[サブ1] ヤスツナ :  

[サブ1] ヤスツナ : ──すっかりと出そびれてしまった。
テントの裏、物陰に隠れるように居心地悪そうに寄りかかる。
憂いの顔を見て、足が止まったのが悪かったのだ。きっと。

[サブ1] ヤスツナ : でもいいじゃあないか。頼れる友人がいて、心許せる時が出来て。
それはきっと彼女に必要なことであり、それは得難いものだ。
素晴らしいものだ。

そうだろう、そうだ、そう。……そう。

[サブ1] ヤスツナ : “ひっかかり”ひとつ。

[サブ1] ヤスツナ : 納得させようと、何度か己に問いと言い聞かせを行う。
しかし、だがしかし、……ひっかかりが取れない。喉の奥に小骨が刺さったように。

[サブ1] ヤスツナ : “僕が出たとて、同じように慰めることが出来ただろうか”。

[サブ1] ヤスツナ : ………否だろう、と。
そう判断を下した。

[サブ1] ヤスツナ : 何故か、彼女と話したのはそう多くはないからとか、そもそも僕は彼女の事を何も知らないとか、色々ある、あるが、──あるが──。

[サブ1] : 『お前が男だからだよ、██』

[サブ1] ヤスツナ : ぐしゃり、と、胸の奥で、何かが握りつぶされるような感覚。

[サブ1] : 『お前が男だからだ。お前は呪われた子だ。お前は、生まれて来るべきじゃなかった子だ、そうだろう、██』

[サブ1] ヤスツナ : ああやめろ、やめろ。
……そうやって“お前”はいつだって、いつだって、僕の足を泥濘へと引きずり込もうとする!

[サブ1] ヤスツナ : 違う、……違う。お前は、……お前の影は。

[サブ1] ヤスツナ : あの子に、重ねて良い訳がないんだ。

[サブ1] ヤスツナ : 波が引く。胸中の泥が引いていく。残るは凪だ。
どうもしない、動はない、揺もない。
……ほら、あの子たちは大丈夫だ。きっと。
僕の出る幕は、最初からなかった。それでいいのさ。

[サブ1] ヤスツナ : …………顔を洗ってこよう。
きっと今は、ひどい顔をしているだろうから。

[サブ1] ヤスツナ : “僕”は、そうでありたくないから。

[サブ1] ヤスツナ :