はいこんにちはー、図形魔術基礎論の授業担当のマダルトラです 良いですよー、基礎から学ぶ魔術基礎の授業じゃなくてこっちを取る人は大分気合入ってますねー。 まあ開講時に一杯なこの教室も期末試験の時には大分空席が目立っちゃうんだけどねぇ えー図形やモチーフには力が宿る、というのは皆さん良く知っておられるでしょうが、 これは力ある物の象徴的なモチーフを持ってくる、例えば雷神の槌であったりとか 神の眼を象ったモチーフを持って魔除けにする、というのが始まりだと言われてますねー 魔術基礎の授業を取った人なら習ったと思いますが、魔術というのは万物に影響を及ぼす魔力を 魔法円であったり呪文によって型に嵌めて成型する事で魔法として行使する訳ですねー。 熟練した魔導師であれば型を必要とせずに魔力を練り上げて無詠唱で魔法を使ったりが出来る訳です。 この授業では魔法円や魔法陣を用いて魔力を制御する方法、所謂図形魔法について勉強していきます まず一番大事な基礎の基礎、円(サークル)からお話しましょう。 円というのは魔法円において非常に重要な二つの役割を果たしています。 循環、そして範囲の指定の二つですね。 円というモチーフは例えば自らの尾を食らう大蛇のように、永遠やループを現すモチーフです。 これによって流し込んだ魔力を内部で循環させ、何度もループさせる事で魔力励起を高める効果があります、 もう一つの範囲の指定は、円の持つ内側と外側という概念が関係してきます。 これは例えばフェアリーサークル、茸が作る妖精の輪なんかが関係してきますね。 妖精の輪自体は茸の生態上産まれる物であり、妖精が作る物ではありませんが、 彼等はこの妖精の輪を自分達の世界との境目として利用する事が多々あります。 これは円の持つ内と外を分かつ、という性質を利用しているとされています。 魔法円においては基本的に外殻に骨組みとなる円を二つ描き、 その間のスペースに呪文を書き込むパターンが多いですねー。 えーここで書き込む呪文は利用する魔法に合わせた物でもよいですが、どのような魔法であっても利用できる物として、 魔術文字を最初の1文字から最後の1文字まで順番に書いていく事で ”始まりから終わりまで”、という意味を持たせた物が存在しますね これは世界の始まりから終わりまで永劫に変わらず存在する法則を利用する、という宣言になる訳ですね。 えー本日の授業はこの辺にしておきましょうか、食堂は混みますからね、早めに行きたい人も居るでしょう。 では以上、お疲れ様でした。 はい、では今日もサクサクと授業を続けていきたいと思います。 では第二回の今回は三角形、デルタとも呼ばれるこの形について勉強していきましょう。 このような多角形の形においてはそれぞれの頂点に意味を持たせる事が多いですね。 この頂点に意味を付けるという物は大体の場合において魔法陣の構築の手助けをしてくれるでしょう。 三角形を構築する三つの頂点、この三つ、という言葉には大きな意味があります。 まず私達が存在するこの世界は三次元空間、と呼ばれ 縦、横、奥行き、この三要素によって構築されています。 世界を構成する物体を人が見極める際、それが三原色という三つの色で表されているのも興味深いですね。 また、三位一体、トリニティ、等の言葉で表されるように、三つの存在が一つに結ばれる。 このような考え方は様々な所で見る事が可能です。 図形としての形も、最もシンプルな図形の一つと言っても良く、 正多角形の中では最も角数が少ない図形でもありますね。 これは簡単に線から面への移り変わるのが二点から三点である、という意味でもあり、 つまり単純な長さ、一次元的な存在であった線から 面という二次元へとシフトする為の最小構成単位が3である、という事になります。 三者三様という言葉が様々な人々の事を指す言葉であったり、 一読三嘆、という言葉の三が何度も、という意味であったり、 三角関係という言葉が拗れた恋愛関係を意味する状態として扱われている事からも、 複雑であったり、多くの物を指す最小単位として三、という言葉が使われている事が分かりますね。 また、第三者、や三人称、のように、 当事者達とは関係無い所に立つ存在、という事としても三という数字は使われる事が多いです。 これは魔法陣を張る際の基本として覚えておきたい事ですが、 円によって分かたれた二つの結界の内、自分の立つ側を無関係な場所であると定義する事により、 魔法の効果から自身を排除したり、外からの攻撃から身を護る事を可能とします。 呪術、魔法による影響という物は基本的に術者とその対象者の二点によって完結している事が多いです。 この二点の言わば線によって一直線に自らに襲い掛かる危機に対して、 三つ目の点を定義する事によって面を形成し、その影響を空間に散らすという行為は、 防御手段として非常に有効です。 結界を形成したり、自身の魔法に自分が巻き込まれる事を防いだりといった事に利用が可能なので、 積極的に利用する事をお勧めします。 さて、では今回の授業はこれまでです。 今回でこの授業も三回目ですね 今日は四角形について勉強…うーむ… 二つ目の授業に何かを入れて三回目の授業を三角、四回目を四角にすればよかったかもしれませんね。 まあ、この下りも毎年やってる下りなんで変える予定は無いんですけどね。 さて、ではそういう訳で四角形について教えて行きますね 三角形の時には言いませんでしたが、多角形にはそれぞれ形によっても意味が違ったりもします。 特に四角形はその性質が強いとも言えるでしょう。 スクエアと呼ばれる正方形が基本的ではありますが、 その次に重要な四角形とされるのは菱形ですね。 菱形はダイヤモンドを意味する図形として用いられる事が多く、 ダイヤモンドをブリリアントカット等を表す五角形で描くよりも効果のある事が多いです。 魔法円や魔法陣において重要な概念として、象徴化、という物があります。 これは埋め込むモチーフや意味合いを象徴化する事によって、 書き込みを簡略化し、全体のバランスを保ったり、その効果をよりシャープに引き出す事が出来ます。 これは書き込みの多い魔法陣においても同じ事を言う事が出来ます。 一つの図形を細かく書き込むよりも、複数の図形を組み合わせる方が効果が高い。 これは四角形以外でも当てはまりますので覚えておきましょう。 さて、三角形の時では3という数字の持つ様々な意味合いを紹介しましたが、 4という数字で思い起こされるのはやはり四大元素、エレメンタルでしょう。 また、生物の肉体を構成する設計図も四つの要素から成り立っており、 この世界を形作る相互作用も大別すれば四つである、という説もあります。 これらの影響から、四角形という形状には地上世界の全て、 つまりは精神世界などとは異なり、物質として存在する世界を示す意味合いを持つ事もあります。 ここから物理的な作用を齎す効果を持つ魔法陣を張る場合等に四角形を使ったりする事が出来ます。