シャワー音を背景に、部屋を軽く片付ける。
丸まったティシュを捨て、中身が零れたゴムを拾い、
ペットボトルは冷蔵庫に戻した。ゴミの類を始末したら
寝床に取り掛かる。所々沼地のように生暖かく濡れた
シーツのシワを延ばして、徐に顔を埋める。
静かに深く息を吸うと3人分の香気が呼吸器を満たす。
だが流石にいささか汗臭い。今日は新しいものに変えねばならぬ。
─これはこれで心地良いけれど。

以前私達は朝の家事について割り振りを決めた。
片方はドロドロの体を洗う役。
もう片方は部屋を掃除する役。私は後者を選んだ。
浴室では今頭を洗っているらしい。嬌声ではない楽し気な声が聞こえた。
2人だけの裸の付き合いを大いに楽しんでいると見える。

あるいは疑問に思われるかもしれない。
掃除役には役得が無いのでは？…と。
私は取り換える前のシーツを延ばして目を凝らし、べとつきの中から
その「答え」を引き上げた。

光にかざし、よく色を確かめ、間違いないことを確認して
艶やかな尻尾の毛を紙に包んだ。折よくシャワーを終えた2人が
浴室の戸を開けたところであった。

そろそろ歯ブラシでも作ってみようかな？
