### 女王様と、僕の再会 1 1. 黄昏のプロローグ 大学四年の秋風は、アスファルトの匂いと微かな寂しさを乗せて、僕の頬を撫でていった。手にしたスマートフォンの画面には、サークル仲間たちが内定祝いに騒ぐ写真が流れてくる。いいね、を押す指が重い。僕、寒澤りくの就職活動は惨憺たる有様で、教授からは提出した卒論の草稿に真っ赤なダメ出しを食らったばかりだった。 「……何やってんだろうな、俺」 自嘲気味に呟き、無意識に乗り込んだ電車。気づけば、窓の外には見慣れた、いや、見慣れていたはずの景色が広がっていた。中学時代までを過ごした、僕の故郷。 何かに憑かれたように電車を降り立つと、夕暮れのオレンジ色が街全体をノスタルジックに染め上げていた。昔通ったゲームセンターは真新しいマンションに変わり、角の駄菓子屋は小洒落たカフェになっていた。時の流れという、残酷で公平な現実が胸に突き刺さる。 記憶の道を辿るうち、不意に、チョークの粉が舞う学習塾の光景が蘇った。 いつも僕の隣の席に座っていた、一人の少女。 甘城りのあ。 静かな子だったが、彼女だけが纏う空気はどこか違っていた。僕が難しい問題を解くと、彼女は褒める代わりに、面白そうに目を細めて「やるじゃないですか」と呟く。その、全てを見透かすような眼差しに見下ろされるたび、僕は奇妙な高揚感を覚えていた。 僕らは友達だった。でも、そこには言葉にできない主従の匂いが、確かに漂っていた。 卒業以来、一度も会っていない。彼女は今、何をしているのだろうか。 2. 再会という名のバグ そんな感傷に浸っていた僕の思考は、駅前のロータリーで強制的にフリーズさせられた。 雑踏。行き交う人々。その中で、一点だけ時空が歪んでいるかのような異質な存在感。 カツン、と硬質なヒールの音が耳に届く。ふわりと、甘く蠱惑的な香りが鼻腔をくすぐった。視線を向けると、そこに彼女は立っていた。 黒を基調とした、フリルとレースが幾重にも重なるゴシック調のワンピース。腰まで伸びた艶やかな黒髪は、高い位置で結われ、大きな赤いリボンと共にツインテールとなって揺れている。 だが、僕の視神経を焼き切ったのは、その服装以上に、物理法則を完全に無視した身体の造形だった。 ワンピースの胸元は、布がはち切れんばかりにぱつんっと張り詰め、ボタンとボタンの間が限界を超えて引き伸ばされている。そして、最も信じがたい光景は、その豊かな膨らみの下――アンダーバストから大胆に覗く、白く柔らかそうな半球だった。下乳。それは隠されるべき部位のはずなのに、まるでそれが正しい在り方であるかのように、誇らしげに顔を出していた。 「……コスプレ、か?」 いや、違う。作り物ではない、圧倒的な質量と生命感がそこにはあった。道行く誰もが、一瞬ぎょっとして視線を送り、そして慌てて逸らしていく。 僕は金縛りにあったように動けなかった。だが、信号待ちで彼女がふと横を向いた瞬間、時間が止まった。 ふっくらとした頬。少し短めの眉。あどけなさを残す、人形のようなベビーフェイス。 記憶の扉が、轟音を立てて開かれる。 「……あまぎ…?」 声にならない声が漏れた。 どうする?話しかけるのか?この、異次元存在と化した彼女に?人違いだったら?いや、それ以上に、こんなにも変わってしまった彼女に、どんな顔をして会えばいい? 思考が渦を巻く。でも、ここで声をかけなければ、僕の中の何かが一生後悔すると叫んでいた。 震える足で一歩、また一歩と近づく。 「あのっ……! もしかして、甘城りのあ…さん…?」 我ながら情けない声だった。彼女はゆっくりとこちらを振り返り、大きなオレンジ色の瞳を数回、ぱちくりと瞬かせた。怪訝そうな顔で僕を見つめ、数秒の沈黙が流れる。 ああ、やっぱり人違いだったか――僕が引き攣った笑みを浮かべた、その時。 彼女の唇が、花開くようにゆっくりと綻んだ。 「あら……? もしかして、寒澤くん、ですか?」 その声、その呼び方。記憶の底に沈んでいた音が、鮮明に蘇る。 「うわ、やっぱり! 久しぶり!」 「ふふっ、本当にお久しぶりです。びっくりしました。よく、りのあだって分かりましたね」 くすくすと笑う彼女に、僕は言葉を失ったままだった。変わらない、あどけない笑顔。しかし、その笑顔を乗せている身体は、もはや僕の知っている甘城りのあではない。視線が、どうしてもその規格外の胸元に吸い寄せられてしまう。呼吸をするたびに、ワンピースの布地がびきっ、びきっと悲鳴を上げているようだ。 「すごい…変わったね、甘城さん」 「そうですか? りのあは、寒澤くんは昔のままって感じがしますけど。その、ちょっと困ったような顔とか」 ああ、そうだ。この感じだ。彼女に見透かされる感覚。 「もしよかったら、連絡先、交換しませんか? また、ゆっくりお話ししたいです」 「うん、ぜひ!」 差し出されたスマートフォン。僕らはLINEを交換した。彼女が画面を操作するたびに、ツインテールがふわりと揺れ、その振動に呼応するように、胸元も微かに揺れた。その光景から、僕は最後まで目を逸らせなかった。 3. 個室、蘇る主従 数日後、りのあから届いた『近いうちに、お会いしませんか?』というメッセージに、僕は二つ返事で頷いた。 指定されたのは、駅近くの創作和食屋。通されたのは、掘りごたつ式の薄暗い個室だった。先に着いていた彼女は、黒いニット姿でちょこんと座っていた。私服ですら、その胸の異常な膨らみは隠しきれていない。 「お待たせ」 「いえ、今来たところです。さ、こちらへどうぞ」 ぎこちない空気の中、僕らは当たり障りのない近況報告から始めた。大学のこと、ゼミのこと、そして僕が惨敗続きの就活のこと。 「大変なのですね、卒論も就活も」 「まあね…。甘城さんは、もう決まってるの?」 「ええ、一応は。りのあは、ちょっと特殊な業界なので」 そう言って悪戯っぽく笑う。その笑顔に少しだけ心が和んだ時、彼女がふと思い出したように言った。 「そういえば、寒澤くんは昔からそうでしたよね。いつも、りのあの言うこと、なんでも聞いてくれて。あの時、私の消しゴム、わざと拾ってくれましたよね?床に這いつくばって。あの時の顔、面白かったですよ」 心臓が、どきりと音を立てた。 そうだ。僕はわざと彼女の足元に物を落とし、それを拾うふりをして、彼女に見下ろされることに快感を覚えていた。 「あー…まあ、そんなこともあったかな」 動揺を隠してビールを呷る。喉はカラカラだった。 その時だった。りのあが「あら、失礼しますね」と呟き、テーブルの奥にある醤油差しに手を伸ばした。 ぐっと身を乗り出す。しなやかな身体の動き。それに伴い、彼女のTカップの爆乳が、重力に従ってゆっくりと、しかし抗いがたい質量を持ってテーブルへと沈み込んでいく。 どふんっ……。 重く、湿った音が、静かな個室に響いた。グラスがカタ、と微かに震える。ニットの裾が胸の丸みに沿って限界まで持ち上がり、白く艶めかしい下乳の曲線が、薄暗い照明に照らし出されていた。 「……っ!」 僕は息を呑んだ。見てはいけない。でも、目が逸らせない。 「あら、ごめんなさい。この子たちが、少し窮屈みたいで」 彼女は悪びれる様子もなく、にっこりと微笑む。その顔は無垢なあどけなさを湛えているのに、やっていることはあまりにも確信犯的だ。 僕は直視できず、顔を真っ赤にして俯いた。全身の血が、顔に集まってくる。 その反応を、りのあは見逃さなかった。彼女は楽しそうに、猫が獲物を見つけた時のような、甘く冷たい笑みを浮かべる。 「ふふっ、可愛いですね。その顔、昔と少しも変わらない」 ああ、ダメだ。 忘れていたんじゃない。忘れたフリをしていただけだ。 この、魂の芯まで痺れるような感覚。彼女に見下ろされ、支配される絶対的な快感を、僕はずっと心の底で渇望していたんだ。 中学時代の経験は、僕の中から消えてなどいなかった。むしろ、熟成され、研ぎ澄まされ、僕という人間を根底から作り変えていた。 そう、僕は――この女王様にもう一度ひれ伏すために、ドMになったのだ。 「寒澤くん」 彼女が、僕の名前を呼んだ。 「……なに?」 掠れた声で返事をする僕に、彼女は微笑んだまま、しかし有無を言わせぬ響きで告げた。 「ちゃんと、『はい』って言わないとダメですよ?」 一瞬の逡巡。そして、僕の中で何かが弾けた。恐怖、恥じらい、それら全てを凌駕する、圧倒的な悦び。 僕は、ゆっくりと顔を上げた。 「……はい、りのあ様」 僕の完全な降伏の言葉を聞いて、彼女は心の底から満足そうに微笑んだ。8年の時を経て、僕らの歪で、最高に甘美な物語の第二章が、今、静かに始まろうとしていた。 ### 女王様と、僕の再会 2 薄暗い個室に、僕らの声だけが小さく響いていた。 ビールのグラスがこつんと鳴り、気まずい沈黙を破る。 「…じゃあ、えっと、再会に?」 「ふふっ、そうですね。私たちの再会に、乾杯」 りのあが上品にグラスを傾ける。僕も慌ててそれに倣った。冷たい液体が喉を滑り落ちていく感覚だけが、やけにリアルだった。 「それにしても、寒澤くんは本当に変わらない。中学の時も、そうやっていつも私の顔色を窺っていましたよね」 「そ、そんなことないだろ」 「ありますよ。私が『この問題、難しい』って言えば、次の日には必ず解法を調べてきてくれたり。私が『寒い』って言えば、自分のジャージを黙って貸してくれたり」 「……よく覚えてるな」 「ええ、もちろん。だって、面白かったですから。私のために一生懸命になっている寒澤くんを見るの」 悪戯っぽく笑う彼女の瞳は、あの頃と少しも変わっていなかった。そうだ、彼女はいつもこうだった。僕の行動のすべてを、掌の上で楽しむように眺めていた。そして僕は、その視線に焼かれることに、抗えない喜びを感じていた。 「りのあ様は、卒業してからどうしてたの? 高校は…確か、別の学区だったよな」 思わず、昔の呼び方が口をついて出た。りのあは一瞬きょとんとした後、心底楽しそうに目を細める。 「ええ、少し離れた女子校に通っていました。そこでも、まあ…色々ありましたけど。寒澤くんは?大学では、どんなことを?」 「僕は…ごく普通だよ。経済学部で、普通のサークルに入って、普通のバイトして…。何も、特別なことなんてない」 自嘲気味に言うと、りのあは「そうでしょうか?」と首を傾げた。 「りのあは、寒澤くんが普通だなんて、一度も思ったことありませんよ。だって、こんなにも素直で、純粋で…いじめたくなるくらい、可愛いじゃないですか」 その言葉に、顔が燃えるように熱くなる。ダメだ。完全にペースを握られている。 「そ…それより、りのあ様は今、何の仕事をしてるんだ?『特殊な業界』って言ってたけど」 話題を変えようと必死だった。すると、りのあは待ってましたとばかりに、妖艶な笑みを浮かべた。 「当ててみてくださいな。今のりのあを見て、どんなお仕事をしているように見えますか?」 そう言って、彼女はわざとらしく胸を張る。どふんっ、とテーブルに乗っていた胸がさらに存在感を増し、ニットの生地が限界まで引き伸ばされた。アンダーバストから覗く下乳の曲線が、照明に照らされて艶めかしく光る。 「……っ」 僕はゴクリと唾を呑み込んだ。アパレル?いや、こんなにもボディラインを主張する服を選ぶだろうか。モデル?それも少し違う気がする。 「うーん…全然、分からない」 「ふふっ、ヒントです。りのあは、この身体ぜんぶを使って、お仕事をしているんですよ」 「身体、ぜんぶ…?」 僕が当惑していると、彼女はスマホを取り出して、慣れた手つきで何かを検索し始めた。そして、画面をこちらに向けてくる。 「これを見れば、分かるかもしれませんね」 そこに映し出されていたのは、僕が今日会った彼女とは全く違う、しかし紛れもない「甘城りのあ」だった。イラストで見たような、黒いエナメルのボディスーツに身を包み、長いツインテールを揺らして、挑戦的な瞳でこちらを見つめている。そして何より、その衣装は彼女の爆乳を隠すどころか、下乳を大胆に露出させ、その圧倒的な肉体を強調していた。 「これって…」 「『別冊週刊アストニッシュDX』のグラビアです。りのあのデビューの時の」 「ぐ、グラビア…アイドル…?」 初めて聞く雑誌の名前。そして、あまりにも縁遠い職業。 僕が呆然としていると、りのあは意外そうな顔をした。 「あら…?もしかして、知りませんでしたか?りのあ、一応これでも、結構有名なんですよ。『#下乳の女王』なんて呼ばれて、ネットニュースになったりもしたんですから」 僕は必死に記憶を探った。しかし、グラビアはおろか、テレビや雑誌にもほとんど興味のない僕の頭には、そんな情報は一切インプットされていなかった。 「ご、ごめん…全然、知らなかった…」 正直に謝ると、りのあは数秒間、僕の顔をじっと見つめていた。てっきり呆れられるか、馬鹿にされるかと思っていた。しかし、彼女の口から零れたのは、予想外の言葉だった。 「……ふふっ、あはははっ!」 彼女は声を上げて笑い出した。その振動で、テーブルの上の胸がぼよんっ、ぼよんっと楽しそうに揺れる。 「面白い。面白いです、寒澤くん!」 「え?」 「だって、今の時代、誰でも少し調べれば私のことなんて分かるはずなのに。あなたは、本当に何も知らないんですね。りのあのことを、ただの中学時代の同級生としてしか見ていない」 その瞳は、怒るでもなく、呆れるでもなく、キラキラと輝いていた。まるで、誰も見つけたことのない珍しいおもちゃを見つけた子供のように。 「新鮮です。とても。みんな、私のこの身体や、『グラビアアイドルのりのあ』に興味を持つ。でも、あなたは違う。あなただけは、昔のままの純粋な目で、りのあを見てくれる」 彼女はテーブルから身を乗り出し、僕との距離を詰める。甘い香りが、僕の理性を蕩かしていく。 「気に入りました、寒澤くん。あなただけは、誰にも渡したくありません。りのあだけの、特別。そうですよね?」 その言葉は、問いかけの形をした命令だった。 有名人である自分を知らない、ただ一人の男。その希少価値が、彼女の独占欲とS心を最高に煽っているのが分かった。 僕は、もはや彼女に抗う術を持たなかった。 ただ、深く、頷くことしかできなかった。 「…はい、りのあ様」 僕の返事を聞いて、彼女は満足そうに微笑んだ。その笑顔は、中学時代のあどけなさと、すべてを支配する女王の残酷さを、同時に湛えていた。 こうして、僕とりのあの、新しくて、そしてどこまでも懐かしい主従関係が、再び始まろうとしていた。 ### 女王様と、僕の再会 3 僕の「はい、りのあ様」という返事を聞いて、彼女は心の底から満足そうに微笑んだ。その笑みは、僕が8年間忘れていた、いや、忘れたフリをしていた甘美な毒のように、全身に染み渡っていく。 店員が運んできた熱々の焼き鳥と枝豆が、テーブルの上で湯気を立てる。僕らは追加のハイボールを注文し、再びグラスを合わせた。アルコールのせいか、それともこの奇妙な状況のせいか、僕の身体は火照り、思考は心地よく痺れていた。 「寒澤くんは、大学ではどんな女の子と仲が良かったのですか?」 唐突な質問に、僕は思わずむせた。 「えっ、いや、別に…。普通の友達しか…」 「ふぅん…」 りのあは興味深そうに僕を見つめる。その視線は、僕の嘘や隠し事をすべて暴いてしまうかのようだ。 「あなた、昔からそうでしたよね。女の子と話すのが、あまり得意ではなかった。でも、りのあの前では、違った。そうでしょう?」 「……まあ、そう、かもな」 事実だった。他の女子とはぎこちなくしか話せなかった僕が、りのあの前でだけは自然体でいられた。いや、自然体というよりは、彼女の引いたレールの上を走る列車のように、定められた役割を演じているだけだったのかもしれない。でも、それが驚くほど楽だったのだ。 「それが、私たちにとって一番“自然”なことなんですよ」 まるで僕の心を見透かしたかのように、彼女は言った。 そうだ。この、彼女が上で僕が下という歪な関係こそが、僕らにとっての正常。8年ぶりに再会したというのに、パズルのピースがカチリとハマるような、 絶対的なしっくり感があった。 「でも、あの頃はまだ子供でしたから。私たち、何も分かっていなかった」 「…分かってなかった?」 「ええ」 りのあはそう言うと、わざとらしく僕の視線を自分の胸元へと誘導するように、ゆっくりと背筋を伸ばした。黒いニットが、そのTカップの双丘に沿ってミチミチと音を立てるように伸縮する。 「見てくださいな、寒澤くん」 「……え?」 「いいから、ちゃんと見てください。昔のりのあと、今のりのあ。何が一番違いますか?」 それは命令だった。僕は恐る恐る、しかし逆らえずに、その圧倒的な質量へと視線を落とした。薄暗い照明の下で、ニットの網目が極限まで引き伸ばされ、内側から押し返す肉の存在を雄弁に物語っている。呼吸をするたびに、その山脈がゆっくりと隆起し、沈降する。 「……大きい、です」 「ふふっ、正解です。よくできました」 頭を撫でるような甘い声色に、僕の背筋がぞくぞくする。 「この子たちがね、りのあを大人にしてくれたんですよ。そして、たくさんのことを教えてくれた」 彼女は、まるで愛おしいペットを紹介するように、自分の胸にそっと手を添えた。その仕草だけで、布越しながらもむにゅっと肉が沈み込むのが分かった。 「たとえば…」 りのあは、僕の鞄が置いてある隣の席に目をやる。 「寒澤くん。あそこの、私のバッグからハンカチを取ってくださいな」 「え、あ、うん」 僕は何も考えずに、掘りごたつのテーブルから身を乗り出した。しかし、手を伸ばした先、僕とバッグの間には、巨大な障害物が存在していた。テーブルの縁から大きくはみ出した、りのあの胸だ。 「……っ」 避けて通れない。僕は意を決して、彼女の胸のすぐ上を通過するように腕を伸ばした。その瞬間、ふわりとした熱気と、甘い香りが僕を包み込む。腕の内側が、ニットの柔らかい感触に触れた。いや、触れたのはニットだけではない。その奥にある、信じられないほどの弾力と、生命の温もりに、触れてしまった。 「あら、ごめんなさい。邪魔でしたか?」 彼女の声は、悪びれる様子もなく、ただ楽しんでいる響きを持っていた。 僕は慌ててハンカチを掴み、身体を引いた。心臓が、肋骨を叩き割って飛び出しそうだった。 「…ありがとう」 「どういたしましたしまして。でも、寒澤くん?」 「…はい」 「昔のあなたなら、もっと戸惑って、顔を真っ赤にして、すぐに目を逸らしていました。でも、今のあなたは違う。一瞬でしたけど、ちゃんと、この子たちの感触を確かめようとしていましたね?」 見抜かれていた。僕が、あの瞬間に感じたのは、ただの困惑ではない。触れてしまったことへの罪悪感と、もっと触れたいという欲望が入り混じった、抗いがたい興奮だった。 これが、彼女の言う「アップデート」なのか。子供の頃の無邪気な主従ごっこではない。互いの性別と、そこから生まれる欲望を自覚した上での、大人のためのゲーム。 「あの頃は、無意識でしたけど…。今は、もっと色々、試してみたくなりますね。大人になった私たちで」 彼女は、僕のハイボールのグラスをそっと手に取ると、自分の唇をつけた。そして、それを僕の前に、ことりと置く。 「さあ、飲んでください。りのあからの、ご褒美ですよ」 それは、紛れもない間接キスだった。 僕はもう、彼女の瞳から目を逸らすことができなかった。 懐かしくて、新しくて、そしてどこまでも倒錯したこの関係に、身も心も沈んでいく。それでいい、それがいいと、僕の魂が歓喜の声を上げていた。 ### 女王様と、僕の再会 4 僕の目の前に置かれた、彼女の唇の痕がうっすらと残るハイボールのグラス。それはもはや単なる飲み物ではなく、服従を試すための聖杯だった。僕は震える手でそれを持ち上げ、一気に呷る。炭酸の刺激と共に、りのあの甘い香りが脳を直接焼くような錯覚。全身の血が沸騰し、思考が蕩けていく。 「ふふっ、美味しいですか?りのあが、特別に魔法をかけておきましたから」 その言葉が、引き金だった。 懐かしさ、8年分の空白、そしてアルコール。僕の中で燻っていたMの魂が、堰を切ったように溢れ出す。目の前の彼女は、もはや中学時代の同級生ではない。僕がずっと待ち焦がれていた、僕だけの女王様だ。 「りのあ様…」 「はい、なんですか?寒澤くん」 彼女は楽しそうに、次のゲームを仕掛けてくる。 「あなたは昔から、すぐに目が泳ぐ癖がありますよね。今も、どこを見ていいか分からず、困っている」 図星だった。彼女の蠱惑的な唇を見るべきか、すべてを見透かす瞳を見るべきか、それとも視界の端で圧倒的な存在感を放つ、ニットに包まれた双丘を見るべきか。 「では、少しだけ訓練をしましょうか。寒澤くん、目を閉じてください」 「え…?」 「いいから、閉じて」 有無を言わさぬ、しかし優しい声色。僕は、磁石に引かれる砂鉄のように、ゆっくりと瞼を下ろした。 視界が闇に閉ざされると、他の感覚が異常なまでに研ぎ澄まされる。チリチリと鳴る鉄板の音。隣の個室から漏れる微かな笑い声。そして、何よりも強く感じるのは、りのあの気配。彼女が纏う香水の甘い香りと、僕の鼓動だけが、世界の全てになった。 衣擦れの音がした。さっきまで向かいにいたはずの彼女の気配が、移動してくるのが分かった。掘りごたつの畳が、微かに軋む。 「目を開けていいですよ」 言われるがままに瞼を上げると、僕は息を呑んだ。りのあが隣に座っている。狭い個室、僕は壁と彼女の間に、完全に閉じ込められていた。 そして、僕の右腕に、信じられないほどの熱と弾力が押し付けられていた。 彼女の、Tカップの左胸。 「……っ!」 ニット越しに伝わる、むっちりとした感触。僕が少し身じろぎするだけで、その柔らかい肉がむにゅっと形を変え、さらに深く密着してくる。それはもはや障害物ではない。僕の身体の一部を侵食し、支配しようとする、生きた捕食者だった。 「寒澤くん、緊張していますか?身体が、硬くなっていますよ」 「…あ、たりまえ、だろ…」 「あら、敬語が抜けています。昔のあなたなら、こんなこと、ありえなかったのに。…ふふっ、それだけ余裕がないのですね。可愛い」 彼女は僕の腕に、さらにずしりと体重を預けてくる。もう逃げ場はない。僕の腕は、彼女の豊満な胸の谷間に、半分埋まっていた。 「そんなに気になるのなら…」 彼女は僕の耳元で、悪魔のように囁いた。 「触れてみますか?」 時間が、止まった。 触れる?この、神が作り出したとしか思えない、冒涜的なまでの膨らみに? 僕の中で、理性と本能が激しくぶつかり合う。ダメだ、それは超えてはいけない一線だ。でも、彼女がそれを望んでいる。彼女が、それを命令している。 「…どうしたのですか?欲しくないのですか?」 挑発するような声。僕は、もう限界だった。 「……失礼、します」 震える左手を、ゆっくりと持ち上げる。そして、右腕に押し付けられている、その温かい山へと、そっと指先を伸ばした。 指が、ニットの柔らかい生地に触れる。その瞬間、僕の脳髄を、経験したことのない快感が貫いた。 指先に力を込めると、抵抗むなしく、それはずぶずぶと沈んでいく。どこまでも柔らかく、どこまでも温かい。まるで、底なしの沼に落ちていくようだ。指の第二関節までが、完全に彼女の胸に埋もれていく。 「……んっ…」 りのあから、甘い吐息が漏れた。 僕はもう、自分が誰で、ここがどこなのかも分からなくなっていた。ただ、この圧倒的な感触だけが、僕の全てだった。 「……いい子ですね、寒澤くん」 恍惚とした表情で、りのあが僕を見下ろす。 「ちゃんと、言うことを聞けました。昔よりも、ずっと素直で、良い子になりましたね」 8年前の関係を、僕らは今、この瞬間に、ものすごい勢いで超えてしまった。これはもう、昔のような無邪気な主従ごっこではない。互いの欲望を自覚し、それをぶつけ合う、大人たちの、濃密で危険なゲームの始まりだった。 僕の指は、まだ彼女の胸の温もりの中に、沈んだままだった。 ### 女王様と、僕の再会 5 僕の指は、まだ彼女の胸の温もりの中に、沈んだままだった。 ニットの柔らかい網目を突き抜け、その奥にある生命の熱を、神経の末端が余すことなく感じ取っている。それは、ただ柔らかいだけではない。ずしりとした確かな重量と、内側から押し返してくるような、むっちりとした弾力。僕の手のひらなど、赤子の玩具のように無力化してしまう、絶対的な質量。 「……どうしました? 固まってしまって」 僕の耳元で、りのあが悪戯っぽく囁く。その吐息が、僕の理性の最後の糸を焼き切った。 僕は導かれるように、沈めた指をゆっくりと動かした。 「……っ!」 まるで上質な絹の生地を撫でるような、滑らかな感触。僕の指の動きに合わせ、その巨大な球体はたぷんと揺れ、ニットの下で形を変える。そのたびに、僕の腕に押し付けられる圧力も変化し、快感の波が脳を何度も揺さぶった。 「もっと…そう、優しく揉んでごらんなさい。この子たちも、あなたの手を待っていたみたいですから」 それは、許可であり、命令だった。 僕はもう、思考を放棄した。ただ、彼女の言葉の通りに、その柔らかくも圧倒的な膨らみを、夢中で捏ねた。手のひら全体で包み込もうとしても、指が届かない。僕の掌は、その広大な山脈の前では、あまりにも小さく、無力だった。 「どうですか、寒澤くん?」 しばらくして、りのあが問いかける。 「りのあの胸は。触れた感想を、聞かせてくださいな」 言葉に詰まった。こんな、現実を超えた感触を、どう表現すればいい?「柔らかい」も「温かい」も「大きい」も、あまりに陳腐すぎる。 「……すごい、です。全部…吸い込まれそうで…まるで、生きてるみたいで…」 なんとか絞り出した僕の拙い言葉に、りのあは満足そうに喉の奥で小さく笑った。 「正解です。この子たちは、生きてるんですよ。そして、寒澤くんの手の中で、今、とても喜んでいる」 その言葉は、僕の罪悪感を優しく溶かし、代わりに純粋な悦びを注ぎ込んでいく。 彼女はそっと、僕の手の上に自分の手を重ねた。そして、名残惜しそうに、ゆっくりと僕の手を胸から引き離させる。 「はい、よくできました。今日はここまで」 その一言で、魔法が解けたように、僕はハッと我に返った。僕の手から離れた彼女の胸は、再びその自重でぼよんっと揺れ、定位置に収まる。しかし、僕の指先には、まだあの熱と感触が生々しく残っていた。 「これからも、寒澤くんが良い子にしていたら、時々、こうしてご褒美をあげます」 「ご褒美…」 「ええ。でも…」 彼女は僕の目をじっと見つめ、人差し指をそっと僕の唇に当てた。 「悪い子にしていたら…お仕置き、ですね」 その言葉は、脅しのはずなのに、僕の身体の奥を疼かせた。ご褒美もお仕置きも、彼女が僕に与えてくれるものならば、どちらも甘美なものに違いない。 僕らが過ごした中学時代の、あの無邪気で曖昧だった関係は、もうどこにもない。 アルコールが潤滑油となり、8年という時間が触媒となって、僕らの関係は、より直接的で、官能的で、そして抗いがたい主従の契約へと昇華されたのだ。 会計を済ませ、居酒屋を出る。ひんやりとした夜風が、火照った頬に心地よかった。 「楽しかったですよ、今日の“授業”は」 「…うん、僕も」 「ふふっ、またすぐに、次の授業も始めないと。寒澤くんは、物覚えがあまり良くないみたいですから」 駅への道を並んで歩く。もう、彼女の隣を歩くことに緊張はなかった。あるのは、心地よい服従感と、これから始まる新しい日々の高揚感だけだ。 分かれ道で、りのあは立ち止まり、こちらを振り返った。 「では、次の連絡を待っているように。いいですね?」 その命令に、僕は少しの躊躇もなく、完璧な答えを返した。 「はい、りのあ様」 僕の返事を聞いて、彼女は夜の闇の中でも分かるほど、美しく微笑んだ。 踵を返して去っていく彼女の後ろ姿を見送る。揺れるツインテールと、その下に存在する圧倒的なシルエットが、ゆっくりと雑踏に消えていく。 僕の心臓は、まだ激しく鳴り響いていた。 明日から、僕の世界は変わる。いや、今日この瞬間から、もう変わってしまったのだ。 女王様の、僕だけの女王様の、甘い支配が始まる。そう思うと、未来への不安なんて、どこかへ消え去っていた。 その夜。僕、寒澤りくは、完全に壊れていた。 りのあと別れ、一人で乗り込んだ終電の車内。ガタンゴトンと規則正しく揺れる車体とは裏腹に、僕の心臓は不規則に、そして激しく高鳴り続けていた。彼女の甘い香り、耳元で囁かれた声、そして指先に残る、あの柔らかく温かい感触。すべてが現実だったとは思えないほどの熱を帯びて、僕の脳を侵食していた。 アパートの鍵を開け、電気もつけずにまっすぐPCデスクに向かう。暗闇の中、モニターの光だけが僕の顔を青白く照らし出した。机の隅に積まれた、就職活動用のパンフレットの山が、まるで別世界の遺物のように見える。 理由のわからない高揚感。日々のストレスから目を逸らしたいという逃避願望。そして何より、あの女王様をもっと知りたいという、抗いがたい渇望。すべての感情がぐちゃぐちゃに混ざり合い、僕を突き動かした。 ブラウザを開き、検索窓に震える指で文字を叩き込む。 「甘城りのあ」 エンターキーを押した瞬間、僕の世界は再び彼女の色に染め上げられた。 ヒットしたBDや写真集の数々。僕が今日まで知らなかった「グラビアアイドル・甘城りのあ」が、挑発的な姿で画面いっぱいに表示される。エナメルの衣装で僕を見下ろすりのあ様。ニットから下乳を覗かせるりのあ様。僕だけが知っているあどけない笑顔と、僕の知らない妖艶な表情。 もう、思考は停止していた。 「カートに入れる」「カートに入れる」「カートに入れる」 マウスをクリックする音が、狂った心臓の鼓動とシンクロする。気づけば、推奨商品のリストにあったものまで片っ端からカートに放り込み、注文ボタンを押していた。 その夜、どうやってベッドに入ったのか、記憶は曖昧だ。 翌朝。 頭を内側からガンガンと殴られるような痛みと、喉の渇きで目が覚めた。二日酔いだ。完全に自分の限界を超えて飲んでしまったらしい。グロッキー状態でなんとか身体を起こし、水のペットボトルを呷りながらPCの前に座る。 メールでも確認するか…。ぼんやりとした頭で受信トレイを開いた瞬間、僕は凍りついた。 [Amazon.co.jp] ご注文の商品を発送しました: 『甘城りのあ 1st写真集 「女王様の休日」』 [Amazon.co.jp] ご注文の商品を発送しました: 『甘城りのあ BD 「服従のレッスン」』 [Amazon.co.jp] ご注文の商品を発送しました: 『別冊週刊アストニッシュDX 甘城りのあ特集号』 [Amazon.co.jp] ご注文の商品を発送しました: … [Amazon.co.jp] ご注文の商品を発送しました: … 見慣れたAmazonからの発送通知メールが、スクロールしても終わらないほど、ずらりと並んでいた。昨夜の狂乱が、冷たいデジタルの文字となって僕に現実を突きつけてくる。 「何をやったんだ、俺は……」 昨夜の熱狂が嘘のように、すっと血の気が引いていく。合計金額を想像するだけで眩暈がした。学生の身分で、到底許される額ではない。 昨夜の僕は、完全に暴走していた。 そう自覚した瞬間、少しだけ冷静になった。後悔と自己嫌悪が押し寄せる。 しかし、その一方で。心の奥底で、小さな炎が再び燃え上がるのを感じていた。 明日か、明後日か。この部屋に、「りのあ様」が大量に届く。僕だけが知らなかった彼女の姿を、これから嫌というほど知ることができる。 後悔しているはずなのに、口元が微かに緩んでいることに、僕はまだ気づいていなかった。 ### 女王様と、僕の不在証明 あの夜から、僕の世界は色を失った。 大学の講義も、書きかけの卒論も、友人との他愛ない会話も、すべてがモノクロの映画のように、僕の意識の表面を滑っていくだけだった。僕の魂は、ただ一点、スマートフォンの小さな画面に灯る通知ランプだけを渇望していた。 りのあ様からの、連絡を。 翌々日には、Amazonからの段ボールが僕の狭いアパートを侵略し始めた。一つ、また一つと開封するたび、僕の部屋は急速に「甘城りのあ」という名の祭壇へと姿を変えていく。 テーブルの上には、ページをめくるのも憚られるほど美しい写真集が並び、壁には、まだ貼る勇気も出せずに立てかけたポスターの中の彼女が、僕を見下ろしている。夜になれば、PCモニターの中でBDの中の彼女が動き、話し、僕が知らない笑顔を見せる。 僕は、大量に届いた「りのあ様」に囲まれ、半ば放心状態で日々を過ごした。彼女のすべてを知りたい。彼女のすべてを所有したい。昨夜の狂乱の中で生まれたその欲望は、彼女からの不在によって、日に日に歪な形で膨れ上がっていった。 一週間が過ぎ、二週間が過ぎた。僕の指は、何度もLINEのトーク画面を開いては閉じる、という無意味な反復運動を繰り返していた。 『この間はありがとう。また会えたら嬉しいな』 意を決して送ったメッセージは、しかし、いつまで経っても灰色の文字のままだった。彼女の多忙な日常の中では、僕からの連絡など、読むに値しないものなのかもしれない。僕の存在は、あの夜だけの、一夜の夢だったのかもしれない。 そんな不安が、僕の心をじわじわと蝕んでいく。 写真集の中の彼女は、僕に微笑みかけてはくれない。BDの中の彼女は、僕の名前を呼んではくれない。この部屋を満たす大量の「りのあ様」は、僕の孤独を癒すどころか、むしろその不在を、残酷なまでに浮き彫りにした。 そうして、一日が一年のように感じられる日々が過ぎ、季節が変わり始めるのではないかと錯覚するほどの時間が流れた。 あの日から、一ヶ月が経っていた。 もう、諦めよう。そう思った矢先だった。 何気なく開いたLINEの画面。そこに、信じられない変化が起きていた。 既読 たった二文字。その二文字が、僕の止まっていた心臓を鷲掴みにし、再び無理やり動かし始めた。 見た。彼女は、僕のメッセージを、今、確かに見たんだ。 それだけで、この一ヶ月の苦しみは報われた気がした。返信なんていらない。ただ、僕の存在が彼女に認識されたという事実だけで、僕は天にも昇る気持ちだった。 しかし、僕の本当の地獄は、そこから始まった。 既読になってから、一日、二日…一週間。 彼女からの返信は、ない。 僕のメッセージは、読まれた上で、完全に放置されていた。それは、単なる「未読」よりも遥かに残酷な仕打ちだった。彼女は僕を認識し、その上で、僕を弄んでいるのだ。僕という名の魚を釣り上げ、糸を張ったり緩めたりしながら、その反応を楽しんでいるに違いない。 僕は、彼女の手のひらの上で、もがき苦しんでいた。その事実が、悔しいはずなのに、どうしようもなく興奮した。 そして、既読になってからちょうど一週間が過ぎた、月曜日の午後。 講義室の片隅で、死んだ魚のような目でノートを取っていた僕のポケットで、スマートフォンが短く震えた。 どうせまた、どうでもいい通知だろう。そう思いながら気怠く画面を点灯させた僕の目に、信じられない文字列が飛び込んできた。 LINE: 新着メッセージ1件 りのあ 心臓が、喉から飛び出しそうだった。指が震え、何度もタップをミスしながら、必死にトーク画面を開く。 そこに表示されていたのは、この一ヶ月と一週間の沈黙が嘘のような、あまりにもシンプルで、あまりにも女王様然としたメッセージだった。 『寒澤くん、お久しぶりです。急ですけれど、今週の土曜日、空いていますか?』 僕は、その場で泣き崩れそうになるのを、必死で堪えた。 長い、長い不在証明の末に、ついに下された、女王様からの召集令状。 僕の待ち焦がれた日々は、決して無駄ではなかったのだ。