# ダブルクロス The 3rd Edition シナリオ ## シナリオタイトル **『マザーズミルク・インシデント』** ~或る母乳と牛乳と、運命の味~ --- ## レギュレーション | 項目 | 内容 | |------|------| | ステージ | 基本 | | 使用可能ルルブ | 全部(全サプリ可) | | 消費経験点 | 164点(初期作成130点+30点+4点〈イージーエフェクト用〉) | | プレイヤー人数 | 3~4人 | | セッション時間目安 | ボイスセッションで約4~5時間 | | GM難易度 | 中級者向け(特殊設定・演出多め) | --- ## シナリオトレーラー > ダブルクロス──それは二重の意味を持つ言葉。 > 裏切られた日常、重なる非日常。 > > ある日、街中で「牛乳を飲んだ人間が次々とジャーム化する」事件が発生した。 > その牛乳の出所は──なんとPC1の母乳だった……? > > 無実を証明するため、仲間と共に調査へ乗り出すPC1。 > しかし待ち受けるのは、自身の出生に隠された衝撃の真実。 > 「お前はFHが作り出した、生きた兵器なんやで」 > > 抗うためには、飲まなければならない。 > その一線を越えた先にあるものは──力か、それとも更なる絶望か。 > > ダブルクロス THE 3RD EDITION > 『マザーズミルク・インシデント』 --- ## 導入文 GMはセッション開始前に、以下の文を伝えてよい。 > この街では最近、オーヴァードの覚醒者やジャーム化する者が増加傾向にある。UGN支部でも警戒を強めていた矢先、原因の特定に乗り出した調査員から衝撃の報告が入る。 > 「レネゲイドウイルスを含んだ牛乳が出回っている。どうやら露店で無造作に販売されているらしい」 > さらに、その牛乳のレネゲイド反応が──PC1のものと一致した。 > 支部は緊急会議を開く。君たちはその場に召集された。 --- ## GM用補足:演出と取り扱いの注意 本シナリオのテーマについて ** 本作は「一線を越える勇気」「運命を受け入れる強さ」「絆の味」をテーマとしている。コメディ色の強い設定だが、PLの心情に配慮し、過度な性的演出や嫌悪感を与える描写は避けること。あくまで「絆の象徴としての母乳」(←重要)という文脈を守ること。** 母乳摂取シーンの演出指針 ・直接的な描写を避け、「盃に注いで飲む」「オブラートに包む」「暗転で済ます」など抽象化も視野にいれること。(GMやPLがノリノリなら無視していい。) ・飲む側・飲ませる側双方のPLに事前了承を得てから行うこと。 ・どうしても嫌がるPLがいる場合は、牛乳(市販品)を媒介にするなど代替案を用意する。(このシナリオに募集した時点でいるのか?) --- ## シナリオハンドアウト ### HO1(PC1):ホルスタインのレネビ または ブラム=ストーカーを含むブリードのUGN関係者 | 項目 | 内容 | |------|------| | ロイス | 母乳 | | 推奨感情 | P:任意/N:任意 | | ワークス/カヴァー | 任意(UGN関係者) | 君はホルスタインのレネゲイドビーイング(オリジンは自由)またはブラム=ストーカーを含むブリードのUGN関係者だ。 **君の母乳は飲むと元気になる。(最重要)** 君の所属する支部がある市内で「牛乳を飲んでジャーム化する」事件が発生した。その牛乳に含まれるレネゲイドが、なんと君のものと一致しているという。無実を晴らすため、君は調査に乗り出す。 > ※PLへの補足:母乳の「元気になる効果」については後述する。プレイヤーはこの設定をRPに活かしてもいい。 --- ### HO2(PC2):UGNチルドレン | 項目 | 内容 | |------|------| | ロイス | HO1(PC1) | | 推奨感情 | P:任意/N:任意 | | ワークス/カヴァー | UGNチルドレン/任意 | 君はUGNチルドレンだ。君はHO1と組んで事件を解決する班に任命された。 **君が選ばれた理由──それは「母乳を飲むことに抵抗があるから、過ちの一線を超えることがなさそうだから」だ。** (その理由は自由に設定せよ。例:童貞だから/乳製品アレルギーだから/血液恐怖症だから/母親のトラウマがあるから 等) --- ### HO3(PC3):UGN支部長 | 項目 | 内容 | |------|------| | ロイス | 任意(自身の家族など) | | 推奨感情 | P:任意/N:任意 | | ワークス/カヴァー | UGN支部長/任意(公務員、会社員等) | 君はこの支部の支部長だ。今回の事件の指揮を執っている。 実は君もHO1の無実を確かめるため一緒に動きたいが、万が一の危険を考えて直接行動には出られない。そこで信頼するHO2に代役を託す。陰ながらHO1とHO2を支援する役割だ。 --- ### HO4(PC4):UGN関係者 | 項目 | 内容 | |------|------| | ロイス | HO1(PC1) | | 推奨感情 | P:任意/N:任意 | | ワークス/カヴァー | UGNチルドレン/任意 | 君はUGN関係者だ。HO1およびHO2と組んで事件を解決する班に加わった。 **君が選ばれた理由──それは「母乳を飲むことに抵抗があるから、過ちの一線を超えることがなさそうだから」だ。** (理由はHO2と同様に自由に設定せよ。ただしHO2と差別化できる設定が望ましい。例:ストイックな食事制限がある/牛乳が大嫌い/宗教上の理由 等) --- ## NPC一覧 ### 主要NPC | 名前 | 仮称 | 概要 | |------|------|------| | 黒幕 | **"ミルクマスター"(仮称)** | FHエージェント。PC1を生物兵器として作り出した張本人。毎日牛乳を飲んで絶対の自信を得ている。 | | 支部長 | **(任意)** | HO3のNPC版。オープニングのみ登場する場合はGMが操作。 | | 露店商 | **(任意)** | 情報収集で登場する牛乳販売の関係者。既にジャーム化して隔離されている。 | --- ## ストーリー背景 あるFHセルのリーダーである黒幕は、オーヴァードを効率的に量産する手段として「レネゲイド含有牛乳」の開発に成功した。 しかし牛乳だけでは効果が不十分だったため、彼はより強力な触媒として、自らが手掛けた実験体No.1──PC1(ホルスタインのレネビないしは特殊なブリードのオーヴァード)に目をつける。PC1の母乳には、通常のオーヴァードの体内生成量をはるかに超える高濃度のレネゲイドウイルスが含まれており、これを希釈・人工培養することで「市販可能なレネゲイド牛乳」を作り出した。 黒幕はPC1自身にもその出生の真実を隠し、UGNに潜伏させていた(または偶然UGNに保護された)。そして今、牛乳の販売を本格化させ、ジャーム化したオーヴァードを増やして戦力を拡大しようとしている。 --- ## オープニングフェイズ ### シーン1:召集~疑惑の渦中 **シーンプレイヤー:全員 / 登場:全員** 支部に召集されたPCたち。支部長(HO3 or NPC)が状況を説明する。 **支部長:** > 「最近、市内でジャーム化するオーヴァードが急増している。原因を調査したところ……レネゲイドが含まれた牛乳が原因だと判明した。」 > 「そして問題なんだが……その牛乳に含まれるレネゲイド反応が、PC1のものと完全に一致した。」 > 「もちろん俺はPC1がやったとは思っていない。しかし支部の上層部は疑いの目を向けている。君には無実を証明してもらいたい。」 > 「俺も一緒に動きたいところだが……妻子がいる。万が一、何かあった時に家族を守れなくなる。すまないが、PC2(とPC4)に頼む。」 こうしてPC1とPC2(+PC4)の調査班が結成される。 --- ## ミドルフェイズ ### 固定イベント:調査開始 **登場:任意** PCたちは情報収集に乗り出す。以下の情報項目を調べることができる。 --- ### 【情報収集①】PC1の母乳の効能 | 項目 | 内容 | |------|------| | 技能 | 情報:UGN、情報:噂話、情報:医療など | | 目標値 | 7 | | 支援 | 支部長(HO3)は情報収集に協力可能(目標値-1など) | PC1の母乳には特殊な効果があることが判明する。 **【効果(ゲームデータ)】** メジャーアクションで使用できる。同じエンゲージ内にいるPC1の母乳を飲んだキャラクターは、以下のいずれかの効果を1回得ることができる。 使用回数はシナリオに**X回**(GM裁定。PC1の設定や侵蝕率などに応じて無制限も可)。 - **効果A:タイタス昇華相当**……使用回数制限のある取得しているエフェクトまたは常備化しているアイテムの使用回数を+1する(シーン1回) - **効果B:HP回復**……(PC1の侵蝕率÷10)D10点のHP回復 - **効果C:侵蝕率低下**……侵蝕率を1D10点減少する > ※これらの効果はPC1のプレイヤーが「今、母乳を飲ませる」と宣言したメジャーアクションで発動する。RPの見せどころである。 --- ### 【情報収集②】ジャーム化した人々について | 項目 | 内容 | |------|------| | 技能 | 情報:UGN、情報:警察、情報:医療 | | 目標値 | 8 | ジャーム化した患者の胃からは、共通してある牛乳の残留物が検出された。 - その牛乳には、通常の牛乳にはありえない濃度のレネゲイドウイルスが含まれている。 - 患者たちは皆、市内の仮設露店で安価に販売されていた牛乳を飲んでいた。 - 露店の出店場所は日によって変わるが、特定の出店ルートが存在する模様。 - 露店の出店場所にて、春日達とミドル戦闘をする。 この情報を得た時点で、PC1の直接的な嫌疑はおおむね晴れる(牛乳は外部で製造・販売されていたため)。 --- ### 【情報収集③】牛乳の出所とFHの関与(①と②が完了したら解禁) | 項目 | 内容 | |------|------| | 技能 | 情報:UGN、情報:FH、情報:裏社会 | | 目標値 | 9 | 調査の結果、以下の事実が判明する。 - 牛乳を販売していたのは**FHの下部組織**である。 - FHはオーヴァードを人為的に増やす目的で、レネゲイド入り牛乳を開発・販売していた。 - 製造元は市内の廃工場。そこには簡易的な培養プラントが設置されている。 **ここでPC1の疑いは完全に晴れる。** --- ### 固定イベント:ミドル戦闘 【情報収集②】を完了した時に、春日とジャーム化した市民に襲撃される。 **登場:** 調査中のPCたち **敵データ:春日 ×1、ジャーム化した市民 ×3(範囲攻撃ビルドがいる場合は人数を増やしてエンゲージを分離させる)** PC→ジャーム化した市民×3(5m)→春日(10m) **戦闘終了後:** 《瞬間退場》した春日のポケットから、暗号化された情報が入ったUSBが落ちる。次の調査(情報③)への手がかりとなる。 **敵データについて** 春日は基本ルルブのデータを参照。フルサプリ時は、GM判断で強化をすること。 ジャーム化した市民のデータについては、【ジャーム:クラッシャー】【ジャーム:クラスター】【ジャーム:ブラスター】からそれぞれ選ぶ。フルサプリ時は、【クリムゾンビースト】などの中ボスエネミーからそれぞれ選ぶ。 --- ### トリガーイベント 全ての情報収集が完了した後、以下のトリガーが発生する。 --- #### トリガー1:黒幕の出現 PCたちが廃工場(牛乳製造拠点)を調査していると、黒幕が姿を現す。 **黒幕「"ミルクマスター"」** > 「ふっふっふ……ようやく会えたな、我が傑作よ。」 > 「そう、お前(PC1)のことや。その牛乳はな、**お前の母乳を希釈して作ったもんや。**」 > 「実はお前はな、レネゲイドを効率的に生成・散布するために、わいがFHで作り出した**生きた生物兵器**なんやで。」 > 「つまり……さっきお前が倒したジャームも、元を辿ればお前のせいでジャームになったようなもんやな。」 > 「そんな奴がUGNにいてもしょーもないやろ? さあ、FHに来い。お前の居場所はこっちや。」 **PC1が戦闘を仕掛けようとすると──** **黒幕:** > 「無駄やで。ワイは毎日牛乳飲んできたからな! 最強の身体を手に入れたんや!」 > (高笑いと共にPCたちを軽くあしらい、《瞬間退場》でシーンから離脱する。) **【演出上の処理】** ここでの戦闘は**PCが取り逃すものとする**。黒幕はPCたちを見下し、余裕の笑みを浮かべて撤退する。 --- #### トリガー2:葛藤と決意 取り逃し、意気消沈するPC1。 歯が立たず、無力感に苛まれるPC2またはPC4。 そこに霧谷さんなどのNPCが連絡を入れる。 **支部長:** > 「状況は聞いた……ひとつ提案がある。PC1、君の母乳の力を我々は知っている。PC2……いや、PC1を守るためだ。葛藤はあるだろうが……」 > 「力を合わせて打ち勝つ道を選んでくれ。」 **PC2あるいはPC4への問いかけ:** ここでPC2またはPC4は、PC1の母乳を飲むかどうかの選択を迫られる。 - **飲む →** 一時的に力を得る(例:侵蝕率2d10上昇と引き換えにクライマックスフェイズ中、PC1またはPC4の攻撃に鬼斬りの古太刀と同等の効果を得る等。) - **飲まない →** 別の方法で打開する(例:支部長の支援でPC人数分の調達判定を自動成功で任意のアイテムが届く等。) > ※GMはPLの意思を尊重すること。どちらを選んでも物語は進行する。 --- ## クライマックスフェイズ ### シーン:決戦! ミルクプラント **登場:全員** 廃工場の地下最深部、巨大な培養タンクが立ち並ぶ空間で黒幕が待ち構える。 **黒幕:** > 「ほぉ……よく来たな。まさかもう一度挑んでくるとは思わんかったで。」 > 「ええで。思い知らせたるわ。ワイの力、思い知ったらええ!」 **衝動判定:目標値9** (侵蝕率を上昇させて戦闘開始) --- ### 戦闘データ **敵データ:”ミルクマスター”、春日、培養タンク×PC人数(ミルクマスターと春日のエンゲージにそれぞれ配置する。1体ならミルクマスターとのエンゲージのみになる。)** PC→春日&培養タンク(5m)→ミルクマスター&培養タンク(10m) #### ボス:”ミルクマスター” Eロイス: 3個《不滅の妄執(解除方法:培養タンクの全撃破)》《堕落の誘い》《超越活性(1つの攻撃エフェクトのLV+2)》 ミルクマスターは、【ジャーム:フェンリル】のデータを参照し、培養タンクへの攻撃はキュマイラのカバーリングエフェクトでダメージをかばう。フルサプリ時は【EXジャーム:女王蟻】などのボスエネミーを選ぶ。 春日はミドル戦からHP全回復して戦闘する。春日も培養タンクへの攻撃はカバーリングエフェクトでダメージをかばう。 培養タンクのデータについて シンドローム:オルクス/ソラリスのクロスブリード、HP50、侵蝕率150%、精神5、行動値4、ドッジおよびガード宣言はしない。 基本行動はミルクマスターと春日がダメージを受けている場合、《癒しの水》LV6+《ソーマの雫》LV4で単体HP回復をさせる。ミルクマスターか春日がHP0になった場合、《世界樹の葉》LV2、《アクアウィターエ》LV1、《捧げる生命》LV1をそれぞれ使用し、戦闘不能を解除させる。 使用エフェクト 《癒しの水》LV6+《ソーマの雫》LV4、《世界樹の葉》LV2、《アクアウィターエ》LV1、《捧げる生命》LV1、《領域の盾:ミルクマスターと春日がカバーリングできない時、同じエンゲージ内の他の培養タンクがカバーリングする》LV3 【戦闘終了後】 黒幕を打ち倒すと、彼は培養タンクに寄りかかりながら嗤う。 黒幕: 「くっ……くはは……よくやったな……だがな……もう、この街の水道には……レネゲイド牛乳が混ざっとる……」 「お前らの戦いは……まだ……終わらへんで……」 そこで培養タンクが制御不能になり、周囲の床にレネゲイド含有牛乳が充満し始める。 PCたちは崩壊する工場から脱出する。 ## エンディングフェイズ エンディング例: PC1(HO1) 支部に戻り、無実が証明された報告を受ける。支部長はねぎらいの言葉をかけ、PC1の今後の処遇について話し合う。自分の出生に葛藤を抱えつつも、仲間と共に歩む決意を新たにする。 PC2(HO2) (母乳を飲んだ場合)自分が超えた一線の重みと向き合う。もしかしたらもう後戻りはできないかもしれない。それでもPC1を守るために選んだ道だと自分に言い聞かせる。 (飲まなかった場合)信念を貫いた自分を誇りに思う一方で、PC1との距離感をどう保つか模索する。 PC3(HO3) 支部長として今回の事件の処理と報告に追われる。PCたちの奮闘を称えつつ、FHのさらなる陰謀に警戒を促す。日常の尊さを噛みしめる。 PC4(HO4) 今回の事件を通じて感じたことを胸に、今後のUGNエージェントとしての活動を見つめ直す。自分なりの「守るべきもの」を再確認する。