指を絡ませて掌を擦り合わせる・舌を絡ませて唾液を呑む
脚を絡ませて太腿を濡らす・尾を絡ませて毛を乱す
傍から見れば私達の乳繰り合いは恋人同士のするそれだろう
致命的な違いは「そもそも相手自身のことを見ていない」点にある
同じ種から生まれて違う胎から産まれた私達。
互いの内側に潜むその人を掘り出して貪っているのが実情である

だから全力で喘いだ
白目を剥いて絶頂しカエルの様なガニ股で痙攣する無様な姿を彼女に晒した
だから全力で喘がせた
悲鳴にも似た絶叫と共に上体を仰け反らせるまで容赦なく潮を噴かせた
気絶させたり失禁させたり思いつく限りの淫蕩を刻み合った
それらはせめて彼女に真摯でありたかったがために。

同じ人を2人で喰い合う中で同時に半分はその人である私と彼女が
お互いの肉体に目をつけるまでそう時間はかからなかった
2人と1度に交わるのは疲労が大きいため休息の期間が必要であるが
その間持て余した身の処し方に困っていたことも少なからず原因であった
3人の部屋と別にもう1つ借りた古い四畳半に敷いた粗末な布団の上で
時には眠り時には絡み合って肉の塊になるのが2人の遊びとなった。

いずれ違う種で孕むのが私達への世間の期待であり世界の摂理であろう
しかし私達はその道を閉ざした
私達を生んだそれと同じ種で胎を満たすことによって
彼女との営みは何も生まずただ虚ろに快楽に耽るためだけのもの。
故にこれはもう何にもならず何処にも行かない世界の中での暇潰しなのだ

