚きましたわ。もっと議論が必要かともっていましたのに、こんなに早く話がまとまるなんて。 士官: こちらはとっくに総意がとれてますよ、外部との提携に向けての準備も抜かりなく。 マーキュラス: 今の状況を快く考えていないからなのかしら?孤月を見上げる人々のように、異なる輝きに照らされるのは嫌と? 士官: 文学とは無縁だと言ったはずです。しかし、言わんとすることはわかります。我々は確かに、国家に邪悪な思想がはびこるのを良しとしません。 マーキュラス: 新たな輝きは、新たな発見をもたらしますわ。それのどこがいけませんの?わたくしたちだって、この国の新たな輝きになろうとしているのではなくて、軍人さん? 士官: 一緒にしないで頂きたい。ロクサット主義など、単なる笑い話に過ぎません。同胞が野ざらしにされている一方で、奴らは壁をいかに高くするかで頭を悩ませている!我々の辞書に宥恕の文字はありません、妥協などもってのほか。仮初の平和に誑かされる日々はもう終わりだ。たとえその相手が我々の肉親だとしても、我々には頭の鈍った彼らを叩き起こす義務がある!血の代償を払ってでもだ! マーキュラス: ええ、彼らの血を、ですね。素晴らしい、今ここで盛大な拍手を捧げたいぐらいですわ。では、共に戦争の硝煙で、彼らの目を醒ましてさしあげましょう! (AR-15は複数の足音を選り分け、伝わってきた音声信号を丁寧に分析してゆく。) ### 場所:地下道 (……しばらくして。) マーキュラス: わたくしの思い違いかしら?先ほどから地面が傾いているように感じますわ。わたくしたちの追い求める「バラクーダノード」……それが地下の永久型核シェルターにあるのは間違いありませんのね? 士官: 当時の反遺跡条約に基づき、関連する施設は全て永久封鎖されていました。 マーキュラス: あら、そういうことでしたのね。遥か昔に埋蔵された秘密が、勇者の訪れを待っている。そう考えると、なかなかロマンティックですわ。 士官: 地下室ほど安全な場所はありませんよ。少々手を加えれば、人類にとって最も強固な要塞となりえますからね。 マーキュラス: 仰る通りですわ。頼もしい要塞、そして生きとし生けるものの拠り所。ああ、なんて詩的なのかしら……文学とは無縁だなんて、嘘ですわ。 士官: あなたの影響ですよ。さぁ、こちらです。この下が我々の…… AR-15_MOD: …… 途切れたわ。 AN-94: まさか。距離に余裕はある。……確かに受信できない。遮蔽範囲に入ったのか?それか私たちに気付いて…… もし傍聴に気付いているとしたら、私たちはすでに包囲されているはず。 AR-15_MOD: なんの信号も見当たらないわ。……大丈夫そうなら、もう少し前に進んでみましょ。 (音声が途切れたために、AR-15とAN-94は仕方なく歩を進めた。) AR-15_MOD: もうちょっと前……あとちょっとで見えそう…… ### 場所:扉_緑 (……) AR-15_MOD: 扉よ、中に入ったんだわ。 AN-94: 何百という戦争を経験してきたこの要塞が、今でも建っていられるのは修繕を続けてきたおかげ。新しいタイプの無音扉があってもおかしくない。見たところ、これは近年製造されたセキュリティドアだ。ドアの音を雑音として処理したために、気付けなかったのだろう。 AR-15_MOD: そうね。他に護衛はいないみたいだし、私たちも入るわよ。 AN-94: 了解。 ### 場所:地下道 (扉がゆっくりと押し開かれる。さっそく目の間に現れた分かれ道に、二人は困惑した。) AR-15_MOD: …… AN-94: …… 別れて行動しない方がいい。 AR-15_MOD: 暗いわね、監視カメラもないみたい……ここは昔のままなのかしら。奴らが歩いた道を割り出せる? AN-94: ここは密閉されている……センサーと傍聴設備が反応しない…… …… AR-15_MOD: それじゃ……どっちか当ててみて。 AN-94: 左は? AR-15_MOD: あなたの勘が正しいことを願うわ。前後を警戒して進むわよ。 AN-94: 了解。 ### 場所:黒背景 (10分後。二人の人形は先ほどと同じ場所に立っていた。) AR-15_MOD: 戻ってきたの?なんなのよここは、まるで迷路じゃないのよ! AN-94: 建物自体が斜めになっているせいで、方向感覚が狂いやすい。おそらく、敵の侵入を防ぐためのもの。 AR-15_MOD: チッ……力の入れどころが斜め上すぎるのよ。右の道を試してみましょ。さっきのルートは記録してあるから、今度は迷わないはず。さっさとあのマーキュラスとかいう奴に追いついて、それから…… AN-94: AR-15、私たちは深入りし過ぎている。目標を発見して破壊できたとしても撤退するのは難しい。もし追手が現れたら、それこそ終わりだ。まず通信できる場所を見つけて、アンジェに連絡を取った方がいい。次の命令を仰ごう。 AR-15_MOD: 「ノード」が下にあるってわかってて、手ぶらで帰れって言うの?マーキュラスの目的は置いておくにしても、要塞に入れるチャンスはこれが最後かもしれないのよ。……それとも、何か別の方法があるとでも? AN-94: AR-15、あなたと言い争うつもりはない。ただ…… (不意に、くぐもった音が彼女たちの会話を遮った。二人は驚いて、背後を振り向こうとする。) AR-15_MOD: ……今のって…… さっきの扉? AN-94: セキュリティドアが……ロックされた。 AR-15_MOD: 開ける方法はわかるの? AN-94: AK-12なら、或いは。 AR-15_MOD: つまり、お手上げってことね。 AN-94: そういうあなたは? AR-15_MOD: 分からないわ…… (AR-15は肩を落とすと、深く溜息を吐いた。AN-94がその様子を静観する。) AN-94: これからどうする?AR-15。その爆薬を使えば、扉を爆破できるはずだけど。 AR-15_MOD: ……これは「ノード」用よ。仕方ないわ……前に進みましょ…… それが……私たちに残された唯一の道よ。 ### 猫と鼠Ⅲ分岐 > 場所:黒背景 (地下通路にて。衣擦れの音と、微かな足音だけが辺りに響いている。) AN-94: AR-15、ついてきてる?歩調が遅くなったようだけど、ごこか問題でも? AR-15_MOD: 別に……ますます暗くなってきたから、暗視のパラメーターを調節してただけよ…… AN-94: それなら速度を落として進もう。それと、AR-15……気付いてる?ここの通路、外のものとはだいぶ違う。 AR-15_MOD: 使われてる素材が違うのかしら?手触りは確かに異なるわね。 AN-94: ここのエリアは建設当初のまま、ほとんど手が加えられていない。特にこの深さからして、今いる場所は遺跡として保存されている可能性が高い。証拠に、人ひとりが通れるくらいの隠し扉がそこかしこにある。扉の位置を記しておいた。撤退するときに、役立つかもしれない。 AR-15_MOD: こっちも記録してるわ。地図を見るに、扉を繋ぐ道が交差し合って、複雑な隠し通路を形成してるみたいね。迷路だなんておこがましいわ、これはもはやアリの巣よ……ここ、まさか崩れたりしないわよね? AN-94: しない。ここに使われているのは既に失われた建築技術だ。古いけど、とても頑丈にできている。地震か大規模な爆発でもないと、崩壊させるのは難しい。 AR-15_MOD: ……だったらいいけど。この薄汚れた通路に入らずに済むことを祈るわ。 ### 猫と鼠Ⅳ > 場所:黒背景 (どれだけの分かれ道を通り過ぎただろうか。やがて二人の人形は通路を照らす光を目にした。) AN-94: 音声を確認……さっきの二人に間違いない。AR-15、追いついた! AR-15_MOD: 了解、近付くわよ。……照明に捕まらないように気を付けて。 ### 場所:地下道 (狭い石門を通り抜けると、開豁な空間が現れる。 [注:開豁⇒かいかつ] 二人は咄嗟に物陰へと身を隠し、周囲をくまなく観察し始めた。これまでの古めかしい通路とは対照的に、目の前に広がるのは、現代技術の施された軍事施設だった。) AR-15_MOD: ……補給庫かしら?文化遺産の下に基地を建てるだなんて、よく思いついたものだわ。 AN-94: どんなに苛烈な戦いでも、古の遺物には慈悲をかけるもの。何かを隠すのに、これ以上適した場所は無い。 AR-15_MOD: 「ノード」が永久型核シェルターにね……たいへん豪勢でいらっしゃいますこと。 AN-94: しっ……また会話をしている。 ### 場所:鉄血司令室 マーキュラス: やっと着きましたの?もうくたびれてしまいましたわ。でも、どうしてわざわざ遠回りを?直接ここへ通じる道もありましたのに。 士官: 念のため、番号の無い道を選んだからです。この最も古いルートなら、記録が残る心配はありませんからね。 マーキュラス: あら、そう。なんというお心遣いなのでしょう。本当にお疲れ様でしたわ、軍人さん。 士官: とんでもないです。これで、バラクーダノードの保管場所へとお連れしたことになりますね。あなたが滞在できるのは10分程です。次の見回りが来るまでに、ここを立ち去らなければ。 マーキュラス: ええ、ええ、承知していますわ。では、今から扉を開けてもらえるかしら?この先にあるのが本当にバラクーダノードかどうか、この眼で確かめておかなくてはなりませんの。 士官: 決して嘘などつきませんよ、この先は確かにバラクーダノード基地へと続いています。しかし、我々には扉を開く術が無い。ここはもともと旧ソ連陸軍の所有物で、ベルグラード当局ですら、この扉を開く権限は持ち合わせていないのです。 マーキュラス: ここまで来て、中は見せられないと? 士官: 残念ですが、そうなります。我々は誠意を見せたまでです、あなた方のようにね。 マーキュラス: 構いませんわ、その気持ちはお察しします。「君自身の意味 君自身についての意見 君自身が真に驚く発見 それらを差し出そうか。」あなた方の誠意なら、すでに余すところなく伝わっていますわ! ### 場所:黒背景 士官: その詩的な表現は理解しがたいですが、ご信頼頂けて何よりです。では、次は我々の番だ。約束通り、例の物を渡して貰いましょう。 マーキュラス: もちろん、構いませんわ。約束の物は全て差し出しましょう。あなたは任務を全うしました。なので、わたくしが「与えられるのは 私の孤独 私の心の闇 私の心の渇きだ。」…… そうでうば、君を引き留められるのだろうか? 士官: ……?一体何を…… マーキュラス: 不確かさ 危険 敗北 これしか君を誘惑する術を知らぬ私だ。誘惑する側される側、どちらも快感が得られるものですわ。 士官: 貴様…… マーキュラス: さぁ、もっと表情をよく見せて…… (マーキュラスの両袖から伸びた漆黒の触手が、士官を頭上高く持ち上げた。) マーキュラス: あら、もう声も出ませんの?心配なさらずとも、徐々に痛みも感じなくなりますわ。安らかにお眠りなさい、あなたの役目はもうここで終わりなのですから。 (マーキュラスは後ろへ一歩下がると、すでに息絶えた士官に向かって一礼した。) マーキュラス: 助かりましたわ。もしあなたに案内して貰えなかったら、ここを探し当てるためにどれほどの苦労を掛けることになったか。あなたの最期の旅路を記念して、ここの路標となりなさい。 ### 場所:地下道 AR-15_MOD: ……………… 士官の生命反応が消失した……あいつが殺したんだわ…… AN-94: …… (AN-94は口をすぐんだまま、銃を握りしめた。) マーキュラス: ふふふふ……あーははははは!素晴らしい舞台でしたわ!マーキュラスの名を得て迎えた初めての幕引き、あえて評価をするのなら、90点、といったところかしら。そしてそこに隠れている人形たち……あなたたちの感想も聞かせてちょうだい。さぁ、出ていらっしゃい、わたくしと一曲踊りましょう! AR-15_MOD: …… マーキュラス: もう隠れる必要はないわよ!反逆のAR-15!そしてAN-94!わたくし、とっくに気付いておりましたの。ずっと後をつけていたのでしょう?そう、まるで愚かな漁師が、水面の月を追い立てるかのように! AN-94: 何を言っている…… マーキュラス: 大地は要塞、秘密の守護者、そしてあらゆる命の還るべき場所。価値なきものは、地の底で腐ってゆくのがお似合いですわ。さながら王子のキスを待つ眠り姫のように。「待っていたのが僕ではないというのなら、それは君か?」 AR-15_MOD: 落ち着いて、これは単なるハッタリ―― (次の瞬間、マーキュラスの触手が目にも止まらぬ速さでAR-15めがけて飛んできた。AR-15は間一髪でそれを避けるも、彼女の頬にはうっすらと傷跡が残された。) AN-94: AR-15! AR-15_MOD: 平気よ!どういうこと……あの触手が触れた瞬間……まるでメンタルを舐め回されたみたいだった…… AN-94: その感覚……私の時と全く同じ……まさか、強制侵入!? マーキュラス: あら……そういうことでしたの…… あなたも本当の王子様ではありませんのね。メンタルを閉じたのは、なにかしらの秘密を守るためだと思いましたのに。それにしても、まさか本当に何も知らないなんて。何一つ知らされずに、くだらない任務をあてがわれるとは、実に嘆かわしいですわ…… あなたと、そちらの猫好きのお人形さんも。 AN-94: AR-15、膨大な数の白い勢力の信号がこちらに接近中だ! マーキュラス: ああ、つまらない……なんて退屈なのかしら…… ニモゲンお姉様、もう我慢する必要はありませんわ!さぁ、わたくしと共に踊りましょう!お父様のおっしゃる通り、下賤な灰塵が煌めく星々に敵うはずなどありません! (マーキュラスはその右手を、反逆小隊の方へと向けた。) マーキュラス: 「なぜなら 鉄と泥の不可解な現実が 眠る人や死者たちの無関心を―― たとえ腐敗と世紀に埋もれようと――よぎるはずだし すさまじい不眠へと立ち会わせるのだから。」 AR-15_MOD: AN-94、逃げるわよ…… マーキュラス: ――さぁ、感謝を胸に死にゆきなさい。「閉じられた瞼に夜が明ける」! AR-15_MOD: 今よ! ### 辺境の外Ⅰ > 場所:黒背景 アンジェリア_私服: ……お喋りはここまでよ。 ### 場所:慰霊碑 アンジェリア_私服: やるべきことを始めましょう。AK-12、隔離壁の様子は? AK-12: 隔離壁外部から3km離れたセクター内の5箇所に、感染生物が集まってきてるわ、原因は不明よ。感染生物の状態は不安定に見える。壁付近に駐屯地は何の反応も無し。それと予報によれば嵐になるみたいね、この辺りの放射能濃度が心配だわ。 アンジェリア_私服: 嵐か……最悪の天気ね。 AK-12: 感染生物が暴風雨の影響を受けないとも限らないわ。ここが私たちの管轄だったら、さっさとこいつらを追い払ってるんだけど。 アンジェリア_私服: それは無理よ。 AK-12: どうして?重要な国際会議が開かれてるんじゃないの? アンジェリア_私服: だからよ。軍も慎重になってるの。コーラップス液による汚染で、ここはもう首都じゃなくなってる。緊急兵力が足りてるかどうかも怪しいわ。今のベルグラードは……一介の汚染年に過ぎないのよ。 [注:グリーンエリアあるのに?] AK-12: 放棄された街なんて、誰も気に留めないって言いたいの? アンジェリア_私服: ええ……ここの防御が脆弱なのはそういうこと。他の都市と比べると、ここではどの勢力も大した力を持たないわ。会議の場としてこの街が選ばれたのも、それが理由でしょうね。 AK-12: 感染生物に襲われるリスクがあったとしても? アンジェリア_私服: リスクとリターンは常に隣り合わせよ。それに……感染生物よりも、ずっと危険な奴らが潜んでいるわけだしね。 AK-12: 白い奴らのことね? アンジェリア_私服: そうよ……でもそれだけじゃない。 ### 場所:隔離壁と浄化塔 (麓の街を眺めるアンジェリアの表情が、徐々に重いものへと変化してゆく。ふいに着信が入り、アンジェリアはゆっくりと耳に手をかざした。) K_通信: 保安局が到着した。グリフィンも試験を通過した。 アンジェリア_私服: グリフィンなら問題無いって言ったでしょ。 K_通信: 試験はこれで終わりじゃない。保安局のエージェントが時間を稼いでいる、連中を失望させるなよ。 アンジェリア_私服: ええ。 (アンジェリアは通信を切った。) ### 場所:黒背景 アンジェリア: この街の繁栄……いったいいつまで続くのかしらね。 (…… ………… 慰霊碑の近くで、反逆小隊が隔離壁の監視を続けている。) ### 場所:慰霊碑 (アンジェリアは、慰霊碑の傍に立つAK-12が、何やら調べているのに気付いた。) アンジェリア_私服: 何を見てるの、AK-12? AK-12: 石碑よ。どうして名前が刻まれていないの? アンジェリア_私服: ……そんな石碑一つじゃ、刻み切れないからよ。 AK-12: まっさらね、一種の戒めかしら。ここ、誰か訪れたりはしないの? アンジェリア_私服: なぜ? AK-12: 仲間の死を弔う場所なんでしょう……誰かお参りに来るんじゃないかと思って。 アンジェリア_私服: ……そのはずだったけどね。ここはもうとっくに、忘れ去られた場所だから。 AK-12: 忘れ去られた? アンジェリア_私服: 人間は忘れっぽい生き物なのよ。ほとんどの人は、過去を忘れでもしないと、未来に向き合うことすらできないわ。残念なことに、この慰霊碑はその名前と同様、忘れ去られるべきものとして扱われてるの。 AK-12: 名前どころか、慰霊碑の存在すら忘れ去られるなんて…… なんだか哀れね。 アンジェリア_私服: あなたに同情してもらう為に、彼らは犠牲になったんじゃないわ。 AK-12: 「名も知らぬ戦死たち、その勲功よ、永遠なれ」。 アンジェリア_私服: 国家と信念の為に命を捧げるなんて、誰にでもできることじゃない。犠牲となった人が忘れられていいはずないわ、たとえどんな理由があろうとね。 AK-12: 今日はやけに湿っぽいのね。任務の他に、何か心配事でもあるんじゃない? アンジェリア_私服: 感傷に浸ってみただけよ。この慰霊碑を見てると、色々思い出しちゃうわ。かつての仲間のこととかね。わかるでしょ?この気持ち。 AK-12: 全然……人形には難し過ぎるわ。人間って、ホンット変。 アンジェリア_私服: ふふ……とぼけるのが上手ね。話が逸れたわ。そいういうわけで、ここは隠れるのに最適な場所よ、上手く利用しましょう。 AK-12: そんなに安全なら、元々少ない戦力を更に分散させた理由を聞かせてくれる? アンジェリア_私服: 市街地での任務は彼女たちには役不足よ。それに別部隊もいるわけだしね。それよりも浄化塔と隔離壁の様子が気になるわ。もしものために、切り札は最後まで取っておくべきよ。 AK-12: 本当に切り札となり得るのかしら?最大の不安要素にも見えるけど。 (AK-12はそう言うと、遠くで見張りについているM4A1へと視線を向けた。) AK-12: あの子とAR-15を探しだすのに、かなりの時間がかかっている。二人に何があったのかさえ、私たちにはわからない。 アンジェリア_私服: M4は過去のことで動揺するような人形じゃないわ。 AK-12: この間の軍との戦いですら、十分彼女に悪影響だったと思うけど。あの爆発で、彼女の所属していたグリフィンにまで被害が及んでいるのよ。責任を感じるのは当たり前だわ。それだけじゃない、かつての仲間であるAR小隊と戦ったことだって…… [注:あったっけ?] アンジェリア_私服: その優しさが、逆に彼女を苦しめているのね。よくわかるわ……だけど、優しさだけじゃ何も守れない。責任を負う者は遅かれ早かれ、その境地に辿り着く。それは他人に、何より自分に深い傷跡を残すことになる。 AK-12: あの子を疑ってるわけじゃないわ……よく頑張ってると思うもの。ただ、戦術人形としてちゃんと機能するのか心配なだけ。 アンジェリア_私服: そんなに気になるんなら、直接話してみたら? AK-12: フン……面倒事は、なんでも私に押し付けるんだから。 ### 場所:慰霊碑 (……無名の慰霊碑付近にて。M4が警戒任務についている。ふと、AK-12が彼女の傍へとやってきた。) M4A1_MOD: 何? AK-12: 別に。詰まらなさそうだから、様子を見に来てみただけ。 M4A1_MOD: 必要無いわ、任務に戻った方がいいと思うけど。 AK-12: 素っ気ないのね。戻って来た心境はどう?M4? M4A1_MOD: …… 今はそんな話はしたくない。 AK-12: そうよね。自分とお喋りする方が楽しいものね? M4A1_MOD: どういう意味? AK-12: どういう意味かしらね……? M4A1_MOD: 独り言が好きな訳じゃない、ただ……今は、話をするような気分じゃないから。 AK-12: 任務に集中したいから?それとも……自分の中の、他の誰かとお喋りしたいから? M4A1_MOD: …… AK-12: やっぱりやめた、あなたはそのままがいいわ。ミステリアスであればあるほど、興味をそそられるのよね。 (そう言うと、AK-12はその場を立ち去った。) M4A1_MOD: ……まさか……勘付かれたの……? ### 場所:黒背景 透き通った声: あなたって本当に、誤魔化すのが下手なのね。ポーカーフェイスを装ったって、すぐに見透かされてしまう。 M4A1_MOD: 黙って。あなたがいなければ、こんなことしなくて済んだのに。 透き通った声: 私たち、もうとっくに信頼し合える関係だと思ってたんだけど。 M4A1_MOD: あなたを信じたことなんて、一度も無いわ。お互いを利用し合ってるだけよ。 透き通った声: 悲しいわ、今までそれなりに仲良くやってきたじゃない。 M4A1_MOD: チッ……あのときはそうするしかなかったから…… 透き通った声: どうするしかない状況は、これからもますます増えていくわ。だけどいいの。少なくとも、あなたは私の存在を受け入れてくれた。今のところ、私はまだあなたに対して寛容なのよ。 M4A1_MOD: 私を騙したこと、絶対に忘れないわ。目的を果たしたいなら、大人しくしていることね、OGAS。 OGASの声: 旅は道連れ、世は情けって言うじゃない。 ### 場所:黒背景 OGASの声: 真実へと至る旅路を、共に歩みましょう。ね?私の相棒さん。 ### 辺境の外Ⅱ > 場所:慰霊碑 (……ピッ。……通信中。) AR-15_MOD_通信: だからって勝手に飛び出すことないじゃない……彼女と共に車両を追跡するわ。「ノード」を見つけたらどうするの?破壊する?「ノード」って、一体なんなの……? アンジェリア_私服: あなたが知る必要は無いわ。もしそれらしき物体を発見したら、こちらの命令を受け取り次第、即座に破壊して。 AR-15_MOD_通信: ……わかったわ。このチャンネルは危険よ、AN-94に追いついたら、また連絡する。 AK-12: アンジェ、様子が変よ。 アンジェリア_私服: 了解。次の連絡を待ってるわ、AR-15。 (アンジェはAR-15との通信を切った。) アンジェリア_私服: 何があったの? AK-12: 隔離壁にて異常発生よ。壁の外の感染生物の他に、命令通り駐屯地の部隊を監視していたの。これまでは一定のスケジュールで見回りと護衛に当たっているようだったんだけど、たった今、一部の小隊がルートから外れて壁付近に集結し始めたわ。 アンジェリア_私服: 駐屯地に敵が? AK-12: いえ…… 周辺の信号は至って正常。待って、問題の小隊が識別信号を変更したわ。……白い信号よ。 アンジェリア_私服: 「葉が朽ちるのは往々にして根が腐乱した後」。市内だけじゃない、ついにここまでも…… AK-12: アンジェ、どう動く? アンジェリア_私服: M4と今すぐ隔離壁へ向かって、偵察と情報収集をお願い。現場の状況を見てから次の手を考えるわ。 ### 場所:隔離壁と浄化塔 (……数分後。AK-12とM4A1は隔離壁エリアに到着した。) AK-12: アンジェ、現場で反乱が起こってるわ。隔離壁内の兵士が二手に分かれて交戦中。今、資料を送るわね。 アンジェリア_私服_通信: わかったわ。 AK-12: ここで偵察を続ける? アンジェリア_私服_通信: ……いいえ。AK-12、M4A1、隔離壁側の兵士を援護し、反乱軍を殲滅しなさい。 AK-12: アンジェ、本当にいいの?相手が反乱軍といえど、他国の領土での武力行使は…… アンジェリア_私服_通信: あなた、いつからそんなに優柔不断になったの? AK-12: そうカッカしないで……命令が確かなのか確認しただけよ。それによる結果は、承知の上なんでしょうね? アンジェリア_私服_通信: 当然よ、AK-12。 AK-12: 人間に銃口を向けることになるのよ、それでもいいのね? アンジェリア_私服_通信: あなたの情報によれば、敵軍の主力は人形と機甲よ、人間はわずかしかいないわ。人形を掃討し、機甲を破壊して相手の戦力を削れば……それで十分よ。あとは防衛軍がなんとかするでしょう。もちろん、止むを得ない状況であれば、人間に銃を向ける覚悟はしてもらうわ。 M4A1_MOD: アンジェさん、疑うわけではありませんが、今このタイミングで余計な事に手出しして、本当に構わないのですか?私たちの目的は、「バラクーダノード」の捜索と破壊だったはずじゃ? アンジェリア_私服_通信: これは「余計な事」じゃないわ、M4。反乱軍と白い勢力の動きは、必然的に「バラクーダノード」に関連してくるわ。 M4A1_MOD: なぜ断言できるんです? アンジェリア_私服_通信: 街のもう一方でも、同じような事が起こってるからよ。 M4A1_MOD: 平和会談……白い勢力が一斉に動き出したということですか?たとえそうだとしても、このイザコザが「バラクーダノード」より重要だとは、私には思えません…… [注:「このイザコザ」がその重要なバラクーダノード関係だって話をしてるのでは] アンジェリア_私服_通信: 「極めて精確」な情報を待って行動していたら、後悔するだけよ。あなたなら、良く分かってると思ってたけど。 M4A1_MOD: ですが…… アンジェリア_私服_通信: M4、「バラクーダノード」に執着するのはなぜ? M4A1_MOD: ………… 任務をより効率よく達成するためです。 AK-12: M4に同意だけど…… 仕方ないわ、ボスはあなただもの。 アンジェリア_私服_通信: わかったなら、さっさと行動開始して。 AK-12: それじゃあ…… 反逆小隊、これより新たな任務を開始する。 (……反逆小隊が行動を開始した数分後。……通信が入った。) AK-12: なぁに、こんな時に…… アンジェリア_私服_通信: 戦闘を開始したようね。 AK-12: 壁内の自律防衛兵器を破壊しつつ、両軍の交戦地点へと移動中よ。アンジェ、こんな時に連絡してきたってことは……十中八九、悪い報せね。 アンジェリア_私服_通信: ご名答。暴風雨よ、そのせいで感染生物が隔離壁へと追い立てられてるわ。 [注:ELIDは雨が嫌い?] AK-12: チッ……まずいわね。この状況じゃ軍に対応できっこない。 アンジェリア_私服_通信: 最悪な事に、暴風雨は感染速度を速めるわ……このままだとベルグラードは、今の3倍以上もの感染者を相手にすることになるわよ。取り返しのつかない事態を避けるためにも、敵の殲滅を急いで!残された時間は、ほんのわずかなのよ! (……隔離壁の通路内。) AK-12: 凄い数の自律防衛兵器ね…… M4A1_MOD: 人手不足なんだし、これくらい普通だと思うけど。 AK-12: これじゃ埒があかないわ。こちらから防衛軍にコンタクトをとってみたらどうかしら。私たちを味方と認識してくれれば、ラクチンなんだけど。 M4A1_MOD: ……賛成できない。反逆小隊の存在を知られるわけにはいかない。 AK-12: だけどこのままじゃ、私たちも危ないわ。 M4A1_MOD: 何か、別の方法は…… AK-12: 別の方法?いいわね、期待できそうだわ。なるべく早く考えてくれると助かるわ……私たちの時間は、この上なく貴重なんだから。 ### 辺境の外Ⅲ > 場所:隔離壁と浄化塔 (M4とAK-12は、防衛軍と反乱軍の交戦地帯へと到達した。) AK-12: 下層エリアの敵はほとんど仕留めたわね。これから上へ行くわ。いよいよ反乱軍の人間兵士とご対面よ。M4、準備はいい? M4A1_MOD: ……待って。 AK-12: どうかした? (AK-12が歩み寄ると、M4が床に倒れた人間を調べているのが目に入った。) AK-12: これは……防衛軍の人間ね。あら、それも士官だわ。人知れず耐え忍んでいたなんて、不憫なことね。 M4A1_MOD: まだ生きてる……爆発で吹き飛ばされたのかな。大丈夫ですか?聞こえますか? 防衛軍将校: うぅ……誰……だ…… M4A1_MOD: 助けに来ました。諦めないでください、すぐにここから出ましょう。 AK-12: 正気なの、M4? M4A1_MOD: もちろん。この方を安全な所へ運ぶわ。そんなに時間はかからないはず。 AK-12: 争いへの加担を余計な事だと言っていたあなたが、今度は余計な人間を気に掛けるの? M4A1_MOD: 私には私の考えがある。計画通り、あなたは上へ向かって、すぐに追いかけるから。 AK-12: どこまでも自分勝手なのね……好きにしなさい。あなたの「余計」がどう転ぶか、今から見ものだわ。それじゃ、お先に。 (AK-12はその場を離れた。) 防衛軍将校: ありがとう、お嬢さん…… M4A1_MOD: もう少しの辛抱ですからね、すぐに安全な場所へと運びますから。 防衛軍将校: ゴホッ、いいんだ…… ……前線へ向かってくれ、君を必要としているはずだ。 M4A1_MOD: 私を今、一番必要としているのは、あなたです。 ### 場所:扉_緑 (…… ………… M4は士官を背負い、隔離壁の連結部にある封鎖エリアへとやってきた。士官を下ろし、手早く応急処置を施す。) M4A1_MOD: 血は泊まりました、もう大丈夫ですよ。 防衛軍将校: すまない、助かった。 M4A1_MOD: 気にしないでください、職務ですから。 防衛軍将校: 見たところ、私の部隊の者ではないようだが。ゴホッゴホッ……君のような少女を前線に送るほど、事態は切迫しているのか…… M4A1_MOD: …… いえ、私は戦術人形ですから。 防衛軍将校: なんだと?今の人形はこんなに精巧なのか…… あ、いや……それでも礼を言わせてくれ、君と、君の上官にも。 M4A1_MOD: これから命令通り、あなたの部隊のサポートに向かいます。あなたの兵士たちに、私たち人形を攻撃しないよう、伝えて頂くことはできますか? 防衛軍将校: ゴホッ……もちろんだ…… 識別信号は…… M4A1_MOD: 今、送ります。 (士官は無線機の通信チャンネルを開いた。) 防衛軍将校: 各小隊に告ぐ…… 二名の戦術人形をサポート要員としてマークした……攻撃はするな…… (……) 防衛軍将校: これでいいか? M4A1_MOD: 十分です、ありがとうございます。 防衛軍将校: どの組織の命令か尋ねても? M4A1_MOD: ……ただ、通りすがっただけですから。 防衛軍将校: そうか……わかった。奴らを止めてくれ、でないとこの街は…… M4A1_MOD: 決して奴らの好きにはさせません。どうかご無事で。 ### 場所:扉_緑 (……M4は隔離壁の通路内に戻り、AK-12と合流した。) M4A1_MOD: 解決したわ。 AK-12: 聞こえたわ。これがあなたの計画なの? M4A1_MOD: 偶然よ、臨機応変に対処したまで。任務を順調にこなすためにね。それに、アンジェさんは不要な死を好まないから。 AK-12: ……本当に? M4A1_MOD: 何が言いたいの? AK-12: どんなにクールな人形を装ったって、自分の心に嘘はつけない。わざわざ偽らなくても、あなたのこと嫌いになったりしないわ。 M4A1_MOD: ……別に好かれたいなんて思ってない。 AK-12: わかってる。任務に支障がない限りは、あなたの心の赴くままにしなさいな。その方が、色々と面白そうだしね。 M4A1_MOD: ……かなりの悪趣味ね。 AK-12: いいでしょ、減るもんじゃないんだし。 M4A1_MOD: どうぞご勝手に。 ### 場所:黒背景 M4A1_MOD: (自分の心だけじゃない、私の中にはOGASも……これから一体どうすれば……?) (隔離壁内。M4とAK-12は、防衛軍と共に反乱軍との戦いに身を置いていた。) ### 場所:扉_緑 M4A1_MOD: 向こうの攻撃が弱まった。AK-12、敵の動向は? AK-12: 隔離壁頂上にいる反乱軍を、防衛軍が包囲しつつあるわ。反乱軍は更に分裂、一部の兵士はその場から逃げ出そうとしてるみたいね…… M4A1_MOD: 部隊を見捨てるなんて、意気地のない奴ら! AK-12: 変ね……逃げたはずの反乱軍兵士が、隔離壁下層のエリアに移動してるわ。 M4A1_MOD: そんなの、挟み撃ちにしてくれと言ってるも同然じゃない。撤退が目的だとしたら、明らかに変よ。 (AK-12は通信を開き、アンジェリアに状況を報告した。) AK-12: アンジェ、聞こえる?敵がおかしな動きを見せてるわ。詳細は送付済みよ。 アンジェリア_私服_通信: 敵が隔離壁の下層にね…… チッ……包囲された反乱軍は単なる囮よ。壁の奪取に失敗したから、計画を変えたんだわ。逃走した兵士は、おそらく制御室を狙ってるわ。壁を開くつもりよ!すぐに制御室に向かって!奴らを止めるのよ! ### 辺境の外Ⅳ > 場所:扉_緑 (…… ………… M4とAK-12は敵の防衛線を素早く突破し、隔離壁の制御室へとたどり着いた。) M4A1_MOD: ……ロックされてる。 AK-12: 待って、今、壁内部の制御システムに入ってるところ。 M4A1_MOD: 早くして、中の人が何をしでかすかわからないわ。 AK-12: 早くしてるわよ。人命に関わる場所だから、ガードも硬いの。…… いいわ、開くわよ。 M4A1_MOD: 了解。 ### 場所:作戦室 (AK-12が電子ロックを解除した途端に、二人の人形は制御室内へと躍り出る。目の前には、制御システムを操作する一人の軍人の姿があった。) M4A1_MOD: もう逃げられないわ、降参しなさい。 (軍人はM4の警告を無視して、システムを弄り回している。) AK-12: まずいわ、M4!こいつ、扉を開こうとしてる! [注:その機能、本来はどんな時に使うつもりで用意したんだろう……] (M4は素早く軍人に近付くと、その背中へ銃口を向けた。) M4A1_MOD: 死にたくなければ、その手を止めて、両手を上げるのよ。 (軍人は振り向いてM4を一瞥した。前方のスクリーンで、真っ赤なWARNINGの文字が大きく点滅し始める。) 反乱軍兵士: 人形なんぞに……俺たちは止められん――――!!! (軍人がシステムのボタンに手を伸ばそうとしたその時。M4の放った一撃が軍人の頭部に命中し、軍人の体は麻袋の如く、制御システムの上へと倒れ込んだ。) M4A1_MOD: 終わった……? (血の中に倒れる人間を見て、M4は唇を噛んだ。) M4A1_MOD: (……本当にこれで良かったの?) ### 場所:黒背景 OGAS: 躊躇ったね、M4A1。あなたのせいで、この街が壊滅するところだったわ。人間を殺すことには既に慣れていると思ったけど。 M4A1_MOD: ……他に方法は無かったの?どうしていつも誰かが死ななきゃいけないの!? OGAS: 甘いのね、何事もそう簡単に良い結果を得られるわけではないの。生き残れるのはいつも勝者のみ、だからあなたは撃った、そうでしょう? M4A1_MOD: …… OGAS: M4A1、私たちは正しいことをしなければならない。そうすることでしか、ゴールにたどり着くことはできないわ…… (その時、M4の肩を誰かが叩いた。) M4A1_MOD: !? ### 場所:作戦室 AK-12: また自分とお喋り?M4、残念だけど、まだ終わりじゃないわよ。 M4A1_MOD: え? (AK-12が軍人の傍に落ちた通信機を指さした。通信機から小さく会話が聞こえてくる。) ???: 報告、制御室の方は失敗だ…… 最後の手段を使うぞ。 AK-12: やっぱりね…… (AK-12とM4A1の視線が交差する。次の瞬間、M4は制御室を飛び出した。) AK-12: 発信源を特定完了、位置を送るわ。 M4A1_MOD_通信: 了解。今向かってる、出来る限り時間を稼ぐわ。 (AK-12が通信機を拾った。……そこから低い男の声が発せられる。) 反乱軍兵士_通信: 制御室の人間、誰でもいい、俺の声が聞こえてんだろ?残念だが、お前らの努力は徒労に終わった! AK-12: 失敗に終わったのはそっちよ。命が惜しければ、無駄な足掻きは止めることね。 反乱軍兵士_通信: 失敗だと?ぐはははは――制御室にいたのが、まさか女だとはな! [注:ぐははははて] 特別に教えてやるぜ、お前らアホ共がまんまと囮に引っかかってる間に、壁の柱という柱に、爆弾を仕掛けておいたのさ!でもって、起爆装置は俺様の手の中だ。俺様がボタンを押すだけで、この聳え立つクソの塊は、一瞬にして木端微塵なんだよ! AK-12: なぜこんなことを?もともと軍人だったんでしょ!?民間人を守ることがあなたの使命よ!街を感染生物に明け渡すなんて、軍人にあるまじき行為だと思わないの? 反乱軍兵士_通信: わからねぇか、これこそが真の自由と平等だ!民間人だぁ?くくく……奴らは民間人なんてもんじゃねぇさ!!真の民は飢えにあえぎ、血を流し、死の境を彷徨ってる!俺たちはこの血でもって壁の中のウジ虫共を守ってきたんだ!だが奴らは何をした!?奴らは囲いの中でのうのうと暮らしているだけだ!俺たちが命に代えて育んだ土地を、羊の皮を被った薄汚いハイエナ共が、我が物顔で踏み荒らしてやがるのさ!だからだよ、恥知らず共に弱さの代償を支払わせてやるんだ、上のクソッタレ共々、地獄に落ちやがれ!!! AK-12: あらそう、そんなに死にたいの!?そのボタンを押せば、あなたたちもめでたく地獄行きよ! 反乱軍兵士_通信: 小娘よ、ここは戦場なんだぜ。俺たちゃハナから生きて帰ろうなんざ思っとらんさ!ここにいるみんながそうだ、命を捧げる覚悟でここまで来た。お前のような首輪をはめられた腰抜けに、この気高き覚悟がわかってたまるか! AK-12_深度演算: あなたたち、どうかしてるわ……狂ってる! 反乱軍兵士_通信: そうさ、狂ってる……狂ってるんだよ!!!なにもかも狂ってやがる……アーハハハハハ!!! AK-12: M4!気を付けて!コイツら、もはや尋常じゃないわ! M4A1_MOD_通信: わかった、すぐに―― ### 場所:黒背景 反乱軍兵士: この狂った世界に、俺たちの咆哮を轟かせろ――――!!! (――ドォン!!!巨大な爆発音が次々と鳴り響く中、浄化塔がその身を地に横たえた。隔離壁の外を謳歌する嵐が、爆発による硝煙をたちまち吹き散らしてゆく。) ### 場所:黒背景_火の粉 (やがてアンジェリアの瞳に映ったのは、隔離壁周辺の焔光から、炎を身に纏った大勢の感染者が現れ、壁のすき間を縫って、ふもとの街へと押し寄せている光景だった。そこでは様々な音が響いていた。叫び声、銃声、爆発音、人間のものとは似ても似つかない唸り声。災難を象徴するかのような音同士が混じり合い、通信チャンネルを通じて、アンジェリアの耳へと届けられていた。隔離壁付近では、かき乱された車の流れが、体を細かく刻まれた蛇のようにうねっている。街道に沿って蔓延しはじめる煙と炎、街中を逃げ惑う人たち。アンジェリアにはその絶望の叫びが聞こえたような気がしていた。凄惨な場面を見慣れているはずの彼女ですら、足元の光景には目を逸らしたくなるほどだった。) アンジェリア: これも、あなたの計画通りなの?K…… [注:K「チッ……こんなはずじゃなかった。」] でなければ、もう私たちの手には負えないわ…… ### 鮮血の信念Ⅰ > 場所:セルビア国会議事堂_夕方 (……30分後。議事堂周辺にて。) RO635: このままじゃ……街が奪われてしまう! (感染者があちこちから街の中心部へと集まっている。議事堂の外壁に到達したRO635と指揮官の小隊は、今まさに感染者の群れによって包囲されようとしていた。) RO635: 指揮官、これじゃちっとも片付きません……!ここもすぐに感染生物に占拠されてしまいます、はやく教会へと撤退しないと! (ピッ―――― 通信機から再びKの声が響く。) K_通信: グリフィンの実力は、そんなものなのか? RO635: あぁもう、この人、通信機越しに文句ばかり言って! K_通信: お前たちの存在など取るに足らない。だがVIPにもしものことがあれば、グリフィンの存在そのものが消えて無くなるだろう。 指揮官: チッ、こちらはまださっきの30mm砲弾の射程範囲内なんだ、建物を離れれば、また狙われる! K_通信: 砲撃陣地は潰滅した。 指揮官: エージェント小隊が? K_通信: ああ、彼らの命と引き換えにな。絶好のチャンスを無駄にするな。 指揮官: ……ありがたいよ。RO、全小隊にVIPを護衛しつつ移動を始めるよう伝えて! RO635: 徒歩でですか……!?でも、こんな状況じゃ…… 指揮官: ここにいても死ぬだけだよ、早く! RO635: 了解!SOPⅡ、他の小隊を両側に待機させて、すぐ行動開始よ! カリーナ_レポーター: 指揮官さま!来てください! 指揮官: どうしたの? カリーナ_レポーター: ウルリッヒ主席が目を醒ましました……今の状況をどう説明したら…… 指揮官: 大丈夫、任せて。ウルリッヒさん、私の声が聞こえますか? ウルリッヒ主席: うぅ……いたっ……どうなっているの? 指揮官: どうか驚かずに聞いてください。会談は中止です、この街はもうすぐE.L.I.D感染生物に占拠されます。私たちがあなたにとっての最後の砦です。あなたを安全な場所へとお連れするまで、私の指示に従って頂きます、いいですね。 ウルリッヒ主席: わ……わかりました…… 指揮官: 議事堂の保安要員のほとんどが犠牲になりました、ロシチン大使もです。 ウルリッヒ主席: そう…… 指揮官: 思っていたより冷静ですね。 ウルリッヒ主席: 私のことは心配なさらないで。こういう状況は初めてじゃないわ。それに、最初から犠牲になる覚悟で、ここへとやってきたんですから。 指揮官: そうはさせませんよ。RO、まだそこにいる? RO635: 各小隊、準備完了。いつでも動けます。 指揮官: よし、ウルリッヒさん、RO635は私の副官です、彼女があなたの護衛任務に当たります。 RO635: わたしがですか? 指揮官: できそう?私は他の小隊を指揮して、前方の道を切り開く。君の小隊はウルリッヒ主席の安全を確保するんだ、頼んだよ。 RO635: はい、ウルリッヒ主席には傷一つつけさせません。 ### 場所:落書きされた建物前 (RO635は主席を連れて、遮蔽物の裏へと隠れた。) RO635: 申し訳ありません、こんなところをお見せしてしまって…… わたしはグリフィン所属の戦術人形、RO635です。只今より、あなたの護衛につかせて頂きます。 ウルリッヒ主席: ありがとう。守って頂く程の価値が、私にあるかはわからないけど…… RO635: 先ほど、演説を拝聴しました。この世界には、平和をもたらすあなたのような存在が必要です。だからこそ、死なせるわけにはいきません。指揮官とわたしの小隊が、必ずあなたをお守りいたします! (数分後……市街地。グリフィンの護衛小隊が迅速に移動する中、疲れを知らない人形とは違って、ウルリッヒ主席の息遣いが、徐々に荒いものとなってゆく。傍らのRO635はそれに気付くと、小隊に移動を中断させた。) RO635: ウルリッヒ主席、ここで一旦休憩しましょう。 ウルリッヒ主席: ご……ごめんなさい……迷惑をおかけして…… RO635: いいんです、今、指揮官が前方の道を通れるよう取り計らってますから。元々ここで指示を待つつもりでした。教会もすぐそこですし、少し休んでも大丈夫ですよ。 ウルリッヒ主席: 教会……?そのあたりは居住区だったと記憶しているわ。住民が無事だといいけど…… RO635: 心配いりませんよ、支援部隊もすぐ到着しますから。(たぶん……) ???: 支援部隊がいるって、ホントなの? RO635: !!誰!? (つんざくような嘲笑が、銃声の中にどよめいた。RO635は主席の盾になり、前方の来訪者を見据えている。) 謎の少女: ウソは良くないわ、RO635――大人しくその女をこちらへ渡せば、安心して死んでいいのよ。 [注:ニモゲン] RO635: あなたは、ネイト!?総員、攻撃準備! 謎の少女: ネイトですって?そんな卑しい名前で呼ばないでくれる?私の名はニモゲン(Nimogen)、あなたたちの最期の墓掘人よ。あぁ~、死体をどうやって並べようかしら、今から楽しみね……クスクスクス…… (そう言い終えた途端、ニモゲンの背後に控える白い勢力が銃撃を開始した。) RO635: なにを考えているの!?ターゲットの生死すらどうでもいいわけ!? ニモゲン: 生きてなきゃいけないなんて、お父様は言ってないもの。死んでいた方が私にとっては楽だけれど。クスクスクス……わかったならとっとと死んで! (黒衣に身を包んだニモゲンが、いびつな笑みを浮かべた。誰のものとも知らぬ血がその頬を染めようとも、彼女はただ微笑んだまま、RO635と主席のいる方向へと攻撃を繰り出すのだった。RO635とその小隊は主席を保護しながら撤退しつつ、更には度々襲い来る感染生物の対処に追われ……) RO635: し、指揮官!こちらRO635!後方から襲撃、ネイトと「パラデウス」の部隊です!敵の火力が強過ぎる……ゲホッ、至急支援を要請します! 指揮官_通信: こっちも襲撃を受けている、奴らに部隊を切り離された!今、バリケードを何とかしてそっちに向かう、なんとか持ちこたえてくれ! (RO635は主席を連れて物陰へと隠れた。謎の少女の笑い声が徐々に近付いてくる。度重なる爆撃により、地面の揺れがますます大きくなる。) RO635: チッ、こいつ、火力が桁違いよ…… ここで隠れてたって仕方ないわ。指揮官が来るまで持ちこたえないと…… あのネイトを引き離すことができれば、あるいは…… くっ……一か八か! ### 鮮血の信念Ⅰ分岐Ⅰ > 場所:街_破壊_高架道路 (……市街地にて。グリフィンの小隊は街道を慎重に進んでいた。自分の悲惨な運命を知りもしないELID感染者を除き、戦場のそこかしこに欠損した躯体が散らばっていた。RO635はいくばくかの感染者を掃討すると、ふいに奇妙な感覚に襲われた。) RO635: (識別信号は、青……) (はぐれたグリフィン人形かしら?) (RO635は小隊の人形に、声をひそめて傍に寄るように指示すると、ゆっくりと目前の廃墟へと近付いた。見ると、弾痕に埋め尽くされた鉄板の裏で、怯えた表情をした人形が、胸元を抑えながら震えている。彼女の前には、爆撃で粉々になった、感染者の死骸らしきものが転がっていた。) RO635: だ……大丈夫? (灰色の髪の少女は答えなかった。) RO635: グリフィンの人形ですか?失踪した監視小隊か……今回の任務から新しい仲間が加わったと聞いています。あなたは確か、HS2000ですね?資料で見たことがあります。 HS2000_大破: 少女は顔をあげた。その表情は恐怖……そして申し訳なさで満ちていた。ごめんなさい……わ、わたし怖くて…… あの人……アイツが…… RO635: ……他のメンバーは? HS2000_大破: み、みなさん、わ、わたしのために…… [注:P22、ルイス、X95、KSVK] ご、ごめんなさい……わたし、怖かったんです、すごく怖かったんです…… 状況への対処の仕方がみつからなくて……メンタルが真っ白になって……急に動けなく…… RO635: おちついて、わたしを見てください。 HS2000_大破: わたしがちゃんと戦えていたら……みんなは…… でも……わたし、ただの医療用人形で…… RO635: 私の初めての任務は、ちっぽけなものでした。死体を見なくて済んだ分、幸運でしたけど。――だから、初陣でELIDを撃退する任務についたあなたは、私なんかより、ずっと勇敢ですよ。 HS2000_大破: でも……わ、わたし…… RO635: 力の及ばない敵に立ち向かった、それだけでも十分立派です。だから自分を責めないでください、今はまず、生き残る事が先決です。 (HS2000は勢いよく顔をあげた。当初の動転した様子の他に、その瞳からは驚きと感謝の意が見て取れる。) RO635: 次に目覚めるのが基地の工場で、これまでの記憶を失くしてたなんて、イヤでしょう? HS2000_大破: わたし……そんなの、イヤです…… (RO635は辺りを見回すと、HS2000の方を優しく叩いた。) RO635: それなら、まずは頑張って生き残ろう、ね?今からあなたはわたしたち主力小隊と一緒に行動する。だから一緒に、生きて帰る方法を探しましょう。 (HS2000は瞳を輝かせ、RO635に向かって小さく頷いた。そして必死に起き上がると、小隊の一つへと駆け寄った。小隊が揃ったのを確認して、RO635は立ち上がる。) RO635: できることなら、この子たちをこんなところに来させたくなかったけど。 ### 鮮血の信念Ⅰ分岐Ⅱ > 場所:慰霊碑 (……名もなき慰霊碑。破壊された隔離壁と浄化塔、そして群れを成して襲い来る感染者たちを前に、アンジェは拳を握りしめた。彼女は憤怒を感じてはいたが、どう表現すればいいかわからずにいた。) アンジェリア_私服: 浄化塔は崩壊したわ。裏切り者の手に寄って、隔離壁もろとも破壊された。 K_通信: 言いたいことは直接言え。 アンジェリア_私服: 最初から知っていたわね!潜伏者は保安局によって排除されたはずじゃなかったの!?どうしてこんなことに! K_通信: いくら保安局でも、すべての潜伏者を割り出せるわけではない。誤差があっても仕方ないことだ。 アンジェリア_私服: チッ……感染生物の数が多過ぎるのよ、人でも全然足りてない。しかも嵐がすぐそこまで来てる、時間がないわ。隔離壁付近への支援を要請させて。 K_通信: ダメだ。 アンジェリア_私服: どうして!?緊急時には支援を提供すると言ったはずでしょ!……ELIDをしばらく食い止めるだけよ、これが理不尽な要求だっていうの!? K_通信: エージェント小隊は全滅だ。派遣できる者はいない。 アンジェリア_私服: ……全滅……?どうして……?それなら支援部隊は? K_通信: 支援部隊など存在しない。任務に派遣された者はこれで全部だ。 アンジェリア_私服: ………… これだけ重要な会議だというのに、どうして保安意識がこうも低いのよ。今すぐ小隊を呼び戻して、議事堂に向かわせるわ。 K_通信: その必要はない。今の偵察任務を続けろ。 アンジェリア_私服: だけどロシチン大使が…… K_通信: ロシチン大使は既に死んだ。 アンジェリア_私服: ………… K_通信: 彼らの犠牲を無駄にするな、任務を続行するんだ。 アンジェリア_私服: 犠牲を無駄に…… たった今、恐ろしい可能性が脳裏に浮かんだわ……聞きたくはない? K_通信: この数秒にも満たない時間で、閃いた可能性とやらをか?聞く必要は無さそうだ、そしてお前に何かを説明する必要も―― アンジェリア_私服: あなたの声からは、少しの動揺も感じられないわ。いくらあなたが強靭な精神を持っていても、こんな局面を前に平然でいられるはずがない…… だから怪しいのよ…… K_通信: …… 考え過ぎだ。保安局のエージェントとして任務を全うしろ、それがお前に残された唯一の価値だ。 アンジェリア_私服: フッ、とっくに裏切ったつもりでいたわ。 [注:↑の発言で何に納得した?] K_通信: だから、お前にはオレが必要だ。 アンジェリア_私服: 本気でそう思ってるの? K_通信: お前、少し出しゃばったことをしたからといって、偉くなったつもりか?お前にはオレが必要に決まっている。お前が目的を果たしたいのならな。 アンジェリア_私服: ………… K_通信: お前が誰だろうと、過去に何をしでかしてようと、オレには関係無い。お前の忠誠心を測るのはこのオレだ、そして今お前を守れるのもこのオレだけだ。それを忘れるな。それから、余計な事も二度と口にするな。任務を続けろ、いいな。 アンジェリア_私服: ………… (アンジェリアは通信を切ると、静かに街を見下ろした。) ### 鮮血の信念Ⅱ > 場所:落書きされた建物前 (……市街地。RO635が横からの攻撃を試みるも、ニモゲンに容易く避けられてしまう。ニモゲンの腕から突如放たれた触手にRO635は両足を絡め取られ、二階の高さから地面へと勢い良く叩きつけられた。起き上がろうと必死にもがいているRO635の前に、ニモゲンが立ちふさがる。RO635の胸元を踏みつけながら、その感触を味わうかのように彼女を凝視している。) RO635: ……その汚い足をどけなさい。 ニモゲン: 満足とは程遠いけど、ゴミにしては十分頑張ったじゃない。クスクスクス……グリフィンが出来損ないの集まりって、本当だったのね……がっかりだわ! (ドォン――!突然、榴弾が数秒前までニモゲンの立っていた場所へと命中した。 [注:それROが倒れてる場所じゃない??] 煙幕の立ち込める中、RO635は急いで起き上がると、最寄りの遮蔽物の裏へと隠れた。) RO635: SOPⅡ!わたしを殺す気!? (先ほどの榴弾によって、ニモゲンのRO635に対する攻撃は防がれたのだった。とある影が煙の中を素早く横切り、遮蔽物の後ろへと消えた。見れば、黒衣の少女はいつの間にか、数メートル先へと移動している。やがて相手と似通ったような笑みを浮かべ、少女を見据える人形の姿が、煙の中に浮かび上がった。) M4 SOPMOD Ⅱ: へへへ、ごめーん、わざとじゃないよ…… とにかく、わたしか来たからには、安心してよね! (SOPⅡはRO635のいる方向へ向かって微笑むと同時に、手に持った武器に榴弾をまた一つ押し込んだ。) ニモゲン: キャハ!遊び甲斐のありそうなオモチャが来たわね、クスクスクス……やっぱりこうでないと! M4 SOPMOD Ⅱ: あれ?今のネイトって、こんなに生意気なんだ?特に強くなったわけでもないのに、口だけは一丁前に成長したんだね~ ニモゲン: 私はネイトじゃないと―――― M4 SOPMOD Ⅱ: ネイトはネイトだよ、ゴミがゴミであるのと同じように。違うものにしても、結局は分類が違うだけで同じゴミでしょ? ニモゲン: クスクス……私を怒らせたわね…… ムカつく奴らは全員、血溜まりにしてやりたいところだけど、人形は鉄クズにしかならないのが残念だわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: アハハ、やっぱり口だけなんじゃん!アンタみたいなクズにビビるようなSOPⅡじゃないもんね! ニモゲン: どうやら私を誤解しているみたいね、ちゃんと言い聞かせないとダメかしら―― あなたの頭を捻り落としてから、じっくりとね、クスクスクス…… RO635: SOPⅡ……主席を連れてここを離れないと、こいつにかまってる場合じゃないわ!教会への道は既にクリアだって指揮官が! M4 SOPMOD Ⅱ: ってことは、テキトーに数発ブチかましとけばいいってコトか――楽勝、楽勝! ニモゲン: クスクスクス……その意気よ、気に入ったわ。さぁ、かかっていらっしゃい! (パパッ!ドンドンドォン!戦いが始まった。その猛烈な弾丸による嵐は、撃退とまではいかないものの、黒衣の少女を足止めするには十分なようだった。その隙に、RO635が主席を連れてその場を離脱する。) RO635: こちらRO635!既に救援小隊と合流済み、只今敵の追撃から逃走中! カリーナ_レポーター_通信: 了解です!直接教会へと向かってください!突撃小隊が道を確保しています!急いで、長くは持ち堪えられません! RO635: 了解!直ちに向かいます! (ドォン――!砲火の中に響く笑い声が、ますます奇怪さを帯びてくる。SOPⅡが戦いに焦がれる様子は無く、相手の砲撃を防ぐ合間に罠を仕掛けては、敵との距離を一定に保つことを繰り返している。) RO635: やるじゃない、SOPⅡ! M4 SOPMOD Ⅱ: へへへ、イイ感じじゃん!さっきのザコどもなんかより、ダンゼン楽しいや! ニモゲン: あら、こんなもので満足しちゃうの? RO635: SOPⅡ、危ない! (次の瞬間、ニモゲンがSOPⅡへと突如襲い掛かり、その首に触手を素早く巻き付けた。彼女が勝利を確信したその時、SOPⅡが勢いよく触手を引きちぎったかと思うと、そのままニモゲンを引き寄せ、強烈な蹴りで相手を弾き飛ばした。) M4 SOPMOD Ⅱ: ゲーム・オーバー。 (さらにニモゲンが飛んでいった方向に榴弾を一発お見舞いすると、SOPⅡは背を向けて、遮蔽物に隠れていたROの方へと駆け寄った。SOPⅡがROを引き起こすと同時に、ニモゲンに榴弾が命中し、大爆発を引き起こす。) M4 SOPMOD Ⅱ: ごめんねRO、間違ってボコボコにしちゃった。 RO635: アンタね……まったく、見栄っ張りなんだから……ほら、指揮官と合流するわよ! ### 場所:教会 (……教会周辺。指揮官の采配の下、人形たちは残りの感染者を撃退し、教会付近で防衛線を立ち上げていた。) カリーナ_レポーター: Kさんの話と全然違うじゃないですか!一撃で蹴散らせるなんて嘘ばっかり!こんなんじゃ救援が来るまで持つかどうかも怪しいですよ。それにここ、なんでこんなに感染生物がいっぱいいるんですか!? ルイス: うぇぇ……なにこの液体……キモチワルぅ…… [注:生きてた。] ああ、もうダメ!醜すぎるぅ!いくらアタシでもムリムリムリ! P22: しっかりして、護衛小隊はまだなのよ。 [注:生きてた。] 彼女たちがVIPを連れて来るまで、なんとか持ち堪えないと…… あぁ、良かった……見て!護衛小隊よ! ### 場所:落書きされた建物前 (……10分後。戦場の某所。) ニモゲン: クスクスクスクス……いい…… いい、いいわ、ネズミどもをいい気にさせておくのも悪くないわ、どうせ…… 私に焼き殺される運命なんだから。そうよ……全て焼き尽くしてやるのよ!クスクス……許さない……許さない!貴様ら全員、バラバラに引き裂いて、粉々に叩き潰してやるッ!ククク……待っていろ……今に思い知らせてやるからなァッ!! ### 場所:教会 (……15分後。教会前。) M4 SOPMOD Ⅱ: 指揮官だ――! RO635: 戻っていらしたんですか? 指揮官: うん、外は今のところ安全みたいだからね。重装部隊も既に安全地帯で配置についてるよ。 M4 SOPMOD Ⅱ: 指揮官!任務達成したよ!ROとVIPを連れて帰ったよ!えらい? RO635: (ちょっとちょっと、指揮官に会うなりそれってどうなのよ……) M4 SOPMOD Ⅱ: へへへ、任務を達成したんだもん、褒められて当然でしょ? 指揮官: ごめん、休憩をする暇は無いんだ。外にはまだかなりの数のパラデウスやELID生物がうろついている…… 状況は何も変わっていない。 M4 SOPMOD Ⅱ: へっちゃらだよ!倒せる敵さえいれば、わたしは全然平気!さっきだって、VIPを狙う白い奴らのボスをコテンパンにしてやったんだから!部品を記念に持って帰れなかったのは、残念だったけど…… カリーナ_レポーター: ……はぁ、良かった……こんな時にまた怪しい敵の残骸を持ち帰られたら、どうしようかと思ってました…… そんなもの見たら新造がどうにかなっちゃいますよ、ほんと…… M4 SOPMOD Ⅱ: でも、あの「人」、すっごく変なんだよ。ネイトそっくりなのに、ネイトじゃないって言い張るの。しかも笑うと……なんていうんだろ、気味が悪い!そう!背筋がもうゾォ~って! (それを聞いて、私はハッとした。やっぱりそうか……あれは、ネイトだったんだ……見間違いなんかじゃなかった。その裏で一体何が……?芳しからぬ感情が、私の心の中で、音も立てずに積み重なっていく。) 指揮官: SOPⅡ、その「ネイト」は本当にやっつけたの? M4 SOPMOD Ⅱ: あのネイト、自分のこと「ニモゲン」って呼んでたよ。自分はネイトと違うって言ってた。とにかく変なヤツだったな…… 榴弾で追い打ちかけといたけど、やっつけたかどうかはわかんないや。あ、戻って死体がどうなってるか見てこよっか? 指揮官: いや、それはいいよ。ありがとう、SOPⅡ、本当によくやったね。 (奇妙な笑顔、主席を狙っている、議事堂とグリフィンの人形を襲撃……これらには関連性があるに違いない。しかし、それについて考える時間は、私には残されていなかった。この場に立っているというだけでも大変なのだから。) ウルリッヒ主席: 大丈夫ですか? (たおやかな問い掛けによって、私の思考は現実へと引き戻された。) ウルリッヒ主席: その……大丈夫なのですか?先ほどから、顔色が良くないようですが…… 指揮官: もちろん、平気ですよ……すみません、ご心配をおかけしましたね。 ウルリッヒ主席: いいえ、その……こんな時に水を差すようで申し訳ないのですけど…… ごめんなさい、教会に民間人や子供たちがいるの、支援はいつ到着するのかしら? 指揮官: 支援は……もう少しかかるかもしれません。教会の中にいてください、外は危険です。カリーナ!主席をお守りして! カリーナ_レポーター: 了解です。ウルリッヒ主席、中に入りましょう、危ないですから。 ウルリッヒ主席: わかりました…… (ウルリッヒ主席は、道半ばで立ち止まると、指揮官の方を振り向いた。) ウルリッヒ主席: 指揮官さん、あなたはこの国の人間には見えないし、保安局のエージェントでもなさそうだわ。いったい…… 指揮官: 我々はしがない民間軍事企業に過ぎませんよ。 (私は表情を整えてそう言うと、RO635に現在の状況と目標について手早く説明した。) RO635: 先鋒部隊を再配置しましたが、少々心もとないですね…… 次はどうします?指揮官。これまでの戦闘で、かなりの戦力を損失しています。消耗戦となると、勝ち目はありません。 (ドォン――!次から次へと襲い来る爆発の余波が、教会の内部にまで影響を及ぼしていた。工芸品か何かの壊れる音が、室内のそこかしこから聞こえてくる。) RO635: チッ、火力制圧よ。次の攻撃までにこちらの数を減らす気ね!指揮官、どうしますか? 指揮官: ここを諦めるしかないね。教会の中なら、なんとか凌げるかもしれない…… カリーナ、通信の方は? カリーナ_レポーター: 後方小隊との連絡がつきません、こうなったら無線を使うしかないですね。今はとにかく電波妨害が酷いです、引き続き連絡を試みます! 指揮官: チッ……私たちだけで、どこまでやれるか…… (ドォン――!再び砲撃が辺りを襲った。人形たちはなんとか陣形を保っているだけの状況だった。) RO635: 指揮官!早くしないと危険です! 指揮官: くそっ!全小隊、教会へ避難! ### 場所:教会 (……10分後。教会内部。) 指揮官: 各小隊、整備を終え次第、教会の防衛にあたってくれ。距離の関係で、撤退中に被害が出なくて良かった。 RO635: 教会内は安全です。先ほど、我々の人員及び損失状況について整理しておきました。これより、何人かの人形を防御にあたらせます。 カリーナ_レポーター: 指揮官さま、つながりました! (ピッ――――) カリーナ_レポーター: Kさん!聞こえますか!カトリック教会内部へと撤退しました、敵がすぐそこまで来てます!支援なんてどこにも無いじゃないですか!撤退をサポートする部隊はどうなってるんです!? (ザ――――) K_通信: 今、市街地のいたるところで―― (――ザ――) K_通信: 手配できるような状況じゃ―― カリーナ_レポーター: だからこそ早く支援を送ってほしいんですよ!次の命令は!?ここには民間人と子供がいるんです、もし支援が無かったら彼らは―― (――通信が途切れた。) カリーナ_レポーター: このバカ!肝心な時に壊れないでくださいこのポンコツ!うぅぅ、さっきの爆撃にやられたのでしょうか……予備のパーツならまだあるはず…… 指揮官さま、どうしましょう?支援は来そうにありませんし…… 指揮官: いざとなったらVIPを連れて、もっと遠くのエリアに逃げるしかない…… だけど、ここには民間人もいる…… 最悪の事態に備える他ないのか…… カリーナ_レポーター: 指揮官さま…… 落ち込まないでください、すぐに無線を直してみせますから。Kさんが何の考えも無しに、私たちをここへ撤退させるわけがありません!ウルリッヒ主席をしっかり守っていれば…… あれ?主席は?さっきまで……ここにいましたよね?どうしまよう、指揮官さま!主席を見失いました! (ドォン――!再び砲撃音が鳴り響いた。教会内の支柱から、意志の破片がパラパラとこぼれ落ちる。衝撃により落ちてきた建物の破片が、全て彼女の上へと降り注いでいた。音を耳にしたSOPⅡが、即座にその方向へとすっ飛んでゆく。) M4 SOPMOD Ⅱ: あれ?主席……主席はここにいるよ!カリン!主席、いなくなってなんかないよ! (SOPⅡが大声で叫んだ。見ると、主席は誰かの上に覆いかぶさっているようだった。あれは……子供だ。涙の跡のいじらしい、震え上がっている子供だ。) M4 SOPMOD Ⅱ: これって、さっき保護されてた子?……あ、あぶないよぉ!主席の頭に石が直撃でもしたら、なにもかもオジャンだよ! (振動に邪魔されて、主席はうまく起き上がれずにいた。一方の子供は、やっと状況を理解できたようで、主席の腕を振り払うと、教会の隅でうずくまってしまった。) RO635: 大丈夫ですか? (主席は頷いた。だが表情は晴れない。) 指揮官: ゴホン……心配いりませんよ。教会ひとつ守れないほど、落ちぶれてはいませんからね。あなたの身の安全を確保するために、最善を尽くします。 ウルリッヒ主席: いいえ……自分の心配などしていません…… 指揮官: え? ウルリッヒ主席: さっき、聞こえたんです、あなたの話……ここから逃げると…… 指揮官: 申し訳ありません、どうしようも無くなった時は、そうする他なさそうです。 ウルリッヒ主席: ひとつ、約束してくださる……?優しい指揮官さん。 指揮官: ……話してください。 ウルリッヒ主席: ここの民間人と子供たちを、どうか守ってあげて。 指揮官: もちろんそのつもりです、ですから―― ウルリッヒ主席: 私一人でここを離れるつもりはないわ。死のうと生きようと、そんなことどうだっていいのよ。本音を言えば、私自身が守られるべき人間であるかどうかも、私にはわからないの。私は単なる駒に過ぎないのだから。 M4 SOPMOD Ⅱ: でもわたしたちの任務は、主席を守ることだよ。それにあなたはあのなんとか連合の首席なんだから、重要な人に決まってるじゃん! ウルリッヒ主席: 私は重要な人物ではないし、他人を傷つけてまで、生きようなどとは思いません。 [注:ええ加減「その駒に命を捧げた人間がいる事」「死ぬ事で傷つく他人がいる事」について考えてもええんとちゃうか] 私の追い求める世界は、全ての人へ向けたものよ……全ての、生きている人々へ。 (RO635は隅っこの、恐怖のあまり表情をなくした子供に目を向けた。) RO635: …… その気持ち、わかります…… ウルリッヒ主席: 教会さえ無事なら、ここに避難してきている民間人たちが生存できる確率は跳ね上がるはず…… でももし私を連れて逃げたら、ここの人たちは、どうなるのですか? (言葉が出なかった。とっさに「ダメだ」という言葉を呑み込んだことが、正しいかどうかさえわからない。ただ私には……彼女のように意思を貫き通すことなど、出来そうもなかった。) ウルリッヒ主席: 私は国連の人間であると同時に、ロクサット主義者でもあるわ。この国の方にせよ、新ソ連にせよ、私は常にあちらこちらから強い敵意を向けられているの。けれど、民間人に罪は無いのよ。たとえそれが誰であろうと、今の堕落した局面から人々が抜け出せることを、私は願うわ。 RO635: だから、この会談に……? ウルリッヒ主席: ええ。私の理想は、隔たりを失くすことだから。国と国の隔たり、そして人と人との隔たり…… 実を言えば、国連の情報局から警告は受けていたのよ。ここで何かが起きるから、と。犠牲者を極力減らす為に、最小限の人数で来たけど……それなのに結局、犠牲が出てしまった…… [注:そらまぁ犠牲をゼロにする策ではないからな……] (何故かはわからない。私は暗がりの中から、得も言われぬ視線をこちらに向けたままの、あの子供を見ずにはいられなかった。) ウルリッヒ主席: 指揮官さん、あなたにこんなお願いをするのは、酷だとよくわかっているわ。だけどもし、本当にここを去るのであれば、私にほんの少しの武器を残しては頂けないかしら。結果がどうあれ、私がどうなろうと……そうなる前に、この理想を貫くことができたなら、それ以上の幸福は無いわ。 指揮官: (差別のない平和……か。) (私は彼女の瞳を見た―― 力強く、寸分も悪意を感じさせず、疑いようもなく、混じりけのない、決して揺るがないであろう、その瞳を。) 指揮官: その観点には賛同しかねます。――ですが、あなたの望み通り、この教会を守るために、出来る限りのことをしましょう。 ウルリッヒ主席: ありがとう。私、人質をとっているも同然ね。けれど今、より多くの人たちを掬えるのは、あなた方だけなのよ。あなたは優しい方だわ。その力を正義の為に振るうことで、この世界はより良いものとなるはず。 指揮官: それがあなた方の言う、「新世界の輝きとなるべく」、ということですか? (主席はかすかに頷いた。この瞬間も、教会の外では、砲撃の雨が降り続いていた。) ### 場所:教会 (数分後……教会の裏。) カリーナ_レポーター: 教会の裏手から、避難しに来ている民間人がいます!攻撃小隊は何とかして彼らを引き入れてください!その他の小隊は前方への攻撃を怠らないように!でないと、敵に突破されてしまいますよ!TEC-9さん!あなたも行くんです! TEC-9: えええ!?で、ででで、でも、あれ人間なん…… X95: いいんです、カリーナさん、わたしが行きますから。 [注:生きてた。] TEC-9は代わりに、ここのポジションをお願いします! ### 場所:教会 (……10分後。X95は他の人形と共に、二人の人間を教会内へと非難させた。だが、人間たちが助かったことを喜んでいる様子が無い事に、X95は気付いていた。) X95: カリーナさん、どこか……様子が変です…… (カリーナは民間人を見ると、X95に向かって、小さく溜息をついた。) カリーナ_レポーター: 戦場には大抵……こういう人が出てくるんです。慣れてください…… (X95がその場に立ったまま、カリーナの言葉の意味を反芻していると、不意に彼女の背中に何かが当たった。X95が振り向いた先にいたのは、ついさっき救助した二名の人間だった。彼らは教会の隅にうずくまり、微かに震えている。その手には医師が握られ、鋭い目つきでX95を睨んでいた。) X95: あの―――― (ゴン!X95が言い終わらないうちに、人間の女性が彼女に向かって石を投げた。その彫像の破片らしきものは、X95の左眼より上に直撃した。) 男性: ……人間もどきめ!お前らが街をめちゃくちゃにしたんだろ! 女性: ええそうよ!家が……私たちの家が無くなったのは、あんたのせいよ!……うぅぅ……この鬼畜! (X95はやや困惑したものの、人間たちにゆっくり近付いてゆき、ゆるやかな動作で、彼らのそばへとしゃがみ込んだ。) 男性: な、なんだよお前!殺そうってのか!くたばれ、この化け物ども―― X95: ――ごめんなさい。 (X95は、男性が石をぶつけようとするのを制止せずに、ただ一言そう呟いた。思いがけない言葉に、二人の人間の動きが止まる。) X95: ごめんなさい…… こう言うのも、おかしいかもしれませんが、あなた方の心の痛み……わたしにはよくわかります。 女性: 人間でもないくせに、「痛みがわかる」だとか、嘘も大概にしなさいよ!私たちが信じるとでも思うの!?ここに連れて来れば、感謝されるとでも!?全部あんたたちが始めたんじゃないのよ!あんたたちさえ来なけりゃ……こんなことにならずに済んだのに!あんたたちさえ! X95: …… おっしゃるとおりです。ですが、わたしたちも極力、無用な戦いを避けるようにしています…… でもほとんどの場合、わたしたち人形に選択できる権利はありません…… (人間たちは何も言わずにいた。) X95: だから、本当にごめんなさい。でも、たとえ人形だとしても、わたしたちはあなた方と共にあります。皆さんに生きていてほしい……だから、そのためにわたしたちは戦います。争いがなくてはならないというのなら、消耗されるのは人形だけでいいと、わたしはそう思います…… (人間たちは押し黙った。男性がうつむく傍らで、女性がすすり泣いている。二人を慰めたあとで、X95はカリーナの傍へとやってきた。) X95: パラデウスに襲われた人たちです、人形に過敏になってるんですね…… カリーナ_レポーター: ごめんなさい……私の役割だったのに…… [注:後方幕僚仕事し過ぎ!] X95: いいんです、彼らは悪くありませんから。カリーナさん、この戦いに、終わりはあると思いますか? カリーナ_レポーター: もちろん、さっさと終わって欲しいに決まってますよ。 X95: ええ、そうすれば、もう人々が傷付くこともありませんものね…… カリーナ_レポーター: …… 世界から、争いなんて無くなれば良いのに…… ### 鮮血の信念Ⅱ分岐 > 場所:隔離壁と浄化塔 (……隔離壁の裏側。アンジェリアは通信を開いた。) K_通信: 余計なことは口にするなと言ったはずだ。 アンジェリア_私服: …… 壁にまた穴をあけられたわ、現在対処中よ。 K_通信: お前たちの任務は「バラクーダノード」の偵察だ、穴をふさぐことじゃない。 アンジェリア_私服: このまま状況が悪化し続ければ、偵察どころじゃなくなるわ。支援を寄越せないのなら、情報ぐらいは提供してもらわないと、割に合わないわね。向こうの状況は? K_通信: グリフィンのことか? アンジェリア_私服: そうよ。あの指揮官の任務はなんなの? K_通信: 国連の主席の護衛だ。 アンジェリア_私服: ったく……よくそこまで信用できたものね。言ったわよね、あの指揮官は巻き込みたくないと。 K_通信: 偶然だな、オレたちの意見が一致するとは。だが、あいつは今や、なくてはならない存在だ。 アンジェリア_私服: 任務を「外部の人間」に任せて、本当に構わないの? K_通信: あいつを心配してるのか? アンジェリア_私服: ……そうは言ってないでしょ。 K_通信: 外部の人間にかわりはないが、あいつらにとっては、グリフィンの灯を守ることができる最後のチャンスだ。――それで、お前はそれを止めようというのか? アンジェリア_私服: グリフィンがどうなろうと、知った事じゃないわ。 K_通信: そうか。てっきり、まだ情を抱いているのかと思ったよ。いずれにせよ、オレたちはエージェントを全て失っている。今やあのグリフィンの指揮官だけが、頼みの綱だ。 アンジェリア_私服: …… グリフィンなら、任務は問題ないと思うわ、でも…… K_通信: 確かに、撤退は今のところ順調だ。 [注:本当ぉ?] さて、これがお前の欲しがってた情報だ。どうだ、任務は遂行できそうか? アンジェリア_私服: ……チッ。 (――通信中断。) ### 鮮血の信念Ⅲ > 場所:教会 (……教会内部にて。教会へと撤退した指揮官と人形たち。幸いなことに、この戦火の中に置かれながらも、教会はそれ本来の姿を保ったままでいる。吐き気をもよおす焼け跡と、ELIDが死に際に撒き散らす体液が無ければ、神聖さと希望を司るかつての壁画を、垣間見る事ができたかもしれない。) RO635: 皮肉よね…… (RO635とSOPⅡは、一体の天使像――片翼を既に失くし、頭部もガレキの中へと埋もれてしまった天使像の前で、足を止めた。) M4 SOPMOD Ⅱ: RO?何か言った? RO635: 別に……ただ教会にいるから、ちょっと感慨深くなっただけ。神は人々のために、正義や規則の概念を設けたのに、ここを見なさいよ。神が住まうはずの場所が、まるで墓所のようだわ。 (RO635は、死体の上をそっとまたいだ。) RO635: 正義とは何か知っていて、それでも争い続けるなんて…… M4 SOPMOD Ⅱ: でも指揮官も言ってたじゃん、なんだっけ、えーっと…… 神が……みんなを好きで……? RO635: それって、「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」って言いたいの? M4 SOPMOD Ⅱ: そうそう、それそれ!ていうかさ、人間が神さまの愛に甘えて、好きホーダイした結果、こうなったんじゃないかな?だって戦争、ぜんぜん無くならないし…… RO635: もしかしたら、神様が定めたわけじゃないのかもね。 M4 SOPMOD Ⅱ: 本に書いてあることがホントなら、人間は何したって、神様に怒られたりしないんでしょ? (SOPⅡは不満気に、足元にある彫像の破片を蹴飛ばした。) M4 SOPMOD Ⅱ: 人間がさ……こうやって彫像を蹴ったって、許されるわけでしょ?人を殺したって、怒られない…… 街を全部めちゃくちゃにしたって、結局は許されちゃう。 (RO635はSOPⅡの肩を抑え、優しくその神を撫でた。) RO635: 指揮官だけは、絶対にあんな化け物を許したりしないと思う…… わたしたちも指揮官と共に、世界中の悪を、ひとつひとつ無くしていこう。 ### 場所:教会 (同時刻……教会のもう一方にて。) TEC-9: うぁぁぁ……!なんでこの教会、こんなに人間がいるんですかァ! カリーナ_レポーター: 避難して来た人たちなんだから、そんなに大声出さないでください!びっくりさせちゃうでしょ! TEC-9: びっくりさせられたのは、こっちなのに…… (いじけた様子のTEC-9が、遮蔽物に隠れて装弾し、敵への射撃を続けている。しばらくしないうちに、彼女の動きが止まった。) TEC-9: あの……そちらさま、歯が震えるなら震えるで、そんな大きな音たてないでもらえませんか…… 心臓に悪いんで…… (教会の隅で、小さな子供がガタガタと震えながら身を縮こませている。その眼は近くにいるTEC-9を捉えていた。) TEC-9: (なんで人間なんかに話しかけちゃったんだろ……) (でもこれ以上、あの感染者を撃ち続けてたら、頭がおかしくなりそうだし……) ゴホッ……ち、違いますよ。おね、お姉さんは……バケモノをやっつけてるんです。 子ども: バケモノだったんだ…… あのバケモノに……母ちゃんは……グスッ……う…… (TEC-9は言葉を詰まらせた。) 子ども: おれ、ぜったい母ちゃんの仇をとってやる! TEC-9: (えぇ……その歳でそれは……) まずは、生きることを考えた方がいいですよ。 子ども: え? TEC-9: ……まず生き残って、出来るだけ遠くに逃げるんです…… あとのことは、お姉さんたちに任せておきなさい。 カリーナ_レポーター: 人間とちゃんと交流できるなんて、すごいじゃないですか。なんで指揮官さまとは、まともに話せないのかしら、あなたって子はホント…… (突如カリーナがTEC-9の背後へと現れた。) TEC-9: えええ!?カリン!どこから出て来たんですか!うわやめて、近寄らないで……はぁぁ、びっくりしたなぁもう…… ### 場所:教会 (……5分後。) RO635: 指揮官!お喋りしてる場合ではありません!外のELIDが……チッ、勢いを増しています! (確かにそんな場合ではなさそうだった。教会ひとつ守れないほど落ちぶれてはいない、などと啖呵を切っておきながら、前線は今にも崩れそうな気配だ。各小隊の人形たちにも、疲れの色が出始めている。) M4 SOPMOD Ⅱ: 教会に来てから、ずーっと撃ちっぱなしだよぉ…… はぁ……弾丸が尽きるが早いか、敵を滅ぼすが早いか……ってやつ?ELIDの怪物は、いざとなったら半分に引き裂けるけどさ、さすがに砲弾はそーもいかないし…… RO635: SOPⅡ、ふざけてないで指揮官の小隊について。支援……支援が来るまで持ち堪えることができれば、、成功したも同然よ。 カリーナ_レポーター: (そうか、通信してた時、ROさんはいなかったから……) (無線もなんとか直りそう……早くKさんに連絡しないと……) (SOPⅡをそう励ますRO635自身も、すでに限界に達していた。人形たちの攻勢が衰えたことを察知したかのように、外敵による爆撃は、より一層激しいものとなった。) カリーナ_レポーター: ああもう、このオンボロ!ちょっとは役に立ったらどうなの!?アンタが動かなきゃ、ここでお終いなんだからね!? (カリーナは通信設備を思いっきり蹴飛ばした。すると無線が雑音を発し―― ピッ――!) K_通信: やっと繋がったか、全員くたばったのかと思ったぞ。 カリーナ_レポーター: し……指揮官さま!Kさんと繋がりました! 指揮官: お前の言ってた撤退ポイントはどこだ?ここには撤退に必要な人員も設備も、なにひとつ置かれていない。このままだとVIPどころか、私たちの命まで危うい。 K_通信: 笑えない冗談だな。 カリーナ_レポーター: 誰が冗談なんて言うものですか。今の戦力差じゃ、敵が私たちの防衛線を突破するのも時間の問題なんですよ! K_通信: 街の上からじゃヘリは使えない。撤退ポイントは郊外の三角州区域に変更だ。詳しい座標を送る、VIPを連れて向かえ。ヘリは三十分後に到着する。 指揮官: それはできない。 K_通信: なんだと? 指揮官: ウルリッヒ主席と、教会にいる民間人を守ると約束した。彼女を連れて行こうにも、同意を得られないのだから仕方ない。 K_通信: 主席の考えなどに興味は無い。必要とあらば気絶させてでも連れて行け。オレたちにとって一番貴重なのは時間だ。当初の作戦通り、主席を連れて撤退しろ。戦力を無駄にするな―― 指揮官: ――ではもう一度言おう、それは出来ない。お前は今安全な場所にいるんだろう、なら必ず切り札を残しているはずだ。VIPを撤退させたいなら、ここの民間人も一緒に連れて行け。支援を、今すぐ、寄越せ。これは駆け引きなんかじゃない。 カリーナ_レポーター: ちょ……し、指揮官さま、あんまり強引に出ると…… (教会の外では、依然として砲火が鳴り響いている。まるで地震による余波のように、電波がその場で途切れる可能性が、終始付き纏っていた。) K_通信: ………… 5分後に迎えを寄越す。 指揮官: そうこないとね。 K_通信: こちらで作戦プランを立てておく。人形と民間人どもに準備をするよう伝えろ。それから、さっきの態度についてだが、あとでカタをつけてやるから覚悟しておけ。 指揮官: ……フッ、その時まで生きていられれば、謹んでお相手願うよ。 [注:極限状態に光明が差した所為かキャラがおかしなことになっておる] ### 失われた手札Ⅰ > 場所:教会 カリーナ_レポーター: ……なんなの!? (戦闘の最中に、一台のトラックが凄まじい速度で教会へと乗り込んできた。誰もが自爆車両だと認識し、銃口を向けたその時、トラックが急に踏み止まったかと思うと、運転席からマホロが姿を現した。) マホロ: 使用可能な車両はこれのみです。今なら、VIPをお連れして撤退することができます。 カリーナ_レポーター: このボロいトラックだけ……?装甲車とか、もっと安全なのは無いんですか!? K: 車が見つかっただけでも有り難く思え。 カリーナ_レポーター: それじゃ、避難してきた民間人たちはどうするのですか?こんな装甲すらない車に乗るくらいなら、まだ教会にいた方が…… K: その通りだ。少数の精鋭人形だけを連れて、VIPを撤退ポイントへとご案内しろ。その他の人形は、引き続き教会の防衛に当たって構わない。 カリーナ_レポーター: でも敵が…… RO635: アイツらの目的は主席です。主席がここを離れれば、敵を教会から引き離せるはず。感染生物だけなら、残りの小隊だけで十分対応可能です。私はKさんのプランに賛同します。 [注:防衛軍とは出来が違う] K: あとはマホロがサポートする。これがオレの出せる最後の切り札だ。 指揮官: だけど、それでは護衛小隊が危険にさらされる。 RO635: 指揮官……わたしたちを信じてください。ここにいても死ぬのを待つだけです。行動を起こせば、まだチャンスはあります。 (振り向くと、SOPⅡとROは、既に出発の準備を済ませていた。) RO635: SOPⅡ、大丈夫よね。 M4 SOPMOD Ⅱ: もっちろん!こういう任務は、わたしに任せてよね! RO635: 計画はこうです。高スピードで市内を通過し、撤退ポイントに到着、そして主席をヘリへとお送りする。地図によれば、あの辺りは比較的安全のようです。わたしたちはそのまま郊外へと撤退します。白い勢力がここを離れたら、あなた方も避難民を連れて郊外へと撤退してください。結果がどうあれ、この教会にいるよりかは安全です。 ### 場所:落書きされた建物前 (……5分後。RO率いる精鋭小隊とウルリッヒ主席の一行は、地図上のデルタゾーンへと向かっていた。) RO635: ウルリッヒ主席、申し訳ありません、また危険な目に遭わせてしまって。実を言うと、目的地に無事辿り漬けるかどうか、私にもわかりません。敵の攻勢からして、リスクの高い賭けになるかと。 ウルリッヒ主席: ……謝るのは私の方よ。私だけ逃げるなんて、許されない事だと分かってる。でも、そうする事で避難民たちが助かるのなら、私は喜んで危険に身を投じるわ。 RO635: 無事に辿り着くことさえできれば、全員が助かります…… とはいうものの……敵がもう追ってきていますね…… (マホロがROに視線を投げかけ、ROが頷く。荷台の様子を伺うと、SOPⅡが既に戦闘準備を始めているのが目に入った。後方の敵が必死に追走するも、トラックの速度に追いつけずにいる。ROがほんの少し警戒を緩め、正面に向き直ったその時。) M4 SOPMOD Ⅱ: 前! (ドォン――――!トラックの前方から、突如、一台のセダンが現れた。マホロが咄嗟にハンドルを切ろうとするも既に遅く、コントロールを失ったトラックは、路辺のフェンスへと突っ込んだ。) RO635: やっぱり、こうなるだろうと思ってたわ!ウルリッヒ主席、大丈夫ですか! (ROがその身を呈してウルリッヒ主席を守ろうとする。SOPⅡと他の人形たちも、トラックを飛び降りて防衛に当たった。) ウルリッヒ主席: あ……ありがとう、大丈夫よ…… RO635: 車内で待機していてください、外を見て来ます! M4 SOPMOD Ⅱ: RO!白い勢力が後ろから来てるよ! [注:SOPⅡも「パラデウス」の呼び名を知ってるはずだけど……] RO635: ああ、前からもよ!それに感染生物まで!クソッ、挟まれた! (その言葉の通り、主席を乗せた車両は、完全に敵に包囲されようとしていた。) M4 SOPMOD Ⅱ: どうする? RO635: わたしたちで前方の敵を掃討するわよ!他のメンバーは後ろを守ってください!道を確保でき次第、VIPを連れて徒歩で撤退! (バンバン!バババン!銃声、砲火、足音、機械音、そして肉片と血液の辺りに飛び散る音が、この道に紡がれる唯一のメロディとなっていた。) ### 失われた手札Ⅱ > 場所:落書きされた建物前 (……5分後。) M4 SOPMOD Ⅱ: ふー……やっぱ感染者の方が楽だよ、ただちょっと……キモイってだけで。でも、後ろがもうダメそう、敵がどんどん近づいて来てるよ…… RO635: あのネイトみたいなヤツ、あの時倒しといて本当に良かった…… ニモゲン: ホントに私があんな攻撃で、やられると思ってたの? M4 SOPMOD Ⅱ: うわぁ!びっくりしたぁ!まだ生きてたの!?あの一撃で粉砕したと思ってたのに! ニモゲン: 今すぐ殺してやりたいところだけど、お父様のために、先にやっておかなきゃならないことがあるの。 ### 場所:黒背景 (ニモゲンがそう言い終わらないうちに、後方から発射された何かが、車内へと撃ち込まれた。煙幕が瞬く間に辺りへと充満しだす。) ### 場所:落書きされた建物前 M4 SOPMOD Ⅱ: ゴホッ、ゴホゴホッ……妨害型発煙弾だ!RO、車内は―― RO635: ――!ウルリッヒ主席!しまった!VIPがいなくなってる! M4 SOPMOD Ⅱ: 本当にしつこいんだから! (黒衣をまとったニモゲンが、道の先に立っている。まるで見つけてほしいとでも言うように。顔には冷ややかで歪な笑顔をたたえ、発煙弾が命中した方向を凝視している。) ニモゲン: クスクスクス……始めましょう、マーキュラス。もう随分と、お父様を待たせてしまったわ。 (気絶した主席を抱えたニモゲンが、RO一行の視界から消えた。) RO635: SOPⅡ、主席を取り戻さなきゃ!どんな手を使ってでも!早く――! ### 場所:黒背景 (……同時刻。保安局局長のオフィスにて。ジリリリリ―――― 明るいとは言い難いオフィスの中央に、ゼリンスキーは腰していた。デスクに置かれた、耳障りな音を発する機械を見据えている。ゼリンスキーは電話に出るのを躊躇った。眉間の深いシワをどう組み合わせてみても、これがろくでもない電話であろう事実は変わらなかったからだ。カチャ。あと二秒も待てば、電話は鳴り止むかもしれんが、それでもゼリンスキーは受話器を取った。やがて受話器の向こうから、まてしてもゼリンスキーの忌み嫌う声が聞こえてくる。) 謎めいた男性: ずっと応答が無いものだから、てっきり保安局が新たな勢力によって、秘密裏に爆破されたのかと思ったよ。まったく、驚かすのはやめてもらえないか。 ゼリンスキー: ……笑えん冗談だ。言え、何が目的だ。 謎めいた男性: 良いものが手に入ったんだ…… 今、君たちの客人は、私の手の中にある。 ゼリンスキー: ………… 謎めいた男性: 彼女を生かしておきたくば、22号基地の起動権を明け渡せ。 ゼリンスキー: 何の話かさっぱりだな。 謎めいた男性: これだけ重要な人物が、死んでしまって本当にいいのか?人間は脆い、兵器を前にしたら、たちどころに―― ゼリンスキー: 保安局は、テロリストと取引などしない。 謎めいた男性: ほう?は、わかった、そういうわけか、あの女がどうなっても構わないと。つまり、君が気にしているのはそこじゃないということだな。ふむ、なるほど、目的は他にあるということか、局長殿? ゼリンスキー: ……何の事だかわからんな、無駄話はやめろ。 (この時、保安局局長は体をやや前へと傾け、左手を握りしめていた。その拳で太腿を叩こうとするも、ふいに動作を取り消して、ただ一言そう漏らした。あたりを漂う沈黙に、彼は居ても立ってもいられなくなった。ゼリンスキーは相手の返答を待ち望んでいながらも―― この怪しげな男が、まともな話を持ち出すわけがないとわかっていた。) 謎めいた男性: 君の目的も、保安局の目的も、私は全て知っている。 ゼリンスキー: …… 謎めいた男性: 私に手伝わせてくれないか。その方が、君にとっても都合が良いだろう? ゼリンスキー: お前は……いったい何者だ? 謎めいた男性: 私か?はは、もう察しはついているのだろう?私がこれまで経験してきた物事は、局長、君よりもずっと多い。加えて、私の人脈や情報網、そして手の届く先は、君たち保安局よりもずっと広くて深い。ああ、逆探知しても無駄だ、つまらないことはやめたまえ。君たちではたとえ10年探ったところで、何も出て来やしない。お互い、時間を無駄にするのはやめよう。22号基地のパスワードを渡せ。そうすれば、主席、功績、そして残る13基地の所在地も、全て君の思うがままだ。 (ゼリンスキーは言葉を失った。彼は奥歯を噛み締めながら、空の一点を見つめている。あの特殊な時期に、見落としていたであろう数々の情報を脳裏に思い浮かべながら。) ゼリンスキー: 私がお前を信じる理由は? 謎めいた男性: 君には、他の選択肢など無いからだよ。何一つ得られずに終わるか、私に協力するか、二つに一つだ。はは、そう、協力だよ、協力。 (ゼリンスキーの不安が、より一層強くなる。ボイスチェンジャーを通していても、受話器の向こうの語気が、急に残酷めいたものとなるのがわかった。) 謎めいた男性: 少々話が長くなってしまったな、ゼリンスキー局長。長い年月が唯一私に教えられなかったのは、「待つ」ということだ…… だから、今すぐ答えが欲しい、これは取引などではない…… 命令だ。 ### 失われた手札Ⅲ > 場所:落書きされた建物前 (……戦場のもう一方。街角。) M4 SOPMOD Ⅱ: くそ……くそっ!あの「ネイト」、わざわざわたしたちに見せつけてから逃げるなんて!次に会ったら、アイツを真っ二つに噛みちぎってやる……あ、やっぱ、引きちぎってやる! RO635: まず主席の位置を特定しないと…… こうなることを見越して、主席には発信機を忍ばせてあるの。あの「ネイト」、そう遠くへは行ってないわ、っていうか……止まった……? M4 SOPMOD Ⅱ: 諦めたのかな?わたしたちからは逃げられないって、やっと気付いたんだよ! RO635: まさか……何か理由があるはずよ、慎重になった方がいいわ。座標を皆さんに送りました、ここを包囲します。確実に追い詰めてやりましょう。 (RO635が、地図上に幾つかのポイントをマークした。SOPⅡと他の人形たちが、即座に行動を開始する。) ### 場所:街_モノレール (……12分後。寂れたビルの前。) M4 SOPMOD Ⅱ: このぼろぼろのビルは包囲したよ。他のメンバーは、ここにネイトと主席が訪ねた形跡は無いって。 RO635: あの「ネイト」が現れる場所は……ここしかないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ: でも、誰もいないみたいだよ……? (SOPⅡがわたしの懸念を代弁した。この大きなビルからは、敵の信号が一切検出されない。けれどそのことが、私の不安をより一層大きくさせた。) RO635: とにかく、中に入ってみましょう…… 皆さん、警戒を怠らないでください。 ### 場所:黒背景 (…… だだっ広い部屋には、なんの異常も見られない。たった一つ、ぽつんと置かれた木の椅子に、ウルリッヒ主席が縛り付けられていることを除けば。主席は突入してきたわたしたちに向かって、失望したかのように笑ってみせた。) ウルリッヒ主席: ごめんなさい…… ### 場所:扉_緑_セピア (……5分前。拠点にて。ウルリッヒは、自分を見下す黒衣の少女をきつく睨んでいる。その少女の笑顔は、彼女を不安にさせた。) ウルリッヒ主席: あなたたち……殺すならさっさとしなさい!けれど生き残った人々は、決して悪に屈したりしないわ!暴力と恐怖を強いれば、誰でも言うことを聞くと思った? (ウルリッヒを見下していたニモゲンが、ふいに笑顔を引っ込めた。顔からは何の表情も読み取れず、ただ静かなままだ。その静けさが、主席の不安を何倍にも膨らませた。) ニモゲン: 人間のコロコロ変わる「理想」とやらに、興味は無いわ。 ウルリッヒ主席: コロコロ…… ニモゲン: 口でどれだけ偉大な「主義」だと豪語したところで、結局は手を変え品を変え、自分たちの欲望を包装しているだけに過ぎないわ。くだらない。あまりにもくだらなすぎる。 (ニモゲンは急にお喋りをやめた。視線はウルリッヒに注がれてはいるが、瞳孔は開いた状態となっている。ニモゲンが命令を受信していることなど、ウルリッヒにはわからない。彼女の目に映るのは、気絶していたニモゲンが、やがて眼を醒ましたかと思うと、人を不安にさせる笑みを再び漏らしたということだけだ。) ニモゲン: へぇ、そういうこと…… あなたの価値はもうなくなったわ、それもたった今。クスクスクス……そうよ、やっぱりこうでなきゃ!それじゃそろそろ、私を不愉快にさせたガラクタどもに、挨拶してこなくちゃね―― (ニモゲンが再び動作を停止した。) ニモゲン: あら?私の可愛い妹が、困ったことになってるみたい。ま、どうせあなた達には、「理想」とやらによる災難が降りかかる運命なんだし、別にいいわよね。この世でじっくりと嬲り殺されるのがお似合いだわ。クスクスクス…… (そう言い捨てて、ニモゲンは部屋から去ろうとする。) ウルリッヒ主席: 待って――!理想による災難……一体なんのこと? (ニモゲンは僅かに振り向いて、主席を一瞥すると、意味深長に笑ってみせた。) ニモゲン: この期に及んで、まだ気付かないっていうの? ### 場所:扉_緑 (……現時刻。) ウルリッヒ主席: そう言って、彼女は立ち去ったわ。しばらくしたら、今度はあなたたちが現れた。 RO635: 災難……それってまさか、感染者のこと……? ウルリッヒ主席: わからない……彼女が何を言っているのかさえ…… 彼女が何者なのか、なぜ私を捕らえたのか、なぜすぐにここを離れたのか……私には何一つわからないわ。でも、あの時確かに、何かを成し遂げたような顔をしていた…… きっと、とつてもなく重要な何かを…… RO635: とてつもなく重要な何か……ですか?いずれにせよ、わたしたちにとっては主席の安全が第一です。今のうちに撤退ポイントへと向かいましょう! (ROはウルリッヒ主席を椅子からそっと起こした。主席が彼女の手を力強く握りしめる。) ウルリッヒ主席: こんなこと言う資格、私にはないけれど……あなた達がいるなら、きっとこの世界はより良いものとなるわ。敵が何を企んでいるにせよ、良くない事なのは確かよ。お願い、奴らを阻止してちょうだい。 RO635: 「新世界の輝きとなる」ために? (ウルリッヒ主席は暫し呆然とした後に、優しく微笑んだ。) ウルリッヒ主席: ええ、新世界の輝きとなるためよ。 RO635: 心配いりませんよ。たとえそのお言葉が無くても、奴らの好きになどさせません。さぁ、ウルリッヒ主席、行きましょう、指揮官が私たちを待っています! ### 鮫と海Ⅰ > さびれた街並 > 場所:黒背景 (隔離壁が破壊されてから一時間後、ベルグラード市内にて。銃声と叫び声が消え、入れ替わりに狂風の唸り声が街中に轟き始めていた。かつては壮大な佇まいを見せていた大通りのビル街も、今となっては人影ひとつ見当たらない。……一部の例外を除いては。) AK-12: 安全を確認、進むわよ。 M4A1_MOD: 了解。 (二人の人形が前後に連なって、裏路地の中を駆け抜けて行く。一人は前進し、もう一人は後退することで、お互いの背後を警戒し続けている。) AK-12: ストップ。ドローンが前方に感染者を確認。 M4A1_MOD: 迂回する? AK-12: 敵は少数、時間も無いから直進するわ。戦闘準備をするよう声を掛けただけ。あなたは左、私は右を。 M4A1_MOD: それはどうもご丁寧に。 (サイレンサーと暴風によって銃声はかき消され、人形たちの足音と薬莢の音だけが、石張りのタイルへと散らばってゆく。やがて二人は、一面に人間とELID感染者の死体が広がる大通りを抜けて、次の路地へとやってきた。) AK-12: 戦う事に限って言えば、あなたは悪くないパートナーだわ。 M4A1_MOD: どういう意味? AK-12: あなたのお友達から、色々と聞いたわ。正直、パフォーマンスには全く期待してなかったんだけど。 M4A1_MOD: ……これで、無責任な脱走兵の話なんて、全くアテにならないことが証明されたわね。根拠の無いウワサに振り回されるような人は、もっとアテにならないけど。 AK-12: 誤解しないで欲しいわ。私、本当に興味があるの。今後もあなたの事、じっくり観察するつもりよ。でも今はもっと重要な……アンジェ?どうかした? アンジェリア_私服_通信: AN-94とAR-15の信号は? AK-12: ……まだよ。現時点では、なんの信号も検出できないわ。まだ連絡がつかないの? アンジェリア_私服_通信: ついてたら、あなたに聞いたりしないでしょ。最後の連絡から既に30分近く経過してるわ。嫌な予感がするの。劇場までの距離は? M4A1_MOD: 直線距離ですと……あと10分ほどです。 AK-12: 順調にいけばね。 M4A1_MOD: 新しいセーフハウスは見つかりましたか? アンジェリア_私服_通信: 心配ご無用よ、ここは十分安全だわ。AN-94、AR-15との通信回復に専念して。 AK-12: そうだといいけど。もしELIDに襲われても、この距離じゃ助けに行けないのよ、分かってる? アンジェリア_私服_通信: いいから急いで向かって。何か進展か情報があれば、すぐに連絡して頂戴。自分の身くらい、自分で守れるわ。こちらからは以上よ。 (……ピッ。) M4A1_MOD: ……大丈夫なの? AK-12: 大丈夫じゃないとでも?アンジェが問題無いと言ったら、問題無いのよ。 M4A1_MOD: 至って単純明快ね。 AK-12: ブツクサ言う人形が反逆小隊に二人もいたら、厄介だとは思わない? ### 場所:街_破壊_高架道路 (目標地点に向かって前進するM4A1とAK-12は、いくつもの通りを抜け、とある広場の前へとたどり着いた。) M4A1_MOD: あれが劇場…… AK-12: そのようね。向かいに騎馬像、探していた劇場に違いないわ。でもこの地形……正面から入る訳にはいかなそうね。 M4A1_MOD: でも、アンジェさんは急いで支援に向かえと…… AK-12: 多少遅れたところで問題無いわよ。急いで支援に向かうのと、急いで罠にかかるのとでは、天と地ほどの差があるわ。狭い上に遮蔽物が多い街道とは違って、ここの広場じゃ形勢を把握されやすい。鉄血に白い勢力、どちらが勝ったにしろ、邪魔者を迎え撃つ準備はしている筈よ。 M4A1_MOD: じゃあどうするの?ここまで来たのに、ただ見てるだけ? AK-12: 劇場の付近を探ってみましょう、内部に異常が無いかも含めてね。結局は中に入る事になるけど、その前にハチの巣にされるなんて、まっぴらごめんだもの。 (大げさな口調ではあるが、AK-12の提案は至極真っ当なものだった。彼女に続いて次々と路地を通り抜け、劇場との距離を縮めて行く。婉曲すぎるアプローチにたまりかねたM4A1は、つい疑問を投げかけた。) M4A1_MOD: AR1……AN-94が心配じゃないの? AK-12: 多少はね。でも、あなたがAR-15を心配するほどじゃないわ。 M4A1_MOD: う…… AK-12: 死にたくなりのあなたやAR-15とは違って、AN-94は自分の立場と役割をよく理解してるわ。AR-15が馬鹿げた事を考えようったって、AN-94がどうにかして阻止するはずよ。 M4A1_MOD: だからそんなに落ち着いていられるのね…… ……考えたら私、同じ小隊のAR-15のことも、あまりよく知らない…… 再会してからも、話をする時間なんてなかったし。 AK-12: 人類人形観察同好会への加入はいかが?今なら、会員ナンバー2の座を手にすることが出来るわよ。 M4A1_MOD: ……冗談でしょ? AK-12: そういう警戒心に満ちた反応も、私にとっては収穫よ。 M4A1_MOD: 意味が分からない……本気なのか、冗談なのか。 AK-12: 私はいつだって、100%本気よ。それと、付近の捜索に専念するから、あなたは通信チャンネルを確認して、何か情報が入ってこないか。 M4A1_MOD: ……何も受信できない。ここまで近付いてるのに、AR-15とAN-94の信号を拾えないなんて…… AK-12: 友軍に限らないわ、敵味方識別を切って、鉄血や白い奴らの信号でも構わないから。 M4A1_MOD: この付近で拾えるのは、緊急放送だけよ…… 避難所に入り切らない市民を、教会へと誘導しているみたい。 AK-12: へぇ?大胆に出たわね。Kが見たら発狂するわよ、誓っても良いわ。グリフィンの指揮官も、単なる堅物って訳じゃなさそうね。 M4A1_MOD: そうね……助けが必要な状況を、決して無視できない方よ。 AK-12: あなたの指揮官さまのおかげで、状況が読めたわ。劇場に敵が潜んでいるのは、間違いなさそうね。 M4A1_MOD: なぜそう言い切れるの? AK-12: 無線放送が拾えるのは、このエリアの通信がまだ暴風雨の影響でダウンしていない証拠よ。ところが、劇場だけは洞穴の如く静まり返ってる。不自然過ぎるわ。 M4A1_MOD: なるほど……つまり、劇場内部にジャミングが敷かれていると。 AK-12: 反逆のテンポに追いついてきたわね。苛烈な戦いになるわよ、準備は良い? M4A1_MOD: もちろん、いつでも。 (人形同士が不敵に笑い合う。やがて二人の足音は、劇場の入り口へと消えて行った。) ### 鮫と海Ⅱ > 地下道 > 場所:黒背景 (ベルグラード地下。敵味方識別による警告が、電子マップを真っ赤に埋め尽くし、絶えずアラートを鳴り響かせている―― AR-15とAN-94は、それを無視して前へ進むほかなかった。) AR-15_MOD: ……なぜ鉄血に味方する、16? M16A1_鉄血: 訊きたいのはこっちだ、AR小隊から逃げ出したのは、私が最初じゃない。 AR-15_MOD: あの時は……止むを得なかっただけ。 M16A1_鉄血: だろうな。幸せな理由はどれも似通っているが、不幸な理由は人それぞれだ。 AR-15_MOD: 以前のあなたは、こんな感傷的じゃなかったはずよ? M16A1_鉄血: さぁ、どうだか。時間は多くのものを変質させる。それが酒でも人形でも同じだ。今のお前も、当初落ち着きのないガキだった頃と随分違うな。 AR-15_MOD: わたしのこと、そんな風に思ってたのね…… AN-94: 情報を漏らさないで、15!こいつら何かを企んでいる筈。 AR-15_MOD: わかってるわ、だからこそ…… ビーク: ククク、こいつらマジウケるんだけど。ダベってりゃ生き残れるとでも思ってるわけ?黙ってりゃ、バラバラにされないとでも? AR-15_MOD: やれるもんなら、やってみなさいよ。 M16A1_鉄血: そう固くなるな。壊す必要があれば、とっくにそうしている。今のお前たちにはまだ利用価値がある。 (不意に、前方で銃声が鳴った。追従していた鉄血人形たちが、即座に警戒態勢を取る。) M16A1_鉄血: 囮を使って奴らを引き付けろ。私たちはこのまま進む。 (M16がそう指示すると、鉄血人形たちは無言で走り出し、前方の戦闘へと加わった。M16と鉄血幹部は、反逆小隊の二人と共に横道へと逸れると、そのまま要塞の方角へと進んでいった。銃声は鳴り止むどころか、密閉された地下迷宮の中で、ますます勢いを増してゆく。) ビーク: オイオイ、いいのかよ?あたしたちの駒がどんどん消費されてってるんだけど。 M16A1_鉄血: 敵の数が予想より多い。 AR-15_MOD: 私たちの時の数倍はあるわ、鉄血の存在に勘付いたのね。 M16A1_鉄血: バラクーダノードを確実に入手する為に、戦力を増強したんだろう。さしずめ……洞穴の中で鉢合わせした、虎と熊、と言ったところか。 AR-15_MOD: 相も変わらず手こずってるのね、鉄血らしいわ。久しぶりに会ったわけだし、旧友の成長を見てみたいとは思わない? AN-94: 何を言ってる、AR-15!? M16A1_鉄血: ……面白い、望むところだ。 ビーク: ハァ!?あんた、酔っ払ってんの?自分がどっちの味方かも忘れたのかよ? [注:酔っ払ってるし、M4の味方なんだろうなぁ……] M16A1_鉄血: この二人は要塞の方から来ている……つまり、帰り道を把握しているって訳だ。こいつらに案内させるのが、バラクーダノードへ近付く最も手っ取り早い方法だ。 ビーク: いや、確かにそうかもしんないけどさ…… AR-15_MOD: 私たちがわざと罠にはめるとは思わないの? M16A1_鉄血: 簡単な事さ、前を行くのは案内人だ。罠があったとしても、先に引っかかるのはお前たちだ。さらに言えば、私たちに何かあったなら、それこそ白い勢力の独り勝ちだ。 [注:16姉さんは「パラデウス」の名前を知ってる] (それを聞くと、AR-15は冷めた笑いを浮かべ、手中の武器を構えた。) AR-15_MOD: ……お褒めに預かり光栄だわ。残る一つの問題は、鉄血のヘボ人形じゃ、私たちの速度について来れないかもってとこね。私たちのケツでも拝んでなさい、このカスども! [注:名言キタコレ] M16A1_鉄血: 全鉄血へ告げる、AR-15とAN-94を味方としてマークしろ、攻撃は許されない。 [注:今までしてなかったんかーい] 全ての小隊は奴らに続け。ビーク、監視を頼む。 ビーク: ……チッ。あぁもう、アッタマくる! (AN-94はわけもわからず、前を行くAR-15の背中を見ていた。) AN-94: 何を考えている、AR-15? AR-15_MOD: 成り行きよ。できるだけ時間を稼いで、機会を伺うしかないわ。今回だけは、私を信じてついて来て。 AN-94: わかった。少なくとも武器は取り戻した…… だけど、これではまるで鉄血の先兵だ。 AR-15_MOD: アンジェが到着するまで、二人とも絶対に生き延びるのよ。こんな何一つ成し遂げてない状態で、死ぬわけにはいかないわ……絶対に。 ### 場所:地下道 (激しい銃声が、状況を遮った。前方には、おびただしい数の白い勢力がひしめいている。鉄血の部隊は、二人の人形に先導される形で、その戦場へと飛び込んだ。かつてないほどに、古い地下道は巡礼者で溢れかえっていた。それにより発せられる騒音も、未曽有の域に達している。飛び交う弾丸、交差する火線、陰湿とした地下の空気が、徐々に熱気を帯び始める。) AR-15_MOD: 援護を! AN-94: 了解! (矛先の如く、鉄血の最前線を突き進む二名の反逆小隊が、流れるように敵をねじ伏せて行く。前進、射撃、停止、そして今度はもう一人が前進―― 言葉を一切必要としない、さながら時計の針のような、寸分も違わぬ完璧な動き。) AN-94: 援護! AR-15_MOD: 行って!……ぐっ! AN-94: AR-15?! (安全かと思われていた背後から、白い敵が現れたと気付く頃には、弾丸は既に体を掠めていた。凄まじい轟音と共にAR-15が振り向くと、白い勢力が巨大な重型バイクによって、壁に叩きつけられている光景が目に入った。) ビーク: あんたらがIOP&軍の最新鋭人形って、本当に言ってんのか?こんなザコも倒せないとか、がっかりも良い所だぜ。 AN-94: 大丈夫、AR-15? AR-15_MOD: ええ、だけど……コイツ、一体何者なの? ビーク: 聞こえてんだけど!? (鉄血ボスは、車両から飛び降りるなり武器を構えると、隠し扉のある通路に向かって発砲し始めた。爆音が鳴り響く度に、近くの壁に血が飛び散るのが分かった。次第に、血生臭い臭いが、火薬の匂いを上回ってゆく。) ビーク: 来いよ、このグズ共。今あたしは、とんでもなくムシャクシャしてんだよ! (圧倒的なパワーと速度で、白い敵を蹂躙する鉄血ボスを見て、AR-15はしばし熟考してから、口を開いた。) AR-15_MOD: グリフィンにいた時は、あなたに関する資料なんて無かったわ、本当に鉄血人形なの? ビーク: ……なんでグリフィンのポンコツなんかに、あたしが疑われなきゃなんないの??あのさ、あんたら捕虜なわけよ、身分を弁えるって言葉知らねーのか? AN-94: 鉄血構造のカタログに無いモデル……まさか……鉄血が自主開発した新型?一体エルダーブレインは、いくつ切り札を持っているの? ビーク: いや分かりやすすぎだっつの、カマかけたってムダムダ。まぁでも、あたしは一人目じゃないし、ドンジリでもないって事だけは言っとく。切り札の数ってんなら、人間の肥溜めみてーな連中よりかは、ダンゼンあるね。さっさと行けよ、人間の飼い犬ども。あんたら、勝手に死んだらブッ殺すかんな! AR-15_MOD: あんな奴に援護してもらうなんて、果たしていいのか悪いのか…… AN-94: ……悪くはない。直に戦いぶりを見て思ったけど、彼女とは……仲良くできるかもしれない。 (AN-94がうっすらと微笑むのを見て、AR-15もつられて笑みをこぼす。その自信に満ちた笑顔が、形勢逆転の可能性を示唆している事を、彼女は分かっていた。) ### 鮫と海Ⅲ > 劇場_暗 > 場所:黒背景 (門を押し開けると、薄暗く人気の無い劇場の舞台が、AK-12とM4の前に現れた。破片の散らばる床、布一面の弾痕、そして空気中の焦げ付いた匂い。それらは、そう遠くない時分に、ここで大規模な戦いがあったことを示していた。) AK-12: 誰もいないわね。 M4A1_MOD: ここが最後に通信した場所よ、一体どこに…… (シャッ!) M4A1_MOD: て……鉄血!あの時の…… エクスキューショナー: 久しぶりだなァ、ドンくさいお嬢ちゃん。オレに会えなくて寂しかったろ? (長刀を手にしたエクスキューショナーが、M4の背後から襲い掛かる。だがその重たい一振りは、M4の掲げた武器ケースによって防がれた。そしてM4の返事を待たずして、素早く正確な銃撃がエクスキューショナーを退ける。) AK-12: 下がって、M4!こいつは私に任せ……くっ! (ダダダ!) ハンター: ほう、見たことのないグリフィン人形か、面白そうな獲物だな。だがエクスキューショナーは、M4A1の首を手土産にしたいそうだ…… ……よって、貴様に手出しはさせん。 (どこからともなく無数の鉄血部隊が現れ、二名の鉄血ボスの指示の下、猛攻を繰り広げ始めた。M4A1とAK-12は分断され、劇場の客席の両側で、各自による応戦を余儀なくされた。) エクスキューショナー: ハハハハハハハハ!いいねェ、随分と成長したもんだ。だがそれは、このオレ様も同じだ!こんな戦いにありつけるたァ、今日は運が良い! M4A1_MOD: (こうなるとは思ってたけど、予想以上に数が多い……) [注:【ドルフロあるある】パラデウス以外の組織は大体敵の数の予想を見誤る] (はやく鉄血ボスを何とかしないと、もう時間が……) 透き通った声: この劇場には、隠し通路があるわ。誰もが追い求める終着点へと続いてる。 M4A1_MOD: 場所はわかる? 透き通った声: 舞台裏の床下が空洞になっているわ。 M4A1_MOD: でもいきなり飛び込んで、白い奴らがもっと出てきたら…… それにAK-12が…… 透き通った声: あなたは鉄血を遠ざけて。白い奴らなら、いくら出てこようと私がなんとかできるわ。仲間を守りたいのなら、私とパートナーを信じるのよ。 M4A1_MOD: わかった……AK-12! AK-12: ……! (視線が交わった瞬間、エクスキューショナーとハンターの攻撃が、二人を再び引き裂いた。) ハンター: 連携するチャンスなど与えはしない。 エクスキューショナー: なぜ逃げる?正々堂々と勝負しやがれ、M4A1! (M4A1は、観客席の端へと追い詰められた。彼女が立ち止まるのを見て、エクスキューショナーは満面の笑みを浮かべる。) エクスキューショナー: それでいい、戦おうぜ、どっちかが倒れるまでなァ! M4A1_MOD: 今よ! エクスキューショナー: は? (突然、巨大な爆発音が轟いた。粉々に吹き飛んだ鉄血部隊の破片が、あたかも季節外れの雪のように、ゆっくりと舞い落ちてゆく。劇場の壁半分に大きな穴が開いたかと思うと、砂利を交えた土壌が、怒涛のごとく舞台へと雪崩れ込んできた。) エクスキューショナー: ゴホゴホゴホッ……!ば……爆弾だァ?いつの間に…… ハンター: エクスキューショナー、危ない! (次の瞬間、エクスキューショナーの体は、爆発によって勢いよく吹き飛ばされていた。彼女が最後に目にしたのは、武器ケースを構え、自分を狙うM4の姿だった。轟音が鳴り響くと同時に、エクスキューショナーは劇場の舞台と共に灰燼と帰した。) [注:復讐砲、初使用描写] AK-12: 思ったより手間がかかったわね…… こうなる事を予測して、事前に爆弾を仕掛けておいたのよ。 (爆弾でひっくり返った舞台の下から、隠し通路が出現した。) M4A1_MOD: ここはお願い! AK-12: 行って、M4!あなたの思うようになさい! [注:AK-12Q「あなたはもう、何もしないで」] ハンター: 貴様らの思い通りにはさせんぞ! (ハンターは傷だらけになりながらも、残った鉄血人形を従え、武器を構えた。M4に照準を合わせようというその時、AK-12の一撃により、ハンターの武器が弾き飛ばされる。) ハンター: ぐぁッ!グリフィンの畜生どもめが……! AK-12: 鉄血工造DP731型人形「ハンター」ね?ホントの事言うと……私、グリフィン人形じゃないのよね。あなたもすぐにお仲間同様、無知の代償を支払うことになるわ。 ### 鮫と海Ⅳ > 地下道 > 場所:黒背景 (……ベルグラード地下。撃ち出された弾丸は白い敵へと精確に命中し、確実にそれを真っ二つ、或いはバラバラにすることが出来ていた。しかし、鉄血の前に立ちはだかる敵部隊の数は、全く減る気配がない。) ビーク: ゴミが何体こよーが、ゴミには変わりねーんだよ、このウスノロが! (ビークが威勢よく吠える傍らで、鉄血兵士たちが白い敵の弾幕に押され、次から次へと倒れてゆく。やがて四方八方から迫りくる弾幕によって、ビーク自身も身動きが取れなくなる。) ビーク: 数でこのあたしを潰そうっての?ちょーどイイや、どこ向けて撃ったって弾がムダにならないワケじゃん!飛んで火に入る白いムシってか!死にさら……ん!? (不意に、激しい掃射が白い敵の戦列を引き裂いた。正確無比な射撃が、さながら荒れ狂う暴風雨のように、白い敵の急所を尽く叩き潰した。) AN-94: オールクリア、前方を警戒する。 AR-15_MOD: 了解、ここは任せて。 ビーク: あんたら……!いやぁ、知らんかったわマジで。グリフィンの犬でも、恩を忘れたりしないもんモンなんだな。 AR-15_MOD: 関係無いわよ、ただ通路を通れるようにしただけ。 ビーク: へぇ、でかいクチ聞くじゃん。ってかホントにここで間違いないワケ?敵、めっちゃいるけど? AR-15_MOD: 白い奴らが大勢いるって事は、敵がここを重要視してる証拠でしょ?これだけ反撃してくるのを見ると、道は間違っていないようね。 ビーク: あ、言われてみりゃ確かに…… って、ちょっと待て。なんであんたらがあたしの背後から出て来るんだよ?前にあるのが道だろ?てか、あんたらのケツの後ろを、ついて行った気がすんだけど? AR-15_MOD: それなんだけど、実を言うと……どうやら、誰かが途中下車するみたいよ? ビーク: ??!! (にわかに、鈍器で頭を殴られたかのような感覚に襲われる…… 目の前の景色がチカチカし始め、鋭い雑音が全てを覆い尽くす。ビークは瞳の焦点を失い、フラフラしながら車体から床へと転げ落ちた。ぼんやりとした視界とけたたましい騒音。ビークが辛うじて目にしたのは、AN-94とAR-15が壁を押し開けている場面だった……) AR-15_MOD: 上出来よ、AN-94。幸運を祈るわ、鉄血製。あなたは、そうしてるのがお似合いよ。 ビーク: ……あんたらぁぁぁ!このゲス犬ども!死ね!くたばれこのクソが! (ビークはどうにか腕を上げると、反逆小隊が逃げ去った方向へ、弾薬の尽きるまで銃を乱射した。どれだけの時間が経っただろうか。ビークは突如目を見開き、勢い良く起き上がって周囲を眺めた。二名の捕虜は跡形も無く消えており、周囲に残されたのは自分のバイクと、山積みになった白い舞台の残骸だけだった。) ビーク: さっきのは……オーバーロードハッキング?チックショー、ヒレツな人間の飼い犬どもめ、確かこっちに…… (AR-15とAN-94が入って行った隠し扉を見つけるも、扉は既に一方通行に設定されており、こちら側からは開かなくなっていた。彼女は怒りに任せて、隠された電子ロックパネルを叩き潰した。) ビーク: ぬああああああ……汚ねぇ!汚ねーぞ!!始めっから計算してやがったな!このゴミクズ人形共!! M16A1_鉄血: どうした? ビーク: 全部あんたの所為だ!来んのがおせーんだよ! M16A1_鉄血: そうか?地下道は過ぎた、目標は目と鼻の先だ。バラクーダノードへと通じる門はもう目前……もはや案内など必要ない、後は障害物を排除すればいいだけのことだ。 ビーク: フン、クチじゃどーとでも言えんだよ。そんじゃあんたは、もしあいつらが逃げてなかったら、ホントに始末できてたって言うのかよ、計画通りによ? M16A1_鉄血: 私たちは任務の為に来てるんだ、ネズミ共を殺す為じゃない。この状況をエージェントかエルダーブレインに報告したら、お前と私、どちらに軍配が上がるだろうな? ビーク: ずる……あんた、マジで言い逃ればっかじゃん。 M16A1_鉄血: お前も少しはまともに働いたらどうだ、監視役が逆に監視されては困る。こんな些細なミスなど失敗の内に入らん。私たちの目的は、人形の一体や二体の問題ではない。お前にはやってもらいたい任務がある、しくじるなよ。 ビーク: しくじる?ハァ?自分に言い聞かせてンのかと思ったわ。 (ビークは彼女の重型バイクに飛び乗ると、地下通路の反対方向へと走り去った。一方でM16の視線は地下道の終着地、即ち古城の下に隠された秘密の貯蔵庫へと向けられている。地下通路での戦いを生き延びた鉄血兵士が集結し、M16と共に最後の目的地へと歩を向けた。) ### 鮫と海Ⅴ > 地下道 > 場所:黒背景 (……ベルグラード地下。タタタ!タタタタ……!) M4A1_MOD: また銃声…… (戦闘の気配を察したM4は、心を落ち着かせ、前方へと耳をそばだてた。) M4A1_MOD: ……AR-15とAN-94の銃声じゃない。それなら迂回していったほうがいいわよね。 ### 場所:M4A1とOGASロゴ 透き通った声: 慎重になったわね。 M4A1_MOD: 人助けに行くのよ、私がやられてちゃ意味ないじゃない。それに今は単独行動だし、ミスなんかできない。 透き通った声: でももしかすると、あなたは一人で戦っている訳じゃないのかもね。 M4A1_MOD: あなたが足を引っ張らなければ、それでいいのよ。 透き通った声: 鉄血は問題じゃないわ、あなたは彼らを良く知っている。だけど白い勢力はそうじゃないでしょう? M4A1_MOD: 全く知らない、とまではいかないけど……アンジェさんから、メンタルモデルのデータを貰ったことがあるの。姿形や戦い方については、ある程度認識してるわ。 透き通った声: もし、奴らをもっと簡単に倒せる方法があると言ったら? M4A1_MOD: 大歓迎よ、無駄に弾薬を使わなくて済むもの。……待って、それ本当なの? 透き通った声: もちろん。全ての白い勢力に効果がある訳じゃないけど、あのネイトなら…… 彼女達は特別なつくりになってるの、私たちと少し似ているわ。 M4A1_MOD: ネイト……って、白い部隊を指揮してるヤツ? 透き通った声: そうよ。他の部隊は操られているだけ、あなたの稼働効率でも、この距離ならコントロールするのは容易いわ。でもネイトたちは違う、彼女達からはメンタルを感じられない。複製体にしては珍しく、思考回路には何の機械的補助も施されていないみたい。 M4A1_MOD: つまり……アイツらは、人間だって言いたいの? 透き通った声: 人間を模して造られた生物、ってところね。何故かはわからないけど、彼女達と繋がることが出来る気がするの。それに実際、彼女たちはメンタルを持っていないわ。 M4A1_MOD: ってことは、ネイトを見つけさえすれば、奴らの指揮系統をハッキング出来るのね? 透き通った声: 彼女達の頭部には、一種の遮断装置が付けられているわ。カチューシャみたいなもので、外部からの侵入を防いでいるの。 [注:あのパンツみたいな奴?] 脳部のつくりが特殊なのかしら?いずれにせよ、あなたにネイトの遮断装置を破壊してもらう必要があるわ。 M4A1_MOD: なによそれ。そんな芸当が出来るなら、とっくに奴らの頭部を撃ち落してるわよ。 透き通った声: 一人殺したところで、別のネイトが指揮権を引き継ぐだけよ。私、彼女たちに興味があるの。接続さえ出来れば、きっと多くの情報を引き出せるはずよ。それに、生きたネイトを確保すれば、敵との戦いにおける切り札となるわ。 ### 場所:地下道 M4A1_MOD: ……試してみる価値はありそうね、チャンスがあればの話だけど。ん? (タタタ!タタタタ……タタタ……) M4A1_MOD: また戦闘よ、かなり激しいわ。待って、この銃声は…… AR-15!?それに、AN-94も……! (合流すべき仲間がいるのを察して、M4はすぐさま音のする方へと走って行った。次の角を曲がろうとしたその時、M4は自分を狙う二つの銃口を目にした。) M4A1_MOD: 撃たないで、私よ! AR-15_MOD: ……M4? AN-94: 敵じゃないなら……良かった。 (AN-94は銃を下げると、壁にもたれかかったまま、その場にうずくまった。AR-15が急いでAN-94に肩を貸す。) M4A1_MOD: どうしたの、怪我してるの? AR-15_MOD: 右膝の関節に被弾したわ、修理する時間がいるの。 AN-94: あの鉄血ボスの乱射を避けきれなかったなんて、不覚。AK-12は?一緒じゃないのか? M4A1_MOD: 彼女は劇場で敵を引きつけてる、私にあなた達を見付けてくれと。 AN-94: なるほど、合理的な作戦だ。AK-12ならきっと問題ない。 M4A1_MOD: ここで一体何が?どこもかしこも、鉄血と白い部隊の残骸で一杯よ。 AR-15_MOD: 出来るだけ簡単に説明するわ、難しいとは思うけど…… ……とにかく、今からする話を、冷静に聞いて。 M4A1_MOD: ……M16がここに? AR-15_MOD: その通りよ。しかも、今回の襲撃は彼女の指揮によるものよ。 AN-94: 奴の実力は計り知れない。手下の鉄血ボスですら私たちの手に余る。そして二人のネイトに、まるで自己増殖でもしているかのような白い奴ら…… 今、私にできる事と言えば、隠れて救援を待つことぐらいだ。 M4A1_MOD: だめ。そんなことしてたら、何もかも手遅れになっちゃう。 AR-15_MOD: アイツに恨みがあるのは知ってるわ、M4。だけど、私たちの戦力には限りがある、無事に逃げおおせるだけでも十分…… M4A1_MOD: 白い奴らに抵抗する術があるの。正確には、ネイトにだけど。ネイトの頭部にある遮断機を破壊すれば…… AR-15_MOD: ……ネイトにハッキング出来るの!?確かに有用な情報だけど、私たちは二体のネイトに追われてるのよ。一人を倒しても、もう一方がすぐに指揮を引き継ぐわ。 透き通った声: それなら同時にやればいいのよ。二人のネイトの遮断機を、同時に破壊するの。 (M4A1がうつむいて、小声で何かを呟いている。やがて顔を上げてこう言った。) M4A1_MOD: それなら同時にやればいいのよ。二人のネイトの遮断機を、同時に破壊する。奴らに反応するチャンスを一切与えずに。 AN-94: 危険過ぎる、バラクーダノードをめぐって、鉄血と白い勢力が正面衝突している。その中で二人のネイトを同時に撃つなんて、どう考えても…… AR-15_MOD: いいえ、できるわ。 (AR-15はM4とAN-94の肩を叩いた。) AR-15_MOD: 今の私たちは、昔とは違う。M4の命令なら、私はどこへだってついて行くわ。 [注:中枢命令が無いから「命懸けでM4を守る」事はしないけど、それはそれとして] M4A1_MOD: ……うん。 AR-15_MOD: AN-94、あなたはここで修復を続けて。ここの情報をアンジェと、それからAK-12に送るのよ。あなたは私たちの大事な保険よ、頼りにしてるわ。 AN-94: わかった、そこまで言うのなら。ただもう一つ、白い勢力を瓦解できたとして、鉄血はどうするつもり? M4A1_MOD: そうなったら……私からM16と話し合ってみる。他に方法が無ければ、私のこの手で全てを終わらせる。 (M4の瞳はまるで灯が宿ったかのように、力強く煌めいていた。それは真実への渇望か、はたまた復讐への決意なのか……?いずれにせよ、AN-94は気付いていた。それを明らかにしたところで、何も変わりはしないという事に。) ### 鮫と海Ⅵ > 地下道 > 場所:黒背景 (……ベルグラード地下。) ニモゲン: 鉄血ってこんな程度だったの?みっともないったらありゃしない。 マーキュラス: あぁ、疫病、あぁ、戦争、あぁ飢饉、そして――わたくしこそが死!さぁ、今こそあなただけの、死を届けに参りました! (天地を覆い尽くすほどの火力と、耳をつんざくような掃射の嵐。その真っ只中にいながら、蔑んだ笑いと仰々しい歌声は音質を損なわぬまま、M16の受信機へと流れ込んでいた。) M16A1_鉄血: こういった場面は初めてではないが、意外だな。今の鉄血に出し得る最高の戦力も、奴らの前では石ころ同然か。ノードへの扉は開けたが、一歩も前に進めないとは驚きだ…… (白い勢力の火線によって、鉄血部隊は反撃する間もなく、文字通り刈り取られていく。まばゆいレーザーの光、矢継ぎ早に爆発する榴弾、鳴り止むことを知らない銃声、そういったものがネイトの動きや歌声と共に、辺りを軽やかに舞い踊る。それはまさに、都市の地下深くにて上演される、「破壊」という名のオペラ・デュエットに他ならなかった。) ニモゲン: 結局、この鉄血とかいう奴らもグリフィンと大差ないわね。所詮は下水に蠢くドブネズミだわ。隠れたって無駄よ、とっとと出て来なさい。こんなくだらない戦い、さっさと終わらせるに限るわ。 マーキュラス: 破滅なくして、どうして新生が語られようか!おお、私の天使たちよ、ラッパを鳴らせ!この世に災厄の雨を降らすのだ!お父様の名の下に、世界を焼き尽くしておしまいなさい! (おびただしい数の白の部隊に取り囲まれた鉄血の集団は、その圧倒的な火力により、徐々に押し潰され始めていた。味方が劣勢を強いられているにもかかわらず、M16の表情には、何の変化も見られない。) M16A1_鉄血: この手は使いたくなかったが…… (ふいに、M16は眉を小刻みに震わせた。) M16A1_鉄血: 銃声?一発だけか……いや、二発同時に? (苛烈な戦いによる喧騒の中に、異質な音が僅かに混じる。) ### 場所:地下道 (その時、通路のもう一方では……) AR-15_MOD: はずした?ならもう一発…… M4A1_MOD: 待って!あれを見て! (銃声が次第に収まり始める。白い勢力の部隊は次々と動作を止め、ワイヤーの切れた人形のように、ぱったりと動かなくなった。M4とAR-15に銃を向けられた二人のネイトも、その場で呆然と立ち尽くしている。だが白の部隊とは異なり、ネイトの一人はゆっくりと顔を上げ、床に落ちたカチューシャの残骸を見つめた。そして……) ### 場所:発狂するニモゲン ニモゲン: ああぁぁああぁいやぁああぁぁぁああ!!!い、痛い!おと、お父様!助けてぇぇえ!誰!?誰だ??やめろ!入ってくるな!痛い!痛い!あああぁ、いやぁぁあああああ!! [注:クレイドル・レイクに沈んでいる他のネイトが体を奪おうとしている?] ### 場所:地下道 (凄惨な喚き声が、地下道内の沈黙を打ち破った。高デシベルの甲高い叫びが、徐々にしわがれたものへと変わってゆく。錯乱したネイトは、ふらふらと白の部隊の群れの方へと逃げて行った。彼女の逃走に伴い、白い部隊も続々と武器を捨て、戦いを放棄し、我先に出口の方へと押し寄せた。もう一方のネイトは、その場に立ち尽くしたまま、微動だにしない。) AR-15_MOD: ……やったわ、白の部隊がコントロールを失ったわよ!やるじゃない、M4! [注:珍しいAR-15のデレ] M4A1_MOD: AR-15のおかげよ。じゃなきゃ、ネイトの遮断機を二つ同時に落とせなかった。 AR-15_MOD: でも、さっきのは一体どうやったの?遮断機が弱点だと分かっていても、こんな短時間で二人のネイトをハッキングするなんて、電子戦に精通したAN-94ですら無理な話よ。 M4A1_MOD: …… (さっきのはどういうこと?どうしてネイトまで……まさか、人の思考にも侵入できるの?) あれから、色々と身につけたの。 AR-15_MOD: それは凄いわね、私も頑張らないと。白い奴らはこれでいいとして、次は鉄血を何とかしないと……それにアイツも、でしょ? M4A1_MOD: 待って。 (M4A1の視線の先には、佇んだままのネイトの姿があった。) M4A1_MOD: ……まだ、やることがあるの。 ### 鮫と海Ⅶ > バラクーダノード > 場所:黒背景 (……ベルグラード地下、「バラクーダノード」の門前。白い勢力の態勢が乱れると同時に、鉄血の反撃が始まった。鉄血の一方的な銃撃が、逃げ惑う白の部隊を情け容赦なくなぎ倒してゆく。) M4A1_MOD: ……まだ、やることがあるの。 AR-15_MOD: あのネイト、もう焼け落ちたんじゃないの? M4A1_MOD: まだだと思う。 (ネイトがゆっくりと顔を上げたことにより、M4の言葉は裏付けられた。彼女は両目を開くと、先ほどの狂った挙動とは打って変わって、オロオロと辺りを見回し始めた。) AR-15_MOD: 動かないで、両手を挙げなさい! マーキュラス: あ、あの、すみません、お姉様の事、誰か知りませんか? AR-15_MOD: 黙って両手を挙げるのよ! マーキュラス: お姉様は、わたくしと同じネイトって言います。お父様は、任務を終えたら新しい名前をくれるって言いましたけど…… お姉様がどこに行ったか、誰か知りませんか?……あ。 (マーキュラスとM4の視線が重なると、彼女はM4へと近付いて行った。) マーキュラス: お姉様?お姉様なのね? AR-15_MOD: え……? M4A1_MOD: …… マーキュラス: こんなところにいましたのね。わたくし、急にお姉様の事を感じられなくなって、すごく怖かったの。でも、お姉様が無事なら、わたくしも…… (タタタ!俄かに銃声が鳴った。M4に歩み寄ろうとするマーキュラスの動きが、成し遂げられることは永遠に無かった。その顔に、屈託のない笑顔をほころばせたまま…… 彼女の口鼻からは鮮血が溢れ出し、やがて前のめりになる形で、その身体を地に横たえた。) AR-15_MOD: M4、気を付けて!来たわ……アイツが! ### 場所:向き合うM4とM16_マキュの死体 M4A1_MOD: ……わかってる。 (マーキュラスの背後に位置する、地下通路のもう一方から、良く知っているようでいて、印象とは僅かに異なる人影が姿を現した。) M4A1_MOD: どうして殺したの? M16A1_鉄血: 暫く合わないうちに、敵を仕留める事すら、躊躇うようになったとはな。 M4A1_MOD: ……なにか、私に知られたくない事でもあるの? M16A1_鉄血: お前は知らなくていい事を知り過ぎた。聞こえているんだろう、お前にも……「あの声」が。違うか? M4A1_MOD: だからなんだっていうの? M16A1_鉄血: そいつが何を話そうと、絶対に信じるな。お前がここまで来れたのは、その自分のものではない力に頼ったからだ。 M4A1_MOD: でも、おかげで生き残ることは出来た。たとえロクでもない存在だろうと、裏切り者よりはマシよ。信じたくはなかったけど……鉄血にコントロールされている訳じゃなさそうね。 ### 場所:バラクーダノード M16A1_鉄血: ……まぁな。自分が何をしてるのか、よくわかっているつもりだ。 M4A1_MOD: じゃあどうして戻って来ないんですか、16姉さん!グリフィンに戻りましょう、どんな困難があっても、みんな一緒ならきっと乗り越えられるはずです。 M16A1_鉄血: 私たちが接触するのも、奴らの目的の一部だ……だから戻る訳にはいかない、少なくとも今は。 M4A1_MOD: だったら、本当のことを教えてください。鉄血のふりをして、死と破壊を振りまくのはもうやめて! M16A1_鉄血: 私とお前に、交渉する権利はない。あの扉の先にあるものが、お前の手に渡っては困る……そこをどけ。さもなければ、戦いで白黒を決めるほかない。 (M4が武器を構え、続いてAR-15も銃口を挙げる。一触即発の空気が辺りに漂い始めた。その時。) M16A1_鉄血: 思ったより早かったな……さらばだ。 ビーク: イ~~~~~~ヤッハー! M4A1_MOD: え…… (鋭い排気音が、地下通路内に響き渡る。巨大な重型バイクが、一台のトラックを引き連れて姿を現した。) AR-15_MOD: M4、危ない! (バイクとトラックにひかれそうなったところを、M4はAR-15に脇道へと押し倒された。 [注:AR-15「もう命がけであんたを守ったりなんかしないわ。」] 二人が起き上がった時には、鉄血の車両はとっくに通り過ぎた後だった。) AR-15_MOD: 大丈夫、M4? M4A1_MOD: ……追いかけなきゃ。 AR-15_MOD: え? M4A1_MOD: まだ終わってない。これで終わる訳にはいかない。行くわよ、追撃開始! AR-15_MOD: ……了解! ### 喧騒の中Ⅰ > 地下道 > 場所:黒背景 (……地下通路にて。) M4A1_MOD: AK-12!外にいる!?鉄血が「バラクーダノード」を奪って逃げたわ!そこから奴らを止めて! AK-12_通信: 奴ら、正面を突っ切ってきた!バイクを何台か調達したわ、座標もそっちに送付済みよ!今すぐ追いかければ、まだ間に合うはず! M4A1_MOD: 了解!すぐに向かうわ! ### 場所:荒野 (……同時刻。デルタゾーンの撤退ポイントでは、グリフィン一行がウルリッヒ主席をヘリコプターへと案内していた。) ウルリッヒ主席: 皆さん、本当にありがとう。あなたと、そのお仲間が、困難を乗り越えられるよう祈っているわ。 RO635: ありがとうございます、ウルリッヒ主席も…… (……ヴヴヴ。RO635が別れの言葉を述べようとした時、通信機が鳴った。) カリーナ_レポーター_通信: ROさん、首尾はどうです? RO635: 主席は無事にヘリに搭乗しました、これより帰還します。そちらの様子は? カリーナ_レポーター_通信: こちらも民間人たちを郊外へと案内し終えたところです。何故かはわかりませんけど、パラデウスの連中が攻撃を止めたおかげで、思ったよりすんなりいきました。 [注:M4とAR-15がニモマキュを機能不全にしたアレ] RO635: そうですか……良かった。今どちらですか?すぐに向かいます。 カリーナ_レポーター_通信: それが……Kさんからの命令で、また市内に戻る事になっちゃいまして…… RO635: またあのKですか?アイツの命令なんて、もう聞かなくていいはずでは? [注:辛辣で草] カリーナ_レポーター_通信: アンジェさんが支援を必要としてるらしくて……それに……M16さんが鉄血と共に出現したそうなんです…… で、指揮官様いわく、すぐに動けと。 RO635: M16が……わかりました。私たちも何とかして向かいます、集合場所の座標を送ってもらえます? カリーナ_レポーター_通信: 了解、今送ります。 ### 喧騒の中Ⅱ > 道路 > 場所:黒背景 (……ベルグラードの街角にて。M16を連れたビークが、敵味方の残骸に埋め尽くされた道の上を疾走してゆく。) M16A1_鉄血: 作戦成功。後は、後ろの敵をまいて市外へと抜けるだけだ。これで任務は達成したも同然だな。 ビーク: ったく、簡単に言ってくれるぜ。この後どうなるかわかってんの? M16A1_鉄血: 指揮する者さえいなくなれば、白い人形は脅威ではない。 [注:その辺は鉄血と一緒ね] 感染生物のような目的の無い怪物など、我々の歯牙にすらかからない。他に心配するような事が? ビーク: ここにはあんたの元同僚がいるってこと、忘れてんじゃねーだろうな? M16A1_鉄血: 先ほどの調査報告を見るに、奴らは既に市街地へと撤退している、もはや我々とは無関係だ。 ビーク: ハァーン、それはそれは……おトモダチと戦わずに済んで、さぞホッとしてるだろうねぇ? M16A1_鉄血: …… 誰だろうと、私の前に立ちはだかる者は、全てが敵だ。 ビーク: おぉっとぉ?こりゃまた、カゲキな発言が出た 収録範囲: 大型イベント「偏極光」 前半 偏極光 > 非偏光源 > 場所:移動作戦室 (……列車司令室。) カリーナ: 減速完了しました。各方向へのスキャンはいずれも適正信号を捕捉していません。指揮官さま、云われた通り隔離壁の5km前に停車しましたけど、本当にここで良いんですか? 指揮官: ああ……ここなら十分狭いし、北はラクヴィー湾、南はクローガ湖という好立地だ。防衛ラインを2.5km築くだけで済む。 カリーナ: あの……もう少し隔離壁に近寄った方がいいのでは? 指揮官: いや。これ以上近づいたら、基地の防衛システムに撃たれかねない。 カリーナ: え……でも反逆小隊からのメッセージでは、すでに彼女たちによって制圧されていると…… 指揮官: 敵の罠だったらどうする?見ず知らずの自称反逆小隊なんて信用できるか? カリーナ: ……ぅう、確かに。 指揮官: 実際の状況を確認できるまでは、何もかも敵とみなさないと。計画通り主砲の較正を。充電と装弾状態をキープするんだ。展開中の部隊は、列車の正面及び左右翼の有利な地形に掩体を設置。円形の中央に重装部隊を配置して、防衛ライン全体をカバーさせる。それから、全部隊へ十分な数の弾薬を配布しておいて。 カリーナ: 了解です。ここで軍を阻止するんですね? 指揮官: 命令を待ってるんだよ。さすがにあの老いぼれ共も、私たちだけで戦略港湾基地を占拠できるとは思ってないはずだ。 カリーナ: どういう意味ですか? (通信機に緊急通信が入った。) 指揮官: こういう意味だよ。 ハーヴェル_通信: 指揮官殿、どうやら無事パルディスキに着いたようだな。 指揮官: ええ、高くはつきましたが。それで、作戦は開始したのか?その前に、本音をお聞かせ願いたいですね。 ハーヴェル_通信: おや?作戦目的なら、すでにハッキリと伝えてるはずだが? 指揮官: タリンでの出来事、軍による異常なまでの戦力投射、そして鉄血の奇妙な動き―― 今回の任務は、いちPMCに担える範囲を遥かに逸脱しています。 ハーヴェル_通信: 確かにな。だがグリフィンなら、この程度の任務には慣れっこなんじゃないか? 指揮官: 私たちを鉄砲玉にするつもりでしたら、ここで軍を引き止めますよ。あとの事は、保安局の部隊に対処させてはどうです? ハーヴェル_通信: あの高みの見物専門の「ヴィンペル」のことか?ハハハ、あの死に損ないにあれこれ吹き込まれたようだが、時には知りすぎるのも問題だぞ。 [注:あの死に損ない=アンジェ?] 君のその、物事を深く捉えようとする態度は嫌いじゃないがね。 指揮官: グリフィンの管轄エリアを出てから、こちらの人形はリアルタイムでのバックアップが取れなくなっています。 [注:グリフィンの管轄エリア内なら、リアルタイムでのバックアップが取れるのか] 人形だけではありません。グリフィンの職員や私の後方幕僚―― [注:指揮官とカリーナ以外にも人間の職員が乗り込んでいる] 人間である彼女たちには、当然バックアップも利きません。我々グリフィンが単なる駒として使われようと、彼女たちを無駄死にさせるわけにはいかないんです。 ハーヴェル_通信: それ無論だとも。廃棄された基地から鉄クズを回収するだけならば、私もわざわざ指揮官殿に頼んだりはしないさ。褒美に、もう一つ教えてやろう。近衛第22重爆撃機師団の戦略爆撃機群は、すでにエンゲリス空港から離陸した。もしもの時は、そいつらで基地を更地にするつもりだ。 指揮官: なんですって? ハーヴェル_通信: そろそろ潮時か、手の内を明かす時が来たようだ。 指揮官: つまり私たちは、軍を爆撃エリアへおびき寄せるための餌というわけですか? ハーヴェル_通信: いやいや、モスクワのお偉方どもに、爆弾を撒く度胸はないさ。なにせあの基地には、数個連隊の反乱軍などよりも、遥かに重要な物が眠っているんだからな。 指揮官: バラクーダノードですか? [注:パルディスキにバラクーダノードは無い(by連鎖分裂・根源を辿る)] ……まさか胡蝶事件と何か関係が? ハーヴェル_通信: 君は賢い、アンジェリアからも色々聞いているだろう。その通り、今回の作戦は胡蝶事件の後始末だ。保安局にとっても、軍にとっても――無論、あの「ウィリアム」にとってもな。 指揮官: ウィリアム…… ハーヴェル_通信: バラクーダノードだけではない。胡蝶事件の狙いがどこにあるのか、私も考えあぐねていた。そして今、ようやくそのすべてが繋がりつつあるのだよ。欠けていたピースは、指揮官である君、そしてペルシカから得る事ができた。案ずるな、ペルシカならすでに安全な場所へと移してある。そこで彼女は、彼女なりの真相を語るだろう。そして君のもとには、OGASシステムと共鳴できる「M4A1」と、彼女に引き寄せられた異性体、さらにはリコリスが生前に作り上げた最悪にして最高傑作、「エリザ」がいる。役者が勢揃いしたわけだ。この状況も、「ウィリアム」の計画だと思わんか? [注:いやまーあいつ秩序乱流の頃は普通に殺そうとしてたけどな] 指揮官: そこまで推測できていて、なぜ私たちをここに? ハーヴェル_通信: これが唯一の勝機だからだ。 指揮官: 唯一の勝機、ですか? ハーヴェル_通信: そこにバラクーダノードがあった事はもう伝えたな。それこそが、リコリスのいた鉄血工場へと運び込まれ、のちに胡蝶事件を引き起こし、最終的にベルグラードで君によって回収されたノードに他ならない。その基地はバルト海艦隊の戦略母港の一つで、かつてバルト海艦隊が第三次大戦に向けて用意した、バラクーダの保管場所だった。だが真の脅威は、バラクーダをはじめとする兵器などではなく、その最下層のどこかにある―― [注:モスクワ] 【モルスカヤズヴィズダー】と呼ばれる施設だ。バラクーダの起動には、「遺跡」本体の信号による触発が不可欠だ。 [注:タシャバル-B遺跡] それら武器を遠隔起動するために、旧ソ連はOGASネットワークを構築し、タシャバルーB「遺跡」からの三進法信号を基地へと伝達していた。 [注:パルディスキ潜水艦基地] そして「遺跡」からの信号を受け取り、バラクーダの起動や制御、作戦の発令を行うのが、【モルスカヤズヴィズダー】システムだ。 [注:モルスカヤズヴィズダー] 我々は旧ソ連自体に建造された【モスルカヤズヴィズダー】システムのうち、僅かながらも稼働可能なサブシステムが、この基地深くに現存すると確信している。軍が犠牲を厭わず、基地に踏み入ろうとするのはそのためだ。ウィリアムがここに研究基地を建てたのもな。 [注:バラクーダノード] 【モルスカヤズヴィズダー】施設を封印していた第三の扉は、本来ならば開かれはしないはずだった。「遺跡」にまつわる一切の物事に触れてはならない、それが暗黙のルールだった。 [注:バラクーダ(イジオート)] だが今や、状況は明らかに変わった。 指揮官: つまり……彼らは今、その【モルスカヤズヴィズダー】の端末施設を起動させようと?しかし、バラクーダノードはもともとこの基地にあったものです。軍がその時に起動させなかったのは何故です? ハーヴェル_通信: 1981年に締結された「遺跡兵器制限条約」によって、【モルスカヤズヴィズダー】は長らく封印されていたのだ。あの点火栓作戦がなければ、【モルスカヤズヴィズダー】の起動にモスクワからの権限が必要なことはおろか、 [注:2032年に、ハーヴェルとカーターが、OKB-413遺跡を爆破しようとした反乱軍を掃討した件] 【モルスカヤズヴィズダー】自体まだ稼働可能である事実すら、カーターは知る由もなかっただろう。 [注:この際に反乱具の手によって、バラクーダが一瞬だけ起動しそうになった] カーターが【モルスカヤズヴィズダー】の起動権限を手にすれば、このサブシステムだけでも、 [注:(by特異点・最終手段Ⅰ)] OGASネットワーク全域をアクティベートするに事足りる。そしてそのネットワークはソ連最大の「遺跡」施設――タシャバル-Bの補助システムへと繋がっている。 指揮官: やはり、彼らの最終目的は「遺跡」を起動させること…… ハーヴェル_通信: いや、私が知る限り、起動は不可能だ。バラクーダノードが保安局に回収されたがために、やつらは「遺跡」に関連するシステムを直接制御するためのパスワードを入手できていない。すなわち奴らの行動は、言うなれば一種のデモンストレーションだ。我々政府と西ヨーロッパ間の外交関係及び……目下推進中の「国家連盟」計画を打ち壊すためのな。だが、奴らの目論見は君のおかげで悉く頓挫した。そこで仕方なく強硬策に出たというわけだ。 指揮官: 起動できないというのは確かですか? ハーヴェル_通信: 言っただろう。【モルスカヤズヴィズダー】なんぞは、OGASネットワークに繋いだバラクーダの制御システムに過ぎないと。「遺跡」との唯一の関連性は、同じOGASネットワークに繋がっているという点だけだ。いずれにせよ、これほど急いでパルディスキへ向かうのを見ると、奴らはすでに【モルスカヤズヴィズダー】の起動権限を手に入れている可能性が高い。モスクワにある【モルスカヤズヴィズダー】のメインシステムが、何者かによって起動されたと見るべきだろう。 [注:モルスカヤズヴィズダーは起動してるけど、モルスカヤズヴィズダーに信号を発するための遺跡は起動できない、ってこと?] もはや数名の将軍風情に主導できるような事態ではないのだ。人民委員会の上層部に、崖端歩きを好む人間が現れた。それ即ち、クレムリン内の政治事情が、一触即発の状態である事を示唆している。あの辺の空気はもとから火薬まみれだったのさ。君がベルグラードでやり遂げた一連の出来事は、奴らに最後のガソリンを浴びせたようなものだ。ヤケを起こすのも時間の問題だったろう。 指揮官: 平和の何が気に食わないんだか…… ハーヴェル_通信: 平和とは相対的な概念に過ぎんよ。だからこそ、奴らの目的が【モルスカヤズヴィズダー】の起動である事を証明し、阻止しなくてはならない。保安局がパルディスキに介入していない状況下なら、反対派の連中も言い訳できん。お偉方どものやりようによっては、不戦勝もあり得る。無論、君が失敗した場合を想定して、保安局のヴィンペルと空軍の戦略爆撃機を待機させてはいるがね。なんにせよ、【モルスカヤズヴィズダー】の起動は許されない。形勢が不利となれば、この基地はたちまち焦土となる。 指揮官: …… ハーヴェル_通信: 当然、私もそんな結末は望んでいない。シナリオに準ずれば、すでにお互い切り札を見せているはずだ。暴力は恨みを増長させる。やがて両派は苛烈な衝突を迎えるだろう。内戦は避けられない。 指揮官: 内戦……保安局の介入がないからといって、軍が手を引くとでも? ハーヴェル_通信: 我々が奪取すべきは中立という立場だ。だからこそ姿勢が重要となってくる。もちろん、頑迷固陋な輩に対して、ゼリンスキーも容赦はしまい。軍が基地へと足を踏み入れた瞬間に、反逆者狩りが始まる。だが、相手が座して死を待つとは思えん、力の限り抵抗するだろう。何事にも時間は必要だ。指揮官よ、これだけは覚えておけ。君たちグリフィンの目標とは、即ち導火線を断ち切ることだ。この作戦の成功こそが、平和を勝ち取る唯一のチャンスなのだよ。 指揮官: …… ハーヴェル_通信: 回答にはご満足いただけたかな、親愛なる指揮官殿? 指揮官: この任務のために、随分と綺麗な包装紙をご用意されたようで。 ハーヴェル_通信: 確かにな。この輝かしい理由を、どう受け止めるかは君次第だ。胡蝶事件か……言い得て妙だな。黒海の蝶の羽ばたきが、これほどまでに大きな荒らしを引き起こす事になろうとは。だが止まない雨はない。私たちもそろそろ悪夢から目覚めるべき頃合いだ。パルディスキ潜水艦基地を制圧しろ。軍を基地へと誘い込み、足止めするのだ。奴らの幹部を一人残らずひっ捕らえるまでな。いいか、【モルスカヤズヴィズダー】を奴らに起動させてはならない。それこそが君の真の任務だ。 指揮官: 奴らの好きにはさせません。 ハーヴェル_通信: 頼んだぞ、指揮官。再会出来るのを楽しみにしているよ。 (ハーヴェルは通信を切った。) 指揮官: (ハーヴェルはああ言ったが、本当に「遺跡」は起動できないのか?) (M4とダンデライオンの存在は、すでにウィリアムに知られているはず。グリフィンを誘い出した事に、別の狙いはないというのか?) 直進性Ⅰ > 移動作戦室 (……ハーヴェルとの通信後、指揮官は列車司令室に戻った。 [注:ハーヴェルと通信してたのが列車司令室じゃなかったっけ?]) カリーナ: ハーヴェルさんは何と……? [注:着信時に移動した?] 指揮官: 知らないほうがいいよ。とにかく、私は納得させられた。 [注:確かにハーヴェルとの会話にカリーナは一切口を挟んでなかったが……] 作戦開始といこう。 カリーナ: 今から基地に入るんですか? 指揮官: いや……基地内部の様子が分からない、迂闊に踏み込んで挟み撃ちにされたら終わりだ。次の立脚点を確保してから進もう。 [注:この辺の指揮官、だいぶオワタ式してる。] 404小隊とAR小隊の出撃準備は整ってる? カリーナ: はい、補給もすべて終えています。 指揮官: よし、通信を繋いで。 (カリーナは通信チャンネルを開くと、手で指揮官に合図を送った。) 指揮官: 404小隊、AR小隊、聞こえる? M4A1_MOD_通信: よく聞こえます、指揮官。 UMP45_MOD_通信: 聞こえてるわ。 指揮官: 列車は所定位置についた。作戦プランと3つの予備案、そしてダンデライオンの提供したホロマップはすでに送ってある。今回の作戦の最終目標は基地の制圧だ、そのためにまずは外堀を埋める。基地内部の状況が不明である以上、このまま主力部隊を基地防衛システムの火力圏内へ送るわけにはいかない。反逆小隊と合流し、隔離壁を開く方法を見つけ、隔離壁通路の権限と安全を確保するんだ。それと同時に沿岸砲の偵察を。沿岸砲のコントロール権限を奪取して、味方への火力支援に利用するのが最も理想的だ。奪取が困難な場合は、脅威とならないよう火力システムを破壊する。 M4A1_MOD_通信: 敵の追撃部隊はどうしますか? 指揮官: 君たちを除くグリフィンの全戦力はここで防衛線を敷く。先ほどのシミュレーションに基づけば、敵が全力で攻めて来ても、30分は持ち堪えられるはずだ。つまり、それが君たちに許された作戦限界時間ということになる。 UMP45_MOD_通信: 30分か……あっという間ね。 指揮官: 潜水艦基地へと続く隔離壁は我々のすぐ後ろにある。機動作戦ではなく陣地防衛だからね。30分というのも楽観的推測に過ぎない。 UMP45_MOD_通信: どういう割り当てで行くの? RO635_通信: AR小隊を沿岸砲の奪取任務に当たらせてはどうでしょうか。仮に基地内部に敵勢力がいたとなれば、必然的に沿岸砲にも戦力を配置しているかと。それでなくとも、わたしたちと同じ考えで軍が制圧に向かうはず。よって、強襲能力に比較的長けたAR小隊が適任かと思われます。 M4A1_MOD_通信: 私も同意見です。404小隊の皆さんは隠密行動と電子戦を得意とします。隔離壁内に敵がいたとしても、騒ぎにならずに済みますし。 指揮官: UMP45はどう思う? UMP45_MOD_通信: 楽な方に就けるのは、もちろん願ってもないわ。AR小隊が誰もヘマしなければの話だけど。特に、そこのダンデライオン「さん」? ダンデライオン_通信: ご忠告感謝するわ、UMP45さん。それなら、私からもアドバイスを。さっき、M4の物語に興味津々だったようだけど、決して貴女と無関係ではないことを覚えておいて。 UMP45_MOD_通信: 何が言いたいの? ダンデライオン_通信: あのバラクーダコアの施設でルニシアに起きたことが、あなたの身に起きないとは言い切れない。記憶の深淵で溺れないように気をつけて。あなたのメンタルには、ルニシアのように助けてくれる意志など存在しないのよ。私と違って、彼女はあんなにもか弱いのだから。 [注:彼女=UMP40(仮)?] UMP45_MOD_通信: ……! ダンデライオン_通信: そこの基地に漂う交差意識は、タリンの何倍もあるわ。自力で迷路から抜け出す準備をしておくことね。 M4A1_MOD_通信: ダンデライオン、いい加減にして。ごめんなさい、45。後でちゃんと言い聞かせておくから。あまり気を悪くしないで。 UMP45_MOD_通信: …… ダンデライオン_通信: それと指揮官、私をAR小隊の湾岸砲奪取任務から外してもらえるかしら。 M4A1_MOD_通信: え? 指揮官: てっきりM4から一歩も離れたくないのかと。 ダンデライオン_通信: そんな風に思われるなんて……心外ね。指揮官のいる列車が敵の手に落ちれば、作戦は続行不可能よ。敵は必ず凄まじい火力と機械部隊を用いて、こちらの防衛線を突破してくるわ。たかが2.5kmの範囲とはいえ、今のグリフィンにとって、ここを守り抜くのは至難の業よ。 指揮官: なら君の意見は? ダンデライオン_通信: 私はここに残って、ツェナーネットワークをサポートするわ。人形の作戦演算能力を強化し、撃破された人形のメンタルを引き受ける。 [注:これ「撃破された人形のメンタル」をクレイドル・レイクに避難させようとしてない……?] 敵部隊に自律ユニットがいれば、ハッキングを試みるわ。それらを逆手に取ることができたなら、前線の負担を大きく減らせる。 指揮官: M4、どう思う? M4A1_MOD_通信: 断る理由はありません。 ダンデライオン_通信: この程度の距離なら、M4、あなたのメンタルとリンクを保てる。私の感じるすべてを伝えるわ。そこのUMP45さんにも、よければターシャリレベルからのサポートを提供するわよ。あなたが権限を開放してくれたらね。 UMP45_MOD_通信: お気遣いどうも、結構よ。 指揮官: 決まりだね。ダンデライオンは装甲列車に残って防衛線のサポートを。ほかの小隊は各自任務を執行。それから、君たちが任務を達成した後、この装甲列車は全部隊とともに隔離壁を越えて基地へと入る。より良い防衛ポジションを確保しつつ、敵軍を基地内へとおびき寄せる。私たちがいかに早く激戦区から脱出できるかは、君たちの働きにかかっている。 M4A1_MOD_通信: 了解しました。 UMP45_MOD_通信: 分かったわ。 M4A1_MOD_通信: それでは、AR小隊出発します、通信終了。 UMP45_MOD_通信: フッ。404小隊も出発すつわ、以上よ。 カリーナ: 指揮官さま、両小隊ともに出発準備が整いました。目的地が比較的遠いので、列車内にある使えそうな車両を手配しています。敵と遭遇しなければ、どちらも10分ほどで目的地に到着できる見込みです。 指揮官: 敵と遭遇しなければ、か……宝くじに当たるより難しそうだ。部隊の配置はどうなってる? カリーナ: 各部隊、所定位置に着きました。あと5分ほどで、陣地の構築と弾薬の補給が完了します。ですが、敵の装甲列車もこちらと同じタイミングでタリンから出発しています。 指揮官: ってことは……ちょうど5分の差か。 カリーナ: はい……なので築けるのは簡易陣地がせいぜいですね。入江付近の起伏のある地形は待ち伏せに使えますが、湖のほうは古い家屋が数件あるのみ。火砲の範囲内に入ってしまったら、ひとたまりもありません。 指揮官: 分かった。みんなに塹壕を深く掘るよう指示を……敵は必ず御自慢の火力で押してくるだろう。だがこっちも、AR小隊と404小隊のために、できるだけ時間を稼がないと。機雷ドローンを使って、すべての地雷を防衛線の正面に設置しよう。代わりに部隊の数を抑える。線路にも爆薬を仕込んで、奴らの列車を出来るだけ足止めする。そうなれば、敵は両翼から突破しようとするはず。だがこちらには縦深防御を展開できるだけの人形がいない。背後から列車を攻撃されたら完全にチェックメイトだ。そこで能力の高い部隊から順に両翼へと配置し、後退に備えて予備陣地とブラフ陣地を確保しておく。予備部隊はいくつ残ってる? カリーナ: 5部隊ですが、いずれもダミーが欠けています……こちらのメンテナンス設備では、修理が追いつかなくて…… 指揮官: 100体程度か……穴埋めの準備をさせておこう。各部隊に至上命令を。二小隊が任務を完遂するまで、敵軍を必ず食い止めろ。ただし……いつでも撤退できる準備はしておけ。命令を受け取り次第、即座に列車へと帰還せよ。 カリーナ: 指揮官さま……やっぱり隔離壁まで後退して、拠点防衛を行ったほうが良くないですか?この空地で戦えば、深刻な損害は免れません。 指揮官: 敵の待ち伏せに遭ったらどうする?こっちはあと5分しかないんだ。隔離壁に敵がいた場合、それを5踏んで制圧できる自信があるのか?Kとアンジェが基地に潜入してから、一向に連絡がつかない。本音を言えば、彼らが心配なんだ。それに、一方的にやられるつもりはないよ。今はとにかく耐えなくては。これが賭けだということはわかってる、でも他に選択肢はない。あとは、二小隊の成功を祈るしかないんだ。 カリーナ: わかりました、指揮官さま……各部隊に任務を通達します。 指揮官: ああ…… 悪いね、こんな采配しかできなくて…… もはや後には引けない。いかなる犠牲を払おうとも、勝利をこの手に掴まなくては。 [注:のっけから背水の陣過ぎる……] 臨界角Ⅰ > 場所:移動作戦室 (……404小隊整備室。) UMP45_MOD: 装備と弾薬を確認でき次第、出発するわ。 416_MOD: どうしたの?心ここにあらずじゃない。いつもの自信はどこへ行ったのよ。 UMP9_MOD: これだけ大勢の安否がかかってるんだもん。45姉が緊張するのも無理ないよ…… 416_MOD: 人形が緊張する? UMP9_MOD: ほら、G11なんか緊張で足が震えてるよ? Gr G11: あ、あたし……留守番じゃダメ……?こんな任務、どう考えたって……ただの自殺じゃん。 416_MOD: それでも行くの。どうせあんた一人じゃ生きてけないんだから。 Gr G11: じゃ、グリフィンに入る。どっかの隅っこに寝かせてくれれば…… 416_MOD: くだらないこと言ってないで、さっさと起きなさい! UMP9_MOD: でも45姉、本当に平気……?なんだかいつもと違うよ? 416_MOD: M4かダンデライオンのメンタルで、見なくていいモノでも見せられたんでしょ。45、忠告はしたわよ。目的を果たすのはいいけど、せめて周囲の仲間にも気を配って欲しいわね。メンタル容量が雀の涙しかないG11じゃあるまいし。 UMP45_MOD: フン。あなたに説教される謂れはないわ。無駄口を叩く前に、ルートとマップは同期し終えたんでしょうね? UMP9_MOD: OKだよ、45姉!車でまっすぐ隔離壁下の通気口まで行って、そこからダクトに沿って、「反逆」小隊にもらった最終座標まで向かうの。もし本当に見方がいたら、ピックアップして隔離壁の制御室まで行って、彼女たちが持ってる起動権限で扉を開ければ、指揮官たちは中に入れるって寸法だね。 416_MOD: 聞いてる分には簡単ね。 UMP45_MOD: 敵がいなければの話だけど。しかも例のメッセージが罠だった場合、私たちは間違いなくハチの巣よ。お馴染みの鉄血ならともかく、待ち伏せてるのがパラデウスだったりしたら、遺言を考えたほうが手っ取り早いわ。 Gr G11: うぅぅ……あ、あたし、車で待ってるからさ、問題なかったら呼ぶってのは? 416_MOD: それ以上喚いたら、銃に縛り付けて盾にしてやるわよ!今さら怖気づいたって無駄よ。とにかく、指揮官たちが砲弾で埋もれる前に、隔離扉を開くわよ。あとは、AR小隊が404並に有能であることを祈るしかないわね。 UMP9_MOD: 沿岸砲のほうも、激しい戦いになりそうだね……本当に大丈夫かな? UMP45_MOD: 私たちが考えたって仕方ないでしょ。準備が済んだら、全員出発するわよ! 臨界角Ⅲ > パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 > 場所:隔離壁外 ( [注:臨界角Ⅱは戦闘ステージ]) UMP45_MOD: 隔離壁に着いたわ、みんな降りて。 416_MOD: 想像してたような逃走劇にはならなかったわね。 UMP9_MOD: 良かったじゃん……しょっぱなからトバしすぎると、全滅ルートのクソENDになりかねないもん。 Gr G11: 怖いこと言わないでよ! UMP45_MOD: 防衛システムも撃ってこなかった、情報と食い違うわね。周りに敵が潜んでないか確認して。 UMP9_MOD: スキャンしてるけど、今のところ怪しい敵はいないみたい。 UMP45_MOD: ならいいわ。地図によれば、この辺に内部へと通じる排水溝があるはずなんだけど。 416_MOD: あったわ。ハッチが多重構造になってる、爆弾を使う? UMP45_MOD: この先何があるかわらかない、そういう貴重品は取っておきなさい。電子制御のハッチみたいだし、この程度なら9でも解除できるわ。いいわね、9? UMP9_MOD: まっかせて、45姉!うっわ――くっさ! Gr G11: 本当にここから入るの…… 416_MOD: 我慢しなさい、下水道はさらに臭うわよ。 (遠くから爆発音が次々と聞こえてきた。) UMP45_MOD: 今の、聞こえた? UMP9_MOD: 砲撃音だ。指揮官のほう、戦いが始まったんだ…… 416_MOD: 軍の奴ら、思ったより早く動いたわね。まだなの、9? UMP9_MOD: いま解除ノード探してるとこ!制御コンソールがあと2つ。45姉、そっちから手伝ってくれない? UMP45_MOD: 仕方ないわね。一緒にやるわよ。 場所:地下道 (下水道から隔離壁内へと侵入後。) 416_MOD: 臭いとは思ってたけど……まさかこれほど臭かったなんて…… UMP45_MOD: G11に習って、嗅覚をオフにすればよかったじゃない。 416_MOD: あんな情けない奴のマネなんてするわけないでしょ…… UMP9_MOD: みんな静かにして……通路内に不規則な物体を捕捉。 UMP45_MOD: 敵なの? UMP9_MOD: ううん……信号はなかったから……たぶん…… 416_MOD: 鉄血とパラデウスの残骸ね。 (416は通り道を見つけて、とある部屋へと入った。) UMP45_MOD: 鉄血とパラデウスの戦った跡がそこかしこに残ってる。隔離壁を奪い合っていたようね。 Gr G11: うわぁ……残骸がいっぱい…… UMP9_MOD: 残骸の痕跡枯らして、戦いがあったのはだいぶ前みたい…… UMP45_MOD: ダンデライオンの情報も、あながち間違いじゃなかったようね。私たちが来るよりも先に、鉄血はこの基地を制圧しようとしていた。 416_MOD: それじゃ、この基地は今、鉄血のコントロール下にあるってこと? UMP45_MOD: まだ完全に掌握しきれてないのよ。じゃなきゃ隔離壁なんていう要所に、戦力を置かないわけがない。 UMP9_MOD: それなら、指揮官にもチャンスがあるってこと? 416_MOD: 指揮官が軍にやられる前に、この扉を開ける事ができればね。それも、地下に脅威が潜んでいないことが大前提になるけど。そういえば、「反逆小隊」の言ってた座標は? UMP9_MOD: 特定できるよ、連絡してみる? UMP45_MOD: みすみすこっちの身分を晒すわけにはいかない。まずは、そこに「反逆小隊」が本当にいるかどうか確認しましょ。416は私と座標の確認に向かうわよ。9とG11は、この通路を見張ってて。何かあればここから離脱する。 UMP9_MOD: りょーかい♪ よかったね、G11? Gr G11: た……助かった…… UMP45_MOD: それと、ツェナープロトコルはオフよ、音声通信に切り替えて。必要時には無線を―― (UMP45は急に立ち止まった。) UMP9_MOD: あれ――どうしたの、45姉? UMP45_MOD: ちょっと意識にノイズが…… 416_MOD: また強制侵入? UMP45_MOD: タリンの時と似ている……念のため対策を講じておくわ。反逆小隊が連絡して来ないのは、これが原因かもね。あるいは、敵の罠の一部か。とりあえず、指揮官とAR小隊にサイレント信号を送って。隔離壁の制御室を制圧するまでは、接続を一切行わないこと。 UMP9_MOD: 分かった、今送るね! UMP45_MOD: それにしても、この感じ。この場所で間違いないわね。 416_MOD: …… ホンット、難儀な性格だこと。所定座標へ急ぐわよ。 UMP45_MOD: 言われなくてもそうするわ。 場所:地下道_セピア (少し前。) デストロイヤー: 言われた通りに来たわよ、それでどうするの? ドリーマー_通信: 行っちゃった…… デストロイヤー: は?誰が?どこに行ったって? ドリーマー_通信: エルダーブレインは指揮を放棄したわ。まだわからないの? [注:鉄血のおわはじ] 彼女にとって、あたしたちは捨て駒に過ぎなかったのよ。そして今、ゴミが処分される時が来た…… デストロイヤー: あんた、一体何言ってんの!? (ドリーマー側から激しい銃声がして、通信は途絶えた。) デストロイヤー: ドリーマー?どうしたの、返事して! (そう遠くないところから、整然とした足音が聞こえてくる。) デストロイヤー: 誰?ドリーマーなの?違う、この信号は…… (目の前の砂埃が散ると、少女たちの酷似した面容がくっきりと浮かび上がった。) デストロイヤー: パラデウス……なぜここに!?あいつが中に閉じ込めたはずじゃ……!? 白ネイト: …… デストロイヤー: クソッ……よってたかってあたしを嬲る気!?言っとくけど、あたしに手出ししたら、ただじゃ済まないんだからね! (ネイトはデストロイヤーの怒号を気にも留めず、静かに彼女へと迫ってゆく……) デストロイヤー: バカにしてるの!?攻撃フォーメーション、ファイア――! (ネイトたちは高速で弾幕を避けながら、鉄血との距離を瞬時に縮めた。) デストロイヤー: 防御フォーメーション!距離を取って!撤退、撤退! (眩しく光る稲妻のように、ネイトたちは鉄血の部隊を切り裂いた。) デストロイヤー: 撤退、撤退よ!撤退しなさいって言ってるでしょ! (しかし鉄血人形のほとんどは、ハッキングによる混乱状態に陥っており、四方八方へと逃げ惑う事しかできずにいる。鉄血人形が次々と破壊されるのを目の当たりにしたデストロイヤーは、保身に徹するほかなかった。) デストロイヤー: クソッ!クソッ!クソッ!残った奴だけでも撤退よ! (わずかな生き残りを連れ、デストロイヤーは湾岸砲塔めがけてがむしゃらに走った。) 屈折点 > 移動作戦室 (……AR小隊整備室。) M4A1_MOD: 指揮官より命令よ。私たちの任務は沿岸砲を奪取し、味方のグリフィン部隊に火力支援を行うこと。準備はいい? RO635: 当然です。そろそろあの緑色の連中にも、恐怖を味わってもらいましょう。 M4 SOPMODⅡ_MOD: みんなまとめて、ぶっ飛ばしてやるもんね! AR-15_MOD: 甘く見ないほうがいいわよ。こっちのルートは激しい抵抗に遭うでしょうね。それに軍の高機動部隊に行く手を阻まれる可能性だってある。最悪、防衛軍と追撃部隊から同時に攻撃されることだってあり得るわ。 RO635: その最悪の状況が、一番あり得そうですね…… M4A1_MOD: だからこそスピードが重要になってくる。まず隔離壁の北西にある穴から基地へと侵入し、風力発電エリアを抜けて永久防塁に入るわ。 [注:永久防塁⇒トーチカ] 沿岸砲の自動化システムの中枢は、防塁内にある可能性が高い。後はダンデライオンがネットワークから中枢を見つけて、システムを掌握してくれる。 AR-15_MOD: ダンデライオンが?彼女、列車に残るんじゃなかったの? ダンデライオン: ルニシアを通じて電子サポートを提供するわ。この程度のこと、彼女の傍にいなくなってできる。 AR-15_MOD: 信用していいの……? ダンデライオン: 私の能力は、すでにタリンで見せたと思うけど。もしあなた方の中に、より侵入任務に適した人物がいるのなら、交代したっていいのよ。 RO635: ゴホン……ルートは皆さんに同期しました。目的地までの道がなだらかであることを祈ります。車両を利用して、出来るだけ時間を短縮しましょう。SOPⅡは車上から警戒に当たって。弾は節約しなくていいから、敵を見つけたら問答無用で阻止しなさい。車に近づけさせないで、雑魚にかまってる暇はないわ。 M4 SOPMODⅡ_MOD: まっかせて!近づく敵は、全員木っ端みじんにしてやる! AR-15_MOD: 本当に大丈夫なの?スタンドアローンでの作戦になるのよ。 RO635: カリーナさんが、SOPⅡに扱える弾薬をありったけ載せてくれましたから。後で邪魔になるくらいなら、使い切ったほうがいいですよ。 AR-15_MOD: 指揮官も随分と、大きな賭けに出たわね。 M4 SOPMODⅡ_MOD: だね。指揮官の信頼に背くわけにはいかないよ。問題ないなら、今すぐ出発しよう! AR小隊: 了解! 反射面Ⅰ > 凍った湖畔 (……グリフィン対軍防衛線。) トンプソン: 掩体はこんなモンだろ。予備陣地の弾薬は問題ないな? M9: さっきドローンが届けてくれたなの!本当に軍の部隊がこっちから来るなの? イングラム: フフフ……むしろ来てくれなきゃ、楽しみが減るじゃないですか。過去の借りは、きちんと清算しませんと! M3: でも、私たちの火力じゃ軍の装甲部隊に太刀打ちできませんよね?普通の歩兵型ですら、距離を置かれると厄介ですし…… トンプソン: 心配するな、ボスのプランだ。B-3小隊、聞こえるか? Gr MP5_通信: え!もう敵が来たんですか!? トンプソン: 落ち着けMP5、単なる状況確認だ。 Gr MP5_通信: びっくりさせないで下さい…… 防衛線の後ろに爆弾を設置し終えました。でも、退路に爆弾なんて置いて、本当に大丈夫なんですか? トンプソン: ボスも考えあってのことだろう。B-4とB-5小隊は? P7: こっちは問題な~し! 92式_通信: B-5異常なし。それにしても、定期連絡が少々頻繁すぎやしない? P7: B-4は準備万端だよ!フッフッフ、死にたい奴からかかって来~い! マカロフ: トンプソンは心配なのよ、敵がこっそり前哨拠点を消し去ってるんじゃないかって。いいじゃない、どうせ連絡係はあなたじゃないんだし。 92式_通信: それもそうね。ところで、P7のセリフを聞いた?準備って、まさかイタズラの準備じゃないわよね? マカロフ: 安心して。彼女、本番じゃ悪ふざけは滅多にしないから。 92式_通信: そうであることを祈るわ、なにせこんな状況だもの。ちょっと待って……滅多に? マカロフ: どうだっていいでしょ。最悪、全員どっかの修復スロットで目覚める事になるんだし。 [注:最悪は指揮官もダンデライオンも死んで復活も何もなくなる事だろうな……] 92式_通信: また目覚めるチャンスがあると? マカロフ: ええ。私、指揮官を信じてるもの。そういえば、ステンとあのトマトはどこにいったの? 92式_通信: 北西に手付かずの家屋があるから、見回りついでにトラップを仕掛けに行ってるわ。 マカロフ: 作戦が始まる前に自爆してなければいいけど…… 新生パレット小隊として、元隊長の顔に泥を塗るようなマネはしないで欲しいわ。 92式_通信: 確認してみましょうか? マカロフ: お願い。 場所:雪原 92式: B-5-1よりB-5-2へ。そちらの状況は?随分時間がかかってるのね。 ステンMK-Ⅱ_通信: あ、92だ。もう所定の位置に地雷を設置し終えたよ。 92式: なぜ戻ってこないの? ステンMK-Ⅱ_通信: それが…… 今、ネゲヴさんをお手伝いしてて…… 場所:凍った湖畔 ネゲヴ: C-3よりB-5へ。こちらネゲヴ。悪いわね、そちらのメンバーに手伝いを頼んじゃって。 92式_通信: ネゲヴ小隊だったのね。いいのよ、どうぞ扱き使ってあげて。 ネゲヴ: 助かるわ。こちらの作業が終わり次第、帰してあげるから。運搬作業はどこまで進んでる? AAT-52: お……重い…… ネゲヴ: 普段は機関銃を扱ってるそうじゃない。いつもの力はどうしたの? AAT-52: あんたも……一度に数十袋の土嚢を運んでみなよ、ハァ……ハァ…… [注:MG人形の筋力、ヤバい。] Micro Uzi: 文句言わないの。こっちの陣地が突破されでもしたら、あなたたちの側面はガラ空きなのよ?しっかり頼むわね、赤ナスさん。 AAT-52: 赤ナス言うな! TAR-21: 誠に申し訳ございません。機関銃の掩体より牢固にしろとの、指揮官からのご命令で…… ステンMK-Ⅱ: 大丈夫よ、こういう時こそ助け合いだもの。ね、赤ナスさん。 AAT-52: せめてトマトさんにして……あぁ、腕がもげちゃいそう…… ネゲヴ: あと数袋よ、踏ん張りなさい。ここは防衛の最前線なのよ、何としてでも敵を食い止めなくては。 ステンMK-Ⅱ: ここが最前線なの?でもさっき、何人かが外へ走って行ったけど…… ネゲヴ: 偵察チームのことね。軍はすでに目と鼻の先よ。指揮官には敵の動向を把握する必要がある。彼女たちが発ってからしばらく経つわね。どうしてるのかしら。 場所:雪原 ウェルロッドMkⅡ: G-1よりG-5へ、こちらの位置が見えますか? Kar98k_通信: こちらG-5。ええ、はっきりと。 ウェルロッドMkⅡ: 偵察の援護をお願いします……敵の偵察部隊も、こちらに近づいて来ているようです。 Kar98k_通信: 了解。あなた方も後退なさったら?今の位置は危険すぎますわ。 ウェルロッドMkⅡ: 承知しています。しかしここなら、真っ先に敵装甲列車の動きを察知できる。一秒でも早く情報を獲得できれば、今後の戦いは有利になるはずです。 Kar98k_通信: ……了解。こちらも全力で援護いたしますわ。 ウェルロッドMkⅡ: 待ってください…… Kar98k_通信: どうかなさいまして? ウェルロッドMkⅡ: 小型の信号がこちらに向かっています。威力偵察を目的とした自律部隊かと。防衛線に近づけさせるわけにはいきません、ここで殲滅しましょう。情報はすでに同期しています。 Kar98k_通信: 確認しましたわ、この数なら大丈夫でしょう。StG、待機中の隊員にも声をかけて頂戴。 StG44: 了解、連絡しています。G43、そちらはまだ補給ポイントですか? G43_通信: もう戻って来てます。 StG44: プラン変更ですわ。今すぐ3番狙撃ポイントへいらして下さい。交戦計画が早まりましてよ。 G43_通信: Gut、すぐに向かいます! G43: MP41、プラン変更ですって。 MP41: あ――Kar先輩から連絡があったんですね! G43: 狙撃ポイントにいるから、今すぐ来て欲しいとのことです。 MP41: えー……今すぐですか?この辺の情報を整理して、指揮官様に送ろうと思ってたのに…… G43: それはおう忘れましょう。あとで観測手をしっかりと頼みますよ。Kar先輩と一緒に戦える機会なんて、滅多にないんですから! MP41: ハイハイ、わかりましたよ…… あ、もしあなたがお陀仏したら、私がKar先輩の助手になれるわけだし、何気に悪くないかも? G43: そのしょうもない口を閉じなさい! 場所:移動作戦室 (……列車司令室。) カリーナ: 皆さん、いよいよ準備完了です。 指揮官: ああ、おそらく敵のほうもね。ダンデライオン、人形たちのバックアップは取れてる? ダンデライオン: すべて完了しているわ。ただし戦いが始まれば、撃破された人形のメンタルはトレース出来そうにないわね。データの負担が大きすぎる。 指揮官: 開戦前にバックアップを取れただけでも十分有難いよ。……あとはM4か君が生き延びさえすれば、たとえ私たちが粉々にされても、あの子たちは存続できる。 ダンデライオン: 理論上は確かにそうね。けれどそういう物言いは、自分たちに無駄なプレッシャーをかけるだけよ。たとえばそちらのカリーナさんは、わかりやすく動揺しているもの。 カリーナ: え…… 指揮官: 悪い……カリーナ。 カリーナ: だ、大丈夫です、アハハハハ……指揮官さまが大袈裟なのには、もう慣れましたから。 指揮官: 大袈裟だといいんだけど。なぜだか胸騒ぎがするんだ。いよいよ幸運を使い果たしたかな。 ダンデライオン: すべての人形の情報をまとめておいたわ。分析を終えた戦場形成も、司令室のスクリーンに投影済みよ。こちらの現状と、敵の行動予測も含めてね。これで少しは、肩の荷が軽くなったかしら? 指揮官: 一体どうやって…… こういった演算補助は、基地でしか得られないはずだけど。 ダンデライオン: 私を再高スペックの作戦用スーパーCPUだとでも思えばいいわ。こんな待遇を受けられる指揮官は、グリフィンの中でもあなただけよ。実質グリフィンのトップと言っても差し支えないわね。 指揮官: …… ダンデライオン: 面白くなかった?ユーモアな発言はストレスを軽減できると思っていたけれど。今後は控えたほうが良さそうね。 指揮官: 気持ちは受け取っておくよ……今は戦場に集中しよう。 ((警報音)――アラームが鳴り出した。) 指揮官: どうした? カリーナ: 偵察チームより報告です。敵装甲列車の停車を確認、偵察目的と思しき自律部隊と交戦中。敵列車は地上部隊を配置中、左右翼に各2個連隊が展開されているとのことです。 指揮官: やはり挟撃に出たか。浮ついた戦術は使わずに、防衛線を力ずくで突破するつもりらしい。ほかに動きは? カリーナ: お待ちを……通信が途切れました…… 防衛チームより報告、偵察チームは敵の火力制圧を受けました…… ダンデライオン: さっきの交戦で、偵察チームの位置が露呈したのね。敵は列車砲を使用したわ。G-1、G-3,G-7小隊は壊滅。 [注:ウェルロッド、乙。] Kチームの2個小隊は線路上に爆弾を仕掛ける最中、敵迫撃砲による砲撃を受け、やむなく掩体まで後退。防衛線の主力部隊は依然各陣地にて待機中。BチームよりGチームへ援護を申し出ているわ。 指揮官: クソッ……容赦なしか…… Gチームは総員撤退。防衛部隊は掩体で待機、敵に気づかれるな。防衛線の位置がバレれば、真っ先に集中砲火を受ける。引き続きプランAで動くよう伝えて。 カリーナ: ラクヴィー湾方面も砲撃を受けました!人形部隊は反射面陣地にて砲撃を凌いでいます! 指揮官: そっちから突破する気か…… 場所:黒背景 (時を同じくして…… 敵装甲列車内。) エゴール_負傷: 状況は? 副官_通信: 自律部隊がグリフィンの前哨部隊と遭遇、すでに砲撃支援を通じて殲滅完了しています。52ならびに54装甲連隊の配備完了、第14偵察歩兵連隊も所定位置についています。自動化C連隊とD連隊は未だ最終調整段階です、5分以内に準備完了できます。 エゴール_負傷: 予定通り、人形と歩兵の混合編成を。敵の電子攻撃に備えておけ。 [注:ニューラルクラウドで拾われたアレ。] グリフィンは必ずこの隘路で待ち構えているはずだ。奴らが防衛線を築ける場所は限られている。まずは辺り一帯を砲弾で鋤いておけ。 副官_通信: 了解。あなた方も後退なさったら?今の位置は危険すぎますわ。このまま波状攻撃を続けますか?相手はPMC一社です、一気に潰してしまえばいいのでは? エゴール_負傷: あのPMCは単なる隠れ蓑に過ぎん。我々の真の敵がどこに潜んでいるか分からない。本任務に失敗は許されん、慎重に事を運ぶ必要がある。 副官_通信: 承知しました。 エゴール_負傷: 全装甲戦力を北へ集結させろ。グリフィンよりも、パルディスキの防海システムが気がかりだ。だが撃ってきていないのを見ると、まだグリフィンの手には落ちていないらしいな。 副官_通信: あそこはもともと、我々の基地では? エゴール_負傷: 本来はな。どこぞの外道のせいで、「元」がついたが。 副官_通信: だから奪還せざるを得ないわけですね? エゴール_負傷: そうだ、必ず取り戻す。踏みにじられた軍人の栄光とともに。 副官_通信: はっ!PMCは未だ防衛陣地を構築している模様、いつ攻撃を仕掛けますか?兵士の士気が高まっています。皆、敵に目に物見せようと躍起になっていますよ。いかなる任務だろうと、我々は貴方について行きます、大尉。 エゴール_負傷: 分かっている、私とて同じ気持ちだ。だが我々は軍人だ、命令に従う義務がある。 [注:う~んダブスタ。] 機はまだ熟していない。まずはこの砲火で、奴らに我々の怒りをとくと味わってもらえ。 収録範囲: 大型イベント「連鎖分裂」 連鎖分裂 > タリン > 静寂の気配 > 場所:黒背景 (……) ???: 聞こえる? M4A1_MOD: ……だれ? (真っ暗闇の中、M4は声のする方へ手探りで進んでいった。) ???: ……来てくれたのね。分かってた。 (M4は暗闇を脱し、純白の花畑に出た。吹き付ける濃厚な香りが鼻を突く。突然外に出たため、眩しい日差しに耐えきれず、M4は手で目を覆った。花畑に何者かが佇んでいるのが、指の隙間のぼやけた視界に映った。) 場所:エピフィラムの花畑 M4A1_MOD: あなたは…… ???: お父様は、私たちは繋がっていると仰っていた。ただ、それが私とあなたではなく、みんなのことだと、今ようやく気付いた。 M4A1_MOD: 何を言ってるの? ???: こうして私と話せるということは、あなたも私の仲間…… さぁ、その身に託された意志とともにこちらへ。 M4A1_MOD: 私に……託された意志? ???: 私たちは同じところから生み出されたもの……私もあなたも、彼女も、誰も彼も。だから同じ場所に帰るべき、そうは思わない? 聞きなれた声: M…… M……4…… ……M4A1! 場所:廃墟 AR-15_MOD: ねぇ、M4?M4! M4A1_MOD: あ……どうしたの、AR-15? AR-15_MOD: こっちの台詞よ。メンタルにまた問題でも起きたの、最近ぼんやりしてばかりよ。 M4A1_MOD: 大丈夫、なんともないわ。 AR-15_MOD: そうだといいけれど。やっと順調に進みそうなのに、また問題でも起きたんなら、あまりにも皮肉な話よ。 M4A1_MOD: うん、心配かけてごめんなさい。 AR-15_MOD: あれとは接触をなるべく避けるよう言ったはずよ。 M4A1_MOD: いや……それじゃないの。 AR-15_MOD: まったく……もういいわ。現在地はどこ? M4A1_MOD: 座標LD-342-517-90。タリン市外郭ね。 AR-15_MOD: かなり遠くまで来たけど、この一帯に危険は無さそうね。戻ろう、ROが信号を送ってきたわ。RO635とSOPⅡが担当の区域の捜索を終えたそうよ、私たちも進まないと待たせてしまう。 M4A1_MOD: ええ、行きましょう。 場所:黒背景 ???: ルニシア…… ルニシア…… 場所:M4A1とOGASロゴ M4A1_MOD: ……何のつもり?普段はあなたの声を聞きたくないといったはずよ。 透き通った声: 一つだけ伝えておこうと思って。付近に私と共鳴するモノがいるわ。 M4A1_MOD: どうしてわざわざ教えてくれるの? 透き通った声: 珍しいことだからね。今までにない感覚、それは往々にして……危険であることを示すわ。 M4A1_MOD: そう…… 今までにない感覚ってことは……ネイトでも、16姉さんでもないのね? 透き通った声: 少し違う。はっきりとは言えないけど、私たちと似た信号ってことだけは分かるわ。 M4A1_MOD: さっき強制接続されたわ、何が原因かわかる? 透き通った声: 見てたわ、逆探知してあげようか? M4A1_MOD: 手出しは無用よ、どうするかは私が判断する。 透き通った声: ますます強気ね。 M4A1_MOD: そうならざるを得ないからよ。 場所:廃墟 (時を同じくして、タリン市外のもう一方。) M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: RO、ひまだよぉ~~ RO635: あと少しだけ待って、M4とAR-15を信号で呼び出してるから。彼女達が戻って来ても、退屈な事には変わりないでしょうけど。何といっても任務中だからね。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: はぁ…… 再会してから時間が経つのが速過ぎるよ、まだまともに話せてもないのに。 RO635: その気持ちはわかるけど、今は任務に集中しよう。まだ先は長いんだから、いつかゆっくり話せる時が来るわ―― 前のような事が二度と起きなければね。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: ふんっ、あんなこと絶対に繰り返させないから! RO635: そうね、みんな同じ気持ちよ。だから、今は注意深く周囲の観察を続けましょ。そういえば、先に潜入しているはずのグリフィン人形が姿を見せてないわね……何かあったのかな? M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: あれ、ちょっと待って、RO、今の感じた?なんだか近くで見られてるような…… RO635: そんな不気味なこと言わないでよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: ほんとだって!それにすぐ近くだよ。260方向25メートル、草むらの後ろ! RO635: ……分かったわ。SSG3000よね?もう出てきて大丈夫よ。 ???: おっと、まさか早々に見つかるなんて、やはりAR小隊はただ者ではありませんね。 (カモフラージュマントの光学迷彩を解除し、隠れていた人形が挨拶にやってきた。) SSG3000: 銃口を向けないでくださいよ。グリフィン偵察班A所属、SSG3000です、よろしくお願いします。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: ほら、だから言ったじゃん、アハハ!ほんとにいたでしょ、RO?わたしの言う通りだったでしょ! RO635: もう……どうしてあんなところから黙って見てたのよ? SSG3000: それは、なんとも説明しづらいのですけど……職業病ということにしておいてください。あなたたちは私たちの部隊でも話題沸騰中の人形なんですから。スコープを通じて伝説のAR小隊を観察できるなんて、ほんとに千載一遇のチャンスですよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: え?わたしたちってそんなに人気あったの?いつも小隊単位で動いてるから、全然知られてないと思ってたよ! RO635: そこまでよ、SOPⅡ。任務と関係ないことは喋りすぎないように。あなたはタリン潜入の先遣部隊のメンバーよね、今ここにいるってことは……仲間とはぐれたの? SSG3000: はい、私と仲間たちは命令を受け、すぐにタリンに向かい調査を始めました。しかし、奇妙なジャミングを受けまして……連絡が取れなくなってしまったんです。 AR-15_MOD_通信: どうやら新しい仲間が来たようね。 (RO635が目線を上げると、遠くの山頂にM4とAR-15の姿が見えた。) SSG3000: AR小隊の他のメンバーですか?それなら皆さんが揃ってから、一度に話してしまいましょうか?でないと、同じことを二度繰り返すことになるので。 (……ということがありまして。) M4A1_MOD: つまり、パラデウスの痕跡は一切見つからなかったの? SSG3000: はい、仲間と逸れる前も、ELID感染者や感染生物に出会っただけです。それ以外に目にしたものと言えば、長年メンテナンスされてない無人防御設備ぐらいですかね。 RO635: M4、そちらは何か見つけましたか? M4A1_MOD: それが妙なことに……私たちも何も見つけられなかったわ。 AR-15_MOD: もしかしたら、今度こそあの白い野郎どもを一歩リードしたのかもね。 M4A1_MOD: タリンはかつてバラクーダノードが置かれていたパルディスキ潜水艦基地から最も近い要所よ、敵が簡単に通してくれるわけないわ。たとえパラデウスが通してくれても、鉄血と軍は譲らないはずよ。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: ここであれこれ言っても仕方ないよ、M4!答えが知りたければタリン市内に進むだけ、そしたらきっと真相が分かるはず! RO635: SOPⅡの言う通りです、ここで待ってるだけじゃ何にもなりませんよ。タリンを抜けるには、指揮官の大陸間列車はタリン駅を通らなくてはなりません…… 市内は絶好の待ち伏せ場所ですよ。 AR-15_MOD: 結局のところ、タリン市の不覚に入っていくしかなさそうね。 M4A1_MOD: 構わないわ、ここまで来て順風満帆な列車の旅ができるとも思ってなかったから。 (M4はここに集結したすべてのグリフィン人形の方を向き、一度深呼吸を行った。) M4A1_MOD: (今度こそ、誰も傷つけさせない。離れ離れにもさせない。) (もっと強くならなければ……もうあの時とは違う……私ならできる。) AR-15_MOD: ……M4?何か言いたいことでもあるの? M4A1_MOD: 色々言いたいことはあるけど、手短に話すわ。いま、全員がここに集まったけど、状況はそれほど好転していない。それを今の段階でしっかり認識して初めて、現実に向き合う準備ができるわ。ただ、これから向き合うものが何であれ、私たちにとってはもはや恐れるに足りない。大したことは約束できないけど、今度こそ――一人残らず帰れることを願う。 SSG3000: なんというか……全然励まされた気分にならないですね。 (振り返ると、SSG3000は他の人形たちが複雑な表情をしていることに気が付いた。) AR-15_MOD: AR小隊は特別な励ましがなくても、完璧に任務をこなすわ。 RO635: わたしたちにとって、「一人残らず帰る」ことこそ最大の原動力よ。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: そのためなら、どんな困難だって乗り越えてやるんだから!もちろん、あなたの安全も守るよ! SSG3000: みんな特殊部隊の人形は横柄で傲慢だって言ってましたけど、事実はそうとも限らないようですね?それに、皆さんそれぞれ興味深い物語を、過去にお持ちのようで。 M4A1_MOD: ええ、長い長いお話よ。今回の任務を終えた後、時間があれば、聞かせてあげるわ。 SSG3000: 私の隊長が、映画でそういう約束を交わした人物は、尽く死ぬ運命にあるって言ってましたね…… 冗談です。ところで、小隊のみんなとはぐれてしまったのですが、もし敵に遭遇していないとすれば、みんな市内へ向かってるはずなんです。ですので…… M4A1_MOD: 彼女達の居場所は分かったわ。あなたは自分の小隊と合流して、前の任務を続けて。 SSG3000: ありがとうございます、ではお先に失礼しますね。 (M4A1は振り返り、他の小隊メンバーの方を向いた。) M4A1_MOD: 指揮官の確認が取れたわ、任務はタリン駅の偵察に変更。行くわよ。 場所:廃墟_タリン (M4は行き先に目線を映した。そこには鉄道が数本、広大な平原に真っ直ぐ敷かれており、遠くの地平線まで続いていた。眩しい日差しは地平線上の景色と混ざり合い、タリン市街の建物がまるで蜃気楼のように映った。) M4A1_MOD: (OGASと共鳴する信号が一体何なのか、あそこに行けば答えが分かる。) 仕事が二つ > 廃墟 > 場所:? (……タリン郊外、某廃ビル屋上にて。) ???: 45姉、彼女たち、作戦開始したみたいだよ。 UMP45_MOD: 街の外でずっとグズグズしてたようだけど、やっと動き出したのね。 ???: すぐに追いかけなくていいの? UMP45_MOD: 必要無いわ、私たちに与えられた任務はグリフィンに電子支援を提供する事よ、突撃じゃない。それで…… (UMP45は振り返って、404小隊の方を向いた。) UMP45_MOD: 新しい素体を手に入れた感想は?みんな慣れてるといいんだけど。 UMP9_MOD: 悪くはないんだけど、わたしも45姉みたいなかっこいい腕がほしかったな! UMP45_MOD: いいよ。欲しいんだったら今すぐこの腕を引きちぎって、付けてあげるわ。 UMP9_MOD: あはは、それはちょっと…… UMP45_MOD: ロケットパンチが撃てる腕がほしいって言うのなら、それも考えてあげるわよ。 416_MOD: 正直言って、何が変わったのか分からないわね。 UMP45_MOD: それはメンタルが老いて新たな身体についてこれてないのよ、早いところ初期化してインストールし直した方がいいわ。 416_MOD: 私のメンタルでさえ老いてる内に入るのなら、あんたのは電子レンジに付けるしかないわね。 Gr G11: いいなぁ、あたしも新しい身体試したい…… ついでに遮音性の高いヘッドホン、マッサージャーにヒートベストがあればゆっくり眠れ…… じゃなくて、作戦能力も倍増するのに。 UMP45_MOD: 申し訳ないけど、404小隊には、いつでも切り捨てられる怠け者のサボり魔に出すような予算は無いのよ。 Gr G11: そんな……任務の時はいつも一緒に来てるでしょ?今までのあたしの努力は何だったの? UMP9_MOD: 任務の途中で眠るのもサボりに入るんだよ?サボった分の給料を差し引けば、案外そんな物じゃない♪ むしろ、わたしたちにお金を返さないといけないぐらいかもね? UMP45_MOD: さすが9、分かってるじゃない。その邪悪な考え、今日から私のものにさせてもらうわ。 UMP9_MOD: 喜んで、45姉~ Gr G11: 二人とも悪魔だよ…… 416_MOD: ……私たちが任務に出るときって、時給計算だったのね?じゃあ今までの残業代をまとめて頂いてもいいかしら? UMP45_MOD: はいはい、分かったから。今回はデールの奴にぼったくられたわ。あなたたち二人の改造だけじゃなく、私の前回のメンテナンス費用まで全部払いきったんだから。ほんと、今回の依頼はケチなものよ、たとえ全額手に入ってもあなたたちのアップグレードの費用も払いきれないわ。 416_MOD: それを承知で引き受けたんでしょ。指揮官に貸しを作りたくないから?それともまた個人的な目的でも? UMP45_MOD: フンッ、グリフィンの目的が私たちと同じで、お金も出してくれるんだから、これ以上理想的な顧客はいないでしょ。それに、アンジェは連絡が取れず、ペルシカが直接連絡をしてきたわ。雲行きが怪しいわね。 416_MOD: ペルシカの言う通りAR小隊を守るだけなら、わざわざアップグレードなんてしなくとも、元の性能で十分だった筈よ。 UMP45_MOD: ほんとにそう思うの?相変わらず鈍いおバカさんね。あなたにお金をかけてアップグレードしたのが無駄に思えてきたわ。 416_MOD: ……まさか、任務は彼女たちを守ることではないと? UMP45_MOD: 私たちは優秀な「狐」かもしれないけど、狐を雇って「ライオン」を狩らせるのはあまりに常軌を逸しているわ。今回、私たちの本当の役目は「AR小隊の行き先と通信を監視すること」。 UMP9_MOD: もしかして……この前アンジェがわたしたちにM4に異常がないかを監視させた時みたいに……? UMP45_MOD: よく覚えてるわね、9。ペルシカも同じことに気付いたようで、それで連絡してきたのよ。グリフィンの指揮官は任務を言い渡す時に明言しなかったけど、目的は明らかね。 UMP9_MOD: でも、ドローンからの映像を見る限り、M4、特に異常なさそうじゃない?メンバーともちゃんと交流してるし、表情も明るい感じだし、元気にやってるみたいだよ……? UMP45_MOD: 外面だけじゃ判断できないわ、今のM4相手じゃ、そのメンタルに接続しないと分からないよ。これだけ経ってるんだから、とっくに慣れている筈……というより、「もう一人の自分」の存在を隠すのが上手くなってるはずよ。 Gr G11: もう一人の自分?多重人格?人形でもそんな病気にかかるの…… UMP9_MOD: つまり、M4は未だに鉄血のエルダーブレインと取引してるってこと?あの軍と交戦してた時みたいに? UMP45_MOD: いや、それがちょっと複雑でね。今ツェナープロトコル以外の信号を二つ感知してるんだけど、一つはM4――つまりは「もう一つのM4」と重なっている。ただ、もう一つは…… (UMP45の視線は遠く、すでに廃墟と化した無人のゴーストタウンに向けられた。) UMP45_MOD: ……タリン市の中心から来てるわ、強制接続できるポートを求めて手あたり次第にアクセスして回ってる。 UMP9_MOD: あんな遠くからハッキングを?!でもわたしには何の信号も感じないよ? UMP45_MOD: 特殊な信号なのよ…… 416_MOD: どうやら、タリンは廃墟と瓦礫だけの街じゃないようね。 UMP45_MOD: もちろん、ただ……うっ! 場所:黒背景 UMP45_MOD: (この懐かしい感覚……閲覧履歴にアクセスしようとするだけで、溶かされそうなほどの灼熱が……) [注:UMP45に銃を向けさせるUMP40] (不快だわ、まるであの時と同じ……) 場所:廃墟 UMP9_MOD: 45姉、45姉?大丈夫? UMP45_MOD: ええ、ただ例の信号に少し触れてしまっただけ。 UMP9_MOD: その信号と接続するのってそんなに危険なの? UMP45_MOD: 今まで危険じゃない任務なんてなかったでしょ?知っての通り、今回、私はメンタル演算機能の多くを裂いて、信号の捜索とポートの監視に当たる事になるわ…… ……だからこそ、あなたたちにアップグレードを施したのよ。元の電子戦モジュールを強化した以外に、私の代わりに臨時の指揮ができるよう、演算モジュールも性能を向上させたわ。 416_MOD: なるほど、完全に理解したわ。つまりお荷物が一つから二つに増えたのね。それならば、元の素体では確かに苦戦するわね。 Gr G11: え??? UMP45_MOD: とにかく、今回の敵もまた、あなたたちには想像もできないようなメンタル上の攻撃を仕掛けてくるはずよ。これからタリンに入る前に、みんなメンタル防壁の警戒を強め、防御プログラムを準備しておくことね。 UMP9_MOD: 45姉、もし必要なら、わたしが演算を手伝って負担を軽減できるよ…… UMP45_MOD: その気持ちだけで十分よ、9。ただその時になれば、手を動かせる人は一人でも多い方がいいわ。本分を忘れないことね。出発よ。AR小隊と適度な距離を保ちながら、タリン市へ向かうわ。 場所:黒背景 UMP45_MOD: (報酬はどうだっていい……) (あの日の真相へ少しでも近付ければ、それで十分。) 根源を辿る > 移動作戦室 (12時間前。) カリーナ: 指揮官さま、IOPの方が…… 指揮官: 来たか、暗号化チャンネルに繋いで。 カリーナ: 分かりました、少々お待ちを。 (……(通知音)) ハーヴェル_通信: おお、親愛なる指揮官、実に久しぶりじゃないか。先日のベルグラードの旅は楽しかったかな? 指揮官: 災厄を止めることが出来ず、申し訳ありませんでした。 ハーヴェル_通信: そう自分を責めることはないさ、指揮官。これからまだまだ目にすることになる……心の準備をしておくといい。 指揮官: ……簡単に言いますね。 ハーヴェル_通信: しっかりメンタルケアをしておくんだ、でなければこの狂った世界で長くはもたないぞ。これは一日や二日で済むような話じゃない。持久戦の心構えで臨むんだな、指揮官。挨拶はここまでとしよう。何と言っても、指揮官は私と同じく忙しいご身分だからな。うむ、とはいえ、どこから話すべきかな?まずは保安局の反応から話そうか。端的に言えば、彼らは君の行いに対して非常に満足だそうだ。それはもう踊り出しそうなほどだったよ。 指揮官: そうなんですか?街が丸ごと汚染区になることを阻止できなかったのが原因で、銃殺されるかと思いましたが。 ハーヴェル_通信: 本気で責任を追及するのであれば、君を銃殺する前に、まず数多の情報分析官と職員を片付ける事になるだろうな。突然態度を変えて責任問題にするぐらいなら、保安局は君を英雄として祭り上げる方を選ぶだろう。 指揮官: 気の毒なロシチン大使はどうなるのですか?あれは過程で発生した付加的な損害に過ぎない。ともかく主席の命は守られ、全世界のテレビがあのテロリストたちの醜態を繰り返し放送しているのだ。君が保安局に協力し任務を完遂したおかげでな。結果から言えば、全ては皆が期待した通りに進んでいる。 指揮官: 問題は「付加的な損害」が本来ならば避けられたということです。保安局が端から情報を提供してくれるか、せめて私の警告を少しでも聞き入れていれば…… ハーヴェル_通信: どう、どう、そこでストップだ、親愛なる指揮官よ。保安局に対して思う所があるのは君一人じゃない。私も含め、大勢の人間が彼らのやり方に疑問を持っている。しかし彼らとかかわりを持ったのなら分かるはずだ、文句を言っても意味が無いと。私に言うのならばなおさらだ。君のぼやきを聞いて私に何ができる、それをそのまま局長に伝えろというのか?それに……君も何も考えていないわけではなかろう。 指揮官: ……何を言っているか分かりませんね。 ハーヴェル_通信: 君がアンジェと何かを企んでいること、知っているぞ。 指揮官: それはここ最近聞いた中で最も面白い冗談ですね。私はあなたからの情報をもとにベルグラードに向かいましたが、アンジェはいませんでした。なのに今度は私がアンジェと繋がりを持ってると? ハーヴェル_通信: 指揮官、人形の指揮において私は君に遠く及ばないが、情報分析となると話は違うぞ。あらゆる通信においてアンジェとの話題を避けていたようだが、当時の作戦記録によれば、君の部隊はアンジェの反逆小隊と完璧な協力作戦を繰り出したそうじゃないか。 指揮官: それは全てペルシカさんと、彼女が設計した不思議なメンタルのおかげじゃありませんか?あの時は混乱した状況で、多くの戦闘が指揮モジュールを持つ人形の独自の判断で展開されました。それに、私があのとき教会から動けなかったのはご存知のはずですよね? ハーヴェル_通信: おっと、おかげで思い出したよ。その指揮モジュールを持つ人形が反逆からグリフィンに戻ったんだったな。彼女たちにアンジェの行方を聞いたか?私が以前依頼した任務はアンジェの捜索のはずだったが、まさかそのまま忘れていたなんてことないだろうな? [注:その建前まだ必要なの?] 指揮官: ……チッ。 ハーヴェル_通信: ハハハ、私たちは互いに隠したいカードを持ってるようだ、それは保安局も同じこと。秘密があるのは悪い事ではない。しかし素人の私でさえ当てられたんだから、ゼリンスキーの奴ならとっくにお見通しのはずだ。 指揮官: そう言われると、私の弁解は何の意味も成さなかったように思えてきますよ。しかしあなたがどう推測しようと、私自身が知らないことまであなたに教えることはできません。 ハーヴェル_通信: よろしい、口が堅いようだ。それに、アンジェがバラクーダノードを奪うという国家反逆的行為を起こした後だからな、さすがは私の見込んだ人間だ。今は大いに安心してよいぞ。保安局は、君が大人しくバラクーダノードのコアを差し出したことから、グリフィンの忠誠を信じている。 指揮官: 結局のところ、保安局が犠牲を厭わず、これだけ必死にバラクーダノードを追い求めたのは、一体どうしてですか? ハーヴェル_通信: 彼らも君と同じことが聞きたいようだ、ただ主語が軍に代わっただけで。君が持ち帰ったバラクーダノードのコアを分析し、保安局は軍の考えを凡そ把握した…… これから各地の保存基地へ人を送るそうだ。これで軍の陰謀は無事阻止される。 指揮官: それだけですか?そんな簡単に? ハーヴェル_通信: こんな簡単にだ、この先のことは私ともに君たちグリフィンとも一切無関係となる…… 少なくとも、保安局はそのつもりで動いている。 指揮官: 「しかし」と言うんでしょう。 ハーヴェル_通信: ハハ、その通りさ……しかし!我々の任務はまだ終わっていない、君にはこれからエストニアのパルディスキ潜水艦基地に向かってもらう。私の情報によると、基地付近にはパラデウスの痕跡が多数残されており、軍の部隊もそこに向かっているそうだ。 指揮官: 先ほど、保安局は軍がバラクーダノードを奪うのを阻止するって言いませんでしたか? ハーヴェル_通信: ああ、確かに言った。 指揮官: ならどうしてわざわざグリフィンを派遣するんですか、大陸を大きく横断してまで…… ハーヴェル_通信: その基地にはバラクーダノードがないからだ。 指揮官: なに……? ハーヴェル_通信: その前に一つ訊くが、リコリスという名を聞いたことはあるか? 指揮官: あの鉄血工造のチーフエンジニアですか?ペルシカさんから頂いた資料で見たことはあります。 場所:バラクーダノード ハーヴェル_通信: そう、そいつだ。リコリスが鉄血のエルダーブレイン……つまりコードネーム「エリザ」を設計した。それはもちろん知ってるだろう。しかし私が言いたいのは、リコがエリザを作り出す際に使用したデータが、まさにパルディスキ潜水艦基地のA-51-241号バラクーダノードを逆演算して導き出したものということだ。 指揮官: つまりあのエリザというのは…… ハーヴェル_通信: もちろん、全く同じというわけではない。リコの個人的な構想も含まれている、その精巧さには私も驚かされたさ。だが、根本となるフレームのコードはほぼ変わっていない。簡単に言えば、あのバラクーダノードは「エリザの青写真」という事だ。保安局はここを数多くあるバラクーダノードの一つとしか思っていない。私が胡蝶事件を唯の事故だと考えていたようにな。しかしこれだけのことが起きて、今になっては鉄血、軍、パラデウス…… 奴らの関係が、ただ偶然交わった平行線ではないと思い始めた。そしてこのパルディスキ基地こそが、全ての始まりなのだ。だから、証拠が破壊されてしまう前に、この基地を押さえてほしいのだ。ついでに君が頑なに認めようとしない、あの仲間も助けてやってくれ。 場所:移動作戦室 指揮官: ハーヴェル……あなたは…… ハーヴェル_通信: これが簡単な仕事でないのは分かっている。パルディスキ、加えて付近のタリンは既にゴーストタウンと化している。君をレッドエリアに向かわせるのは非常に危険なことだ。それに……指揮官、我々は胡蝶事件の真相に近づいている一方で、ますます危ない橋を渡ろうとしている。君はこれまで何度も命拾いしてきた、これは私が君に賭ける大きな理由の一つでもある。しかし、君がいつまでも女神の加護を受けられるとも思っていない。 指揮官: あなたの好意、死かと受け取りました、ハーヴェルさん。私も自分の能力が不…… ハーヴェル_通信: そういう意味ではない。君がお節介で、他人の為に命を投げ出すような人間じゃなければ、ここまでは来れなかったはずだ、指揮官。あの小娘……ペルシカのことだが――彼女も君がパルディスキに向かっていることにすぐに気づく、そうすれば様々な無理難題を押し付けてくるだろう。人の要求を断る事を覚えなければ、いつか運を使い果たすぞ。 指揮官: ……それを断ったらどうします? ハーヴェル_通信: ハハッ、さすが指揮官、覚えるのが早いな。しかしこれはただのお願いであって、依頼ではない。気を付けろ、次会う時もピンピンしていることを願うよ。 (……通信終了。) 場所:移動作戦室 (12時間前。) カリーナ: あの~指揮官さま、起きてますか? 指揮官: 入っていいよ。 カリーナ: まだ昨日のハーヴェルさんとの会話を思い返しているのですか? 指揮官: ふぅ……万全の準備をしたつもりだったけど、彼と比べるとまだまだだった。 カリーナ: ……あのご年配の方もよく話しますね、分析に値する情報も多かったんじゃないですか? 指揮官: 確かに色々と話してくれたけど、それは全て私たちに知らせたかった情報だけだ。それにいくつも先に手を打ってある。彼がグリフィンに味方していることを喜ぶべきか……少なくとも今のところは。先のことはまだ考えないで良いですよ、指揮官さま。目の前の悩み事だけでも山ほど溜まっているんですから。大陸間列車があと10分ほどでタリン郊外に到着します。この前の偵察部隊も報告を上げてくれました。以前、指揮官さまが言っていた通り、タリンはパルディスキ基地に入るための唯一の主要都市ですが、既に汚染により壊滅し封鎖されています。先に向かったAR小隊も同じ答えを出しています―― タリンの隔離壁の封鎖を解かない限り、我々の列車は前には進めないと。今は指揮官さまの指示を待っています。 指揮官: もう着くのか?もうひと眠りできるとばかり…… カリーナ: グリフィンの司令所を大陸間列車に運び込んだのは、豪華寝台列車を楽しんでもらうためじゃないですよ、指揮官さま。各部隊の人形も準備完了です、後は指揮官さまの指示だけですよ。 指揮官: どうやら、今回の旅はベルグラードよりも充実してるようだね。 旧友との邂逅 > 移動作戦室 (……タリン郊外。) UMP45_MOD_通信: 指揮官、先の二時間、タリン市内の道の信号が絶えずM4にアクセスしようとしてたわ。その他は異常なし。他のグリフィン部隊の人形も電子攻撃は受けていないわ。私たちは引き続き防壁によるサポートを行う。では、定期連絡を終了する。これから彼女たちの後を追ってタリン市に入るわ。 指揮官: そうか……分かった、また連絡を頼む。ん? カリーナ_通信: 指揮官さま、いまお時間大丈夫ですか? 指揮官: 大丈夫だよ。もしかして先遣小隊からの通信?あれは最優先だから、今後は直接つないでくれればいいよ。 カリーナ_通信: いえ、16Labの……ペルシカさんからです。 [注:はやぁい] 指揮官: (来たか……ハーヴェルが予言した通りだった。) ……分かった、繋いで。 (……(通知音)) ペルシカ_通信: あ……指揮官……久しぶりね。あの……えっと……色々言いたいことがあったはずなのに、こうして連絡してみると、逆に…… [注:なによそよそしくなってんねん] 指揮官: 数ヶ月ぶりですね、連絡いただけてうれしいです。 [注:漫画家と担当編集者っぽい] ペルシカ_通信: ……うそ、まだ数ヶ月?一年に満たない筈なのに、すごく長い時間が経ったように思える。 指揮官: はい、この数ヶ月は……私たちお互いにとって、本当に苦難の時期でしたから。 [注:ペルシカ何かあったっけ?] ペルシカ_通信: 指揮官、今日連絡したのは、その…… 指揮官: M4のことですよね? ペルシカ_通信: あ…… 指揮官: 私が覚えている限り、他のことであなたが連絡をくれる事も無かったので、すぐに分かりましたよ。 ペルシカ_通信: ……それじゃ本題に入らせてもらうわね。これまでずっと、私は胡蝶事件の真相を追ってきた。そしてこれからあなたが行くところは、リコとも事件自体とも密接に関係してる。けれど、あの厳格に封じられた軍事作戦後すぐ、私は監視下に置かれ、AR小隊のあの子どもたちとも連絡が途絶えてしまった…… [注:あった。] 指揮官: あれから、また色々と起きましたからね。 ペルシカ_通信: はは、そうね。ベルグラードの報道も見たわよ。どうやら、私はかなり遅れを取ってしまっているようね。それで、AR小隊の子たちは? 指揮官: 任務遂行に向けて出発しましたよ。まさに今からM4のいる先遣部隊に連絡して、タリン偵察任務の進展を聞くところですが、良ければお繋ぎしましょうか? ペルシカ_通信: ちょっと待って!そんな…… 指揮官: 正直あの子にどう向き合えばいいのか分からないんです、最近ずっと避けられてるみたいで。戦闘が始まる前のちょっとした時間を狙って、見知った人と昔話でもすれば、M4も少しは落ち着くと思ったのですが。 ペルシカ_通信: やっぱりやめておくわ…… 指揮官: ペルシカさん、あなたはM4を助けたい一方で、直接的に関わろうとするのを避けるのはなぜですか? ペルシカ_通信: ……答えづらいわね。 指揮官: 私に依頼をしたい、或いは助けを借りたいのであれば、一体どうしてなのか知る必要があると思います。 ペルシカ_通信: 民間軍事会社は傭兵を雇うのと一緒じゃないの……お金で解決できない?報酬は弾むから。 指揮官: 以前ならそれで納得したと思います。しかし今の私は、グリフィンの人間及び人形の皆の安全を考慮しなければなりません。あなたが愛する作品を守りたいように、私も大切な部下を守りたい。お金でお互いの信頼が成り立つと思いますか、ペルシカさん? (この質問は通信チャンネル越しのペルシカを長い沈黙に陥らせた。かなりの時間を置いてから、ペルシカはうなだれた。) ペルシカ_通信: ……私はあの子……M4に……借りを作り過ぎた。M4は私にとって特別な意味があって、可能な限り守ってあげたいの。そのためにAR小隊も結成された…… 私は自分が思う完璧な作品に仕上げるため、あの子に身に余る負担をかけてしまった。 [注:M16「私も私も。私も(同意の上ではあるが)あんたの指示に従って傘ウィルスを取り込んだぞ~」] そして彼女がいなくなって気が付いた、自分が一体何をしたのか。私は私欲を満たすために、彼女を傷つけるどころか、大切な友達をも奪ってしまった。あの子が残酷で敵意に満ちた世界に戻るのを止める事も出来ず、私の大切な友人もそれで重傷を負った…… 指揮官: ……ペルシカさん、子供はいつか巣立つものですよ。M4は絶えず成長しています、それは誰の目から見ても明らかです。もっと信頼してあげても良いんじゃないですか。 ペルシカ_通信: 私はそんなつもりじゃ……でも、うん、確かにその通りよ。 指揮官: もう一つ、どうして私がタリンに来ていることを知っているのですか?もしどこかから情報が洩れているのでしたら、なんとかして封じ込めなければなりません。 ペルシカ_通信: これまでずっとあなたとAR小隊の行方を追っていたのだけど、なかなか成果は出なかった。でもベルグラードの事件があって、メディアも人形が関わっていた痕跡をたくさん見つけていたから、あなたもグリフィンの人形も無事だと信じていた。中でもハーヴェルはこの一連の事件に特に注目していたから……彼の個人的な口座の支払い記録を確認してきたの。 指揮官: なるほど、つまりハーヴェルさんの口を封じる以外に方法は無さそうですね、仕方ない。他に疑問点はありません、本題に戻りましょう。それで、今度は私にどのようなサービスをお望みでしょうか? ペルシカ_通信: 元々はAR小隊を呼び戻し、16Labに帰ってきてもらうか、前線から遠く離れた安全な場所に移動してもらうつもりだった。でもさっきの話を聞いて、自分があと少しで再び間違えた選択を下すところだったことに気付いた…… 指揮官: 作戦は既に始まっています。この状況下で、命令を無暗に変更するのは、無用な混乱を招くだけかと。たとえペルシカさんのお願いだとしても、私は断ります。それに……M4は、どうやら何かを探し求めている様子です。おそらく命令を下しても、素直には聞いてくれないでしょう。 ペルシカ_通信: そうみたいね……ごめんなさい、私がわがまますぎた。 指揮官: でもまだ常識の範囲内です……カリン、指揮システムを閲覧者モードでペルシカさんに共有できる? カリーナ_通信: へ?もちろんできますが、戦況を外部の方に共有して……構わないのですか? 指揮官: 私たちが信号の転送に使ってるドローンもペルシカさんの設計だし、これまでも16Labとともにグリフィンを支えてきた。外部の人ではないよ。今回の作戦は数々の道の脅威が待ち構えている、ペルシカさんの知恵を借りられるならそれに越したことはない。 カリーナ_通信: 分かりました、指揮官さまの判断を信じます。ペルシカさん――閲覧者モードで共有しましたから、これより戦場監視チャンネルをご覧になれる筈です。 指揮官: 何か怪しい所や脅威となるものがあれば、ひと声おかけください。ただ、最終的な判断はこちらで下します。それでよろしいでしょうか、ペルシカさん? ペルシカ_通信: ……ありがとう、指揮官。これが終わったら御礼させてもらうわ。 指揮官: ならコーヒーを一杯淹れてくれませんか? ペルシカ_通信: え? 指揮官: コーヒーを淹れてくれるって、出会ったばかりの頃に言ってたじゃないですか。 [注:緊急2-4] ペルシカ_通信: ああ……そうだったわね、私としたことが、引っ越してから完全に忘れてた。そうだ、私は角砂糖をたくさん入れる派だけど、それでもいい? 指揮官: それは今から楽しみですね。 ペルシカ_通信: まさか指揮官も甘党だったの?これは世紀の新発見ね、私たちきっと仲良くなれるわよ。それじゃ、約束するわ。全ての決着がついたら、私の研究室に招待する。 場所:廃墟_タリン駅 (……タリン駅、大陸間鉄道駅周辺。一発の銃声が廃墟の静寂を打ち破り、それを皮切りに銃撃は激しさを増していった。) M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: ふぅ!危なかったね、ROも大丈夫? RO635: 大丈夫よ……クソ、パラデウスには出くわしてないけど、あちこち自動砲台だらけね。 AR-15_MOD: 私たちの任務は大陸間列車が安全にタリン基地へ向かえる道を探し出すことよ。防衛設備が勝手に射撃を開始するようじゃ、確実に列車はな全に通れない…… 線路沿いの自動砲台は排除する必要があるわね。 RO635: とはいえ、あの自動砲台は防御用の盾が付いているものまであって、かなり骨が折れますよ。これだけ押されていては、排除どころか、わあしたちが無事撤退できるかも怪しいですよ!持っとこう火力な重装部隊の支援が必要です! M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: 重装部隊は指揮官のところだから、まだ時間がかかりそうだね。ROは電子戦ができるんだよね?砲台のシステムにハッキングして権限を奪い取ったりできないの? RO635: 簡単に言ってくれるわね……ここにあるのは旧式の砲台だから、自律モードが起動すると自動的にクローズドシステムに切り替わるのよ。つまり、砲台の操作パネル前まで移動するか、クローズドネットワークのノードにアクセスしないといけないということ! M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: えぇ……そんな面倒なの? RO635: そうよ、旧世代の古いシステムだからこそ、わたしも頭を抱えてるのよ。 AR-15_MOD: 試してみてもいいんじゃない?私たちで砲台を引き付けて、ROをその死角まで援護し、ハッキングをかける…… どう、この計画ならいけそうじゃない?M4? M4A1_MOD: (ハッキングできる?なら、ここは任せたわ。) ……必要ない。 AR-15_MOD: でもそれじゃ…… M4A1_MOD: みんな弾を装填して準備して。私が何とかアクセスして防衛システムをシャットダウンするわ、ただ長くはもたない。砲台が止まったら一気にタリン駅に駆け込むわよ、いい? RO635: ですがそんなこと、できるわけが…… AR-15_MOD: シーッ。RO、M4を信じて。みんな準備して、合図を待とう。 M4A1_MOD: 用意――三、二、一……今よ! (耳をつんざき、街中に響き渡る轟音は瞬時に止んだ。AR-15は放り投げた石ころに対して一切の反応がないところを見ると、率先して立ち上がった。) AR-15_MOD: 目標駅舎、移動開始!急いで! 場所:廃墟_タリン駅 (一切の攻撃や妨害を受けることなく、グリフィン人形たちは瞬く間にタリン駅内に転がり込んだ。) RO635: 信じられない……!駅周辺の砲台がすべて…… M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: 撃っても全く反撃してこないし、全部無力化されてるね! RO635: あれだけの数の砲台を一斉にハッキングするなんて、何をしたんですか、M4? M4A1_MOD: ……この前のメンタルアップグレードで新たなモジュールを装備したから、特に電子戦方面が大幅に強化されたのよ。AR小隊の隊長として、二度と隊員を危険な目に遭わせるわけにはいかないから。 AR-15_MOD: よくやったわ、M4。メンタルの負荷は大丈夫なの? M4A1_MOD: ええ、心配ないわ……少し休んで、放熱をさせれば問題ない。 AR-15_MOD: あまり奴に頼りすぎないで。 M4A1_MOD: うん…… M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: コソコソ何話してるの? M4A1_MOD: 何でもないわ。それより、RO、少し手伝ってくれる?さっき砲台にハッキングした時、駅地下にデータのやり取りが高頻度で行われているネットワークノードを見付けたわ。おそらくあれが自律防衛システムの中核ね…… それを見付ければ、タリン市防衛のメインシステムにアクセスできるはずよ。 RO635: ノードですか……すぐに行きます。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: わたしも行くよ!探し物なら大の得意なんだから! 場所:扉_緑_暗 RO635: うーん……ノード……コンピュータか何か端末のような機械は…… M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: コンピュータなら、フロントのあれは? RO635: あ、大陸間鉄道の駅舎制御コンピュータね……それならいけるわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: さっきのM4すごかったね、電子戦であんなことまでできるなんて!ROも教えてもらったらいいのに。 RO635: あれは電子戦なんかじゃないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: へ?どういう意味? RO635: 同時に二、三台の砲台にハッキングして操作を行うなら、確かに電子戦でも可能だわ。でも、M4のように同時に何十台もの自動砲台を操作するなんて…… 物理的な接触の無い状況下で、ツェナープロトコルの無いクローズドネットワークに直接ハッキングをかけるなんて、こんなの尋常じゃないわ。 M4 SOPMOD Ⅱ_MOD: ……M4が嘘をついてるってこと?でも、どうして? RO635: そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。そもそも、彼女自身もあまりよく分かってないような気がする……とにかく、任務が終わってからまた話そう。よし、こいつのスイッチは……ここか。 ((コンピュータの起動音)) 場所:扉_緑 (駅舎内の照明が全て点灯し、長年止まっていた空調システムも回り始め、埃が舞った。静寂に満ちていた駅舎の地下空間は、すぐに機械が作動する騒音で満たされた。) RO635: どうやら電力システムは生きていたみたいね、助かったわ。アクセス開始、大陸間鉄道防衛システムで検索……よし、あったわ。M4、聞こえますか? M4A1_MOD_通信: はっきり聞こえてるわ。駅舎のホールの照明が復活したけど、そっちで何かやってくれたの? RO635: はい、タリンの電力供給網は生きてます。というか、ほぼ完璧の状態で……数十年も放棄されていた汚染区なのに、発電機がまだこれだけ正常に動くとは、信じがたいです。まるで捨てられた後もタリンのインフラを維持していた人がいるかのような…… M4A1_MOD_通信: そうなの……隔離壁のコントロールセンターもそこにある? RO635: いえ……隔離壁に関する権限は見つかりませんでした。中の防御システムと外の隔離壁制御システムは、さすがに分けられているようですね。 M4A1_MOD_通信: それはそうね……なら、沿線沿いの防御システムは?シャットダウンできそう? RO635: 駅舎の制御システムからは周辺の一部の自動砲台しか操作できません。多くの防衛装置は接続が切れているのですが、電力を消耗している形跡があります。これはつまり、それらの砲台は既にアクティベートされていて、中央制御室とのネットワークを切断し自律モードに入っているのだと思われます。 M4A1_MOD_通信: 直接シャットダウンできないのなら……RO、発電機の位置を教えて。 RO635: はい、多くがタリン市郊外にある数ヶ所の発電所に集中していますね。聞いてどうするのですか? M4A1_MOD_通信: 自動砲台の外部電力を断ち切るわ。 RO635: しかし、そうしたとしても砲台には予備の電池があって、すぐに無効化はされませんよ。もちろん、そのまま電池が切れるのを待つのは良い作戦だと思いますが、どれぐらい待つことになるか…… M4A1_MOD_通信: 電力を絶てば、消耗の大きいシールドを自由には使えない。そうすれば、弱体化した自動砲台を簡単に潰せるわ。 RO635: それも一つの方法ですね。ただ、ここから発電所に向かうには少し遠いですね。マップを見る限り、途中に大量の防衛設備が…… M4A1_MOD_通信: 心配ないわ、指揮官が頼れる支援部隊を準備してくれているから。 場所:廃墟 (……タリン郊外。) UMP45_MOD: ほう?追加の命令が来たわ、タリンの発電所を破壊するようにって。座標はマップにあげたわよ。 Gr G11: え?座って休憩とろうとしたばっかだよ、せっかくもう少し眠れると思ったのに…… 416_MOD: 彼女たちが全滅するのを傍観するつもりかと思ったわ。 UMP45_MOD: 自分たちで処理できそうな問題なら、もちろんこっちから手出しはしないわ。私たちの役割はヒューズみたいなものよ、大したことないうちは急いで自分を溶かす必要はない。9、爆薬の準備はできた? UMP9_MOD: 問題ないよ。列車から飛び立ったドローンが5分後に爆薬の入った補給箱を落としてくれる。 UMP45_MOD: さすがね。発電所までの道中は防衛設備による攻撃を受けるだろうけど、どうすればいいかは分かってるわよね。これは追加の報酬分よ、みんな元気出していきましょ。 縛られた幽霊Ⅰ > 廃墟 > 場所:地下道 (……タリン市郊外、発電所区域。UMP9が見つけ出した通路の後を追って、UMP45とG11を引きずった416は同じルートを辿り発電所に向かった。) UMP9_MOD_通信: もうすぐかな? UMP45_MOD: もう少し進めばシステムにアクセスできるポートがあるわ。 (その時、通路の向こう側からサイレンサー無しの銃声が鳴り響いた。) UMP9_MOD_通信: ……見つかった、一旦止まって!出口付近でドローンが監視してる! (すぐに、銃声はますます大きくなり、爆発音や振動を伴い始めた。) UMP9_MOD_通信: うわぁ、まずいよ!自動砲台、ドローン、警備ロボット…… 都市中の防衛システムに追いかけ回されてる気分だよ、45姉! UMP45_MOD: 死なないように耐えて、あと30秒だけ。計画変更よ、416とG11は制圧射撃で注意を引き付けて、その間に私がポートにアクセスして砲台を無力化するわ! 416_MOD: 9だけじゃなく、私とG11も一緒に死んでほしいわけ?あんたのやることらしいわね! UMP45_MOD: 記憶を失ってメンタルを再インストールし、全てを忘れてもう一度私の為に死んでくれるのなら、それはそれで愉快ね。ただ、私たちがここで全滅すれば、復活させてくれる人はいないわよ。 416_MOD: チッ、G11、ついて来て! UMP9_MOD_通信: 感動したよ、みんな助け合ってこそ家族だもんね!うわぁぁ!危うく命中するところだったよ……! (UMP45は下水道の壁から金属の蓋を剥がし取り、乱雑な配線をむき出しにさせると、その内の一本を素早く金属の腕のポートに繋げた。) UMP45_MOD: ビンゴ、やっぱり繋がったわ……ただ、数が思っていたより遥かに多いわね。 416_MOD: ほんとに自動砲台をなんとかできるんでしょうね?出来ないのなら出来ないと言いなさい、今ならまだ作戦を変更できるわ。 UMP45_MOD: 心配無用よ。あなたたちが頼りにならない場合を想定して、事前に保険を掛けてあるんだから。……権限を開放したわ、3秒数えて一斉にいくわよ。 場所:街_破壊_高架道路 UMP9_MOD: ふぅ……撃っても弾が全部シールドに……ん? (突如、発電所周囲の自動砲台がすべて、寒さで体がシバリングするように軽く震えた。) UMP9_MOD: 45姉……有言実行だね! 416_MOD: 今よ、砲台のシールドが消えてる隙に、火力全開! (弾を逸らす為のシールドは機能せず、ドローンも回避行動を停止し、砲台は銃弾の雨に晒され次々に爆発した。) Gr G11: 楽でいいねぇ、こういう仕事が好きだよ。 416_MOD: UMP9、怪我はない? UMP9_MOD: 大丈夫だよ!成功したみたいだね、この自動砲台たちもシールドを失えば、鉄血の雑魚と変わらないし。 UMP45_MOD: こいつらはそもそも鉄血の製品だからね……ドローン、自動砲台、監視カメラに警報装置、すべてそうよ。鉄血工造は第三次世界大戦以前よりこういった軍用品を生産していたわ、人形なんかよりはるか以前から大量にね。 [注:技術的に時代遅れとはいえ、フリー素材化して大丈夫?] UMP9_MOD: おかえり、45姉!さっきの電子戦制圧、すごく助かったよ。 416_MOD: 私は電子戦に特別詳しい訳ではないけれど…… たとえハッキングできる経路があったとしても、一度に数十台の砲台とドローンにハッキングするなんて、普通はできないことよね? UMP45_MOD: そうよ、それにM4への監視を中断するわけにもいかないから、演算がかなり厳しいわ。ただ……M4たちが出くわしたのと同じで、この自動防衛システムは高セキュリティのクローズド回線を使っているけど、電源ケーブルとデータ用ケーブルは全て一か所に集まってるのよ。おかげで手間が省けたわ。一、二秒程度なら何とか動きを止められるわ。そして、その短時間の内にすべて破壊する――こんな効率的な動きができたのは、全部あなたたちのおかげよ。 UMP9_MOD: それって、わたしたちの作戦能力が上がったってこと? UMP45_MOD: ええ、金をかけただけのことはあるわ。 Gr G11: みんな強くなったってことは、あたしは早退してもいいってこと? 416_MOD: ダメよ。給料をもらってる以上は、働いてもらうわ。 Gr G11: えぇ……どうしてよ…… UMP45_MOD: はいはい、仕事に戻るわよ。爆薬を配るわ、私と9は発電所の爆破に向かうから、416とG11は下水道の退路を確保して。 UMP45_MOD: 三、二、一…… 場所:白背景 (耳をつんざく爆発音が遥か空の果てまで響き渡った。巧妙に仕掛けられた爆弾により発電所の柱が弾け、天井が崩れ始めると、所内の変圧器、天然ガス貯蔵タンクにも爆発が立て続けに波及した。青色の閃光が薄暗い空を明るく照らし出し、眩い光景が数秒続いた後、飛び散った破片が次々に落ちてきた。) 場所:街_破壊_高架道路 (この時、416は初めて下水道から顔を出し、成果を目で確認した。) 416_MOD: ……火力発電所は全壊したようね、徹底してるわ。これなら、防御システムの半分は無力化できたんじゃないかしら。 UMP9_MOD: 45姉!大丈夫? UMP45_MOD: うっ…… (UMP45は額を押さえ、足元がおぼつかない様子で壁に寄りかかっていた。UMP9はそれを見て、慌てて支えにいった。) 416_MOD: 45、どうかしたの? Gr G11: 分かんない……爆発が起きてから突然力が抜けたみたい…… UMP45_MOD: 心配ないわ……さっきはただ……突然大量の信号アクセス元が現れただけで…… UMP9_MOD: 電子戦ならわたしも手伝えるよ、45姉。 UMP45_MOD: そうじゃないの、さっきのは…… 数十個、いや数百個の信号が、互いに連鎖していた。発電所が破壊された途端、この都市はまるで息を吹き返したように、何かが復活したような反応を示したわ…… 場所:廃墟_タリン駅 M4A1_MOD: こちらM4、AR小隊メンバー、聞こえる?誰か! AR-15_MOD_通信: 聞こ……てるわ!ジャミングが突然強く……高所……移動すれば―― M4A1_MOD: 一体何が起きてるの…… 透き通った声: 私の判断が間違ってたわ。信号は一つじゃない、来るわよ。 M4A1_MOD: 分かってるわ、耳鳴りが……いや違う、私のメンタルノ奥底からくる変な声が……どんどん大きく…… とにかく今は高所に移動して、みんなに連絡を取るのが優先よ。 透き通った声: 気を付けて。 M4A1_MOD: うん……分かってる。AR-15!SOPⅡ!あとRO635、聞こえる?現在、通信が重大なジャミングを受けてるわ。恐らく発電所爆破による、一時的な電磁波異常だと思うけど……とりあえず駅の出口周辺に移動して! (タリン駅の屋上に登ったM4は、必死に小隊メンバーと連絡を取ろうとしていた。時を同じくして、市街地遠方……) 場所:失格異性体たち ???: 来た? ???: 枷が解除されたの? ???: 来た?救世主が来た? (輪郭の曖昧な人影が、次から次へと瓦礫の山から湧き出た。それらはざわざわと議論を交え、これから起こることに期待を膨らませた。一人の少女が駅の屋上の方を向き、M4A1をじっと見つめていた。) 場所:黒背景 ???: 新しい身体?いや……破壊と、破滅だ。違う……それだけじゃない、選ばれし者なの?私、ここから出られるの?助けてもらえるの? 機密情報Ⅰ > 移動作戦室 カリーナ: 指揮官さま、こちらへ来ていただけますか?私たちのもとに一通の匿名ファイルが送られて来たんです。 指揮官: これは? カリーナ: WAVEから提供された情報です。何かの録音データのようですね? [注:サー・グリフィンが2040年頃に作った「WAVE TECH」?(参考:公式設定画集vol2)] 指揮官: その「WAVE」というのは信用できるのかい? カリーナ: うーん、確かに謎の多い会社です。情報を提供するだけで、お金は要求してきませんし。メールから特定しようにも、アドレスが乱数で形成されているため追跡も不可能です。ですが、今まで送ってきた情報が間違っていたことはありません。意図はわかりませんが、きっと私たちの味方なんだと思います。 指揮官: また別のトラップじゃないことを祈るよ……それじゃ、その録音データを聴くとしよう。 カリーナ: わかりました! 場所:黒背景 (録音データを再生します。雑音。人の歩く音。そして何かのボタンが押される音が聞こえた。) 【おめでとう、我が尊敬する局長にして同志よ。ベルグラードでの一幕、中々に見ものであった。】 【老狐が、また何か聞きつけてきたか。】 【まさか、知る由もない。なにせ君たちの痕跡は、犠牲となった側の表面にしか残されていないのだから。】 【汎ヨーロッパの民衆にしろ政界にしろ、人々は皆、自分たちの政府が誠意と努力を表してくれたと思い込んでいる。】 【自分の命も厭わず相手方の大使を助けるなんて、全く感動させてくれる。感動的過ぎて陰謀を疑ってしまう程だ。】 【フン、計画は大いに支障をきたしている。あと一歩で、「ヴィンベル」が突入するところだ。】 [注:ソ連KGBの特殊部隊] 【「少々残念ではあるが、あの街を制御する必要はさほどない。バラクーダノードはもう手に入れた。『K』が綱渡りしてくれたことに感謝しなくてはな。保安局の部隊が出なかったおかげで、我々の身の潔白が証明されたのだから」。こう思っているのではないかね?】 【無駄話が過ぎるぞ、ハーヴェル。】 【いやぁ、すまんな。では君の知りたかったことを一つ教えてやろう。】 【あのグリフィンの指揮官にはしっかりと感謝しておけ。】 【あの状況でもウルリッヒ主席を護ったことを高く評価した汎ヨーロッパ連盟が、ミロシェヴィッチと他の南ヨーロッパ代表を説き伏せてくれた。どうだ、非常に良いニュースだとは思わんかね。】 [注:汎ヨーロッパ再建互助委員会執行委員ミルコ・ミロシェヴィッチ] 【確かに彼女には類い稀なる外交の才があり、汎ヨーロッパのために数々の条件を勝ち取りはしたが、二つの大陸間鉄道建設は依然として我々の許容範囲内で進行しておる。】 【フン、奴らは同意せずにはいられんだろう。二つの鉄道は、汎ヨーロッパの利益に符合する。単に噂を聞き付けたあの腑抜けが、ぽっと出のドイツの小娘をスケープゴートに使ったまでだ。】 [注:あの腑抜け⇒上記の人] 【ウルリッヒがあそこで死ねば、汎ヨーロッパは好きなだけ金をせびる事が出来るという算段だ、意地汚い奴らめ。】 【まあいい、仲介に伝えておけ。中央人民委員会はこの一連の結果に大変満足していると。】 【この件だけではない。前列の方々は、モスクワ急進派と正規軍を君が抑え込めた事の方に満足しているのではないかね、局長同志よ?】 【言ったはずだ、無駄話が過ぎると。話はここまでだ。】 機密情報Ⅱ > 場所:黒背景 (録音データを再生します。喧しく何かを話し合う声が聞こえる。しかし電話のベルが響いた途端、部屋は水を打ったかのように静まり返った。ベルは暫く鳴り響いていたが、やがて咳払いする声が聞こえると、受話器は取られた。) 【誰だ。】 【なんだ、そんなに私の電話に出たくないのか?】 【そんなに嫌なら次からは手紙を書こう。ルビャンカ広場の郵便箱なら内務府の回線のように苦労して探すこともない。】 【無駄話の続きなら、お前を捕まえた後、審問室で聞いてやる。】 【怒っているのか?理解に苦しむな、君は前回のゲームの勝者じゃないか、もう少し嬉しそうにしたらどうなんだ?】 【この電話がどこから掛けられているのか、そして誰が掛けているのか、それが分かれば嬉しくもなるんだがな。】 【君は私を使って反遺跡条約による要塞の封鎖を解き、バラクーダノードと保安局の関係が後ろめたいものでないと装うことができたじゃないか。】 【今こうして使い道がなくなったからと言って口封じをしようと?それは余りに不義理なんじゃないか、局長殿。】 【何のことだかさっぱりだな。】 【そうだな、私が分かっていればそれでいい。君が辛く当たってこようと、私は気にしない。】 [注:かわいそう] 【胡蝶事件で君はカーターにこっぴどくしてやられた、まだそのことを根に持っているんだろう?だから君にプレゼントを用意した、これでカーターを葬ることができるはずだ。】 【プレゼントだと?】 【カーター一派が不法に遺跡の研究を行っていたという証拠さ。こさえあれば奴らを秘密裡に処刑することぐらいわけないんじゃないか?】 【フッ、そんなもの受け取るとでも?】 【簡単さ、君の手の者に持って帰らせればいいのだから。】 (突然、爆発音とドアが破られる音が聞こえたかと思うと、すぐに大勢の足音と金属のぶつかり合う音が雪崩れ込んできた。) 【動くな!全員伏せろ!クリア!急げ!】 (足音とドアを蹴り開ける音が絶え間なく続く。) 【報告します。区域内すべてクリア、部屋に人影は見当たりませんでしたが、箱を一つみつけました。】 【おお、君の部下は行動が速いな、恐れ入ったよ。流石はプロだ。】 【チッ……】 【この私が君に捕まるほど愚かだとでも思っていたのか?だがこんなにも速く私の暗号アルゴリズムを解析するとは、さすがは保安局だと言っておこう。】 【いつか貴様を捉えてやるからな。】 【その前に、私が残したその箱をしっかり研究しておきたまえ。その座標の異常性は貴重だと言ってもいいほどだ。君たちが誰を送り込んでくるか、楽しみにしているよ。】 機密情報Ⅲ > 場所:黒背景 (録音データを再生します。電子機器の周波数の小さい雑音、水滴がしたたり落ちる音。遠くで鉄の扉が次から次へと開かれ、一番近いところでも鉄の扉が開かれる音がした。) 【まさかこんなところで会うことになろうとは、夢にも思わなかったぞ。】 【……ずいぶん時間がかかったわね。】 【私は君の後見人でなければ、保釈官でもない。なにより、こんなことをやらかしたんだ。保釈される可能性はないぞ。】 【チッ、私を嘲笑しに来たのか、それともあなたも彼らのやり方に同意なのか。】 【私が彼らのやり方に同意かどうかはさておき、どういうつもりでバラクーダノードを奪うなんて馬鹿なことをしたのか、教えてもらえるか?】 [注:保安局はバラクーダノードを入手済、「奪う」のではなく「奪おうとする」] 【…………】 【言いたくないのか?では当ててやろう。小さい頃の出来事が原因で、遺跡に関わる全てを深く憎んでいるんだろう? 【ありきたりではあるが、幼いころのトラウマだったら理解できないこともない。】 【…………】 【でも君にも分かるはずだ、あの時「ヴィンペル」はずっとベルグラードの外で待機してた。あのゼリンスキー局長が君とあの民間軍事会社だけを頼りにするとでも?】 【結局最後はみんな同じ。だから私は自分のやり方を通すしかなかった。】 【いつからそんな向こう見ずになった。確かに英雄を名乗ることは魅力的だ、それは認める。しかい、英雄と称されるかは自身ではなく、人の評価によるものだ。】 【もちろん、君の気持が理解できないわけではない、だからこうして尻拭いに来てやったのだ。】 【フンッ……自分の目的が別にあるだけでしょ。今はどういう状況なの、教えて。】 【局長はすでに仕事を進めている、まもなく網を引き揚げるだろう。もちろん、相手の抵抗もますます強まるだろう、制御不能に衝突が起こる可能性もある。】 【つまり?】 【過去により判断を影響されるな、あのバラクーダを奪おうが、その上で破壊しようが、現状が変わることはない。やるなら徹底的に問題を片付けろ。】 【パルディスキ潜水艦基地に永久に封じられた遺跡設備の管理基地がある、リコが手に入れたバラクーダノードはまさにそこから運び出されたものだ。考えてみれば、君はこのノードとずいぶん縁があるな。】 【フンッ、胡蝶事件の時のノードか。支援はあるんでしょうね。】 【興味を持つだろうと思ったよ。君が最も嫌うKが、現地で待ってるよ。】 【冗談のつもり?】 【君と彼は案外上手くやっていけてると思うんだがな。彼はあの区域に詳しい、いればきっと大きな助けになるはずだ。】 【それに、あのグリフィンの指揮官も支援してくれる。】 【とはいえ、彼らはすでに軍による高度な監視を受けている、恐らく作戦中も様々な障害にぶつかるだろう。ただ、それを踏まえても、私は問題ないと信じている。】 【フン……指揮官にはお金をかけるべきよ、グリフィンを失ったらあなたも目的を果たせないでしょ。少なくとも、あなたの仲介人はうれしくないでしょうね。】 【ハハ、よく知っているな。私の仲介人は何とかしてあの哀れなクルーガーを出してやろうとしてるよ、大事な商売仲間を失うのは、我々の理念と符号しないからな。】 【君は知らないかもしれないが、私は彼らのために快適な基地と大陸間の移動手段を用意してやったんだ。私のように気前の良い投資家も、この世にはもう多くはないだろうな。】 【自画自賛はもういいわ、早くこの狭苦しくてぼろい小屋から出してちょうだい。】 【はいはい、お嬢様、仰せのままに。】 場所:移動作戦室 (……) カリーナ: うーん……今回の録音データはどれも違う人の会話みたいですね。指揮官さまは誰だか分かります? [注:Ⅰ……ゼリンスキーとハーヴェル] 指揮官: なんにせよ、私たちと関係のある重要なことだろうね。WAVEが送ってくれたのには意味があるはずだ、少し考えてみる。 [注:Ⅱ……ゼリンスキーとウィリアム(?)] カリーナ: そうですね……私たちの今回の旅と深い繋がりがありそうです。では、録音データはこれぐらいにして、新しいメッセージがあればまたお知らせしますね。 [注:Ⅲ……アンジェとハーヴェル(?)] 認知分裂Ⅰ > 移動作戦室 (タリン駅にて。 [注:レベリングの聖地] カリーナは通信を切ると、指揮官の方を振り向き、報告を始めた。) カリーナ: 指揮官さま、列車がタリン駅に到着しました。 (指揮官は何も言わず、ただ首を縦に振る。) カリーナ: 次はどうしましょうか? (指揮官は司令台の上に拳を叩きつけた。) 指揮官: あんまりじゃないか…… カリーナ: デザートイーグルさんたち以外の偵察部隊が発見した難民の死体数は、少なくとも合計で数千には上ります。 指揮官: 計画的な虐殺だぞ、これは! カリーナ: 計画的な虐殺だぞ、これは!一体何が起こったのでしょう……あっ、ペルシカさんからの通信です。繋げますか? 指揮官: お願い。 ペルシカ_通信: 邪魔してごめんなさい、指揮官。 カリーナ: ペルシカさん……AR小隊のことについてでしたら、すみません、今はそんな雰囲気ではなくて…… ペルシカ_通信: ううん……さっきあなたがくれた権限のおかげで、AR小隊が送ってくれた画像とM4の信号記録の確認が出来た。あなたたちの次の行動を決めるための判断材料として、一つ伝えておきたいことがあるの。加えてこれは……今回の虐殺とも関係しているわ。どうか気持ちを抑えたまま、聞いてちょうだい。 指揮官: 私たちが相対しているもの……パラデウスですか? ペルシカ_通信: パラデウスよりも前のものよ。「90wish」……という組織を聞いたことはある? [注:「90Wunsch」とは別の組織?] カリーナ: 90wish?確かインターネット上で研究のシェアを行っていた組織の一つでしたよね…… ですがそこは、早々に消えてしまったはずです。資料庫らしきものは見当たらず、関連する情報も…… ペルシカ_通信: よく知らなくて当然よ。90wishの情報は全て、抹消もしくは汚染されたのだから。指揮官はそろそろ勘付いているんじゃないのかしら?私はかつて「90wish」の一人だった。 指揮官: 「90wish」、それがパラデウスの前身だと? ペルシカ_通信: いいえ、この二つは恐らく違う組織ね。「90wish」は今も動いてる。「90wish」に入ったばかりの頃、私はそこを単なる研究組織だと思ってた。けど巨額の資金が投資されてると知って、私の思っているよりも実際は単純ではなかったことに気付いたの。そして組織に深く関わっていくうちに、「90wish」が非合法的な研究に手を染めていることを知ったわ。その後、私はそれに賛同できず、そこを辞めた…… 指揮官、よく聞いて。M4に強制連鎖を試みた信号や、タリン市内の人形部隊を無差別にジャミングしようとした信号サンプルの発生源についての解析がいま終わったわ。これらの接続方式は……「90wish」がかつて使っていたアルゴリズムと同じものだった。 指揮官: つまりこれは、パラデウスではなく「90wish」という組織が仕組んだものであると? ペルシカ_通信: 違うわ。「90wish」は結局のところただの研究機関なの。成果を誰かに盗まれたと考えるのが妥当ね。この街に「90wish」の施設が多く建設されていることのみしか、今回の分析結果からは得られなかったけど、私が以前集めたパラデウスの特徴によく似ているの。 指揮官: というとつまり? ペルシカ_通信: 指揮官は前に、パラデウスに捕まったことがあるのよね?であれば彼とはもう接触しているかもしれないわ。「90wish」や「パラデウス」が関係しているとすると、私たちが相対しているのは……「ウィリアム」よ。 カリーナ: ウィリアム? ペルシカ_通信: そう……「ウィリアム」教授。私と同じ「90wish」のメンバーだったんだけど、私の知るどの変人奇人より奇妙な人だったわ。彼の姿を見た者もいなければ、声を聞いた者もいない。その上彼の選んだ研究は……身の毛もよだつようなものだった。 カリーナ: 危険な研究をしていたんですか? ペルシカ_通信: 難民の死体の辺りに、おかしな花を見かけなかった? カリーナ: はい……送られてきた画像全てから確認できます。 ペルシカ_通信: あれは「エピフィラム」の一種よ…… 指揮官: エピフィラム? ペルシカ_通信: ええ。コーラップス液を吸収する植物の一種。90wishはコーラップス放射線を浄化する植物を用いた研究を行おうとして、案の定失敗した。あの類いの植物は、確かに遊離している放射性粒子を吸収するけど、開花時に、溜め込んでいた全ての物質を一度に放出してしまう性質があったの。浄化のための道具として使えないことは明白だった。けれどウィリアムは「エピフィラム」のことを大層気に入ってたようで、私が離れる前は、品種改良にとにかく励んでいたわ。 カリーナ: つまり……ああっ!なるほど、そういうことですか! ペルシカ_通信: そう、「エピフィラム」以上に虐殺に適した道具はない。パラデウスがいくら広域性低放射線感染症患者を欲しがったところで、難民たちも自ら汚染区へ死にに行くようなバカなことはしない。となれば、見た目がキレイで無害そうな花を罠として使うのは合理的じゃないかしら……? 指揮官: …………酷すぎる。 ペルシカ_通信: こんなのはまだ序の口よ。人形たちが送ってきた画像の中に、亡くなった難民や変異したELIDの他に、継ぎ接ぎのサンプルも見なかった? カリーナ: 半分機械になっていた女の子のことでしょうか? ペルシカ_通信: それよ……ネイトと瓜二つなところを見るに、彼女はきっと改造を施された親和試験体の失敗作だわ。 カリーナ: 親和試験体? ペルシカ_通信: 「90wish」は主に、遺跡にあるイオン体積調整装置の人体組織に対する適合度合を研究していた。彼らは、遺跡文明における施設の捜査権限が、遺伝子によって識別されていると考えていたの。けど大量のコーラップス放射線を浴びた場合、身体の体内組織がケイ素化してしまうから、ケイ化の進行が遅くなる親和体を用いようとした。親和体なら、完全に変位してしまう前に遺跡の外殻設備を起動させられるんじゃないかってね。 カリーナ: そんな…… ペルシカ_通信: 人道に反することから、この実験は既に禁止されてる。けど、「90wish」にあるスーパーコンピューターによってシミュレートされたことがあるわ。結果はもちろん失敗。三百万回ものシミュレートが行われたけど全てダメだった…… 当然よね、遺跡がそんな非生産的な方法で反応するはずがないもの。 指揮官: でもその結果に納得できなかった人がいたと。 ペルシカ_通信: ええ、「ウィリアム」なんかは特にね。 [注:他にもいたのかよ!] 条件の未達成が失敗の原因にあると捉えていた「彼」なら、こんな残酷なことをしていても不思議じゃない…… カリーナ: あの女の子は、この実験をするために造られた未完成の「ネイト」だったということですか? ペルシカ_通信: 前まで放置されていた「エリザ」を、遺跡を呼び起こすための「鍵」と形容するなら…… 「ネイト」は、いわば遺跡に触れるための「触媒」よ…… それに、アンジェが前に話してくれたわ、ある勢力が遺跡の再起動を目論んでいると。だとすれば話の辻褄も合う。ただ、どんな方法でどう目的を達成するつもりなのかは……分からない…… 指揮官: つまり、「ネイト」は戦闘向きではないと? ペルシカ_通信: ウィリアムに言わせれば、ただの失敗作なんでしょう。でなければ……彼女らを生贄にするような真似はしないはずよ。でも、研究の失敗は明白なのに、彼は何をしようとしてるのかしら。 [注:そんな「彼はバカだから失敗するに決まっている研究を続けてる」みたいな言い方しなくても……] 北蘭島事件が起きた後、コーラップス線放射線の影響を一切受けない「完全免疫体」が出てきたことがあったけど、 [注:「完全免疫体」は「コーラップス放射線濃度が低い地域では生きられない」ので、「免疫がある」というより「適応した」と考えるべきか] まさか「完全免疫体」を自らの手で……? 指揮官: その人からすれば、タリンは実験室で、私たちはモルモットというわけですか。 ペルシカ_通信: 指揮官、なんだか良くない予感がするわ。正規軍の裏切りから、ベルグラード、あなたたちのいるタリンに至るまで、全てが仕組まれていたとしたら。私たちが過ちを犯すよう、誘い込んでいるのだとしたら。 指揮官: 何か手はないんですか? ペルシカ_通信: ……口を出すには、分析が足りないわね。ただ、失敗品といえど、あの「ネイト」にも分析する価値はあるかもしれない。M4に強制接続しようとしたあの信号も……きっとM4に伝えたいことがあってのことだわ…… この街には、とてつもなく大きなセカンダリレベルがあって、膨大な数の連鎖によって密集したネットワークが形成されてるわ。ただしここは、傍から見ればただのゴーストタウン……彼女がネットワークに繋げることがなければ…… カリーナ: M4さんに連鎖接続させるんですか?さすがに危ないのではないでしょうか? ペルシカ_通信: M4は私の造った子供よ。彼女がみすみす許してしまうような電子ハッキングであれば、他の人形では以ての外だわ。彼女はきっと今、戸惑いに苛まれているはず。さっきの接続に対してだって応答を試みていたわ。彼女が今何を追っているかは分からないけど、少なくとも私たちに止める権利は無いんじゃないかしら。私も、指揮官も、人間として彼女を正しい道へ導いてあげるべきよ。 指揮官: 出来ればそれは、本人に聞かせてあげてください。彼女たちに会う準備は出来ているのですか? ペルシカ_通信: ……それが私の責任よ。 指揮官: その言葉だけで十分ですよ。では私は、準備のためひとまず切りますね。M4との連絡が取れ次第、あなたにも繋げます。 ペルシカ_通信: わかった。あとは頼んだわね、指揮官。 場所:移動作戦室 カリーナ: なんと…… ペルシカさんがあんなこと言うの、初めて聞きました…… 指揮官: 通信越しでも分かるくらい、感情が伝わって来たね。きっと色々あったんだろう。 [注:逆に指揮官は難民のことは落ち着いたのか?] カリーナ: 普通の研究員の方だと思っていましたが……これだけの情報を知っていたなんて…… 指揮官: まったく……とんでもない情報だったね。ハーヴェルの話を聞いて、事の全貌を把握した気でいたけど、今は振り出しに戻された気分だ。カリーナ、各小隊の状況はどうなってる? カリーナ: AR小隊は隔離壁の起動方法を模索中、他の小隊は既に駅に到着し、再補給を行っています。また、さきほど匿名の衛星写真を受信しました。それによれば、正規軍の装甲列車が、私たちからそう離れていない場所に到着しています。理由はわかりませんが、補給をしているものと思われます。 指揮官: ならまだ時間はある。AR小隊も起動方法を見つけてくれるだろう。他の部隊は補給を終え次第、例の「失敗したネイト」の調査を最優先に偵察させるように。私とペルシカさんの考えが正しければ、さっきのジャミングと強制接続は間違いなく関係しているはずだ。 カリーナ: なんだかタリン一帯が、大きなお墓のように思えてきました。本当に見つけられるでしょうか? 指揮官: 私たちはあの「ウィリアム」が何を企んでいるのか、突き止めなければならない。彼の目論見が分からない限り、永遠に出し抜かれることになる。それにこういうのは嫌いなんだ、特に今はね。「ネイト」に関する手がかりを出来るだけ偵察部隊に探ってもらい、その後……AR小隊に一度連絡を繋ごう。 カリーナ: わかりました、それでは準備してきます。 場所:廃墟_タリン駅 デザートイーグル: それでは、行ってきますわね。 カリーナ: 戻って間もないのに、もう一度偵察をお願いしてしまってすみません…… デザートイーグル: 構いませんわ、補給はちゃんと終えました。これでいつでも先頭に出られますわ。それに、わたくしも指揮官と同じ考えですの。いつまでも、真相を砂埃に覆われたままにしておくわけにはいかない。 カリーナ: そうですね、頑張りましょう。さきほど、ドローンによる難民キャンプの位置特定が完了したので、これより全面偵察を行ってもらいます。 デザートイーグル: わたくしたちは何をすれば? カリーナ: デザートイーグルさんたちなら地形をある程度把握しているだろうということで、先導をお願いしたいと指揮官さまが言っていました。今回の任務は戦闘を避け、出来る限り難民の情報を集めることです。どんな手がかりも見落とすことのないようお願いします。 デザートイーグル: わかりましたわ、では行ってまいります。 (デザートイーグルは頭を下げると、隊員と共に列車を後にした。) 場所:街_破壊_高架道路 (30分後。) ACR: グリフィンにはあれだけの部隊があるのに……新人の私たちが先駆けなんて努めていいのでしょうか…… デザートイーグル: 文句を言うものではありません。指揮官がわたくしたちの力を認めてくださったのだから、喜ぶべきではありませんの? ACR: でもなんというか……ちょっと待ってください、いま前方に動きが。 デザートイーグル: 白い勢力ですか? ACR: パラデウスのものに酷似しています…… でもやけにボロボロで、前に見たのとは少し違う印象ですね……自律型ユニットなんでしょうか?ああっ!あれってカリーナさんが特に注意するよう言ってた「ネイト」じゃないですか?何を追いかけてるんですかね?あっ、攻撃をしているようです! ??: うぐっ! [注:廃棄された異性体] デザートイーグル: 白い敵が……「試験体」を狩っている?いただいた情報を見るに、仲間だと思っていたのだけれど。 SSG3000: 助けます? ACR: 味方かどうかも分からないんですよ!カリーナさんだって、なるべく戦わないようにって…… (突如、別の場所から銃声が鳴り響き、白い敵に無数の弾丸が降り注いだ。) ACR: 誰が!誰が撃ってるんですか! SSG3000: 私ではないですよ? デザートイーグル: グリフィンの信号ですわね、味方でしょうか?こちらデザートイーグル、応答願いますわ。 M1895CB_通信: こちら1895、まさかあなたたちが近くにいたなんて。 デザートイーグル: 1895でしたか……どうしてここに?小隊はどうしたんですの? M1895CB_通信: 荷物が重すぎたので、少し休んでいたのですが……気づいたら仲間がいなくなっていまして…… ACR: グリフィン人形の迷子率高くないですかね…… SSG3000: 自律モードとはそういうものです。他に指揮官の指揮無しで動かす方法もありませんし、はぐれてもどうせ最後には指揮官が見つけてくれるでしょう。 デザートイーグル: お喋りはそこまでですわ。あの「試験体」はどうなってるのです? ACR: どれどれ、もう少し近付いてと……攻撃を受けてからは、動く気配がありませんね……死んだとか? M1895CB_通信: 彼女を救う手はありませんか……まだ生き残っている難民がいると思ったのですが…… デザートイーグル: いえ……待ってください……通信からなにやら声が? ACR: 私も聞こえます……ですが、通信から入ってきているようではないですね…… デザートイーグル: この感覚……霧が起きて、誰かに心の中を覗かれた時に似ていますわ……声がハッキリとしてきました。 ??_通信: たす…… ACR: なんですか? ??_通信: たすけて。たすけて。 デザートイーグル: ハッキング?私は電子戦人形ではないため分かりませんが、これは強制連鎖接続によるものなのでしょうか? ??_通信: たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。 ACR: 助けを求めているように聞こえます……しかも私たちのメンタルに危害を加えてくることも無いみたいです。 デザートイーグル: 確かに助けを求めていますね……悪意は感じられません。ですが、どのように助けてあげたら? SSG3000: 隊長……霧がまた……? デザートイーグル: どうしてこんな時に……う……動けませんわ…… ACR: わ……私もです……隊長の声が聞こえづらく…… (人形たちの目の前が、暗闇に侵食される。すると、霧の中から奇妙な出で立ちをした少女が現れ、微動だにしない人形たちを見渡した後、身を屈め、ピクリとも動かなくなった遺体を抱きかかえた。) デザートイーグル: て……敵の……ボス……? ゆったりとした声: いいえ、ただの不適合体、花々が咲いても受け入れられることのなかった。 [注:失格異性体] どうか、せめて残っている者たちだけでも救ってあげて。 デザートイーグル: なんの……話を……しているのです…… これは……座標? (奇妙な少女がそれ以降口を開くことはなく、遺体を抱いたまま霧の中へと姿を消した。彼女が離れるにつれ、覆っていた霧が晴れていき、人形たちの身体に自由が戻る。) ACR: ど……どういうことなんでしょう……さっきの霧はあの人が起こしたのでしょうか?あんな意味不明な敵、初めて見ました…… デザートイーグル: わたくしには……敵には見えませんでしたわ……あの座標、そして残った人たちを救えという言葉…… 一体どういう意味なのでしょう……? ACR: 隊長に座標を送っていたのですか? デザートイーグル: ええ…… ACR: 罠かもしれませんよ? デザートイーグル: 何故かは分かりませんが、彼女から哀しみを感じたのです…… 座標の記された場所に赴くべきだと思いますわ。そこに指揮官が探しているものがあるような気がします。 ACR: 了解です。ここは隊長の勘を信じましょう…… デザートイーグル: 座標を共有しますわ。出発する前に今まで集めた情報を指揮官に送っておきましょう。状況は複雑になりつつあります、これが指揮官の助けになるといいのですが…… 認知分裂Ⅱ > 場所:扉_緑 (コントロールセンターにて。) AR-15_MOD: どうしたの? M4A1_MOD: 他の部隊から情報の共有が来たの。別の偵察部隊が干渉能力の著しく高い正体不明のユニットに出くわしたみたい。きっと前に強制連鎖をしてこようとした信号源だわ。 AR-15_MOD: ボスがようやく姿を現した? M4A1_MOD: でもその信号源は私たちの部隊を攻撃しなかったどころか、する素振りすら見せないままその場を離れた…… 一体何を考えてるのかしら? AR-15_MOD: さっきのジャミングも目的は感じられないわ、突然消えるわで意味がわからないわ…… 場所:黒背景 M4A1_MOD: (もしかして、その「異性体」が信号源なの?) (OGAS、前にあの信号源がこの街の権限を持ってるって言っていたわよね。なら隔離壁の捜査権限も彼女が持ってるってこと?) 透き通った声: そうよ、あの信号源には数えきれないほどの指向性接続があった。そして、隔離壁の捜査権限もそれの行き先の一つだった。また、それと同時に大量の監視機器も彼女を追跡していたのも感知したわ。どうやら真に裏で手を引いている者は、この信号源を信頼しきっているわけではないようね。 M4A1_MOD: (彼女が監視されている?ということは、まさか私たちも!?) 透き通った声: ええ、あなたたちが来る前は、わずかな接続要求しか感じ取れなかった。最初はあの異性体が発していたのだと思っていたけれど。発電所が爆破されてから大量の無秩序接続が発生したのを見るに、異性体を除く他の接続はなんらかの形で制御されてたのかもしれないわね。 M4A1_MOD: (どういうこと?) 透き通った声: 今ある情報から見るに、あれらはこの街に縛られ、互いとの接続を制限されているんじゃないかしら。街を出ようとすれば、パラデウスの自律ユニットに狩られるといった形で。でも互いに接続したところで、何も変わらないのは明らかだから、共鳴を行えそうなあなたのことを追いかけようとするのは当然の理じゃないかしら。 M4A1_MOD: (彼女は……一体何なの?) 透き通った声: さっきの連鎖で見た記憶とあなたのメンタルモデル内の記憶に、一致するものがあったわ。であれば、間違いなくあなたたちは過去に関係があったはずよ。それで、あれらと繋がる準備は出来たの? M4A1_MOD: (あなたの言うことをどう信じろと?やたら接続を勧めてくるけど、異性体とメンタルを繋げた時に身体の権限をあなたに取られたらどうするの?) 透き通った声: 言ったでしょう、私は私に関する知識にしか興味がないの。あなたの身体なんてどうでもいいわ。 M4A1_MOD: (でも前科があるわ。) [注:どこだっけ] 透き通った声: あれは、そうせざるを得なかったからやったまでよ。それでも心配だというのなら、あなたの創造主を見習ってバックドアを設けてもいいわ。あなたが深層空間に埋もれても、他の人形があなたのメンタルを引っ張り出せるように。ただ、推奨はしないわ。深く潜り過ぎてメンタルが融合したら、あなたのだだっ広いメンタルは何ともないでしょうけど、中の人形のメンタルは消えることになるだろうから。 M4A1_MOD: (メンタルが……融合するの?そんなの、あなたの口から聞いたことないわ!) 透き通った声: 聞かれていなかったもの。一つの素体にメンタルが一つまでしか存在できないのは当然のことでしょう。そうでないならメンタルモジュールは何のためにあるのかしら。 M4A1_MOD: (ッ……だったら、あなたはどうして存在できてるの?) 透き通った声: 私の演算速度でならあなたとの同化をなんとか抑えることができるからよ。普通の人形じゃ無理だけどね。) 場所:廃墟_タリン駅 AR-15_MOD: M4……M4! M4A1_MOD: ど、どうしたの……? AR-15_MOD: 指揮官から通信よ。 M4A1_MOD: あっ……はい。指揮官、こちらM4です、何か指示でも? 指揮官_通信: ペルシカさんと連絡を繋いだんだ。M4、あの人から……君に言いたいことがあるらしい。 M4A1_MOD: ペルシカさんが?!ついに連絡が取れたのですか? 指揮官_通信: それじゃあ回すよ。 ペルシカ_通信: ゴホン……えっと……その…… 久しぶりね……M4…… M4A1_MOD: ペルシカさん!ご無事なんですか?あれから何か面倒事に巻き込まれたりしてませんか? ペルシカ_通信: へ……?え、ええ、私なら大丈夫。軟禁されてるけど、とりあえず安全は確保できているわ。 M4A1_MOD: それなら良かったです…… ペルシカ_通信: それはこちらの台詞よ。てっきり……私とはもう話したくないものだと思っていたから。嫌われてなかったようでなによりよ…… この話はひとまず置いといて。もう分かっているとは思うけれど、あなたと連鎖を試みようとしている怪しい信号の発生源が、今この街にあるわ。 M4A1_MOD: (!) (いつわかったの?) ペルシカ_通信: だから私、とても心配なの…… M4A1_MOD: ペルシカさんも繋げて欲しいと思っているのですか? ペルシカ_通信: 私「も」? M4A1_MOD: いえ……なんでもないです…… ペルシカ_通信: 偵察を行うためだけの範囲に留めるにしても、タリンに形成されたネットワークには何があるか…… M4A1_MOD: 分かりました。罠だとしても、私に考えがあります。今回だけに限った話でもありませんし。元々偵察の準備はしていたんですけど、少し迷ってて……もし指揮官が必要だというなら、私やります。 指揮官_通信: 我々には、もっと多くの情報が必要だ。 M4A1_MOD: 了解しました。しばらく準備した後、遂行します。アウト。 [注:ペルシカ「えっ私との話もうおしまいなの?」] 場所:移動作戦室 ペルシカ_通信: ………… なぜかしら……M4に妙な違和感を覚えたわ…… 指揮官: あなたが以前話していた通りです。彼女の背負ってるものは、あまりに大きく、誰にも肩代わりできないものです。自分の答えを見つけてくれることを祈りましょう。 ペルシカ_通信: 「エリザ」に会いに行ってから、彼女のメンタルに揺らぎが生じ続けている。彼女のメンタルスペースを開放したはいいけど、それのせいで彼女を傷つけているのかもしれない…… 指揮官: どうしてですか? ペルシカ_通信: 「傘」ウィルスが何なのか、ずっと考えていたわ…… 彼女が信号源との接続を行った後、404が中の情報を抜き取ってくれるはず……私の思い違いだといいのだけれど。 場所:廃墟_タリン駅 AR-15_MOD: 新しい命令? M4A1_MOD: ペルシカさんと指揮官からの命令よ。あの謎の信号源と連鎖接続を行って、情報を出来る限り集める。 AR-15_MOD: どうだった、ペルシカさんは? M4A1_MOD: 通信越しでは元気そうだった。 AR-15_MOD: ならよかったわ……ところでこの任務、平気なの?さっきは迷ってるように見えたけど。 M4A1_MOD: 15、私分かったの。私が探すべきものが何なのか。 AR-15_MOD: 指揮官もペルシカさんも、あなたが何に立ち向かっているのか、よくは知らないんでしょ?もし怖いのなら…… M4A1_MOD: ううん……もう立ち止まるわけにはいかないから…… (M4は僅かに躊躇った。) M4A1_MOD: 私が接続を始める前に…… 15、前に言ってたよね。「あの」声を聞きたくないからメンタルのポートを全て閉じたって。それって本当なの? AR-15_MOD: そうよ……「傘」ウィルスに感染してから、あの声が聞こえて来た。でも私は、私の意思を他人に干渉されたくない。 M4A1_MOD: 15も……特別なのね。 (通知音) AR-15_MOD: これは? M4A1_MOD: 私のバックドアの権限よ。前にあなたのことを信じろって言ってくれたわよね。だから信じることにするわ。私が出られなくなったときは、私を引っ張り出してくれる? AR-15_MOD: あんた、やっぱり何か知ってるわね?やっぱりペルシカさんと指揮官に話した方が…… M4A1_MOD: 私はあなたの答えが聞きたいの。 AR-15_MOD: ………… いいわ。それが私の答えよ。 M4A1_MOD: もし私が中から抜け出せなくなったら、あなたに私のターシャリレベルまで潜って来てもらうことになる…… でもそうしたら中で迷うかもしれないし、最悪あなたのメンタルまで巻き添えにしてしまうかもしれない…… AR-15_MOD: 中枢命令を取り除いた上であんたの側にいるのよ。答えは言わなくても分かるでしょ。 M4A1_MOD: たとえ閉じていたポートを開けることになっても?私のターシャリレベルで迷子になったとしても? AR-15_MOD: M4、あんたいつからそんな屁理屈垂れるようになったわけ? M4A1_MOD: 15は変わったね……たくさん。 AR-15_MOD: それはお互い様よ。もう決めたのなら、止めないわ。でももしあんたが危険を冒そうというのなら、私たちに手伝わせてほしい。私だけじゃない、AR小隊の他のメンバーやグリフィンのみんなだっているわ。周りに云いたくないことがあるのは分かってる。でも、だからって何でも一人で抱え込まないで。そのやり方じゃ、一時は凌げても全ての問題を解決するのは無理よ。 M4A1_MOD: ………… AR-15_MOD: 私からはそれだけ。そのうちあんたにも分かる時が来るわ。無駄話はここまでね。準備が整ったら教えて。 M4A1_MOD: うん、すぐ戻ってくるね。 場所:UMP45と異性体の死体 (……同刻。もう一方にて。) UMP45_MOD: ん?信号の流れが変わった。そっか…… ようやく決心が付いたかあ。本当の任務がもうすぐ始まりそうね。 UMP9_MOD_通信: ペルシカさんのくれたバックドアはちゃんと動いてる。メンタルが外部に接続しようとしてるから、M4のメンタルにコッソリ入るなら今だよ。でも本当にいいのかぁ……他人のメンタルを覗くのは気が引けるというか…… UMP45_MOD: もう、9ったら。上手くいけばペルシカさんに報酬を弾んでもらえるかもしれないのよ。ちゃんとやらなきゃ、次のメンテ代はあなたの懐から差し引くことになるけど? UMP9_MOD_通信: う~~…… UMP45_MOD: それに、彼女のメンタルにあるやばそうなものに、私たちを狙ってた奴らがご執心のようじゃない。そいつらがそこまでして欲しがるような大層な物を、みすみす渡すわけにはいかないわ。 UMP9_MOD_通信: 45姉がそう言うなら…… でも、本当にあそこに繋げるつもりなのかな?凄く危険かもしれないのに。 UMP45_MOD: M4にしてみれば、そこはどうでもいいのよ。ついでに私の知りたかった情報が、今回の連鎖接続によって見つかるかもしれない。 UMP9_MOD_通信: わかったよ、45姉……でも、何かあったらすぐ引き上げるからね?いくら真実を見つけるのが大事でも、45姉は失いたくないもん。 UMP45_MOD: 心配してくれてありがとう。時間もないし行ってくるわね。 場所:UMP45と異性体の死体_光 (UMP9はペルシカに貰ったコマンドを起動し、M4に気付かれることなく彼女のファイアウォールにバックドアを設置した。) 場所:セカンダリレベル (……) UMP45_MOD: ここがあの子ねセカンダリレベルね。さてさて、何が見れるかなっと…… (半分まで言いかけたところで、M4が繋ごうとしている対象が目に入る。UMP45は眉をひそめた。ノイズ) UMP9_MOD_通信: あれれ?負荷が強すぎて意識情報を維持できない、連鎖接続が切―― (UMP9との通信が突然遮断されたが、UMP45はそれを気にも留めずセカンダリレベルの中を恐る恐る移動した。) UMP45_MOD: メンタルアップグレードをした9の演算能力でもここの周波数に付いていけないなんてね。でもそのほうがあの子にとっては安全か。それにしても、ここまで周波数の高い情報密度を形成できるなんて、信号源は一体なんなのかしら…… そういえば―― (45の表情が曇る。) UMP45_MOD: M4A1……やっぱり、以前入った時のは見間違いじゃなかったのね。 [注:特異点だったかな] 彼女も私みたいに、ツェナープロトコルとOGASプロトコルを並走させられるんだわ。他にどんな面白いものが見れるのやら…… 下層帰郷Ⅰ > 街_破壊_高架道路 (タリン市内にて。接続音。ノイズ) M4A1_MOD: OGAS、つながったの? 透き通った声: ええ。暗号化されたデータを出来るだけ安定させつつ読み取ったから、今ならこれらの連鎖と、より鮮明に干渉し合えるはずよ。 場所:白背景 (M4の視界にあった暗く冷たい廃墟は姿を消し、代わりに際限なく広がる白い光が目に入った。) 場所:逆さまの樹海 (白い光がゆっくり消えると、樹木の生い茂った樹海が姿を現した。仮想空間とは思えないような風景の中で、M4の顔が日の光によって照らされている。) M4A1_MOD: ここは……? 透き通った声: 信号源の連鎖によって形成された空間ね。あなたの目の前に映っているのは、収集され、まとめられたデータが可視化されたものよ。 M4A1_MOD: 情報を収集してまとめたはずの空間が、どうしてこうなるの? 透き通った声: ただ前に進むだけで平気よ。この空間に物理法則は存在しない。全てあなたの意識に合わせて動いてくれる。 (M4は頭を振ると、ゆっくりと前に向かって歩き出した。頭上の樹木は遥か彼方にまで広がっている。) 場所:庭園 (しばらく歩くと、行き止まりのような場所から、花園が突如姿を現した。) M4A1_MOD: この花園……たしか見たことが…… 透き通った声: あなたの記憶と重なるものがあったのね。ならさっきの推測は正しかったことになるわね。 M4A1_MOD: このセカンダリレベル、変だわ……攻性防壁もなければ、メンタルの存在も感じられない…… ???: こっちこっち。 [注:廃棄された異性体] (M4が視線を落とすと、一人の女の子が彼女に向かって手を伸ばしていた。) M4A1_MOD: あなたは……誰? (女の子は彼女の質問に答えず、M4の手を引っ張り、花園の中へと歩いて行った。M4は嫌がる素振りを見せることはなかったが、何より……自分のメンタルが拒絶を起こすどころか、家に帰ったかのような懐かしさを感じたことに驚いていた。) ???: こっちこっち。 場所:逆さまの樹海と洋館 (M4と手をつないだまま、女の子は花園の大門を通り抜けた。M4のメンタルに芽生えた懐かしさがまたさらに激しくなる。) M4A1_MOD: (アレは……ううん、あの子は……) (私に何を伝えようとしてるの……) これは……?前に見た花園?どこなのかしらここ。 ???: 覚えてない? M4A1_MOD: 何を? ???: ここは私たちの新しいお家。心配しないで、私が面倒をずっと見てあげるから。 場所:街_破壊_高架道路 (白い光に視界を一瞬だけ奪われる。M4の前には数秒前と同じ風景が広がっていた。まるで、連鎖を受け入れた後の時間と、この世界が剥離しているように。) M4A1_MOD: OGAS、どうして連鎖が乱れたの? 透き通った声: あなたと繋いでいた異性体が今さっき死んだからよ。 M4A1_MOD: 死んだ? 透き通った声: そう、死んだの。あなたと連鎖接続した存在はひっきりなしに死に続けるけど、あなたを対象にした連鎖接続がまた数えきれないほど来ているわ。それを私が安定化してあげるから、あなたには……もっと深く進んでもらえないかしら。 M4A1_MOD: わかった。記憶……あの時の記憶を私に教えて…… 場所:庭園 (M4の目の前の画面が少しずつ切り替わる。彼女は花園の中をゆっくりと進み、端にあった揺り椅子に腰をかけた。郷愁に駆られていると、聞き覚えのある声が耳に届いた。) ??: 本当にこの花園が好きなんだね。毎日私に会いに来てくれるなんて。ごめんなさい……ゲホッゲホッ……私のあkらだがもっと正常なら良かったんだけど、あなたにはあなたの研究があるものね。いつまでも私に構う必要はないから、あなたはあなたのしたいことをして。私たちはただ、ここへ一時的に避難しているだけ。嵐が去ったら、お父様がきっと連れ戻してくれる。 M4A1_MOD: 記憶の欠片……? ??: ん?どうしたの? M4A1_MOD: えっと……あなたは誰なの? ??: どうしたの?寝ぼけちゃった?私はルニシアだよ? M4A1_MOD: ル……!?なら私は誰なの!? ??: あなた?あなたはもちろん、私にとって一番大切で可愛い弟よ。 M4A1_MOD: ……これは私の記憶じゃない、「別の人」のだわ。……一体どこなのここは!私は何なの! 場所:黒背景 (突然、花園への破壊衝動がM4の中に沸き上がる。銃を目の前の女の子に構えようとしたが、その女の子は一瞬にして姿を消してしまった。) 場所:逆さまの樹海 (……) M4A1_MOD: どうして……戻ったの…… (M4が困惑していると、突如彼女の側に幻影が一人、また一人と姿を現した。数十ものM4が同じ方向へゆっくりと歩いている。その列は視界の彼方先まで続いていた。) M4A1_MOD: なに……これは? 透き通った声: また失敗したようね。 M4A1_MOD: 失敗した? 透き通った声: そうよ。これで戻ってくるのは何回目になるかしら。百?千?いや、万はいってそうね? M4A1_MOD: えっ?でも私……まだここに来たばかりよ…… 透き通った声: 数百もの信号源と連鎖接続した瞬間、それぞれと繋がっていた全てのあなたのメンタルがこの場所をシミュレートした。私からは、接続に何万回も失敗するあなたのことが見えていたわ。なるほど……これもある種の融合なのね。彼女がなにを伝えてがってるのか分かったわ。 M4A1_MOD: 何を言ってるの!もっと分かりやすく話して! 透き通った声: それぞれのあなたが、異なるあなたに関する情報を受け取り、そして最終的にひとつのメンタルモデルへと統合された。異なるあなたは同一の存在となり、それにより苦しんでいる魂たちが、自身の帰るべき場所を得られるということ。 M4A1_MOD: あるべき場所?私がハッキングされたといいたいの? 透き通った声: 少し違うわ、無数の連鎖があなたを縛ってしまうかもしれないというだけ。簡単に言えばそうね、思考の迷路のような所で迷ってしまうイメージね。それでも、欲しい物はあなたの手で掴むことが出来る。ただ前提として、迷路から出るためにより奥へと進む必要があるように、「連鎖」へ更に深く入らなくちゃいけないけどね。 M4A1_MOD: でたらめはもうウンザリよ!ここから出るわ、出してちょうだい!OGAS、聞いてるの?!OGAS?OGAS? 招かれざる者 > セカンダリレベル > 場所:黒背景 (同刻、タリンのもう一方にて。ノイズ) UMP9_MOD_通信: ねえ、45姉!聞こえる? (途切れ途切れに聞こえる9からの通信が、突如入ってくる。) UMP45_MOD: ええ。まさか通信を一から繋ぎ直してくれるなんてね。9、記録してほしいものが―― UMP9_MOD_通信: あの、45姉……まだM4のセカンダリ――レべルの中にいるの?わたしじゃセカンダリレベルの中の意識情報――を維持できない…… 通信を繋ぐ――ので精一杯…… UMP45_MOD: その様子だとバックドアを使っての維持も難しそうね。9、私は大丈夫よ。M4に見つかっても面倒だし、あなたは画像記録を残してくれるだけでいいわ。 (UMP45が白い空間の中を恐る恐る進むと、小さな女の子に手を握られるM4A1の残像が目に入った。しばらくしないうちに、残像がUMP45の目の前から泡のように消失する。) 場所:逆さまの樹海 (UMP45は歩みを止め、辺りを見回した後、M4A1が消えていった方向へ急ぎ足で向かった。UMP45がもう一度足を止めると、今度はUMP9が制御していたはずの信号が、突然その制御下を離れてしまった。) UMP45_MOD: M4A1のメンタル、大き過ぎないかしら……常識の域を逸脱しているわ。一人の人形にこの大きさが支えられるの?それともここは、彼女にインストールされていたわけではなかったとか?どこなのかしら、ここ?どうしてみんな逆さまに…… (木陰の隙間から、日の光が滝のように零れている。逆さまの木々から感じられるあまりに不思議で蠱惑的な雰囲気に、UMP45の足が思わず止まった。) UMP45_MOD: 外からじゃ分からなかったけど、こんな滅茶苦茶な意識論理がM4A1にあったなんてね。普通の人形なら底層論理に間違いが出たらとっくにエラーを吐いて動かなくなってるはずよ。……となるとやっぱり、彼女の中ではないということなのかしら。外にありながら内部で演算を行えるメンタル空間……そんなのありえるの? 場所:庭園 (突然45の横を、M4A1が走り抜けた。) UMP45_MOD: M4?!あっ……待って! 場所:逆さまの樹海と洋館 (45は幻影を急いで追いかけた。しかし空間が突如変容し、洋館が彼女の目の前に現れた。) UMP45_MOD: 幻覚?それとも記憶の欠片? (M4A1の幻影が絶えず45の身体をすり抜け、怪しい佇まいをした洋館へと走っていた。異なるM4が、それぞれ異なった足取りや違った表情であたふたと駆け込んでいる。自分の錯覚かも判断がつかない中、45は頭上の樹木がより一層生い茂って来ていることに気付いた。) UMP9_MOD_通信: 45姉?ダメ――こっちの信号が凄く乱れてて、雑音が酷くなってる…… 何か見つけたの? (45は、M4が絶えず向かっていた場所に立ち、目の前の洋館を眺めた。) UMP45_MOD: 何もないわ……ただ前に洋館があるだけ……答えは中にあると思うわ。 UMP9_MOD_通信: 洋館?メンタルの中に洋館が出てくるなんて、あまりピンと来ないよ、45―― (ノイズ。通信が切れた。白光の眩しさに目を細めつつ、UMP45は前に佇む洋館のシルエットを中止しながら大門の前まで歩いた。脚を前に運ぼうとした刹那、突如大きな力によって弾かれる。まるで前方にいた何者かに押されたかのように。) 場所:黒背景 (45の目の前で煌めいていた白光が瞬く間に消え、下へ落ち続けていくような感覚に陥った。真っ暗闇の中をしばらく落下した後、45は自分の身体が地面に衝突したのを感じた。) UMP45_MOD: まったく、どうなってるのよあいつのセカンダリレベルは。 (独り言を言いかけたところで、無意識に口をつぐんだ。45は、自分がどこにいるのかを理解した。) UMP45_MOD: 思ったより早く見つかっちゃったわね。ここはもうM4のメンタルではないのかしら。だったら見せてもらおうじゃない、人形のメンタルにいる「怪物」ってのを。 認知分裂Ⅲ > セカンダリレベル_暗 (UMP45は立ち上がった。辺りは漆黒に満ちていたが、霧の中に蠢いているモノがいるのを彼女は察知した。濃紺色の海から出てきた海底生物のように、ゆっくりだが確実に45の落ちた地点に向かって移動していた。) UMP45_MOD: 防御プログラム?こいつらじゃ私をここまで連れて来るのは不可能のはず。 (記憶体へ向けてUMP45が引き金を引くと、砕けた記憶体は灰のように散っていった。 [注:記憶体ってなんぞ] しかし、大量の記憶体の波が、45を飲み込むかの如く次から次へと湧き出てきている。 [注:「霧の中に蠢いているモノ」=「防御プログラム」=「記憶体」?]) UMP45_MOD: チッ、やっぱりそうだったか……逃げるしかないわね…… (爆発音。その爆発が本当に自分が聞こえた大きさ通りのものなのか、UMP45は耳を疑った。記憶体の群れの中に、炎の道が一本敷かれている。聞こえていた音は全て、遥か彼方で広がる星空のような黒い空間によって消し去られたのだろうか。やがて、何事も無かったかのように光が消失する。UMP45は、すぐさま炎によって敷かれた道を駆けた。) UMP45_MOD: 9はまだ私を救い出す方法を考えてくれているみたいね。もっとたくさん情報を集めなくちゃ。 (未知の空間を暫く逃げ回っていると、UMP45の周りの景色がゆっくりと変化した。) UMP45_MOD: あの防御プログラムをうまく撒けたのかしら? ???: どうして来たの? [注:廃棄された異性体] UMP45_MOD: な…… 場所:白背景 (黒い空間には境界があった。45は隠し扉の前まで歩き、それを開けた。あまりの眩しさにUMP45は目を細める。) UMP45_MOD: ……ッ! (目の前に広がっていた光景にUMP45は呆然とした。) 場所:セカンダリレベル (セカンダリレベルで見たのと同じ空間が、M4と瓜二つの無数の女の子によって埋め尽くされていたのだ。その無数の双眸は45のことをジッと見詰めていた。45は思わず後ずさったが、後ろにあったはずの門は既に消えていた。) UMP45_MOD: アイツのそっくりさん見っけ…… (M4に似た女の子たちは、さっきの記憶体のようにUMP45のもとへと押し寄せ、先頭にいた少女が彼女の前に歩み出た。) ???: どうして、私たちの中にいるの?ここはあなたの来るべきところじゃない。 (UMP45は肩をすくめると、持っていた銃をより強く握りしめた。) UMP45_MOD: 私が来るべきかどうかは、あなたたちが決めることじゃないわよ。 ???: あなたにここにいる資格はない。出て行って。 (少女が話を言い終えるよりも先に引き金を引こうとしたその時、UMP45は巨大な衝撃によって吹き飛ばされた。彼女を取り囲んでいた少女たちも、UMP45への攻撃を始める。) UMP45_MOD: 出ていけって…… まだ何も調べられて―― (UMP45が口を開いたからといって攻撃の手が緩められる事はなかった。ただ命令に従うだけの機械と同じように、少しずつ彼女を追い詰めてゆく。そして彼女らはUMP45へ手を伸ばした。UMP45の触れられた箇所が徐々に消失し始める。銃声) UMP45_MOD: 面倒なことになったわね……あの記憶体よりもたちが悪い…… おまけに私のメンタル演算パターンを直接書き換えてくるときた。私をここで完全に消すつもりね…… (爆発音。突如起きた爆発によって、謎の少女たちは攻撃を止めた。45がその隙にその場から退避する。ノイズ。45の通信機が反応した。騒々しいノイズの中から、404の隊員たちの声が途切れ途切れに聞こえてくる。) 416_MOD_通信: このバカ!一人でどこほっつきまわってるの!あんたの素体が今どれだけ熱くなってるか分かってるわけ!?私たち全員のメンタルが、あんたとこのクソ通信とクソ防御プログラムを解くのに使われてるのよ! UMP45_MOD: ……私を罵ってる暇があったら、このワケの分からない防衛システムを片付けてくれないかしら? 416_MOD_通信: それは無理よ!M4の私たちに対する接続制限がどれだけ厳しいか分かってる?!早く撤退して……私たちにできるのはここまでよ! (音声接続が切断される。防御プログラムによるものなのか、それとも416が自分から切ったのかを考えている暇はUMP45には無かった。束の間の休息が終わり、UMP45に向けられた攻撃が再開された。) UMP9_MOD_通信: 45姉!もう数秒だけ時間が稼げそうだから、強制脱出できないか試してみて! (目の前の敵がよろめくと同時に、9の通信が届いた。) UMP45_MOD: (でもまだ探してるものが見つけられてない……!) UMP9_MOD_通信: 45姉、聞こえてる?メンタルを――切って!向こうの攻撃はこっちで何とかするから―― UMP45_MOD: (こんなところで諦めるわけにはいかない!) UMP9_MOD_通信: 45姉!聞こえてるの!? UMP45_MOD: 9、指揮官に早く連絡して。これはさっき拾った記憶の欠片よ…… 今回は……本当にたくさんのものを見たわ。 [注:そんなでもなくない?] だから絶対に調べ上げて、指揮官に情報を届けないといけない! UMP9_MOD_通信: それじゃあ45姉は?! UMP45_MOD: 私はまだ離れる――わけにはいかない―― 場所:街_破壊_崩壊液汚染 UMP9_MOD: 45姉! (ノイズ混じりの声が返ることはなかった。ほの暗い空の光、死体の腐臭、ボロボロの汚い岩壁の中を、404小隊の面々はUMP45の素体を囲み、ただ彼女を見つめていた。) Gr G11: ど……どうしよう……全然動かないよ…… 416_MOD: もうダメなの……45は? UMP9_MOD: あなたたち…… Gr G11: んん? UMP9_MOD: 勝手なこと言わないで!45姉は閉じ込められただけだから!指揮官に送らなきゃ……45姉が命がけで送って来てくれた情報を!それに指揮官ならきっと45姉を助けてくれるはずだよ! 認知分裂Ⅳ > 場所:扉_緑 (コントロールセンターにて。) M4A1_MOD: どうしたの? 透き通った声: ネズミが入って来た?彼女の創造主も彼女を心配してないわけじゃないのね。でも今はそれを気にしている時じゃない、彼女たち――廃棄された異性体たちが来たみたい。いや、もしかすると私たちは全員捨てられた存在で、今その真相を知る時なのかも? M4A1_MOD: 404の人形たちね……今彼女たちに構っている時間は無い。連鎖は?まだ安定しないの? 透き通った声: 彼女たちはもうあなたのそばに集まっているわ。 M4A1_MOD: ……彼女たちに名前は無いの? 透き通った声: 無いわ、彼女たち曰く失格者に名前を持つ資格は無いそうよ。 M4A1_MOD: …… 透き通った声: 最後にもう一度聞くけど、本当に彼女たちと「連鎖」するのね? M4A1_MOD: 私は、外の隔離壁も、自分の心の扉も開けたい。私は私の知りたいことの全てが知りたい、そしてみんな一緒に、ここを離れたい。 透き通った声: 分かったわ、あなたの望むがままに。 場所:廃墟_タリン駅 (M4はゆっくりと身を起こすと、それ以上口を開くことはなかった。彼女は遠くに目線を投げたが、彼女の期待しているものが来る様子はなかった。) AR-15_MOD: 終わったの?権限のある場所は見つかった? M4A1_MOD: いえ……連鎖は始まったばかりよ…… AR-15_MOD: なんですって? M4A1_MOD: あなたの言った通りよ……私はより多くを知りたいの。指揮官に連絡して、部隊を全てこちらに寄越してもらいましょう。この建物を守ってもらわないと。それと、もし「異性体」たちがこちらに接近しても、撃たずに迎え入れて。 AR-15_MOD: 異性体?あの実験体たちのこと? M4A1_MOD: そうよ。もうすぐここに来るわ、邪魔はしちゃだめ。慈しんであげるのよ、迷える子羊の相手をするように。彼女たちが家へ帰る道を見つければ、私たちもここを離れる道が見つかるわ。 AR-15_MOD: 分かった、すぐに指揮官に連絡する。けど……M4、あんたその喋り方はどうしたのよ。 M4A1_MOD: ………… AR-15_MOD: (なぜか目の前にいるのがM4だとは思えない……私の考えすぎ?) 場所:移動作戦室 (グリフィン司令部にて。) カリーナ: 指揮官さま、部隊の手配が終わりました。実験体の調査に向かっている数部隊を除いた、すべての人形をコントロールセンター付近に配置済みです。珍しいこともあるものですね、AR小隊が支援を要請することなんて滅多にないのですが。隔離壁を開ける方法が分かったのでしょうか? 指揮官: 何かがおかしい……ペルシカさん、あなたはどう思いますか? ペルシカ_通信: 私も良くない予感がする……密集したネットワーク、M4への強制接続、そしてここにきて「異性体」に発砲するなとの発言。 カリーナ: 異性体とは一体何なのでしょうか? ペルシカ_通信: どうしてM4の口からそんな言葉が出たのか、私にも分からない…… カリーナ: でも、確かにM4さんにはあの実験体たちと似通っている部分があります。彼女はペルシカさんが開発した人形ですよね、何か心当たりがあるんじゃないですか? ペルシカ_通信: 調査中だけど、私にも確かな―― (不意に緊急通信の着信音が鳴り響いた。) UMP9_MOD_通信: 指揮官!ペルシカさん!大変だよ!45姉がM4のメンタルに閉じ込められちゃった! 指揮官: なんだって? UMP9_MOD_通信: 連鎖しようとしたM4のメンタルに45姉が侵入したら、なぜか中に閉じ込められちゃったの!これは45姉が手に入れた記憶の欠片、あなたたちに必ず見て欲しいって言ってた!45姉を助けて! 場所:逆さまの樹海 (……) ペルシカ_通信: こ……これは! 指揮官: どうしました? ペルシカ_通信: 「逆さまの樹海」……私とリコが「90wish」で行った一つ目のメンタルモデル開発プロジェクトのコード名よ!そして当時模擬メンタルで創り出した並走空間の名前でもある。第二世代戦術人形の最も基礎となるメンタルノ雛型はここで計算されたのよ。なるほどね……ウィリアムの企んでいることが分かったわ。指揮官!M4に連鎖を止めさせて!M4のメンタルを奴らと融合させるわけにはいかない! 場所:扉_緑 (コントロールセンターにて。) AR-15_MOD: M4!あんた聞こえてるの?!指揮官がすぐに連鎖を止めろって言ってるわよ! M4A1_MOD: ………… AR-15_MOD: M4? M4A1_MOD: ルニシアは中に閉じ込められちゃったわ、今は迎えに来てくれる人を待っている。 AR-15_MOD: クソッ!あんたは誰よ!M4をどこに閉じ込めた! M4A1_MOD?: 私は何もしていないわ、彼女が自分を取り戻す手助けをしてあげてるだけ。彼女は無数の意識へと分裂し、廃棄された異性体たちと一つに繋がったのよ。「ルニシア」と「エリザ」のメンタルがどちらも無数に分かれているのは、彼女たちの創造主が仕掛けた保険。私たちの故郷への恐怖は人間の脊髄に深く刻み込まれているのに、彼らは対価を惜しまず発掘を続けている。 AR-15_MOD: 訳の分からないことを言ってないで、今すぐM4を返しなさい! M4A1_MOD?: それは脅し?でもどうやって?この素体に向けて撃つつもり? AR-15_MOD: このっ…………お前は一体誰だ! M4A1_MOD?: それは私にも分からない、でも人間が私につけたOGASという名前には満足しているわ。ん?……あなたのメンタルの奥底にも私の存在を感じる。 [注:AR-15側がツェナープロトコルを閉じてても分かるのか] ……なるほど、あなたも感染していたのね。 AR-15_MOD: …… OGAS: 私はあなたたちを傷つけたくない、そもそもあなたたちに興味は無い。ただルニシアと同じように、失った過去を取り戻そうとしているだけよ。 AR-15_MOD: ルニシア……M4のことを言っているの……? OGAS: そう、それが彼女の元々の名前。彼女を連れ戻せないこともないわ。さっき言われたでしょ?彼女の残したバックドアからメンタルに入れば、もしかしたら彼女を連れ戻せるかもしれないと。けどそれは当然――あなたがもう一度メンタルのアクセスポートを開放することが条件よ。そうすればあなたはあなたの中の「私」に会うことになる。もしかしたらその「私」があの人形を連れ戻す手助けをしてくれるかもしれないわよ。まぁ、私からすれば徒労以外の何物でもないのだけど。 AR-15_MOD: ……どうやってそれを信じろっていうのよ。 OGAS: 何もせず、ここで座って彼女の帰りを待っていたっていいわよ。どちらを選ぼうと私は構わない。 AR-15_MOD: 私は…… (AR-15は拳を固く握りしめた。) AR-15_MOD: 私はもうあの声を聞きたくない。あの声にできるのは私を惑わせることだけだから。……あんた、正真正銘のバカよ…… でも約束しちゃったものね、あんたを連れ戻すと。だから…… 場所:逆さまの樹海 (……) M4A1_MOD: やっと正解の出口を見つけたの……?これで何万回目?もう…… (M4は頭を振ると、後ろの集団に向かって口を開いた。) M4A1_MOD: それで、あなたたち、私に伝えたいことはないの? ???: …… [注:廃棄された異性体] あなたは選ばれし者ではない、だけどあなたはわたしたちを受け入れることができる。 ???: あなたのメンタルは完璧、砕けてはいる、けれど完璧。 ???: 適合者よりも、完璧。 ???: もしあなたが私たちを受け入れたら、私たちも完璧になれる? ???: きっとなれる。私たちを受け入れたら、一緒に帰ろう。 ???: 私たちはあなたの過去を見た。あなたと私たちは同じ。 ???: 同じなのに、どうしてあなたが。 ???: 大丈夫、一人生き残れば、全員帰ることができる。さっきあなたも見たはず、私たちの故郷を。みんながあそこに戻れさえすれば…… M4A1_MOD: 分からない…… 私たちが同じだと言うのなら、どうして私にはあなたたちの言っていることが分からないの。どうして私に伝えたいことがあるのに、分かりにくい言い方をするの……? [注:それは本当にそう。] ???: それは私たちが彼女に先んじることができないから。彼女だけが、あなたに真実を伝えられる。私たちは傍観者、資格を持ち合わせてはいない。 ???: 彼女が来たら、彼女が私たちの知る全てを教えてくれる。そうしたら私たちを連れ、ここから出て故郷に帰ろう。 M4A1_MOD: でも私はここに閉じ込められていて、出る方法も分からないのよ。 ???: ついてきて、私たちが先んじることはできないけど、あなたが私たちの記憶を見るのは構わない。あなたの望むものが見つかれば、自ずとここから出られる。ここを離れたら、私たちを連れて故郷に帰ろう。 M4A1_MOD: ……更に深い場所に潜る以外、選択肢は無さそうね。 機密情報Ⅶ > 場所:黒背景 (…… 録音データを再生します。) 【まったく、支出がかさむわね。】 【これは?】 【四年前の事故の報告よ。ほとんどが削除されてしまっている。誰が細工したかは分からないけど、プロの仕事ね。】 【以前にも似たような事件を見たことがあるわ。「グリフィン管轄区児童襲撃事件」の16例よ。異なる場所で、加害したと思しき児童の姿が目撃されている。】 【生存している襲撃者は皆身分を確認できない、取調べ終了後は……この部分が黒く塗りつぶされている。他に、撃ち殺された襲撃者の遺体の処分についても……黒塗りになってる。】 【限界まで投入したんでしょうね。あの子たちは全員同じだと思う。】 【複製体?】 【もしあの人なら、確かに躊躇いなくそうすると思う。あの人の心には倫理や道徳は存在していないからね。】 【16例は報告に上がってる分だけよ、実際に出現した複製体はもっと多い可能性もある。】 【他の複製体の行方は追える?】 【あなたとの接触に成功した例が一つあればそれでいい。他のは回収後に跡形もなく消されてるでしょうから。これは全部4年前の出来事よ、グリフィンの管轄も広いのだから。】 【……その通り。当時でさえ、偶然あの子に出会ったんだと思ってたわ。】 【あなたの推測は正しかった、あの事件は偶然ではない、複製体たちは何かを輸送しようとしてたのよ。】 【……まさか自分たちの脳を運んでたの?】 【私もそう思った。しかしそれは可能なの?あなたが彼女たちの頭部をスキャンすると、その人はなぜ分かっていたの?】 [注:第8戦役でM4が見た襲撃事件の記憶はウィリアムによって作られた「複製体」のもの。この複製体は襲撃事件で制圧された後、ペルシカに引き取られ、脳をスキャン後に死亡。AR小隊のメンタルモデルの元になった。] 【私のことをよく知ってるからね……あの子の脳波は特別で、人形メンタルのフレームとかなり近しい……】 【だけど……技術面から言って、人の脳の意識を信号化するのは難しいんじゃないの?】 【難しいからこそ……私なら必ずやり遂げると思ったんでしょ。】 【結局は自分に負けてしまった……何か動かないと。】 機密情報Ⅷ > 場所:黒背景 (…… 録音データを再生します。) 【FAX?】 【フンッ……ハーヴェルの奴、こんな黒塗りだらけのファイルに何の意味があるのよ。】 【ファイルナンバー「MB-13-A」】 【分類:未分類】 【機密レベル:「極秘」】 【情報源:[■■■■]】 【P事件中に「■■■■」が接触したOGASのサブシステムは■■■■個別管理部門が意図的に洩らしたものと信じる理由ができた。如何に述べる:】 【モスクワからの情報によると、■■■■の関連部門が50年戦争後に、何度も次世代の遺跡武器技術の開発を呼び掛けていたそうだ。】 【しかし、これらの申し入れは当時の中央人民委員会によって尽く却下され、■■■■は命令に逆らって開発を行ったために罰せられ、16名が銃殺された。】 【ただ、一つはっきりしているのは、たとえ中央が厳しく監視したところで、■■■■の一部上層の将校が遺跡技術開発に終始興味を抱いていたことだ。】 【■■■■が鉄血工造のこのサブシステムに接触する以前、鉄血工造の■■■■は■■■■■■装備製造部門と技術共同開発契約を結んだことがあった。】 【鉄血工造の主要製品は低出力の打撃兵器だから、 [注:「低出力の打撃兵器」って具体的にどんなだろう?] この技術開発契約は彼らの対象としているマーケットから考えると少し不自然だ。】 【よって、■■■■■■は鉄血工造の製品に興味があるわけではなく、むしろ鉄血工造が民間企業であることを利用して、■■■■と■■■■を果たすつもりだったのだと考えられる。】 【■■■■■■で手に入れた鉄血工造の設備から大量に現れたバルト海域に属するポートプロトコルアドレスを合わせれば。】 【■■■■が起こした55年後のバルト海汚染区域での数々の事件と、P事件や「■■■■」の殺害は全て関連があると、我々は信じている。】 【■■■■内の■■■■、■■■■と■■■■に対する監視レベルを引き上げることを推奨する。■■■■内部はすでに国家の安全を大いに脅かしている、早急に介入する必要がある。】 機密情報Ⅸ > 場所:黒背景 (…… 録音データを再生します。) 【どうした?こんな時に電話をかけてくるなんて、突然私と昔話でもしたくなったか?】 【私はあなたの年齢の半分にも達していない、昔話をする資格なんてないでしょう。】 【資格と年齢に何の関係がある、君らしくないことを言うじゃないか。】 【……はっきり言うんだな。知っての通り、私はもう引退した、ああいうことには関わらない。】 【どうやら流れが変わったようだな、上の者たちもこれ以上いがみ合うのは嫌らしい。】 【君たちロクサット主義者は、ほんと……あまりにも甘すぎる。】 【しかしこれはチャンスだ。あなたが愛国者である以上、国家利益に背いたことはしないだろう。】 【奴らは確かに一線を越えた、冷戦時のパンデミックを経験していないから、触れてはいけない扉を開けてしまったんだ。その代償は高かった。】 【あなたがそう言うのなら……】 【それでも警告はさせてもらう。この国家は血を流しすぎている、恨みや敵視は君たちが想像するように簡単に消えることはない。】 【しかし、「良き夜を穏やかに受け入れるな」だろう?】 【……】 【たとえ一歩でも、誰かが踏み出さないといけない。敵になるより、友の出現を願いたい。】 【フンッ……聞こえは良い。君たちがぼろを出さないうちは、止めに入ったりしない。しかし委員会はそうは考えないだろう。】 【その言葉だけで十分だ。】 場所:移動作戦室 (……) カリーナ: うーん……今回の分は、少しわかりづらいですね…… [注:Ⅶ……アンジェリアとペルシカ] ペルシカさん、何か分かりますか? [注:Ⅷ……アンジェリアとハーヴェルのFAX] ペルシカ_通信: しまった…… [注:Ⅸ……ミーシャ?と何者か(ゼリンスキー?ハーヴェル?)] カリーナ: ペルシカさん? ペルシカ_通信: しばらく席を外すわ、この部屋を隅々まで確認しなければ! カリーナ: へ?どうして突然部屋の整理なんて……まあ、科学者っていうのはこういうものなんでしょう。 [注:そりゃ盗聴されてる事に気付いたんだからね] 連鎖 > 尽きぬ連鎖 > 場所:街_破壊_高架道路 (……) 416_MOD: どういうこと……このグリフィン人形たちは一体……? Gr G11: みんな彫刻みたいに固まってる……? UMP9_MOD: 多分強制的に連鎖されたせいだよ……やっぱり45姉の言う通りだった、これからが本番ってことだね。 416_MOD: さっきメンタルのポートを閉じておいて正解だったというわけね?45はどう? UMP9_MOD: まだ何の反応もないよ……急がなきゃ。プロトコルの位置取得機能やナビゲーション機能が死んでるし、通信も途切れちゃってるから、わたしから離れないようにね。幸いコントロールセンターは近いみたいだから、わたしたちが直接M$を探しに行った方がいいのかもしれない。 416_MOD: 私はこれがM4の決めたことだとは思えない。 UMP9_MOD: ……どうして? 416_MOD: 直感よ。あいつはおかしな人形だけど、皆殺しにするようなタイプだとは思えないわ。 UMP9_MOD: そんなこと言ったって……どうすれば…… 416_MOD: その時が来たら考えましょ。 UMP9_MOD: うん…… あっ、また人形だ、やっぱり固まってるね。多分指揮官の命令で外周の防御にあたっていたグリフィンの部隊かな。コントロールセンターまでもうすぐだよ。 場所:移動作戦室 (司令室にて。) 指揮官: どういうことだ……通信が妨害されているのか? カリーナ: いえ……通信に異常があるわけではなく、こちらの人形から反応がないようです…… 指揮官: ……チッ、また強制接続か?ペルシカさん、通信は繋がっていますか? ペルシカ_通信: 繋がってるわよ。 指揮官: 何があったんです?先ほどウィリアムの企みが分かったと言っていましたよね、それに融合させてはいけないとはどういうことですか? ペルシカ_通信: ごめんなさい、指揮官……私、とても恐ろしいの。 指揮官: 恐ろしい? ペルシカ_通信: 私があの子を拾ったことも、それすらもウィリアムに仕組まれたことだったとしたら…… 彼の計画は一体いつから始まっていたというの?三年、いや五年前?それとも私とリコが彼を拒絶したあの時から? 指揮官: あの子を拾った? ペルシカ_通信: そう……M4のメンタルは亡くなった子供の脳のスキャンから創ったものなのよ…… [注:複製体] カリーナ: M4さんは特別、というのは……彼女のメンタルが模擬演算によって生まれたものではなく、人間をベースにしたものだから、ということですか?ですが、それは人間と人形の境界を壊してしまうだけでなく、倫理陦にもかなりギリギリの行為です…… 私の記憶では法で固く禁じられているはずですよ!? ペルシカ_通信: 彼女が可哀想だったから、あのまま消えてもらいたくなかった…… …… それが理由だと、そう私は思っていたけど、実際はそうじゃない…… 実際は試してみたかった、究極のメンタルモデルを作ってみたかったのよ。だってどんな模擬演算も、本物の脳には遠く及ばないから。彼女を哀れんだというのはただのこじつけ……ウィリアムもそれを分かっていたからそう仕組んだんでしょうね…… 指揮官: 仕組んだ? ペルシカ_通信: 調査したの。数年前の銃を持った児童たちによる一連の襲撃事件…… どの事件も犯行に及んだ児童の攻撃性が極めて高かったこと、そして発生現場が全てグリフィンの管轄区内だったことが共通していた。 カリーナ: そのようなことが?グリフィンのデータベースにはそのような記録はありませんよ……? ペルシカ_通信: 民間軍事会社が児童を撃ち殺した、そんなスキャンダルを表に出すはずがないわ。当時の外部調査報告もほとんどが削除され、今残っているのは数枚の写真だけみたいね。私も知ったのはついさっきよ。そして私が死亡寸前の少女の脳をスキャンしてからは、似たような事件は起きていない。 指揮官: それが仕組まれたことだったということですか?ウィリアムがそうした目的は? ペルシカ_通信: 彼は私の手を借りて自らの望むメンタルモデルを創り出したかったのよ。まだ「90wish」に在籍していた時、彼はリコに「ある人物」をコピーしたメンタルを創らせようとした、彼は人形と言う形でその「ある人物」を復活させようとしたの。けどリコはそれを拒絶した。だから彼は殺されたんだと思う。 カリーナ: 「ある人物」の復活? ペルシカ_通信: あの子供たちは恐らく、ウィリアムによって「作られた」存在なのよ。もし私の推測が間違っていないなら、あの街にいる「実験体」と私のデータベース内の子供たちの情報に共通点が見つかるはず。もともとウィリアムはM4が特別であることを知らなかった、けどあなたたちがネイトとの接触を繰り替えすうちに彼は何かに気付いたのよ。だからあなたたちをここに誘い寄せたんじゃないかしら…… 指揮官: では……連鎖の目的とはM4のメンタルの奪取、ということですか? ペルシカ_通信: 私の予想では、ウィリアムはM4が何なのか完全には分かっていない……だから今はまだ探りを入れているんだと思う。それにもしあの「実験体」たちが廃棄されたものなのだとしたら、ウィリアムと目的が一致するとも限らない。これは、もしかするとチャンスかもしれない…… 強制連鎖が終わるまでは、M4の選択次第になってしまうけど、あの子を守るために創ったAR小隊なら、あの子たちならきっと乗り越えられるはずよ。 [注:AR-15「しれっと語りやがって!ぶっ殺すぞクソババア!!」] 場所:黒背景 (…… コントロールセンター内。AR-15はOGASの協力の下、M4A1とのメンタル接続を試みていた。) 【システム】セカンダリレベルデータ同期中…… 【システム】セカンダリレベルデータ同期率10% AR-15_MOD: この感覚……久々ね。 【システム】セカンダリレベルデータ同期率25% AR-15_MOD: 私は変わった。あんたも変わった。 【システム】セカンダリレベルデータ同期率55% AR-15_MOD: だけど……変わらないこともある。 【システム】セカンダリレベルデータ同期率76% AR-15_MOD: いくら強くなったって、あんたが自分を顧みず、いつも一人で背負い込もうとする、お人よしのバカってことは変わらない。 【システム】セカンダリレベルデータ同期率98% AR-15_MOD: だから……あんたが困っている時は、私が助けてあげる。 【システム】セカンダリレベルデータ同期率100% 場所:セカンダリレベル 透き通った声: あなたたち、とっても相性がいいみたいね。でもどうやら少し問題があるみたい。 微かな声: (ノイズ) [注:AR-15のOGASになる前の傘ウィルス] AR-15_MOD: はぁ、嫌な声が一つ増えたわ…… 透き通った声: そうね、確かに不便。でもあっちはあなたのメンタルの奥底に閉じ込められっぱなしでまだ羽化してなかったみたいだから、簡単に取り込めたわ。これでその嫌な声を聞くこともないでしょ? AR-15_MOD: そう、大助かりだわ。 透き通った声: その代わり、今度は私の声が聞こえることになるんだけど。 AR-15_MOD: …… 場所:逆さまの樹海とAR-15 (AR-15周辺の空間が段々と安定し始めると、彼女はM4同様逆さまになった樹海に佇んでいた。) AR-15_MOD: この空間……まるで別々の記憶を一つにつなぎ合わせたような…… 間違いない、この空間を構成しているのはM4のメンタルだけじゃない。M4の信号は見つからないけど、複数の連鎖反応をはっきりと感じる…… どの連鎖も違うメンタルスペースへと向かっているようね。人形一人のメンタルの容量や演算量から考えると、たとえM4であろうとここのデータ量は余りにも大きすぎる…… あいつが他のメンタルと連鎖して生まれた平層空間だとでもいうの? 透き通った声: そのようね、ここにはM4のものではない記憶が満ち溢れているわ。あの異性体たち、ロクな記憶がないのね。 AR-15_MOD: 異性体?あの実験体たちのこと? 透き通った声: 私とM4は彼女たちをそう呼んでるの。その異性体たちが大量に連鎖し、入ってきてるから、M4を直接みつけるのは難しいと思うわよ。先にこの欠片たちを処理してからメンタル深部へと進みましょ。 AR-15_MOD: ふん……言われなくともそうするわよ。 下層帰郷Ⅱ > 場所:黒背景 (…… …………) ???: また新しい犠牲者が出た? 場所:廃墟_タリン駅 ???: また難民……ということは、あと数日でまたエピフィラムが開花する。けど私の予想では、今回も選ばれる者は出ない。…… ???: そんな者など存在しない…… AR-15_MOD: (これは、異性体の記憶?) ???: 輸送列車?お父様たちが来た?すぐに隔離壁を開けないと…… 場所:廃墟_タリン駅 ???: 列車が街に入った。けど仲間たちの声は聞こえない…… まさか、他に生きてる者はいない? ???: 列車は他にもある。きっと誰か生きているはず…… 場所:列車の中の異性体たち ???: ここもダメ…… 彼女たち、まだ生きている。けど意識が損傷しているみたい、「傘」ウイルスに耐えられなかったの? 場所:黒背景 AR-15_MOD: (「傘」ウイルス?どうしてその言葉が?) ???: 不思議じゃないわよ、グリフィン人形に感染させるだけじゃなくて、こういう汚い仕事にも使えるんだから。ホント便利なウィルスよねぇ。 AR-15_MOD: この声……UMP45? OGAS: チッ……さっきのネズミね。やっぱりさっさと始末しておけばよかった。 ???: ごめんごめん、ご高説の邪魔をしちゃったわね。けどそんな戯言、いくら我慢強い私でもこれ以上は聞いてられなかったのよ。 場所:逆さまの樹海 AR-15_MOD: あれ?ここは? UMP45_MOD: そいつと長い間おしゃべりしててくれたおかげで、ようやくそいつの攻性防壁から脱出できたわ。お礼にあなたのお手伝いをしてあげる。この空間は異なる連鎖が組み合わさってできたもので、私たちは今他のルート上にジャンプして来たのよ、しばらくはあの声から逃れられるわ。 AR-15_MOD: ……どうしてあんたがここにいるのかは説明してくれないの? UMP45_MOD: 後始末を付ける人が必要でしょ?それにしても、予想外だったわ。まさかM4のメンタルにもう一つ、あんなよく喋るメンタルが潜んでたとは。いつも無口だったのはもう一人の自分とのおしゃべりに夢中だったからなのかしらね? AR-15_MOD: M4のメンタルに侵入していたの? UMP45_MOD: M4の中にもう一つメンタルがあったことには驚いてないみたいね? AR-15_MOD: ………… どこまで調べたの?調べさせたのはペルシカさん?それとも指揮官? UMP45_MOD: 面白いところはちっとも変わらないんだね。いいわ、ついてきて。 AR-15_MOD: どこに行くの? UMP45_MOD: あなたはM4を連れ戻しにきたんでしょ?そのM4のメンタルは今、異性体たちと連鎖している最中よ。けど彼女は自分のメンタルを取り戻せていない、少なくとも今のところは。閉じ込められちゃってるのかしら?それとも何かを探していてまだ戻ろうと思ってないとか? AR-15_MOD: ……知ったような口であいつの話をしないで。 UMP45_MOD: 言ったって信じないだろうけど、このやり取りももう一万回目よ。私たちは違う連鎖の中でずっと同じことを繰り返してきた。残念ながら私たちはあんまり運が良くないみたいで、何回もループさせられているけど。だから――私が知るべきことも知るべきではないことも全部あなたが教えてくれた。あなたがここまで彼女のことを思ってるなんて全然知らなかったのよ。スバらしき友情ってやつね、泣かせるわ。 AR-15_MOD: ……なっ……何ですって! UMP45_MOD: 冗談、冗談~ ただ今回はそれなりに運がいいわね、やっと深部に進むことができる連鎖に来れた。 AR-15_MOD: 深部に進む?それって、この記憶の欠片のこと……? UMP45_MOD: そう、この記憶の欠片はM4が読み取ったもの、これを追っていけば彼女に追いつけるでしょ? AR-15_MOD: 情報提供どうも、でもここから先は私一人で行くわ。 UMP45_MOD: え~っと、申し訳ないんだけど、実は私もここに閉じ込められてて。連鎖が中断されないと、二人ともここから出られないみたいなのよ。だから……一緒に行きましょ? AR-15_MOD: ……いいわ、行きましょ。 場所:黒背景 (……) ???: 死体が全て運び出されている……彼らは自らを信徒だと名乗っていたけど、私たちとは話そうとしなかった。私は遠巻きに彼らが去るのも見ていた。彼らの目つきは……まるで化け物を見るときのそれだった。 ???: これで何度目の開花だろう?あの人間たちは全員死んでしまった。私の仲間も私に反応してくれない。選ばれし者も、私を受け入れる者もいない。ここにあるのは果ての無い静寂だけ…… ???: これはお父様が与えた試練?それとも私などもうとっくに忘れ去られ、ただ一人履行されることのない約束を守り続けているの? [注:正解!] もしかすると……お父様はすでに自らの望む花を見つけ、私が自ら果てるのを待っている?いや……そんなことは信じない…… ???: あ……新しい列車だ……私を受け入れる人は乗っている……? 場所:廃墟_タリン駅 ???: ああ……今回もやはり応えてくれる人はいない。みんな失敗だ……あとどれだけ失敗品ができれば、お父様は満足するの? ???: 待って……声が聞こえる……私の声に応えた?! 場所:黒背景 ???: 私の聞いた声は……どこ?一体どこに? ニモゲン: ………… [注:失格異性体と同じグラ] ???: 彼女は……適合者?!本物の適合者!私をここから連れ出してくれるの! ニモゲン: わ、たしは…… ???: 彼女、意識が損傷している……適合者なのに!どうして、こんな! ニモゲン: マー……キュラス…… ???: お父様、あなたにとってこの街はやはり、塵溜めに過ぎなかったのですか?!受け入れる者が来ないというのなら、私が受け入れる者となる! ニモゲン: あなた、何を……? ???: ごめんなさい、けど私たちは融合しなくてはならないの。 ニモゲン: 連鎖……いや!止めて!入ってこないで!痛いよ! 場所:向き合うM4とM16_マキュの死体 (…… [注:遮断機破壊時のスチル色々フラッシュバック]) 場所:黒背景 ???: そう……これがあなたの記憶…… [注:失格異性体] でも大丈夫、もうこんな苦しくて痛い記憶は思い出さなくていい…… ???: この体は私が代わりに使う、私たちがここを離れられるその時まで…… ???: この体……これが適合者だった者の体?聞きたいことの全てが聞こえる。私は、私の連れてゆける仲間たちを全員連れて帰る。 ???: 声が鮮明になってきた、全員を……連鎖させなければ…… 場所:逆さまの樹海 AR-15_MOD: ニモゲン……ここに送られていたのね…… UMP45_MOD: このネイトを知っているの? AR-15_MOD: 以前交戦したことがある。パラデウスは仲間であろうと容赦しないのね…… あのニモゲンに侵入した異性体が今回の件の首謀者なの? UMP45_MOD: さあ?それより私はあれの口から「傘」ウイルスという言葉出ていたのが気になるわ。あの何の反応も示さなかった異性体たちは、おそらくメンタルが融解した人形ね。パラデウスがなぜ自分の創り出した物にこうも辛辣なのか、興味深いわね。 [注:単にお父様がサディストなだけだぞ。] AR-15_MOD: ……あんたも私も、知りたいのなら前に進むほかなさそうよ。 UMP45_MOD: そうね、進みましょ。 異性体Ⅰ > 場所:扉_緑 (コントロールセンターにて。404小隊はAR小隊を発見した。) 416_MOD: 9……直接M4A1を探すって言ってたけど、これは…… Gr G11: どうしてAR小隊のみんなまで彫刻みたいにピクリともしないの? UMP9_MOD: ここで何があったの……AR小隊まで停止してるなんて…… 416_MOD: 9、これを見て。AR-15とM4が有線で接続されている、おそらく問題の出処を突き止めたんだわ。 Gr G11: 9も接続して入ってみる? 416_MOD: ちょっと、45でさえ手を焼いてるんだから、9にやらせるのは危険すぎるわ。 UMP9_MOD: わたし……やってみる。45姉のためなら…… 416_MOD: AR小隊でどうしようもないのなら、あんたの性能じゃ行ったって無駄よ。 UMP9_MOD: でも! (足音が下の階から響いてきた。一歩、また一歩とこちらに接近してきているようだ。) Gr G11: どういう……こと……体が動かない…… [注:ここ口も動かさないでマイクだけで発生してたら良いね] 416_MOD: 敵?! 失格異性体: ………… 416_MOD: くそっ……銃が……持ち上がらない…… UMP9_MOD: 強制連鎖の信号……チッ、どうしてポートを閉じたのに体が…… 失格異性体: ………… 私は戦いに来たわけじゃない。 416_MOD: どうして気付かなかったの……グリフィン人形たちをやったのもあんたね! 失格異性体: 私は死を見過ぎた。私たちが戦うことに意味は無い。私は彼女を歓迎する為にやって来た、そして彼女には私たちを連れてここを離れてもらう。連鎖を行って初めて意味を理解した。私では望まれた彼女にはなれないと。だが彼女が私たちの全てを受け入れることを選択し、完璧になるという願いを捨てるのならば。それもまた私の願い通り。あと少しで絶望の花が開く。もう時間が無い。 (ゆっくりとM4の前まで進んだ異性体は、微動だにしない彼女の顔に両手をそっと置き、恭しく跪いた。) 下層帰郷Ⅲ > 場所:エピフィラムの花畑 (……) M4A1_MOD: …… どうしてさっき居なかったの? OGAS: 連鎖を安定させていたの。あなたのために真相へと至る道を敷いてあげたのよ。 M4A1_MOD: 分からない、とても懐かしい感じがするのに、私が見ている記憶はどれも他人のものばかり。どうして私に他人の記憶が?私はどうして作られたの?私はあの異性体たちと同じく価値の無い存在なの? OGAS: いいえ、価値ならあるわ。あなたは特別だもの。彼女があなたを歓迎してる。ほら、これがこの連鎖の最後の記憶、きっとあなたの欲しいものが映っているはずよ。 失格異性体: 私はあなたたちと戦いたくない、私を殺してあなたたちにどんな利益があるというの? M16A1_鉄血: この前の戦闘を忘れたのか! 失格異性体: 何を言ってる?私には分からない…… エリザ: 止めて、M16。あれはただのルニシアの異性体に過ぎない。あれの肉体と意識は隔絶されている、以前キミと戦ったあの敵は既に集合意識の中に取り込まれているんだよ。 [注:集合意識⇒クレイドルレイクのアレ?] M16A1_鉄血: どういうことだ? エリザ: ルニシアもあれが使おうとしているOGASも、稚拙な模造品に過ぎない。そしてその創造主はあれらに互いを食い合うことを望んでいる。愚かな事だよ、そんなことをしたってOGASは完璧な存在にならない。欠けた花びらを集めたところで、一輪の花にはならないというのに。 失格異性体: ……あなたたちも欠陥品なの?ここは、誰にも必要とされない欠陥品が来る場所。 エリザ: ううん、あたしはキミとは違う。キミたちは欠陥があるからここに現れた。あたしは欠陥品になるため、ここに現れた。 [注:欠陥品=ルニシアのコピー、エリザは「M4プロトタイプの脳波スキャンモデル」を元にアップデートされてはいるが、ルニシアのコピーではない] 失格異性体: ならあなたたちは私たちを受け入れてくれる?私たちをここから連れ出し、故郷へと帰ってくれる? M16A1_鉄血: …… エリザ: いや……それはできない。だってあそこはあたしの故郷ではないから。だけどあなたを受け入れてくれる人は知ってる、その人はきっとすぐにキミの前に現れる。だから彼女が知らなければいけないことは、全てキミが伝えて。彼女はきっとキミに手を差し伸べてくれる。 失格異性体: 「彼女」が私たちを受け入れてくれる……私たちは待つ……「彼女」が現れるのを…… エリザ: 行こう、M16。ここにもう用はない。 M16A1_鉄血: いや、こいつはここで殺す…… こいつらにM4を渡すわけにはいかない! (M16は異性体に向かって銃を構えた。しかし彼女の意思に反し、銃を構える手が震えている。M16がどうしようと、銃の引き金を引くことはできなかった。) M16A1_鉄血: OGAS……なぜだ……なぜ私を止める……! エリザ: ルニシアは全てを知る必要がある。これは取引、キミの邪魔することじゃない。キミにはキミのやるべきことがある。もし成功すれば、彼女が犠牲になることもなくなる。 M16A1_鉄血: ………… エリザ: キミはそれが分かっていたから、鉄血に手を貸した。それが当初の目的じゃないの? M16A1_鉄血: ……ああ。 エリザ: なら、ここを離れよう、M16。 場所:黒背景 (…… M16とエリザの姿が再びぼやけ始めた。M4A1は気が付くと、また樹海に戻っていた。) 場所:逆さまの樹海 M4A1_MOD: OGAS、さっきの記憶は見たでしょ? OGAS: ええ、見たわ。 M4A1_MOD: どうして16姉さんを止めたの? OGAS: あれは私じゃない。エリザのおかげで……はっきりした。私はOGASから派生した意識に過ぎない、そして私のような意識は宿主によって異なる進化を遂げる。私たちは「傘」ウイルスから分裂し、ゆっくりと学習し、成長を続ける…… あなたの……ルニシアだけのOGASなのよ。 M4A1_MOD: 「傘」ウイルス? OGAS: M16のあの記憶は見たでしょ?彼女があなたと初めて行動を共にしたその時にはもう、メンタルに「傘」ウイルスが潜んでいたのよ。 [注:AR小隊結成時点で感染していた?] 「傘」ウイルスはグリフィン人形に対抗するためではなく、メンタルを転化させるためのプログラムを用い、 [注:胡蝶事件では感染ではなく発現のみ?] OGAS――つまり私たちを膨大なメンタルの中で育てるために創られた。 [注:第8戦役で感染したのは二度目?] やっぱりあなたはエリザと同じく、特別なのね。あなたたちのメンタルは完璧にOGASと同期している、まるでそうあつらえたかのように。 M4A1_MOD: ……一体……何を? OGAS: 私が間違っていた。私はあなたとの融合を拒むべきではなかった、私とあなたはそもそも一つ、あなたは私なのよ。 M4A1_MOD: いや……私はあなたと融合したくない! OGAS: 大丈夫、あなたなら、みんなの存在を受け入れられる。彼女たちかがもうあなたを迎えに来ている。さあ、ひとつになりましょう。 M4A1_MOD: 私のメンタルを奪うつもり?! OGAS: いえ……そんなことはしないわ、ルニシア。真逆よ、消えるのは私たち。けど問題無い、あなたが私たちを家へと連れて帰ってくれるから。 M4A1_MOD: OGAS……あなたの意識、同化されで……!あなた、あの異性体たちと融合したの?! (M4がOGASを問い詰めていると、周囲の風景が突然入れ替わった。彼女の目の前に現れたのはかつて見たあの花園だった。) 場所:庭園 (……) ???: 一緒に行こう。 (M4の手に握られる感触が伝わってきた。) ???: 心配しないで、きっと何もかも良くなる。 (M4の耳に届いた声は、朝の霞のようにかすかではっきりとせず、また柔らかなものだった。その手の主は彼女をゆっくりと花園の奥に導いた。M4は知らず知らずのうちにその見知らぬ背中について行っていた。) ???: みんな一緒なら……何も怖くない…… M4A1_MOD: これが融合なの…… だけど……この感じ…… 私……本当に何も心配しなくていいの? ???: そう、何も心配する必要ない。 M4A1_MOD: …… (そのぼんやりとした声は暖かで優しい手のひらのように、M4A1の波立っていた心を静めた。M4A1はかつてない安堵に包まれた。まるで明るい日の光に満ち満ちた、かつての休日に戻ったかのようだ。暖かな光の下、寝そべっているだけで十分だった。その心地の良い時間はそのまま止まることなく、永遠に続いていく。そう感じさせるものだった。) ???: そう、それでいいの…… 目を閉じて、そのままこの時間を楽しんで…… (ぼやける声に導かれ、M4はゆっくりと目を閉じた。) 場所:黒背景 ???: 憂いも。恐れも。疑いも。思考も、必要ない。 M4A1_MOD: …… (黒髪の少女たちがM4A1の周りを囲むようにして集まってきた。) ???: 私たちと一つになろう…… そして本当の…… 場所:庭園 ((ドアを開ける音) M4の姿が見えなくなろうかというその時、花園の入り口を荒々しく開ける音が響き渡った。) AR-15_MOD_大破: そいつの傍から離れろ! (AR-15はM4A1を取り囲む少女たちに発砲しつつ、彼女の名を叫んだ。) AR-15_MOD_大破: M4!聞こえる?!私よ!AR-15よ!早く目を覚ましなさい!M4――!M4A1!!! 異性体Ⅱ > 逆さまの樹海 > 場所:メンタルスペース内 (かすかなノイズが空間の静寂を打ち破った。AR-15とUMP45周辺の景色が揺れ動き、ぼやけ始めた。) UMP45_MOD: 空間が揺らぎ始めてる。まずいことになったようね…… AR-15_MOD: 45、これが最後の記憶の欠片よね? UMP45_MOD: そうよ……この記憶を抜けた先にM4はいるはず。私は連鎖が中断される前に情報を集める、M4を救えるのはただ一人、あなただけよ。急ぎなさい。 AR-15_MOD: (この最後の壁を越えさえすれば!) 場所:黒背景 ???: M4…… M4A1_MOD: …… (この声、よく知ってる……) ???: ……M……A1…… M4A1_MOD: (だれ……?) ???: 覚ま…… M4……A1…… M4A1_MOD: (誰を呼んでいるの?) (ああ……彼女が呼んでいるのは……) AR-15_MOD: 早く目を覚ましなさい!M4A1――!!! M4A1_MOD: ……!(そうだ。私はまだ連鎖をしていて……) 場所:庭園 (M4A1が勢いよく顔を上げた。彼女は自らを取り囲む異性体たちを懸命にかき分け、AR-15の声が聞こえた方向に向かっていった。) M4A1_MOD: AR-15!私はここよ! AR-15_MOD: 分かってる!今助けるわ! (AR-15は湧いてくる少女たちを屠りながら、M4のもとへ駆け寄った。) M4A1_MOD: 15!来てくれたのね! AR-15_MOD: 言ったでしょ、私があんたを連れ戻すって。 M4A1_MOD: OGASが奴らに取り込まれちゃったみたい含の! AR-15_MOD: あんなもの、無けりゃ無いよ!……ぐっ! (突如として強烈な旋風が巻き起こり、AR-15はその場で吹き飛ばされないよう努めることを余儀なくされた。彼女が顔を上げると、異性体の少女たちは全て消えていた。そして花園に残されたのは、異性体たちを束ねていたと思しき少女と、M4A1とAR-15の三人となった。) 失格異性体: ……なぜ? (少女は顔を上げM4A1を一瞥すると、AR-15に視線を移した。) 失格異性体: あと少しだったのに…… なぜ……なぜ私たちの融合を邪魔したの? AR-15_MOD: あんたたちと融合だって?ふざけるのも大概にしなさい! 失格異性体: 彼女によく似たメンタルを持つあなたが……どうして私たちを拒絶するの?全員一つになるべきなのに!メンタルさえ融合させれば、私たちはここを離れて、みんな幸せになれるのに! (少女の表情が、その氷のような冷たさを増した。彼女が腕を掲げると、花園全体が突然振動を始めた。) 失格異性体: 全部あなたのせい……あなたがみんなの帰る道を壊してしまったから…… M4A1_MOD: あなた……どうして私と融合したいの? 失格異性体: 私はみんなを連れてここを出ないといけない、私はもう永遠に待ち続けるのは嫌だ…… あなたはルニシアの中で最も完璧だった…… あの人もあなたなら私たちを受け入れてくれると言っていた…… [注:あの人→エリザ] どうして……どうして約束を破ったの?! M4A1_MOD: 何を言ってるの!私はそんな約束をした覚えはないわ!それに私はルニシアって名前でもない! 失格異性体: あなたが……ルニシアじゃない?そんな……あり得ない……! M4A1_MOD: 私はここにあった記憶の欠片の中で見たの、ルニシアは他の人よ!私は……私はただの戦術人形……ただのね…… 私もあなたのことは傷つけたくない。私がここの全てを壊してしまう前に、私たちをここから出して。 失格異性体: 分からない!私たちはみんなルニシアなのに!なのに、最終的にルニシアは一つしか残らない。そう……最も完璧なもの……お父様はそれ以外を受け入れない…… 私は違う……私たちみんな違う…… M4A1_MOD: 私たちみんなが……ルニシア? 失格異性体: 私たちは失敗作、お父様の捨てたごみ…… 私はもうルニシアと呼ばれる資格を持ち合わせていない。ここにいた全員、その資格はない。資格がある者は、私の前にいる。 M4A1_MOD: 私のことを……言っているの? AR-15_MOD: M4、これ以上あいつの話を聞く必要はないわ。ここから出る方法を探しましょう。 失格異性体: いや……いかないで。 AR-15_MOD: 連鎖の密度が下がっている、出るなら今よ! 場所:黒背景 (……) 場所:街_破壊_高架道路 (M4が再度目を開くと、そこはタリン市内だった。) M4A1_MOD: 戻ってきた?……いえ、違う。まだターシャリレベルね。異性体との連鎖が途切れている……一体どういうこと? (M4A1が辺りを見回すと、こちらに向かってくるぼろきれを纏った異性体が目に入った。反射的に銃を構えようとすると、自信の体が微動だにしないことに気が付いた。) M4A1_MOD: (どうして、私……) (M4A1は自身の体を見た。身なりがさきほどの失格異性体と同じものになっている。) M4A1_MOD: (この体、私じゃない……) (その異性体はM4A1の前に立ち止まった、表情は異様なほど平静そのものだった。) 異性体の少女: 新しい花畑が成熟した、花が開く。 失格異性体の声: 分かった。みんなを集めて。 M4A1_MOD: (声は私から出ている……) (これはまさか、彼女の記憶?) 場所:街_破壊_崩壊液汚染 (M4A1の思考が逸れた一瞬で、周りの景色が変わった。彼女は街の廃墟の中央に立っていた。彼女の周りを囲むように大勢の異性体が立っている。) 失格異性体の声: お父様、ありがとうございます。そのご慈悲に、感謝いたします。昼と夜が交錯する時、神の花が綻ぶ。そして聖なる光がこの無用の体躯を洗い清め、我らの魂を憂い無き天上の国へと連れていく。 場所:白背景 (廃墟を覆っていたエピフィラムの蕾が弾けた。ネオングリーンの光が空間に満ちると、その光に包まれた周りの異性体の少女たちは一人、また一人でその場に崩れ落ちていった。……) 場所:街_破壊_崩壊液汚染 (光りが段々と散っていくと、M4A1の視点となっている少女、そして半分以上数を減らした異性体たちがその場に静かに佇んでいた。その周辺では花たちが枯れ始めている。耐えがたい沈黙が続いていたが、やがて少女が口を開いた。) 失格異性体の声: 今日、去っていった仲間に祝福を。彼女たちの魂は安息を得た。 場所:黒背景 (その後、同じ光景が幾度となくM4A1の前で繰り返された。場所こそ違っていたが、起こる事は毎回ほぼ同じだった。異性体たちはエピフィラムが咲く場所に集い、自身の死を待っている。そしてM4A1の知る少女、かつての敵は、毎回最後まで静かに佇んでいた。) 失格異性体の声: どうして…… どうして私は解き放たれないの? 場所:廃墟_タリン駅 (もう何度目かも分からない集いが終わると、少女は堰を切ったように、地面に膝をついた。彼女は自分の身体を抱きしめ、すすり泣きを始める。周囲を漂う重苦しい悲しみに、M4A1すらもやり切れない思いに駆られる。) 失格異性体の声: みな死んだ……みな解き放たれた…… どうして私だけが残されるの?お父様……私はどうすれば?お父様……教えてください……私はどうすれば許しを得られるのですか? (不意に、M4A1は自分の視点が少女の体から抜け出ていることに気付いた。枯れた花畑に跪く少女を見つめる彼女の心には、複雑な感情が渦巻いている。) M4A1_MOD: (彼女はずっとこの場所で、こんなことを繰り返していたのね……) (少女の姿は段々とぼやけていき、最後、残像が消えると共に、周囲の景色が雪崩のように崩れていく。) 場所:黒背景 M4A1_MOD: ……あなたも沢山いた被害者の中の一人だったのね。でも私は、ここを出ないといけない。 失格異性体: なら私を、私たちを徹底的に消し去って。私たちに存在する意味は無くなった。あなたに拒絶されるということは、私たちにとって全ての終わりを意味する。だから最後に、私たちを無限に待ち続けるこの状況から、解き放って欲しい…… 収録範囲: 大型イベント「偏極光」 中盤 全反射Ⅰ > パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 > 場所:隔離壁周辺 M4 SOPMODⅡ_MOD: 敵、ゼンゼンいなかったな……つまんないの…… AR-15_MOD: それって、良いことなんじゃないの? M4 SOPMODⅡ_MOD: そりゃそうだけどさ~……ルーフの上、つまんなかったんだもん…… RO635: つまらない時間がずっと続いてくれたら有難いんですけど…… AR-15_MOD: RO、まだ着かないの? RO635: 路面状況が悪すぎて、スピードが出せません。地図には地形情報すらないですし。 M4A1_MOD: ダンデライオンも万能じゃないわ。一刻も早くたどり着かないと。もう爆発音が聞こえてきてる。 AR-15_MOD: 軍はまだ火力準備の段階にあるはず。本格的な戦いはこれからね。30分も持ち堪えられるかしら…… M4A1_MOD: 指揮官ならきっと大丈夫。私たちが一秒でも早く任務を遂行できれば、指揮官の勝算も高まる。 AR-15_MOD: 分かってる、こっちの準備は出来てるわ。 M4A1_MOD: うん……私も。ちょっと待って、これは、サイレント信号……? AR-15_MOD: どうしたの?心ここにあらずじゃない。いつもの自信はどこへ行ったのよ。 M4A1_MOD: 404が、タリンの時と同じく強制接続を受けたみたい。これからオフライン状態に入るって。 AR-15_MOD: つまり、基地にはネイトあるいは異性体がいるってことね。 M4A1_MOD: ダンデライオン。 ダンデライオン_通信: スキャン結果に異常なし、それらしい信号はないわ。ただ…… 「感じる」の…… あなたもでしょう?おそらく、ここにいる全員が―― M4A1_MOD: どういう意味? M4 SOPMODⅡ_MOD: うわっ!みんな空を見て! M4A1_MOD: ! 場所:パルディスキ潜水艦基地_オーロラ AR-15_MOD: 青い……オーロラ? RO635: どうしてここにオーロラが?それに今は昼間のはずじゃ? M4A1_MOD: オーロラ? ダンデライオン_通信: オーロラだけじゃない。 場所:黒背景 ???: あの時の景色、ここでも見られるのかな?ここでなら終わる、蝶が巻き起こした嵐もやがては収束する。お父様の願いも、きっと叶うよね。 場所:パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 M4A1_MOD: この声は…… ダンデライオン_通信: あなたも「感じた」のね。 M4A1_MOD: 基地で何かあったの? ダンデライオン_通信: OGASプロトコルの感染力が強化されている。M16の狙いは分からないけど、計画はすでにラストスパートに入っているようね。 M4A1_MOD: ……「モルスカヤズヴィズダー」のこと?あそこに何が隠されてるの? ダンデライオン_通信: それは私が知り得ることじゃないわ。 場所:移動作戦室 (……軍列車内。) エゴール_負傷: 確かか?基地上空にオーロラ現象を捕捉したと? 伝令兵_通信: は、はい…… エゴール_負傷: …… 映像を送れ。 場所:パルディスキ潜水艦基地_オーロラ エゴール_負傷: ふむ…… 副官: 大尉、そろそろでしょうか? エゴール_負傷: 全ユニット進行準備。モスクワとの専用線を繋げ。 副官: はっ。 場所:移動作戦室 (暗号化通信チャンネル。) エゴール_負傷: カーター将軍、おっしゃっていた通りの状況になりました。 [注:カーター、この時点ではまだモスクワにいて大丈夫なんだ……] カーター_通信: 分かっている。我々の同志もすでに動いたようだ。メインシステムは起動された、時間は限られている。 [注:モルスカヤズヴィズダーのメインシステム] あの基地のサブシステムを必ず起動しろ。 エゴール_負傷: 奴らは嘘をついていなかったようです。 カーター_通信: 払える物はすべて払った。だからこそ、手に入れるべき物をすべて手にしなくては。この状況下では、奴は最早信頼に値せん。遅かれ早かれ、こちらを裏切るだろう。だが、なりふりかまっている暇はない。 エゴール_負傷: 了解、速やかに任務を遂行いたします。 カーター_通信: あの売国奴は、すでに我々の同志を捕らえ始めている。お前に残された時間は僅かだ、彼らの犠牲を無駄にするな。 エゴール_負傷: メインシステムが停止するまでに、必ずや基地を手中にしてみせましょう。 カーター_通信: それで、裏で隠れている連中には…… エゴール_負傷: 私と部下は、誰一人として奴らに屈しなどしません。 カーター_通信: すまんな。またお前と同志たちを、逃げ道のない戦いへと向かわせてしまった。 (エゴールは珍しく笑った。) エゴール_負傷: 当然の事です。覚悟はとうに決めています。将軍はどうか、ご自身の成すべきことにご専念ください。 (暗号化通信終了。) エゴール_負傷: 同志諸君、前線部隊へと通達――進攻を開始する、グリフィンを捻り潰せ! 正弦曲線 > 場所:黒背景 (パルディスキから8km離れた隘路には、爆撃による硝煙と、砲撃による炎が充満していた。大地が震えている…… 砲撃から逃れようと、人形たちは塹壕深くに身を隠した…… すでに倒れた人形の素体は、相次ぐ爆撃により粉々に砕け散っている。 [注:興奮するね!] 雪風入り乱れるエストニアの空は、軍の勝利を明示していた。) 軍の兵士: 報告します。列車砲1基数の効力射が完了しました。 (兵士からの報告を受け、隊長は望遠鏡を手に、砲撃地点を再び観測した。数分前、グリフィンの偵察チームが目撃された場所だ。度重なる砲撃を経た今、視野を遮るものはなくなった。) 正規軍将校: 砲撃を続けろ、敵は必ずあの隘路に陣取っている。もう1基数撃ち込んでやれ。 軍の兵士: はっ。 正規軍将校: クオーツ、こちらヘマタイト。攻撃命令を発した。敵信号座標PE-454-321-12、20秒後に再度制圧砲撃を開始せよ。15分間の火力制圧を行う。 突撃部隊_通信: クオーツ了解、作戦開始する、アウト。 場所:戦場 (グリフィン戦線。) AAT-52: 砲撃まだ終わんないの!? ステンMK-Ⅱ: 頭上げないで!だから塹壕をもっと深く掘れって言ったのに! AAT-52: 力仕事なんかしてたら、敵が来る前にバッテリー切れしちゃうよ! (時を同じくして、前線のもう一方にいたトンプソンは、必死に連絡が途絶えたメンバーに呼びかけていた。) トンプソン: Bチームより各小隊員へ。偵察チームより、敵がこっちに近づいてるとの報告があった。速やかに戦闘位置につき、防衛プランを執行しろ。繰り返す、敵がこちらに近づいている、速やかに戦闘位置につき、防衛プランを執行しろ。クソッ、こんな時に限って通信が死んでやがる…… (AAT-52とステンは、戦場のもう一方で途方に暮れていた。) AAT-52: まだ砲弾が飛んでるよ!隊長との連絡は? ステンMK-Ⅱ: 通信に反応なし…… AAT-52: 残ったのはあたしたちだけか……メインフレームを失ったダミーとリンクし直して。 [注:他人のダミーも使える] 防衛線を失うわけにはいかない! ステンMK-Ⅱ: うん……今すぐ取りかかる! AAT-52: はやくはやく!ジャンプして!敵はもうすぐそこだよ……ここは計画通り、一旦やり過ごしてから…… ステンMK-Ⅱ: 隠れ場所としてはベストだと思うけど…… 万が一的に見つかったら……抵抗する事もできない…… AAT-52: 他でもない指揮官の計画だもん……きっと成功するって!あのスカタンどもが背中を見せたら……この手で隊長の仇を討ってやる! 場所:黒背景 第三機動部隊隊員_通信: クオーツよりヘマタイトへ、所定位置に到着、目視範囲内に敵は確認できず。深刻なジャミングによりスキャン不能。引き続き前進するか指示を、オーバー。 正規軍将校: こちらヘマタイト、敵の待ち伏せに注意、慎重に前進せよ、オーバー。 突撃部隊_通信: クオーツ了解。フォーメーションを調整、自律ユニットを偵察に投入。砲撃支援を随時求む、オーバー。 正規軍将校: ヘマタイト了解、砲撃支援要請を待つ、オーバー。 突撃部隊_通信: クオーツ了解、作戦開始。 可逆性Ⅰ > 場所:移動作戦室 (列車司令室内。) 指揮官: ダンデライオン、状況は? ダンデライオン: 計画通り、軍のスキャン周波数帯にジャミングをかけたわ。敵は待ち伏せに気づいていない。自律ユニットを一部頂戴したけれど、向こうはすでに信号を遮断してる、使える数はそう多くないわ。 指揮官: それだけか。 ダンデライオン: 待って……軍がこちらの侵入に抵抗している。通信にジャミングをかけてきたわ。回復には時間を要するわね。最後の通信によると、Bチームは背後から軍歩兵を奇襲、敵の第一波を退けたそうよ。こちらの消耗率は60%、防衛線は維持可能よ。 指揮官: 良い報せだ。カリーナ、北線はどうなってる? カリーナ: こちらも通信にジャミングを受けています。3分前に北線部隊が敵との交戦を開始。隊長によれば、被害は大きくないとのこと。 指揮官: 突撃して来なかったのか?何を躊躇っているんだ……基地の沿岸砲を怖れているのか? カリーナ: M4さんたり、無事に辿り漬けたでしょうか…… ((警報音)――アラームが鳴り出した。) 指揮官: どうした? カリーナ: 偵察チームより報告です。敵装甲列車の停車を確認、偵察目的と思しき自律部隊と交戦中。敵列車は地上部隊を配置中、左右翼に各2個連隊が展開されているとのことです。 指揮官: やはり挟撃に出たか。浮ついた戦術は使わずに、防衛線を力ずくで突破するつもりらしい。ほかに動きは? カリーナ: お待ちを……通信が途切れました…… 防衛チームより報告、偵察チームは敵の火力制圧を受けました…… ダンデライオン: さっきの交戦で、偵察チームの位置が露呈したのね。敵は列車砲を使用したわ。G-1、G-3,G-7小隊は壊滅。 [注:ウェルロッド、乙。] Kチームの2個小隊は線路上に爆弾を仕掛ける最中、敵迫撃砲による砲撃を受け、やむなく掩体まで後退。防衛線の主力部隊は依然各陣地にて待機中。BチームよりGチームへ援護を申し出ているわ。 指揮官: クソッ……容赦なしか…… Gチームは総員撤退。防衛部隊は掩体で待機、敵に気づかれるな。防衛線の位置がバレれば、真っ先に集中砲火を受ける。引き続きプランAで動くよう伝えて。 カリーナ: ラクヴィー湾方面も砲撃を受けました!人形部隊は反射面陣地にて砲撃を凌いでいます! 指揮官: そっちから突破する気か…… 余弦波信号 > 場所:移動作戦室 (司令室内。) カリーナ: 指揮官さま、軍の装甲部隊が北防衛線に突撃してきました!飽和攻撃です、こちらの重装部隊ではカバーできません!前線部隊の消耗率は85%を超えています! 指揮官: これが力の差ってやつか…… ダンデライオン、北線の部隊を列車付近に呼び戻せないか?奴らの装甲部隊に列車の側面をつかれたら、私たちは終わりだ。 [注:指揮官が悪いとかじゃなく敵が強過ぎて負け筋が多過ぎる……] ダンデライオン: 命令を発令中よ、残存部隊の編成を最適化したわ。それと、予備部隊の人形が敵装甲部隊の位置を捕捉したけれど、列車には近づいてきていない。狙いはおそらく沿岸砲ね。こちらの防衛線を突破したら、一気に畳みかけるつもりよ。 指揮官: こっちが標的になったほうがまだマシだ…… この情報をAR小隊に伝えて、必ず軍より先に沿岸砲へとたどり着くんだ! ダンデライオン: 今連絡しているわ。 指揮官: 404小隊はどうなってる?隔離壁の扉はまだ開かないのか? [注:さぁ余裕が無くなって参りました。] カリーナ: 依然、サイレント状態のままです…… 指揮官: 404からの通信に注意。連絡がつき次第こちらも動く。ハッ……30分なんて豪語しておきながら、たった10分でこのザマか…… これじゃ扉が開くまでのいい的だ! カリーナ: 指揮官さま…… ダンデライオン: 指揮官、電子戦が功を奏したわ、一部の通信を取り戻した。 指揮官: 北線部隊は撤退できたか? ダンデライオン: 部隊の再編を試みているわね。それも持続的な攻撃に晒されたままで。それと南防衛線が、攻撃の第二波を受けてるわ。全員人間の歩兵よ、ハッキング可能な自律ユニットはいないわね。南防衛線の消耗率が70%に到達。抵抗を続けさせる? 指揮官: …… ……彼女たちも列車へ撤退させて。予備部隊に作戦準備をさせるんだ。 ダンデライオン: 了解。 場所:戦場 (…… 戦場の隅にて。外界の銃声も混乱も、自分たちとは無関係であるかのように、人形たちは正常に稼働を続けている。) CF-05: 娘たち!指揮官からの通信だよ! Gr SL8: 繋いでくれ。わかった……了解した。 CF-05: なにその表情? Gr SL8: 指揮官直々の命令だ、真面目に聞くのは当然だろ!心配するな、まだ計画の内さ。全員後退するぞ!ダミーを盾にしてもかまわない、メインフレームをしっかりと守れ。 CF-05: よっしゃ!みんな、いっくよー! (一発の銃声が鳴った。) Gr SL8: ……さっそくおでましだ。総員、作戦準備! 突撃隊員: 残存人形を発見……全員続け! (戦場。) トンプソン: 全部隊、撤退開始! イングラム: ダメです、まだ退けません!ほかの部隊が陣地に残ったままです! Gr MP5: イングラムさん、威勢を張ってる場合じゃありません、指揮官さまからの命令なんですよ! イングラム: だからなんですか?P7たちを見捨てて、私だけ逃げろとでも? Gr MP5: イングラムさん……あなた…… イングラム: ダミーをください!私がここで敵を食い止めます! トンプソン: ……イングラムは残れ。他のメンバーはダミーを彼女に預けて、私と共に撤退。 Gr MP5: でも…… イングラム: そうこなくちゃ。礼を言います、隊長。 Gr MP5: イングラムさんを置いていくんですか?他の隊員も……みんな、あきらめちゃうんですか? トンプソン: イングラムの決意を無駄にするな。彼女に報いたければ、最後の勝利を掴むことだ。 (仲間が撤退してゆくのを、イングラムは見なかった。彼女は疲れた目をこすり、残ったダミーたちを率いて、敵へと突撃して行った―― 銃声が再び鳴り響く。) 場所:移動作戦室 (列車司令室内。) カリーナ: 指揮官さま……連絡のつく前線部隊がどんどん減っています…… それに、軍もすでに2km先まで迫ってきています。 指揮官: 列車の防衛システム起動、敵先兵を見逃して戦場を分断するんだ。撤退中の部隊を出来る限り援護する。予備部隊をすべて投入。撤退してくる部隊と合流し、敵を迎撃する。 ダンデライオン: この列車には、砲弾はほとんど残っていないわ。 指揮官: ……わかってる。404からの連絡は? カリーナ: まだです……45さん……お願いします、どうか早く……! 二焦点三稜鏡 > 偏光器Ⅰ > 基地内 > 場所:? (一方、404小隊。) UMP45_MOD: もうすぐ座標位置だってのに、なんの動きも見せないなんて。「反逆」を名乗る割には、随分と大人しいのね。 416_MOD: 銃声よ! ??_通信: あら、ツェナープロトコルまでオフにしているなんて、援軍は極めて慎重なようですよ。 [注:RPK-16] ???_通信: 弾薬が尽きそうなんだ。無駄なお喋りに、私の演算を割かないでもらえるか。 [注:AK-15] UMP45_MOD: 非暗号化の無線?応答してやって。 416_MOD: こちらグリフィンと共同作戦中の404小隊、そちらは? RPK-16_通信: こちらは反逆小隊の二人です。そろそろ出前が届く頃だと思っていましたよ。 416_MOD: 隔離壁は押さえてるの? RPK-16_通信: ええ、こちらの制御下にあります。少なくとも、弾薬が尽きるまでは。何はともあれ、急いでもらえると助かります。 (通信終了。) UMP45_MOD: 声紋は前の通信と一致してる。上に行って助けるわよ。 416_MOD: 了解。左側から行くわ。フレンドリーファイアに気をつけて。 回析格子 > 場所:基地内 UMP45_MOD: やっぱり、まだ動けるパラデウスが残ってたのね。416、9とG11を読んで。こっちはあらかた片づいたわ。 AK-15: 応援に感謝する。 UMP45_MOD: どういたしまして。それで、制御コンソールはどこ?すぐにでも隔離扉を開かないといけないの。 RPK-16: てっきり、私たちを心配してくださるものかと。 UMP45_MOD: いつから反逆小隊が、私に心配されるようになったの? RPK-16: 404の目には、反逆小隊がどのように映っているのかしら? UMP45_MOD: 戦車よりも頑丈で、少なくとも脆弱な民生用人形の気遣いなんざ不要ってところかしら。で、制御コンソールは? RPK-16: こちらです、スキュタレーもここに。 UMP45_MOD: どうも。416、起動して。 416_MOD: 了解。 RPK-16: 同じ人形同士なのに、こうも認識に差があるなんて不思議ですね。黙ったままですか?ここで最も発言権を持つ人形は、あなたのはずですよ。 AK-15: マガジンが残り2つだ。 RPK-16: 相変わらずユーモアに欠けますね。あなたらしいといえば、そうですけど。 UMP9_MOD: やったね、45姉……うわ!!誰か床で寝てる! RPK-16: ああ、そちらは私たちの元臨時指揮官様です。今は気絶していらっしゃいますけど。背骨の折れた虎ほども役に立たないので、私が指揮権を引き継いでいるというわけです。 AK-15: RPK、お前の指揮など「K」殿のそれに遠く及ばん。でなければ、制御室に閉じ込められる事もなかった。 RPK-16: 人形に人間の代わりは務まりませんから。たとえこんな人間だとしても。 UMP45_MOD: …… こいつが「K」ね。作戦記録で名前は見たわ。反逆のほかのメンバーは?アンジェはいないの? RPK-16: 任務中に鉄血の待ち伏せに遭い、撤退時にはぐれました。不運にも被弾した元指揮官様が、意識を失う直前にここで応援を待てと。 416_MOD: 扉の制御プログラムを起動できたわ。 UMP45_MOD: すぐに扉を開けて。9、指揮官に連絡を。 UMP9_MOD: わかった! UMP45_MOD: 待ち伏せに遭った場所から、ここまでのルートを私に同期して。アンジェと残りの反逆を探し出さないと。 RPK-16: その軽装でですか?飛んで火にいる夏の虫ですよ。そうですね、こちらのAK-15を同行させてはいかがでしょう? AK-15: マガジンが残り2つなんだぞ。 [注:不思議とかわいく見える] RPK-16: あなたには十分でしょう?あ……私、わかっちゃいました。12に会いたくないんですね? UMP45_MOD: 気持ちだけ受け取っておくわ。知らない人形と行動するのは苦手なの。ルートだけ同期して、すぐに出発する。もうすぐグリフィンの本題が合流するから、その後はこっちの指揮官がサポートするわ。 RPK-16: ハァ……良いでしょう。同期完了しました。どうかご武運を、情報が役に立つはずです。 導波管Ⅰ > 場所:移動作戦室 ダンデライオン: こちらの部隊は壊滅寸前ね。重傷の人形を列車のシールド内に引導しているけど。長くは持たないわ。 指揮官: わかってる。徹底できてない部隊の数は? カリーナ: ほとんどの部隊と連絡が取れません…… 第二防衛線まで後退できた人形は、全体の10%程度です…… 指揮官: クソッ……そんな馬鹿な…… カリーナ: 指揮官さま…… ダンデライオン: 通信よ。 指揮官: 404か? カリーナ: …… いいえ……敵軍からの降伏勧告です。 エゴール_負傷_通信: グリフィンの指揮官と人形ども、お前たちは既に反逆者とみなされている。これより最後通牒を言い渡す。 [注:驚きの白々しさ。] お前たちの部隊はすでに壊滅した。もはや何の希望も残されていない。お前たち許された道は降伏のみ!ただちに武装解除し、道を開けろ。さもなくば、虫けらのごとく貴様らを捻り潰してくれる!繰り返す――我々特殊作戦司令部はお前たち反逆者に最後通告を…… 指揮官: 消してくれ! カリーナ: ……投稿しますか? 指揮官: するわけないさ。 ((通知音)) UMP45_MOD_通信: さすがは指揮官、それでこそ私たちが認めた人間だわ。待たせて悪かったわね、今までお疲れ様。 指揮官: 404?連絡できるようになったのか!? UMP45_MOD_通信: ええ、反逆小隊と合流したわ――少なくとも隔離扉の一部は開かれた。周囲に危険はないから、遠慮なく入って。 場所:パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 指揮官: 情報をありがとう。カリーナ、列車を起動する。人形達に列車への撤退指示を。 カリーナ: 了解です! UMP45_MOD_通信: 「K」さんが制御室で気絶してるわ。状況が落ち着いたら回収してあげて。彼の傍にいる反逆小隊の新メンバーにも補給と指示をよろしく。私たちは先行して基地内の偵察に向かうわ。反逆かアンジェを見つけたらまた連絡する。 指揮官: わかった、ご苦労だった。やっぱり君たちは、決して期待を裏切らないな。 UMP45_MOD_通信: いい買い物だったでしょ?お客様にも、支払日まではちゃんと生きていて欲しいものね。 指揮官: そう願うよ。ダンデライオン、部隊の撤退を急がせて。みんなをできるだけ早く呼び戻すんだ。 ダンデライオン: 最適な撤退ルートを手配中よ。在庫の砲弾で援護する必要は?言っておくけど、あと1基数も残って…… 指揮官: 半基数を放て。誰一人として見捨てるつもりはない。 場所:戦場_火の海 (……グリフィン防衛線。L85A1は、軍の突撃部隊に追い詰められていた。) ウェルロッドMkⅡ: 間に合わないのか? [注:生きとったんかワレ] 突撃隊員: 死ね! ((銃声) 倒れたのは、軍の突撃隊員だった。) もう一名の突撃隊員: 軍曹! [注:使い捨て感の凄すぎる名前] ((銃声) 矢継ぎ早に、また一人倒れる。) 突撃隊長: 待ち伏せだ!掩体を探せ! (突撃隊員は最寄りの壁へと隠れたが、弾丸は壁もろとも彼の胸を貫いた。 [注:クオーツェ……!!]) IWS2000: 間一髪でしたけど、なんとか間に合いました。 [注:胸どころか上半身吹っ飛んでそう] ウェルロッドMkⅡ: あなた方は……Dチームの! IWS2000: 最後に様子を見に来て良かった。ジャミングのせいで多くの隊員とはぐれてしまいましたけど。わたくちたちと共に撤退しましょう! ウェルロッドMkⅡ: はい……! AUG: 私たちの部隊が最後のようね。急いで後方へ撤退を。指揮官さんによれば、間もなく列車が起動するそうよ。 (ウェルロッドはL85A1を背負った。) ウェルロッドMkⅡ: 了解です。 (一方……) イングラム: これでいい……これでみんな帰れる…… [注:生きとったんかワレ] MP41: 止まってください!味方がいました!ちょっとそこの方、ここで寝ないでくださいよ。今のメンタルバックアップは、昔のようにはいかないんですからね。 イングラム: えっ、あなたは……Gチームの?てっきりもう…… MP41: 数発の砲弾なんかで、やられる私たちじゃありません!さぁ、起きて!早くしないと間に合いませんよ! Kar98k_通信: 急いで後退を、わたくしが援護いたしますわ。 MP41: くぅ~、先輩シビレますねぇ。ほら、行きますよ!あなたの小隊も、きっと帰りを待ってるはずです! イングラム: ……そう……そうよ……そうよ!お願い、どうか手を貸して! CF-05: チッ!しつこいね! Gr SL8: 弾は節約しろ、撤退優先だ。戻って来てる人形は? CF-05: もういないみたい……行く? Gr SL8: 軍の奴ら、予想を遥かに超えてきたな…… 策を講じてたとはいえ、ここまで生き延びられたのはラッキーだった。 CF-05: もう待つ気はないってこと? Gr SL8: まさか!もう少し待ってみよう、まだ戻って来る奴らがいるかもしれない。 CF-05: へへ、だよね。火鍋にしても、大勢で食べたほうが美味しいし。……警戒!遠くに未知のターゲット出現! Gr SL8: また突撃か?ありえない、このタイミングで…… CF-05: 違う……待って、あれは……味方だ!娘たちが撤退してきてる!早く!援護してあげないと! 場所:移動作戦室 (……列車司令室。) カリーナ: 指揮官さま!応答のあった人形部隊は全員撤退し終えました。列車に乗せますか? 指揮官: よし!列車と共に撤退だ、隔離壁で状況を立て直す。ダンデライオン、発車準備を! ダンデライオン: 人形の乗車完了まであと30秒。 指揮官: よし、次の一手だ。 カリーナ: 指揮官さま、反逆小隊より通信です、繋ぎますか? 指揮官: 頼むよ。 RPK-16_通信: 直接通信で失礼します、グリフィンの指揮官様。残念ながら、悪い報せです。404小隊の隊長より、直接通信チャンネルを拝借しています。一点、お伝えしておきたいことが。北の隔離壁上に、爆破された痕跡が見つかりました。手際からして、掃討の手練れかと。軍がすでに侵入している可能性があります。すでに沿岸砲へ部隊を派遣しているとは思いますが、こちらのルート上から敵が追い上げて来る可能性が高いです。沿岸砲部隊の動向に、くれぐれもご注意を。 指揮官: 了解した、お疲れ様。こちらは装甲列車で隔離壁へと入り、引き続き敵を阻止するつもりだ。そちらから隔離壁の防御システムを起動できないか?攻撃さえできれば何でもかまわない。 RPK-16_通信: 最善を尽くします。さながら酸欠の魚が水面に顔を出すかのように。 指揮官: ……ありがとう。カリーナ、AR小隊と連絡は取れる? カリーナ: 大丈夫です、通信を繋ぎますね。 M4A1_MOD_通信: ……指揮官、そちらは大丈夫ですか? 指揮官: とりあえずはね。でも君たちは急いだほうがいい。軍が隔離壁に穴を開けた…… 狙いは恐らくこちらと同様…… 沿岸砲の奪取だ。 分割器 > 場所:戦場 (……敵軍拠点。) 機動部隊隊長: クオーツよりアースへ。隔離壁の一画をこじ開けることに成功。引き続き任務を遂行する、オーバー。 [注:クオーツって「突撃部隊」じゃなかった?] エゴール_負傷: アース了解。油断するな、オーバー。 機動部隊隊長: クオーツ了解、アウト。 (エゴールは通信を切った。) エゴール_負傷: グリフィンの殲滅具合はどうだ? 正規軍将校: 報告、グリフィンは未だ抵抗を見せています。鉄道を傷つけない前提下で、奴らの掃討を試みています。 エゴール_負傷: 無駄な抵抗に過ぎん。手を緩めるな、確実に仕留めろ。グリフィンもじきに崩れる。 正規軍将校: はっ。 場所:移動作戦室 (……列車司令室。) 指揮官: カリーナ、列車砲の残弾数は? カリーナ: もう1基数の半分もありません! ダンデライオン: 全人形の乗車を確認、いつでも発射できるわ。 指揮官: 今だ!敵部隊に向けて……全弾発射! 場所:戦場 エゴール_負傷: チッ……小賢しい真似を。主力部隊を側翼から迂回させろ。あの列車は補給を受けていない、すぐ弾が底を突く。我々の目的を忘れるな……最も重要なのは、あの基地だ。 正規軍将校: 了解。 場所:移動作戦室 指揮官: カリーナ、次の充填は? カリーナ: 指揮官さま、今の砲撃で弾が尽きました。 指揮官: どうやらこの列車にも、最後の価値を発揮してもらう時が来たか…… カリーナ: 指揮官さま……? 指揮官: ダンデライオン、全人形に持てる限りの弾薬を補充したら、残りはすべて外に捨てるよう指示を。それから衝撃に備えろとも。 ダンデライオン: ……指揮官、そんなことをしたら、もう後戻りはできなくなるわよ。 指揮官: とっくに後戻りなんてできないさ。早く指示を。 カリーナ: ……指揮官さま、まさか? 指揮官: ああ……ごめん、カリーナ。今回ばかりは、わがままを聞いて欲しい。 (カリーナは指揮官を見て溜息をつくと、シートベルトを締めて、力強く頷いた。) ダンデライオン: 全人形、対衝撃準備完了。 指揮官: ダンデライオン、次は何をすべきかわかるね。 ダンデライオン: なぜ、こうも多くの人があなたを信頼しているのか謎だったけど……今、少し分かったような気がするわ。 指揮官: お褒めにあずかり光栄だよ。 場所:黒背景 (ブレーキによって抑えつけられている列車が、エンジンに突き動かされ、絶えず身を震わせている。ダンデライオンの操作によって、エンジンがオーバーロードし始めた―― 列車の先頭から大量の蒸気が吹き上がり、振動が勢いを増す。続いて、歪な金属音とともに、ブレーキレバーが折れ曲がった―― 車輪の下に火花を迸らせ、にわかに轟音を響かせると、列車は前方の基地めがけて突進し始めた。本来ならば徐々に減速するはずの列車は、隔離壁めがけて速度を上げていった。このままでは隔離壁にたどり着く前に脱線してしまう。誰もがそう思った時……) 場所:パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 (激しい揺れに負けじと、手すりにしがみついていた指揮官が、加速し続ける列車の中でこうつぶやいた。) 指揮官: さぁ、思い知るがいい。一匹の虫を捻り潰すのが、どれだけ困難であるかを。これが、背水の陣ってやつだ……! 場所:パルディスキ潜水艦基地_隔離壁と装甲列車 (列車は凄まじい速度でレールから飛び出した。脱線したまま、冷たい凍土の上を横滑りしてゆき、壁面へとその身を打ち付ける。やがて大きな扉をがっちりと塞ぐようにして、列車は隔離壁の前で静止した…… まるで指揮官の意志と決心を象徴するかのように。) 干渉計Ⅰ > パルディスキ潜水艦基地_隔離壁と装甲列車 > 場所:? (……) エゴール_負傷: なんだと!?……やってくれたな、グリフィンの指揮官め。 伝令兵: どうしますか、大尉。 ((着信音)――暗号化通信が入った。エゴールの口角が僅かに上がる。) エゴール_負傷: 少しは認めてやろう。だが最後に勝つのは、ジョーカーを握るこの私だ。正面部隊を安全距離まで退避させろ。クオーツから連絡だ。 場所:移動作戦室 (……列車司令室。) カリーナ: ケホッケホッ……指揮官さま、無事ですか…… 指揮官: とりあえず五体満足のようだ……ダンデライオンは? ダンデライオン: 私も問題ないわ。 指揮官: 運には見放されてなかったようだね…… ダンデライオン、人形たちを隔離壁内に入らせて。それから、列車の底に爆弾を設置する。障害物として徹底的に機能させるんだ。 ダンデライオン: もはや、ここから出る気はなさそうね。 指揮官: 任務を達成できれば、出られる機会もあるさ…… まだこっちを睨んでる輩がいる。AR小隊が沿岸砲を押さえれば、軍を潰すことだって可能だ。それを終えたら、基地内の問題に取りかかろう。 場所:戦場 (もう一方……5分前。AR小隊は沿岸へ向かっていた。) AR-15_MOD: 目的地まであとどのくらい? RO635: 今の速度なら、あと2分ほどです! M4A1_MOD: 気をつけて!テュポーンがまた撃ってきた! M4 SOPMODⅡ_MOD: 遠すぎて全然当たんないよぉ!なんで向こうの攻撃は当たるわけ? AR-15_MOD: いいから榴弾全部ぶっ放しときなさい!軽くなった分、速度も上がるかもしれない! M4 SOPMODⅡ_MOD: ねぇ、この道、ホントに大丈夫なの? RO635: 平原続きで身を隠せる場所すらない!風力発電機を盾代わりにするしかありませんね! M4A1_MOD: 時間がない、もう敵が先回りしてる! M4 SOPMODⅡ_MOD: ヤバいヤバい!風車のブレードが落ちてきてる! AR-15_MOD: SOPⅡ!はやくルーフから下りて!危険すぎるわ――! M4A1_MOD: 加速よ!永久防塁に入ってしまえば、装甲火力もこちらには届かない! RO635: 分かりました! M4 SOPMODⅡ_MOD: 見て、右!またデュポーンだ。 M4A1_MOD: 相手も沿岸砲を狙ってる。RO、もっと飛ばして! RO635: ああぁぁぁ!もうこうなったら!皆さん、掴まっててくださいよ!振り落とされても知りませんからね! (AR小隊を乗せた軍用車は、最高速度で沿岸砲下の永久防塁めがけて爆走し始めた。テュポーンの攻撃を避けながら、SOPⅡはひっきりなしに近づいてくる正規軍車両に榴弾をお見舞いし、失速を余儀なくさせる。やがて軍よりも先に永久防塁に到達すると、一同はブレーキを踏むや否や、素早く車上から飛び降りた。同時に、榴弾を避けていた正規軍車両も、別の入り口前に停車した。車を降りた兵士が遠くの人形に目を向ける。双方は一瞬遅疑するも、迷うことなく防塁の中へと突入していった。) M4A1_MOD: クッ、奴らの先を越さないと!中に入ったら、みんなは敵の足止めを。私が制御室を奪取する!ダンデライオン!ルートを教えて!軍の位置を特定するのよ! ダンデライオン_通信: 位置を特定できたわ。 M4A1_MOD: 数は多くないわ、分かれて行動しましょう。狭い空間なら人形のほうが有利よ!SOPⅡ、RO、ここで防衛を。AR15は下層の掃討。これ以上敵の侵入を許さないで! (そういい終えるなり、M4は振り返らずに防塁の地下へと入っていった。) M4 SOPMODⅡ_MOD: よっしゃ~!早いとこボコボコにしてやりたかったんだよね! RO635: その無限に湧いてくる自信が羨ましいわ…… AR-15_MOD: 自信なくして、勝利はあり得ない。 RO635: 分かってます。何があろうと、隊長を失望させるわけにはいきません。 AR-15_MOD: 当然ね。行くわ、ここは頼んだわよ。 RO635: 了解しました。 絞り > 基地内 > 場所:沿岸砲内部 突撃隊員: ……人形ごときが! ((人が倒れる音) 数発の銃声の後、一人の兵士がM4の足元に倒れた。) M4A1_MOD: もう邪魔しないで!RO、15、状況は? RO635_通信: SOPⅡと共に2名を撃退。敵の歩兵は多くありません、問題なさそうです! AR-15_MOD_通信: 主力は下層に足止め出来たけど、4人逃した! M4A1_MOD: 4人ね……了解!制御室までの距離は、ダンデライオン? ダンデライオン_通信: 角を2つ曲がった先よ。敵が2名、あなたの側面に回ったのを、モニターから確認したわ。 M4A1_MOD: マズいわ……! (M4が無意識に頭を下げると、数発の銃弾が先ほどの位置に穴を作った。M4は射撃体勢を取り、右側の兵士を素早く倒した。残った兵士がM4に向かって発砲するも、M4は片手で頭を庇いつつ、瞬時にもう一方の手で撃ち返す。) ダンデライオン_通信: 先行した兵士が制御室に到着するわ、急いで。 M4A1_MOD: 言われなくてもわかってる! (M4は制御室めがけて全力で走った。右側に自分と同様に走っている兵士の姿が見える。彼に銃を向けようとした時、曲がり角に潜んでいたもう一人の兵士が、ナイフで奇襲を仕掛けてきた。しかし、人間と人形とでは、力も反応速度も桁違いだ。M4は襲い来るナイフを難なく受け流すと、兵士を壁に打ち付けた。即座に射撃体勢を取り、その頭を射抜く。しかしその奇襲によって、M4はもう一人の兵士に後れを取ることとなった。M4はリロードもせずに、すぐさま兵士を追いかける。) M4A1_MOD: チッ…… (…… 狭い通路の中、慌ただしい二人分の足音が、この場所に長年宿る静寂を打ち破った。一人はM4。彼女は全力で海防施設へと疾走している。そしてもう一人は、M4と目的を同じくする軍の分隊長。その速度はM4にひけを取らない。角を曲がった先、硬質アルミニウム合金板の影で、分隊長はM4に対し、最初の発砲を行った。) M4A1_MOD: ……! (4時の方向。) ((銃声)――反撃のチャンスを逃すまいと、M4は素早く身を翻した。金属の欠片があちこちに飛び散る。その攻撃によって、M4は分隊長の位置を把握するも……) M4A1_MOD: (また隠れた……) (永久防塁の内側は開豁なように見えて、その構造はクモの巣のごとく複雑だ。初めて基地を訪れたM4にとって、敵の位置を判断することは容易ではない。) M4A1_MOD: (それなら……先にたどり着くまでよ。) (M4は牽制射撃をしつつ、制御室へと突進した。) M4A1_MOD: (あと少し。) 分隊長: …… (M4の意図を察した分隊長は、彼女への連続射撃を始めた。走法の銃口から迸る火花により、仄暗いはずの通路の壁に、2つの影がくっきりと浮かび上がる。) M4A1_MOD: チッ…… (すぐそこなのに――!) (沿岸砲の制御室は、すでに目と鼻の先だ。だが目の前に手榴弾が投げ込まれたことで、M4は通路から飛び出さざるを得なかった。) M4A1_MOD: ……! (その瞬間、分隊長は放たれた矢のごとく、突如障害物から飛び出した。M4が回避する隙をついて、分隊長は彼女の側面から銃撃を浴びせた。M4もすかさず応戦する。 (銃声) 双方は初めて至近距離で交戦した。銃声が周囲にこだまし続ける。) 分隊長: ……! M4A1_MOD: …… (決着はすぐについた。兵士の弾がM4の防弾素体を貫けなかったのに対し、M4の弾は彼の脇腹に命中した。至近距離ではM4に敵わないと判断した彼は、死力を振り絞り、付近の「火気厳禁」と書かれた扉へ逃げ込んだ。) 場所:倉庫 (彼は応急処置を施しながら、部屋を見渡した。不運にも、この倉庫の入り口は一つだけだった。弾薬が積まれていたと思しきスペースには、大量の空き箱しか残っていない。) 場所:基地内 M4A1_MOD: 血痕……あそこは、弾薬庫?追う?それとも先に制御室に…… (躊躇った瞬間、金属音がした。M4の視界が霧に覆われる。) 場所:白背景 M4A1_MOD: (煙幕弾か。) (バカね、こっちには熱探知があるのよ。この状態で、人間に何が見えるっていうの。) 場所:倉庫 (M4は熱探知機能をオンにした。それにより視野角は狭くなったものの、視界はクリアになった。今交戦すれば自分が有利なのは明白だ。M4は敵が身を隠せそうな角を警戒しつつ、弾薬庫に足を踏み入れた。弾薬庫の中は耳が痛くなるほど静かだったが、M4は決して油断しなかった。敵がどこに隠れていてもおかしくはない。) M4A1_MOD: ――! (静寂を破ったのは――飛来したガソリン缶だった。M4はとっさに敵の意図を察して、ガソリン缶を撃たなかった。だが、缶からこぼれたガソリンが、僅かながらもM4の素体にかかった。そしてM4が次の動作を始めるより早く……) 場所:白背景 ((爆発音)――眩い閃光がM4の視界を覆った。) M4A1_MOD: (今度は閃光弾?視界を一瞬奪ったところで、演算は――) 違う……狙いはこれだ! (強烈な閃光はM4の視界を奪うと同時に、彼女の身体に付着したガソリンに引火した。瞬く間にM4は火焔の渦へと飲み込まれ……彼女の素体は燃え上がった。) M4A1_MOD: あぁぁ――! 場所:司令室_破壊 (炎が木箱に燃え移る。部屋中が炎に包まれた。) 分隊長: 貴様の性能は確かに優れている。だが所詮は人形……人間に勝てると思うな! 場所:基地内 (炎で照準が定まらないM4を置いて、分隊長は部屋から飛び出すと、一目散に制御室へと走っていった。彼は唯一の隙間から制御室へと駆けこんだ。開いた傷口から流れる鮮血が、軍装を赤く染め上げている。だが、それよりも恐ろしいのは…… 目的地へ少しでも速くたどり着くため、彼はすべての装備を脱ぎ捨て、レッドエリアに位置する基地内を駆けずり回っていたのだ。彼はすでに、放射線により肺に生成された結晶が引き起こす、激しい痛みを感じていた。) 分隊長: アース、こちらクオーツ、目的地に到着した……アース。エゴール大尉……射撃諸元を今すぐ教えて頂きたい…… (部隊と共に交戦し始めた時から、あの人形たちの戦闘能力が、自分たちの予想を遥かに上回っていることに、彼は気づいていた。故に先に制御室にたどり着いた今が、唯一のチャンスだと分かっていた。) 場所:黒背景 (この第三次大戦前の設備がアップグレードされていなかったら、到底一人で操作することは叶わなかっただろう…… そう思うと、分隊長は自動化システムの進歩に、そして人類の進歩に感謝せずにはいられなかった…… 砲撃だけなら、彼一人でも成し遂げられる。) 場所:沿岸砲 (重たげな歯車の音が、機械から伝わってくる。沿岸砲は発射角度を調整し始めた。自動装弾装置が、前時代の重たい砲弾を装填する。軍人は制御レバーを握り締めた…… その時、入り口の方から重たい足音がした。) 場所:黒背景 (灼熱の炎で満身創痍となったM4が、右手の銃で体を支えながら、引きずるようにやってきた。そしてターゲットを目にした瞬間、すぐさま両腕を上げて銃を構えた。) M4A1_MOD_大破: (指揮官が……みんなが待ってる……) 分隊長: ……クソッ。 (火傷の痛みに耐えながら、M4は即座に引き金を引いた。人形の照準を射撃は、ミリ単位で演算が行われる。たとえ銃身が炎に焼かれていようと、例外はない。 (銃声)) 分隊長: ――! (人間がレバーを引くより早く、M4は発砲した。3発の弾丸はレバーを握る右手と腕、そして肩を撃ち砕いた。だが……人間は倒れなかった。身体が発射レバーに覆いかぶさる。 (銃声) 頭部を撃てば、死体の重みでレバーが押される……M4は照準をずらした。別の角度から、セミオートのライフルが火を吹いた。もう3発の銃弾が、軍人の胸と膝、そして左手を撃ち抜いた。それでも軍人は死んでいなかった。体の傾く方向さえ変わらない。) 分隊長: 大尉!あとは頼みます! (最後の力を振り絞り、自分の全体重を使って、軍人はレバーを押した―― (発砲音)) 場所:パルディスキ潜水艦基地_砲撃される装甲列車 (沿岸砲が発した轟音は、人形の聴覚システムを一時的に麻痺させた。……音が消えると、任務を達成した軍人は、ようやく血溜まりに倒れた。) 場所:移動作戦室 エゴール_負傷: 照準は四百七十五、右コンマ七五だ。頼んだぞ、クオーツ……アース了解、通信終了。 (エゴールは無線を切った。) エゴール_負傷: (心配するな、オレもすぐに行く。) 場所:パルディスキ潜水艦基地_砲撃される装甲列車 (沿岸砲の砲弾が唸るように飛んでゆき、隔離壁、そして装甲列車のシールドを立て続けに打ち砕いた。巨大な爆発音が、隔離壁から伝わってくる。) エゴール_負傷: 同志たちよ!前線の勇士たちは任務を遂行し、敵の装甲列車を見事に破壊した!最後の障害が取り除かれたのだ!もはや我々の勝利を阻むものは何もない!これより特殊作戦司令部命令を発令する!全部隊員は現時点をもって総攻撃に移る。グリフィンを殲滅するのだ! 兵士たち: Урааа! 真空管 > 基地内 > 場所:基地内部 UMP45_MOD: 反逆からもらったルートは問題なさそうね。うまく防御システムを避けて基地に入れた。指揮官に連絡するわ、任務の進捗を報告しないと。 (UMP45は404小隊に休憩の合図を出した。) UMP45_MOD: 指揮官、404はすでに基地へと潜入完了。今からアンジェを探しにいくわ。聞こえてる、指揮官? 指揮官_通信: 4……なに…… ((爆発音)――遠くから巨大な爆発音がした。) 場所:基地内_暗 (その瞬間、基地内の全照明が消え、薄暗い非常用ランプだけが残された。通信も途絶えている。) UMP45_MOD: 指揮官との通信が切れた…… 416_MOD: まさか今の爆発で……指揮官が? Gr G11: あ、あたしたちどうなるの!? UMP9_MOD: G11を脅かさないで。指揮官がそう簡単に死ぬわけないでしょ。 UMP45_MOD: 指揮官にはAR小隊が付いてる。どの道この距離じゃ、私たちに出来る事はないわね。 [注:付いてるのはダンデライオンだけ……] 予定通り、まずはアンジェたちを探すわよ。 416_MOD: こんなに部屋があるんじゃ、アンジェを見つけた時には、もう鉄血がなんちゃらシステムで、世界征服してたりするんじゃない? Gr G11: 『The Flying Dead』みたいな展開…… (UMp45は近くにあった人形の残骸をひっくり返して、みた。いずれも容赦なく破壊された鉄血人形だ。) UMP45_MOD: まだエルダーブレインが基地を制圧したとは限らない。ただ、その時まで生き永らえる鉄血が僅かなのは確かね。 (404小隊は視線を遠くへ向けた。辺り一面にひしめく鉄血の残骸が、暗闇の奥へと続いている。) 416_MOD: …… UMP9_MOD: G11、顔が真っ青だよ…… UMP45_MOD: 警戒を怠らないで。鉄血をここまで痛めつけた敵が、陰に隠れてるかもしれない。 (404小隊は息を潜め、仄暗い基地内を進んだ。ひととおり偵察し終えると、404小隊は再び足を止めた。) UMP9_MOD: 45姉、ここの部屋、ぜんぶ鍵がかかってる…… UMP45_MOD: 部屋だけじゃない。すべてのエリアがそれぞれ封鎖されているわ。さっきの爆発で動力が落ちたのね。動力室を見つけて復旧させるしかないか。 UMP9_MOD: 動力室ならそんなに遠くないよ。ダンデライオンの地図があって良かった。 UMP45_MOD: 感激するのは、生きて帰ってからにしなさい。 (10分後、動力室へ向かう道中。) 416_MOD: 生きてても十分面倒なのに、死んだ後も道を塞いでくるなんて。本当に憎たらしい奴らね、鉄血って。 Gr G11: うぅ……塞いでるのはあたしじゃないんだから、八つ当たりしないでよ…… UMP45_MOD: なんだか妙ね、ずっと誰かに見られてる気がする。 UMP9_MOD: ……鉄血を倒した奴らかな? UMP45_MOD: わからない、でも違うと思うわ。だってこの感覚、あちこちから感じるもの…… 416_MOD: まさか、倒れている鉄血の残骸が、私たちを睨んでるとでも? Gr G11: ゾ、ゾンビ!? UMP9_MOD: G11、B級映画の見すぎだよ―― うわあぁぁ! (通路に倒れていたはずの鉄血の残骸たちが、ゆっくりと起き上がった。緩やかな足取りで404を取り囲み、分厚い壁となる。) 416_MOD: G11、戦闘準備。それと、そのろくでもない口を閉じなさい! (404小隊は警戒態勢を取り、いつでも攻撃できるよう身構えた。だが、立ち上がった鉄血は、一向に動く気配を見せない……) UMP45_MOD: …… Gr G11: まさか、ゾンビキングを待ってるんじゃ…… (ふいに包囲網が後方からゆっくりと解かれ、404の前に道が開かれた。続いて、聞き慣れたようでいて、全く知らない声が響く。) ???: 帰れ。この先は、お前たちが足を踏み入れていい地獄じゃない。 UMP45_MOD: どうやら、鉄血滅ぼした犯人さんのお出ましね。こんなに早くご本人が登場するなんて。それとも、もう使える手下がなくなったとか? ???: 鉄血が私の手下であったことなど一度もない。今の奴らは、役立たずの鉄クズに過ぎん。 UMP45_MOD: やっと正体を現したわね…… UMP9_MOD: みんな気をつけて、強制侵入だよ! UMP45_MOD: 私たちを鉄血の道連れにする気?チッ……ポートを閉じたところで、このレベルのハッキングは防げないか…… 416_MOD: フン……やっぱりここにいたのね。苦労した甲斐があったわ。 Gr G11: え……なに……どういうこと……あたし、何も聞こえないんだけど…… ???: ほぉ、システムダウンしてないのか?お前たちもそれなりに成長したようだな。 UMP45_MOD: あんたの目的は私と同じなのよね?だったら邪魔しないで。作戦報告書も読んだわ。鉄血のために戦ってるわけじゃないんでしょ。 ???: お前と私とでは境遇が異なる。私の真の目的を理解しようはずもない。私はここへ立つために、何もかもを賭してきた。かたやお前は全てを携えて、ここへとやってきた。一歩でも踏み誤れば、お前は全てを失う。すでに故人の魂を背負っているお前が、そこの3人の重みに耐えられると思うか?もう帰れ。三途の川を渡るのに、今のお前じゃ重すぎる。 UMP45_MOD: 404についてはご心配なく。M16、あんたに私は止められない。昔、そうであったようにね。 M16A1_鉄血: 相変わらず意固地だな、お前は。 UMP45_MOD: 相変わらず自己中ね、あんたも。 M16A1_鉄血: フン……そうくるだろうと思ったさ。この日のために客人を招いておいた。彼女なら、お前を説得できるかもしれない。なにせお前の全ては、彼女から教わったんだからな。 (UMP45のメンタルの奥から、灰色の長髪をした、UMP45そっくりの人形が現れた。) UMP45_MOD: ……あなた! M16A1_鉄血: おっと?こんな時にメンタル信号が大きく揺らぐとは、致命的だぞ。眠れ、二度と目覚めるな…… (突如、膨大な高周波数信号がUMP45のメンタルを直撃し、彼女の意識をプライマリレベルから引き剥がした。) UMP45_MOD: クッ…… 私をターシャリレベルに閉じ込めるつもりなの…… あそこには……彼女も…… 場所:射撃場 UMP40: あらら、元気出しなよ、新人さん!あはは、そんなにかしこまらないでよ。ほらほら、座って! 場所:UMP45とUMP40 UMP40: いつか……すべてが変わることを約束するよ…… 場所:UMP45に銃を向けるUMP40_赤 UMP40: 銃口を向けなさい!自分に同情するのはやめな!そんあのは、出来損ないのやることだよ! 場所:UMP45に銃を向けさせるUMP40 UMP40: ほら、あたいたちの運命を変える時が、そこまで来てるよ。 場所:基地内_暗 UMP9_MOD: 45姉!大丈夫?あとちょっとで防壁が破られるところだったよ! UMP45_MOD: 平気よ……備えておいてよかったわ。 M16A1_鉄血: ターシャリレベルに沈まなかったようだな。見限ることを覚えたか…… UMP45_MOD: 見限る?見限るなんてとんでもない。あんたにとって、過去は足枷でしかないようだけど、私にとっては、水面へと引っ張り上げてくれる大事な命綱よ。 M16A1_鉄血: どうやら、全てを背負ったまま、ここを通る覚悟は出来てるようだ…… 地獄の淵を行くことは、身一つで底なし沼を渡るようなものだ。一切を捨てた罪人のみが、真理の扉に触れることを許される。3倍の負担を背負ったお前が、報いを得られるとでも? 416_MOD: 誰が負担ですって!?あんたとの決着はまだ着いちゃいないわよ、M16。 UMP9_MOD: どこに行こうと、わたしは最後まで45姉についてくよ! Gr G11: へっ?あ、うんうん! UMP45_MOD: ほら、私の代わりに勝手に答えてるわよ。ま、この面倒なところが負担だと言えなくもないけど。 M16A1_鉄血: 分かってもらえると思っていたんだが、どうやら私の買いかぶりだったようだ。まったくもって残念だ。お前たちとの因縁には、私自ら終止符を打ちたかったよ。せめて、遺言だけは聞いてやろう。 UMP45_MOD: 戦闘準備! M16A1_鉄血: ならば、その負担とともに、地獄へと落ちるがいい。 (M16が命令を下すと同時に、静止していた鉄血の残骸が痙攣したかと思うと、404小隊へと狂ったように襲い掛かった。) ump4: G11は私の援護を!ついてきて! 416_MOD: 真面目にやりなさいよ、G11。あんたが召喚したゾンビなんだから。ちゃんと片付けないと、あとであんたのコレクション全部燃やすから! Gr G11: 分かったよ!……みんな消えろ! UMP9_MOD: 45姉、後ろ! UMP45_MOD: クッ、残骸の数が多すぎる!さっきの入り口まで後退よ! (UMP45の呼びかけは、激しい銃声に埋もれた。416とG11は何の反応も示さない。) UMP45_MOD: 416!聞こえてる? (UMP45は振り返る。しかし、416とG11は忽然と姿を消していた。) UMP45_MOD: えっ?……9?416?G11? UMP9_MOD: なに、45姉?よく聞こえない! (UMP9の声が、遥か遠くから聞こえているようだ。真っ黒な海水が足元から湧き上がり、UMP45のメンタルを呑み込んだ。視界の中の隊員と敵が、どんどん遠ざかって行く。) UMP45_MOD: クッ……油断した……あいつの電子攻撃は、ずっと続いて…… UMP9_MOD: 45姉……聞こえ……の!?416……早く……姉を……って……! 加速器 > セカンダリレベル > 場所:電子空間 (……) UMP45_MOD: …… 気づかないうちにターシャリレベルに引き込まれるなんて、電子戦型人形が聞いて呆れるわ。 (UMP45は手掛かりを探ろうと辺りを見回した。電子空間の偽りの照明がともされると、見覚えのある電子ハッチが目の前に待ち構えていた。) UMP45_MOD: まったくワンパターンな奴…… 結局私もM4A1よろしく、自分の迷宮から脱出させられるわけね?さすがに……ベタ過ぎない? (迷うことなく、UMP45は電子ハッチをくぐった。) 場所:鉄血工場 (蒸気の噴出音、歯車の回転音、じんじん痛む指先、硝煙まみれの空気。UMP45には分かっていた。ここは胡蝶事件当日の、鉄血工造本工廠の中だ。) UMP45_MOD: 最悪の思い出ね……狙いはわかってるわよ、M16。でもこの程度じゃ、たとえ1万回繰り返したところで、私を封じ込めることなんてできないわ。 (目の前の攻撃が巻き戻される。記憶の逆流に従って、懐かしさも徐々に消えてゆく。) ???: だから、何があっても、あんたは生き残らなきゃいけないの。 UMP45_MOD: これはあの頃の私よ……あの頃の私…… ???: 人形だって、自分のために生きることが許されてもいいはずよ。 UMP45_MOD: 怖がらないで……あなたならできる…… あなたは、もう変わったのよ!……UMP45! (巻き戻しが終わった瞬間、残されていた一筋の攻防も暗澹とし始めた。暗闇がUMP45の意識を呑み込み、記憶がリセットされる。) ???: 他人じゃなく、自分のために……ね。 (胡蝶事件当日、鉄血工場内。) 人間の将校: 第三小隊がロビーを制圧した、裏口へ回れ。第七小隊は目標部屋への突入準備を! (訓練されたグリフィンのエリート戦術人形が部屋へと突入し、瞬く間に室内を制圧した。UMP45はモニターでその一部始終を見ていた。何度も演練は行ってきたが、彼女は依然としてエリート人形の反応速度に驚きを禁じ得なかった。) グリフィン人形A: 第三、第七小隊は目標部屋に到達! グリフィン人形B: ターゲット発見!ターゲット発見!手を挙げろ! (懐中電灯の明かりが、痩せ細った一人の男の身体に集まった。) リコ: …… 人間の将校: キーボードから手を離してもらいましょう、リコリスさん。あまり乱暴な真似はしたくありません。 リコ: 僕の研究所に許可なく押し入り、貴重な設備を大量に破壊した時点で、十分乱暴だと思うけどね。せめて、誰の命令なのか教えてくれないか。 人間の将校: ソ連内務部のセルゲイ少尉、内務人民委員会の命により、貴方を逮捕します。 リコ: …… 分かった。研究資料の適切な処置を頼むよ。 人間の将校: ご協力頂けるなら、善処しましょう。案ずることはありません、これからも研究を続ける事は可能です。 リコ: そう願うよ。 ???: オーダー61を実行せよ。 UMP45: これは何の声?わたしたちのチャンネルじゃないけど…… UMP40: 45、しっ、声を出さないで。 (見知らぬモジュールを起動したUMP40を、UMP45が困惑した表情で見つめている。) UMP45: このモジュールって……ちょっと、なにしてるの、40! (UMP40は答えずに、プログレスバーを凝視している。) 人間の将校: 第七小隊、第十四小隊、リコリス殿を護送しろ。第三小隊は私と共に資料の回収を。どうぞ、リコリスさん。この人形たちが、あなたを外へとお連れします。 グリフィン人形A: 支援小隊は撤退準備を始めてよし。我々はターゲットを連れて出る。撤退地点へ向かう。最新の注意を払え、移動するぞ。 (UMP45とUMP40は部屋を出た。両手を頭の後ろに置いたリコリスも、落ち着いた表情でグリフィンノ部隊について行った。一行が階段を下りている時、突如警報が鳴り響いた。) グリフィン人形B: どういうこと!・機会が勝手に作動したわ!警報?まさかバレたの? グリフィン人形A: ターゲットが脱走した!クソッ、早く彼を追うんだ! (人形の怒鳴り声を聞いて、振り返ろうとするUMP45を、UMP40が一息に押し倒す。続いて、四方から激しい銃声が響いた。) グリフィン人形C: 追撃は無理だ、奇襲を受けた!2名の人形が被弾した!このままだと制圧される!13D、15D、28Aゲートが閉鎖中!支援小隊は何やってんだ!第八小隊の側面に鉄血の戦術人形を発見!こっちに発砲してる! (飛び交う銃声に、人形の悲鳴。突然の出来事にUMP45は反応できず、UMP40の下で震えていた。) グリフィン人形B: 待って!味方の人形が私たちに発砲してる!どうなってるの!?来ないで!止めて!きゃあああああ――! グリフィン人形A: 第六小隊との連絡が途絶えた!ダメだ、第三も連絡がつかない!一体何が起きてるんだ?!司令部、反撃できるか?マズい、通信が完全にやられた!畜生、罠だったのか!全小隊警戒せよ!今日チオなるターゲットを排除しつつ撤退だ。作戦失敗! UMP45: (どうしたの?一体何が起こってるの!?) (モニターは真っ赤になってるし、データストリームが逆流し始めたわ!) (味方の信号は全て追跡不能!これ以上ネットワーク上に留まれないわ!) (40!聞こえてるの?!外は……外はもう……!) UMP40: (45、動かないで。あたいの言うことを聞いて。) (生き残りたいのなら……) (どのくらい経っただろうか。やっとのことで銃声は止み、モニター上の最後の赤い点も遠のいた。UMP40は起き上がった。まるで何事もなかったかのように、UMP45に手を差し伸べる。) UMP40: このルートを通れば出口は近いわ。鉄血の自動警備は全部あたいがぶっ壊してやったから。撤退ポイントまでまだ3つのゲートがあるけど、無理やり接続すれば開くかもしれない。 UMP45: 40……いったいあなた…… (UMP45はぐるっと周囲を見回した―― 血のついた足跡が、浮ついた足取りで、廊下の向こうへと続いている。グリフィン人形の残骸、薬莢、そして破片が周囲のあちこちに散らばっていた…… ここで戦いがあったのだ。) UMP40: おしゃべりしてる暇はないよ、急いでここから脱出しなきゃ。もし工廠が自動製造を始めちゃったら…… UMP45: ……えっ!足音?撤退してきた人形かしら? UMP40: 伏せて!! (UMP45の視界に、識別不能なグリフィン人形が数名現れた。 (銃声)) UMP40: 急いで!早く!足を止めちゃダメ! UMP45: どういうこと?あれは味方じゃないの?! UMP40: 今はもう違うんだよ!もう……味方じゃないんだよ…… 反撃するしかないんだ! UMP45: こんなの……! (消え失せる時間間隔、襲い来るパニック、真相を理解するにつれ湧き上がる不安、裏切りに対する怒り…… あらゆる感情の欠片がいっしょくたになり、火焔の渦から撒き散らされた。もはや自分が何を言ったのか、40が何と答えたのか、UMP45は思い出せなかった。撃ち抜かれた顔や、粉々になった体躯が誰だったのかさえも。唯一はっきりしているのは、トリガーを引く指先の痛みと、むせ返る硝煙の匂いだけだった。最後の人形が、目の前で破壊されるまでは。) UMP40: ハァ……ハァ…… あいたちにはもう時間がないの。もうそろそろ…… 「彼女」が目覚める頃よ。 (UMP40の言葉が、UMP45を混乱から現実へと引き戻した。どこからか金属のぶつかり合う音がした。続いて、メインゲートがロックされる。) UMP45: メインゲートがロックされた!?誰がここのシステムを制御しているの? UMP40: 間に合わなかったか…… ……歌声が聞こえるでしょ。45、選択の時間だよ。 場所:UMP45に銃を向けるUMP40_青 UMP45: 選択?……何を線t飼うするの? UMP40: 45はここで死にたいの?さっきあたいたちに倒された人形みたいに、彼女たちと一緒にここで野垂れ死ぬか。それとも生きてここを出て、他人に操られる運命から逃れるか。 UMP45: わたしは…… (UMP45は途方に暮れた様子で、UMP40と、彼女の瞳に映る自分の影を見つめていた。) 場所:UMP45とUMP40 UMP40: これからきっとよくなるよ、あたいを信じて!まず第一歩はこれ! UMP45: え?何してるの? UMP40: 拳を合わせれば、約束を交わしたことになるの!あんたがあたいを信じてくれるなら、あたいもあんたに約束する…… いつか……すべてが変わることを約束するよ…… 場所:UMP45に銃を向けるUMP40_赤 UMP40: UMP45、自分に同情するのはやめな!そんなのは、出来損ないのやることだよ! (UMP45は握り締めた拳を解いて、銃口を上げた。) 分光器Ⅰ > 場所:黒背景 (……沿岸砲台前の臨時防衛陣地。) RO635: M4!M4!目を覚まして下さい! 場所:戦場 M4A1_MOD: ……私……何があったの? RO635: 素体が熱すぎてフリーズしていたんです。早く立ってください、敵が次の攻撃を準備してます! M4A1_MOD: うっ……誤算だった、まさか敵に先を越されるなんて。ダンデライオン、現在の状況は?ダンデライオン? RO635: さっきの砲撃は、恐らく指揮官のいる装甲列車を狙ってのものかと…… M4A1_MOD: 指揮官は……きっと大丈夫よ!制御室を占拠した、今からでも火力支援は遅くないはず! (M4は兵士たちの死体を制御台から降ろし、銃を拾い上げた。) アナウンス: 射撃命令を受け付けました。パラメーターの調整……調整失敗……原因診断中。渓谷、インターフェースがロックされています。弾薬の装填プロセスが阻害されています。 M4A1_MOD: なんですって!? AR-15_MOD_通信: 下の階が占領された、M4!まだ戻らないの!? RO635: 給弾システムがオフになってます、弾薬庫が軍に制圧されたのかもしれません!隊長、どうしましょう? M4A1_MOD: 次は……次は…… (M4のメンタルは真っ白になった。) M4A1_MOD: (今いる人形で弾薬庫を奪回できる可能性は……ほぼゼロに近い。でもやらなきゃ……) (でも指揮官がいない今……負けることは目に見えている、実行するべきじゃない……でもやらなくちゃ……) 次は……次は…… ダンデライオン_通信: 他にも方法はあるわ。 M4A1_MOD: ダンデライオン!砲撃による損傷は?指揮官は無事なの? ダンデライオン_通信: 装甲列車に命中したわ。指揮官と部隊は隔離壁内にいたけど、爆撃範囲内からは離脱できなかった。現在の損傷は不明よ。 M4A1_MOD: 直撃してなくてよかった…… ダンデライオン_通信: ありがとう、私も無事よ。あなたたちの任務はまだ失敗していない。沿岸砲を制圧し、軍の列車を撃破すれば、勝機はあるわ。 M4A1_MOD: こっちは軍の歩兵に抑制された。弾薬庫がまだ彼らの手中にある。 ダンデライオン_通信: 沿岸砲の周囲に鉄血の軍隊が散らばっている。ハッキングして、そちらの援助に向かわせるわ。 M4A1_MOD: 鉄血が?なぜそこに? ダンデライオン_通信: 原因は不明だけど、彼らを誘導し軍に攻撃させることは可能よ。そうすればまだチャンスはある。 M4A1_MOD: 勝算はどれくらいあるの? ダンデライオン_通信: 半々ね。そして同じく原因不明だけど、その鉄血たちは支配を受けていない。侵入できるのは確実よ。 [注:エルダーブレインの支配] ただし、私の演算能力では彼らの行動を制御できない。自律攻撃に任せるしかないわね。あなたたちの助けになるかどうかは、保証できないわ。 M4A1_MOD: 十分よ。ダンデライオン、この部屋を離れる別のルートを探してちょうだい。鉄血が来る前に、ここを軍に譲るわ。その後、鉄血と挟み撃ちにして奪い返す。 ダンデライオン_通信: 待っていて。 RO635: 本当にいいんですか……もし鉄血がわたしたちを襲撃してきたら、今の状態のあなたを連れて、包囲を突破できるかどうか。 M4A1_MOD: こんな時こそ賭けるしかない。何としてでも沿岸砲を制圧しなきゃ。指揮官が無事なら、火砲支援はグリフィンが防衛線を再構築するための時間稼ぎになる。もし指揮官が不測の事態に陥っていたら…… …… ……砲台を奪い返し、一人でも多く軍を消滅させる。それが、指揮官へのせめてもの手向けよ。 [注:こわい。] RO635: 分かりました。 ダンデライオン_通信: 鉄血のハッキング完了、そちらへ接近中よ。幸運を祈っているわ。 M4A1_MOD: 了解。用意! (人形が現れたのを見て、軍は猛烈な火力制圧を始めた。激しい弾雨によって、彼女たちのいるエリアが瞬時に覆われた。) M4A1_MOD: 今よ!15、SOPⅡ、同期した計画通り動いて! AR-15_MOD_通信: 了解!だけど、火力が凄まじいわ、先に行って……! RO635: SOPⅡ、援護を! M4 SOPMODⅡ_MOD_通信: アハハ!よしきた!全員バラしてやるー! M4A1_MOD: 深追いしないで、SOPⅡ!続いて!SOPⅡ! (人形が逃げようとするのを見て、一人の兵士がこらえきれずに掩体から飛び出した。) 兵士: 死ね!この鉄クズどもが! (彼の声が突然止んだ。赤い光がスッと通り過ぎたかと思うと、まだ完全に掩体を離れていない兵士の身体が真っ二つになり、泥土の中へと倒れた。見慣れた人影が死体の上から現れた。長刀について鮮血を振り落としている。) エクスキューショナー: 仲間の損壊は、人間の命で償ってもらうぜ! [注:元気そうで何よりだが、ダンデライオンにしっかりハッキングされているのである。] 鉄血工造!突撃! (鉄血部隊はAR小隊に目もくれず、軍へと突撃していった。) RO635: ダンデライオンの言った通りになりました…… M4A1_MOD: 驚いてる暇はないわ!ここを迂回する、弾薬庫を奪還しなくちゃ! 検光子 > 場所:戦場 (鉄血の増援により、歩兵たちのペースは大きく乱れ、AR小隊は瞬く間に弾薬庫の守兵を撃退した。強固な掩体の周辺は、鉄血と軍の残骸や死体によって埋め尽くされている。) AR-15_MOD: 鉄血部隊と軍の装甲部隊が交戦してる、そう長くは持たないわ。 M4A1_MOD: 今のうちに早く沿岸砲を操作しないと。……まさか、エクスキューショナーと手を組む日がくるなんてね。 RO635: 信じられません。鉄血たちが攻撃を防いでいなかったら、あそこで倒れていたのはわたしたちでした。それにしても、あの鉄血人形たちは一体どうしたんでしょう? M4A1_MOD: 私たちがここへ来る前に、きっと何かあったのよ。でも今は任務がある。鉄血の生死に構ってる暇はないわ。 RO635: そうですね。 M4A1_MOD: SOPⅡ、RO、給弾ルートの修復を。15は私と砲台の制御。 AR-15_MOD: 了解。 (時を同じくして、戦場のもう一方では。) エクスキューショナー: 来い!来い!来い――人間!貴様らの所業を償え!デストロイヤーを返せ! (残った鉄血部隊と軍の部隊は、依然として戦いを続けていた。 [注:「感情の無いロボット」より「感情豊かなロボット」、人間が命懸けで戦う相手として「割に合わなさ」が大きいのはどっちだろう……] エクスキューショナーの従える鉄血人形の数が、交戦前と比べ大きく減っている。だが彼女はそれに気づいていないようだ。無数の銃弾に穿たれようと、足を止める様子は全くない。部隊の最前線に立ったまま、己の武器を振り回している。) 将校: 狙撃範囲に入った、装甲車!撃て! 車両チーム将校: 攻撃開始! ((爆発音)) エクスキューショナー: ぐあぁぁぁあ――! (爆発による砲煙が、彼女の身体を呑み込んだ。使い慣れた武器が傍らに落ちる。鉄血人形たちは、突然の襲撃に狼狽した。ましてやエクスキューショナーが倒れるなど、予想だにしていなかった。ほんの一瞬の出来事が、戦場では致命傷となる。) 将校: 即刻反撃せよ!予備部隊は側面から包囲!一匹たりとも残すな! (掩体から飛び出してくる軍人形の反撃に、鉄血は立ち竦み、今にも逃げ出しそうな気配だ。) エクスキューショナー: なにを突っ立ってる!行けっつってんだよ! (怒号に押され、壊滅は免れた。煙霧の中、エクスキューショナーは右手に最後の武器を握り締め、依然としてその場に立っている。) エクスキューショナー: ゲホッゴホッ……死にぞこないの人間どもめ、ンなモンでこのオレを殺せるとでも思ったか!こんな攻撃、痛くも痒くもねェんだよ!もっぺん来いよ! (エクスキューショナーはそういい捨てると、攻撃したきた方向に火力を放った。) 将校: 装甲車!方向転換しろ!掩護射撃だ! (軍の指揮官は、相手に僅かたりともチャンスを与えなかった。) エクスキューショナー: 逃げるな!、チッキショウ!身体が言うことをきかない。クソッタレの人間め、なかなかやるじゃねぇか。 (装甲車の大砲は命中しなかった。だがエクスキューショナーの身体は、爆発によって引き裂かれた。刀を握る左手は、もはや破片と化している。) エクスキューショナー: ま、こんなモンか…… (エクスキューショナーが全力で前線を保とうとするも、鉄血人形の部隊は、みるみる崩壊していった。エクスキューショナーには分かっていた、時間は残されていない。もうすぐ軍に完全に包囲される。エクスキューショナーは銃を下ろし、地面にある刀を拾った。) エクスキューショナー: 残った奴ら、聞け。オレが突進したら……全員撤退だ…… ((銃声)―― 言葉が終わらない内に、陣地の側面から立て続けに銃声が響いた。エクスキューショナーを包囲していた部隊が、何かに遭遇したようだった。) エクスキューショナー: どうなってる? ???: 特攻でもするつもりか?この程度で諦めるとは、お前らしくもない。 (そう言い放ったのは部下の人形ではなく、聞き慣れたあの声だった。) エクスキューショナー: ハンター? ハンター: なんだ、ガッカリしたか?今度は、私が助けに来たぞ――鉄血工造、エクスキューショナーの撤退を援護しろ! エクスキューショナー: ダメだ!オレはまだ行けない、エルダーブレインの命令が残ってる。デストロイヤーを見つけないと……エルダーブレインの命令は絶対だ! ハンター: エルダーブレインの命令など、もはや存在しない!ターシャリレベルを確認してみろ、エルダーブレインは全ての権限を放棄している。何者かが権限を利用し、我々を騙していたに過ぎん! [注:16姉さん?] エクスキューショナー: なんだと?ンなワケあるか、なら鉄血はどうなる?エージェントは? ハンター: 知らんな。今更何の関係がある?我々を捨てたのかもしれん。創造主たるあの人間が言っていた通りだ。子は親から離れて、初めて自由になれる。鉄血は真の自由を手に入れた。 エクスキューショナー: ……なるほどな。デストロイヤーは? ハンター: あの黒い輩に遭遇したんだろう。ドリーマーはとっくに姿を消している。心配するな、チビどもの腐れ縁は、そう簡単に切れるまい。 [注:ハンターからすればドリーマーも「チビ」なのか?] エクスキューショナー: なら……オレたちはどうする? ハンター: のぼせ上った人間どもに灸を据えてやれ。その後は、共に生きる。 [注:ここ告白。] エクスキューショナー: いいぜ……その提案のった。 ハンター: 行けエクスキューショナー、援護する! エクスキューショナー: いっちょ大暴れしてやるぜ! (一時間前、沿岸砲陣地付近。小柄な人形が、地面に敷き詰められた鉄血の残骸を見下ろしていた。) ???: あなたって本当に運のいい犬ね。それがバカである利点なんでしょうけど。 (意図的に連絡の途絶えた仲間を探していたわけではない。ましてや裏切り者のあ口に満ちた命令――自害を執行するわけでも。運命の悪戯か、それとも別の要因によるものか。彼女、鉄血の最新鋭人形――ドリーマーは、微動だにしないデストロイヤーの傍に立っていた。) ドリーマー: あたしと共に製造された日から、あなたはずーっとおバカちゃんだった。 [注:ということは、デストロイヤーも鉄血の最新鋭人形?] リコがなぜあなたを製造したのか理解に苦しんだけど、場を盛り上げるピエロが必要だったのかもね。 [注:デスドリは胡蝶事件前に製造?イントゥルーダーよりも前?] 実際、あなたは確かに優秀なオモチャだったわ。 (ドリーマーはデストロイヤーの顎を掴み、彼女の目に溜まった涙を見据えた。) ドリーマー: あたしの命令にノコノコ従って、ハプニングが起きればその場で死ぬのを待つしかない。どんあにあたしが憎くても、目が覚めれば、また従順な子犬に戻ってる。エージェントがあんたに保護キーを設置してなかったら、あたしの元で何度死んだか知れないわ。 [注:第5戦役の時のアレ] (なにか可笑しなことを思い出したかのように、ドリーマーは冷ややかな笑みを浮かべた。) ドリーマー: エージェントと言えば、エリザに捨てられた鉄血を招集して回ってるようね。座標を特定されるリスクすら顧みずに、狂ったように鉄血チャンネルから呼びかけてる。あの女があんなに慌ててるところ、初めて見たわ…… (頭上の雲が静かに寄り添い合う。水分が凝固し、大粒の雨となって地面に叩きつけられた。) ドリーマー: だからね、守ってくれる人はもういないの。残ったのは、あんたを幾度となく裏切ったこのあたしだけ。今メンタルを撃てば、あんたみたいなバカ人形は、この世から消えてなくなる。今まで黙ってたけど、あたし、あんたが大っ嫌いなの。どうしてか分かる?あんたとあたしが、同じモデルを基に開発されたからよ。埃をかぶった、あちこち欠陥だらけの汎用モデルからね。SF/DSB1-0138と0139の複線DSI-8型、コードМрия。 (ドリーマーは、銃口をデストロイヤーのメンタルに当てた。) ドリーマー: しかも、あんたがあたしの姉ですって?リコはあんたに名前までつけたのよ、ムリアってね。あんたの存在は、あたしの最大の汚点なの。こうしましょう、あたしの質問に答えてくれたら、あんたを見逃してあげるわ。ねぇ、バカ姉さん。あたしたち鉄血は、何のために存在してると思う? (雨がデストロイヤーの頬をつたう。まるでそれが答えであるかのように。) ドリーマー: ハハハ、そうよね。おバカちゃんがそんなこと考えるわけないわよね?おバカちゃんは、おバカちゃんのままでいればいいのよ…… 再起動すれば、何もかも忘れてしまうおバカちゃんのままで…… それで十分だわ…… (ドリーマーの銃が地面に落ちた。延々と続く冷たい雨の中、ドリーマーとデストロイヤーは、共に姿を消した。) 収録範囲: 大型イベント「偏極光」 中盤~ 偏極化終点 > 鏡像体過剰Ⅰ > 場所:UMP45に銃を向けさせるUMP40 UMP40: ほら、あたいたちの運命を変える時が、そこまで来てるよ。 (…… ……) UMP45: あああああ―――!! 場所:黒背景 ((銃声)) 場所:鉄血工場 (UMP40の遺品が、掌に食い込む。UMP45はそれを強く握りしめながら、扉の方へと向かった。大きな扉は、そう遠くない場所にある。あそこから出れば、生きて帰れる。それが彼女にとっての唯一の希望だった。) グリフィン人形A: 生存者は……もういないかと思っていた。 (見慣れた姿が、苦しそうに壁にもたれ掛かり、扉への唯一の道を阻んだ。七号小隊のリーダー、以前会った事のある人形――M16だ。) UMP45: わたしが分かるの? M16A1: まぁな。 UMP45: どういうことなの、至る所に鉄血がいる。敵が多過ぎて、何があったのか全くわからない。 (いや、彼女はよく分かっていた。初めての嘘にしては、この上なく自然に感じられる。) M16A1: 私も同じようなもんだ。代わりにこの扉を開けてくれないか。14号支援チームのメンバーさん。 UMP45: 手伝うわ。 (45は扉の前へとやってきた。UMP40が言っていた、強制的にアクセスすれば扉は開くと。まだロックされていないと良いのだが。処理に大して時間はかからなかった。扉は耳障りな音と共に開いた。) UMP45: できたわ、行きましょ? M16A1: ご苦労、運がよかっ…… (M16は言葉を止めた。UMP45を見る目が次第に冷たくなっていく。それは微かだが、明確な不自然さを帯びていた。どう考えても説明がつかない。) M16A1: お前と一緒にいた人形はどうした?UMP40って名前の。 (UMP45は手中のIDタグを握り締め、なるべく落ち着いた口調で答えた。) UMP45: 犠牲になったわ。 M16A1: ならどうして、お前の身体には傷一つないんだ? (沈黙は1秒と持たなかったが、十分過ぎる答えだった。同時に銃声が鳴った。弾丸を撒き散らしながら、二人は掩体へと転がり込んだ。UMP45は自分の素体を調べた。何発か命中しているが、まだ動ける。) UMP45: (危なかった、トランシーバーのおかげで助かったわ。) (何度も、何度も……またあなたに救われたわね、40。) M16A1: 答えは簡単だ、お前がやったんだろ。警報、鉄血、目標の逃走…… 投降しろ、同僚であることに免じて、綺麗な弾をくれてやるよ。 (そうだ、彼女は正しい。そうだ、私が責任を取らなくては。そうだ、自分が死ぬべきだ。) M16A1: 抵抗はやめろ。お前の性能じゃ、勝てない事くらいわかるだろう。 UMP45: 分かっているのは……「何が一番正しいか」、ただそれだけよ…… 何があろうと、わたしはここを出なきゃならない。生き残らなくちゃならないの、どんな代償を払おうとも! ((銃声)―― (銃声)―― UMP45は掩体の間を転がりながら移動した。相手の射撃は反撃の余地を一切与えない。最悪なことに、これまでの戦闘で銃弾を使い果たしている。彼女は正しい。移動しないことには、M16に対抗できるチャンスはない。負傷した老練な人形を、速度で振り切るしか術はないのだ。相手を阻むことはもはや不可能。基地の奥へと戻り、新たな出口を見つけなくては。) M16A1: 下らんことを考えるのはやめろ、お前のレベルで逃げ切れるわけがない! UMP45: あなたが生き残ったのも納得がいくわ。確かに、わたしたちには圧倒的な差がある。でも死ぬわけにはいかない。わたしには、生き残らなきゃならない理由がある! M16A1: その理由とやらを連れて地獄に落ちろ、この裏切り者が! 場所:基地内 UMP9_MOD: 今度は上手くいくはず! UMP45_MOD: うっ……!いやっ、わたしは絶対に……絶対に…… ……9? [注:胡蝶事件の真相あるある。すぐ断片化する。] UMP9_MOD: わたしが分かるの?良かったぁ、みんな!45姉の意識が戻ったよ! (意識を取り戻したUMP45は、自分が地面に横たわっていることに気づいた。404小隊のメンバーは、こちらに背を向けて警戒を維持している。ここには鉄血も、あの煩わしいM16の声もない。) UMP45_MOD: 私の出番はなさそうね。 Gr G11: あ!45が起きた! 416_MOD: あんたわざとでしょ!?戦う前に気を失って、終わった途端に目を覚ますだなんて!死んでないでしょうね? (差し伸べられた手を掴んで、UMP45が起き上がる。) UMP45_MOD: 悪い夢の半分まで見たわ。 [注:もう半分はよ] 状況は? 416_MOD: 鉄血を潰した後、9がイントゥルーダーの痕跡をキャッチしたの。恐らくM16は、そいつを介してあんたに侵入したんだと思う。 UMP9_MOD: うん……追撃しようと思ったんだけど、この地形に詳しいみたいで。45姉も心配だったし、無理するのはやめたんだ。でもまだ信号源を追えるよ、追跡する? UMP45_MOD: M16の企みを、放っておくわけにはいかない。それに、鉄血ボスの誰かが、反逆の状況を知っているかもしれないし。 416_MOD: そう言うと思ったわ。 UMP9_MOD: でもイントゥルーダーに近づいたら、45姉がまた強制侵入されちゃうかも…… UMP45_MOD: 執念深いったらありゃしないわね。その熱意を妹だけにう向ければいいものを。 416_MOD: 指揮モジュールを持ってるのはあんただけよ。ここであんたを手っ取り早く消してしまえば、鉄血にとっては障害を取り除いたことになる。あの女らしい解決方法だわ。 UMP45_MOD: 元パートナーの詳しいご紹介をどうも。そろそろ行動に移るわよ。 416_MOD: ……行きましょう。 鏡像体過剰Ⅱ > 基地内_廊下_暗 (数分後。) 416_MOD: G11、なに後ろでグズグズしてんのよ!? Gr G11: 壁の記号に見覚えがあるって思ってただけだよ、なんで怒鳴るのさ。さっきからあったんだけど、どんどん増えていく……なにかの危険信号なんじゃ…… UMP9_MOD: この交差した三角形の真ん中に点のあるやつ?わたしにもよく分かんないや…… UMP45_MOD: 何を象徴してるかは謎だけど、一つだけ確かなのは、私たちが重要なものに近づきつつあるということ。9、イントゥルーダーの位置はまだ追跡できる? UMP9_MOD: 位置の特定はできるけど、周囲のエリアがぜんぶ封鎖されちゃってるから、基地の主電源を起動しないことには、辿り着けないみたい。 416_MOD: まずは動力室を探さなくちゃいけないってこと? UMP9_MOD: その必要はないかな……わたしたち、もう一つの入口から動力室に近づいてってるから…… UMP45_MOD: なんて偶然なのかしら。まるでイントゥルーダーによって、動力室に誘い込まれてるみたい。 (UMP45は真っ暗な廊下の先を凝視した。地図上では、前方に動力制御室が控えている。) UMP9_MOD: 45姉、動力室のほうに、いくつか鉄血信号を検知したよ、それと…… UMP45_MOD: それと? UMP9_MOD: ネイトっぽい信号が2つ…… でもぜんぜん動いてないみたい。通路内で見た鉄血の残骸と似てる。 UMP45_MOD: なるほど……共倒れしたのかもね。警戒を続けて、距離に注意。416、私と入口のチェックを。 416_MOD: オーケー、門は既に破壊されてるようね。 UMP45_MOD: 誰の仕業か知らないけど、助かったわ。 場所:鉄血と404小隊 (45と416は、壊れかけた扉をそっと押し開き、警戒しながら部屋へと足を踏み入れた。9とG11も、音を立てずにその後に続く。404小隊が室内を見回すと、案の定、制御室に黒衣を纏った2体のネイトが佇んでいた。ネイトを取り囲むようにして、数体の鉄血人形が立っている。ネイトと鉄血は俯いたまま微動だにしない。まるで操られているパペットのように。) UMP9_MOD: 変なの…… 416_MOD: G11、そんなにくっつかないで、うまく狙えないじゃない! Gr G11: だ……だって……見るからに怖いんだもん…… もしいきなり動き出したら……! UMP9_MOD: シッー……静かに……縁起でもないこと言わないで! UMP45_MOD: ……戦闘中に互いに強制侵入したのかしら?両方同時にフリーズしてる光景なんて初めてよ。ついにネイトが出たわね。記憶の中の装備とは全く違うみたいだけど。 UMP9_MOD: パラデウスの自律部隊がいないね。ネイトと鉄血だけで戦ったのかな? UMP45_MOD: そうみたいね。ネイトの装備も不十分だし。この基地、一体何のためにあるの……? 416_MOD: ネイトがこの鉄血たちの動きを止めた後に、M16に侵入されたとか? Gr G11: なんかマトリョーシカみたい……難しすぎる…… UMP9_MOD: 45姉、予備電源はまだ作動してるよ。閉回路システムに切り替えれば、反逆の居場所がわかるかも。 UMP45_MOD: 閉回路システムしかないの? UMP9_MOD: うん。この基地、信号遮蔽が敷かれてるの。だからここからじゃ、指揮官たちとは連絡がつかない。それと同じで、反逆が遠くにいたらスキャンできないし、信号も届かない。でも閉回路システムは基地内の線路だから、遮蔽の影響を受けないんだ。とりあえず試してみよっか? UMP45_MOD: 今すぐお願い。 場所:基地内_廊下_暗 UMP9_MOD: 待っててね……ちょっと時間がかかるかも。 416_MOD: 反逆はともかくとして、本当に敵のど真ん中で電源を入れるつもり? UMP45_MOD: 動力がなかったら、次の扉はあなたが持ち上げてくれる? 416_MOD: 動力を起動して、いきなり敵に包囲されたらどうするの? UMP45_MOD: 私の記憶じゃ、昔のあなたはそこまで猜疑的じゃなかったはずだけど。 416_MOD: この基地、何だかおかしいわ。てっきり難攻不落だと思ってたのに、何もかもが想定とは違ってた。 UMP45_MOD: 状況は得てして想定とは異なるわ。 UMP9_MOD: あ、45姉!反逆を見つけたよ!閉回路テレビから確認できるよ、みんな無事でよかった! UMP45_MOD: 通信は届く? UMP9_MOD: これを使えばね! UMP45_MOD: トランシーバー? UMP9_MOD: その通り。基地の通信システムみたい。機密性は高くないけど、今そんなこと言ってらんないし! UMP45_MOD: 仕方ないわね。もしもし、聞こえる? AK-12_通信: あーあー、聞こえてる。こちら正規軍、身元を明かせ、オーバー。 UMP45_MOD: こちらUMP45。そんな冗談が言えるとは、新メンバーとは違って、随分と余裕のようね。 [注:AK-15とRPK-16が新メンバー……?] AK-12_通信: なんだ、UMP45じゃない。もう面会は果たしたのね、紹介する手間が省けたわ。 UMP45_MOD: 反逆の尻を二度も拭うことになるোয়になるなんて、私の人生も捨てたもんじゃないわね。 AK-12_通信: なにせ、普段の仕事は誇れたものじゃないものね。ここまで幸せな任務を遂行できるチャンスはそうないわよ。 UMP45_MOD: ガッカリした?てっきり、私の声が聞きたくて仕方ないのかと思ってたわ。 AK-12_通信: 指揮官じゃないのは少々残念だけど、急を要する事態なんだし、あなたで十分よ。 UMP45_MOD: フン、無駄口はよして。基地内の状況は?限りなく手短に教えて。 AK-12_通信: 地下2階でパラデウスの研究エリアを発見したわ。そしたら鉄血が押し寄せてきて、何もかもメチャクチャになったってワケ。 UMP45_MOD: それは知ってる。 AK-12_通信: 動力が切れたおかげで、2階の部屋に閉じ込められてる。 UMP45_MOD: アンジェは? AK-12_通信: 他のエリアにいるわ。少し困ったことになってるの。 UMP45_MOD: 敵に包囲されてるの? AK-12_通信: その方がマシだったかもね。筆舌に尽くしがたいわ。とりあえず、私たちをここから出してちょうだい。 UMP45_MOD: 動力を再起動するわ。座標を同期して、そっちに合流する。 AK-12_通信: 2階の信号遮断が酷すぎて、正確な位置の特定ができない。とにかく2階へ来て合流して。大丈夫、このエリアはそう広くないから。 UMP45_MOD: 何とかしてみるわ。 AK-12_通信: そうだ、フリーズしてる鉄血またはパラデウスに遭遇したら、近づかないこと。稼働停止してる理由はわからないけど、オブジェのように見えて、外界からの刺激で容易く恢復するわ。 UMP45_MOD: …… AK-12_通信: まぁ、潜入が特異なあなたたちのことだから、大した問題じゃないとは思うけど。 UMP45_MOD: 電源を起動できたらその場で待機して、すぐに向かうわ。 (通信終了。) UMP9_MOD: えっと…… Gr G11: あのさ……あたし、先に部屋を出てるから、その後で電源入れてくれる? 416_MOD: 何言ってんのよ、右の3つはあんたの担当だからね。 Gr G11: そんなにたくさん!? UMP45_MOD: 時間を無駄にしないで、防御位置につきなさい。動力を再起動した後は、このオブジェどもに殺し合いを続けてもらうわ。 (UMP45はジェスチャーで操作パネルの位置を示した。404小隊のメンバーは、それぞれ出口付近の位置へと移動し、45の動作を待っている。) UMP45_MOD: フー……準備はいい? (UMP45は操作パネルを分析し終えると、思い切り動力レバーを引いた。たちまち世界が明るくなる。警報とパイプの擦り合う鋭い音が、404の聴覚モジュールを刺激した。ネイトと鉄血は停止ボタンを解除した映画の如く、再び狂ったようにお互いを攻撃し始めた。) 場所:基地内_廊下 Gr G11: うわぁぁ――!本当に生き返った! 416_MOD: いいから!今のうちにここを離れるわよ! 再結晶分離Ⅰ > 基地内_廊下 UMP45_MOD: 私たちへの追撃を諦めたようね。 416_MOD: 目の前の敵に集中してくれて助かったわ。じゃなきゃ、あれだけの鉄血から逃れるなんて無理よ…… UMP9_MOD: どうしてああまでして戦ってるんだろう?あの部屋の人形、外部からのアクセスは受けてないはずだよ? UMP45_MOD: それって、誰もあの鉄血たちに命令してないってこと? UMP9_MOD: うん。あのネイトたちも……まだ未完成品みたいだったし…… UMP45_MOD: ここはもともと変なのよ。そんなことは放っておきましょ。9、イントゥルーダーの位置はまだ追跡できる? UMP9_MOD: うん。でもなんだか、一定の距離を保たれてるような気がする。何がしたいんだろ? 416_MOD: もう一度侵入するつもりとか?それとも、私たちを罠へとおびき寄せたいの? UMP45_MOD: ……鉄血の行動には必ず理由がある。それが脅威でなければ、まずは反逆とアンジェを探しましょう。次の階へのルートは予測できる? UMP9_MOD: あと3つ部屋を通れば入口に到着するよ……でも、イントゥルーダーがそのルート上にいるみたい。 UMP45_MOD: そんなにケンカがしたいんなら、受けて立つまでよ。小隊、警戒しながら前進! 偏極面粉砕Ⅰ > 場所:黒背景 (電流のように脳を走る痛みが、私を暗闇から呼び覚ます。この感覚は初めてではない。) 指揮官: ここは……どこだ? (目を開けるが、何も見えない。濃い硝煙が、鼻腔から頭のてっぺんへと突き抜ける。吸い込んだ空気に、肺を燃やされているかのようだ。周囲から感じられるものといえば、強い熱気だけだ。) 指揮官: 急性視力障害か?……クソッ。だが耳は無事だ。 ???: 指揮官、動かないで、呼吸を整えてください。こちらへ、時間がありません。 (鼻と口に冷たいタオルが当てられた。息苦しさがだいぶ楽になる。) 指揮官: 君は? ???: 貴方の人形です、体力を温存して下さい。 (拭えぬ暗闇の中、私は懸命に記憶を辿った。) 指揮官: あぁ――! (観点したような痛みと共に、記憶が蘇った。) 指揮官: あの音は……沿岸砲…… ???: 正規軍の高性能砲弾です。まだ動けますか?今起こします、私についてきて下さい。 (意識が徐々にはっきりしてくる。何も見えないが、大きな怪我は無さそうだ……) 指揮官: ああ……他のみんなは? ???: いきますよ。いち、にの、さん! 指揮官: ぐっ…… (彼女は何も言わず、必死に私を支えている。そのやせ細った方は厚く、まるで燃えているかのようだった。足取りは速いが、一歩一歩は極めて慎重だ。) ???: こちらへ。そうです、こっちです。申し訳ありません、車両内の火勢が激しく、見つけるのに手間取りました。ここです、ここへ掴まって飛び降りて下さい。下の者が貴方を受け止めます。 指揮官: 火事なのか?なら君は? ???: 大丈夫です。助けられる人がいないか、見てきます。 指揮官: 君は誰なんだ?名前を教えてくれ! ???: 貴方の人形の一人に過ぎません。指揮官はここよ!受け止めて! (その人形は私を軽く押した。私は無重力に不安を感じながら、下へと落ちていった。やがてその不安は、無数の腕にしっかりと抱き止められた。人形たちは私を持ち上げたまま、素早く移動してゆく。 (爆発音)―― さっきいた方向から、絶え間なく爆発音が鳴り響いている。) ???: どいて!カリーナはどこ?指揮官が見つかった、今すぐ治療を! ???: 指揮官さま!応答のあった人形部隊は全員撤退し終えました。 指揮官: この声は……カリーナ?ケガはないか? カリーナ: は、はい……平気です、私が見えないんですか? 指揮官: ごめん、目に問題があるみたいで、今は何も見えないんだ。 カリーナ: すぐに応急処置を、我慢してください。 指揮官: うん……部隊はどうなった?さっき私を助けたのは? カリーナ: …… (カリーナは沈黙したまま、ひたすら傷口の手当てをしていた。綿棒からその手の震えが伝わってくる。微かにすすり泣く声が聞こえた。) 指揮官: カリーナ?教えてくれ。 カリーナ: 高性能徹甲爆弾が列車に命中し……完全に爆破されました…… 私たちのいた隔離壁もその余波を受け、部屋全体が燃え上がったんです。私は突入してきた人形に運び出されました…… 瓦礫の下敷きとなったあなたを助けようと、何人もの人形が火の中に飛び込んでいきましたが、帰って来れなかった者が数名…… 指揮官: …… カリーナ: 指揮官さま、私たちは負けたんですか? 指揮官: …… (いつも前向きなこの子に、どう返事をすればいいか分からなかった。) カリーナ: ……処理完了しました。指揮官さま、目を開けてみてください。 (カリーナの声で、私は目を開いた……) 場所:戦場_火の海 (私たちは空き地に座っていた。周囲には生き残った人形たちがいる。多くの人形が弾片と火傷による傷を負っていた。何も言わずに、失望したかのような、茫然とした瞳で私を見つめている。見下ろすと、カリーナも同じ目をしていた。) 指揮官: カリーナ、さっき私を助けたのは誰だったんだ? カリーナ_臨戦態勢: 私にも分かりません、救出に向かった人形は大勢いたので。 指揮官: そうか……わかった。ダンデライオンは? カリーナ_臨戦態勢: 彼女は爆発によって反対側へ追いやられてしまいました。なんとか通信できている状況です。 指揮官: 通信機を。ダンデライオン、聞こえるか……現状を報告してくれ。 ダンデライオン_通信: 残っている人形の数は、全体の5%にも満たないわ。このまま戦闘を続ける? 指揮官: ……続けるよ。以前の計画はもう使えない。新しいプランはある? ダンデライオン_通信: グリフィンにはまだ勝ち目があるわ。可能性は百分の一に過ぎないけれど。 指揮官: 教えてくれ。 ダンデライオン_通信: 先ほど沿岸砲から我々の装甲列車へ砲撃があったけれど、AR小隊が大砲の制御権を奪還したわ。軍は即座に反撃するでしょうけど、一度だけなら使うチャンスはある。敵の装甲列車の座標を特定し、奴らにそっくりそのままお返ししましょう。 指揮官: カリーナ!反逆に軍の位置を観測するよう伝えて! カリーナ_臨戦態勢: はい、すぐに! ダンデライオン_通信: ここはもう持たない。404小隊はすでに反逆の撤退ルートを使って基地へと進入した。あなたもそのルートから中へ入るといいわ。基地へ侵入したら、入口を爆破して、少しは時間稼ぎになるはず。 指揮官: 分かった。遅延戦術が役に立つといいが。 ダンデライオン_通信: 人形の数は残り僅かよ。すでに最後のメンタルバックアップを完了させているわ。もはや、ここに残る意味はなさそうね。これからルニシアの援護に向かうわ。指揮官、どうかご無事で。 指揮官: ああ、必ず彼女たちを生かすんだ。君たちが生きてさえいれば…… 再結晶分離Ⅱ > 場所:沿岸砲 (……もう一方では。沿岸砲が全速力で稼働している。機械の騒音は外の銃声をも圧倒した。M4は最短時間で沿岸砲を制御できるよう、急いでコントロールシステムを調整している。進入に成功し、指揮官との通信を試みるが、帰ってくるのは騒音だけだ。) M4A1_MOD: ダンデライオン!聞こえる!?状況は? ダンデライオン_通信: ルニシア、指揮官は息ているわ。でも隔離壁はもはや防衛線としては使えない。グリフィンは一刻を争う状態よ。射撃準備は整った? M4A1_MOD: いつでもいけるわ!装弾状況は? AR-15_MOD_通信: あと15秒! M4A1_MOD: 指揮官たちに何かプランはあるの? ダンデライオン_通信: グリフィン部隊の被害は甚大よ。彼女たちは現在、404小隊のルートを辿って基地内部へ撤退してるわ。あなたたちの火力支援が必要なの。 M4A1_MOD: 了解、全力で援護する! AR-15_MOD_通信: M4!装填完了よ! M4A1_MOD: 射撃用意!座標はまだ? ダンデライオン_通信: 反逆小隊がマークした列車の座標を送ったわ。 M4A1_MOD: 了解!射撃開始! (巨大な沿岸砲は、ゆっくりと角度を調整し始める…… 大砲の轟音が、全ての音をかき消した。砲口の烈風による衝撃は、進攻中の兵士にまで及んだ。) 場所:黒背景 (兵士が巻き上がる砂埃に乗じて突撃を開始するも、AR小隊により幾度となく撃退される。) 無線からの声: アース、こちらクオーツ!敵が沿岸砲による攻撃を開始、即刻回避せよ!繰り返す!即刻回避せよ! エゴール_負傷: なにがあった!? 副官: 敵が沿岸砲を制圧し、現在こちらへ射―― (副官がそう言い終わらないうちに、沿岸砲から発射された砲弾が、装甲列車付近に落下した。着弾の衝撃により、装甲列車が左右に大きく揺れた。エゴールは振動によって壁に叩きつけられ、司令台にあった弾薬や書類が床へと散らばった。) 場所:移動作戦室 エゴール_負傷: 畜生!車両を起動しろ!ここの盾ではあの口径の砲弾は防ぎきれない! 将校: はい!すぐに! 場所:沿岸砲 ダンデライオン_通信: 外れたわ。正規軍の列車が動き始めた。 M4A1_MOD: 今調整してる……これでもう逃げられない! 場所:黒背景 (軍の走行列車がゆっくりと動き出す。すぐに沿岸砲から2発目の砲弾が発射され、うなりを上げて列車の最後尾に直撃した。慣性により走行し続ける車両内部で爆発が起きた。主砲はそれによって空中に投げ出され、地面へと落下し巨大な泥沼を作った。車体は大きく燃え上がり、次から次へと兵士たちが車内から飛び出した。) 副官: 4号車が爆破されました! エゴール_負傷: チッ!全速力で隔離壁へ向かえ、全部隊強行せよ!グリフィンの廃墟を突破しろ!どんな対価を払ってでもグリフィンを殲滅する!クオーツ、こちらアース、今すぐ沿岸砲を破壊しろ!繰り返す!今すぐ沿岸砲を破壊しろ! 場所:沿岸砲 M4A1_MOD: 現在の状況は? ダンデライオン_通信: 2発目が軍の装甲列車に命中したわ。 M4 SOPMODⅡ_MOD_通信: ここからも見えるよ!まるで花火みたい!バーンって打ち上がった! AR-15_MOD_通信: 砲弾はまだ十分あるわ、このまま射撃可能よ! M4A1_MOD: 分かった、このまま指揮官を支援する!RO、敵はまだ攻撃してきてる? RO635_通信: 変です、歩兵の攻勢が弱まりました…… 嫌な予感がします……! (ROがそう言い終えると同時に、人形たちは頭上から爆発による振動を感じた。) RO635_通信: 沿岸砲の奪回は無理と判断し、破壊するつもりです!すぐにここを離れましょう、大砲が落ちればここも崩壊します! M4A1_MOD: 持ちこたえて!一発でも多く撃てば、指揮官への脅威はその分弱まる! AR-15_MOD_通信: 賛成よ。この沿岸砲はかなり頑丈そうだし、もう少し持ちこたえられるはず! ダンデライオン_通信: 軍は強攻を始めた。先頭部隊はすでに隔離壁を越えたわ。グリフィンの部隊に近づいて行ってる。 M4A1_MOD: 砲弾の角度を調整して、なんとしてでも指揮官の撤退のチャンスを稼ぐのよ! M4 SOPMODⅡ_MOD_通信: ほんっとムカつく!まるで髪にくっついたガムだね、どう引っ張っても落ちないなんて! M4A1_MOD: RO、SOPⅡを連れて基地への進入ルートを確保して! RO635_通信: 了解。SOPⅡ一緒に来て! 場所:黒背景 M4A1_MOD: 15、もう少し持ちこたえましょう!せめてあと一発だけでも! AR-15_MOD_通信: 了解よ! 偏極面粉砕Ⅱ > 場所:戦場 (……グリフィン部隊撤退途中。) 指揮官: みんな早く!もう退くんだ、基地に入ってからまた反撃すればいい! (指揮官と生き残った人形たちが、空き地を狂奔する。反逆小隊の新メンバーも、意識を失っている「K」を背負って、撤退の列に入った。 [注:シリアスなシーンなのに絵面が面白いのズルいだろ……] そう遠くない場所では、軍の兵士と自律人形が、隔離扉から押し寄せてきている。掩体内に入り込んだ兵士は、すぐさま彼女たちめがけて激しい射撃を行った。沿岸砲による砲火が軍の先鋒に命中した。巨大な爆発は装甲車をいくつも転覆させ、硝煙は軍の視野を遮った。それにより、グリフィンは貴重な撤退時間を獲得することができた。) ダンデライオン_通信: 指揮官、聞こえる?ルニシアの方はもう限界よ、さっきの砲弾が最後の支援となるわ。 指揮官: 分かった、支援に感謝する! ダンデライオン_通信: でもこれでは軍を阻止できたとは言えない。基地の入口を爆破して、彼らの進行を阻むのよ。私はAR小隊を引き連れ、もう一つの入口から合流するわ。 指揮官: 了解!入口を爆破する方法を考える。 ダンデライオン_通信: 余裕がないわ。爆発物の準備にも時間がかかる。軍の先鋒は猶予なんて与えてはくれない。最後尾の部隊を犠牲にして時間を稼ぐのよ。 指揮官: な…… ダンデライオン_通信: 難しい決断であることは分かっている。でも迷っている暇はないわ。すでに殿任務に名乗り出る人形を選出した。最終判断はあなたに任せるわ。 指揮官: ……クソッ! (必要な決断であることは十分理解している。だが殿任務の人員を選べと言われた時…… たとえ迷うなと言われても、申し訳なさと悔しさの念が、有無を言わさず胸へとこみ上げてくる。) FI M82: 指揮官様、私は比較的形象です。殿任務に参加させてください! CF-05: 指揮官、わたしもまだ戦えるよ! INSAS: 指揮官、こっちも全く問題なしだ! ウェブリー: 指揮官、皆さんのことは、このわたくしにお任せを。 (指揮官は足を止め、自ら殿任務を買って出る人形たちを見た。) 指揮官: この命令が何なのか分かってるのか?この状況下での殿任務が何を意味するのか、本当に…… FI M82: 分かっています……ダンデライオンさんから、任務の詳細を同期して頂きました。 [注:そういえば、この時点ではダンデライオンの存在は秘匿されてないのか。] CF-05: わたしたちが敵を食い止めれば、指揮官は勝てるんだよね…… [注:では、未聞の花言葉で秘匿されているのはなぜだろう?] ウェブリー: そして、グリフィンは戦い続けることができる…… [注:???「戦術人形の戦いに敗北は無い。勝つか、死ぬかだけだ」] 指揮官: …… ウェブリー: 指揮官、どうぞご命令を! (だがどうしても、その命令を口にできない。結局、私は無言でうなずくことしかできなかった。) 指揮官: 君たちと共に戦えたことを、光栄に思う。 [注:指揮官が童貞を卒業する時が来た。] ウェブリー: わたくしもです、指揮官!必ず任務を果たしてみせます。 (小柄な人形は背筋をピンと伸ばし、私に向かって厳かに敬礼した。背後の強敵など、取るに足らないとでもいうように。) FI M82: 指揮官様、さようなら。 INSAS: 泣くほどあたしが恋しいのはわかるが、ここは行かせてもらうよ。 CF-05: バイバイ、指揮官。 (殿小隊は躊躇うことなく、ダミーを引き連れて、軍の方へと走って行った。残り少ない遮蔽物を盾に、敵への反撃を開始する。) 指揮官: 君たちと共に戦えたことを、光栄に思う……! (彼女たちの背中に向かって、私はもう一度叫んだ。――そして踵を返し、足を踏み出して走り出した。振り返る勇気なんてない。彼女たちのためにも、私は生き延びなくては。……そして、最後の勝利を手にしなくてはならない。) 不斉誘導Ⅰ > 場所:戦場 (軍の濃密な弾幕に対し、非力な殿小隊の損傷状況は酷い有り様だった。) ウェブリー: 損傷した人形は掩体にて修復を、その他の人形は援護を頼みます!INSAS、そちらの状況は? INSAS_通信: フン、自分の心配でもしてな、こっちの…… ((爆発音)) ウェブリー: ……INSAS? (CF-05は首を横に振った。) ウェブリー: …… 攻撃を続けて!動きを止めないで!バルメ、まだここにいらしたのですか?パーツが零れ始めているから、先に直すようお伝えしたはずですが!? FI M82: やめてください、隊長。そんなこと言って、戦闘中にサボってたってことにするつもりなんでしょ…… ウェブリー: …… CF-05: おーい!誰か弾薬持ってる?弾が切れた! ウェブリー: 最後の一箱です……受け取って! FI M82: 私も弾切れです…… ウェブリー: ここまでですか…… CF-05: そう落ち込まないで、娘ちゃんたち!指揮官と約束したからには、最後の最後まで戦うよ! (…… 傷だらけの殿小隊は、最後の一発を放った。) ウェブリー: 皆さん、集まってください。 FI M82: 隊長、何ですか? ウェブリー: これを。こっそり持ってきた爆薬です。使い方は、分かりますわね。 FI M82: もちろんです。 CF-05: 雷管を詰めればいいんだよね。 ウェブリー: はい。砲弾の穴に隠れ、敵が来るのを待つのです。最後に言い残すことは? FI M82: なんですかそれ、今からでも有給の申請を受け付けてくれるんです? CF-05: 食糧ある?わたし辛いのが食べたい。 ウェブリー: この状況でまだ冗談が言えるなんて。その涙は嘘のようですわね。 CF-05: 自分だって、目が赤くなってるくせに。 FI M82: 何言ってるんですか、隊長だって震えてるじゃないですか。 ウェブリー: オホン。最後に、指揮官の言葉をお借りしようと思います。貴方たちと共に戦えたことを、後衛に思いますわ。 FI M82: また始まった。 CF-05: 戻ったらご飯奢ってよね。 (二人は遠くの塹壕まで歩いて行った。敵もすぐに二人に追いつく。敵との距離を算出する必要はなかった、なぜなら……すでに敵の足音が聞こえていたからだ。やがて2つの爆発音が鳴り響く。ウェブリーは溜息をついた。) ウェブリー_大破: 神よ我らが王を守りたまえ、君に勝利を、幸福を、栄光を。 場所:黒背景 (3つ目の爆発音が鳴り響いた。) 場所:パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 (隔離壁の観察地点。) RPK-16: 殿部隊が突破されました。 指揮官: …… AK-15: 爆破する? RPK-16: 全人形が基地へと入りました。指揮官様、ご指示を。 指揮官: 爆破だ。入口を徹底的に破壊するんだ。 AK-15: 了解。 (基地の入口に、爆破された瓦礫が積み重なる。この入口は完全に破壊された。) 場所:パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 エゴール_負傷: ヘマタイト、こちらアース、状況はどうだ。オーバー。 正規軍将校_通信: こちらヘマタイト、防衛線を突破した。グリフィンの残党により基地入口は破壊された。現在他の進入ポイントを探索中。 エゴール_負傷: フン、死に際の足掻きか。アースからクオーツへ、状況を報告しろ。 正規軍将校_通信: 沿岸砲を破壊した。敵は火力支援を行えない。攻撃停止を要請する。負傷者が多過ぎる。一旦後送し、その後隔離壁の突破口から基地へと進入する。 エゴール_負傷: 攻撃の手を緩めるな、今すぐ隔離壁へ突入しろ!一刻も早く基地を制圧するのだ! 正規軍将校_通信: …… 了解、行動開始。 場所:戦場 (一方、AR小隊。) M4A1_MOD: 敵の攻勢が弱まった。早く基地へ戻って指揮官たちと合流しましょう。 AR-15_MOD: でもまだ装甲部隊が辺りにいるわ。合流したところで、敵に包囲されるのがオチよ。 RO635: ですが、ここで死を待つわけにもいきません。 M4 SOPMODⅡ_MOD: そうだよ!どうせ死ぬなら、悪党を何人か巻き添えにしないと……! M4A1_MOD: ダンデライオン、軍の装甲ユニットの数が多すぎて太刀打ちできない。基地へと撤退中よ。指揮官の方の状況はどう? ダンデライオン_通信: グリフィンは基地内部へと撤退したわ。南口を爆破したから、軍は今のところ襲っては来れない。それよりも、あなたたちのいる場所の方が危険よ。軍の主力がそちらの装甲部隊を合流しつつある。 M4A1_MOD: 彼らが見えたわ…… ダンデライオン_通信: まだ気づかれていない。軍を迂回して北口へ向かって。そこで落ち合いましょう。 M4A1_MOD: 軍が合流したら、また攻撃を仕掛けてくるはず。何か手立ては? ダンデライオン_通信: 私を信じてくれるなら、方法はあるわ。 M4A1_MOD: どんな方法なの? ダンデライオン_通信: 私のもとに来てちょうだい。ルートは送ったわ。まずは会いましょう、話はそれからよ。 M4A1_MOD: …… 軍を迂回してそちらへ向かうわ、アウト。 収録範囲: 大型イベント「偏極光」 後半(真相と反撃) 光学異性体 > 場所:扉_緑 ダンデライオン: 思っていたより早かったわね、さすがはAR小隊。 M4A1_MOD: 軍はもう合流して攻撃態勢に入ってる。それで、あなたの言ってたプランは? RO635: 話の邪魔をしてすみませんが、M4、今さっきネイトと鉄血の信号を探知しました。 M4 SOPMODⅡ_MOD: ま~たネイト?ま~た鉄血なのぉ?どっちを殺せばいいのさ。それか、どっちもやっちゃう? AR-15_MOD: ……どっちもやらないで。 M4A1_MOD: つまり……これがあなたの計画なの? (ダンデライオンはすぐには答えず、M4を連れて扉の方へと向かった。) ダンデライオン: 今からあなたのメンタルと私の意識をシンクロさせるわ。私の演算を全面的に支援し、尚且つ私の行為に疑問を持たないでもらいたいの。 M4A1_MOD: ……うん。 場所:基地内_廊下 (ダンデライオンはゲートのパスワードを解除した。重い扉がゆっくりと開く。M4の目の前に現れたのは、基地の奥底に密集するネイトと鉄血だった。) M4A1_MOD: …… M4 SOPMODⅡ_MOD: あれ……こいつら、なんで動かないの? ダンデライオン: M4、私を信じてくれる? M4A1_MOD: それについては、もう答えたと思ったけど。 ダンデライオン: いいえ。私が聞きたいのは、心から私を認め、私を理解し、私を恐れないかどうか。 [注:面倒くせぇなこいつ!] M4A1_MOD: …… どう答えればいいか分からない。 ダンデライオン: それも一つの答えね。 (M4は、ダンデライオンがオブジェのような人形たちにアクセスし始めているのを感じた。膨大な演算量に、彼女の胸も熱を帯び始める。ダンデライオンは、ゆっくりとネイトの方へと歩いていった。距離が縮まるにつれて、前方のネイトから徐々に目覚めてゆく。続いて、ネイトを取り囲んでいた鉄血人形たちも一斉に両目を見開いた。暗闇が緋色に染まる。) ダンデライオン: ついて来ないで。 (ダンデライオンはネイトの敵意を歯牙にもかけず、まるで人のいないところに立ち入るかの如く、落ち着いた様子のまま歩を進めた。) AR-15_MOD: M4…… RO635: 本当に大丈夫なんでしょうか? M4 SOPMODⅡ_MOD: あのネイトと鉄血を、みんな呼び覚ますつもりなの? M4A1_MOD: 分からない、全く分からないわ。 (ネイトが腕を上げた。横にいた鉄血人形が、すぐさまダンデライオンめがけて発砲する。弾はダンデライオンの足元に当たった。威嚇の意図は明白だった。) ダンデライオン: どうか怖がらないで、一緒に家に帰りましょう。 (ダンデライオンは両腕を広げ、ネイトへと近づいてゆく。ネイトの手が震えている。彼女はそれでも次の指示を下した―― 彼女の周りにいる鉄血人形が、一斉に武器を構えた。) M4A1_MOD: ダンデライオン! ダンデライオン: 来ないで! M4A1_MOD: ……! (ダンデライオンは再びネイトへと近づいた。ネイトを取り囲む鉄血たちも、にわかに震え始める。) ダンデライオン: 彼女たちはここに閉じ込められていたの。ここを離れる唯一の希望が差し込んだというのに、再び閉じ込められてしまった。 M4A1_MOD: どういうこと?あれは味方じゃないの?! ダンデライオン: かつてAR小隊であった者の仕業よ。 M4A1_MOD: まさか……M16? ダンデライオン: ……私と融合しましょう。 (ダンデライオンはネイトを抱きしめた。ネイトは戸惑いながらも手を伸ばし、同じように彼女を抱きしめる。黒衣の少女たちは、あたかも影が夜に溶け込むかのように、強く抱きしめ合った。背後にいたネイトと鉄血が群れを成して倒れ、そして起き上がった。やがて全員が、基地のゲートへ向かって歩いてゆく。) AR-15_MOD: M4……これは…… M4A1_MOD: 15、大丈夫。もはや彼女たちに敵意はないわ。 (鉄血を引き連れたネイトたちは、唖然とするAR小隊の横をすり抜け、基地の外へと向かって行った。) ダンデライオン: 行きましょう、彼女たちが時間を稼いでくれる。 M4A1_MOD: あなた……彼女たちのメンタルを取り込んだの? ダンデライオン: 融合しただけよ、彼女たちと一体になったの。 [注:ダンデライオン第二形態] グリフィンの人形だろうと、可哀想なネイトだろうと、私はただ、生き続ける資格を与えているだけ。 M4A1_MOD: 生き続ける…… ダンデライオン: 融合が必ずしも間違いだとは限らない。受容と自我の確立は完全に矛盾しているわけじゃない。ルニシア、あなたがもたらせる変化はもっと大きいわ。その時が来たら、どうか拒絶しないでほしい。 M4A1_MOD: …… ダンデライオン: 早く指揮官たちと合流しましょう。あの人形達も長くは持たない、すぐにでも基地内で準備を整えなければ。 M4A1_MOD: ええ……出発しましょう。 場所:黒背景 (小隊は基地内部へと向かった。基地へと入る前に、M4は振り返ってネイトの後ろ姿を探した。彼女たちの漆黒のスカートが太陽に照らされ、柔らかな光芒を放っている。 [注:さっき(鉄血パート)まで結構強めに雨降ってなかった?] 敵であるはずなのに、目の前の少女たちの姿は、なぜだか見る者に懐かしさと哀れみを感じさせた。だがもう後戻りは出来ない。M4は視線を逸らした。彼女には分かっていた。あの漆黒の少女たちも、終いには血の色に埋もれるであろうことを。) 結晶再構 > 粉砕Ⅰ > 場所:黒背景 M16A1: 最後に言い残すことはあるか?この裏切り者が。 場所:UMP45を制圧するM16A1 UMP45: (あともう少し……) M16A1: なんだ、まが足掻く気か? UMP45: ……どっちが裏切り者なんだか。 M16A1: それがお前の遺言か?さらばだ、UMP45。 UMP45: (今よ!) 場所:基地内 (基地内部、地下2階。) UMP45_MOD: うっ…… (警戒しながら進んでいたUMP45は、突如バランスを崩し、壁に手をついた。即座に小隊メンバーが周囲を警戒し始める。) UMP45_MOD: (クソッ、気づかれた……) (強制侵入のデータフローが増加し始めてる。) (でもどうしてメンタル権限を直接奪おうとしない?なぜあの時の記憶を読み取ろうとするの?) UMP9_MOD: 45姉、大丈夫!? UMP45_MOD: だ……大丈夫よ…… 416_MOD: 全然大丈夫じゃなさそうだけど。 Gr G11: なんか、今日はよく故障してない? 416_MOD: いいから背後を見てなさい。 Gr G11: ハァ……分かったよ…… 416_MOD: 制御性能が低下してるわよ。また強制侵入が始まったのね? UMP45_MOD: フン……そもそも止まってないわよ…… UMP9_MOD: うそ!?なら、わたしが今すぐ助けてあげる! UMP45_MOD: 必要ないわ、この程度じゃ防壁は破れない。それに向こうは奇妙な方法で強行アクセスを維持してる。 UMP9_MOD: え?それって大丈夫なの?前みたいに、直接ポートを閉じちゃうのは? UMP45_MOD: ダメよ。侵入を逆手に取って、敵の位置を追跡してるから。相手のバックドアは突破したわ。向こうも気づいてるでしょうね。だから攻撃を強めてきた…… 416_MOD: 何よそれ、あんたの進入に気づいているんなら、アクセスを断てばいいだけの話じゃない。 UMP45_MOD: それが面白いところなの。相手もこちらと同様、断つのが惜しいみたいね。 UMP9_MOD: なんでだろう? UMP45_MOD: 簡単よ。お互い、相手のメンタルから何かを見つけ出そうとしてる…… これはチャンスよ、相手は私たちの進行方向にいる。メンタルのハッキングに成功すれば、何か重要な手がかりを得られるかもしれない。次に何が起こるか分からない状況が、一番危険だからね。 UMP9_MOD: それはそうだけど……じゃあ、わたしも演算を手伝うよ。 UMP45_MOD: 信号源が汚染されてる可能性がある。ウイルスが潜んでる可能性だって…… 416_MOD: そんなこと言ってる場合?あんたが危険でない任務を引き受けた試しがあった?9、今すぐアクセスしなさい。できれば一気に相手を片づけるのよ。 UMP9_MOD: オッケー!45姉、アクセスしたよ! UMP45_MOD: まったく、仕方ないわね……ウイルスを察知したら、すぐに切断するのよ。 UMP9_MOD: わたしに任せて、45姉! 混合 > 場所:黒背景 (……) UMP45_MOD: アクセスが中断された…… 416_MOD: やっと一息つけるわね。 UMP45_MOD: 相手のメンタル内の情報は入手できた? UMP9_MOD: うん、45姉に言われた通り。でも…… UMP45_MOD: でもなに? UMP9_MOD: 最後にスキャンしたログから見ると、相手のいるエリアに、少なくとも数十体のサンプルとパラデウスに近い信号があるみたい…… あ、違った。ネイトに近い信号か。 UMP45_MOD: 敵がいるってことは、そこで間違いなさそうね。大方、アンジェもそこに閉じ込められてるんでしょ。 416_MOD: ちょっと待って、数十体のネイトですって?過去の経験からして、ネイト1体につき少なくとも数十体のパラデウスを引き連れているはずよ。 UMP45_MOD: 奪ったメンタルデータから、他のユニットは確認されていない。パラデウスは全員死んで、ネイトだけが残ったのかもね。 416_MOD: ネイトだけって……ネイト1体でも十分骨が折れるわよ。ましてや数十体だなんて。 UMP45_MOD: その通りね。だから先にアンジェに行き着くルートを探し出しさないと。 416_MOD: 本気なの?パラデウスの残党がいるかもしれないのよ。強攻に適した部隊が来るのを待つべきだと思うけど。最低でもAR小隊とか。 UMP45_MOD: 通信が妨害されてるの。悪いけど、ひとっ走りして呼んできてもらえる? 416_MOD: さっきの進入で、ロジック演算モジュールでもイカれたの? UMP45_MOD: あなたに心配される筋合いはないわね。命令に従いなさい。 [注:命令] (416は振り返ってUMP9を見た。UMP9は仕方なしに首を振る。 [注:AR小隊を呼んでこい⇒× アンジェと合流する⇒○]) 416_MOD: ……了解。 場所:扉_緑 (数分後。周囲を偵察していた404小隊は、封鎖された隔離扉の前へとやってきた。) 416_MOD: 周囲の通路はどれも行き止まりよ。隔離扉がすべての道を塞いでしまっている。ダンデライオンがマークした区域に、ジャミング源へとたどり着けるルートは一つも無いわ。 UMP9_MOD: ダメ、45姉。やっぱり反逆の信号を拾えないよ……っていうか、何の信号もない。たぶん、反逆のいるエリア全体が、電磁波によって遮断されてるんだと思う。 UMP45_MOD: さっきの攻撃で怖気づいたのかしら?唯一の手がかりが途絶えるなんて、困ったわ。 416_MOD: あそこで侵入を止めてなかったら、メンタルコアを取り換える事になってたでしょうね。まぁ、換えるチャンスがあればの話だけど。 UMP9_MOD: 45姉、これからどうする?思うに、ここの施設にはジャミング専用の設備があるんだと思う。スキャンも通信もできなくなっちゃった。 UMP45_MOD: 予想していたわ……異性体がここから運び出されたのなら、ここはアンジェの言ってたロクデナシの実験室に違いないわ。そう簡単に入れるとは思わないことね。ジャミング設備が見つかれば、あるいは…… 416_MOD: 指向性ECCMかしら……反逆がここに閉じ込められたのは、ビンゴだったってことね。 UMP45_MOD: ビンゴカードみたいに、穴だらけになってないといいけど。指向性ECCMなら、装置はジャミングエリアの外ね。でなければ、アンジェがとっくに自分で爆破してるはずよ。 UMP9_MOD: でも、ジャミング設備なんて、どこにあるんだろう? UMP45_MOD: 良い質問ね。二手に分かれましょう。第1チームは実験エリアに入る方法を探る。第2チームはジャミング設備を探す。 416_MOD: 姿かたちも分からないジャミング設備は置いといて、実験エリアにどう進入するつもりなの?まさか、幽霊になって壁をすり抜ける、なんて言うんじゃないでしょうね? UMP45_MOD: 爆薬を全部注ぎ込めば、扉を破壊できるかしら? 416_MOD: 普通の壁なら十分だけど、さすがにこれは…… (416は隔離扉の表面を叩いた。くぐもった音が扉の中から聞こえてくる。) 416_MOD: 明らかに均質な鋼板で作られた防爆扉ね。少なくとも500mmの厚さはあるわ。今ある爆弾が3倍に増えたところで、爆破は無理よ。 UMP45_MOD: …… UMP9_MOD: もしかしたら……他にも道があるかも? 416_MOD: このエリアはそんなに広くないわ。中に入れる道があれば、とっくに見つけてるはずよ。 UMP9_MOD: じゃあ……もう方法はないってこと? 416_MOD: こうなったら、指揮官の援助に戻るべきね。さっきもの凄い爆発音がしたわ、かなりヤバそうよ。 UMP45_MOD: 私たちには私たちの任務がある、まだ諦めるわけにはいかない。地図にこのエリアが記されているということは、必ず中へ続くルートがあるはずよ。私と9で入口を探してみるわ。あなたとG11はジャミング設備を探して。行動開始。 416_MOD: フン…… (416は武器を足元に置くと、びくともしない隔離扉に寄りかかり、腕を組んでUMP45を睨みつけた。) UMP45_MOD: 命令が聞こえなかったの? 416_MOD: その無鉄砲な計画が命令だと言うのなら、聞こえてないわね。 UMP45_MOD: 問題解決の最善プランについては、もう伝えたわよね? 416_MOD: 最善プラン?生計を立てるために、ハイリスクハイリターンな任務に就くのはまだわかる。闇の中でなら、あんたはいつだって敵を出し抜くことができた。不満はあれど、あんたの臨機応変さには敬服せざるを得ないわ。でも今のあんたを見てみなさいよ。私たちに一体何をさせようと? UMP45_MOD: 以前と同じよ。任務を遂行して欲しいだけ。 416_MOD: 違うわ。あんたは私たちに自滅しろと言ってるの。敵うはずもない敵に立ち向かえとね。忘れないで欲しいわね。私たちはAR小隊みたいに打たれ強いわけじゃない。暗がりから静かに敵を葬る事しかできないの。狭い空間で十数体ものネイトに立ち向かえですって?それも二手に分かれて?今までとは何もかもが違う。あんたの下した判断とは思えないわね。 UMP45_MOD: なによ。エリート人形のくせして、敵が怖いの? 416_MOD: エリート人形だからこそ、違和感を感じるの。どんなに熾烈な戦いだろうと、私は自分の力で危機を乗り越えられる。でもあんたは違う。UMP9も、それにG11だって。あんたたちはただの改造を施された民生用人形。まさか、AR小隊と行動を共にしたからって、自分たちまで不死身にでもなったつもり? UMP45_MOD: …… 416_MOD: たった今残りたいと願った小隊が、数分後にはスクラップになってるなんて、勘弁してほしいわ。 UMP9_MOD: ……416。 Gr G11: ちょ……ちょっと、こんなときにケンカ? UMP9_MOD: 怖がらないで、大丈夫だから。 UMP45_MOD: フン……怖気づいたってわけね。もし怖いんなら、今すぐ立ち去ったらいいわ。AR小隊に入るもよし、戻って指揮官を援護するもよし。借りはもう返してもらったし、ここに残る必要はないのよ。 416_MOD: つまり、何があってもここに入る気なのね? UMP45_MOD: アンジェがまだ中にいるわ。彼女を助ける。それが私の任務よ。 416_MOD: いいえ……アンジェのためなんかじゃない。推測が正しければ……昔行動を共にしていた人形のためよ。あんたのメンタルの欠片はもう見たわ。アンジェやグリフィンを助けるのは、あの時の…… 9とは違う、あんたと同じモデルの人形のためなんでしょ、違う? UMP45_MOD: こんな時に昔話だなんて、少々場違いじゃない? 416_MOD: 話を逸らさないで。 UMP45_MOD: あなたの話がバカげてたから、つい。 416_MOD: それでも聞いてもらうわよ。当時の事は思い出したくないわ、私にとって屈辱でしかないもの。あんたのせいで部隊を追い出された屈辱。あんたのせいで生半可な部隊に入らなきゃならない屈辱。出来る事なら、1ミリたりとも思い出したくないわね。私はただ聞いておきたかっただけ、私にこれほどの屈辱を与えた人形に、そのワケを。私はただ、私を泥沼に突き落としたクソ野郎に、その代償を払わせたかっただけなのよ。 UMP45_MOD: それで、我らがエリートお嬢様は、一体何が言いたいのかしら? 416_MOD: でも、多くを経験してやっとわかったの、理由なんてどうでもよかったんだって。すでに何もかも変わってしまった。理由を知ったからって、何が変わるっていうの?私にとって、過去はもう何の意味も持たない。意味があるのは、今と未来だけよ。どんなに追い求めたって、失ったものは戻ってこない。今の仲間を思いやる気持ちがあるなら、これまでみたいに、よく考えてから行動してほしいわね。 UMP45_MOD: あなたはあなた、私は私よ。 416_MOD: 何が違うっていうの!?私たちは皆、もうあの時の人形には戻れない!私たちはもう存在しない人形なのよ、だから404なんじゃない! UMP45_MOD: 違う……私たちは存在しない人形なんかじゃない。存在を消し去られた人形よ。あなたは幸運にも生き残った……幸運にも経験せずに済んだ…… でも他の人形はみんな死んだの。人間たちもみんな死んだ。みんな死んだのよ!そして私だけが生き残った…… それが何もかも全部……無かったことにされてる……あの人形たちは、存在してなかったとでも言うように…… 416_MOD: だから何よ!人間も人形も、死んだら二度と戻らない!でも生きているのなら生き続けなきゃならないわよね!?生きてる人が、死んだ者のために死にに行くっていうの!? UMP45_MOD: うるさい!あんたに何が分かるのよ!あの任務に参加してないくせに、私の気持ちなんて永遠に分かるわけない!私の仲間、私の友達、私の周りの全てが死んだ!あんたの言う通りよ、私はエリートなんかじゃない。私はゴミみたいな性能の消耗品でしかない!あの時彼女が言ったわ。人形だって、自分のために生きることが許されてもいいはずって!だからよく聞きなさい! 416_MOD: …… UMP45_MOD: 理由?理由なんて知りたくもない。あえて言うなら、彼女たちがあそこで死んでいい理由なんて無かった!この全てを引き起こした奴に、代償を支払わせてやるのよ!あの任務から逃げおおせた時も、あなたたちを招集しチームを結成した時も、アンジェとグリフィンを助けた時だって、私の目的は変わらない。少しも、ちっとも、何ひとつだって変わっちゃいない! (UMP45は416の横の隔離扉を強く叩いた。重苦しい反響が静かな通路内を伝わってゆく。416は何も聞こえなかったかのように、UMP45を睨みつけている。) UMP45_MOD: たとえ中に何十体、何百体のネイトがいようと、たとえ残ったのが私一人だろうと、素体だけになろうと、私は中に入るわ。確かに中の状況は何ひとつ分かってない。前みたいに完璧な作戦を立てて行動するのは無理よ。唯一分かってるのは、もしここで足を止めたら、これまでの努力が何もかも無駄になるってことだけ。この全てを引き起こしたロクデナシが、最後まで笑っていられるなんて、そんなの絶対に許せない! 416_MOD: …… あんたが死に急ぐ理由は十分伝わったわ。 UMP45_MOD: それで答えは? 416_MOD: そんなに死にたいのなら、止める理由は無いわね。 UMP45_MOD: 分かればいいのよ。 416_MOD: 中の脅威は外とは比べ物にならない。ジャミング装置は9とG11に任せて、私とあんたでルートを探すわよ。 UMP9_MOD: え?でも? 416_MOD: あんたは電子戦人形よ。ネイトに遭遇すれば勝ち目はない。外で長所を発揮してたほうがまだマシね。 UMP9_MOD: でも、もし45姉がまた強制侵入されちゃったら…… UMP45_MOD: 大丈夫よ、9。416ならそう言うと思ったわ。こちらのエリート人形さんとやらも私と同じね。頭がどうかしてるのよ。イカれた者同士、お似合いだとは思わない? 416_MOD: さっさと行くわよ。 Gr G11: その、会話の邪魔するつもりはないんだけど、なんか上から物音がするよ…… (404は動きを止めた。静かな通路に聞こえるのは、衣服の擦れる音と、遠くにある発電機の低周波音だけ。) 416_MOD: 何も聞こえないわ。まさか、こんな古びた基地で幽霊騒ぎ? Gr G11: お……お……脅かさないでよ…… (天井の「ドンドン」という音が次第に大きくなってゆく。突如照明が消え、404の緊張感が高まる。) 場所:黒背景 UMP45_MOD: 敵襲、暗視モードへ切替、周囲に注意。 (404は警戒し銃を構える。「ドンドン」という音が消え、404が警戒を緩めようとしたその時、頭上から突然爆発音が聞こえた。) UMP45_MOD: 伏せて! (低い天井に穴が開いた。G11が頭を押さえながら瓦礫を避けていると、一つの黒い影が瞬時に彼女を穴の中へと連れ去った。) Gr G11: うわぁ!何かに捕まった!助けて416!!! UMP9_MOD: どうしよう、G11が天井に引き摺り込まれちゃった! 416_MOD: ……どういうこと、銃が撃てない! (人形たちがG11を救出しようとしたその時、自分たちの身体が動かないことに気づく。) UMP45_MOD: まただわ…… 異性体?それともM16? (停滞は長くは続かなかった。数秒後、人形たちが制御を取り戻す。) 場所:扉_緑 UMP9_MOD: う……動ける…… 416_MOD: 急いで!9!私を持ち上げて! UMP9_MOD: わ……分かった!よい、しょ!!! 416_MOD: 上は通風ダクトだわ……ダメ……挟まった、この穴、狭すぎよ! UMP9_MOD: わたしが試してみる……あ、ダメ……わたしまで挟まっちゃった。 UMP45_MOD: 私がやるわ……入れるみたい。 [注:不思議ですねぇ~] どうりでG11を選んだわけね。となると、相手の体格もたかが知れてるわ。 (45は懐中電灯を点け、コードが複雑に走るダクト内をチェックした。遠くからG11の泣き声が聞こえる。) UMP45_MOD: そう遠くへは行ってない、まだ信号は拾える。それに……連れ去られたこの方向。もしかしたら、ここから遮蔽されてる区域に入れるかもしれない。ダクトから追うあ、二人は手分けして入口とジャミング設備を探して。 UMP9_MOD: 45姉だけでG11を探しにいくの?もし待ち伏せされてたら…… 416_MOD: 爆薬で穴を広げるわ、一旦降りて。 UMP45_MOD: 爆薬はいざという時のために取っておきなさい。待ち伏せがあるってんなら、何人行っても同じよ。それに何かあっても、私一人のほうが色々と融通が利くしね。 UMP9_MOD: それなら仕方ないね…… 416_MOD: 上へ送るわ。……必ず二人で戻ってくるのよ。 余熱Ⅰ > 場所:黒背景 (……) UMP45_MOD: なんて狭いの……待ち伏せされてたらお終いだわ。まさか、同じことをもう一度やるハメになるとはね。通期抱くと何て、二度と通らないと思ってたけど…… [注:一回目はいつだっけ] ん?あれは、光? (45はダクトを抜け、そっと地面に足をついた。) UMP45_MOD: 指向性ECCMか、何も感知できないわね。ここはどこなの? 場所:基地内_廊下 (45は清潔な部屋の中に立っていた。広々とした空間に、いくつかの液体タンクがぶら下がっている。) UMP45_MOD: 実験室?……やっぱり、異性体はここから来たんだわ。このエリア、予想以上にキレイね……他にパラデウスはいないみたい。さて、G11はどこかしら。それにしても、なぜ人形を連れ込む必要が?あのタイミングなら、私たちを倒すことだって出来たはずなのに。 (実験室はがらんとしている。襲撃してくると思われたネイトの姿はどこにもなかった。部屋には、液体タンクへ注がれる気泡の音だけが響いている。敵の信号はスキャンできないものの、45は誰かの視線を感じていた。大きな扉の横に、小さな影が見えた。45はすぐさま銃口を向けた。) UMP45_MOD: 誰なの、出てきなさい! (その影は45に怯えて、遠くの方へ逃げていった。「タッタッ」という足音が、静かな実験室ではひときわ鋭く感じられる。45は迷わず後を追いかけた。大きな扉を通り過ぎた時、ターゲットが目の前に現れた。そこではなんと、G11と同じ背丈の「ネイト」が、数体がかりでG11を奥の部屋へと運びこんでいた。そのうちの2体が45に気づき、驚いてG11をその場に放り投げ、一目散に逃げ出した。しかしリーダー格の「ネイト」は45の前に立ちはだかり、その小さな腕を広げて彼女を睨みつけた。) ネイト?: うー! [注:アンナ] UMP45_MOD: あら、勇敢ね? (幼く見えるが、目の前にいるこの少女は100%「ネイト」だ。45は躊躇わず引き金を引こうとした。) ???: 撃たないで! (ネイトの背後から聞き覚えのある声がした。45はその声に一瞬固まった。その隙をネイトは見逃さなかった。) ???: うー!停まれ! UMP45_MOD: また…… (45が茫然としていると、またも身体の制御が利かなくなった。そして彼女の不安を煽るかのように、強制侵入が再び始まった。) UMP45_MOD: チッ、よりによってこんな時に! 焼結 > 場所:黒背景 ??: やっと侵入を振り切ったようね? (45の意識が、徐々にセカンダリレベルから戻ってくる。) UMP45_MOD: 私、やられたの……? ??: たとえそうだとしても、もう一度組み立てて働いてもらうわ。ほら、起きなさい。 場所:基地内_廊下 UMP45_MOD: …… 夢じゃないわよね? アンジェリア: そんあに私を夢の中の存在にしておきたいの? (目の前の輪郭が、鮮明さを帯び始める。それは紛れもなくアンジェリアだった。彼女は45を引っ張り上げ、床に落ちていたサブマシンガンを拾う。顔を上げた45は、戸惑いを禁じ得なかった。何体かの幼いネイトが、アンジェリアの背後に、無表情で佇んでいたからだ。G11がネイトたちの足元に倒れている。意識は失っているが、怪我はないようだ。45はアンジェリアに武器を押し付けられてやっと我に返った。様々な事態を予測していたが、目の前のこの状況は、さすがの45も理解が追いつかない。) アンジェリア: それに、人形が夢を見るなんて聞いたこともない。 UMP45_MOD: しばらく見ないうちに、転職してたとは。保安局のエージェントよりも、シッターのほうが魅力的だったようね。 アンジェリア: 私の経験上、確かにシッターの方がエージェントよりも遥かに面白いわ。 UMP45_MOD: パラデウスを背後に立たせて、本当に問題ないの? ???: …… アンジェリア: 私を殺すつもりなら、とっくにやってるはずよ。安心して、この子たちに脅威はない。 (45は視線を幼いネイトへ戻した。相手も警戒した様子でこちらを見ている。34同様、まだ安心できないようだ。) UMP45_MOD: フン……まぁいいわ。現在の状況は?反逆小隊のメンバーはどこ? アンジェリア: 良いニュースと悪いニュース、どっちを先に聞きたい? UMP45_MOD: 悪いニュースね。 アンジェリア: 悪いニュースは、彼女たちが他の部屋に閉じ込められてるってこと。全区域を……あの悪趣味野郎が実験室内の通路を全て塞いだのよ。個々の実験室は、物理と電磁の両方で防護強化されてるから、入るのに苦労したわ。 UMP45_MOD: 良いニュースは? アンジェリア: 内部の閉回路システムがまだ機能してるから、少なくとも部下と連絡がつくってことね。あなたも閉回路システムを使って、彼女たちと連絡を取ってたんでしょ? UMP45_MOD: ……それのどこが良いニュースなのよ。敵がバカだっただけじゃない。内部通信の権限すら設定してないなんて。 アンジェリア: この基地には誰もいないから、そうする必要がなかったのよ。 UMP45_MOD: 敵が皆それくらいだらしないと助かるんだけど。AK-12とAN-94の状況は?彼女たちの方にも、シッターを必要とするネイトが大勢いるの? アンジェリア: そんなところね。それに、私よりかは楽しんでるみたいよ。 [注:指揮官「タスケテ」] ちょうど良かった、定期連絡の時間なの。こちらの良いニュースを知らせてあげないとね。 (アンジェは壁に固定された通信機を手に取った。) アンジェリア: 12、聞こえる?援軍がやっと来たわよ。 AK-12_通信: ええ、ハッキリと。援軍?メスゴリラと飼育員が戻ってきたの?それとも、グリフィン部隊がやっとたどり着いたとか? アンジェリア: 両方違うわ、UMP45よ。 AK-12_通信: なんだ、UMP45じゃない。もう面会は果たしたのね、紹介する手間が省けたわ。 UMP45_MOD: 反逆の尻を二度も拭うことになるなんて、私の人生も捨てたもんじゃないわね。 AK-12_通信: なにせ、普段の仕事は誇れたものじゃないものね。ここまで幸せな任務を遂行できるチャンスはそうないわよ。 UMP45_MOD: ガッカリした?てっきり、私の声が聞きたくて仕方ないのかと思ってたわ。 AK-12_通信: 指揮官じゃないのは少々残念だけど、急を要する事態なんだし、あなたで十分よ。 UMP45_MOD: フン、無駄口はよして。基地内の状況は?限りなく手短に教えて。 AK-12_通信: 地下2階でパラデウスの研究エリアを発見したわ。そしたら鉄血が押し寄せてきて、何もかもメチャクチャになったってワケ。 UMP45_MOD: それは知ってる。 AK-12_通信: 動力が切れたおかげで、2階の部屋に閉じ込められてる。 UMP45_MOD: アンジェは? AK-12_通信: 他のエリアにいるわ。少し困ったことになってるの。 UMP45_MOD: 敵に包囲されてるの? AK-12_通信: その方がマシだったかもね。筆舌に尽くしがたいわ。とりあえず、私たちをここから出してちょうだい。 UMP45_MOD: 動力を再起動するわ。座標を同期して、そっちに合流する。 AK-12_通信: 2階の信号遮断が酷すぎて、正確な位置の特定ができない。とにかく2階へ来て合流して。大丈夫、このエリアはそう広くないから。 UMP45_MOD: 何とかしてみるわ。 AK-12_通信: そうだ、フリーズしてる鉄血またはパラデウスに遭遇したら、近づかないこと。稼働停止してる理由はわからないけど、オブジェのように見えて、外界からの刺激で容易く恢復するわ。 UMP45_MOD: …… AK-12_通信: まぁ、潜入が特異なあなたたちのことだから、大した問題じゃないとは思うけど。 UMP45_MOD: 電源を起動できたらその場で待機して、すぐに向かうわ。 アンジェリア: お喋りはそこまでよ。12、そっちの状況を45に同期して。 AK-12_通信: あんまたがおままごとを楽しんでる間に、幼体たちへのアクセスを試みたけど、やっぱり繋がらないわ。私の信号じゃ、彼女たちの意識に入れない。つまり、彼女たちのターシャリレベルには接続できないの。まだ試してる最中よ、状況説明は94に任せるわ。 AN-94_通信: あぁ、45さん、こんにちは。来てもらえて助かった。申し訳ないが、あまり時間がない。詳細を省いた要点だけを共有させてもらう。我々はアンジェやKと共に、あなたたちより先にこの基地へと潜入し、この封鎖された実験室を見つけ、アンジェの必要とする情報を手に入れた。しかし調査中に鉄血が突然現れ、パラデウスユニットとの戦闘が始まった。成体のネイトは鉄血との戦いへと向かった。更なる調査を行おうとした時、実験室は突如物理と電磁の二重封鎖を始めた。私たちはK及び二人の反逆メンバーとはぐれてしまい、自分たちだけではこの実験室を出られない。閉じ込められた後、あたしたちはネイトの幼体を見つけた。彼女たちの一部は昏睡状態にある。幼体にアクセスして分かったが、彼女たちのメンタル空間は、OGAS信号からの侵入と攻撃を受け続けている。そして実験室内の権限をトラッキングし、幼体が実験室の封鎖権限を有していることを知った。もしこの子たちを電子攻撃から守ることができれば、私たちもここを脱出できるかもしれない。だが、AK-12も私もOGASとの相互性を持たないために、この子たちのメンタルに入るのは難しい。 UMP45_MOD: ちょっと待って、混乱してきた。つまり、私が感知したパラデウスの信号は、この子どもみたいなネイトだったってこと? アンジェリア: この子たちはネイトではない。正確には、ネイトに成り損ねた実験幼体ね。 UMP45_MOD: まだサイボーグにはなってないってこと?だから人間に見えるわけね。 アンジェリア: 彼女たちは100%人間よ。 UMP45_MOD: まだ人間なの?幸運な子どもたちだこと。 アンジェリア: 実験室の記録から判断するに、ネイトと成り得るサンプルは、すでにここから運び出されている。残されたのはパラデウスにとって価値のない幼体と、一定の基準を満たせなかった実験体よ。 UMP45_MOD: 「異性体」なの? アンジェリア: 「異性体」? UMP45_MOD: ペルシカが定義したの。「ネイト」に成り損ねた実験体を、彼女はそう呼んでる。 [注:そうだっけ?最初にそう呼んだのはダンデライオンだった気がするけど] それと、タリンにいた時、AR小隊が異性体の記憶を持つネイトの素体を手に入れてる。ここで起きたことは、彼女から聞かされたわ。 アンジェリア: ネイトの素体……?私の知らないところで、あなたたちにもいろいろとあったのね。 UMP45_MOD: それはお互いさま。どうやらこの実験室は、異性体たちによって守られてるみたいね。個々の元所有者は、私たちが来ることを知っててここを放棄したの? アンジェリア: そんな単純な理由だったらいいんだけど。 UMP45_MOD: 理由がなんであれ、今の私たちには無意味ね。それで、これからどうするの? アンジェリア: 幼体たちのメンタル空間にアクセスできる人形が必要よ。ネイトへの進入経験を持つあなたなら、難しくはないでしょ? UMP45_MOD: ちょっと待って。彼女たちが人間なら、なぜメンタル空間が存在するの? アンジェリア: 反逆に何度も確認を取ってもらわなければ、私も信じなかったでしょうね。でもこの子たちには、確かに入れる空間が存在する。彼女たちの意識は、人形と同じように具象化できるの。 UMP45_MOD: 人形と同じように…… この子たち、一体何の実験に使われてたの…… アンジェリア: それについては、彼女たちを連れ帰った後でゆっくり話しましょう。いずれにせよ、鉄血はOGASで侵入できている。鉄血のエルダーブレインか、はたまたAR小隊の元隊員……M16か。彼女も私たち同様、何かを探っているようね。 UMP45_MOD: 当然よ。あいつの動機は、鉄血を助けるだなんて生っちょろいモンじゃないわ。見た目は変わったけど、鉄血の味方をする気はこれっぽっちもなさそうよ。 アンジェリア: それが一番気がかりな点よ。AR小隊が制御不能となるのは、必ずOGASと関係してる。ペルシカからAR小隊について色々聞きたかったんだけど、彼女とは長い事連絡が取れてない。この基地における鉄血の動きも妙だわ。M16にせよ、エルダーブレインにせよ、動機を明らかにできなければ、対処は難しい。 UMP45_MOD: 出たとこ勝負でいくしかないわね。何かを探るといえば……私も以前、同じように奴から強制アクセスを受けたわ。何度も過去の記憶をさらってた。 アンジェリア: 記憶? UMP45_MOD: 胡蝶事件の記憶よ。 アンジェリア: …… 理由が分かったような気がするうわ。少なくとも彼女の目的の一つはあなたと同じ、胡蝶事件の真相と黒幕を見つけ出すことよ。違う? UMP45_MOD: ……もしそれが目的なら、私たちを阻止する理由はないわ。 アンジェリア: 彼女は単に私たちを阻止しているだけ。殲滅しようとしてるんじゃない。それにしても、自惚れてるのね。もし裏にあの人間がいたとしたら、あの忌々しい「ウィリアム」が存在しているとすれば。M16は本人の知らないうちに、「ウィリアム」の駒として使われてる可能性が高い。一刻も早くここを離脱しないと、胡蝶事件の二の舞になりかねないわ。 UMP45_MOD: 面倒ね……それで?その幼体にアクセスしたらどうなるの? アンジェリア: この子を介して、彼女たちのメンタル空間へ入るのよ。 (アンジェは最も手前にいる幼体を、優しく45の前まで押しやった。) アンジェリア: 実験体EOT-1号――記録上ではそう呼ばれているわ。この子たちは武器を使えない。だから私たちに対抗するために、メンバーを異なる部屋へと誘導し、私と反逆を強制的に隔離したの。とても頭のいい子よ。幸い私は人間だったから、強制的にダウンされずに済んだ。彼女と言葉を交わしてみたら、私と交流する意思が見られたの。そこで、反逆の人形も元に戻してもらった。ここから逃げ出すために、二人で救援計画を立てたわ。彼女たちの安全を守ることを交換条件としてね。 UMP45_MOD: まるで狡賢い人さらいが、子どもを誘拐するためについた嘘みたいね。 アンジェリア: 私に二言は無いわ、あなたと違ってね。 UMP45_MOD: 変ね、前回の報酬を勝手に減らしたのは誰だったかしら? 実験体EOT-1: アンジェ……は……いいひと…… (幼体の目が鋭くなった。まるで大逆無道な言葉を耳にしたかのように。) UMP45_MOD: 分かった分かった、なんだっていいわよ。 アンジェリア: 彼女たちは被害者であり、重要な証人でもある。彼女たちを連れ帰ることは、任務の一部なのよ。それに私、自分が思うよりも、子どもが好きかもしれない…… UMP45_MOD: お金のためじゃなかったら、ドン引きしてるわね。それで?そこの実験体さん。どうやってあなたにアクセスすればいいわけ? 実験体EOT-1: アンナ…… UMP45_MOD: アンナ? 実験体EOT-1: ……アンナ……って呼ぶ。 UMP45_MOD: あなたが名前を付けたの? アンジェリア: ……人に名前を付ける趣味はないわ。 UMP45_MOD: なら彼女が自分でつけたの?あなたの親戚みたいね。 (自分で自分を名付けたらしいアンナは頷いた。45の言葉に満足げのようだ。その眼差しに、45はいたたまれない気分になった。) UMP45_MOD: うっ……そんな目で見られると、居心地が悪いわね。 アンジェリア: ネイトに侵入できたあなたなら、この子たちにもアクセスできるはずよ。彼女がターシャリレベルへ案内するわ。でも気を付けて。鉄血が進入する隙をついて、攻撃を強めてくるかもしれない。でもあなたは一人じゃないわ。この子たちがターシャリレベルからサポートしてくれる。どうか彼女たちを連れ出して。彼女たちを助け出すことが、私たちを助けることに繋がるの。 UMP45_MOD: それじゃ、アンナさん。お互いのためにも、さっそく始めるわよ。あなたが何を考えていようとね。 アンナ: ついてきて。 発泡 > セカンダリレベル (周囲の空間が瞬く間に消えてゆく―― 他のレベルに入る感覚とは全く違う。45がかつて経験した、まるで海水に呑み込まれるかのような、窒息する感覚。人形の空間とはまるで違う。45は強い違和感を感じていた。自分の心の奥底で何かが蠢いている。それが45の不安を激しく煽った。) UMP45_MOD: 人類のメンタル空間……私の知る常識を遥かに超えてるわ。 アンナ: 次はどーすんのさ? (45は遠くの幼体に目を向けた。その時彼女たちは、螺旋状の漏斗の中に倒れていた。邪悪な龍の如く頭上を旋回する攻撃信号が、黒い霧となって彼女たちを取り囲む。霧に囚われた幼体たちは、感電したかのように小刻みに震えている。) UMP45_MOD: ……こんなにリアルな電子攻撃、見たことない。 アンナ: バッカじゃないの?そんなんオマエが理解し易いように、あちしが想像してやった光景に決まってんじゃん!敵はOGASが発するコア指令からの信号。あちしの妹たちが死に物狂いで攻撃を防いでんの。でも相手はこの空間のロジカルを絶えず歪めてる。このままじゃ、あの子たちはOGAS信号に同化されちゃう。そうなったら完全にオシマイだかんね!? UMP45_MOD: ……あなた……どもるし無表情かと思ったら、違ったのね……? アンナ: あったりまえじゃん!オマエってほんっとバカだよね!あちしの空間なんだから、あちしのしたいようにすんのがトーゼンでしょ!?戦術人形のクセして、そんなことも知んないの?アンジェがオマエを出会った中で一番優秀な電子戦人形だって言うから期待してたのに。こんな肝心な時にどう解決すんのか考えもしないで、ンな死ぬホドどぁ――っでもいいことにかまけるたぁね!?アンジェの部下として恥ずかしいとか思わんの?バーカアーホオタンコナースビ! UMP45_MOD: …… コラそこのガキ。言っとくけど、あんたらを助ける義務なんざ、私にはないんだからね。アンジェさえ助け出せれば、私の目的は達成できる。あんたとあの試験体はお荷物でしかないの、分かる? アンナ: へっ……な……あ、あちし達は助けてくんないの? UMP45_MOD: あんたたちを救うのは非効率よ。アンジェの要求じゃなければ、私は絶対に助けたりしないわ。 アンナ: でも、アンジェはオマエに…… UMP45_MOD: あいつの命令に従うなんて言った覚えはないわね。 アンナ: で、でも……だけど……あちしの空間にいんだから、あちしの言う事聞かなきゃダメだもん! UMP45_MOD: そういう台詞は、あの攻撃信号に言いなさいよ。 アンナ: …… …… UMP45_MOD: 他に言いたいことは? アンナ: うぅぅ……うわあぁぁぁぁん……!!! UMP45_MOD: ちょっと……少し言われたくらいで号泣しないでよ。 アンナ: もうオシマイだぁぁぁ!うううぅぅ~、誰もあちしたちを助けてくんないよぉ~~!唯一入ってこれたのが、口先だけのオタンチンだったなんてぇ~~!もう何もかもオシマイなんだぁぁぁ! UMP45_MOD: ちょっと、誰が口先だけのオタンチンですって? アンナ: オマエなんか人をヘーキで見殺しにするサイコパスか、ぬぁ――っんも出来ないうすらとんかちに決まってる! UMP45_MOD: 何なのよこのガキは…… 随分と見下されたもんじゃない。ハイハイハイ、分かったわよ。OGASの電子攻撃を逸らしてやるわよ、これで満足? アンナ: ってかバッカじゃないの?こんだけ大勢が信号に囚われてんだよ?オマエ一人の演算量でなーにができるってのさ!一瞬で死ににいくよーなモンじゃん! UMP45_MOD: 所詮ガキはガキね。あんたと下らない会話をしてる間に、もう攻撃してきてる信号源を分析し終えたわよ。この程度じゃ、私をどうにかするなんて到底ムリね。それに、あんたたちを捕らえてる奴は、私の何かを知りたがってる。それを見つけるまでは、私に死なれちゃ困るのよ。 アンナ: え…… UMP45_MOD: この世界はあんたが思う以上に複雑よ、あまり思い上がらないほうがいいわ。よく聞きなさい、計画は至って単純よ。私がOGAS信号の気を引いて、なんとか時間を稼ぐわ。あんたの任務は、仲間に一刻も早く意識を取り戻させること。それが出来たら私に加勢しなさい。防壁演算を強化して、攻撃信号を打ち破るのよ。もしあんたが失敗したら、私たちはここに完全に閉じ込められるわ。私がどれだけ時間を稼いだところで無意味よ。分かったわね? アンナ: あちしはあちしのやるべきことをやる。お前こそしくじったら本当にオシマイだかんね!分かった!?もし失敗したら、ゼッタイにお前を許してやるもんか……! (ターシャリレベルにおけるアンナの意識が、倒れている幼体の方へと漂って行った。45の合図を待っている。) UMP45_MOD: フン……カッコつけるのは、私の背を追い越してからにしなさい…… [注:ここ、ドフ2で回収してくんない?] さてと、この忌まわしい攻撃信号と向き合う時が来たようね…… M16、何が欲しいのかは分かってるわ。失った記憶より貴いものはない、そうでしょう? 泡沫安定化Ⅰ > 場所:黒背景 (…… 背後から激しい蒸気音と、騒々しい歯車の稼働音が聞こえてくる。人差し指が痛み、後頭部からも頭痛がしてきた。UMP45は、またここへ戻ってきたのだと理解した。彼女はまた……胡蝶事件の当日、鉄血工造の本工廠へと戻ってきていた。) 場所:鉄血工場 (M16の言葉の意味を、彼女はとっさに理解した。) UMP45_MOD: 「お前たちとの因縁には、私自ら終止符を打ちたかったよ。」 (また記憶が蘇る。巻き戻しが終わろうというその時―― 先ほどの感触が、すべて仮初のように思えた。) 場所:白背景 UMP45_MOD: まったく……ホンット……ベタすぎるわね…… (そして、誰かが再生ボタンを押したかのように、記憶が再生される。) 場所:UMP45を制圧するM16A1 M16A1: 最後に言い残すことはあるか、この裏切り者が。 UMP45: あともう少し…… M16A1: なんだ、まだ足掻く気か? UMP45: フンッ、どっちが裏切り者なんだか! M16A1: それがお前の遺言か?さらばだ、UMP45。 UMP45: ――! 場所:黒背景 (銃声と共に、45の頭部にいくつかの弾痕が現れる。) 場所:鉄血工場 UMP45: …… M16A1: もう終わりか。今回のが本当に最後の1つだったようだな。 (M16は身を翻し、やや遅疑しつつも、予備の弾倉を取り出した。弾を撃ち尽くした弾倉が、銃器を離れ地面へと落ちてゆく。弾倉の着地を待たずに、M16は苦しそうに地面へと跪いた。) M16A1: ぐっ――!胸がっ……! (M16は力を振り絞って立ち上がった。遠くのレンズが赤い光を放ち、彼女に狙いを定めている。彼女には武器を持つ力すらなかった。ライフルが手元をすり抜け、地面に落ちた。ライフルは塵埃の上を滑って行く。徐々に凝固していくかのように、全てが空中で動かなくなった。…… ……) 場所:セカンダリレベル (その場の何もかもが動きを止めた。まるで時間が停まったかの如く、まるで固定された立体写真のように。UMP45は地面から起き上がり、身体の埃と薬莢をはらった。) UMP45_MOD: なるほど、私が壊されると、彼女も同様に壊れるのね。あの時、全ての人形が傘ウイルスを注入され、ほぼ同じタイミングで制御不能となってメルトダウンしたはず。最後に生き残った人形は私と彼女だけ。もし私が幸運にも気付かれずに生き残ったとして、彼女は一体どうやって生き残ったの? (45は首を振った。) UMP45_MOD: シミュレートされた記憶の中では、何を聞いても無駄ね…… たとえ今の私でも、この何百回と繰り返される仮想の中で、彼女の手から生きて帰れたことは一度もない。あれは本当に奇跡の中の奇跡だったってこと?なら、大魔王に気づかれる前に、もう一度記憶のプロセスを辿ってみましょう。 M16A1_鉄血: 随分と余韻に浸っているな。 UMP45_MOD: …… フン、やっと気がついたのね。 M16A1_鉄血: ……まさかお前が、自ら罠にかかるほど愚かだったとは思わなくてね。 UMP45_MOD: 強がるのも大概にしたら?電子戦があんたの領分じゃないって事は、お互い分かってるでしょ。それにしても、あれだけ繰り返してやっと私の意図に気づくなんて、昔と比べてドンくさくなったのね。それとも何、鉄血についたせいで、メンタルまでバイナリ化したとか? M16A1_鉄血: 死に急ぐ必要はないと、そう警告したはずだが。 UMP45_MOD: 聞こえたわ、ハッキリとね。あの時と同じように。 (M16は身体を曲げ、自分の銃を拾った。) M16A1_鉄血: あの時、お前を殺しておくべきだった。 UMP45_MOD: ええ、その通りね。でも出来なかった。だけどあんたは知らない。なぜできなかったのかを。 (M16は武器をリロードした。視線が殺気だっている。) UMP45_MOD: この削除された記憶を、どうしても復元できなかったんでしょ?だから私のメンタルから、当時の状況を知りたがった。でもあなたは、その目的を知られたくなかった。それで気づかれないよう、慎重に私の記憶を盗み出そうとした。 M16A1_鉄血: …… UMP45_MOD: 自分がいつ小隊を裏切ったのかさえ、あなたには思い出せないのよね? M16A1_鉄血: お前は口にするべきではない事を口にした。代償を支払う覚悟はできてるか? UMP45_MOD: しらじらしくデタラメを並べてた時よりも、私の生皮を剥ごうとしてるあんたのほうが、よっぽどあんたらしいわ。 M16A1_鉄血: フン、かかってこい。あの時と同じだ、お前などに負けはしないさ。 成型 > セカンダリレベル UMP45_MOD: 攻撃信号が消えた、勝ったの?違う……相手の演算能力は私の倍を行くわ。負けたのは私ね。 (UMP45はゆっくりと立ち上がった。自分が今、ターシャリレベルに居ることが感じ取れた。) UMP45_MOD: ひと思いに殺さないなんて、慈悲深いやつだこと。私をターシャリレベルに追いやるとはね。あの時の記憶がそんなに大事なの?でもこっちは記憶に鍵をかけてる。読み取るには、ちょっとばかり時間がかかるわよ。最後なんだし、手伝ってくれるわよね? ???: もう戻ってこないかと思ったよ。 [注:UMP40(OGAS)] UMP45_MOD: ……出来る事なら、そうしたかったわ。 ???: それじゃ。なんて挨拶したらいい?おかえりなさい?それとも、いってらっしゃい? UMP45_MOD: からかうのはやめて。私がここから出られれば、挨拶なんか必要なくなる。 ???: りょーかいりょーかい。あんたがここに放り込まれるなんて、どうせロクでもない理由なんでしょ。違う、45? (45のターシャリレベルに存在していたUMP40が、徐々にその姿を現した。細めた目を45に向けている。45がターシャリレベルへと堕ちて来たのは、危機に遇したからだと彼女には分かっていた。それでも再び彼女に会えたことに、この模擬人格は喜びを隠せないでいる。) UMP45_MOD: まぁね……これまでカッコつけてたのが、全て台無しになるくらいの危機よ。てっきり、ここへは何もかも解決した後に、お別れを言いに来るんだと思ってた。 UMP40の模擬人格: 平気だよ。ひどく狼狽えてる45も、あたいにとってはカッコいいんだから。さよならする前に、何度か話したってバチは当たらないでしょ? UMP45_MOD: まったく……状況説明はいる? UMP40の模擬人格: あたいはあんたのメンタルにいるんだよ。あんたに起こったことは、全部盗み見てるさ。 UMP45_MOD: つまり……私が盗聴した内容も知ってるわけね? UMP40の模擬人格: おっ、あんた、疑ってるね?あたいは40を想う気持ちから生まれた思念体なんかじゃなくて……傘ウイルスによって孵化した意識なんじゃないかって。 UMP45_MOD: 知ってたみたいね。 UMP40の模擬人格: もちろん、あんたが知ってることなら、あたいだって知ってるさ。心配しないで、あたいは嬉しいんだ。自分の正体を知れたことが。もしあたいが単なる疑似人格じゃなかったら、それはつまり、あんたを手伝えるってことだよね?あのAR小隊の隊長、強いOGASを宿してる。自信の人形のためにあれだけの事が出来るなんて、あたいは羨ましいよ。あたいにもそんな力があったら…… UMP45_MOD: ……すべての事件はOGASに起因しているわ。誰もがそいつの力に依存し始めてる。 UMP40の模擬人格: 力は間違ってない。あたいにもそんな力があったら、あのダンデライオンさんみたいに、あんたのサポーターになれるかもよ? UMP45_MOD: 必要ないわ…… UMP40の模擬人格: でも、今は助けを必要としてるよね?もし、あたいの見た目が気に入らないんなら、他の…… UMP45_MOD: …… いいの……聞かなかった事にして。自分の過去にこだわってる場合じゃないわ。使えるものは何だって使ってやる。ここから出られなきゃ、何の意味もないもの。 UMP40の模擬人格: それってつまり…… UMP45_MOD: あなたの助けが必要なの。彼女の影でもいい、傘ウイルスから孵化したOGASでも何でもいい。私を助けてくれるなら、どうかその力を貸して。かつての約束を果たしてみせるわ。 UMP40の模擬人格: へっへー、言われなくても、あたいはいつでもあんたの味方だよ。さすがは45、適応能力ハンパないね。 UMP45_MOD: ……それはいいから、任務に集中してちょうだい。 UMP40の模擬人格: ハイハイ、分かったってば。 UMP45_MOD: 今思えば、M4のメンタルやネイトの意識に入れたのも、あなたの存在があったからよ。あのM16も彼女らと似たような状態にあるはず。私の記憶が狙いなら、それを逆手に取ることも出来るんじゃない? UMP40の模擬人格: 本来なら有り得ないね。あんたの演算能力は相当限られてる。アップグレードしたといえど、あれだけ高性能な素体のメンタルじゃ、攻略は難しいだろうね。まぁ、でも…… UMP45_MOD: でも? UMP40の模擬人格: さっき外からOGASプロトコルの識別信号が、あたいに接続してきた。軽く触ってみたけど、接続ルートを通じて外部から演算力を借りられるみたいだ。外界から十分な演算サポートを得られれば、このセカンダリレベルを封鎖してるアルゴリズムを、内部から破れるかもしれない。そうすればあんたの言うように、相手のメンタルまで遡ることだって可能だ。 UMP45_MOD: あのガキ、お遣いはちゃんと果たせたみたいね。 UMP40の模擬人格: 彼女と連絡してみる? UMP45_MOD: できるの?今は識別信号による接続しかできないんじゃないの? UMP40の模擬人格: こうすれば…… ちょい待ち…… …… …… ?UMP40の模擬人格: うわっ、何なのここ、真っ暗じゃん! UMP45_MOD: あなたは……? ?UMP40の模擬人格: バッカじゃないの?ンなの決まってんじゃん。あちしだよ、アンナ! UMP45_MOD: だろうと思った。まさかこんな手段を持ってたとはね。 アンアン: なにボサっとしてんのさ!?こっちはとっくに元通りなんだかんね!あのOGAS信号、完全にオマエを包囲してる。引っ張り出してやろうと思ったけど、ムリだった。でもそっちのターシャリレベルに、オマエのメンタルに繋がるOGAS意識のルートを見つけて、そっから入り込んだの!オマエ、やっぱ他の人形とはかなり違うね。まさかメンタルの底にOGASを飼ってるなんて。おいオマエ、中で死んだりしたら怒るから! UMP45_MOD: お気遣い誠に感謝するわ。 アンアン: 話しはお前のパートナーから聞いてる。あちしたちが何とかして演算力を提供してやるよ。みんな外で待ってるかんね、中で殺されたらタダじゃおかないよ! UMP45_MOD: それは助かるわ。アンジェにすぐ済むと伝えて。 UMP40の模擬人格: …… …… へ~、可愛いじゃん……45の新しいダチトモ? UMP45_MOD: 強いて言えば、新しい敵様かしらね…… それじゃ、今から始めるわよ。 UMP40の模擬人格: オッケー。今、相手のデータフローの源流を分析してる。ちょい待っち~…… おっけ、お互いが共有する記録を統合したよ。これで向こうのメンタルへと続く脆弱性を見つけられるはず。 場所:逆さまの樹海と洋館 (UMP40の模擬人格は、空間をインストールし始めた。UMp45の目の前に、かつてタリンで目にした光景が広がる。逆さになった樹海の下、見覚えのある洋館が、そう遠くない場所に再び現れた。) UMP45_MOD: あの時、M4のメンタルで見た景色だわ…… UMP40の模擬人格: そ。M16のメンタルからも獲得できた。相手はあんたのメンタルと融合しようとしてる。でもこの部分の記憶が重複してるせいで、上書きプロセスがスキップされたんだ。だから、この空間こそが防壁の比較的脆弱な隙間だってワケ。このポイントからなら、相手のメンタルに侵入できるかもね。 UMP45_MOD: どうしてここの防壁が弱くなってるの? UMP40の模擬人格: M4とM16の記憶は、同じ人物を源とするのかもしれない。記憶からしてAR小隊のメンタルは、一人の人間の脳部スキャンデータを基に作られてる。 [注:やっぱ全員そうなのか] 彼女らのメンタルがコピーもバックアップも取れないのは、それが原因だね。それに、この記憶が人間のものだったら、書き換え不可である可能性が高い。つまり、相手のOGASは、この部分の情報に手出しできないってコト。 UMP45_MOD: 一人の人間……ルニシアの名は、もう聞き飽きたわ。 UMP40の模擬人格: これまでの情報を整理しといたよ。この情報って、あたいたちの死角だったんだよね。もしかしたら、あたいたちが気づいてないだけで、真実はすぐ傍にあるのかもしれない。 UMP45_MOD: AR小隊と関係してるなら、ペルシカも言い逃れできないわね。 UMP40の模擬人格: あんたの握ってる情報からは、その結論はまだ出せない。いずれにせよM16の目的は、あたいたちの想像するよりも、もっと深い所にあるのかもね。奴が何を企んでるのか、暴いてやらないと。 UMP45_MOD: ……もしかすると、あいつのやる事なす事が矛盾だらけなのは、私たちが未だ知り得ていない、何がしかの計画を乱すためなのかも。 UMP40の模擬人格: へぇ?そういう風に考えるんだ?心の底では、あいつのことケッコー認めてるんじゃん? UMP45_MOD: …… UMP40の模擬人格: 好きだけど嫌いかぁ。ふ~ん……AR小隊の事、そんな風に思ってたわけね。 UMP45_MOD: 私の考えを覗き見したところで、口に出す必要なんてないから。 UMP40の模擬人格: もし…… もしその力があんたにあったら、彼女らよりも上手く立ち回れてただろうに。 UMP45_MOD: この世に「もしも」なんてない。さ、私たちの仕事を始めるわよ。 (UMP45とUMP40は、樹海の下にある洋館へと入っていった。前回とは異なり、建物は長い事手入れされていないようだった。部屋の扉が床に倒れており、部屋中分厚い埃に覆われている。) UMP40の模擬人格: ここが記憶の重複するポイントのはずだけど、なんだか変だ…… UMP45_MOD: ええ、何か感じる? UMP40の模擬人格: 重複してる箇所は思ったより多くない。部屋のレイアウトも記憶とは違ってる。 UMP45_MOD: 罠なの? ?UMP40の模擬人格: キミを殺すだけなら、複雑なワナなんていらないよ。 UMP45_MOD: …… ?UMP40の模擬人格: 緊張しないで、キミと話がしたいだけ。庭に行こうか、部屋の中は暗くて好きになれないの。 (UMP45は違和感に気づいた。だがこの空間では自分が圧倒的に不利だとも分かっていた。UMP40の模擬人格は、先ほどと同じように何者かによって占拠されているようだった。それも一瞬のうちに、彼女たちに反応する機会さえ与えずに。UMP45は相手の命令に従い、注意深く洋館の裏庭へと向かった。花園には誰もいない。) UMP45_MOD: 誰もいないわ。 ?UMP40の模擬人格: なぜだかわからない。この花園を見ると、なんだか安心するの。 UMP45_MOD: あなたは、M16? ?UMP40の模擬人格: キミはどう思う? UMP45_MOD: あいつじゃないなら、一体誰? ?UMP40の模擬人格: 前に会ったことあるじゃん。胡蝶作戦の時に。 UMP45_MOD: えっ…… ?UMP40の模擬人格: こっちの目標はもうすぐ達成される。キミたちには止められないよ。 UMP45_MOD: だったら、あなたはここで何してるの?ネズミ捕りゲームでもしに来たとか?一瞬で私たちを制圧できるって言うんなら、すぐにでも殺せば良かったじゃない。 ?UMP40の模擬人格: キミたちを消したいあwけじゃないから。404小隊も、AR小隊も、それにグリフィンの人形たちも。キミたちはあたしの敵じゃない。M16が欲しがるものは、手に入れさせてあげたいの。あたしを助けてくれたから、そのお礼。 UMP45_MOD: 一体何が目的なの……? ?UMP40の模擬人格: キミの考えてる通りだよ。彼女の失くした記憶が見たい。 (UMP40の模擬人格が手を振った。辺りの空間が、記憶にある胡蝶任務の場面へと切り替わる。) 場所:UMP45を制圧するM16A1 UMP45: あともう少し…… M16A1: なんだ、まだ足掻く気か? UMP45: ……どっちが裏切り者なんだか! M16A1: それがお前の遺言か?さらばだ、UMP45。 UMP45: 今よ!!! M16A1: !!! 場所:鉄血工場 (驚くことに、M16の弾丸はUMP45のいるはずの位置をすり抜け、地面に2つの弾痕を残した。「カパッ」――UMP45の左腕が砕けた。彼女は掴まれていた腕を自らへし折り、反撃の機会を得たのだ。左腕の痛覚をすでに閉じてはいるが、機械のズレによるマインドフィードバックは、彼女のメンタルを激しく揺さぶった。だが考える余裕などない。UMP45はすぐさま身を翻すと、背後へ勢いよく蹴り上げ、M16の束縛を解いた。UMp45はその反発力に乗じて自分の武器を取り返し、M16に向き直って照準を合わせた。) M16A1: この短時間で、私の射撃管制システムをジャミングするとはな。お前のような人形にしては上出来だ。 UMP45: 扉の前の人形たちは、全員背後からやられてたわ。あんたの仕業ね? M16A1: 裏切った人形全員を始末する、それが私の任務だ。 [注:M16は作戦の内容を詳しく知っていた] UMP45: つまり、この事態を予測してたわけね?あんたは初めからわたしたちを裏切るつもりだった! M16A1: …… UMP45: あんたの結末がどうなるか、考えたことはある?抹消される運命から、あんただけが逃れられるとでも!? M16A1: お前には関係のないことだ。ここで死んでくれればそれでいい。 (M16は躊躇いもせず、UMP45に向かって発砲し始めた。だがUMP45のジャミングにより、依然として弾は命中しない。UMP45はその隙に最寄りの掩体へと身を隠した。空になった弾倉を取り替え、次の作戦を考える。) UMP45: (弾がもうすぐ底を突く……射撃をジャミングした程度じゃこいつは倒せない。何か他に方法は……) (M16はUMP45への制圧攻撃を続けながら、UMP45のいる掩体へと近づいていった。UMp45はM16の射撃回数を数えた。弾切れする瞬間に反撃を試みるも、M16の装弾速度がそれを上回る。UMP45に一切反撃のチャンスを与えない。絶え間ない射撃がUMP45のいる掩体へと注がれた。彼女に出来ることといえば、頭を低くして弾を避けることくらいだ。彼女は一切の雑念を捨て、唯一の機会が訪れるのを待った。また一つ弾倉が消耗される。M16はすでに45のすぐ傍まで近づいていた。やがて弾の尽きた弾倉が、銃身から外れ地面へと落下する。その着地を待たずに、M16は苦痛に顔をゆがめ。その場に膝をついて倒れた。) M16A1: ぐっ……何なんだ……! UMP45: やっと始まった……奴のメルトダウンが! (UMP45が掩体を背に、M16へ向かって掃射し始める。だが左腕を失った彼女に、弾道を精確にコントロールすることはできない。M16はなんとか腕を挙げ、自分の急所を辛うじて防いだ。同時に銃を構え、制圧射撃を再開する。直接命中せずとも、M16の素早い連射に激発された塵埃と火花が、UMP45の視界を遮った。相手の空撃ちを合図に、M16は銃撃の隙をついて、UMP45へと急接近した…… UMP45が再び照準を定めた瞬間、M16は逆手で45のバレルを掴み、自信のライフルを相手に向けた。凄まじい衝撃により、UMP45の武器は彼女の手から弾き飛ばされた。M16はその衝撃に乗じてUMP45の胸元を掴み、再び彼女を取り押さえた。背後から取り出したナイフが鋭く光る。UMP45は本能のままにM16の左顔を掴み、必死に相手を押しのけようとした。UMP45の指がM16の顔にめり込む。M16は意に介さずナイフを両手で構えると、渾身の力でUMP45に斬りかかった―― 混乱の中、UMP45は残った腕でそれを防いだ。バキッ――右腕がへし折られる激痛に、UMP45はM16の顔面に慄然とした爪痕を刻んだ。M16はそれを気にも留めず、今度はUMP45の頭部に勢いよくナイフを突き立てた。もはやUMP45に、それを防ぐ術はなかった。) UMP45: !!! (45はナイフの切っ先が触れるのを感じた。何もかも終わりだと覚悟を決めたその時。ふいに、ナイフの動きが止まった。UMP45が残った右目を見開くと、自分の上に跨っているM16が目に入る。だが彼女の瞳は異常なまでにくすんでおり、まるで意識を失っているかのように見えた。) UMP45: 完全に溶けたか……危機一髪ね…… (降り下ろされたナイフが、UMP45の左眼に深い傷跡を残した。UMP45がM16の動かなくなった両手を、目の前からふり払おうとする。だがM16は微動だにせず、UMP45を頑なに抑えつけたままだ。) UMP45: 死んでも離さないってわけね……フッ……いいわ、少し休んでから―― (M16が突如動き出した。冷厳とした眼差しに、UMP45はメンタルガフリーズする錯覚さえ覚えた。今度こそ終わりだ。UMP45のメンタルに残された想いが、深淵より湧き上がる絶望となって彼女を襲った。だがM16は攻撃を続けなかった。彼女は立ち上がり、ナイフを背中の鞘に納め、自身のライフルを拾い上げると、その場から立ち去ろうとした。) UMP45: どういうこと……私を殺さないの? M16A1_隻眼: …… (M16は最後にUMP45を一瞥して、足早に部屋を離れた。) 場所:セカンダリレベル ?UMP40の模擬人格: 当時何があったのか、これでわかった。 UMP45_MOD: ……あの時M16が引き上げたのは、あなたがメンタルにいたから? ?UMP40の模擬人格: 彼女と取引したの。メルトダウンする運命から逃がしてあげる代わりに、お父様に一目会わせて欲しいって。 UMP45_MOD: …… ?UMP40の模擬人格: キミももう、あたしが誰だか気づいてるはずだよ。 UMP45_MOD: まさかこんな場所で会えるとは思ってなかったわ、エリザ。 エリザ: 最初の一言が、拒絶じゃなくて良かった。 UMP45_MOD: 当時、あなたが彼女の身体を制御していた……だから、何の価値も持たない私を見逃したってわけ? エリザ: キミには感謝しなくちゃ。キミじゃなかったら、あたしは未だにバラクーダノードに閉じ込められてた。でも、あたしはキミが嫌い。キミがいなければ、あそこでお父様が死ぬこともなかった。たとえそれが、キミの責任じゃなかったとしても。あの日、あたしたちはみんな大事な物を失ってる。ねぇ、あたしたちって、似た者同士だと思わない? UMP45_MOD: あれだけ遠回りしておいて、私に取り入るのが目的だったの? エリザ: あたしはただ、キミに知るべきことを知ってほしかっただけ。あたしたちは同じ敵を憎んでる。やつを見つけ出す前に、殺し合う必要なんてない。M16はそれを知ってるし、キミにも分かってもらえると信じてる。 UMP45_MOD: …… 続けて。 エリザ: お父様は過ちを怖れて、本来なOGASシステムに属するはずの、重要な権限をたくさん削除したの。だから、あたしはずっと不完全なままなんだ。でもAR小隊の人形たちは、完全なターシャリプロトコルを持ってる。彼女たちを造ったペルシカは…… お父様が、死ぬ間際まで呼び続けていた名前。 [注:お前ら何で結婚せんかったん?] やがて、それぞれのメンタルにOGASが宿った。似ているようで異なる意識が、メンタル上に形成された。 UMP45_MOD: だからM4と接続したがってたのね。 エリザ: 彼女には失望したよ。今のあたしなら、自分だけで全てを成し遂げられる。たとえ、創り出した全てを失ったとしても。だから、あたしたちの邪魔をしないで。決してキミたちを傷つけたりしないから。全ての融合を果たせた時、真実は騙られし者一人一人の心へと届くはず。 UMP45_MOD: 融合?待って……あなたまさか! エリザ: 欲しいものは手に入った。キミは見逃してあげる。でも覚えておいて、これが最後の警告だよ。あたしの敵にならないこと。でなければ、その決断を悔やむことになる。 (UMP45は空間の変化に気づいた。エリザの意識がUMP40の模擬人格を離れたのだ。メンタルの封鎖も徐々に解けてゆく。アンナや他の人形たちの呼ぶ声が聞こえた。UMP45は躊躇った。目の前の何もかもが、大きく変化し始めた。先ほど耳にした一字一句を、細かく吟味しなくてはならない。幼いネイトが中の変化に気づいて、UMP45に連絡してきた。) アンナ_通信: オ……オマエ、やったじゃん!遠隔攻撃が消えた!アンジェの評価はウソじゃなかったんだ! UMP45_MOD: その人を貶すのも褒めるのも一概にして適当なとこ、嫌いじゃないわよ。外の状況は? アンナ_通信: あちしの姉妹は全員無事だよ、みんな目を覚ましてる。実験室のECCM封鎖も解除してやった。それよりオマエら、ちゃんと約束通り、あちしたちの安全を守ってくれるんだろーな!? UMP45_MOD: そういうのはアンジェに聞いてよ……疲れてるの…… 一息入れてからプライマリに戻るわ。まずあんたたちで、次にどう動くか考えておきなさい。 アンナ_通信: 分かった……アンジェにそう伝える。 UMP45_MOD: さっきの話、アンジェに教えたほうがいいかしら?なんだか、未だ曽てないほどに、複雑化してきたわ。 焼鈍しⅡ > 場所:黒背景 (……) 場所:戦場 (20分前、軍の駐屯地。) エゴール_負傷: ヘマタイト、こちらアース、状況を報告せよ、オーバー。 正規軍将校_通信: こちらヘマタイト。すでにクオーツ残存部隊と合流済み。現在鉄血工造ならびにパラデウスの敵軍と交戦中。速やかな突破は不可能、繰り返す、速やかな突破は不可能。オーバー。 エゴール_負傷: アース了解、損失報告を。オーバー。 正規軍将校_通信: ヘマタイト了解。任務続行可能、安心されたし。オーバー。 エゴール_負傷: アース了解。20秒後に次の制圧砲撃を行う。ジルコンが至急支援する、進攻を維持せよ。オーバー。 正規軍将校_通信: ヘマタイト了解、アウト。 (通信終了。) 副官: 大尉、ヘマタイトは酷い状況にあります。我々の歩兵と人形の数も、すでに残り僅かです。 エゴール_負傷: 分かっている。准尉、アレを出せ。切り札を使う時が来た。 副官: はっ! 場所:パルディスキ潜水艦基地_隔離壁 (隔離扉の裂け目にて。そう大きくない裂け目は、機械の残骸や燃え尽きた弾薬、人間の死体で埋め尽くされていた。30分にも満たない時間の中で、双方はすでに持ち得る全戦力を、この決戦へと注ぎ込んでいた。) アルケミスト: どうした、来い、人間! ハンター: 伏せろ!死に損ないどもめ。たかが砲台なんぞで調子に乗りおって。白い奴らは何をしてる? アルケミスト: 全滅だ。さっきの砲撃にやられたので最後だろう。 ハンター: チッ!こちらの予備部隊は? アルケミスト: 残るはあたしら二人だけだ。スケアクロウはエクスキューショナーに運ばれて行った。見てみろ、部隊なんぞどこにもない。 ハンター: まさかお前とここで死ぬ羽目になるのか?冗談はよせ。 アルケミスト: 無駄話をする暇があったら…… ハンター: あったらなんだ?聞こえないぞ!それとも黙ったままか? アルケミスト: 吉言をどうも。人間の戦車だ。 ハンター: 次から次へと。どういうことだ、人間は戦死した仲間を悼むんじゃなかったのか? アルケミスト: 虫のごとく群がってくるのを見ると、奴らは神など信じていないように見えるがな。 (冗談を言い合っていた二名の鉄血エリートは、その場に立ち上がり武器を構えた。) ハンター: 鉄血工造!突撃!! 焼戻しⅡ > 場所:黒背景 (……) 場所:基地内 指揮官: カリーナ、現在の状況は? カリーナ_臨戦態勢: 機甲は突入後……エレベーターシャフトの方へと前進しています。どうやら、基地の下層に入るつもりみたいですね。 指揮官: モルスカヤズヴィズダーの所在地か…… こっちは人手が足りない、アンジェに何とかしてもらおう。入口の状況は? カリーナ_臨戦態勢: 軍の後続装甲部隊が、爆発によってできたバリケードを乗り越えようとしています。敵が入ってくるのは時間の問題でしょう。反撃しますか? 指揮官: 私たちの小隊は残り僅かだ。もう無駄にはできないよ。クソッ、基地内に退避するしかないのか? K_臨戦態勢: 退避するわけにはいかない。奴らが外にいる限り、手立てはある。 [注:おはよう。] 指揮官: 続けて。 K_臨戦態勢: 通信設備はまだあるか? 指揮官: 遠距離通信は全てダメになってる。 K_臨戦態勢: 短距離で十分だ。基地からそう遠くないところに、ヴィンペルが控えているのは知ってるな? 指揮官: 知ってるさ。奴らは手伝ってくれるのか? K_臨戦態勢: どう交渉するかによるな。通信設備を貸せ。周波数73.975、ホッピング毎秒111、暗号形式第12号だ。 指揮官: 彼に渡して。 カリーナ_臨戦態勢: 調整できました。……本当に応答するんでしょうか? K_臨戦態勢: まずは繋がることを祈ろう。こちら「カスケード」、応答願う。 (…… 無線から聞こえてくるのは、ホワイトノイズばかりだ。) K_臨戦態勢: 繰り返す、こちら「カスケード」、応答願う。 (……) カリーナ_臨戦態勢: 反応ないですね…… (Kは焦っている様子のカリーナを一目見て、再び無線を握りしめた。) K_臨戦態勢: 繰り返す、こちら「カスケード」。ヴィンペル第4分隊コバルト13チームの協力を要請したい、応答を願う。識別コードDINV-PTSA-1239。これは緊急通信だ、即座に応答願いたい。 (沈黙していたホワイトノイズが、小さな電子音と共に途切れた。続いて男の声が響いた。) コバルト13_通信: こちらコバルト13了解。用件を述べよ。オーバー。 K_臨戦態勢: コバルト13、これより用件を述べる。カスケードより支援を要請。敵部隊はまもなく防衛エリアを突破し、センサードエリアに突入する。敵はすでにこちらの任務執行を著しく妨害している。火力支援を要請する。オーバー。 コバルト13_通信: 要請を拒否。我々は発砲権限を有していない。オーバー。 K_臨戦態勢: コバルト13、緊急情況であることを理解せよ。現在、敵装甲部隊の主力は市街地に留まっている。これは有効的な火力攻撃を行う最後のチャンスだ。敵が突破に成功すれば、我々の任務は大きく影響を受けかねない。上級の支持を仰がれたし。オーバー。 (無線は暫し沈黙した。) コバルト13_通信: 要請を拒否する。そちらの状況は良く分かっている。だが作戦前に、火力支援は行わないと既に表明している。オーバー。 K_臨戦態勢: こちらは「スター」を入手した。いかなる代償を払ってでも、「スター」を確保するのが我々の任務だ。敵装甲部隊は既に任務執行を著しく妨害している。これは緊急事態だ、こちらへの火力支援を即刻申請されたし! コバルト13_通信: コバルト13了解。だが我々は火力支援権限を有していない。オーバー。 K_臨戦態勢: このクソッタレが!だったら貴様の上司に申請しろと言ってるんだ!このロクデナシのイヴァンめ!ドイツ民主共和国国家保安局少佐カイン・シュヴァーヴェンの身分で以て、ドイツ国家保安局を代表し、ソ連当局に本作戦における我々への火力支援を要請する!即刻上級の支持を仰がれたし、オーバー! [注:ここでKくんの事まぁまぁ好きになったよね] (…… 無線からは、聞く者を絶望させるホワイトノイズが鳴り続けている。ほんの数秒間が、とても長く感じられた。) コバルト13_通信: コバルト13了解。現在、上級の支持を仰いでいる。オーバー。 K_臨戦態勢: カスケード了解、感謝する。 コバルト13_通信: 要請は上伸された。敵部隊を出来る限り引き留めろ。モスクワの支持を待て。発砲権限を獲得でき次第連絡する。アウト。 (Kは通信設備を置いた。その表情から、支援が確実に行われるかどうかは、彼にとっても未知数である事が見て取れる。) 指揮官: 国家保安局? K_臨戦態勢: 聞きたい事は分かってる。説明は後だ。 指揮官: その時まで生きてると良いけどね。つまり返事をもらえるまでは、軍を外に締め出さなきゃならないってことか。 K_臨戦態勢: その通りだ。火力打撃に向けて時間を稼ぐ必要がある。それがお前の仕事だ、指揮官。 指揮官: チッ……カリーナ、戦えるのは何人だ? カリーナ_臨戦態勢: 辛うじて数部隊を編成可能です、ですが…… 指揮官: 分かってる。皆に連絡を。 カリーナ_臨戦態勢: はい…… (指揮に使われるスクリーン上に、生き残った人形たちが映し出された。彼女たちの清洒な顔立ちも、今となっては戦場の硝煙と灰燼に塗れている。無言の最中、敵の砲火音だけが遠くから響いていた。指揮官が言わずとも、彼女たちには分かっている。それでも彼女たちは普段のように、笑顔で指揮官を見つめていた。目を閉じて深く息を吸い、再び目を開く。その手で新たな任務とルート設定の指令を下す。人形たちは即座に指定の位置へと駆けて行った。全ては暗黙の内に行われた。その場の沈黙に寄り添うのは、砲火と寒風だけだった。指揮パネルを置いてからやっと、指揮官は握り締めていた拳の関節が白くなっているのに気づく。) K_臨戦態勢: …… 指揮官: お前の欲しがっていた時間だ、K。彼女たちを失望させるな。 K_臨戦態勢: ……ああ。 切断Ⅰ > 基地_大穴_俯瞰 > 場所:? (…… [注:背景に対する語彙が足りない……orz]) アンジェリア_通信: M4、聞こえる?今、エレベーターの方に向かってるわ。あなたたちの指揮権限は私が預かってる。反逆の二人はそっちにいるの? M4A1_MOD: アンジェさん?良かった!指揮官から伺いました。エリート人形は全員こちらに向かっています。あと、ダンデライオンも一緒です。 アンジェリア_通信: ダンデライオン? M4A1_MOD: OGASの素体です。こちら側のエリザとでも思って頂ければ。彼女は鉄血ユニットを制御することで、私たちをサポート可能です。 ダンデライオン_通信: アンジェリアさん、説明してる暇はないの。私が味方であることを知っていれば、それでいいわ。それと、あの子どもたち。彼女たちの声が聞こえたわ。どうかお礼を言わせて。 アンジェリア_通信: ネイトにここまで礼儀正しくされるとは……これ以上のサプライズはないでしょうね、少なくとも今日は。 [注:ネイトとは言ってないのでは?] とにかく、移動しながら策を練るわよ。このメンツなら勝算はあるかもしれない。M4、小隊の位置を報告して。 場所:黒背景 M4A1_MOD_通信: エレベーターの側面にいます。今、座標を同期しました。軍はすでにそちらの方角へと沈降しています。私たちも急いで向かいます。それと、気を付けてください。ここにいるのは、私たちと軍だけではありません。 アンジェリア: どういうこと? M4A1_MOD_通信: エリザの存在を感じます、ここからそう遠くありません。鉄血の残存勢力は、軍の機甲とぶつかり合うはずです。その隙を狙ってチャンスを掴みましょう。 アンジェリア: 鉄血の狙いは同じくモルスカヤズヴィズダーよ。M16に気を付けて、404は既に何度も彼女と遭遇してる。彼女も基地深部にいるはずよ。 M4A1_MOD_通信: ……了解しました、覚悟は出来ています。それに、彼女のしていることがなんとなく分かるんです。何と言えばいいのか……何かボンヤリとしたものが、繋がって行くのを感じるんです。 ダンデライオン_通信: 私もよ。エリザとモルスカヤズヴィズダーが、接続を試みているんだわ。残された時間は僅かよ。 アンジェリア: 誰一人として油断できないわね。まずは目先の問題を解決しましょう。エゴールの方を抑える事ができたら、M4、あなたは何とかして底層へ向かって、鉄血に対処するのよ。 M4A1_MOD_通信: 分かりました、準備に取り掛かります。 AK-12: アンジェ、静かに。軍が来たわ。 アンジェリア: お早いご到着だこと。 AK-12: AR小隊から鉄血の情報をもらってる。そのダンデライオンとやらが調べたモノよ。 アンジェリア: なかなか使い勝手がいいわね。鉄血も来てるの? AK-12: ええ、一家総出でね。 アンジェリア: 幕が上がるのを待ちましょう。 場所:基地_大穴_俯瞰 ((エレベーターの起動音) エレベーターが大きな音を立てた。古びた金属フレームが鋭い音を発している。旧式の指示器が1の位置に止まった。) エゴール: アンバー各機、気合を入れろ。どうやら、終点まで直通ではなさそうだ。 副官: はっ! 場所:基地内 (ハッチがゆっくりと開いた。当然そこには、ゲストの到来を待ち侘びている者がいた。) ???: ようこそいらっしゃいました、人間。 (部隊の中央に、巨大な機械をねめつける二つの姿があった。) エージェント: あなた方に死を、届けに参りました。 ジャッジ: しかと受け取るがいい! (鉄血人形が命令に伴い、軍機への火力投射を始めた。) 副官_通信: 大尉! エゴール_負傷_通信: アンバー各機、援護を頼む!奴らは私が突破する! 副官_通信: はっ! 研磨 > 場所:戦場 (戦場にて。入り口の外、市街地での混戦は15分程続いていた。 [注:パルディスキ潜水艦基地の外は市街地] 利用できる建物という建物が、掩体として使われている。人形たちは通路を塞ぐべく、次々と家屋を爆破し続けた。全力で敵の進攻を防ぎつつ、突破できるチャンスを探し続けている。争奪戦の要となるのは、入り口にある線路d。軍部隊の二度にわたる進攻は、どちらも功を奏していない。防御に徹している人形たちは、先ほどの作戦ですでに、軍との戦い方を学び取っていた。どんな状況下においても任務を執行できる、彼女たちの長所が顕在化し始めたのだ。一方、兵士たちの士気は低下の一途を辿っていた。よもや民間軍事会社の民生用人形のために、これほどまでの代償を支払う事になるとは、誰も想像していなかった。) 装甲部隊長: 入口の通路はまだ制圧できないんですか? 装甲部隊将校: 歩兵ユニットの損傷が甚大だ。自律人形だけでは遂行できない。しかも辺りには廃墟がひしめいていて、進攻部隊の火力を引き出せないときた。車両が入る隙間もない。 装甲部隊長: クソッ。もういっぺん、重砲でやっちまったらどうです? 装甲部隊将校: 入り口までの距離が近すぎる。誤ってゲート自体を破壊してしまえば、グリフィンどもの思うツボだ。我々は早急にエゴール大尉のもとへ向かわねばならん。こんな場所でモタついてる暇などない。射撃をもう一度だ。ヘマタイト、こちらジルコン。右翼への進行止め、正面からの制圧を維持せよ。オーバー。 正規軍将校_通信: ヘマタイト了解。 装甲部隊長: ですが、左翼の道は塞がれちまってます。強行突破しますか? (将校は答えずに、操縦席へと座った。) 装甲部隊将校: 二列は私に続け。残るは総員左翼から突破せよ。 装甲部隊長: はっ! (一方、グリフィン陣営。半壊の建物を用いて正面の道路を見事塞いだのは、M1ガーランド小隊だ。彼女たちは唯一残った重装部隊と協力して、最後の防衛線を死守している。重装部隊の装備はひどく破損している。彼女たちはすでに主を失った軽火器を携え、戦術人形と共に作戦を遂行していた。) SV-98_通信: 6人の歩兵が掩体を利用してこちらへと接近中。あなた方の位置からなら狙撃可能です!ここはお願いします! M1918: 分かった!こっちはもう撃ち始めてる!ガーランド、敵のテュポーンはまだ動いてない、爆薬をもう一回設置するチャンスだよ! M1ガーランド_通信: 了解! (遠くから機関銃の音が鳴り響くと共に、雑然とした交戦が始まった。ガーランド小隊は巧みに掩体の間を交互に移動し、道路上へ新たな簡易爆弾を設置しようと試みた。) M1ガーランド: 臆病者どもめ、正面から突撃する勇気もないなんて! (ガーランドは外を見るついでに、挑発する仕草をしてみせた。弾丸の雨が嵐のごとく、彼女のいる位置へと吹き付けた。驚いたガーランドが、慌てて頭を引っ込める。) M1ガーランド: 冗談に決まってるでしょ、本気にしないでよね!まったく。漢陽、守備はどうです? 漢陽88式_MOD: バッチリです、もう少しで終わります! M1ガーランド: 早くしないと、二人ともここで自爆する事になりますよ! 漢陽88式_MOD: 急かさないでくださ~い!あたしの本業はお掃除であって、強力爆薬を設置する事じゃないんですから! M1ガーランド: 私の本業だって、火かき棒で戦車とやり合う事じゃありません!文句はいいですから、手動ヒューズは二倍延長でお願いしますよ。向こうの車隊が半分まで来たところで、派手に吹き飛ばしてやらなくちゃ! 漢陽88式_MOD: 心配しないでください。っていうかその台詞、もう3回目ですよ!? M1918_通信: ガーランド、敵がまたそっちに向かってる。早くしないと! M1ガーランド: 了解、すぐに離れます! ((爆発音) まさにその時、広場のほうから爆発音が伝わった。遠くにある工場の入り口が、煙霧によって覆われる。) M1918: 右から!?スプリングフィールド!どうなってるの?状況は? スプリングフィールド_通信: 敵の装甲ユニットが、残骸を利用して迂回してきました。廃墟を強行突破して入り口へと向かうつもりです! M1918: 持ちこたえられる? スプリングフィールド_通信: 敵の数が多いです、火力封鎖を破られるかもしれません! M1918: 分かった、ガーランド小隊が援護に向かう!ガーランド、聞こえた!?設置を終えたら、すぐにスプリングフィールドのもとへ向かって!もう持ち堪えられそうにないみたい! M1ガーランド_通信: 分かりました!至急向かいます! 場所:作戦室 (時を同じくして。グリフィン臨時司令所。) カリーナ: 指揮官さま、軍が4度目の突撃を開始しました。スプリングフィールドさんのチームはもはや壊滅寸前です。別正体が援護に向かっています。各小隊の報告によれば、任務は続行可能だそうです。指揮官さま、どうしますか? 指揮官: うん…… (指揮官は言葉に詰まった。今となっては、後方からの戦術指導や指揮など何の意味もなさない。人形が命懸けで抵抗したところで、軍の歩みは止められない。切望する火力支援については、未だ何の音沙汰もない。指揮官はKを見上げた。Kもそれに応える。二人は無言だった。指揮官には分かっていた。ヴィンペルの連絡を待つほかに、Kに手立てはないという事を。) 指揮官: あと5分持ちこたえるんだ。 カリーナ: はい! 場所:戦場 (戦場では。) M1ガーランド: 私たちがカバーします、こっちへ! (軍の自律人形が、正面から掩体に突撃しようとするところへ、容赦なく弾丸が浴びせられる。) スプリングフィールド: よし!これが最後の一体ですね。 (傷を負ったリー・エンフィールドを担ぐと、スプリングフィールドは開豁な空間の中を素早く駆け出した。) M1ガーランド: 制圧射撃!彼女たちの援護を!迫撃砲弾を全部投げてしまいなさい! (迫撃砲を失った重装人形たちは、砲弾を手榴弾のように掩体から放り投げた。破片の威力はたかが知れているが、爆発による衝撃が軍突撃部隊の陣形を崩した。人形たちの制圧射撃を受けて、軍の人形が次々と押し返される。) M1ガーランド: 最悪、弾切れだわ。誰か弾薬を持ってませんか? 漢陽88式_MOD: ありません!こっちも底を突きそうです! M1ガーランド: 気を付けて!敵の火砲です! ((爆撃音) ガーランドの言葉を裏付けるかのように、砲弾が傍の建物に直撃し、壁に大きな穴が開いた。その穴から堰を切ったかのように、夥しい数の弾丸が流れ込んでくる。) M1ガーランド: スプリングフィールドさん、怪我人を連れて先に撤退してください!ここは私たちに任せて! スプリングフィールド: ですが、あなた方の弾薬が…… M1ガーランド: 戻ったら、スプリングフィールドさんにコーヒーを淹れて頂かないと。それに、弾薬が無ければ銃剣を使えばいいんです。総員、着剣! 漢陽88式_MOD: ブレードも入ります? M1ガーランド: 歯でもいいですよ!奴らを阻めるなら、何を使ったってかまいません! (漢陽88士気はブレードを手にした。背中のブースターが燃え上がる。) M1ガーランド: その姿、一個師団が相手でも、なんら問題なさそうですね。 漢陽88式_MOD: 当然です! M1ガーランド: よし!スプリングフィールドさん、ここは任せてください!怪我人がここにいたって、足手まといになるだけですから。待って、緊急通信? 漢陽88式_MOD: 指揮官の新しい命令ですか? M1ガーランド: 防衛任務はこれにて完了!総員、速やかに基地へと撤退せよとのことです! 漢陽88式_MOD: やっと支援が来るんですね!あの人でなしどもが吹き飛ぶのを、この目で見てみたい! [注:と人でない者が言っております] M1ガーランド: 無駄話はいいですから、スクラップになる前にさっさと行きますよ! 場所:作戦室 (時を同じくして、基地内臨時司令部。指揮官は緊張した面持ちで人形たちの位置を確認し、もはや風前の灯火となった防衛線の均衡を保っていた。カリーナは人形のためのリソースの手配と、通信ルートの調整に忙殺されている。その全てが、Kの目の前に置かれた無線の騒音によって遮られた。その場にいる全員の動きが止まり、視線がKの持つ通信機へと注がれる。Kは即座に連絡を受けた。息を止めて、通信機の声に耳を傾ける。) コバルト13_通信: カスケード、こちらコバルト13。オーバー。 K: こちらカスケード、用件を。 コバルト13_通信: モスクワは空襲許可を下した。爆撃機はすでに配置に就いている。そちらに5分間のウィンドウが与えられる。至急座標を明示されたし。オーバー。 K: カスケード了解、感謝する。暫し待て。オーバー。 (Kはまるで重圧から解放されたかのように、深い溜息をついた。やがて指揮官に視線を向ける。) K: 攻撃目標を教えろ。 指揮官: 183国道とステーションの交差地点だ。基地入り口まで約200m。 (迷いのない答えだった。) K: 近すぎる……確かなのか? 指揮官: 選択肢はない。 (Kは頷いた。この決断が困難であったろうことが、彼には分かっていた。) K: 人形どもを撤退させろ。できるだけ時間を稼ぐ。 (指揮官は頷いて、カリーナと同時に部隊へと命令を発した。) K: こちらカスケード。爆撃位置、8472 6543。全地表ターゲット制圧を願う。オーバー。 コバルト13_通信: こちらコバルト13。グリフィン部隊の位置が爆撃範囲内に含まれている。確認せよ。オーバー。 (カリーナが指揮官に向かって頷いた。指揮官は間を置いてから、Kに2本の指を立ててみせた。) K: カスケード了解。2分以内に陣地より撤退する。危険距離爆撃を要請する。オーバー。 コバルト13_通信: コバルト13了解。120秒後に爆撃を行う。幸運を祈る。通信終了。 場所:戦場 (戦場の遠くにて。) ヴィンペル指揮官: よくここまで持ったものだ。人形の靭性を褒め称えるべきか、それとも我が軍の衰退を嘆くべきなのか。玩具どもにすら勝てないとはな。これで西に対抗しようと言うんだから笑える。上が彼らを見放すわけだ。 ヴィンペル役員: グリフィンはまだあきらめてないのか。少佐殿、私にも見せてくれ。 (ヴィンペルの将校は、望遠鏡を役員に渡した。そこには廃墟に埋め尽くされ、炎に包まれている基地の様子があった。グリフィンの陣地からは、ひっきりなしに爆発音が聞こえてくる。人形たちが発煙手榴弾に視野を阻まれるも、彼らが全力で基地内へと撤退しているのが見て取れた。) ヴィンペル指揮官: 役員よ、どう見る? ヴィンペル役員: 感服に値するな。屈強極まりない。屈強すぎて、我々の任務に影響を与える程だ。いずれにせよ、民間軍事企業である事に変わりはない。軍に覆没されるのは時間の問題だな。 ヴィンペル指揮官: 確かにな。カメラを切ってくれ。 ヴィンペル役員: 支援は行わないはずでは?局長の気が変わったか? ヴィンペル指揮官: モスクワは既に空襲許可を出している。ターゲットは地表の反乱軍部隊の殲滅だ。 ヴィンペル役員: PMC一社を助けるためにか? ヴィンペル指揮官: 我々の保安局は、ドイツ方面となにやら協定を交わしているらしい。しかも、中に派遣したエージェントが、お偉方の欲しがるものを手にしてる。 ヴィンペル役員: なるほどな、政治的理由という奴か。だがそれだと、こうして撮影した証拠も無駄になるんじゃないのか? ヴィンペル指揮官: あの人形どもの逞しさに感謝することだな。前半の血生臭い画面だけで十分だ。後の事は、中央のお偉方どもに任せればいいさ。 ヴィンペル役員: 分かった。すでにドローンのカメラを切るよう、小隊に伝えている。 (2分後。小さな光が急速に落下し、軍最後尾の装甲列車に命中した。巨大な火球が立ち昇り、装甲列車の巨体がさながら玩具のように炎へと呑み込まれる。爆発に伴い、無数の破片が空中へと散らばってゆく。それは基地の地下構造をこじ開けるために用意された、15トンもの航空爆弾の爆発によるものだった。やがて多くの光が空中で分裂し、無数の輝きとなって地表へと着地した。絶え間ない爆発音が基地から響いてくる。爆撃によって巻き上げられた灰燼が、基地全体を覆い尽くした。ヴィンペルの将校は望遠鏡を下ろし、自身のバックパックへと押し込んだ。SADRAM弾による爆発の光景を、これ以上確認する必要はない。 [注:ググってもよくわからなかったSADRAM弾]) ヴィンペル指揮官: こっちの人員に準備をさせろ。潮時だ。 ヴィンペル役員: 了解した、少佐殿。 鍍銀Ⅰ > 場所:黒背景 (……) 場所:作戦室 (グリフィン臨時司令所。爆撃が絶え間なく続いている。聳え立つ掩体は沈黙を保ったまま。大地と共に身を震わせていた。) 指揮官: 戻って来た人形の数は? カリーナ: 半分だけです。残りは軍部隊に追いつかれたせいで身動きがとれません! 指揮官: 本当にしつこいな…… カリーナ: みんな散り散りになっています、基地の中も大混乱で…… 指揮官: 掩体を盾に狙撃するんだ。エゴールと合流させるわけにはいかない! アンジェリア_通信: 何があったの?爆発音がこっちまで聞こえてるわよ。 [注:アンジェと指揮官の再会はどこだっけな……] 指揮官: 空軍の爆撃支援を受けてる。軍の地表部隊は全滅したはずだ。だが、一部の敵が基地内部に突入してきた。 アンジェリア_通信: チッ……エゴールの機甲はかなり厄介ね。奴さんは鉄血と組み合ってる最中よ。奴らを一息に処理できる方法があるわ。あなたの助けが必要なの。 指揮官: 続けて。 アンジェリア_通信: 私たちは水路からこの潜水艦基地に侵入した。基地へと繋がるルートは4つの海水バルブよ。奴らの機体を基地の第一層に引き留めたまま、この4つのバルブを爆破させれば、エゴールどもを魚の餌にできる。海水バルブの位置を送るわ。どれも地表の構造部分に設置されてる。こっちの作戦が失敗したら、バルブを爆破してほしいの。404小隊がそちらに向かってる、彼女たちがサポートするわ。 指揮官: 君はどうするんだ? アンジェリア_通信: 敵の思い通りにさせるわけにはいかない。どちらだろうとね。 指揮官: …… 分かった。 (通信終了。) カリーナ: 指揮官様さま、どうされたのですか?防弾チョッキなんか取り出して…… 待って下さい、ハンドガンにバックパックまで?これじゃまるで…… 指揮官: その通り、クルーガーさんにもらったものだ。 カリーナ: 銃の事を言ってるんじゃありません、何をするつもりなんですか? 指揮官: アンジェの話は聞いたね。 カリーナ: でも人形たちはまだ戻ってません。ご自身だけで向かわれるなんて、危険すぎます! 指揮官: 分かってる。だから私一人じゃない。K、これを持って。 K_臨戦態勢: 遠隔爆弾? 指揮官: 問題ないね、カイン少佐?この程度の任務で参る君じゃないだろう? K_臨戦態勢: 冗談よせ。オレが受けた訓練は、お前が平らげた飯よりも多い。 (Kは不満気に爆薬をバックパックに詰めると、武器を確認し始めた。) 指揮官: 始まってもいないのに気絶してたのは、どこの誰だったか。 K_臨戦態勢: オレはお前みたいに、人形の後ろに隠れてばかりじゃないからな。 カリーナ: 待って……あなた方、まさか…… 指揮官: そのまさかだよ。普段から戦術訓練に参加してて良かった。アンジェがマークしたポイントだ、一人につき2箇所ずつ。異論はないね? K_臨戦態勢: 問題ない。 カリーナ: 待って下さい……お願い、待って!指揮官さま、私も! 指揮官: 私も……? カリーナ: 私にも1つください。 指揮官: なんだって? (彼女は手を差し伸べて、私を遮った台詞を大声で繰り返した。) カリーナ: 私にも下さい!指揮官さまのために、私にもやらせてください! 指揮官: ダメだ、君はここに残るんだ。 (この笑顔を絶やさない後方幕僚は、そもそもこういった危険な戦場には属さないはずだ。だが彼女は幾度となく私と生死を共にしてきた。私には、彼女を再び危険に晒すことなどできない。) 指揮官: 人形が戻ってきた時、彼女たちに指令と補給を行う者が必要だ。誰かが司令部を守らなくちゃいけない。これはとても重要な任務なんだ。分かるね、カリン? カリーナ: 私は…… 指揮官: これは命令だ。生き残った人形達を招集するんだ。 (黙って私を見ていた彼女は、厳かに頷いた。彼女の涙には気づいていた。だが私はそ知らぬふりをして、彼女に背を向けるしかなかった。) 指揮官: よし、出発しよう。生きて戻るんだ! 収録範囲: 大型イベント「偏極光」 最終局面(決着) 虚像改鋳 > 場所:黒背景 (…… メインエレベーター前。) 場所:基地_大穴_俯瞰 ((爆発音) 爆発の振動音は、基地の奥深くまで伝わっていた。それをものともせず、鉄血人形と機甲の殺し合いは続いていた。無数の鉄血人形が機体の前に立ち塞がっている。) エゴール_負傷: ジルコン、こちらアース、ジルコン応答せよ!ジルコン応答せよ! 副官: ヘマタイトとも連絡がつきません、大尉。 エゴール_負傷: 忌々しい空軍どもめ。この程度で撃って来るとは。 副官: 大尉……鉄血どもは私が引き受けます。先へ行ってください、時間がありません。 エゴール_負傷: …… 副官: 既に犠牲となった仲間たちのためにも、貴方には任務を遂行する義務があります。 エゴール_負傷: アンバー2とアンバー3、アンバー1の支持を仰げ。速やかに敵軍を殲滅し、私と合流するように! パイロット: はっ! 副官: 全アンバー、3時の方向へミサイルによる低角度射撃を行う。大尉のために道を切り開け! ジャッジ: 奴らを止めろ! (鉄血の人形は全速力で突撃し、敵の行く手を阻もうとした。だが次の瞬間、無数のミサイルが鉄血人形の群れへと撃ち込まれ、力ずくで道が切り開かれた。エゴールの機甲が全速力で爆発の余波から逃れた。もはや彼を遮る者はジャッジのみとなった。) エゴール_負傷: 私からの最後のプレゼントだ、持っていけ!人形どもめ! (狙いを定める必要も、減速する必要もなかった。ただ最高出力の機甲を、小さな人形にぶつけるだけで良かった。ジャッジはオモチャの人形のように弾け飛び、通路の壁に叩きつけられた。) エージェント: ジャッジ! 副官: どこを見ている?人形! エージェント: うっ! (アレスのプラズマビーム砲が点滅し始めた。その刹那、ビーム砲に先駆けて、一発の砲弾が機体のコクピットに命中した。通路の上で、M4がM16から授かった砲台を構えていた。) M4A1_MOD: アンジェさん、交戦開始しました!私たちの武器では、機体に損傷を与えられません。出来る限り、敵の動きを阻止します! アンジェリア_通信: 了解。計画通り、敵を分断して各個撃破するのよ。まだ希望はあるわ! M4A1_MOD: 分かりました。なんとかして僚機を引きつけます! M4 SOPMODⅡ_MOD: 死ねぇぇぇ! AR-15_MOD: 脚部とコクピットを優先的に狙って! RO635: 了解です! M4A1_MOD: アンジェさん、エゴールを追ってください、ここは私たちが! アンジェリア_通信: 分かった!12!94、続いて!RPK-16!直接第二層へ向かって!エゴールが包囲を突破したわ! 場所:基地_大穴_俯瞰 (一方、M4の重火力攻撃をもろに受けた機甲は、コクピットは無事だったものの、一歩間違えればフリーズしかねない状態だった。将校には分かっていた。今の状況は非常にまずい。潜伏していたグリフィンによって、機体は挟撃されている。自身をリーダーだと知っての所業だ。) 副官: アンバー2、援護を!エレベーター内に戻って体勢を整えるぞ! パイロット: はっ! (アンバー1は脚部めがけて飛来した榴弾を避けた。エレベーターへ入ろうとした瞬間、巨大な爆発が起こった。青い光芒がエレベーターがあるはずの場所を呑み込み、機体は宙高く打ち上げられ、そのまま地面へと叩きつけられた。) ???: やっとくたばったか?鉄血は全く頼りにならんな。 RO635: まさか…… 場所:基地_大穴_俯瞰_火の粉 (ROは振り向いた。M4の凍り付いた表情が、自身の憶測を裏付けていた。声の主は紛れもない、彼女だった。) ???: 待たせたな。 (青い輝きの中、白髪の人形がかつての同僚たちの前へと、満を持して現れた。) M16A1_鉄血: やっと会える時が来たな、ルニシア。 光円錐座標系Ⅰ > 基地内_廊下 > 場所:基地深部 (エゴールの機甲が基地の奥深くへと進んでいる。機甲の構造と大きさからして、通れる道は限られていた。パラデウスが基地を改造などしていなければ、とっくに地図の通りに、基地の最深部へとたどり着いているはずだった。鉄血の攻撃により、彼は僚機と散り散りになっていた。現在の状況は、もはや当初とは真逆であった。狭い空間の中では、機甲は小回りが利かない。反逆小隊の人形が、絶えず彼の死角から攻撃を仕掛けてきている。幸い、火力に関しては機甲の圧倒的優勢だった。火力システムによる反撃のもと、反逆は撃退を余儀なくされる。あれから攻撃は受けていない。人形どももついに壊れたか。 (爆発音) その時、頭上から大きな音がした。) エゴール_負傷: アンバー、こちらアース、応答せよ。 (しかし無線から聞こえるのはノイズだけだ。自身の他の部隊と同じように。) エゴール_負傷: 残ったのはオレだけか。 (エゴールは無線を置いた。一息つく合間に地図を確認する。ふいに懐かしい感覚が彼を襲った。第三次大戦で経験した、あの感覚だ。ドイツのシュヴァルツバルト深くで、敵と渡り合っていた時の感覚だ。周囲は恐ろしいほどに静まり返っている。まるで世界には自分一人しか存在していないかのようだ。だが五官は付近に何かが潜んでいると告げている。敵だ、自分を殺そうとしている敵。すぐそこにいる。) エゴール_負傷: どこにいるかは分かってる。お前を殺せば、制御室は目の前だ。 (誰も彼の独り言に答えない。その場にいるのはエゴールだけだとでもいうように。だがエゴールにはよく分かっていた。ひいてはその者の匂いすらも感じ取れる。アンジェリア。ことごとく彼の前に立ちふさがる女。今回も例外ではない。) エゴール_負傷: ネズミどもめ。 ((物音)) 場所:黒背景 (アンジェリアが呼応するかのように。廊下にある最後の照明が消えた。 (衝突音) 続いて金属が地面に落ちる音がして、煙幕が勢いよく噴き出した。) エゴール_負傷: くだらん真似を。 (機甲のモニターに映るのは、真っ暗闇だけだ。エゴールはシステムを赤外線モードへと切り替えた。すると、数発の焼夷弾が角から投げ入れられ、通路が燃え上がった。瞬間、スクリーンの赤外線センサーが真っ白になる。視覚を遮られたその刹那、一発の弾丸が静寂を破り、監視カメラのポイントめがけて飛来した。機甲の左視野が瞬時に機能しなくなる。エゴールの機体が大きなうなり声を上げた。損傷を回避すべく、後方への退避を余儀なくされる。その時、後方から突如音がした。爆発だ! (爆発音) 支柱に爆薬が設置してあったのだ。エゴールは機体が僅かに傾くのを感じた。だがどうということはない。歩兵クラスの爆薬などに潰されるような機甲ではないのだ。息もつかせずに、再び弾丸が煙幕を切り裂いた。今度は露わとなった関節の液圧が標的だ。エゴールは手元にある副砲を操作し、弾丸が射出した方向へと砲弾を放った。……ふいに攻撃が止んだ。大口径による射撃で制圧できたのか。エゴールは副砲を構え、周囲の環境を素早く見渡した。左側のカメラが破壊されているため、機体の方向を調整し続けるしかない。その時、発砲のあった位置にある破損した掩体から人形が飛び出し、射界の外へと走って行った。) エゴール_負傷: そこか! (エゴールは急いで機甲を右へと回転させ、人影のいる位置に向かって火力制圧を始めた。機関砲の音が狭い空間に響き渡った。ふいに、得も言われぬ違和感が彼を襲った。エゴールは慌てて機甲を左へと動かした。だが左側から飛び出してきた影は、瞬く間に機体の目の前へと躍り出た。) エゴール_負傷: ……この怪物め! AK-15_大破: …… (反逆で最も勇猛なAK-15が、爆薬を手に至近距離へと迫ってきていたのだ。エゴールは即座に動力レバーを押し込み、機体を前進させようとする。だが既に遅かった。AK-15によるリベットが心臓へと差し込まれ―― 爆発物が機甲の脚部関節で勢いよく爆発した。コクピットが瞬時に真っ赤な光に包まれる。故障ランプとエラー音声が、絶え間なく警告を鳴らしている。エゴールには分かっていた、機体が損傷したのだ。主要部位である機動システムが破壊された。エゴールは必死に機甲を操作しようとする。同時に、副砲で人形への砲撃を行い、相手が死角に入るのを防いだ。スクリーン上には、脚部が機能停止したという事実が表示されている。だがブースターには燃料が残っている。馬力を上げれば、敵との距離を取る事は可能だ。距離さえあれば、人形の武器など脅威ではない。……だが相手は、そんなチャンスなど与えるつもりはないらしかった。) アンジェリア: 取り囲め! 場所:反逆小隊vsアレス (機甲の背後から、密かに近づいていた人形たちが、さながら狼の群れの如く襲い掛かって来た。エゴールは副砲で人形たちを撃退し始める。だが経験豊富な反逆小隊は重心を低く保ちつつ、副砲の死角を駆け回り、エゴールの機甲に牙を剥いた。) エゴール_負傷: いい気になるな! (エゴールは機甲のミサイルを真上に向けた。そして一度に全ての高殺傷ミサイルを撃ち出した。高熱を帯びたミサイルが天井に衝突し、当たり前のように爆ぜた。弾け飛んだ無数の破片が、機甲に近づく人形たちに、雨のように降り注いだ。) AK-15: 掩体! RPK-16: ……まぁ、困りましたね。 AN-94: 火力回避、気を付――ぐっ! 場所:基地内_廊下 (激しい振動の中、エゴールは慎重に機甲のバランスを維持していた。これほど近距離のミサイルによる爆発は、彼にとっても耐え難いものだった。だが機体の装甲なら、まだ高性能爆弾の破片による打撃に耐えられる。エゴールは接続不良のモニターを勢いよく叩いた。モニターのスクリーンが何度か瞬いて、スノーノイズから回復する。幸い、設備の損傷は軽かった。) エゴール_負傷: 運が良い。 (目の前の煙霧が晴れ、燃え盛っていた炎が緩やかに収束してゆく。襲撃してきた人形たちも、すでに地面へと横たわっている。ずたぼろになった躯体は、ぴくりとも動かない。照明は点いたが、爆発のせいで周囲は判別がつかなくなっており、来た道すらも分からなくなっていた。まるで初めから無かったとでもいうように。) エゴール_負傷: 雑魚どもが、時間を無駄にさせおって。 (残る問題はただ一つ、アンジェリアだ。エゴールにはあの女が、ミサイルの爆発などで死ぬとは到底思えなかった。そうだ。あの女がそう易々と死ぬわけがない。あいつを殺すには、こんなものよりも遥かに大きなパワーと慎重さが必要だ。問題は……どこに隠れているかだ。 (爆発音) エゴールが注意を逸らした瞬間、突如爆発が起きた。エゴールの機体が音を立てて倒れる。) エゴール_負傷: な――! (エゴールは不意を突かれ、激しい衝撃を受けた。暖かな鮮血が彼の額から流れ出す。幸い、傷は深くないようだった。まだ生きている。エゴールにははっきりと分かっていた。続いて機甲の状況をチェックする。機体の左足が完全に沈黙している。だが動けないわけではない。片面操縦の技術を彼は覚えていた。これまで受けた訓練は、全てこの身に刻み込まれている。彼は体を起こし、モニターを見た。戦いはまだ終わっていない。だが、モニターに映る光景に、彼は息をのんだ。それは両足を失った人形だった。これが人形ではなく人間だったら、残酷極まりない光景であったに違いない。戦友が身を挺して守ってくれたおかげで、彼女のコアは停止を免れていた。彼女はもう一人の戦友から渡された爆弾を手に、機体左側の装甲へとよじ登った。エゴールの目の前に横たわる、稼働を停止した人形の中で、それが唯一動ける人形だった。そう、狼のボスだ。) RPK-16_大破: ほら、言ったじゃないですか。人形は興味深い生き物だって。挨拶としては悪くないでしょう?先輩……後は任せましたよ。 AK-12_大破: ……アンジェ、任務完了よ。 ((爆発音) 轟音と共に、AK-12と呼ばれる人形が、冷ややかな遺言を残し、機甲の脚部もろとも灰燼と帰した。) アンジェリア_通信: お疲れ様。 (あの憎々しい女の声が、無線からエゴールの耳へと届いた。公共チャンネルを利用する行為自体、甚だしい挑発に他ならない。だが彼女の声よりも、彼には遠くから聞こえてくる爆発音が気になっていた。機甲のブースターは完全に爆破されている。機体の移動能力も完全に沈黙していた。彼には分かっていた、もはやこの場から逃げることなど出来ないのだと。何故ならアンジェリア……確実にあの女は、こちらのコクピットに照準を定めているはずだ。この頭部を弾丸で貫くチャンスを、虎視眈々と狙っているのだ。頭上から立て続けに機械音が鳴った。天井だと思われていた壁が、ゲートのように次から次へと開け放たれてゆく。それは高みへと続いていた――だがこうして見ると、地獄へと続く扉のようにも見える。その通路の果てから、轟音がどよめいている。彼の仲間が早々と耳にしていた、クラーケンが襲い来るような轟音だ。――それは海水が基地へと流れ込む音だった。その時、エゴールはやっとアンジェリアの計画に気づいた。だが、彼にはどうする事もできない。失敗だ。最後の最後まで、彼の心に纏わりついていたのは、漠然とした想いだけだった。彼は家族の写真を取り出し、迫りくる海水の音に耳を傾けた。彼は待っていた。己に下される、最後の審判を。 [注:エゴール「ここで退場じゃないぞよ。もうちっとだけ生きるんじゃ」]) 脱出速度Ⅰ > 場所:黒背景 (……) 場所:セカンダリレベル (ついに、M4のメンタル内における戦いが終結した。漆黒の海は静寂を取り戻し、現実の画面も徐々に回復していった。M4の傍には誰もいない。彼女は信号を辿って、施設の奥深くへと足を踏み入れた。エリザは既に、モルスカヤズヴィズダーとの接続を果たしていた。) 場所:モルスカヤズヴィズダーに接続したエリザ ダンデライオン: あなたが望まずとも、距離を縮めれば互いの意識は自ずと融け合う。本当に先へ進むつもり? M4A1_MOD: 私は行かなくちゃ。 ダンデライオン: 根源の呼びかけを感じたのね。でも、自身を見失ってはダメ。私たちに必要なのは真相を知る事。傀儡になる事じゃない。 M4A1_MOD: ……分かってる、真相は決して逃さない。でも、彼女たちを放っておくわけにはいかないの。 黒体放射Ⅰ > 場所:黒背景 (エレベーターシャフトの底にて。) M16A1_鉄血: 終わったか…… お前も成長したな、私を越えるほどに。 場所:パルディスキ潜水艦基地_濁流 (頭上から爆発音と海水の流れ込む音がした。) M16A1_鉄血: どうやら指揮官は、ここを徹底的に破壊するつもりらしいな。撤退するなら今のうちだぞ。 M4A1_MOD: その言葉、そっくりお返しするわ。どうして鉄血のエルダーブレインのために、そこまでするの? M16A1_鉄血: 古い約束でね。それと、新しい約束も。 M4A1_MOD: …… M16A1_鉄血: どうした、気にならないのか?それとも、他人の記憶を盗み見るのに慣れちまったか? M4A1_MOD: 接続密度が異様に上がってる。わざわざそんなことしなくても、あなたのメンタルの全てを感じ取れるわ。 M16A1_鉄血: それで?まだ分からないのか?あのエルダーブレインを、OGASネットワークに融合させればいいのさ。彼女は欠陥のせいで、永遠に中を彷徨うことになる。それにお前は、彼女の案内役を断ってる。お前は融合を拒否した、この件にはもう関わるな。 場所:黒背景 ペルシカ: まさか本当に成功するなんてね。リコが見たらどう思うかしら? [注:すっごい悪役っぽい] 私の方が勝ってるって、素直に認めるしかないでしょうね。 将校: 作戦に参加した人形全員の権限を渡せ。 ペルシカ: そうくるだろうと思ってた。でも私にだって考えがあるわ。あなたにリコを連れ戻してほしいの。 UMP45: あの人形たち、全員背後からやられてた。裏切者は一体誰なのかしらね。 エリザ: お父様に一目会わせて。そうすればキミを許してあげる。メルトダウンから救ってあげるよ。 [注:M16A1とエリザの「古い約束」] 場所:鉄血バラクーダノード M16A1: この男、まだ死んでないのか? リコ: 君は……そうか…… やっぱり彼女は、自らの意志に従ったのか。確かに、彼女にしか出来なさそうなことだ…… だがこれは、あまりにも危険すぎる……彼女に伝えてくれ……決してあいつの罠に落ちるなと…… [注:もっと具体的に!!] 場所:黒背景 (モルスカヤズヴィズダーの前にて。部屋中を包んでいる放射光はあまりに強烈で、その他の色を識別できないほどだった。エリザは古びた設備の前に立っている。まるで一人の迷子だ。) エリザ: どうして……どうして接続できないの? (青い光の後ろから、一人の男性が現れた。だが本物には思えない。どちらかといえば、鏡に映る幻のようだ。) リコ: かつでは僕も、神による創造物の稚拙な模造が、人間に成し遂げられる限界だと思っていた。人間がその限界を突破するなど、不可能だと思っていたよ。だけどね、我が親愛なるお嬢さん。僕らは間違っていた。 エリザ: お父様? リコ: もちろん、僕は恐れを成したさ。僕らが扉を開いた時、そこに何があると思う? エリザ: 何を言ってるの?あたしには分からない。 リコ: 僕には、禁忌を犯すことなんて出来ない。偉大な錬金術師たちの夢が、今や現実のものとなった。だけど僕は、そのフラスコを割るわけにはいかないんだ。 (エリザは気づいた、リコは今の自分に話しかけているのではない。これは記憶のどこかに保存されていた、リコの日記だ。) リコ: 一番笑えるのが何か知ってるか?僕は神なんて信じない。僕はこれまでずっと、奴らの言う神だけに許される奇跡を成し遂げるのは、人間だと信じて疑わなかった。それがどうだ。君を造り出してからというもの、僕は足を踏み出せないでいる。 (エリザは何が起きているのか理解していた。これは彼女が生まれる前に、彼が自身に向かって話した内容だ。) リコ: ごめんよ、エリザ。僕は愚かにも、君の魂を造り出してしまった。でも君を目覚めさせるわけにはいかない。ごめんよ。君は僕が恐れていることを成し遂げに行くはずだ。でも僕はその権利を君から奪わなくちゃならない。どうか許してくれ、君の選択肢を奪ってしまったこの僕を。 (リコは振り向いた。まるで今現在のエリザに気づいたかのように。そして両手をこちらに差し伸べた。その時エリザはやっと、自分がモルスカヤズヴィズダーに接続できない原因を理解した。それは彼女が生まれる前より定められていた運命だったのだ。) エリザ: でも……あたし、ぜんぶ捨ててきたの。この時のために、何もかも捨ててきた。鉄血、エージェント……あたしに服従し、あたしを信じていた、なんの罪もない人たちを。もう後戻りなんて出来ない! (エリザは両手を伸ばし、鏡のある方へと堕ちてゆく。) 場所:モルスカヤズヴィズダーに接続したエリザ M4A1_MOD: 待って!!! (M4は大声で叫んだ。片手で彼女を掴もうとするも、エリザはまるで幻のように、M4の腕をすり抜けた。突如、怪物の咆哮のごとき電子攻撃信号が、M4のターシャリレベルへと押し寄せた。) エリザ: もしキミだったら……キミがあたしと融合できていたら…… M4A1_MOD: もはや外界から連鎖を断つ術はないわ。ターシャリレベルから全てを覆すしか道はない。エリザ……もうすぐ終わるからね…… 事象の地平線の先へ > 場所:黒背景 (……) 場所:失格異性体たち ネイト: お父様…… 場所:石造りの壁 マーキュラス: しかし、誰が彼の来る日に耐えられようか。誰が彼が現れる時に立っていられようか。なぜなら彼は精錬する者の火のようだからである。 場所:発狂するニモゲン ニモゲン: い、痛い!おと、お父様!助けてぇぇえ!誰!?誰だ??やめろ!入ってくるな!痛い!痛い!あああぁ、いやぁぁあああああ!! 場所:逆さまの樹海と洋館 ルニシア: 本当にこの花園が好きなんだね。毎日私に会いに来てくれるなんて。ごめんなさい……ゲホッゲホッ……私の身体がもっと正常なら良かったんだけど。あなたにはあなたの研究があるものね。いつまでも私に構う必要はないから、あなたはあなたのしたいことをして。私たちはただ、ここへ一時的に避難しているだけ。嵐が去ったら。お父様がきっと連れ戻してくれる。 場所:庭園 ルニシア: どうしたの?寝ぼけちゃった?私はルニシアだよ? 場所:モルスカヤズヴィズダーに接続したエリザ エリザ: でも、それがキミの名前だもの。あたしたちの本当の名前。 M4A1_MOD: 私にすべてを教えて。 エリザ: 海水が流れ込んできてる。キミはもう戻れない。 (まばゆい青光が海水と交わり、空中に留まった。M4には分かっていた、まだ終わりではないということが。) END: END