届いた荷物(ライザリン・シュタウト) 玄関のチャイムが鳴ったのは、梅雨の蒸し暑い土曜日の午後だった。 俺――としあき(仮)は、PCモニターに映るライザのフィギュアのレビュー動画を一時停止し、重い腰を上げた。ライザのアトリエシリーズを初代から追い続けて数年。あの太腿に心を奪われた男は数知れないが、俺もその一人だ。いや、一人どころか重症患者だ。デスクの横にはライザのタペストリー、棚にはフィギュア三体、枕カバーまで揃えている。 「はいはい……」 ドアを開けると、宅配業者が汗を拭きながら立っていた。 「お届け物です。……かなり重量ありますんで、お気をつけて」 差し出された伝票に目をやる。差出人の欄は空白。届け先は確かに俺の名前と住所。サイズ表記は「特大」。品名欄には一言――「プレゼント」とだけ記されていた。 「……なんだこれ。何も頼んでないんだけど」 「サインだけお願いします」 業者は台車に載せた巨大な段ボール箱を玄関先まで運ぶと、足早に去っていった。 残されたのは、俺と、異様な存在感を放つ梱包。 高さは120センチほど。幅と奥行きもそれなりにある。だが何より気になったのは―― ドンッ……ドンッ…… 中から、何かがぶつかる音。 「……は?」 耳を近づける。すると聞こえてきたのは、くぐもった息遣いだった。 「んぅ……っ、んんっ……」 明らかに、生き物の気配。それも、人間の。 「動物か……? いや、これ……」 心臓が跳ねた。冷静に考えればすぐに通報すべき状況だ。だが俺の手は、気づけばガムテープに掛かっていた。好奇心という名の衝動が理性を凌駕する。 カッターを取りに戻り、テープを慎重に切っていく。上蓋を開いた瞬間、むわりと甘い汗の匂いが鼻腔を満たした。花と果実を混ぜたような、どこか錬金術の触媒を思わせる芳香。 そして――目に飛び込んできた光景に、俺は文字通り息を止めた。 箱の中に、少女がいた。 いや、少女と呼ぶには発育が良すぎる。女がいた。 焦げ茶がかった金髪。短めに切り揃えられた毛先が汗で頬に張り付いている。赤いベレー帽はない。白いシャツも、あの特徴的なホットパンツも、ブーツもない。 何も、着ていない。 裸体を飾るのは、真紅のサテンリボンだけだった。 リボンは首元から鎖骨を通り、豊満な双丘の間を縫うように巻かれ、引き締まったウエストを一周し、そこから両脚に沿って螺旋を描き、足首で結ばれている。あたかも高級菓子のラッピングのように、丁寧に、美しく、そして扇情的に。 姿勢がまた尋常ではなかった。 両脚が頭の上まで持ち上げられた屈曲姿勢――柔軟性がなければ不可能な体勢で、膝裏が自身の耳の横に来ている。足首同士がリボンで結ばれ、さらにそのリボンが箱の内壁上部のフックに固定されていた。つまり自力では脚を下ろすことすらできない。 その結果として、彼女の身体で最も有名な部位が――あの太腿が、これ以上ないほど無防備に晒されていた。 ライザリン・シュタウト。 あの、ライザだった。 二次元の存在が、三次元の、しかも俺の目の前にいる。そんな馬鹿な話があるわけがない。しかし質感が違う。フィギュアでもコスプレでもない。肌は生きている人間のそれだ。呼吸で腹部が上下し、汗の雫が鎖骨から胸の谷間を伝い、リボンの結び目を濡らしている。 「んんんっ!! んーーっ!!」 口には黒い革のギャグボールが嵌められていた。白い歯が革に食い込み、唾液が顎を伝って首筋に流れている。言葉を発することは完全に封じられている。 そして、その瞳。 アーモンド形の大きな目が、涙の膜を張りながら俺を睨んでいた。 顔は紅潮している。恥辱と怒りと、そしてこの体勢を長時間強いられた疲労が混在した表情。眉根を寄せ、目尻に涙を溜め、それでも気の強さを失わない瞳で、箱を開けた男――俺を射抜いている。 「ん゛ん゛っ!! んぅ゛ーーっ!!」 ギャグ越しの叫びは、おそらく「何見てんのよ!」か「早く解きなさいよ!」か、その類だろう。 だが俺の視線は、彼女の顔から下へ、下へと吸い寄せられていた。 太腿。 画面の中で何百時間と見つめたあの太腿が、今、現実の肉感をもって俺の目の前にある。 屈曲姿勢のせいで太腿の肉は圧縮され、横に広がり、その柔らかさと重量感を如実に示していた。内腿の白さと、外側のほんのり日焼けした肌色の対比。膝裏の薄い皮膚の下に透ける青い血管。太腿の付け根に近づくにつれて増していく肉の厚み。サテンリボンが螺旋に食い込んで、むちりと肉が盛り上がっている箇所。 ゲーム中のあのホットパンツから溢れんばかりの太腿の質感が、今まさに、本物の柔肉として存在している。 「…………マジかよ」 声が裏返った。喉がからからに乾いている。 そして俺の目は、最後の一点に辿り着いた。 リボンの交差点。脚の付け根。屈曲姿勢によって完全に開かれ、隠すもののないその場所に――メッセージカードが一枚、置かれていた。 小さなクリーム色のカードが、彼女の最も秘められた場所のすぐ上に、ちょこんと載っている。 俺は震える手でカードを摘み上げた。指先が彼女の内腿に触れた。 「ひんっ……!」 ギャグ越しに、明らかに甘い声が漏れた。ライザの身体がびくりと跳ね、太腿の肉が波打つ。その振動が指先に伝わり、俺の脳を灼いた。 カードを開く。 流麗な筆記体で、こう書かれていた。 「拝啓 としあき殿 貴方のライザへの深き愛に敬意を表し、ささやかな贈り物をお届けいたします。 中身はご覧の通り。クーケン島が誇る新米錬金術士、ライザリン・シュタウト(本物)です。 返品・交換は一切受け付けておりません。 取扱説明書はございません。お好きなようにお楽しみください。 なお、彼女は気が強いですが身体は正直です。 特に太腿は感度良好につき、重点的にお試しいただければ幸いです。 敬具 ――フィルフサの裂け目の向こう側より、愛を込めて」 「……なんだよこれ……」 カードを読み終えた俺の手は、もう止まらなかった。 ライザが激しく首を横に振っている。涙がぽろぽろ零れ、ギャグに噛みついて必死に声を出そうとしている。だが拘束は完璧で、身動き一つ満足に取れない。 「んーーっ! んんんーーーっ!!」 (訳:触んな! 近寄るな! ここから出しなさいよ!) 「落ち着け、落ち着けって……」 そう言いながら落ち着いていないのは明らかに俺の方だった。 まず箱から出してやるべきだ。理性がそう囁く。だが本能は、この光景をもう少しだけ――いや、もっとずっと長く堪能したいと叫んでいる。 俺はまず、箱の横に膝をついた。ライザの顔が間近にある。涙で睫毛が束になり、頬を流れた涙が顎からリボンの上に落ちている。ギャグボールの革の匂いと、彼女の甘い汗の匂いが混ざり合う。 「……本物、なんだな」 指先で、そっと頬に触れた。 「っっ!!」 ライザが顔を背ける。だが箱の中で身動きは取れず、俺の指から逃れることは叶わない。熱い。肌が火照っている。体温が指先から伝わってくる。確かに生きている人間の温度だ。 「すげぇ……」 頬から顎のラインに沿って指を滑らせる。首筋に到達すると、脈が激しく打っているのが分かった。恐怖か、怒りか、あるいは別の何かか。 そして俺の視線は再び下に向かう。 鎖骨から胸元へ。リボンが作る谷間の影。サテンの赤と肌の白のコントラストが凄まじい。リボンの下で押しつぶされた柔肉が左右に盛り上がり、その頂点はリボンの隙間からかろうじて見え隠れしている。先端は、長時間の拘束と体勢のせいか、既にうっすらと硬く主張していた。 「んっ……んぅっ……」 俺の視線を感じているのか、ライザの顔がさらに赤くなる。目を固く閉じ、眉間に皺を寄せ、唇をギャグに押し付けて震えている。 だが俺の目的地は胸ではなかった。 太腿。 あの太腿だ。 屈曲姿勢で頭の上まで持ち上げられた両脚。内腿の柔肉が重力で横に流れ、信じられないほどの肉感を見せている。リボンが螺旋に巻かれた箇所は、肉にリボンが食い込んで、上下に二段の膨らみができている。まるでリボンが太腿の豊かさを強調するために存在しているかのようだ。 俺は手を伸ばした。 右手の掌を、ライザの左太腿の外側に、そっと置いた。 「ひぁっ……!!」 電流が走ったように全身が跳ねた。箱がガタガタと揺れる。 「すっ……すごい……」 言葉が漏れた。 柔らかい。 想像の百倍、柔らかい。掌が肉に沈み込む。指を開けば指と指の間にまで肉が盛り上がってくる。それでいて芯には錬金術士としての筋肉の弾力がある。柔と剛が完璧な比率で同居している。肌はしっとりと汗ばんでいて、絹のような滑らかさ。 「んんんっ!! ん゛ーーっ!!」 ライザが激しく抗議する。だが脚はフックに固定されていて振り払うことは不可能。太腿が小刻みに震え、その振動が掌を通じて俺の腕全体に伝わってくる。 掌を滑らせた。外側から上面を撫で、膝方向へ。膝裏に到達すると、薄い皮膚の下で腱がぴくぴくと動いた。敏感な場所らしく、ライザの呼吸が乱れる。 「ふっ……ふんっ……」 膝裏から今度は内腿へ。掌を返し、指先から内側の柔肉に触れていく。外側より明らかに柔らかい。そして熱い。血流が集中しているのか、内腿は火照ったように温かい。指先で軽く押すと、驚くほど深く沈む。 「ひっ……あ……んんっ!」 声が変わった。怒りの色が薄れ、別の色が混ざり始めている。 「カードに書いてあった通りだな……感度良好ってやつ」 「んーーっ!!」 否定するように首を振る。だが太腿は素直だ。触れるたびに震え、鳥肌が立ち、筋肉がきゅっと収縮してはすぐに力なく弛緩する。 俺は両手を使うことにした。 左右の太腿を同時に掴む。両手でたっぷりと掬い上げるように揉んだ。 「ひぁあっ……!! んんぅっ!!」 とんでもない感触だった。たぷん、と音がしそうなほどの肉量。掌に収まりきらない質量が指の隙間から溢れ出る。揉めば揉むほど肉は柔らかさを増し、熱を帯び、汗で滑らかになっていく。 ライザの身体が弓なりに反る。箱の中で可能な限りの仰け反り。ギャグの隙間から唾液が垂れ、首筋を伝って鎖骨の窪みに溜まっていく。 「これが……ライザの太腿……」 俺はもう、正気ではなかった。 太腿の内側、付け根に近い部分。最も柔らかく、最も熱い領域。そこに親指を這わせた。ゆっくりと円を描くように撫でる。 「あ゛っ……! んっ、んんっ、ふぁ……んんんっ!!」 ライザの反応が明らかに変わった。怒りの抗議はもう消え、代わりに甘い吐息と、それを必死に堪えようとする歯の食いしばりが交互にやってくる。内腿を撫でるたびに、屈曲姿勢で晒された中心部がひくひくと動くのが見える。 「嫌がってる割に……ここ、濡れてきてないか?」 「んーーっ!!」 最大級の抗議。しかし事実は覆せない。太腿の付け根から、透明な雫がゆっくりと伝い落ちていた。リボンを濡らし、太腿を伝い、箱の底に小さな染みを作っている。 「身体は正直、か……」 メッセージカードの文言を反芻する。ライザの瞳が潤んでいる。もう睨む力は残っていない。涙と羞恥と、押さえきれない身体の反応に翻弄されて、焦点の合わない瞳が俺を見上げている。 俺は箱の傍に座り直し、ライザの太腿をじっくりと堪能する態勢を整えた。 まず右の太腿。膝上の比較的引き締まった部分から始めて、ゆっくりと両手で揉みほぐしていく。マッサージのような手つきで、しかしマッサージとは明らかに異なる意図を込めて。 「んっ……ふ……んん……」 ライザの呼吸が深くなる。長時間屈曲姿勢を強いられて強張った筋肉が、揉みほぐされることで弛緩していく。それと同時に、身体が求めてもいない快感が筋肉の弛緩に紛れて侵入してくる。 指先で太腿の肉を掴み、持ち上げ、離す。ぷるん、と肉が揺れて元の位置に戻る。その反動でまた揺れる。たゆんたゆんと二度、三度。 「すごいな……この肉量……」 感嘆の声が漏れる。ゲームのモデリングでは表現しきれない質量感。太腿一本の重さが相当ある。掌で下から支えると、ずしりと重みがかかる。これが両脚。この重量の太腿が二本、あの短いホットパンツから覗いていたのだ。 「お前、これでよく走り回れたな……クーケン島の外を冒険してたんだろ」 「……んぅ」 不思議と、怒りの色が消えたギャグ越しの返事。長い拘束と、太腿への執拗な愛撫で、ライザの意識が朦朧としてきているのかもしれない。 俺は膝上の領域を終え、太腿の最も太い中間部分に移った。ここが真骨頂だ。両手を広げてもなお余る周囲。指を深く沈めると、第一関節まで簡単に埋まる。脂肪と筋肉の完璧な調和。押せば沈み、離せば戻る。その弾力に中毒性がある。 「こうしてると、一生触っていられるな……」 「んん……ふ……」 ライザの目が潤んでいる。もう睨んでいない。半ば諦めたような、それでいて触られることに慣れてしまった身体の反応を止められない、複雑な表情。紅潮した頬に涙の跡が光っている。 右太腿から左太腿へ。同じ行程を辿る。膝上から始め、中間部を念入りに、そして付け根に近づくにつれてライザの反応が大きくなっていく。 「ひぁ……んっ、あっ、んんっ……」 内腿の最も敏感な領域。付け根との境界線のすぐ外側。ここを指の腹で軽く撫でるだけで、ライザの全身が震える。太腿の肉がびくびくと痙攣し、その振動が中心部に伝播しているのが分かる。 「ここか……ここが特に弱いんだな」 「ん゛っ……! やっ……んんっ!」 ギャグ越しにも分かる拒絶の声。だが身体は拒絶していない。内腿を撫でるたびに、腰が微かに浮く。屈曲姿勢で動かせる範囲は僅かだが、その僅かな動きの方向が――逃げるのではなく、指先に向かって押し付ける方向であることを、俺は見逃さなかった。 「……嘘つき」 「んーっ!」 俺は意地悪く笑い、内腿の愛撫を一旦止めた。ライザの身体がぴくりと反応する。止められたことへの、無意識の失望。 「欲しいなら、素直に言えよ」 「んんっ! んーーっ!!」 首を激しく横に振る。しかし太腿は震えたまま、付け根からはとめどなく蜜が溢れ続けている。 俺はここで一つの決断をした。 箱から出してやる。ただし、リボンの拘束は外さない。ギャグも外さない。 フックからリボンを外し、ライザの身体を箱から抱き上げた。軽くはない。健康的な肉付きの身体は相応の重量があり、特に太腿が腕に食い込む感触が生々しい。 「んっ……」 抱き上げられたライザが小さく声を漏らす。リボンで拘束されたまま、俺の腕の中で丸まっている。裸体のぬくもりが腕全体に伝わる。 ベッドに下ろした。ライザのフィギュアが飾られた棚の真正面のベッドに。 仰向けに寝かせると、屈曲姿勢から解放された脚が自然と下りてくる。だがリボンで足首が結ばれたままなので、完全には伸ばせない。膝が曲がった状態で、太腿が左右にだらしなく開く格好になった。 「……いい眺めだ」 ベッドに横たわる裸のライザ。リボンだけを纏い、ギャグを噛まされ、涙と汗と唾液で全身を濡らしている。太腿がベッドの上に広がり、その肉がマットレスに押されて左右に溢れている。重力に従って横に流れる太腿の肉は、立っている時の何倍も豊かに見える。 俺はベッドに乗り、ライザの脚の間に位置を取った。 両手で太腿を掴む。膝を軽く押し広げると、ライザは抵抗する力も残っておらず、簡単に脚が開いた。内腿の白い肉が露わになり、付け根の秘部が完全に俺の目の前に晒される。 「あ゛……んんっ……」 羞恥で顔を背ける。だが隠す手段がない。両手はリボンで背中に縛られ、脚は俺に掴まれ、口はギャグで塞がれている。 俺はまず、顔を太腿に埋めた。 右の内腿に頬を押し当てる。 「っ!! んんんっ!!」 柔らかい。この世のあらゆる柔らかいものの中で、最も贅沢な柔らかさだ。頬を挟み込むように太腿の肉が包んでくる。汗ばんだ肌の匂い。甘くて少し塩味のある、生きた人間の匂い。 頬ずりする。肌同士が擦れる感触。ライザの太腿が頬の動きに合わせてたぷたぷと揺れる。 「はぁ……最高だ……」 「んぅ……っ」 ライザの声から力が抜けている。太腿への愛撫に慣れてしまったのか、あるいは身体が快楽を受け入れ始めたのか。 頬だけでは飽き足らず、唇を太腿の肌に押し当てた。軽くキスする。内腿の柔らかい肌に唇の痕が付く。そこから少し上に移動して、またキス。そこから舌を伸ばし、汗の塩味を舐め取る。 「ひぁっ……! あ、んっ……」 舌が触れた瞬間、太腿の筋肉がぎゅっと収縮した。だがすぐにまた弛緩する。抵抗する力が残っていないのだ。 舌先で内腿を舐め上げていく。膝に近い外側の領域から、ゆっくりと付け根に向かって。肌を舐めるたびにライザの呼吸が荒くなり、太腿が震え、腰が微かに持ち上がる。 「ん、あっ、あっ、やっ……んっ、んんっ……!」 もう完全に甘い声だった。怒りも拒絶も溶け去り、純粋な快感の声だけが部屋に響いている。 舌が付け根に到達した。太腿と胴体の境界線、あの最も敏感な溝を舌先でなぞる。 「ひあぁあっ!!! んんんっ、ふぁ、あ゛っ……!!」 ライザの背中が大きく反った。太腿が俺の頭を左右から挟み込む。反射的に閉じようとした脚に頭が挟まれ、あの太腿に顔を包まれる形になった。 「っ……!」 天国だった。 両側から太腿の肉に挟まれ、頬も額も顎もすべてが柔肉の海に沈んでいる。呼吸するたびにライザの匂いが肺を満たす。汗と、蜜の匂い。 ライザはもう、脚を閉じたまま力なく痙攣している。挟まれた俺の頭を締め付けるように太腿が震え、断続的に「んっ、んっ、んっ」と小さな声が漏れている。 俺は顔を太腿の間に埋めたまま、舌を使い続けた。付け根の溝を舐め、内腿を吸い、柔肉に歯を立てた。 「あ゛っ!! んんーーっ!!」 歯型が付く。白い内腿に赤い歯型。それを舌で舐めて宥めると、ライザの声が甘く蕩ける。 もう片方の太腿にも同じ施術を施す。右の内腿を舐め上げ、吸い、軽く噛む。左右の太腿に交互に愛撫を繰り返すたびに、ライザの反応が大きくなっていく。 「んんっ、やぁっ……もっ……んんんっ!!」 もう、と言いかけた声。「もうやめて」なのか「もっと」なのか。おそらく本人にも分からないのだろう。身体は確実に「もっと」を求めている。太腿が開き、腰が浮き、中心から溢れた蜜が内腿を伝って太腿に達し、シーツに染みを作っている。 俺は一旦顔を上げた。太腿の間から見えるライザの表情。 目は潤んで焦点が合っておらず、頬は真紅に染まり、ギャグの隙間から唾液と吐息が漏れ、髪が汗で額に張り付いている。完全に快楽に蕩けた顔だった。あのクーケン島の活発な錬金術士の面影はもうない。 「……次はここだ」 俺は太腿への愛撫を続けながら、ついに中心部へと指を伸ばした。 付け根の溝を辿り、その先の柔らかなひだに触れる。 「ひぁああっ!!!」 今までで最も大きな反応。背中が弓なりに反り、太腿ががくがくと痙攣し、腰が大きく跳ねた。 指先は既にぬるぬるだった。長い前戯で身体の準備は十二分に整っている。ひだの間を指先が滑り、その頂点にある小さな膨らみに触れた瞬間。 「あ゛ーーーっ!!! んんんんんっ!!!」 ライザの全身が震えた。太腿が閉じたり開いたりを繰り返し、手で押さえなければ暴れ出しそうなほどの激しい反応。だがリボンの拘束がそれを許さない。拘束されたまま、溢れ出る快感の行き場を見つけられず、ただ全身で震えるしかない。 指先で小さな円を描く。ゆっくりと、しかし容赦なく。 「んっ、ん゛っ、あ、ああ、んんっ、ふぁ、あ゛っ……!」 声がリズミカルになっていく。ギャグ越しでも分かる喘ぎ。指の動きに合わせて太腿が痙攣し、腰がくいくいと動く。もう完全に身体が快楽を求めている。 「太腿、力入ってるぞ……感じてるんだな」 「んーっ! んーーっ!」 否定する首振り。だが太腿は正直で、俺の手首を内腿で挟み込むように閉じようとしている。挟まれた手首に太腿の肉が押し付けられ、その柔らかさと温もりが、指先の動きにさらなる情熱を注がせる。 「もう一箇所、いくぞ」 もう片方の手で、ひだの下――入り口を探った。濡れた花弁の間に指を差し入れる。 「ふぁあああっ!!!」 中は灼熱だった。指一本が滑り込むと、内壁がぎゅうっと絞り込んでくる。まるで指を離したくないとでも言うように、ぬるぬるの壁が全方向から圧迫してくる。 外の膨らみを撫でながら、中の指をゆっくり動かす。二つの刺激が同時にライザの身体を襲う。 「んんんっ、あ゛っ、やっ、やぁ……そこっ、んんっ!!」 内壁の特に敏感な場所を見つけた。少し奥の上側、指の腹で引っ掛けるように撫でると、ライザの反応が倍増する。 「ここか?」 「ひっ……あ゛、あ゛ーっ! んんんんっ!!」 太腿がブルブルと震え、内壁が指にきつく吸い付く。俺は容赦なくその場所を刺激し続けた。外と中、二重の快感。リボンに拘束された身体はもがくことすらままならず、ただ快楽を受け止めるしかない。 「んんっ、んんっ、あっ、あっ、あっ、あああっ――!」 声が高く、短く、連続していく。波が来ている。太腿の痙攣がさらに激しくなり、腰が小刻みに跳ね、全身に鳥肌が立つ。 「いくのか? ……いけよ」 「ん゛ん゛っ、あ゛ーーっ、ひ、ぁ、あ゛あ゛あ゛ーーーっ!!!!!」 ライザの全身が強く弓なりに反った。太腿が限界まで閉じ、俺の手を内側から締め上げる。中の指が内壁に激しく絞られ、びくびくと収縮が繰り返される。透明な液体が溢れて指を濡らし、太腿を伝い、シーツに大きな染みを作った。 長い、長い絶頂だった。 ライザの身体が何度も何度も痙攣し、その度に太腿の肉が大きく波打ち、ギャグの隙間から途切れ途切れの甘い声が漏れ続ける。十秒。二十秒。三十秒。余韻は永遠のように長く、俺は指を入れたまま、太腿に頬を押し当てて、その震えを全身で感じ続けた。 ようやく痙攣が収まり、ライザの身体から力が抜けた。 荒い呼吸がギャグの隙間からシュウシュウと聞こえる。涙と汗と唾液でぐちゃぐちゃの顔は、しかし蕩けるような恍惚に満ちていた。 俺は指をそっと抜き、ライザの太腿を優しく撫でた。今度は性的な意図ではなく、労わるような手つきで。 「……すごかったな」 「……んぅ」 力のない返事。もう睨む気力もないのか、潤んだ瞳がぼんやりと俺を見上げている。 俺はギャグのバックルに手を掛けた。外してやる時だと思った。 「外すぞ」 バックルを外し、革のボールをゆっくり口から取り出す。唾液の糸が引き、ライザが大きく口を開いて顎を鳴らした。長時間噛まされていたせいで顎が痛いのだろう。 「……この……変態」 第一声がそれだった。掠れた声。しかしそこに怒りの熱はなく、疲労と羞恥と、隠しきれない余韻の甘さが混在していた。 「否定はしない」 「……あたしを、こんな格好で……箱に詰めて……何考えてんのよ……」 「いや、それは俺じゃない。玄関に届いたんだよ、宅配で」 ライザの瞳がゆらりと揺れた。焦点が定まらない。記憶を辿ろうとしているのが分かる。だが辿るべき記憶がないのだろう、眉間に深い皺が刻まれた。 「……届いた? なに言ってんの……あたしは……」 言葉が途切れる。自分でも分かっていないのだ。どうしてここにいるのか。 「覚えてないのか?」 「……覚えて……ない。アトリエで調合してて……それから……なんで……」 記憶が途切れている。クーケン島のアトリエで釜をかき混ぜていたはずの自分が、なぜ見知らぬ男の部屋で裸にリボンを巻かれてベッドに横たわっているのか。その間の記憶が、霧に包まれたように不鮮明だった。 ライザの視線が部屋を巡った。 まずデスク横の特大タペストリーが目に入る。水着姿の自分だ。太腿を強調したアングルで描かれた布一枚のイラスト。 次に棚のフィギュア三体。通常版、水着版、そして太腿のボリュームが際立つ限定ポーズ版。すべて自分だ。 枕カバー。あの白いシャツの胸元を開いた自分が、誘うような表情でこちらを見ている。 PC画面には一時停止されたフィギュアレビュー動画。サムネイルに映っているのもまた自分だ。 壁のカレンダーも、マウスパッドも、スマホケースも。 全部。全部、自分。 「…………………………」 ライザの顔から血の気が引き、次の瞬間に一気に赤くなった。紅潮なんてものではない。耳の先まで、首筋まで、鎖骨まで、赤い。 「な……なんなの、これ……」 「だから、ファンなんだよ」 「ファン……? あんたが……あたしの……?」 ライザの目が見開かれた。恐怖に近い感情が瞳を過ぎったのを俺は見逃さなかった。 見知らぬ男。名前も知らない。顔も知らない。ここがどこかも分からない。なのにその男の部屋は、自分の絵と人形で埋め尽くされている。そしてその男は、たった今、自分の太腿を存分に舐め回し、指を突き入れ、何度も絶頂させた。 「……あんた、誰なの」 声が震えている。今度は快感の余韻ではなく、明確な警戒だ。 「としあき」 「としあき……聞いたことない。あたしの知り合いじゃない」 「知り合いじゃないな。会ったこともない。今日が初めてだ」 「初めて会った相手に……あたし、さっき……」 言葉が詰まった。自分の身体に起こったことを思い出して、ライザの瞳にまた涙が滲む。初めて会った見知らぬ男に、拘束されたまま身体の奥まで暴かれ、声を上げさせられた。その事実が羞恥と屈辱の刃となって胸に突き刺さっている。 「……最低」 「そうだな」 「開き直るな……っ。早くリボン解いて。ここから出してよ」 「悪いけど、まだ解かない」 「はぁ? 何言って――」 「お前が届いた時に、カードが入ってた。好きなように楽しめって書いてあった」 「知らないわよそんなの! あたしはモノじゃない! 好きなようにって……あんたの好きなようにされてたまるもんですか!」 ライザの声が部屋に響く。だがリボンで縛られた身体は一向に自由にならない。手は背中でまとめられ、足首は結ばれたまま。全裸のリボン姿勢でベッドに横たわり、見知らぬ男に抗議する。客観的に見て、説得力のある状況ではなかった。 「暴れるなよ。リボンが食い込む」 「っ……」 事実、もがくたびにサテンのリボンが太腿の肉に食い込み、ぎゅっと締まる。敏感になった肌にリボンの繊維が擦れ、不本意な刺激が走る。 「んっ……」 小さく漏れた声を、ライザは慌てて噛み殺した。 俺は黙ってライザの太腿に目を落とした。さっきまでの愛撫の痕跡が生々しく残っている。赤い歯型、吸い跡、指の圧痕。内腿は汗と蜜でてらてらと光り、まだ微かに震えている。 「……見るなっ」 「見る」 「っ……この……」 ライザが唇を噛んだ。見知らぬ男に好き放題された身体を、なおも好き放題に見られている。脚を閉じようとするが、リボンの拘束と体勢のせいで十分に閉じられない。内腿がぷるぷると震えながら申し訳程度に寄り合うだけで、隠すべきものは何一つ隠せていない。 「なぁ、ライザ」 「馴れ馴れしく名前で呼ばないで。あんたに呼ばれる筋合いはない」 「ライザリン・シュタウト」 「フルネームで呼ぶなっ!」 「じゃあなんて呼べばいいんだよ」 「呼ばなくていい! リボン解いて! 帰して!」 「帰すって言っても……お前、どうやって帰るんだ? 自分の世界に」 ライザが言葉に詰まった。それは彼女自身が最も考えたくない問題だった。ここがどこか分からない。元の世界への帰り方も分からない。記憶は途切れている。頼れる仲間はいない。武器も道具も錬金術の素材もない。あるのは裸の身体と、身体に巻かれたリボンだけ。 「……分かんない」 ぽつりと漏れた本音。声が小さくなる。気の強い錬金術士の鎧の下にある、等身大の不安。 「だったら、当面ここにいるしかないだろ」 「あんたの部屋に? こんな……こんな部屋に?」 ライザの視線が再び壁のタペストリーに向かう。水着の自分が扇情的なポーズを取っている。 「あたしの裸が、いっぱい……気持ち悪い……」 「裸じゃない。水着だ」 「似たようなもんでしょ! あんたはあたしの太腿ばっかり見て……さっきだって……太腿ばっかり触って……」 「好きなんだよ、お前の太腿が」 「知ってるわよ! 嫌ってほど分かったわよ!」 ライザが叫んだ。だがその叫びには、どこか力がなかった。太腿が好きだと言われることへの困惑。嫌悪感の中に、ほんの微かな??いや、絶対に認めたくない、何か。 俺はベッドに手をつき、ライザの身体の上に覆い被さった。 「なっ??何して……! 離れて!」 「嫌だ」 至近距離で見るライザの顔。涙の痕が頬に光り、目は赤く腫れ、唇はギャグの痕で少し荒れている。それでも造形の美しさは圧倒的だった。画面越しに何百時間と眺めた顔が、呼吸する距離にある。 「……近い……っ。息、かかる……やめて……」 「ライザ」 「呼ぶなって言った……」 「もう一回、する」 沈黙。 数秒の、重い沈黙。 ライザの瞳がかっと見開かれた。 「……は?」 「もう一回する。今度は指じゃない」 意味を理解するのに二秒かかった。理解した瞬間、ライザの顔が今日一番の赤さに染まった。 「ふ、ふざけないで!! 何言ってんのあんた!! 初めて会ったんでしょ!? 名前しか知らないでしょ!? あたしはあんたのことなんにも知らない! なのに……そんな……っ!!」 「知ってるだろ。俺がお前の太腿に狂ってるってことは」 「それしか知らないわよ!! 太腿バカ!!」 「否定はしない」 「否定しなさいよ!!」 ライザが身を捩る。だがリボンの拘束は緩まない。暴れるほどにリボンが肉に食い込み、特に太腿のリボンがきつく締まって、敏感な肌を刺激する。 「んっ……やっ……動くと……リボンが……」 「動くなって言ってるだろ」 「あんたが変なこと言うから!」 俺はライザの膝に手を掛けた。リボンで結ばれた足首を持ち上げ、脚を開かせる。 「やめっ……開くな……!見るな……!」 「さっきさんざん見ただろ」 「だから嫌なの! さっきのだって……あたしは……好きでされたわけじゃ……」 「身体は好きだっただろ」 「違うっ!! あれは……身体が勝手に……あたしの意思じゃ……」 「じゃあ今度も身体に聞いてみよう」 俺は右手をライザの内腿に滑らせた。さっきまでの愛撫で超敏感になった肌が、掌の接触だけでびくりと跳ねる。 「ひっ……触んな……」 「ここ、まだ濡れてるぞ」 指先が太腿の付け根に達する。ぬるりとした感触。さっきの絶頂の余韻がまだ残っている。あるいは、新たな興奮が。 「濡れてない……っ」 「嘘つけ。溢れてるじゃないか」 指で花弁の間を軽くなぞると、糸を引くほどの蜜が指先に絡まった。 「あ゛っ……やめ……」 「ほら、身体は正直だ」 「……っ、身体は……身体だけよ……あたしの気持ちとは関係ない……っ」 ライザが涙声で言った。その通りだと俺も思う。彼女の心は俺を受け入れていない。拒絶し、嫌悪し、警戒している。それは正常な反応だ。見知らぬ男の部屋で裸にリボンを巻かれている女が、その男に好意を抱くわけがない。 だが身体は別だ。 身体は既に一度??いや何度も??快楽を知ってしまった。としあきの指がどこをどう触れば気持ちいいか、太腿を舐められたらどうなるか、奥を突かれたらどうなるか。身体が記憶している。 「気持ちと関係なくても、身体は感じるだろ」 「……最低なこと言ってる自覚ある?」 「ある」 「あるならやめなさいよ……」 「やめない」 俺はライザの脚を持ち上げたまま、自分のズボンに手をかけた。 ライザの目がそこに向く。そして??俺が下半身を露出した瞬間、瞳が大きく見開かれた。 「……っ! ちょ……待っ……マジで……?」 「マジで」 「待って、待ってよ……心の準備が……」 「さっき七回もいったのに準備がいるのか」 「それとこれとは違うでしょ!! 指と……その……あ、あれとは全然……」 顔を真っ赤にして目を逸らす。だが意識は確実にそこに向いている。ちらちらと視線が泳ぎ、見てはいけないと分かっていながら見てしまう。 「……おっきい……」 小さな声で漏れた感想。本人は言うつもりがなかったのだろう、自分の口から出た言葉にさらに赤くなる。 「聞こえたぞ」 「聞こえてない! 今のなし!」 俺はライザの太腿の間に腰を寄せた。リボンで結ばれた足首を俺の肩に掛ける。この体勢だとライザの太腿が左右に大きく開き、しかもリボンのラインがちょうど太腿の最も太い部分に食い込んでいる。サテンの赤と肌の白。食い込んだリボンの上下で肉がむちりと盛り上がり、その奥にある花弁が完全に露出している。 「この角度、最高だな……」 「やめて……見ないで……」 「見る。そして??入れる」 先端を花弁に宛がった。濡れた入り口が熱く脈打っている。 ライザの全身が強張った。 「まっ……待って……ほんとに待って……」 「何を?」 「せめて……せめて名前、呼んで……としあき、でしょ……人の名前ぐらい覚えて……からにして……」 予想外の言葉だった。 ライザは目を固く閉じている。赤い顔。涙が睫毛に溜まっている。見知らぬ男に身体を開くことへの、最後の抵抗。せめて名前を知っている相手に犯されるのだと??そう思わなければ、自分を保てない。 好意ではない。断じて好意ではない。ただの、最後の砦だ。 「……としあき」 「ん……」 「入れるぞ」 「…………ばか」 ぎゅっと目を閉じたまま、ライザが唇を噛んだ。 先端が花弁を押し分けて沈んでいく。 「あ゛……っ!!」 内壁が先端を締め付ける。灼熱。さっき指で感じた以上の熱さが、今度は直に伝わってくる。ぬるぬるの粘膜が先端を包み込み、奥へ奥へと誘うように蠕動する。 「きつい……」 「っ……当たり前でしょ……初めてじゃないけど……久しぶりなんだから……っ」 「久しぶりか。道理できつい」 「うるさい……黙って……」 ゆっくりと腰を進める。一センチ、二センチ。入るたびにライザの内壁が締め上げ、そして蜜を溢れさせて受け入れる。心は拒んでいても、身体は受け入れている。その矛盾が、信じられないほどの快感を生んでいた。 半分まで入ったところで、ライザが声を詰まらせた。 「あっ……そこ……奥に……当たって……」 「ここか?」 微かに腰を動かす。先端が内壁の凸凹に触れ、特に敏感な場所を擦る。 「ひぁっ! そこっ……さっき指で……やられた場所……!」 「覚えてるんだな、身体が」 「覚えたくなかった……っ」 さらに奥へ。最後の数センチを、ゆっくりと、しかし止まることなく押し込んだ。 根元まで入った瞬間、ライザの口から長い長い吐息が漏れた。 「はぁあ……っ……おく……いっぱい……」 目が潤んでいる。快感と圧迫感と、自分の意思に反して身体が受け入れてしまっている屈辱。全部が混ざった表情。 俺は腰を密着させたまま、数秒静止した。内壁がきゅうきゅうと脈動している。ライザの心臓の鼓動が、中から直接伝わってくる。 「……動くぞ」 「……好きにすれば……」 投げやりな声。だが身体は正直に反応する準備ができていた。 最初はゆっくり引き、ゆっくり押し込んだ。 「んっ……あっ……」 引くたびに内壁が名残惜しそうに吸い付き、押し込むたびに奥がきゅっと締まる。蜜が溢れて結合部からぐちゅぐちゅと淫らな音が響く。 リボンで拘束されたライザの身体は、俺の動きに合わせて揺れるしかない。両手は背中で縛られ、足首は俺の肩に乗っている。太腿がリボンごと大きく左右に揺れ、その肉がたぷたぷと波打つ。 「あっ……んっ……やっ……揺れ……太もも、揺れて……恥ずかしい……」 「揺れてるの、自分で見えるのか」 「見える……っ。あんたが動くたびに……ぷるぷる……」 確かに、ライザの体勢からは自分の太腿が揺れる様子が丸見えだ。結合部も、リボンが食い込んだ太腿の肉も、すべて視界に入る。 俺は意識的に腰の動きを強くした。引く時に一度止め、押し込む時に勢いをつける。 「あっ! んんっ……! 揺れっ……すごい揺れ……やめ……」 太腿の肉が衝撃で大きく波打つ。内側から外側へ、肉の波が伝播する。リボンが食い込んだ部分では肉が上下に分かれて別々に揺れ、それがまた別種のエロティシズムを生む。 「お前の太腿、揺れるとさらにいいな」 「褒めてない……っ。褒めてないからね、それ……っ」 「褒めてるんだよ」 「嬉しくない……っ。あたしの太腿は、あんたを喜ばせるために……あるんじゃ……んっ!」 腰の奥を突き上げられ、言葉が途切れる。 俺は足首に巻かれたリボンの端を掴み、ライザの脚を少し持ち上げた。角度が変わる。 「ひぁっ!! そこっ……角度変わったら……奥の……奥の壁に……!」 「ここか」 「そこ……っ! だめ、そこ当たると……っ!」 先端が子宮口を小突く角度を見つけた。浅く速いストロークでそこだけを集中的に刺激する。 「あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ、やっ、やぁっ、だめっ……としあきっ……そこだめっ……!」 名前を呼ばれた。無意識だろう。快感が限界に近づくと、人は藁にもすがるように名前を口にする。 俺は速度を上げた。 太腿の肉が打ち付けるたびに激しく揺れる。ぱんぱんと腰と太腿がぶつかる音。ぐちゅぐちゅと蜜が撹拌される水音。ライザの甘い喘ぎ。三つの音が部屋を満たす。 「んっ、んっ、あっ、あっ、あーっ……! やだ、また……きちゃう……!」 「いけよ」 「やだっ……あんたなんかでいきたくない……! あんたのことなんにも好きじゃないのに……身体だけ……身体だけ勝手に……っ!」 「身体だけでいい」 「よくない……っ! あたしは……あたしの気持ちは……んっ、あ゛っ、あ゛ーっ!」 理性と肉体の最後の攻防。しかし結果は明白だった。 太腿の内側に手を差し入れ、結合部のすぐ上にある小さな膨らみを親指で擦った。中と外、同時刺激。 「ひあぁあああっ!!!! だめっ、だめだめだめっ……いっちゃ……いっちゃうっ……!」 ライザの内壁が激しく収縮した。痙攣するように波打ち、俺を根元から先端までぎゅうぎゅうと絞り上げる。 「俺もいく??中にいくぞ」 「っ!! だめっ、中はだめっ……! 出してっ……!」 「無理だ、もう??」 腰を最奥まで押し込み、そこで止まった。 ライザの子宮口に先端を押し当てた状態で、第一波が迸った。 「あ゛??????っ!!!!」 ライザの叫びが部屋に轟いた。身体が大きく弓なりに反り、リボンが軋む音がする。太腿が俺の腰を左右から挟み込み、痙攣しながらぎゅうぎゅうと締め付ける。中に吐き出される熱を感じるたびに、内壁がびくびくと収縮を繰り返す。 「あっ……あっ……熱い……中、熱い……出てる……いっぱい出てる……っ」 ライザの目は焦点が合っていなかった。涙が溢れ、口は半開きで唾液が伝い、全身が汗で光っている。内壁が搾り取るように蠕動し、最後の一滴まで吸い上げようとしている。心は拒んでいるのに、身体は貪欲に求めている。 長い射精だった。太腿に挟まれた状態で、ライザの最奥に注ぎ込む。溢れた分が結合部から漏れ出し、リボンを汚し、太腿を伝ってシーツに落ちていく。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 荒い呼吸。ライザの身体から少しずつ力が抜けていく。だが内壁はまだ俺を離さない。余韻の収縮がいつまでも続いている。 俺は中に入ったまま、ライザの太腿に手を置いた。肉が小刻みに震えている。 「……出して」 掠れた声。 「まだだ」 「……は?」 「もう一回」 ライザの瞳が大きく見開かれた。白濁が溢れる結合部から目を上げ、俺の顔を見る。 「……嘘でしょ」 「嘘じゃない。まだ硬い」 「……っ、嘘……まだ……入ったまま……?」 中で脈打つ感触がライザにも伝わっているはずだ。一度果てたにもかかわらず、萎える気配のないそれが、まだ彼女の中を圧迫している。 「やだ……もう無理……身体、もたない……」 「もつ。お前は頑丈だろ。冒険であちこち走り回って鍛えた身体だ」 「それとこれとは話が違うっ……!」 「太腿だってこの通り、まだぴんぴんしてる」 太腿を両手で掬い上げるように揉んだ。ぷるんと肉が震え、ライザの口から「ひっ」と小さな悲鳴が漏れる。 「……鬼。あんた、鬼よ」 「お前の太腿が悪い」 「太腿のせいにするなっ!」 「太腿のせいだ。こんなもん目の前にしてまだ終われるわけないだろ」 俺は腰を引き、もう一度押し込んだ。中に残った白濁が潤滑剤となり、さっきより遥かに滑らかに出し入れできる。 「ぁっ……やっ……ぬるっ……てる……さっきの、まだ中に……」 「俺のだ」 「分かってるわよ……っ! 分かってるから言わないで……!」 ゆっくりとした律動を再開した。ライザの内壁は一度目の絶頂でさらに敏感になっており、入るたびに過敏な反応を返してくる。 「んっ……あっ……まだ、ひりひりしてるのに……動かないで……」 「すぐ気持ちよくなる」 「なりたくないっ……気持ちよくなんか……」 だが身体は既に準備を始めている。さっきの絶頂で一度壊された理性の壁は、二度目は簡単に崩壊する。数回腰を動かしただけで、ライザの呼吸が荒くなり始めた。 「嘘……もう、感じてる……やだ、こんな早く……」 「言っただろ。身体は正直だって」 「あたしの身体がおかしいんじゃないっ……あんたの……あんたのが中でずっと……脈打ってるから……っ」 確かに、俺自身も中で脈動している。ライザの体温と締め付けが血流を促し、結合部を通じて互いの鼓動を共有している。 俺はリボンの端を掴んで、太腿に巻かれたリボンを意図的に締め直した。 「ひっ! なに……リボンきつく……!」 リボンが太腿の肉にさらに深く食い込む。締め付けられた太腿の肉が上下に盛り上がり、鬱血してほんのりピンク色に染まる。 「締めると感度が上がるらしい」 「そんなの知らな……あ゛っ!!」 その通りだった。リボンを締めた途端、内壁の収縮が明らかに強くなった。圧迫された太腿から血流が制限され、その分だけ中心部の感度が跳ね上がっている。 「嘘っ……なにこれ……すごい……ちょっと動くだけで……びりびりする……っ」 「いいだろ」 「よくないっ……よくないけど……身体が……勝手に……あ゛っ!」 俺は腰の動きを速めた。一度目よりも深く、強く。ライザの太腿がリボンに締め上げられた状態で激しく揺れ、ぱちんぱちんとリボンが肉を打つ音がする。 「あっ、あっ、あっ! はぁっ、んっ、リボンが……太ももに……食い込んで……動くたびに……擦れ……あっ!」 リボンが肌に擦れる刺激。中を抉られる刺激。二重の快感がライザの身体を翻弄する。目はもう閉じていない。天井を見ているが何も見えていない。涙が絶え間なく流れ、口からは制御できない声が漏れ続ける。 「としあきっ……もうだめ……もう、身体もたない……っ」 「まだだ。まだいくな」 「無理……っ、あんたが激しすぎ……リボンも……太ももがどうにかなっ……あ゛っ!」 俺はあえて速度を落とした。深く、ゆっくり、最奥を突く。 「ひぅっ……! それ……もっと、やば……深い……奥の奥……当たって……」 「ここだな」 「そこ……っ。さっきもそこで……いかされた……っ」 「覚えてるのか」 「忘れたくても忘れられないでしょ……っ! あんたのせいで……っ」 一度目と同じ場所。子宮口の手前、少し上の壁。そこを先端でぐりぐりと押し潰す。 「あ゛あ゛っ!! やっ、やぁっ、そこぐりぐりしないでっ……! 壊れ……壊れちゃ……」 「壊れていい」 「よくないっ……! あたしはっ……あんたのこと……好きでもなんでもないのにっ……こんな気持ちよくされたら……頭おかしく……っ!」 「好きじゃなくていい。お前の身体が気持ちいいって言ってる。それだけでいい」 「よくないっ! よくないよ……っ! あたしは……あたしはただの……荷物じゃない……プレゼントなんかじゃ……」 声が途切れた。不意に、ライザの目から大粒の涙がこぼれた。快感の涙ではなく、もっと複雑な、感情の涙。 「あたしは……モノじゃないのに……」 その言葉は、俺の胸に深く突き刺さった。 だが??腰は止められなかった。 止めるべきだったのかもしれない。だがライザの太腿が俺の腰に絡みつき、内壁が俺を離さず、蜜が結合部から溢れ続けている。身体が、彼女の身体が、止めることを許さなかった。 「……泣いても止められない。すまない」 「……最低」 「ああ、最低だ」 「……ほんと、最低……」 涙を流しながら、ライザは俺を見上げた。その瞳に好意は微塵もなかった。軽蔑と、嫌悪と、そして自分の身体を裏切れない悔しさ。ぐちゃぐちゃの感情が全部混ざった、複雑な目。 俺はその目を見ながら、腰を動かし続けた。 二度目のクライマックスは、一度目よりさらに激しかった。 ライザの身体は既に限界を超えていた。リボンの拘束、太腿の締め付け、内壁の過敏、長時間の愛撫と絶頂の蓄積。すべてが彼女の身体を極限まで追い込んでいた。 俺は太腿のリボンをさらに一段きつく締めた。 「ひぁっ! きつ……太もも……締まっ……」 そしてその太腿を両手で鷲掴みにし、体重をかけて腰を打ち付けた。 「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! やっ、やっ、やぁっ!」 激しいピストン。太腿がぐちゃぐちゃに揺れ、リボンが食い込み、内壁が痙攣し、蜜が飛び散る。ベッドが軋み、ライザの声が壊れたように連続する。 「いくっ……いっちゃうっ……としあきっ……もうだめっ……いくっ……!」 「一緒にいく??中に出す」 「またっ……また中……やだ……でも……止められ……あ゛ーーーっ!!」 ライザの内壁が決壊した。 一度目を遥かに上回る収縮。波打つように奥から入り口まで、搾り取るような蠕動が走る。太腿が俺の腰をがっちりと挟み込み、リボンの食い込んだ肉がぷるぷると限界まで震える。 「あ゛あ゛あ゛ーーーっ!!! なかっ……また……熱いの……出てっ……!!」 二度目の射精。ライザの最奥で、一度目に残った分と混ざりながら注がれていく。量は一度目に劣らない。太腿に挟まれた圧迫感が射精を長引かせ、いつまでも脈動が止まらない。 「あっ……あっ……まだ出てる……こんなに……あたしの中……いっぱい……」 ライザの目が虚ろになっている。快楽で脳が飽和しているのだ。涙と唾液と汗で顔中がぐちゃぐちゃ。リボンに拘束された身体は震えるだけで、もう抵抗する力は残っていない。内壁の余韻の収縮が、中のすべてを吸い上げるように続いている。 俺はライザの中に繋がったまま、崩れるように彼女の上に倒れ込んだ。顔がちょうど太腿の間に埋まる。汗と蜜とリボンの匂い。太腿の柔肉が頬を包む。 「……はぁ……はぁ……はぁ……」 互いの荒い呼吸だけが部屋に響く。 長い沈黙の後、ライザが口を開いた。 「……抜いて」 掠れた声。感情の読めない声。 俺はゆっくりと腰を引いた。結合が解かれた瞬間、中から白濁した液体がどろりと溢れ出し、リボンを汚し、太腿を伝い、シーツに広がった。 「…………ひどい」 ライザが自分の身体を見下ろしている。リボンに拘束された裸体。赤い歯型と吸い跡だらけの太腿。リボンの食い込み痕。そして太腿の間から零れ続ける白い液体。 その目に宿っているのは、変わらぬ軽蔑だった。 「……あんたのこと、一生許さないから」 「ああ」 「好きになんか、絶対にならないから」 「分かってる」 「あたしの太腿は……あんたのおもちゃじゃないから」 「…………」 それには何も言えなかった。 ライザは天井を向いたまま、静かに涙を流した。快感の涙ではない。屈辱の涙。見知らぬ男の部屋で、リボンに包まれたまま二度も中に出された身体の、行き場のない感情の涙。 「……リボン、解いて」 「……ああ」 今度は素直に従った。サテンのリボンを解いていく。首元から、胸元から、腹部から、太腿から、足首から。赤いリボンが解かれるたびに、食い込み痕が現れる。特に太腿の痕は深く、くっきりと螺旋状に赤い線が残っていた。 すべてのリボンが解かれ、ライザの裸体が完全に自由になった。 ライザは自由になった手で、すぐに俺を突き飛ばし??なかった。指一本動かす力も残っていなかった。ベッドに大の字に倒れたまま、荒い呼吸を繰り返している。 太腿が内側に閉じられた。俺から隠すように。リボンの痕と、歯型と、溢れ出る白濁と。すべてを内腿で挟み込んで隠すように。 「……どこかにタオルか何か……ない?」 小さな声。 俺はバスタオルを取ってきて、ライザの身体にかけた。 「……ありがと」 「……悪かったな」 「……謝って済むと思ってんの」 「思ってない」 「…………」 沈黙。 ライザはバスタオルに包まりながら、壁のタペストリーを見た。水着姿の自分。あの太腿を強調した構図。 「……あたし、帰りたい」 「帰り方が分かれば……」 「分かんないっ……分かんないから、聞いてるんでしょ……」 声が震えている。異世界に放り出され、見知らぬ男に犯され、帰り方も分からない。ライザリン・シュタウトという少女が背負うには重すぎる状況。 でも彼女は泣き崩れはしなかった。涙は流しても、心が折れてはいなかった。 「……帰る方法は、自分で見つける。あんたの助けなんかいらない」 「そうか」 「……でも、帰るまでの間……服だけは貸して。裸じゃ何もできない」 「分かった」 「あと」 「なんだ」 「二度と触らないで。特に太もも」 「…………善処する」 「善処じゃなくて約束しなさいよ!!」 ライザの怒鳴り声が部屋に響いた。その声には、先ほどまでの無力さとは違う、確かな意思の力があった。 俺はその声を聞きながら、やはりこの女の太腿は最高だと??最低な感想を抱いていた。 その夜、ライザは俺のTシャツとスウェットを借りて眠った。 ベッドは譲り、俺は床で寝袋に包まった。 真夜中、ふと目が覚めると、ライザが自分の太腿を見つめていた。リボンの食い込み痕と歯型を、細い指先でそっとなぞっている。 その表情は見えなかった。 見えなくてよかったと思った。 翌朝、ライザは俺と目を合わせなかった。 太腿の痕は、三日経っても消えなかった。 [了]