エロゲーの悪役貴族に転生した俺は、口を開けばエロワードになるしかない件 王道ファンタジーエロゲ「ウェンロッゲ王国戦記」。 そのゲームで主人公キリット・マージメンに立ちはだかる悪役貴族エドワルド・エルニズム。彼のユーザーからの愛称はエロワード。 その言動がとにかく下ネタと親父ギャグばかりなので別名エロワードと呼ばれ愛される三流悪役である。 そんなエドワルドに転生してしまった主人公は、口を開けばエロい会話しか出てこないユニークスキル【エロワードエロリズム】を持っていた。 ゲーム本編ではエドワルドは下ネタ連発で婚約者から見捨てられてしまい主人公に倒され破滅してしまう。 このままでは破滅するのでなんとかしなければいけないがこのスキルの強制力は強力すぎた。マジでエロいことしか喋れねえ。 それでも生きてイくしかないのだ―― 今、主人公の人としての尊厳をかけた戦いが始まる! ・展開 ゲームは正統派ファンタジーで主人公は戦乱の中立身出世をしていく村の少年。 ヒロインは幼馴染、聖女、王女、女騎士、獣人奴隷がいる。 エロワルドは王女の婚約者候補の一人であり、そして主人公の村がある領地を支配する貴族、エルニズム辺境伯家の嫡男。 父親バッドワルドはユニークスキル「バッドワードワルリズム」を持っていて、とにかく悪い言葉しか喋れない。「おはよう息子よ元気だったか→まだ生きてたか愚かな愚息が」みたいに。 なお妹はスキル「ツンデレ・ツンリズム」保持。とにかくツンデレ態度。名前はトゥーン・エルニズム。お兄様なんか全然好きじゃないんだからね!  そんな悪役貴族エロワルドに転生した主人公は、ゲーム本編でゲーム主人公キリット・マージメンに決闘を申し込まれて倒され、王女の婚約者候補の地位を追い落とされて破滅まっしぐらになる。 エドワルドは転生して三歳の頃、やっと喋れたと思ったら自分がエロ言語しか喋れない事に絶望する。そして気づく、この世界はあまエロゲの世界だ。そして自分は悪役貴族エロワードことエドワルド。 このままでは破滅するので回避しなければ。 回避方法として、まず王女との仲を良好にすることと主人公キットと仲良くなる事。 しかし口から出る言葉はエロい言葉しか出ないのではい積んだ。どうするべきか。これじゃ仲良くなるなんて無理だ。なにせ相手は高貴な王女様と、そして真面目少年のキット。エロとは相性最悪である。 こうなれば今のうちから鍛えて決闘で勝つしかない。これはゲームじゃないのでセーブロードはないから一度こっちが勝てばそのまま話は進むはず。 というわけで魔法の練習。 父親のまツテで魔術師を呼び、訓練。 炎の精霊よ、その怒りを解き放ち我が敵を獄炎で焼き尽くせ、という呪文を―― 「炎の色情霊よ、その劣情を解き放ち我が敵をあひんあひん火照らせろ!」 こんのクソスキルがああああああ!!!!! そして的はなんか真っ赤になってびくんびくんしていた。いや効果あるんかい! クソみたいな効果だが! そして父のつてで雇われた魔族の魔術師メイジーメイ・ブラックとスキルの研究。 魔法は詠唱を正しく行わないと意味がないのにエドワルドの魔法は発動する。 このスキルは現実の法則をエロに書き換える力があるのだと推測される。 そして彼女に簡単な強化魔法をかける実験を行う。 メイジーメイ・ブラックは発情した。 そしておねショタした。 そしてわかったことは、お互いの魔力が上がっていた。通常、えっちしても魔力が上がる事は無い。 これもエドワルドのスキルの力だと推測。 ままままままま魔力が上がるから仕方ないね、と関係を続けようとするメイジーメイ。 破滅回避のためにも強くなるのは必須だから仕方ないね。 妹にバレて襲われたけど。 母親いわくこの国では近親相姦は特に忌避されているわけでもなく、特に貴族王族は血を濃くしておくために定期的に近親婚は行われるので問題はないと。 だけどそれでも妹ともレッツ背徳でヤりまくるのは流石にどうかと思う。 そこでメイジーメイから奴隷を買えばいいと言われる。 性処理目的以外でも護衛やらなにやらに言うこと聞いてくれる奴隷はいてもいいかと思い、奴隷市場へ。 そこでゲーム正史に出て来る奴隷少女、リル・フェンと出会う。 ゲームで彼女を従えている悪徳奴隷商人とは別人の奴隷商人で時にリルを虐げている様子はなかったので、普通に購入する。 もっとも流石に幼すぎるのでエロ目的には使えないが、それはそれでいい。 手元に置いていたら、護衛に育てられるしいざという時に主人公に友好の証にゆずって破滅回避の一手にするのもあり。 そして訓練を続けつつ、破滅回避のために動く。 父親の村への視察を聞いたのでそれについていくことにする。 そして主人公キットのいる村へ。 キットと出会う。 キットと今のうちに仲良くなっておけば、いずれ学園で出会った時に決闘を挑まれて倒されることは無い。 しかしどうにもおかしい。ゲーム本編と比べて性格が違う、あまりにも物静かで、クール……いや空虚すぎる性格の少年だった。 それでも何度も、毎日話しかけて遊ぶエドワルド。少しずつ仲良くなっていく。 やがてエドワルドは知る。 キット・マージメンは10歳の誕生日に、運命の日を迎えると啓示を受けている。そうサーナは言う。 キットは言った。その日を境に僕は僕じゃなくなるんだ。だから僕と仲良くなっても意味は無いよと。 強大な力が自分の中に入り込み別人となり勇者となるという。 まさか、いわゆる異世界転生……それも憑依タイプだろうか。 何者かがキットの中に入り込み、正史のような熱血正義マンになるとしたら……ここで防いでおく必要がある。何より、彼を消したくはない。 「このままだと、お前の幼馴染のサーニャもお前にとりついた何かにずっこんばっこんヤられまくり、両親もレッツ近親相姦されてしまうぞ、それでもいいのか」 「嫌だ。彼女たちを傷つけたくない。それに……サーナを守るのは、家族を守るのは、僕自身でありたい」 そしてエドワルドはキットの誕生日当日に結界防御魔法を彼の家に張る。 そして降りて来る転生者の魂。 結界は「触れたらエロダメージが入る結界」であり、喘ぎ声をあひんあひん上げる魂。そしてキットに入れないとわかると、その場にいるエドワルドに憑依しようとする。 エドワルドの中に入り込み浸食を開始。転生者の魂に触れる。 ゲーム世界に転生しチートスキルで無双ハーレムしてやるという強い欲望。 しかし転生者はスキル【エロワード・エロリズム】に侵され、エロ単語しか喋れなくなる。おっぱいちちしりふとももま〇こち〇こセッ〇す××××××××××××××××××××××××××。 お前ではキットにもそして俺にもなれない。お前ではキットも俺も汚せない。 イキ狂って消えろ。 そして転生者の魂は吹き飛んで消える。 キットの憑依転生は阻止された。 そしてエドワルドには転生勇者に与えられたスキルを「NTR」してしまいいくつかゲットした。 ・キャラクター エドワルド・エルニズム 主人公。転生者でありこの世界の物語の記憶を持つ。 物心ついた時には前世の記憶があったが、初めて喋った言葉が立ち上がる時の「よっこらせっ〇す」であった。 ユニークスキル【エロワード・エロリズム】という喋る言葉がエロい言葉に変換されてしまうスキル。 ゲーム本編ではとにかくエロい言葉ばかりで嫌われていてそして主人公と決闘して敗北し婚約者の王女に捨てられて破滅する。うん、このスキルのせいか。お先まっくろ乳首、じゃない真っ暗である。 実はこのスキルは現実改変の効果がある。 バッドワルド・エルニズム 父親。 ユニークスキル【バッドワード・ワルリズム】の保持者。 とにかく悪どい事しか喋れないが性格は善性。 そのキレッキレの暴言で辺境伯として功績を上げている。 トゥーン・エルニズム 妹。家族大好きなツンデレ少女。将来の目標は兄の嫁。 ユニークスキル【ツンデレ・ツンリズム】によりツンデレな会話しか出来ないんだからね! 勘違いしないでよ! スーナ・エルニズム 母親。外国から嫁いできたのでエルニズム家特有のスキルは無い。 性格は素直でおおらか。 キット・マージメン ゲーム主人公の村人。 伝説の虚無の魔法の使い手。 ゲーム正史ではゴブリンに襲われた聖女アイサの馬車を助けた事がきっかけで王都の魔法学校に特待生として入学することになる。 性格は物静かというか諦観的。 お告げで将来何者かが自分に憑依転生してきて勇者になるということを知っていて全てを諦めている。 サーナ・ナジミオ キットの幼馴染。原作ヒロインの一人。 リンセ・スプー・ウェンロッゲ ウェンロッゲ王国の第一王女。原作ヒロインの一人。 アイサ・レティール 聖女。原作ヒロインの一人。 誰からも愛される少女。 キラーワという妹がいる。 ロスクッコ・メィキーシ ウェンロッゲ王国の女騎士。口癖は「殺す」原作ヒロインの一人。 リル・フェーン 奉仕種族サスゴシュ人の少女。原作ヒロインの一人。 正史ではキットが悪徳奴隷商人から救い出す。 キラーワ・レティール 聖女アイサの双子の妹。闇の魔女と呼ばれている。 初対面の誰からも嫌われるがエドワルドは初めて会った時にセクハラかました、それを彼女は「初めて罵倒でも嘲笑でも侮蔑でもない言葉をもらった」と恋に落ちる。 ちなみにその最初の言葉は倒れている彼女に向かって「大丈夫か、視えてるぱんつめっちゃエロいたまんねえな」 メイジーメイ・ブラック 魔族の少女。実年齢50すぎ。 魔術師でありバッドワルドの昔の仲間。エドワルドの魔術の師匠となる。 ゲーム正史では主人公キットの前に立ちはだかる魔王軍の魔術師。 ・本文 一話  どうやら俺は、物心ついたころには前世の記憶が戻っていたらしい。  気が付けばこの世界に赤子として存在していた。前世で日本人として暮らしていた記憶はあるが、しかし生まれ変わったからには前世の出来事、前世の人格にこだわるつもりもない。  俺の死因はなんだったか……そんなのもどうでもいい。  俺は新しい人生をここで始めるのだ。  今、自分は二歳か三歳といったかんじか。ようやく言葉が喋れるくらいだろう。  周囲には、両親とそして使用人たちがいる。  さあ、初めての言葉をしゃべろう。そして両親やみんなを驚かせ、喜ばせるのだ。  まずは、身体を起こし、立ち上がろう。 「よっこらせっ〇す」  ……今なんて?  今俺は何を言った?  よいしょ、とつい口に出た。それがなんて?  よーしおちつけ、あらためてちゃんと。 「おっぱいがいっぱい?」  ……。  ちょっと待て。  いやちょっと待て待て待て。  俺は今何を言った。  確かに母親や、使用人――メイドたちが何人かいるけど。  おっぱいがいっぱいはねぇわ。  いや、ここは挨拶だ。おはよう、と言うのだ。 「おっぱいよう?」  違う。  いやまて、何だこれは。俺の口は何をしゃべっている!  とにかく、落ち着いて俺の母親に挨拶を。彼女を呼ぶのだ、ママ、と。 「ま〇こ」  ……。  生まれて二、三年。物心ついたその日に俺は死にたくなった。 ◇  そしてしばらくが過ぎた。  わかったことがいくつかある。  まず、俺が生まれた所。てっきり外国かと思ったがそうではなく、外国どころか……別の世界だった。  ウェンロッゲ王国という、前世の地球では聞いた事のない国名。だけど聞き覚えのある国名。  ウェンロッゲ王国……。  エルニズム辺境伯家。  そこで俺は思い出した。  ――これ、あのエロゲじゃねえか。  前世でプレイしていたゲーム……成人向け、いわゆるエロゲ―と呼ばれるゲーム、「ウェンロッゲ王国戦記」の世界だった。  そして俺の名は、エドワルド・エルニズム。  俺の記憶にもあったその名は、そのゲームで主人公キット・マージメンの前に立ちはだかる悪役貴族の名前だった!  それはいい。まだいい。  しかし、ああしかし!  この世界にはスキルというものが存在する。そして俺のスキルは…… 【エロワード・エロリズム】。  喋る言葉が悉くエロい言葉に変換されてしまうという呪われたユニークスキルだった。  ふざけんなよ。  ああ、記憶ではエドワルドは出てくるととにかくエロい言葉発する猥談野郎で、ユーザーからついたあだ名がまさにエロワード・エロリズムだったな!  そういうことかよ!  そしてエロワードもといエドワルドはその猥談が元で婚約破棄され主人公に倒される。口は災いの元ってか、ふざけんなよ。  それでも俺は、産まれてしまったからにはこの世界で生きるしかない。  だけど、破滅する運命なんてごめんだ。  なんとかして――この運命を変えないといけない。  そう、俺が生きるために。 「そう、俺がイくぅ?ために」  ……。  死にてえ。 ◇  数年が勃った、もとい経った。  俺は十歳になった。  妹も生まれた。妹トゥーンは今八歳である。  家族仲は良好だ。  今日も家族が仲良く顔をそろえての朝食が始まる。  俺はメイドに手伝ってたもらいテーブルにつき、愛する家族へ長男としての爽やかな挨拶を放った。 「はっ、父上の股間のぶっとい大蛇、毎朝ビンビンに勃ち上がってて尊敬しますよ。かくありたいものですなあ。  トゥーンも朝から淫らなロリボディを惜しげもなく晒して、今すぐベッドに押し倒したくなる気持ちを耐えるのに大変ですよ、誘っているのですかエロ妹。  母上、今日の汁はいつにもましていやらしくヌラヌラと光ってますね、たまりません」  言ってて死にたくなった。  今日も我がスキル【エロワード・エロリズム】は絶好調である。  翻訳しよう。  父上、今朝もお元気そうで何よりです。  トゥーンも相変わらず可愛いな、今日も良い一日になるといい。  母上、いつも美味しいスープをありがとうございます、いただきます。  これが俺の言いたい事である。  しかし俺の口は盛大に全方位へセクハラと近親相姦と尊厳破壊をばら撒いた。  言った直後に舌を噛み切って死にたくなるが、これが俺の日常だ。お先まっくろ乳首、もといお先真っ暗である。  だが、エルニズム家の長たる父親、バッドワルド・エルニズム辺境伯は、この程度の|セクハラ《あいさつ》には微動だにしない。  厳格な顔つきで腕を組み、俺を睨みつけた。 「フン、まだ生きてたか愚かな愚息が。いちいち生意気な面を見せおって。  ……おい女、とっととそのしょっぱい肉を持ってこいグズが」  十歳の息子にかける言葉とは思えない暴言である。  だがしかし、落ち着いて意図を読み取り翻訳してみると、つまりはこうだ。  おはよう、我が愛すべき息子よ。今日も健やかで本当に嬉しい。  妻よ、そこの美味しいベーコンを取ってくれないかい? 急がなくていいぞ。  そう、見た目はただの極悪非道な暴君貴族だが、中身はちゃんとした家族思いの父親である。  それが何故こんなことを言っているのか……  ユニークスキル、【バッドワード・ヘルリズム】。  俺の父は、やはり俺と同じようなクソスキルの持ち主であった。  俺も最初は面食らって泣いたものだ。だけどもう慣れた。  すると今度は、俺の隣に座っていた妹のトゥーンが、フォークをガタッと鳴らして立ち上がった。 「お、お兄様は朝から本当に気持ち悪いんだから! そんなふうにセクハラされても嬉しくも何ともないんだから!  だいたい誰がお兄様のために毎朝早く起きて髪型をセットして、お揃いのリボンを選んだと思ってるのよ! 勘違いしないでよね、私、お兄様のことなんか世界で一番大嫌いなんだから! 死ね!」  これはわかりやすい。  ツンデレである。  そしてやはり、スキル【ツンデレワード・ツンリズム】というスキルを所持してしまっている。 「死ね」と言いながら、彼女の顔は熟れたトマトのように真っ赤で、潤んだ瞳で俺を見ている。俺がにへら……もとい、にっこりと笑うと慌てて目を背ける。うん、見事なまでのツンデレだった。  まあ、傍から見たら地獄みたいな会話だけど。  この、文字通り言葉のドブ川のような会話が飛び交う食卓。  普通の人間なら精神が崩壊する空間だが、このエルニズム辺境伯家には、すべてを受け止める最強の「盾」がいた。 「ふふ、今日もみんな仲良しで、ママは本当に嬉しいです」  微笑むのは、我が母、スーナ・エルニズム。  外国から嫁いできたため、この家の狂った言語スキルを唯一持たない、素直でおおらかな聖母。  母さんは、父の前に丁寧にベーコンエッグを置き、トゥーンの頭を撫で、そして俺の前に温かいスープを差し出した。 「はい、エドワルド。お母さんの愛情がたっぷり詰まった特製スープよ。たくさん召し上がれ。あなたも、お仕事大変だけど今日も頑張ってね。トゥーン、お兄ちゃんにおめかし気づいてもらえて良かったわね」  完璧な翻訳。完璧な包容力。  エルニズム辺境伯家が破綻せずに領地を統治できているのは、間違いなくこの母親のメンタルのおかげだった。 「ふん、外にはとても出せない味付けの餌だ(うむ、家族で独り占めしたいくらいに美味しい朝食だな)」  父が不器用そうにベーコンを口に運ぶ。 「だ、誰も気づいてほしいなんて言ってないもん!バカ兄貴!(お母様、お兄様に伝わってて嬉しいです!)」  トゥーンが顔を伏せてスープをすする。  うむ、立派な一家団欒だった。  いや、慣れたとはいえ疲れるけど。  ともかく日頃の感謝の気持ちを伝えるべく、俺は母さんに向かって、最高の笑顔で親指を立てた。 「母上、このスープ、本当に極上の愛液みたいにトロトロで熱くてねっとりと最高です」  ……。  毎朝の事ながら、軽く死にたくなった。