============================================================ 【各話の詳細あらすじ】 ============================================================ ------------------------------------------------------------ 第1話 ------------------------------------------------------------ - その夏、ブラジルの干ばつ、アフリカの洪水、カナダの酷暑と森林火災など、地球規模の異常気象が発生している。 - 新宿でも街頭モニターがブルースクリーンと文字列を映し、照明が点滅し、スマートフォンへ発信者不明の着信が入る。 - 小学6年生の日野勇太は、従兄の持田叶と怪獣オブジェを見るため新宿に来ている。勇太は特撮・怪獣好きで非日常への憧れがあるが、叶は周囲の不穏さを警戒する。 - 勇太は同じクラスの鬼塚光を見つける。光は転校以来孤立し、罵倒、無視、暴力を受けても感情を閉ざし、6年生では学校へほぼ来なくなっていた。 - 勇太は以前から光へのいじめを不愉快に思い、ときどき仲裁していた。光へ声を掛けるが、光は「キモい」「話しかけるな」と激しく拒絶する。 - 真夏の空を黒雲と雪が覆い、巨大な光の卵が出現する。周囲の物体と勇太・光が吸い上げられる。 - 叶は勇太を呼び戻すが、光が助けを求めたため、勇太は叶の側へ戻るより光の手を取ることを選ぶ。二人は卵に吸い込まれる。 - 転送中、月面の電話ボックス、海を走る電車、核の焚き火、米国尊厳維持局の映像など、後の異常領域を示す断片が映る。勇太は意識を失うまで光の手を離さない。 - ここで未来の先行挿入が入る。死亡した光の実父・鬼塚圭吾が自宅リビングで目覚め、妻・秋子と5歳の姿の光に再会する。光が圭吾を再構成し、秋子を現実世界から呼び、三人だけの幸福な箱庭を作ったことが伝わる。 - 未来場面では、成長した光がオグドモンのコア内で家族世界を維持し、外ではガルフモンが箱庭を抱く。両親には、光が何を犠牲にしたか、デジモンに何をしたかは知らされていない。これは第10話の「父が戻るなら仲間を捨てるかもしれない」という恐れへ繋がる伏線。 - 現在時系列へ戻る。勇太はデジタルワールドの森でヴォーボモンと出会う。手には身に覚えのない、ひび割れて起動しないデジヴァイスがある。 - ヴォーボモンは勇太を選ばれし子供と考え、異変から世界を救ってほしいと頼む。そこへ光の悲鳴が響く。 - 勇太とヴォーボモンは、光の傍らにいる赤い恐竜型ギルモンを敵と誤解して攻撃する。実際にはギルモンは光を守ろうとしており、光のパートナーだった。 - ヴォーボモンとギルモンは互いを悪者と誤解して喧嘩する。勇太が二体の間へ入って両方の拳を受け、争いを止める。 - ヴォーボモンたちによれば、最近はデジモンが突然別の場所へ集まり、人形のように同じ行動をし、連れ戻そうとした者を襲う。邪悪な気配も強まっている。 - 光は戦うことを拒み、帰還させろとパニックになる。勇太は「異変を解決すれば帰れるかもしれない」と宥める。 - 格上のフライモンが襲来。勇太は光を抱いて庇い、肩を切り裂かれる。死への恐怖と勇太を失う恐怖で光が絶叫し、デジヴァイスが発光する。 - ギルモンは黒いデビドラモンへ進化し、フライモンの翼を引き抜いて執拗に攻撃する。勇太とヴォーボモンが止め、フライモンは逃走する。 - デビドラモンは勇太へ頭を下げ、撫でられて喜ぶ。しかし光は禍々しい姿を「化物」と恐れ、石を投げ、近づくなと拒む。デビドラモンは傷つきながらも光の側を離れない。 - 一行は情報と安全を求め、ヴォーボモンの故郷であるレジストシティへ向かう。これが四人の長く短い夏休みの始まりとなる。 【第1話の変化・伏線】 - 勇太は危険から逃げるより、助けを求めた光の手を取る人物として示される。 - 光の攻撃性の奥に、置き去りにされる恐怖と極端な死への怯えがある。 - デビドラモンは光の恐怖を映す外見を持つが、人格は光を求める幼い存在。 - ひび割れたデジヴァイス、未来の箱庭、Local58を含む転送映像、叶と黒衣の人物が後の長期伏線になる。 ------------------------------------------------------------ 第2話 ------------------------------------------------------------ - デジタルワールド漂流から十数日。光とデビドラモンは戦いに慣れ、襲撃者を返り討ちにできるが、勇太はヴォーボモンを安定進化させられない。 - 不安と優越感の混ざった光は勇太たちを役立たずと責め、デビドラモンにも癇癪で暴力を振るう。勇太は暴力を止め、デビドラモンを庇う。 - 長い徒歩と野宿で一行は疲弊し、トコモンの村へ立ち寄る。温泉で休み、村の近くの滝に「勇気のデジメンタル」があると知る。 - 光は自分が危険を負う理由はないとして同行を拒否。勇太とヴォーボモンだけでデジメンタルを探しに行く。 - 道中、完全体リベリモンが襲撃。リベリモンはサイボーグデジモンの部品を奪い、勇気のデジメンタルも自分の身体へ組み込もうとしている。 - リベリモンはヴォーボモンが飛べないことを嘲り、勇太たちを崖から落とす。二人は滝壺へ流れ着く。 - ヴォーボモンは、飛べないことを笑われ、小さな失敗まで積み重なって「本当に何もできない」と思うようになった過去を打ち明ける。旅へ出たのは、皆を見返して自分をマイナスからゼロへ戻すためでもあった。 - 勇太も、誰かのためではなくヒーローという格好に憧れているだけではないか、自分はヒーローごっこをしているだけではないかと告白する。 - 二人は勇気のデジメンタルへ辿り着くが、勇太は持ち上げられず、選ばれる資格がないと落ち込む。 - 一方、トコモンたちはリベリモンの危険を知り救援へ向かう。光は「仲間は利用しているだけ」と言い、デビドラモンまで叩いて拒む。 - デビドラモンは、勇太は光を見捨てない、自分も勇太を好きで死んでほしくない、光も一人になりたくないはずだと訴える。光は感情を爆発させた末、救援へ向かう。 - リベリモンとの再戦でデビドラモンは勇太たちを守るが、ミサイルを至近距離で受けて倒れる。ヴォーボモンも劣勢になる。 - 勇太は自分の無力さに膝をつくが、光とトコモンが狙われた瞬間、考えるより先に彼らの前へ立つ。 - リベリモンに首を絞められ、命乞いをすれば一人だけ助けると言われても、勇太は恐怖で泣きながら拒否する。「ヒーローになれなくても、助けを求める者を見捨てたくない」と選ぶ。 - 勇太のデジヴァイスが発光し、ヴォーボモンが名称不明の一時的な上位形態へ進化。強大な火球でリベリモンの装甲を破損させる。 - 光は肩の亀裂を即座に見つけ、デビドラモンへ起き上がるよう命じる。二体の集中攻撃で装甲を剥がし、リベリモンを激流へ落とす。 - 勇気のデジメンタルは勇太を認めたように光り、デジヴァイスへ吸収される。 - 夜、光は勇太が進化できるようになれば自分たちを捨てるのではないかと確認する。勇太は光とデビドラモンを仲間と呼び、一緒に帰りたいと答える。 - 月下で勇太と光は他愛のない会話を交わし、光は久しぶりに静かな安心を得る。しかしその後も進化は再現できず、四人の旅は不安定なまま続く。 【第2話の変化・伏線】 - 勇気は「怖くないこと」ではなく、恐怖の中で他者を見捨てない選択として示される。 - 光は救援へ来た事実を素直に説明できないが、勇太を失いたくない気持ちは明確になる。 - 勇気のデジメンタルを取得。ただし進化はまだ任意に再現できない。 ------------------------------------------------------------ 第3話 旅の初期を描く短編 ------------------------------------------------------------ - 勇太と光がデジタルワールドへ来て間もない頃の回想。 - 野生のレアモンに襲われ、戦えるデビドラモンだけが応戦する。光は義父から命を脅かされた記憶を刺激され、恐怖を怒声へ変え、「早く殺せ」と過剰に命じる。 - 敵が倒れた後も光は興奮を止められず、負傷して震えるデビドラモンへ八つ当たりする。 - デビドラモンが初めて「光が怖い」と告げる。その言葉は、虐待されていた幼い光自身の「怖い」「やめて」と重なる。 - デビドラモンは、光に嫌われる方が怖い、これからも頑張るから許してほしいと謝る。 - デジヴァイスを通じて二人の恐怖が同期し、光は、自分が守られる側の被害者であるだけでなく、目の前の相棒を怖がらせる加害者になっていると知る。 - 光はその場では「別にいい」としか言えないが、夜に勇太へ、デビドラモンの好きな食べ物を採りに行きたいと相談する。 - これは、光がデビドラモンを戦闘道具でなく一人の相手として知ろうとする最初の一歩。 ------------------------------------------------------------ 第4話 ------------------------------------------------------------ - レジストシティへ向かう途中、存在しなかったはずの近代都市が突然出現する。雨と霧の中へ入ると、勇太・光はパートナー二体から引き離される。 - 二人は手を繋いで移動し、雨宿りのため奇妙な複合ビルへ入る。ビルはオフィス、ホテル、工場、堂、庭園が混ざり、黒い人面蜘蛛の絵と蜘蛛の巣が各所にある。 - 雨に濡れた服をめぐる出来事で、光は自分の身体と男性への恐怖を刺激される。勇太は異変を完全には理解できないが、上着を渡して距離を取り、必要物資を探す。 - 謎のラジオが「一緒の女が危ない」と勇太へ警告する。勇太が戻ると、光はアルケニモンの糸と霧に囚われている。 - 勇太は人間の身体だけで救出を試みる。瓶、洗剤、燃料、ライター、包丁を組み合わせて糸を切り、光を逃がそうとするが、多数のコドクグモンとドクグモンに囲まれる。 - アルケニモンは霧で光の心を読み、自分を「ママ」と認識させる。操られた光は勇太を殴り、蹴る。 - アルケニモンは子供たちを所有物と呼び、役に立たないコドクグモンを食べて自分の傷を治す。デジヴァイスで全ての子を究極体へ進化させようとする。 - 勇太は、子供は親のおもちゃではなく、親が所有者だから何をしてもよいはずはないと否定する。その言葉で光の意識が戻り、デジヴァイスの光が霧と勇太の傷を弱める。 - 二人は、アルケニモンに捨てられたコドクグモン、プヨモン、モチモンたちに救われ、地下へ匿われる。彼らは進化できないため殺されるか食われる失敗作とされていた。 - 彼らは勇太たちへアルケニモンの打倒を求める。光は、自分で何もせず他人に母を殺させて自由になろうとする態度へ怒る。 - 光は、実父圭吾の死後に母が壊れ、義父が母と自分へ暴力を振るい、自分へ性的加害を行い、母が助けなかった過去を勇太へ初めて具体的に話す。 - 光は家出後も傷を深める暮らしを重ね、自分を「汚い」「駄目な子」と思ってきた。逃げ続ければ過去が嘘になると思っていたと語る。 - 勇太は十分に理解できないと認めながら、光の痛みを感じて泣く。光も泣き、二人は「何かをここへ捨てていく」ような共有体験を得る。 - 光は、デビドラモンが自分の醜さだけでなく別の部分も映すと分かったこと、勇太のように勇気を出し、過去と決着してマイナスからゼロへ進みたいことを話す。 - コドクグモンたちも自分たちで戦うと決める。光は勇太を危険から外そうとするが、勇太は無関係ではない、一緒にいさせてほしいと答える。 - 再戦では、アルケニモンが偽物のデジヴァイスで光を誘い、再び母の幻で従わせようとする。コドクグモンたちが背後から本物を奪還し、光へ渡す。 - デジヴァイスの光が霧を晴らし、ヴォーボモンとデビドラモンが合流。光との信頼でデビドラモンはレディデビモンへ進化する。 - 光は操られた蜘蛛たちを殺さないよう明確に命じる。仲間がアルケニモンの両腕を崩し、レディデビモンの攻撃でアルケニモンを焼き尽くす。光は「さよなら、ママ」と過去へ区切りをつける。 - 捨てられた子供たちは、自由になってもアルケニモンを母と思う気持ちが消えず、街に残って感情を整理すると決める。 - 光は勇太へ、名字ではなく「光」と呼ぶよう求め、自分も「勇太」と呼ぶ。デビドラモンと勇太へ自然な笑顔で感謝する。 - 街を去る一行を、正体不明の人物がビルから監視する。その人物は光とデビドラモンを汚れた存在と蔑み、勇太の隣は自分の場所だと執着している。 【第4話の変化・伏線】 - 光は被害を打ち明け、初めて自分の意思で「過去へ立ち向かう」選択をする。 - デビドラモンのレディデビモン進化が成立し、光は殺害ではなく制止を命じられるようになる。 - 勇太と光が下の名前で呼び合う関係へ移行する。 - 謎の監視者と、勇太への異常な執着が示される。 ------------------------------------------------------------ 第5話 ------------------------------------------------------------ - 完全体メタルティラノモンに追われた一行を、トリケラモンが圧倒的な戦闘力で救う。 - トリケラモンのパートナーは16歳の選ばれし子供、三上竜馬。竜馬は無口で、兄に関係する「デジモンイレイザー」を追っている。 - 焚き火を囲み、竜馬は、選ばれし子供は複数存在し、呼ばれた者ごとに使命も帰還条件も違うと説明する。 - 世界の異変解決へ動く者、目的なく放浪する者、麻薬を生産する者までおり、選ばれたことは善の保証ではない。 - 現実世界へ簡単に帰れる者も、全く帰れない者もいる。デジモンが現実世界へ来る例もある。 - 竜馬は勇太を見た後、光を一瞥し、「君はなぜここにいる」と問い、何かを理解する。答えは説明せず、勇太にはこれから辛いことがあるが、来たことは偶然ではなく、諦めなければ道は開くと告げる。 - 竜馬は自分の目的を優先し同行を断る。トリケラモンは言葉足らずな竜馬を補い、勇太の可能性を信じての助言だと伝える。 - 一行は竜馬たちと別れ、ついにレジストシティへ辿り着く。帰還は街へ着くだけでは叶わず、より大きな事件へ入ることが予告される。 ------------------------------------------------------------ 第6話 ------------------------------------------------------------ - レジストシティへの道中、突然現れた移動する砂漠に進路を塞がれる。 - パタモンの村によれば、砂漠へ入ると砂から強力な守護デジモンが生まれ、侵入者を追い出す。飛行するか、珍しい雨の日でなければ渡れない。 - 村には、以前訪れた大人の人間と黒いモンザエモンが残した「オルゴンボックス」がある。男女一名ずつが下着姿で内部に入り、親密な状態を保つと雨が降るという、意図の怪しい装置。 - 光は強く嫌悪するが、迂回の危険と風呂を使える利点を考え、自分で入ることを決める。勇太は光の過去を意識し、判断を本人へ委ねる。 - 狭い箱の中で二人は互いの身体を意識し、事故的な裸の目撃も起きる。勇太は思春期の欲望と、光を守りたい気持ちが不純なのではないかという自己嫌悪に揺れる。 - 光は暑さでのぼせて倒れる。装置が医療補助を出し、勇太は裸や恥ずかしさより光の安全を優先して冷却・水分補給を行う。 - 弱った光は勇太へ膝枕を求め、最終的には勇太へ身体を預けて眠る。二人の間に、緊張と同時に年相応の親密さが生まれる。 - 雨が降り、四人は砂漠を渡る。一本の傘の下で勇太と光の距離は以前より近い。 【第6話の意味】 - 光の身体的な地雷を一度で克服した話ではなく、本人の選択権を守りながら、勇太が欲望と保護責任の両方を自覚し始める回。 - 恋愛感情と家族的な依存がまだ未分化なまま、二人の親密さが深まる。 ------------------------------------------------------------ 第7話 ------------------------------------------------------------ - 漂流から数十日を経て、一行はレジストシティへ到着する。街は図書館と情報保存庫が都市化したような構造で、各地のデータが流れ着く。 - ヴォーボモンはオーガモンとゴブリモンたちから「飛べない」「泣き虫」と嘲られる。勇太と光は割って入り、デビドラモンも威嚇する。 - 一方、幼年期・成長期のデジモンたちはヴォーボモンを慕う。ヴォーボモンは弱い子の面倒見がよく、自分より強い相手へも無鉄砲に噛みつくため、一部から反感を買っている。 - 街の長ジジモンとババモンに会う。ババモンは光へ食事と菓子を与え、生活面から自然に安心させる。 - ジジモンは、デジタルワールドが情報でできた生活世界であること、勇太と光は意識だけでなく肉体ごとロードされ、ここで死ねば現実の身体も無事ではないことを説明する。 - 各地で成熟期以上のデジモンが失踪し、戻った個体はデータを改変され、意思疎通できず攻撃的になっている。存在しなかった街や土地も頻発している。 - 過去にも世界の異変時に人間の子供とパートナーが呼ばれたが、誰が選び、どう帰すかをジジモンも知らない。 - 光は、困った時だけ子供を勝手に呼び危険へ送る世界側の都合を批判する。ジジモンとババモンは言い訳せず頭を下げる。 - 光はそれでも、ヴォーボモンたちの不安を放置できず、異変を解決すると宣言する。 - ただしジジモンは、レディデビモンへ進化できる光組に比べ、勇太とヴォーボモンの進化が不安定すぎ、今後の旅は危険だと判断する。 - オーガモンが自分こそ異変解決へ行くべきだと主張し、ヴォーボモンとの決闘が決まる。 - 勇太はヴォーボモンへ戦えと強制しない。自分にも幼い頃のガキ大将への恐怖が残ると話し、逃げて前へ進めるならそれもよい、ただし自分は一緒に旅したいから待つと伝える。 - ヴォーボモンは恐怖と腹痛の中で丘へ逃げ、決闘時刻が迫っても現れない。勇太は野次を受けながらも必ず来ると待つ。 - 光はヴォーボモンの元へ行き、自分も惨めな過去から変わりたかったこと、勇太と仲間が手を握ってくれたから過去へ立ち向かえたことを話す。 - 光は「自分を信じられないなら、自分を信じている私たちを信じろ」と告げる。ヴォーボモンは正午直前にデビドラモンへ運ばれ、決闘へ滑り込む。 - 勇太とヴォーボモンは、オーガモンの棍棒、両手で武器を持ち替える癖、土煙の中での感知を観察する。 - 火球で土煙を作り、勇太が囮として棍棒を受け、ヴォーボモンが死角から武器を弾く。勇太は落ちた棍棒まで使ってオーガモンへ打撃を与える。 - 追い詰められたオーガモンは努力と強さを否定されたと感じ、我を失って覇王拳を乱射。勇太は吐血し、ヴォーボモンも倒れる。 - ヴォーボモンは、勇太が自分を信じて待ったこと、その勇太が信じる自分を裏切りたくないと選ぶ。ひび割れたデジヴァイスが強く光り、ラヴォーボモンへ安定進化する。 - ラヴォーボモンは巨体に反して素早く、壁や地中を使う。勇太も鱗を盾に囮となり、二人の連携でオーガモンを倒す。 - オーガモンは、努力して強くなった自分が負ければ自分の道は間違いなのかと泣く。 - ジジモンは、勝敗という物理結果だけが正しさではなく、弱さを認めても強者へ挑む心が必要だと諭す。オーガモンが失踪者を取り戻すため鍛え、弱いゴブリモンへ居場所を与えた優しさも認める。 - オーガモンは街に残って心も鍛え、後から追うと決める。ヴォーボモンと手を打ち合わせて和解する。 - 勇太のデジヴァイスの亀裂はさらに広がる。ジジモンも原因は分からないが、選ばれし資格より勇太の目と選択を信用すると告げる。 - 一行は異変の多い「local58」へ向け、レジストシティを出発する。 ------------------------------------------------------------ 第8話 ------------------------------------------------------------ - 摩天楼、ブラウン管テレビ、霧雨が広がる都市Local58へ到着。テレビは音割れした番組を延々と流している。 - 黒髪で左顔面に包帯を巻いた大人の女性、鮎川聖が現れる。自分も選ばれし子供で、捕らわれたパートナー・テッカモンを助けてほしいと頼む。 - 聖は穏やかで余裕のある態度を取り、過去のいじめで表情を作れないと説明する。勇太の優しさを褒め、早い段階から手を握り、身体を寄せる。 - 街では、眼球模様と緑の触手を持つ「アルゴモン」と聖が仮称する存在が、デジモンを捕らえ操る。一般のアルゴモンとは異なる可能性がある。 - 聖は攻撃を受け脚を負傷したように見せ、勇太に守られる。光は聖の不自然な余裕と、勇太への接触を警戒するが、勇太は光をわがままと捉えて聖を信じる。 - 聖は、街を覆う雨を作る工場を人間と機械型デジモンが守り、そこにテッカモンも囚われたと説明する。 - 聖は黒いデジメンタルを勇太へ渡す。勇太のデジヴァイスが反応し、進化できない劣等感を刺激された勇太は聖へ強く感謝する。 - 光は、自分がいらなくなったのかと怒って離れる。聖は勇太へ、光ではなく自分と旅をしないかと誘い、同時に光へ見せつける。 - ヴォーボモンは、優しくされたからと光を軽んじる勇太とは進化したくないと叱る。勇太は聖を全面的に信じているわけではなく、光の疑いを受け、工場で事実確認するつもりだったと後に判明する。 - 聖は一人になった光へ近づき、勇太は過去の意味を知れば自分を選ぶ、光の心は薄皮の下が空洞で黒い汚物が漏れていると心理攻撃する。 - 工場では勇太が機械型ガードロモンと、人間の女性警察官・烏藤すみれ、そのパートナー・シンドゥーラモンに遭遇する。 - すみれは警視庁電脳犯罪捜査課で、工場は街のデジモンを支配する巨大な月を雨雲で隠すための施設だった。 - 月は各テレビを乗っ取り、自らを見せ、光を浴びた生物を支配する。デジモン側は支配拡大を防ぐため、米国尊厳維持局の「敗北時に国民へ集団自決を促す映像」を流用した。 - 映像を見た多くの生物型デジモンは完全に支配される前に自らを消し、映像の影響を受けにくい機械型だけが工場防衛へ残った。 - 聖は月の支配を広げる側であり、自分の闇のデジヴァイスが工場へ弾かれるため、勇太を利用して雨を止めようとしていた。 - 聖が渡した黒いデジメンタルは、イーヴィルスパイラルを加工した装置で、持っているだけでパートナーを暗黒の力に染める。 - 聖は勇太が爆発で死んだかもしれないと光へ告げ、怒りを引き出す。光は黒炎を背負ったレディデビモンを進化させ、聖のギガドラモンと戦う。 - 工場の爆発で雨が一時止み、月と支配映像が露出する。レディデビモンは怒りでギガドラモンと互角以上に戦い、アンテナを壊す。 - 暗雲と雨が戻り、勇太、ヴォーボモン、すみれ、シンドゥーラモンが到着する。 - 勇太は、光が聖を怪しいと言ったため、信じたくない気持ちより光を信じ、工場側から話を聞こうとしたと説明する。 - 勇太のデジヴァイスとシンドゥーラモンの力が黒いデジメンタルを弾き、爆発を軽減した。ただし工場の電源は一時落ちた。 - すみれは聖を電脳テロ等準備罪で逮捕しようとする。捕らわれていたはずのテッカモンは自力で脱出し、聖の側へ戻る。 - 聖はテッカモンとギガドラモンをジョグレス進化させ、究極体ダークドラモンを生む。圧倒的火力でビルを崩壊させ、工場も破壊しようとする。 - 何者かの視線か指示を感じた聖は、光へ勇太に手を出したことを謝り、ダークドラモンに乗って撤退する。勇太へ「怖いストーカーに気をつけろ」と警告する。 - すみれのゲートでも勇太と光を現実世界へ帰せない。ゲートは選ばれし子供ごとに異なり、世界の神に近い存在が選んでいる可能性がある。 - すみれは勇太へ警視庁開発の簡易進化補助装置、料理本、野営用品を渡す。補助装置の進化は本来より弱く消耗が大きい。 - すみれは現実世界で光のような子供たちの見守りに関わり、光を何度か叱ったこともあった。光が誰かのために泣く姿を初めて見たとして、勇太へ「帰すこと」だけでなく光を支えるよう頼む。 - 光は勇太が死んだと思った恐怖を涙ながらにぶつける。勇太は謝り、必ず光を現実世界へ帰すと約束する。 【第8話の変化・伏線】 - 勇太は自分を評価する大人へ弱く、光は捨てられ不安から嫉妬するが、最終的に勇太は光の判断を信じる。 - 鮎川聖は退場せず、勇太と光を「また会う」対象として残す。 - 謎の監視者が聖を撤退させた可能性と、勇太へのストーカー警告が第4話の影を補強する。 ------------------------------------------------------------ 第9話 旅の途中の関係性補完 ------------------------------------------------------------ - アンティラモンや叶と再会する以前、雨宿りで一日を過ごした時の短編。 - ヴォーボモンはデビドラモンへ、なぜ光が好きなのかを尋ねる。 - デビドラモンは、デジヴァイスで光の苦痛を感じ、可哀想だからだけではなく、苦痛と怒りの下に隠れた優しさを知っていたから好きだと答える。 - ヴォーボモンも、光は普段優しく遊ぶタイプではないが、誰かが変わろうと頑張ることを笑わず、背中を押す人物だと分かり始める。 - ヴォーボモンは勇太が大好きで、勇太の怒りや悲しみが自分と重なると話す。勇太を現実へ帰したくない寂しさと、家族へ帰して笑わせたい気持ちを両方持つ。 - 二体は、勇太と光が帰還した後、デビドラモンがレジストシティでヴォーボモンと暮らす可能性を話し、姉弟のようにじゃれ合う。 - 遠くから見た光は二体の空気を妙に感じる。勇太は光が欲しがったマニキュアを手作りしており、四人の日常が家族的になっている。 ------------------------------------------------------------ 第10話 未来の選択を予告する会話 ------------------------------------------------------------ - 勇太は光へ、もし死んだ父・圭吾に再会できるなら会いたいかと尋ねる。 - 光は死者が蘇らない程度の分別はあると言いながら、デジタルワールドなら不可能とも言い切れないと認める。 - 勇太は全てが終わった後、父を戻す方法を一緒に探してもよいと申し出る。 - 光は、父と母とまた三人で暮らせるなら、現在の仲間を切り捨てる可能性があると正直に話す。 - デビドラモンは可愛く、勇太と一緒にいたく、ヴォーボモンも弟のようだと認める。それでも過去の苦痛から完全に逃げられるなら、今の幸福を捨てるほど弱い自分がいるという。 - 光は、もし自分が過去へ逃げたら、勇太とヴォーボモンが必ず捕まえ、現在へ引き戻してほしいと頼む。デビドラモンは優しすぎて、光と一緒に逃げてしまうと考えている。 - 勇太は約束し、光は彼を「ヒーロー」と呼ぶ。 - 第1話の未来先行場面にある「両親だけの箱庭」を、光自身がこの時点で恐れ、勇太へ救援を予約する重要な伏線。 ------------------------------------------------------------ 第11話 ------------------------------------------------------------ - 鉱山地帯で、黒いリングを付けたスコピオモンを追う。勇太はすみれから受け取った補助装置でラヴォーボモンへ進化させるが、本来より力が弱く消耗が早いため、リングを壊せず逃がす。 - 一行は、リングで操られたデジモンを解放すること、協力者を探すこと、旅費と食料を得ることを同時に進めている。 - 埋蔵金の噂でテイマーが集まる街へ向かう途中、ティーバッグ状の実がなる木を見つける。湯へ入れると現実世界の麦茶になる。 - 光はゴールドラッシュで道具屋が儲けた話を思い出し、鉱山労働者へ冷たい麦茶を売る商売を発案する。 - 競合が多く大儲けはできないが、勇太の人当たりの良さでテイマーたちへ顔を覚えられ、目的地や旅の情報を得る。 - 14歳の選ばれし子供・霜桐雪奈とパートナーのブルコモンが氷をほぼ無償で分け、光へ勉強を教える。ブルコモンの氷の家は店としても機能する。 - 光は雪奈へ家族の良さを尋ねる。雪奈は、血の繋がりだけが家族ではなく、ブルコモンと出会って家族を作れると知った、勇太たち四人も家族に見えると答える。 - 勇太が夜中に部屋を抜け出すため、光は雪奈と会っているのではないかと疑う。雪奈は関係を否定し、二人で勇太を尾行する。 - 勇太は街外れで、デジヴァイスに現れたスピリットを使い、特撮ヒーローの変身ポーズを練習していた。 - 勇太は自分だけが足を引っ張ることを恥じ、仲間に気を遣わせないよう隠れて人間自身の進化を試していた。 - スコピオモンが再襲来。勇太は「スピリットエボリューション」で女性型フェアリモンへ変身するが、スピリットは偽物で戦闘力が低く、あっさり叩き落とされる。 - デビドラモンが駆けつけ、レディデビモンへ進化。光の指示でスコピオモンを押さえ込み、黒いリングを破壊する。正気へ戻ったスコピオモンは謝罪して去る。 - 偽物のスピリットは崩れるが、足部分だけが勇太に残り、風を纏って高く跳び、短時間滞空できる能力となる。 - 勇太は格好悪さと役立たず感に沈む。光は、勇太が自分の分まで長く働き、荷物を持ち、食事の好みに配慮し、日々世話をしてくれることへ大声で感謝する。 - 光は「他の誰かでは駄目で、勇太でなければ駄目」と告げる。恋愛、依存、家族意識が混ざったまま、勇太の存在価値を肯定する。 - 物資を整え、一行は雪奈たちと別れて旅を再開する。 【第11話終了時の装備】 - 勇太:ひび割れたデジヴァイス、勇気のデジメンタル、簡易進化補助装置、フェアリモン由来の風を纏う足部能力。 - ヴォーボモン:ラヴォーボモンへ進化可能だが、補助装置経由では出力・持続に問題がある。 ------------------------------------------------------------ 第12話 短い出会いの回 ------------------------------------------------------------ - 山脈で、三上ホロネとパートナーのピッドモンに悪人と誤解され、追われる。 - 原因は、ツカイモンが光のサンドイッチへ辛子を仕込み、怒った光が叩いたうえ、人質・盾にすると発言したため。勇太は光とツカイモンを背負って逃げる。 - 誤解が解け、勇太はホロネとピッドモンへ食事を振る舞う。 - ホロネは、パートナーでありながらピッドモンの好きな食べ物を知らなかったことに気づく。 - 光は即座に、デビドラモンは果物、とくにヘビーイチゴが好きだと答える。第3話で好物を知らなかった光が、日常の観察を積み重ねてきたことが分かる。 - ホロネは相棒を敬うだけで、個人として知ろうとしていなかった自分を省みる。別れ際、勇太と光へ礼を言う。 ------------------------------------------------------------ 第13話 短い出会いの回 ------------------------------------------------------------ - 草原で、2~3日食べておらず行き倒れた國代良子とその一行を助ける。 - 勇太たちは食料を分け、良子側はシードラモンの能力で風呂を提供する。水源のない草原を旅していた四人にも願ってもない交換となる。 - 良子は中学2年生で、明るく豪快。勇太と光が恋人かとからかい、光は勇太を弟・子分・舎弟扱いして否定する。 - 料理をする勇太へ良子が冗談で求婚めいたことを言うと、光は理由を自覚しないまま不機嫌になる。 - 良子は嫉妬を察し、光を抱きしめ、勇太を取らないとからかう。光も反発しながら、姉のような良子との賑やかな時間を楽しむ。 - 良子、アグモンたちと別れ、再会を約束して旅を続ける。 ------------------------------------------------------------ 第14話 短い出会いの回 ------------------------------------------------------------ - 海辺で、選ばれし子供・海原イサミとパートナーのオクタモンに出会う。 - イサミは陽気で距離が近く、光のテイルモン・キュートモン人形に反応し、デジモンの可愛い写真を見せる。 - 光が同年代の少年と楽しそうに話すため、勇太は無意識に嫉妬し、早く移動しようとする。 - その後、洞窟探検や怪談をきっかけに、勇太の方がイサミを兄のように慕い、夢中になる。 - 今度はヴォーボモンが、勇太は自分と遊ぶ時より楽しそうだと拗ねる。光は勇太へ責任を取れと言う。 - イサミとオクタモンに再会を約束して別れる。勇太・光・ヴォーボモンの相互の嫉妬と愛着を軽い形で見せる回。 ------------------------------------------------------------ 第15話 ------------------------------------------------------------ - 行方不明の息子・継人を探す成人女性、扶桑しずみとパートナーのサンダーボールモンに出会う。 - しずみの目的は息子のデータを探すこと。勇太たちは、デジモンを操る黒いリングを破壊すること。利害が一致して研究所を共同調査する。 - 一行は操られたガードロモンたちのリングを破壊し、しずみも継人に関するデータを回収する。 - 別れ際、しずみはサンダーボールモンで勇太たちを拘束しようとする。子供たちを危険な世界に残せず、自分なら現実へ帰せるため、本来もっと早く強制帰還させるべきだったと告げる。 - 光は、好奇心だけで戦っているのではなく、何度も死にかけ、怖さを知ったうえで「勇太たちと白い道を行く」と決めたと反発する。 - 光にとって今ここから逃げれば、ようやく生き直し始めた心が再び死ぬ。善意ある大人の保護であっても、本人の選択を奪うなら受け入れない。 - デビドラモンはサンダーボールモンと組み合い、戦闘本能で我を失いかける。光は後にギギモンまで退化させ、安全に回収する。 - 勇太とヴォーボモンはフェアリモンの足の風と炎を組み合わせた合体技で、しずみの衣服の接続部だけを破壊し、注意を逸らす。 - しずみが混乱した隙に一行は逃げる。サンダーボールモンは命令どおり追い切らず、子供たちの意思を見送るような態度を取る。 - 勇太も、現実へ帰れるとしても、ここでできた友人と、その友人たちが大切にする世界へ目を逸らせば自分に納得できないと話す。 - 光と勇太は、善意を拒んだ責任として必ず異変を解決すると誓い、旅を続ける。 ------------------------------------------------------------ 第16話 ------------------------------------------------------------ - 神崎璃奈とパートナーのケンタルモンに出会う。二人は各地で病気・怪我の治療を行い、リング事件で大人が消えた街の幼年期・成長期デジモンを預かっている。 - 勇太たちは情報と引き換えに子供たちの世話を手伝うが、新しい手掛かりは得られない。 - 光は、他の子供たちから離れ、一人で座るコロモンを見つける。 - ケンタルモンは、デジモンには人間のような遺伝的な親がなく、通常はデジタマとして「はじまりの街」へ現れ、育てる者が親になると説明する。 - コロモンは例外的に一人で生まれ、後から街へ受け入れられた。ようやく家族を得た直後、大人たちが失踪した。 - 璃奈とケンタルモンが来ると仲間たちは再び明るくなったため、コロモンは「母親は簡単に取り替えられるのか」「自分も仲間をどうでもよくなるのか」と怖くなり、距離を置いていた。 - 光は、家族も所詮は別の個人であり、家族というだけで永遠に心を縛られる方が恐ろしいと話す。 - ただし新しい相手が来ても、以前の家族を使い捨てのように忘れるわけではない。良くも悪くも思い出と絆は残る。 - 光は、失った母たちが自分のせいで子供が泣き続けることを望むはずはない、他人に心を決められる必要はないが、自分は意地を張って新しい家族を遠ざけるのをやめたと語る。 - 「家族や絆は最初からあるものではなく、誰かとまた作れる」と話す光の視線は、勇太、ヴォーボモン、デビドラモンへ向く。 - コロモンはツノモンたちの輪へ戻る。デビドラモンは光へ頬ずりし、自分も勇太もヴォーボモンも側にいると告げる。 - 光は愛情を感じながらも、デビドラモンが自分の傷と醜さを映すため「嫌い」「妬ましい」という複雑な内心も抱く。回復は直線ではない。 - そこへ重傷のグミモンが到着し、山のテリアモンたちの村で、黒いリングを付けた者が皆を食べていると告げる。 - 璃奈たちは預かっている子供を離れられない。勇太たちは生存者救助とリング破壊のため、テリアモンの村へ向かう。 ------------------------------------------------------------ 第17話 ------------------------------------------------------------ - 璃奈たちと別れ、一行は二日ほど山を登ってテリアモンたちの村へ向かう。 - 幼年期でも通れる穏やかな道だが、「皆が食べられた」という原始的な恐怖が重く、勇太は光を連れて行くことへ罪悪感を抱く。 - 勇太は、自分が弱いため光とデビドラモンの力を利用しているのではないか、ヒーローへの憧れも「何者かになりたい」自己満足ではないかと考える。 - 村は壊滅している。テリアモン、ロップモン、グミモン、チョコモンの判別もつかないほど食い荒らされた遺体が残る。 - 通常は死後すぐデータへ分解されるはずだが、遺体の分解が遅い。黒いリング、または装着者の特性が死の仕組みまで歪めている可能性がある。 - 生活の途中で殺された者、家族を庇った者、手を伸ばし合ったまま死んだ者が見つかる。勇太と光は何度も吐きながら、日暮れ近くまで全戸を確認する。 - 生存者がいないと思われた時、村外れの家から悲鳴がする。中には抱き合うテリアモンとロップモン、その二体へ銃口を向けるブラックガルゴモンがいる。 - ブラックガルゴモンは勇太たちのデジヴァイスを見て選ばれし子供と認識し、「託せるか見極める」と発言。勇太たちの間へ発砲して土煙を作り、姿を消す。 - 勇太と光は兄弟を保護する。テリアモンは兄としてロップモンを守ってきた。二体はブラックガルゴモンが村を襲ったと説明する。 - 山中で野営。警戒しやすく逃げ道もある場所を選び、食事を与える。ロップモンは果物好きのはずなのに肉を強く求め、一心不乱に食べる。 - 少し落ち着くと兄弟は海を見たいと話し、勇太たちと打ち解ける。勇太は自分が助ける理由として、幼い頃に迷子の自分を助けたヒーローショーのアクター、従兄の叶への憧れを語る。 - 勇太は妹・日花を大切に思うため、テリアモンが弟を守りたい気持ちも分かると話す。 - 夜、ロップモンが「お腹が減った」と勇太を襲い、肩の肉を噛み取る。村を食い荒らした真犯人が兄弟側だったと判明する。 - テリアモンは、黒いリングを付けられたロップモンが本能を暴走させた、ブラックガルゴモンが既にリングを壊したから元に戻るはずだと庇う。 - しかし飢えは残り、ロップモンはウェンディモンへ進化。周囲を破壊し「全部食べる」と勇太たちを襲う。 - ラヴォーボモンとレディデビモンが応戦する。光は、リングが見えず正気でもない以上、逃せば別の命が食われるため、殺す覚悟を決める。 - テリアモンは、リング以前のロップモンは優しかった、たった一人の家族を奪わないでほしいと勇太へ飛びついて止める。 - 勇太は妹、叶、迷子の自分を助けたアクターを思い出し、危険を承知でウェンディモンの前へ立つ。 - ウェンディモンは勇太を掴み食べようとする。勇太は、テリアモンを突き飛ばしても食べなかったことを指摘し、全てが食欲へ塗り潰されたわけではないと呼びかける。 - 海を見たい願い、家族をこれ以上失ってはいけないことを訴え、テリアモンも顔へしがみついて名を呼ぶ。ウェンディモンはロップモンとしての意識を取り戻し、謝る。 - 全員が助かったと思った瞬間、銃弾がウェンディモンの頭を撃ち抜く。デーモン軍幹部ベルスターモンが現れる。 - レディデビモンとラヴォーボモンは先制するが、ベルスターモンはレディデビモンの攻撃を射撃で破り、ラヴォーボモンの巨体を片腕で止め、二体を一瞬で倒す。 - ベルスターモンは、勇太は見込みがなく殺すよう命じられていると告げる。光とレディデビモンは興味から生かすつもりでいる。 - ロップモンの遺体へ縋っていたテリアモンが、なぜ殺したと向かって行く。勇太が止める間もなく、ベルスターモンはテリアモンの眉間も撃ち抜く。 - ベルスターモンは、二体が「使えないゴミ」だったから殺したと言い、首輪の正体を説明する。 - 首輪は、デーモンと共に流れ着いたイービルリングを改良した「インスティングリング」。装着者の本能を刺激し、本能のまま行動させる。 - リングを壊しても、一度自分の本性・快楽・飢えを知った者は本能へ抗いにくい。デーモン側はそこから強く混沌を生むデジモンを作ろうとした。 - ベルスターモンは勇太の首を握り潰そうとする。圧倒的な死と、救えたはずの兄弟を目の前で殺された怒りにより、勇太の取り繕いが剥がれ「ぶっ殺す」という殺意だけが残る。 - 勇太のデジヴァイスが黒く発光し、ヴォーボモンはゲヘナガリータモンへ暗黒進化する。 - 勇太自身もフェアリモン由来の脚を使い、黒炎で自分の身体まで焼きながらベルスターモンへ殴りかかる。ゲヘナガリータモンは炎の中を移動するように攻撃し、ベルスターモンへ初めて有効打を与える。 - 勇太とゲヘナガリータモンは、光や周囲の安全を見ず、「殺す」ことだけを反復する。レディデビモンの制止も届かない。 - ベルスターモンは勇太の狂気と強さを気に入り、戦いを楽しむ。そこへブラックガルゴモンが再び現れ、銃撃で両者を止める。 - ベルスターモンはブラックガルゴモンに追いつかれたため撤退し、勇太へもっと強くなれと笑う。 - 勇太は追撃しようとし、ゲヘナガリータモンの炎でさらに周囲を破壊する。 - ブラックガルゴモンはアンティラモンへ進化し、高速移動と身体組織を変化させる打撃でゲヘナガリータモンを倒し、ヴォーボモンへ退化させる。 - アンティラモンは勇太へ、周囲を見るよう促す。そこには崩壊した山肌、倒れたヴォーボモン、そして勇太を怯えて見つめる光がいる。 - 勇太は、仲間を守るはずの自分が、憎む敵と同じように破壊し、あと少しで光まで傷つけていたと理解する。 - 勇太は過呼吸を起こし、意識が薄れる中でヴォーボモンを抱く。誰へ向けてか分からないまま「ごめん」と繰り返す。 - アンティラモンは、自分がベルスターモンを逃さず、もっと早く来ていればと謝る。雨が強まり、第17話は救出成功ではなく、兄弟の死と勇太の精神的崩壊を残して終わる。 ------------------------------------------------------------ 第18話 ------------------------------------------------------------ - 第17話から数日後。アンティラモンは、過呼吸と負傷で倒れた勇太たちを「はじまりの街」へ運ぶ。街の璃奈とケンタウロスモンが治療し、暗黒進化したヴォーボモンも一日眠った後に回復へ向かう。 - 勇太は、光やヴォーボモンを殺しかけた事実から「暴力こそ本当の自分ではないか」と思い込み、二人と顔を合わせず、食事も取らずに自分を罰するように閉じこもる。 - ケンタウロスモンは、まもなく街を離れるエリザモンの子が海岸でなくした、親の形見のペンダント探しを勇太一人へ頼む。勇太へ役割を与え、外へ出すための配慮でもある。 - 海岸へ向かう途中、従兄の持田叶とブイモンが現れる。叶は薬や物資を運びながら勇太を探していたと説明し、璃奈も叶が薬を届けた事実を認めるため、勇太は再会を喜ぶ。 - 約一キロの海岸を探してもペンダントは見つからない。叶は、ムゲンマウンテンに一人だけ現実世界へ戻れる時空の裂け目があると教え、勇太だけでも帰るよう勧める。自分はデジタルワールドの自由を気に入っており、光を守る力もあるので残ると言う。 - 勇太は、仲間を危険に置いたまま逃げることを拒む。一方、叶と光が親しげに話す姿を見て、自分は叶に代替される存在ではないかと感じ、光からさらに距離を置く。叶も二人の間へ入り、三角関係を意図的に刺激する。 - 三日目、勇太が一人で探しているところへルクスモンが現れる。光や「黒い蜥蜴」を侮辱し、自分だけが勇太の味方になり、望みも叶えられると誘惑する。勇太は悪意を感じて拒絶する。 - 光とデビドラモンが勇太を追って来る。光は暗黒進化した勇太が怖かったこと、叶に誘われたことを正直に認める。それでも叶が偽物のペンダントでごまかそうとした時、勇太なら決してそうしないと思い直し、勇太と一緒に本物を探す道を選ぶ。 - ヴォーボモンは、勇太の苦しみへ何を言えばよいか分からず逃げたことを謝り、次に怒りで見失いそうになったら、パートナーとして自分が必ず止めると約束する。勇太も二人へ謝り、四人は完全ではないが関係を結び直す。 - 四人は夜通し探し、ついに本物のペンダントを発見してエリザモンへ返す。叶が用意した偽物は使われない。勇太は叶の気遣いそのものには感謝するが、叶は勇太が自然に人から選ばれる姿へ嫉妬を募らせる。 - ブラックガルゴモンから、闘技場の街にリングの噂があるとの連絡が入る。場所はムゲンマウンテンへ向かう途中であり、叶も山で重要な話をすると告げて先へ行く。 - 読者だけに、ルクスモンと叶が以前から協力関係にあり、ルクスモンが叶をデーモンへ引き合わせたことが明かされる。叶はデーモン直属の手駒であり、勇太を殺す命令を受けている。 【第18話の変化・伏線】 - 勇太、光、ヴォーボモンは、第17話の暴走を忘れず、恐怖を言葉にしたうえで関係を再選択する。 - 叶は「勇太を守る従兄」を演じながら、勇太を仲間から切り離し、帰還させるか殺す計画を進める。 - ルクスモンは勇太へ排他的な執着を持ち、デーモンとも叶とも独自の利害で結び付いている。 ------------------------------------------------------------ 第19話 ------------------------------------------------------------ - 冒頭、叶はデーモンの異空間へ呼び出される。デーモンは唯一の真理や秩序を否定し、欲望、多様性、束縛のない自由を称揚するが、叶へは服従と勇太殺害を要求する。叶の求める自由が、実際にはデーモンへの従属である矛盾が示される。 - 会合には鮎川聖、ベルスターモン、デビモンほか複数の協力者がいる。聖は叶のやり方を擁護し、ベルスターモンは勇太をさらに強くしてから殺すため見逃したと説明する。光を取り込む案と殺す案も議論される。 - 勇太たちは闘技場の街へ到着する。街は単純な殺し合いの場ではなく、試合、賭博、酒場が結び付いた巨大な娯楽都市で、支配者はベルスターモンである。 - ベルスターモンは、強者を育てるため闘技場を作り、基本的には参加者を殺さないと語る。テリアモン兄弟を殺したのはデーモンの命令だったと言うが、勇太の怒りは消えない。ベルスターモンはその視線を喜ぶ。 - ブラックガルゴモンは、既に一度ランキング一位になり、参加者のリング解除を願ったが、街全体の解除まで求め忘れたと告白する。再登録できないため、勇太たちに一位となり、全市民のリング解除を願ってほしいと頼む。 - 街ではリングの刺激で、戦闘欲だけでなく賭博依存や攻撃性が蔓延している。リングを外しても一度覚えた欲求は残るため、解除後の治療と生活再建も必要となる。 - 闘技場は一組一~四人、百位から始めるランキング制。勇太たちは光の分析と組み替え、ラヴォーボモン、レディデビモン、勇太の風の脚を活かし、通常なら数か月掛かる順位を二日で二位まで上げる。 - 一位のフェレスモンとジョーカーモン側は、光とレディデビモンの飲み物へ下剤を混ぜ、二人を試合から外す。さらにヴォーボモンを臆病者と煽り、勇太とヴォーボモンだけで二対二を受けさせる。 - 追い込まれたところへ叶とブイモンが参戦する。勇太のデジヴァイスは光と同じように輝き、ヴォーボモンは本来の出力のラヴォーボモンへ進化する。叶はブイモンをエクスブイモンへ進化させ、注入されたデータと演算で単独ジョグレスのパイルドラモンを成立させる。 - 勇太と叶は幼い頃からの呼吸でジョーカーモンを撃破する。フェレスモンは光たちを人質に取り、技「デーモンズシャウト」を使おうとするが、叶が未使用の切り札を読み、勇太が風とワイヤーを使って喉を封じ、パイルドラモンとラヴォーボモンが仕留める。 - フェレスモンは人質や薬も含めて自分の全力だったと認め、負けを受け入れる。勇太も卑劣さを許したわけではないが、全てを使って戦った相手として握手する。光とレディデビモンは自力で拘束を破り、遅れて合流する。 - 一位の願いとして、ベルスターモンは街中のリングを解除する。残る依存や心身の傷にはカウンセリングを用意すると約束し、勇太との約束を守る。 - ブラックガルゴモンは、ムゲンマウンテンに勇太たちを鍛える者が待っていると告げ、同行する。叶は用事があるとして別れる。 - 勇太たちが去った後、叶は黒いインペリアルドラモン級の力を使い、街全体のデジコードを奪う任務を実行しようとする。ベルスターモン、フェレスモン、ジョーカーモンは、勇太の願いと約束を守るため叶へ立ちはだかる。 - 叶は大量殺害への吐き気と恐怖を隠せず、それでも勇太には人が集まり自分にはいないという嫉妬から命令を強行する。遠ざかった勇太たちは、闘技場の街から上がる巨大な爆発と煙を見る。 ------------------------------------------------------------ 第20話 ------------------------------------------------------------ - 闘技場の街を出て二日後、勇太たちは山越しにも見えるキノコ雲状の煙に気付く。アンティラモンは確認のため単独で街へ引き返し、勇太たちはムゲンマウンテンへ進みながら帰還を待つ。 - 不安の強い野営でも、勇太の野菜ソース、肉やパン、蜂蜜入りの茶、光の捻挫をヴォーボモンとデビドラモンが手当てしようとする騒ぎを通じ、四人は少しずつ日常の呼吸を取り戻す。 - 夜、勇太が一人になったところへルクスモンが現れ、闘技場の全員が死に、叶がデーモンの部下として街を滅ぼしたと告げる。勇太は激怒するが、駆け付けた光たちは、孤立時だけ不安を吹き込むルクスモンの手口を指摘し、叶をすぐ疑わないよう勇太を支える。 - 叶の回想が描かれる。幼少期、母から教育虐待に近い管理を受けた叶を、勇太が窓から連れ出し、川沿いの丘へ「家出」させた。勇太は母へ正面から異議を唱え、叶を庇って殴られても退かなかった。その結果、叶の家庭環境は改善した。 - 叶にとって勇太は自由を見せてくれた恩人である一方、自分が最も欲しかった自由と勇気を自然に持つ、眩しく憎い相手でもある。闘技場の虐殺後、叶は吐きながらも「勇太にだけ知られなければ他は殺せる」と自分へ言い聞かせる。 - ムゲンマウンテンの時空の裂け目で叶と勇太たちは合流する。勇太はルクスモンの告発と爆発の時刻を問い、叶の嘘を見抜く。叶は正体を隠し切れず、勇太を裂け目へ押し込み、現実世界へ返そうとする。 - 勇太は、叶が何をしたとしても一緒に解決できる、叶は本来そのような人間ではないと信じて手を差し伸べる。叶は、かつて勇太が母へ向けたのと同じ揺るがない眼差しを自分へ向けられ、追い詰められる。 - 雷で裂け目が消え、デーモン本人が現れる。レディデビモン、ラヴォーボモン、勇太の風の脚、さらにゲヘナガリータモンへの暗黒進化まで、全てを圧倒的な速度と火力で打ち破る。 - デーモンは叶へ、勇太を自分の手で殺さなければ自由になれないと迫る。叶は目を閉じてエクスブイモンへ攻撃を命じる。 - 直撃の寸前、アンティラモンがアポロモン、ディアナモンと共に帰還し、勇太たちを回復する。闘技場の街ではジョーカーモンが死亡、フェレスモンは生存、ベルスターモンも辛うじて生きていると伝える。 - 三体の究極体でもデーモンには及ばない。アンティラモンは短時間だけケルビモンへ進化し、アポロモンとディアナモンが時間を稼ぐ間に異世界ゲートを開く。勇太たちは叶を残したままゲートへ押し込まれる。 - 勇太と光は花畑と浮島の世界へ流れ着き、先に目覚めた勇太は光を庇う。そこへ二人を待っていたというウェヌスモンが現れる。 ------------------------------------------------------------ 第21話 ------------------------------------------------------------ - 勇太たちが流れ着いた世界は、ホメロスとオリンポス十二神が守るデジタルワールド「イリアス」。ウェヌスモンは親しみやすいが酒好きで距離が近く、勇太と光の関係を「愛」とからかう。 - アポロモンとディアナモンは、ゲートの連続使用でフレアモンとクレシェモンへ退化して再合流する。ブラックガルゴモンは、自分が勇太と光をシオンへ召喚したことをまだ説明していなかったと判明し、光に叱られる。 - ウェヌスモンは世界構造を説明する。最上層に全デジタルワールドの根幹「カーネル」、中層に複数のデジタルワールド、下層に全世界とつながる死者の領域「ダークエリア」がある。 - 勇太たちの世界「シオン」は、カーネル守護者の三体が理想の世界として新造した特殊な世界。ホストはデウス・エクス・マキナ、守護者はケルビモンら三大天使と天使軍である。 - ケルビモンは、一年前から成熟期以上の失踪を調べ、リングで機械的な理想共同体を作る集団を発見した直後、デーモンに致命傷を負わされたと語る。意識を失う直前、デウス・エクス・マキナへ勇太たちの召喚と神託送信を行った。 - ケルビモンはイリアスへ漂着し回復したが、シオンへ戻るとカーネル、仲間、ホストへ接続できず、デーモンが勢力を広げていた。リングも、本能刺激型から欲望を増幅する「デザイアリング」へ発展している。 - 世界の位相はレイヤーのようにずれるため、別の選ばれし子供が同じ土地にいても確実には会えない。シオンの問題は、基本的に勇太たち自身が解決しなければならない。 - ウェヌスモンが勇太のデジヴァイスを調べると、叶の情報が内部にあり、調整すればヴォーボモンの進化を安定させられると判明する。ただし、ケルビモンとウェヌスモンは、確証のない敵との関係を勇太へ伏せる。 - フレアモンは、勇太とヴォーボモンへ戦闘ではなく、苦情対応、蔵書整理、畑番、配達など一か月近い仕事を課す。目的は、勇太が何に怒るのかを観察することだった。 - 観察の結果、勇太は自分への侮辱には耐えても、他者が理不尽に傷つけられると激しく怒ると分かる。フレアモンは、怒りそのものは正当であり、問題は発露の方法だと教える。 - フレアモンは勇太のヒーローへの憧れ、ヴォーボモンの飛びたい夢を聞き、勇太へ「自分の想いへ向き合う決め台詞」を宿題として出す。その後、ヴォーボモンは組手、勇太は風の脚の制御と戦術の勉強へ進む。 - 光はクレシェモンから体力作り、レディデビモンは組手を受ける。逃げ癖のある光が続けるのは、自分より弱いのに前へ出て傷を増やす勇太を死なせたくないからである。クレシェモンも、何でも一人で背負うフレアモンへの思いを重ねる。 - 修行開始から約一か月後、幼いデジモンを紫黒い粘液が攫う事件が急増し、孤児を世話していたヌメモンがベタモンを庇って殺される。 - 敵はデーモン直属七人「セプテムコルダ」の一人、しんもんざえモン。幼いデジモンを取り込みながら、陰謀論と被害妄想を叫び、次の標的を求めて街へ向かう。 ------------------------------------------------------------ 第22話 ------------------------------------------------------------ - しんもんざえモンの粘液が街を津波のように襲い、幼いデジモンと救助者を取り込む。勇太とラヴォーボモンはクダモン、エリザモンらを救出し、フレアモンは別方向から迫る巨大な粘液の龍を引き受ける。 - 目の前の粘液は黒いワルもんざえモンの外殻を作る。調整済みのデジヴァイスにより、勇太とラヴォーボモンは初めて安定した心の接続を得て、訓練した連携と風の圧縮弾、霧、炎で優勢に戦う。 - 追い込まれた敵へ、離れていた核が合流すると、姿とレベル表示は同じでも究極体級の圧力へ変わる。敵は暴言と被害妄想を撒き散らし、街全体へ無差別攻撃を加える。 - 勇太は街の死傷者を見て怒りに飲まれかけるが、ゲヘナガリータモンへ逃げず、デジソウル・バーストでラヴォーボモンの出力を限界以上へ上げる。しかし反動で勇太が倒れ、止めを刺し切れない。 - フレアモンが戻って敵を焼くが、外殻の奥に本体のしんもんざえモンが潜んでおり、勇太を狙った奇襲でフレアモンは左腕と左目を失う。 - 本体は、弱いヌメモンとして侮られた過去を全て世界の陰謀へ転嫁し、幼いデジモンを取り込むことで「純粋さ」と力を得ようとしていた。勇太、ラヴォーボモン、フレアモンは、触手と本体を分担して戦う。 - しんもんざえモンの自爆で街の一区画が壊滅する。勇太は、怒りのまま敵を崖から落とせばよいと一瞬考えるが、それでは自分も敵と同じになると踏み止まり、落とされたヴォーボモンを助けるため自分も崖へ飛び込む。 - 落下の最中、勇太は、他者を守りたい理由が怒りの発散ではなく、幼い頃にヒーローや迷子の自分を救ったスーツアクターから受け取った誇りを守りたいからだと悟る。右手へ太陽の紋章が現れる。 - 勇太は「これ以上誰にも涙を流させず、皆が笑えるようにする」と自分の言葉を定め、ヴォーボモンを完全体ラヴォガリータモンへ超進化させる。 - 究極体のしんもんざえモンにはなお力負けするが、瀕死のフレアモンが復帰し、二体でデジコアを露出させる。勇太は風で作った蜃気楼を囮にし、ラヴォガリータモンの「メルダイナー」でデジコアを撃ち抜く。 - 消滅直前、しんもんざえモンはヌメモンの姿で寒さと孤独を訴える。勇太は危険を承知で手を握り、「最期が一人なのは寂しい」と見送る。敵を止めても最後の孤独までは否定しない勇太の答えが示される。 - フレアモンは既にデジコアを破壊されており、助からない。勇太へ太陽のタグを託し、クレシェモンへ「また迷惑をかけてすまない、幸せになってほしい」と伝言し、勇太とヴォーボモンに世界を託して消滅する。 - 別の街では、光とクレシェモンがムゲンドラモンと人間の男に襲われる。その男は光の義父・渡辺直人であり、光は戦うこともできず震え、次話へ続く。 ------------------------------------------------------------ 第23話 ------------------------------------------------------------ - フレアモン配下に保護された勇太は、クレシェモンへ太陽のタグと最期の言葉を渡そうとする。クレシェモンは悲しみを表に出さず、タグは勇太が持つべきだと返し、光のもとへ急ぐよう促す。 - 光は義父との再会で幼い頃の被害を再体験し、勇太へ飛びついて泣く。勇太は理由を問い詰めず、一晩中側にいる。光は二日間ほぼ離れられず、三日目から食卓へ戻り、五日目にようやく動ける程度まで回復する。 - その間、光は勇太へ義父が現れたことだけを伝える。勇太は詳細を言わせず、自分たちが守ると抱きしめる。回復は完了ではなく、危機を一時しのいだ状態である。 - イリアス各地へデーモン軍がゲートから侵入し、既に二十四の街が襲われる。オリンポス十二神の評議会は、勇太たちとケルビモンを災いの原因として呼び出す。 - ユノモンは、デザイアリング拡散、住民の死、フレアモン喪失の責任を問う。勇太は、デーモンを倒した後なら自分一人で責任を取ると土下座する。ウェヌスモンとクレシェモンが二人を庇う。 - ユピテルモンは、デーモンが本来ダークエリアの脅威である以上、世界間の問題であり、人間の子供だけへ責任を押し付けられないと裁定する。厳しい問いは、フレアモンが何を託したかを確かめるためでもあったと謝る。 - オリンポス十二神はデーモン討伐へ協力し、勇太たちを秘密裏にシオンへ戻す方針を決める。敵もゲート移動で消耗するため、イリアス側で追手を受け止める作戦である。 - フレアモンがデジタマへ転生したとの報告が入る。クレシェモンは会おうとしない。転生後は別の人生であり、自分がフレアモンの面影を押し付ければ双方が苦しむからである。 - 数百規模の追手が迫り、クレシェモンはシオンへのゲートを開く。自分は追手を止めるため残ると決め、勇太と光を抱きしめる。フレアモンと自分が四人を大事に思ったからこそ、命を守ることが二人の願いだと語る。 - クレシェモンは光へ月の紋章を託し、勇太とヴォーボモンへフレアモンと共に戦い、怒ってくれたことへの感謝を伝える。四人がシオンへ戻ると、太陽と月の紋章が初めて並ぶ。 - 読者だけに、渡辺直人がルクスモンとデビモンの協力者として光を揺さぶったことが明かされる。ルクスモンは勇太を自分のものにするため、デビモンは光を陣営へ引き込むため、互いの計画を利用している。 ------------------------------------------------------------ 第24話 ------------------------------------------------------------ - シオンへ戻った一行は雨宿り中、ジャージ姿の少年・三下慎平と出会う。慎平は、髪を求めて追って来るラセツモンから逃げるよう警告する。成熟期のラセツモンは、完全体三体を刀一本で圧倒する異常な実力を持つ。 - 慎平のパートナーはターゲットモン、マッハモンら複数。デジクロスでメタルエテモンとなり、瓦礫でラセツモンを止めて一行を脱出させる。 - ラセツモンは、亡きパートナーの形見の髪を取り返したいだけだった。慎平は、仲間のスカモンやジャンクモンを人質に取ったサンドリモンを誘い出すため、その髪を盗んだと白状する。 - 慎平は力では勝てないため手段を選ばなかったが、最初に勇太たちへ逃げろと警告した善意を勇太に見抜かれる。勇太は髪を返して謝ることを条件に、仲間の救出へ協力する。 - サンドリモンとの接触時、勇太は風による光学迷彩で檻を奪う。サンドリモンは究極体で、高度な格闘技、ガラスの靴、絶対防御に近いガラス盾を使い、一行を短時間で圧倒する。 - サンドリモンはダークタワーを降らせ、デジモンの進化と出力を封じる。勇太だけは風の脚で顎へ有効打を入れるが、ガラスの靴から生じた異空間へ飲み込まれ、城へ連れ去られる。 - 光、デビドラモン、アンティラモンは、勝機がなくても勇太を助けに向かう。慎平は一度、仲間を再び危険へ連れて行けないと拒むが、光から「本当に三下」と言われ、ラセツモンへ頭を下げて協力を求める。 - 城で勇太はサンドリモンに繰り返し戦わされる。それでも、強さは暴力だけでなく、慎平の他者を思う心や、弱者が結び付く力にもあると反論する。 - 光たちの突入に続き、慎平は大量のスカモン、メタルエテモン、ラセツモンを率いて戻る。ターゲットモンとヴォーボモンのデジクロスでヴォルケニックエテモン、光は勇気のデジメンタルを借りてデビドラモンをレリックドラモンへアーマー進化させる。 - 冷気でガラス盾を冷却し、ヴォルケニックエテモンの熱で急加熱、ラセツモンの刀で亀裂を貫く。最後に慎平がマッハモンを勇太の風の脚へデジクロスし、巨大な蹴りでサンドリモンを撃破する。 - サンドリモンは敗北と勇太の一撃へ惚れ込み、勇太を王子候補・婚約者扱いする。光は激怒し、慎平たちは騒ぎに紛れて退散する。ラセツモンは協力の報酬として勇太とサンドリモンの髪を受け取る。 - 食卓を共にしたサンドリモンは、個の力だけでなく、関係、連携、弱い者が持つ愛も強さだと学び、自分が撒いたデザイアリングを回収し、被害者へ謝罪と支援をしてから勇太へ合流すると決める。過去の殺害は消えず、贖罪はこれから始まる。 - サンドリモンは、シオンにいるデーモンはダークエリア本体を投影したコピーに近く、今は全力を出せないため討伐の好機だと説明する。ただしソドムにあるダークエリアへの門が壊され、デーモン侵攻の準備は最終段階にある。 - ソドムには叶、渡辺直人、鮎川聖、直属配下キンカクモンとギンカクモンがいる。姉弟のキンカクモンとギンカクモンは、互いへの恋愛感情と関係を変えたくないため進化を拒み、成熟期のまま究極体級へ鍛えたが、最近は何者かに乗っ取られたような違和感がある。 - デビモンが光を狙い、渡辺が過去の被害を楽しげに語っていたと警告される。光は、今の仲間がいるからこそ、自分の手で義父を心から追い出すと決める。一行はソドムへ向かう。 ------------------------------------------------------------ 第25話 ------------------------------------------------------------ - ソドムへ向かう途中、濃霧に導かれて、電源のないブラウン管テレビが点在する森へ迷い込む。画面には各人の家族、故郷、幸福だった記憶が映る。 - 光は亡き父と壊れる前の母の映像から離れられず、食事も取らない。夜、半覚醒のまま画面へ導かれ、幸せな記憶と義父による被害の記憶を交互に見せられる。 - デビモンは光を拘束し、夢へ閉じ込めて心を奪おうとする。同時にルクスモンは勇太を身体ごと押さえ、口から何かを流し込み、「つながり」を作る仕込みを行う。 - 光は、夢の両親が既に失われたことを自分で認め、最悪の現実だからこそ目を覚ますとデビモンへ反撃する。だがデビドラモンとの心の接続は乱れ、ルクスモンの介入で勇太も動けない。 - 鉄塚クロウとルドモン、神田颯乃とカラテンモンが、サンドリモンの使いのチュウモンに案内され救援へ来る。デビモンはネオデビモン、ルクスモンはホーリーエンジェモンへ進化する。 - クロウ側はライジルドラモンで守り、ラヴォガリータモンが攻めるが、ホーリーエンジェモンは遊ぶように攻撃をさばく。颯乃は戦闘中もカラテンモンを指導し、自らデジソウルで強化した剣技を使い、ネオデビモンの腕を切断する。 - 光は切断された腕を媒介に、レディデビモンの「ポワゾン」で相手内部のエネルギーを爆発させる。ネオデビモンは重傷を負いながら逃げる。直後、抱きつこうとしたレディデビモンを光が反射的に強く拒み、トラウマの再燃が相棒関係にも及ぶ。 - ホーリーエンジェモンは撤退前、勇太の体内へ自分とのつながりとなる「鍵」を埋めたと告げる。勇太は不安を抱くが、クロウとヴォーボモンは挑発を真に受けないよう支える。 - 救援側が合流すると、光とデビドラモンは既に姿を消し、手紙だけが残る。光は、傷の舐め合いは終わり、勇太たちは他人であり、ソドムで義父だけは殺すので探すなと記す。 - デビモンは去り際に光へ何かを吹き込み、孤立を促していた。勇太は光を追ってソドムへ向かう。クロウと颯乃は、烏藤すみれたちへ状況を伝えるため別れる。 - ルクスモンとデビモンは、勇太と光それぞれへの仕込みが終わり、ソドムで二人を闇へ落とす計画が進んだと確認し合う。 ------------------------------------------------------------ 第26話 ------------------------------------------------------------ - 勇太は、デビモンに小型ダークタワーを打ち込まれ動けなくなっていたアンティラモンを発見し、救出する。サンドリモンのチュウモンが、ソドム内部の人間の協力者へ案内する。 - ソドムは現実世界の都市に近い巨大都市で、中心に機械的な女性の顔をかたどった塔がある。「理想都市」と「欲望と堕落の街」という正反対の呼び名を持ち、住民は脳への制約で街の秘密を語れない。 - 案内人は右腕を失った元スーツアクター・土井健太郎とサイバードラモン。勇太はヒーローの話で健太郎と意気投合する。健太郎は勇太へ、光との関係を諦める前に手を伸ばせと助言する。 - 光は遠くから勇太を監視し、頭の中で「苦しみを全部渡せ」と囁く声に苛立つ。叶は勇太を見つけ、怒りと恐怖を募らせ、言葉を持ち始めたブイモンを道具・クローンと罵り暴力を振るう。 - 勇太と光は人混みで再会する。光は、自分の被害や喪失を、温かい家庭で育った勇太には理解できず、理解しようとする態度すら自分を侮辱すると突き放す。勇太は二人の関係を言葉にできず、光を止められない。 - 健太郎は、相手を尊重するふりで何もせず後悔するより、今手を伸ばせと勇太を再び押し出す。一行は、光も向かうはずの中央塔へ侵入する。 - 塔には「願いを叶える猿の手」があり、住民は願いの対価として愛する者や不要になった者を捧げてきた。塔内部は捧げられた者と物の「ゴミ山」である。健太郎も願いのため勇太を誘導し、穴へ蹴り落とす。 - ゴミ山の奥、ダークエリアの門の前で叶が待つ。叶は弱った住民を「ゴミ」と呼んで殺し、ブイモンを虐待し、自分は倫理から自由になったと誇示する。勇太は叶を殴って目を覚まさせると宣言する。 - ラヴォガリータモンとパイルドラモンが戦う。叶は狭い塔、瓦礫、ラヴォガリータモンの巨体を利用し、砲撃音に紛れてワイヤーを張る。勇太はヴォーボモンをラヴォーボモンへ退化させ、機動性を上げて煙と瓦礫から奇襲する。 - 成熟期では一撃が致命傷になり得るが、勇太とヴォーボモンは正面突破を選び、途中で再進化し、メルダイナーとデスペラードブラスターを拮抗させる。爆発で双方は退化し、戦いは決着しないが、勇太は初めて叶を一歩後退させる。 - 爆発でダークエリアの門が壊れ、闇が塔へ流れ出す。叶は次は手段もレベル制限も捨てると告げ、ブイモンを連れてゲートで撤退する。 - 上層では、健太郎がサイバードラモンとマトリックスエボリューションしてジャスティモンとなり、アンティラモンと戦う。健太郎は夢と右手を取り戻す願いのため勇太を売ったが、アンティラモンは彼の中に残る他者への配慮を見ていた。 - 闇に追い詰められた勇太は、気絶したヴォーボモンと健太郎を背負って逃げる。健太郎は自分を捨てるよう求め、勇太も一瞬なら二人だけで助かれると考えるが、誰も言葉にせず一人で諦めることへ怒り、三人で進もうとする。 - 闇に飲み込まれた勇太は、見知らぬ住宅のベッドで目覚める。そこには同じく閉じ込められた鮎川聖がいる。 ------------------------------------------------------------ 第27話 ------------------------------------------------------------ - 勇太と鮎川聖は、同じ家並みが果てなく続く閉鎖空間へ閉じ込められる。真っ直ぐ進んでも元の家へ戻り、印や火事は視界から外れた瞬間に修復され、食料と日用品だけは毎日供給される。 - 二人は一時休戦し、反対方向から歩く、境界で家を燃やす、縦横の距離を測るなど実験を行う。空間は約一・五~二キロの円形に閉じ、観測者の視界を基準に自動修復されると推定する。 - 聖は、ソドムとは別にゴモラにもダークエリアの門があると教える。叶がソドム、渡辺直人がゴモラを守り、聖が補助役だったため、ソドムの門破壊だけでは侵攻を止められない。 - デーモンは寿命が近く、最期に全てを壊して王として立つため侵略する。デビモンはデーモン死後の闇勢力存続を考え、光を選ばれし子供として利用し、願いを叶える「手」で現実世界への門を開こうとしている。 - 現実世界では、すみれ、竜馬、クロウ、颯乃、良子、サンドリモンらが情報を共有する。数年前、天使を目撃した未成年が連続失踪した事件があり、同時期に勇太の近くにも天使がいたと判明する。 - 読者には、勇太へ執着するルクスモンが、アルケーエンジェモン、ダルクモンら上位天使と対立している姿が示される。天使側は、デウス・エクス・マキナに選ばれた勇太を、未知の「あの方」の実験へ流用しようとしている。 - 閉鎖空間へ幼年期プットモンが箱で届けられ、「育てろ」と命じられる。これは勇太へ執着する既存のルクスモンとは別個体であり、数日で同種のルクスモンへ進化する。 - 実験個体ルクスモンは、決まった時刻に金切り声で食事を要求し、会話を録音のように完全再現し、勇太と聖を「パパ」「ママ」と呼ぶ。人間を観察しながら本とテレビの幾何学模様から知識と指示を学習する。 - 勇太と聖は六十四日以上、食事、探索、同室での就寝、ホワイトノイズという同じ生活を反復させられる。時間の流れは外界より遅く、人格を摩耗させながら、進化と繁殖のための家族役を強制する実験だと分かる。 - 聖は本を解読し、テレビの模様が外部からの命令だと推測する。勇太が進化時期に合わせてテレビを破壊すると、実験個体は指示を得るため外部へ出て、二つのデジヴァイスを持ち帰る。 - 実験個体は、勇太と聖を使って自分を進化させ、その後二人に子供を作らせ、さらに次の個体を育てさせると宣言する。二人は打ち合わせどおり進化途中を襲い、逃げる個体を追って施設の裏側へ入る。 - 裏側には無数の扉と、同様の家族実験へ閉じ込められた別の人間がいる。二人は扉を抜け、白い駅状の天使施設へ出る。 - 施設では完全体のデジモンが白い「コンセクレイションリング」を付けられ、無言で列を作る。勇太は列の中にヴォーボモンを見つけるが、ヴォーボモンは勇太を侵入者と認識して攻撃する。 - 攻撃を防いだのは、勇太へ執着してきた元からのルクスモンである。二体の同種ルクスモンを混同しないこと。 ------------------------------------------------------------ 第28話 幕間短編 ------------------------------------------------------------ - 森の廃墟近くの小川で、光は仲間が眠っている間に一人で水浴びをする。デジタルワールドへ来てからの時間、旅の目的、現実世界へ本当に帰りたいのかを考える。 - 気配を感じて警戒すると、光がいないことを心配して探しに来た勇太だった。勇太は裸の光を見て慌てて背を向け、光は表面上は意に介さないふりをする。 - 光は、終わるまで後ろを向いて待つよう命じ、二人は他愛のない話を続ける。光は、自分の過去を勇太が完全には理解できなくても、今は勇太たちがいるため孤独ではないと感じる。 - 主筋の直前・直後位置は明記されないため、勇太と光が一緒に旅していた時期の関係性補完として扱う。 ------------------------------------------------------------ 第29話 ------------------------------------------------------------ - 元から勇太へ付きまとっていたルクスモンが、コンセクレイションリングを破壊し、ヴォーボモンを正気へ戻す。聖のテッカモンとギガドラモンも確保済みで、勇太と聖の服、デジヴァイスを返す。 - ルクスモンは勇太だけを逃がすつもりだったが、勇太は健太郎や他の囚人も救うと譲らない。聖も、自分を実験へ使った天使へ報復するため残る。ルクスモンは二人の性格を承知しており、渋々協力する。 - 天使都市の中央クリスタルを破壊すれば、数時間だけ都市機能と白いリングが停止する。ルクスモンは、その隙に動ける人間とデジモンを解放すると約束する。 - 勇太はラヴォガリータモンへワープ進化し、アルケーエンジェモンらが守る管理塔へ突入する。聖はテッカモン、ギガドラモンに天使軍を引き付けさせ、勇太をクリスタルへ向かわせる。 - 施設で育てられた実験個体はガルゴモン、さらにマンティコアモンへ進化して勇太を襲う。勇太の進化出力に合わせ巨大化したラヴォガリータモンより素早く、ビル群を密林のように使って捕食者として勇太を狙う。 - 勇太は最初の攻防でマンティコアモンへ黒色火薬を付着させ、爆薬の匂いと風を追跡する。隠れるたびに付着点を爆破して動きを封じ、メルダイナーで撃破する。 - 聖は数百の天使をテッカモンとギガドラモンで蹂躙し、二体をダークドラモンへジョグレスさせる。改造シャッコウモンを倒し、降伏したアルケーエンジェモンへ残酷な報復を行う。勇太との共闘は善への転向ではない。 - 勇太がクリスタルを破壊すると、白いリングが停止し、都市のデジモンたちが正気へ戻る。ルクスモンは眠った健太郎を勇太へ返し、他の救出も約束どおり進める。 - ルクスモンは、自分こそ勇太の真のパートナーだと再び主張するが、説明は先送りにして姿を消す。 - 戦闘後もダークドラモンを維持する聖は、解放された住民を将来の危険として殺そうと勇太を誘う。勇太は聖を嫌い切れないと認めながら、デジヴァイスの紐だけを精密爆破してジョグレスを解除し、虐殺を止める。 - 聖は勇太へ自分と来るか問う。勇太は光や仲間の方が大切だと拒み、次に会えば聖を倒して止めると告げる。聖は面白がりながら去る。 - 章末、ゴモラで光とレディデビモンが、換装式ムゲンドラモンと渡辺直人へ対峙する。光は義父を殺し、自分の呪いへ決着を付けると宣言する。 ------------------------------------------------------------ 第30話 幕間短編 ------------------------------------------------------------ - オウリアモンとの戦闘後、光は太腿の内側を傷つけられ、毒で腫れ始める。場所が場所だけに光も勇太も強く動揺する。 - ヴォーボモンが解毒に使える木の実を取りに行く間、勇太は手当を優先し、毒を吸い出す。二人とも異性として互いを意識してしまい、真剣な処置と年相応の羞恥が混ざる。 - ヴォーボモンが木の実を持ち帰ると、二人は何事もなかったように取り繕う。主筋の時系列は明示されず、旅の途中の看病と親密さを補う短編である。 ------------------------------------------------------------ 第31話 幕間短編 ------------------------------------------------------------ - 土砂降りに遭い、勇太、光、ヴォーボモン、デビドラモンは廃墟へ雨宿りする。濡れた光の服が透けるのを見て、勇太は自分の上着を差し出す。 - 光は気取った態度がうっとうしいと悪態をつきながら、勇太の体温が残る上着を羽織る。返してほしいと言われると、さらに睨み返す。 - 勇太は、学校の体育館裏へ雨の日に来る、白く目つきが強く、人に媚びない猫が光に似ていると話し、現実世界へ帰ったら一緒に見に行こうと誘う。光の返事は素っ気ないが、声は柔らかい。 - 第28話・第30話と同様、主筋の前後を決めず、二人が帰還後の未来を自然に共有し始めた関係性補完として扱う。 ------------------------------------------------------------ 第32話 ------------------------------------------------------------ - ソドムの塔でアンティラモンが倒した無数のキンカクモンとギンカクモンは、本物ではなく、別のデジモンが仮面で姿と人格を上書きされたものだった。 - 仮面の本体は、願いの対価としてソドムへ捧げられた存在。崩れる身体で他人の願いと人生を見続け、自分以外の人生を奪う力へ進化した。キンカクモンとギンカクモンを乗っ取り、次は光の苦しみ、再起、愛情を「理想的な人生」として奪おうとする。 - アンティラモンは、光の幸福も苦しみも本人だけのものであり、他者が装飾品として奪ってよいものではないと怒り、本体へ向かう。 - 別場面で赤目みえりが鮎川聖を訪ね、追って来る「デジモンイレイザー」への対応を頼む。聖はソドムの猿の手から「欲望と罪の結晶」の一部を奪っており、数年掛けて新しい力へ育てるつもりで、みえりと行動を共にして主戦場から去る。 - 勇太は天使都市から解放した多数の人間・デジモンを見捨てられず、ゴモラへ急げない。クロウと颯乃、後続のすみれたちが避難を引き受ける。目覚めた健太郎は、光が猿の手へ案内された時の目は死んでおり、期待する反応は返らないと警告するが、勇太は見返りでなく側にいたいから行くと答える。 - 叶は勇太へ敗れたことで自尊心を崩し、ルクスモンの進化体ホーリーエンジェモンへ「勇太に勝つ秘密」を求める。ブイモンが止めても暴力で黙らせ、自分が利用されていることに気付かず縋る。 - ゴモラでは、渡辺直人と換装式ムゲンドラモンが光を十数キロ先から狙撃する。レールガン、監視衛星、無数のドローンを状況に応じて換装し、逃げ道と反撃手段を順番に潰す。 - 光は過去と同じ無力感に飲まれかけるが、レディデビモンは、ドローンが渡辺を巻き込む角度では撃てないこと、巨体のムゲンドラモンは懐へ入れば対応しにくいことを見抜き、勇太なら今こそ決着を付けろと言うはずだと光を前へ出す。 - 光たちは近接戦で渡辺へ迫るが、ムゲンドラモンは胸部から分離する小型・高速の龍人体へ意識を移し、レディデビモンを倒す。渡辺は光へ過去と同じ暴力と性的加害を再演し、光を幼い無力な状態へ戻そうとする。 - 光の心へ、仮面の本体が「人生を全部渡せば過去から解放される」と囁く。光は復讐で傷が消えるとは考えないが、呪いを他人へ渡して自分でなくなることも拒否する。ガラス片で目の前の自分の顔を切り裂くと、それは仮面として砕ける。 - 光は、自分ではなく他人の人生を生きようとした時点で仮面の本体は負けたと断じる。渡辺を自分で殺そうと進むが、ムゲンドラモンが再起動して光を襲う。 - 直撃寸前、勇太とラヴォガリータモンが到着する。勇太は光の選択を今すぐ裁かず、選ばれし子供としての使命や師の期待を裏切る結果になっても、決着へ向かう光の隣に今だけは立ちたいと伝える。 - 勇太と光が手を握り、ラヴォガリータモンとレディデビモンは究極体トワイライトドゥールドラモンへジョグレス進化する。デビモンは遠くから進化を確認し、「鍵が開いた」と喜ぶ。 - トワイライトドゥールドラモンは電磁制御でドローンのレーザーを逸らし、衛星を破壊し、レールガン弾を拳で弾き返す。勇太は既に何度も進化して瀕死だが、光と共にムゲンドラモンを貫いて撃破する。 - 戦闘と並行して、光の記憶と事実のずれが読者へ示される。渡辺が逮捕された日、母・秋子は光を守るため渡辺を打ち、警察へ通報し、傷ついた光を裸のまま抱きしめていた。光はPTSDによる記憶混濁で、その行動を現在も思い出していない。 - 崩れる瓦礫の中で渡辺は光へ助けを求める。光は救わず、自分の名は「ひかる」ではなく、両親が「光に満ちた世界で生きてほしい」と付けた「ひかり」だと告げる。渡辺は瓦礫と炎に飲まれて死亡する。 - 決着後、デビモンが現れる。光は、父・圭吾の死がデジタルワールドの干渉事故で、圭吾の意識とデータがこの世界に残っていると知り、猿の手/オグドモンと契約していたと明かす。 - 契約は、光がオグドモンの中核となって世界と現実世界への門を開く代わりに、圭吾を蘇らせ、秋子も呼び、家族三人だけの永遠の箱庭を得るというもの。光は月の紋章を勇太へ返し、仲間より両親を選ぶ。 - 光の黒いデジソウルでレディデビモンはガルフモンへ暗黒進化する。ガルフモンをコアにオグドモンが起動し、ダークエリアの門が開き、デーモン本体と軍勢がシオンへ現れる。 - 世界各地にオグドモンを模した巨大機構が出現し、デザイアリングと欲望を撒き、堕天使軍とリング装着者が破壊を開始する。光は箱庭の中で五歳の姿になり、圭吾と秋子へ「ただいま」と抱きつき、外界の悲鳴を闇で閉ざす。 - ベルスターモン、サンドリモン、三上竜馬とチンロンモンがデーモンへ挑み、アンティラモンへ勇太を連れて撤退するよう促す。勇太は喉が潰れても光とデビドラモンの名を叫び続けるが、光には届かない。 ------------------------------------------------------------ 第33話 幕間短編 ------------------------------------------------------------ - 雨宿り中、光の月経が始まり、腹痛と体調不良で一行は足止めされる。デジモンには月経の概念がないため、勇太が知識の範囲で説明する。 - 勇太とアンティラモンは、光の機嫌が普段以上に悪くなるので余計なことを言わないよう、ヴォーボモンたちへ注意する。しかし説明の中で、光を「凶暴」「ウンコマン鬼塚」などと例えてしまう。 - 背後には全てを聞いていた光が立っており、一行は文字どおり鬼の形相を向けられる。深刻な主筋の間に置かれる、旅の日常と四人の遠慮のない家族的距離を示す短編である。 ------------------------------------------------------------ 第34話 ------------------------------------------------------------ - オグドモン内部の箱庭で、実父・鬼塚圭吾が事故死直前の記憶から目覚め、現実世界から呼ばれた秋子、五歳の姿の光と再会する。圭吾と秋子には、光が二人を再会させたことは伝わるが、その対価として世界を犠牲にした事実は隠される。 - 外ではベルスターモン、サンドリモン、竜馬とチンロンモンがデーモンへ挑む。格闘、銃撃、雷、奇襲を重ねてもデーモンは圧倒し、チンロンモンを避難列車へ投げ付け、多数の乗客を殺す。 - デーモンが竜馬を人質に取り、車両を一つずつ焼くと脅す。勇太とすみれが炎を打ち消し、慎平、ターゲットモン、カメレモン、クロウ、雪奈らが連携して竜馬を奪還する。 - 良子とゼクス・グレイモン、颯乃とカラテンモン、ケルビモンが順番に時間を稼ぎ、トレイルモンは戦場から離脱する。デーモンは撤退を許したというより、さらに戦うため一時引く。 - 移動中、世界各地に十体以上の模造オグドモンが現れたと判明する。これらは個体というより、欲望を撒く権能だけを抽出した世界システムに近い。最初に起動した光とガルフモンのコアが全機をリンクしているため、他を壊してもコアが残れば再生される。 - デウス・エクス・マキナは住民の潜在意識を多数決のように反映して世界を調整する。デザイアリング、願いを叶える手、天使守護者の不在により、住民が「欲望を叶える存在」を求めたことがデーモン側の出現を後押しした。 - 現実世界との通信も途絶えており、光の人間としてのつながりが現実世界侵攻の道になる。最短の解決はコアである光とガルフモンを殺すことだとベルスターモンが告げる。 - 勇太は、自分とヴォーボモンが光とデビドラモンを連れ戻し、叶も止めると宣言する。慎平は、叶を引き付け、ガルフモンを説得できる可能性があるため勇太の参加は戦術的にも必要だと支持する。 - 慎平と竜馬は、勇太が本当は選ばれし子供ではないと知っているが、追い詰められた勇太がその肩書へ縋っているため、決戦前には明かさない。 - 健太郎は勇太へ、子供なのだから大人へ任せるよう言う。勇太は、幼い頃に迷子の自分と妹を助け、ショーの持ち場を離れてまで母を探してくれたスーツアクターの姿を語る。誰の中にもいるヒーローを諦めず、その人から受け取ったものを守るため自分も行くと答える。 - 健太郎は、その時の迷子を助けたスーツアクターが自分だったと気付くが名乗らず、「死ぬな」とだけ伝える。 - デーモンはデビモンへオグドモン防衛を命じ、自分と叶で主力を迎え撃つ。デビモンを後継者と見なし、無駄死にせず闇勢力を率いるよう言う。 - 味方は、良子、竜馬、サンドリモン、ベルスターモン、ケルビモンがデーモンを直接攻撃し、颯乃とクロウが支援、慎平が軍勢を統率、勇太は別路からオグドモンへ向かう作戦を立てる。 - 決戦開始直後、勇太の前へ叶とインペリアルドラモンが立ちはだかる。叶の言葉には、勇太を殺す憎しみと「自分のものにする」というホーリーエンジェモンの執着が混線している。 ------------------------------------------------------------ 第35話 ------------------------------------------------------------ - 叶の過去が描かれる。クラスで過酷ないじめを受けた生徒が自死した後、叶は、主犯、黙認した教師、事件を娯楽化する外部の人々を嫌悪する。しかし最も嫌悪したのは、被害者が差し伸べた手を振り払った自分自身だった。 - 同時期、勇太は光をいじめる同級生へ自分から立ち向かい、叶から貰ったゴーグルが勇気をくれると無邪気に語る。叶は、自分を正しい人間として信じる勇太の眼差しによって、罪悪感と劣等感を一層刺激される。 - 現在、勇太はラヴォガリータモンを小型化し、ビル群の小回りでインペリアルドラモンの最高速度を封じる。黒色火薬、粉塵、死角を利用して叶本人へ迫るが、叶は勇太の突進を読んでバリアを展開している。 - 叶はインペリアルドラモン自身を巻き込んで「メガデス」を降らせる。自分はシールドで守られ、ブイモンのクローンは交換可能な道具なので損耗を気にしない。 - 主戦場では、慎平がデーモン軍と量産しんもんざえモン、クロウたちが空中のデザイアリング、竜馬たちがデーモンを担当する。戦闘不能者を運ぶロコモンは大量のマンティコアモンに襲われる。 - 味方はデーモンへ初めて有効な連続攻撃を通し、良子とゼクス・グレイモンの大技で本来の獣形態を引き出す。デーモンは巨大な太陽のような炎球を放ち、竜馬とチンロンモンが身を挺して相殺する。 - 勇太は叶の「仲間を道具として扱うため隙が生じる」点を突き、ラヴォガリータモンのメルダイナーで叶のシールドを破壊し、勝利寸前まで追い込む。 - 叶はロコモンへメガデスを放つ。勇太は叶を倒す好機を捨て、乗客を守るため攻撃を追う。ラヴォガリータモンは限界以上に加速し、メルダイナーで相殺する。列車は横転するが、新たな死者は出ない。 - 爆発でヴォーボモンへ退化し、勇太も動けない。叶は、役に立たない者を守って勝ちを捨てる勇太を嘲笑う。勇太は、それでも誰も見捨てないのが自分たちだと答え、デジヴァイスへ再進化を求める。 - デジヴァイスは反応しない。叶は、勇太のデジヴァイスが進化のたび壊れたこと、ウェヌスモンの調整前は心の接続がなかったこと、勇気のデジメンタルを本来使えなかったことを指摘する。 - 本当に選ばれたのは叶であり、勇太は召喚時に光の手を無理に掴んだため巻き込まれただけだった。ひび割れたデジヴァイスも本来は叶のもので、ルクスモンが召喚を妨げなければ叶が光と旅するはずだったと判明する。 - 叶がデジヴァイスを取り戻すと、心の接続を支配へ使ってヴォーボモンを従わせる。勇気のデジメンタルでフレイヴォーボモンへアーマー進化させ、勇太へ爪を向けさせる。 - 自分が選ばれていないこと、ヴォーボモンとの関係まで偽物だと示されたことで、勇太の自己像は完全に崩れる。止めを刺される直前、ルクスモンが現れ、「勇太はこれから自分と本物の英雄になる」とフレイヴォーボモンを弾き飛ばす。 ------------------------------------------------------------ 第36話 ------------------------------------------------------------ - ルクスモンの過去が明かされる。シオンの天使社会では、人型天使が尊ばれ、獣型の天使は「獣の血を引く罪人」と蔑まれ、現実世界へ無差別に送り出される戦闘の駒だった。 - 負傷した幼いルクスモンは現実世界の路地で動けず、本来のパートナーに選ばれた少女から不快そうに見捨てられる。その後、赤髪の勇太が叶と共に見つけ、ためらわず抱き上げ、家族で介抱する。 - ルクスモンは、勇太のような善良な人間が選ばれず、自分を捨てた少女が選ばれる世界を不条理とみなす。勇太と自分だけが主の愛を受けるべきだと思い込み、本来のパートナーを利用して進化・退化実験を行い、植物状態に近い被害を与えた。 - 現在、ルクスモンは勇太へ、自分こそ本当のパートナーであり、ヴォーボモンも光も取り戻せると新しいディーアークを差し出す。勇太は全てを失い、手を伸ばしかける。 - 駆け付けた竜馬が、ルクスモンは数年前に本来のパートナーを植物状態へした犯罪者で、そのディーアークも少女のものだと暴露する。勇太が手を引こうとすると、ルクスモンは強制的に接触させる。 - 勇太は、ルクスモンの左顔の傷から、かつて自分が介抱した動物のような存在だと思い出す。ルクスモンは再会を喜び、勇太とマトリックスエボリューションして、炎と雷を纏う究極体ハシュマモンになる。 - 叶は、勇太を奪われた恐怖からインペリアルドラモンとフレイヴォーボモンを連れて逃げる。ルクスモンは今回は見逃すが、次はヴォーボモンごと殺すと宣言する。 - ハシュマモンは一撃でデーモン軍の半数以上とオグドモンの一部を破壊する。同時に味方も多数巻き込み、勇太へ「罰」として仲間を殺したと告げる。身体の主導権はルクスモンが握り、勇太は内側から止められない。 - デーモンは、予想外のハシュマモンを新たな強敵として喜び、一度軍勢を引いて態勢を整える。去り際、ケルビモンへハシュマモンは味方ではないと忠告する。 - ハシュマモンは次に避難列車へ炎雷弾を向ける。傷ついたすみれとシンドゥーラモンが群衆の前へ立つが、攻撃は健太郎とサイバードラモンに弾かれる。 - 健太郎は、勇太がヒーローへ向かう真っ直ぐな道に汚名を付けさせないと宣言し、ジャスティモンへマトリックスエボリューションしてハシュマモンへ立ちはだかる。 ------------------------------------------------------------ 第37話 ------------------------------------------------------------ - 同じ究極体でも、ハシュマモンはジャスティモンを速度、火力、相性で圧倒する。電撃も炎雷の身体をすり抜け、健太郎は再び右腕を失い、立つことすら難しくなる。 - 健太郎は、何をしても中途半端で、スーツアクターを目指しても事故で右手を失い、夢も人生も諦めた自分を回想する。同時に、かつて迷子の勇太と妹を助けたこと、今の勇太がその姿をヒーローとして覚えていたことを思い出す。 - 避難列車の子供が「頑張れ、ジャスティモン」と叫び、大人とデジモンの声援が続く。ハシュマモンの内側からも勇太が声を上げる。 - 健太郎は「右手のないヒーローなどいない」と言われた過去へ、「ここにいる」と答える。洗練されない泥臭い拳で戦い続け、ハシュマモンへ有効打を通す。 - ジャスティモンの攻撃は、ルクスモンのディーアークへ勇太を引き戻し、二人のシンクロを剥がす効果を生む。ルクスモンは周辺一帯を消す高密度の炎雷を放つ。 - ジャスティモンは左腕を失いながら熱線を受け止める。勇太には光と叶を助ける道が残り、その道を進むためのヒーロー像が必要だから、自分は諦められないと踏み込む。 - 光るアクセルアームの拳がハシュマモンへ届き、融合を解除する。勇太は救出され、ルクスモンは殴り飛ばされる。 - 健太郎は致命傷を負い、自分の腐っていた心は勇太と出会って数分だけでも生き返った、これはその礼だと語る。サイバードラモンへ謝り、勇太には自分のようにならず、名前のとおり真っ直ぐ進めと遺す。 - 勇太が差し出された拳を握ると、健太郎はデータの塵となって消滅する。勇太は、融合中とはいえ自分の力も健太郎を焼いた事実と喪失を抱え切れず、言葉にならない絶叫を上げる。 ------------------------------------------------------------ 第38話 グロなし版 ------------------------------------------------------------ - ハシュマモン分離後、ルクスモンとデビモンが最後の密談をする。ルクスモンは、本来なら味方をさらに殺してから分離し、勇太を完全に孤立させる予定だったが、健太郎に希望を残されたため計画修正が必要だと認める。 - ルクスモンは、力も仲間も失った勇太が光を助けるには、憎い自分の手を取るしかなくなると見込む。デビモンとは、光と勇太をそれぞれ得るための一時協力を終え、次に会えば天使と悪魔として殺し合うと別れる。 - 勇太は、味方を大量に死なせたハシュマモンの一部として、トレイルモンの暗い客室へ半ば監禁される。出来事を処理できず、謝罪しながら泣くことと、抜け殻のように沈黙することを繰り返す。 - 味方陣営では、勇太を今すぐ殺すべきだという意見が出る。クロウは反発し、慎平は「ルクスモンが勇太へ接触した時だけ対処する」という条件へ議論をすり替え、即時処刑を回避する。それでも最終的な条件は、接触を確認すれば勇太を殺すという厳しいものになる。 - サンドリモンは、罪悪感で勇太へ会えないアンティラモンへ、仲間なら腹を割って話し、勇太の重荷を少しでも持つべきだと促す。サンドリモン自身も勇太の仲間になっているが、自分の言葉では届かないと一歩引く。 - アンティラモンは、勇太が選ばれし子供ではないとウェヌスモンの調査で確信しながら黙っていたと認める。合理的には別の子供を探すべきだったが、ロップモンを諦めず救おうとした勇太へ、自分たちの世界を託したいと思ったからである。 - 勇太は、自分が光の家族との幸福を壊してよいか分からず、選ばれてもいない自分の行動でフレアモン、クレシェモン、兄弟、健太郎、光、叶、パートナーたちを失ったと泣き崩れる。 - アンティラモンは、選ばれし子供の選定は進化能力を基準にした機械的・ランダムな制度に過ぎず、その後に何をするかは本人の選択だと語る。勇太が戦った理由は肩書ではなく、苦しむ誰かへ手を伸ばさずにいられない心だったと指摘する。 - オグドモンへの道は、主力が進む更地と、叶が見張る瓦礫の隠し道の二つ。アンティラモンは位置だけを伝え、正解を押し付けず、「考え、迷い、決心したら名前のとおり真っ直ぐ進め」と勇太へ託す。 - 決戦の爆発で客室が壊れ、外の戦場が見える。勇太は一度、安全な側へ足を向けるが、光が闇へ沈む時に泣いていたこと、叶もあの終わりを本当には望んでいないことを思い出し、全員が最後に笑える終わりを求めて走り出す。 - 勇太に敵意を向けていた味方の一部が止めようとするが、かつて勇太や健太郎に救われた人間とデジモンが道を開く。さらに、最初は勇太を憎んだ戦士たちも、自分たちの大事な者を守る役割を重ね、勇太が駆け抜ける一瞬だけは守る。 - デジヴァイスも風の脚もない十二歳の勇太は、瓦礫、爆炎、敵兵の間を生身で走る。叶は、その姿へ恐怖し、ヒュドラモンを召喚して止める。勇太は右手を失う欠損級の重傷を負っても、回復フロッピーで止血し、蔦を足場に叶のいる屋上へ登る。 - ルクスモンがヒュドラモンを倒し、勇太の痛みを和らげる。自分のディーアークを使えば正義を貫けると再度差し出すが、勇太は礼だけを言って通り過ぎる。ルクスモンは「後悔する」と告げて去り、勇太はいつか向き合うが今ではないと決める。 - 叶はフレイヴォーボモンへ勇太を殺すよう命じる。勇太は使命や光救出を口実にせず、麦茶を売ったこと、料理を一緒に食べたこと、怖い戦いを越えたことを語り、ただ「もっと一緒にいたい、こんな別れは嫌だ、隣にいないと寂しい」と本心を伝える。 - 勇太の呼び掛けでヴォーボモンの意思が戻り、デジメンタルが外れる。ヴォーボモンは、制度や所有者ではなく、自分たち自身が互いをパートナーに選んだと宣言する。 - その選択へ応えるように、ひび割れたデジヴァイスは叶の手から勇太へ戻る。壊れかけた画面には多言語でただ一語「進化」と表示される。 - 勇太とヴォーボモンは、資格ではなく自分たちが選んだ答えとしてワープ進化する。ヴォーボモンは究極体ヴォルケニックドラモンとなり、インペリアルドラモンと対峙する。 - 主戦場では、颯乃と雪奈のデジクロス「カラテンモンX2」を含む総攻撃でデーモンを追い詰めるが、デーモンは超究極体へ進化する。勇太側と主力側の双方で最後の決戦が始まる。 - 停止したオグドモン内部から、正体不明の二つの影が勇太たちを見ている。光とガルフモン、または別の存在かは第38話時点で確定しない。 ------------------------------------------------------------ 第39話 ------------------------------------------------------------ - オグドモン内部の家族世界では、データから再構成された圭吾が秋子、五歳の姿の光と穏やかな日常を送っている。圭吾には現実世界の知識と家族への愛情がある一方、デジタルワールドでの旅や、この幸福に支払われた対価は与えられていない。 - 圭吾は、光が記憶から作られた赤髪の勇太を見つめる時だけ、凍えるような痛みを浮かべることに気づく。光は勇太を知らないと否定するが、圭吾は、相手を守るために本心を隠す時の光の癖を知っており、嘘だと見抜く。 - 外部でハシュマモンがオグドモンを損傷させた影響により、内部制御が一時的に緩む。デビモンが圭吾へ接触し、額へ触れて、光たちが歩んだ旅の記憶を流し込む。 - デビモンは、契約で世界を差し出した具体的な代価だけは伏せる。圭吾は、突然与えられた大量の記憶と、今の娘の幸福が何かを隠している疑いを抱く。 - 圭吾はオグドモン内部を探るため、ベツモンを思わせる滑稽な偽装をして移動する。そこでデーモン軍の兵たちにも家族、子供、死傷者を案じる感情があり、単なる破壊装置ではないことを知る。 - 外部の戦争と崩壊を目撃した圭吾は、光が世界の破壊と引き換えに家族との生活を選んだ可能性へ辿り着く。 - デビドラモンは、光が長い旅と喪失で疲れ切り、暗闇を歩き続けることへ耐えられなくなったと圭吾へ説明する。それでも光は箱庭の中で勇太の面影を見続けており、本当に幸福なのか自分にも分からないと打ち明ける。 - 圭吾は、自分が父親だから正解を与えられるとは思わず、デビドラモンへ、自分の心で光を愛し、勇太や仲間を信じて選ぶよう促す。 - 目覚めた光は、デビドラモンが父へ余計なことを話したと知り、外の記憶も犠牲も全て嘘だと泣きながら否定する。 - 圭吾は、光が自分を守るために嘘をついていると理解し、真実を知れば自分が再び死ぬ可能性があっても、親子で話さなければならないと告げる。 【第39話の変化・伏線】 - 第38話末の「二つの影」の一方は、箱庭内で動き始めた圭吾であり、もう一方にはデビモン/デビドラモンの意思が関わると分かる。 - 箱庭の住人は単純な幻ではなく、記憶と人格を持ち、光の選択へ異議を唱え得る。 - デーモン軍の兵にも生活と愛情があることが示され、以後の「天使による悪性種の浄化」と対照を作る。 ------------------------------------------------------------ 第40話 ------------------------------------------------------------ - ヴォルケニックドラモンとインペリアルドラモンの空中戦が始まる。叶は勇太の希望を「周囲へ無理を強いる病気」と呼び、勇太だけが特別だから皆が苦しむのだと責める。 - 叶は、勇太と一緒にデジタルワールドへ来た当初、自由な冒険や英雄になることを望んでいた。しかし強者へ逆らえず、デーモンへ従い、人を殺し、そのたび「生きるため」「自由になるため」と合理化してきた。 - 勇太が傷ついても人を信じ、仲間を増やすほど、叶は自分の弱さを突きつけられたと感じた。勇太の信頼が嬉しい一方、その眩しさを壊し、自分と同じ場所まで落としたい愛憎へ変わっていた。 - 勇太は、自分が最初から勇敢だったのではなく、ヴォーボモン、光、仲間たち、そして叶がくれたゴーグルから勇気を借りてきたと返す。 - 両者は火球、熱線、爆発、飛行速度を競う。勇太は風でガラス片や熱の層を動かし、レーザーの屈折と視界のずれを利用して、格上のインペリアルドラモンへ接近戦を仕掛ける。 - 叶は巨大なメガデスを形成し、勇太だけでなく、主戦場の仲間やオグドモン内の光まで巻き込むと脅す。自分を止めるためには全てを諦めろという、叶自身がデーモンに従った時と同じ二択を勇太へ押し付ける。 - 勇太とヴォーボモンは絶望を受け入れず、ひび割れたD3と限界寸前の身体を同期させる。ヴォルケニックフレアでメガデスを破り、インペリアルドラモンを撃墜する。 - 敗北の瞬間、叶は本当は勇太の隣に立ち、同じ景色を見たかっただけだと自覚する。同時に、勇太にも自分と一緒に堕ちてほしかったという願いを認める。 - 勇太は叶を一度殴るが、落下する身体を見捨てず受け止める。そして、叶が自分を羨んだように自分も叶の器用さや強さを羨み、競うことに夢中で苦しさを見落としていたと謝る。 - ブイモンは、自分が並行世界のブイモンへ対抗するため作られたクローンだと明かす。交換可能な兵器として生まれた劣等感と恐怖があったからこそ、叶の心へ共感していた。 - 勇太は、勇気の印として借りていたゴーグルを叶へ返す。叶へ罪を忘れろとは言わず、まず生きて鍛え直し、帰るべき場所へ帰れと告げ、自分は光を助けるためデーモン側へ向かう。 - 叶は勇太を止めたいと思うが、勇太から返された信頼とブイモンの意思を受け、次に何を選ぶか自分で考え始める。 【第40話の変化・伏線】 - 勇太と叶の対立は、善悪の勝敗でなく、互いへの羨望と見落としを認める段階へ進む。ただし叶の加害責任が消えたわけではない。 - ブイモンがクローンであっても人格と選択を持つことが明示され、叶との関係が所有から相棒へ変わり始める。 - 勇太のD3は限界に近く、光救出まで戦い続ければ生命に関わる危険が強まる。 ------------------------------------------------------------ 第41話 グロなし版 ------------------------------------------------------------ - 敗北後、叶は勇太を追うか迷う。ブイモンは、勇太から返されたゴーグルと共にある「勇気」は、自分の胸まで温めると語り、二人は勇太の背中を追う。 - 主戦場では、ケルビモン、ベルスターモン、サンドリモン、雪奈、颯乃らが超究極体デーモンへ総攻撃を続けている。 - 仲間たちは単独の力でなくデジクロスを使い、ライジルモンX3、ベルスターモン/サンドリモンX2、ジークグレイモンX2など、能力と役割を組み替えて対抗する。 - ウィッチモンやヘクセブラウモンらも氷結、魔術、射撃で援護するが、デーモンは損傷しながらも全員を上回る。 - デーモンは自分を中心にアルゴルズフレイムを放ち、敵味方や自分の損傷さえ意に介さない攻撃で戦場を焼く。味方側は立つことも難しいほど傷つく。 - デーモンは雪奈を捕らえ、希望を残す者への見せしめとして処刑しようとする。 - その腕を風の斬撃が断ち、勇太が到着する。勇太は雪奈へ借りていた上着を返し、自分が決着をつけると告げるが、身体は出血と連戦で限界にある。 - 叶とブイモンも追いつく。デーモンは叶へ、自分の下こそ何にも縛られない自由があると呼び掛ける。 - 叶は、自分が欲しい自由はデーモンの命令に従うことではなく、親友の隣で自分の意思により立つことだと拒絶する。 - 叶はゴーグルを勇太へ戻す。勇太は「ごめん」ではなく「ありがとう」と答え、過去の優劣でなく今ここに来た叶の選択を受け取る。 - 勇太、ヴォーボモン、叶、ブイモンの四人が並ぶ。叶は自分たちを「四人のヒーロー」と呼び、勇太は心の中で、迷っていたヒーローが帰ってきたと迎える。 - 二組は、倒れた仲間たちを背に超究極体デーモンへ挑む。第41話は最終決戦の再開で終わる。 【第41話の変化・伏線】 - 叶は「自由」を他者へ従う免罪符から、責任を引き受けて誰の隣に立つかという選択へ定義し直す。 - 勇太と叶は和解の入口へ立つが、叶の罪と戦後の責任は今後も残る。 ------------------------------------------------------------ 第42話 ------------------------------------------------------------ - 冒頭、かつてエンジェモンだったデーモンが、虐待される人間の少女へ「黒い気持ちから守る」と約束した過去が断片的に示される。 - 現在のデーモンは超究極体となり、満身創痍のヴォルケニックドラモンとインペリアルドラモンをなお圧倒する。二組は友人として並んで戦える喜びを一瞬見せるが、勇太は吐血し、両パートナーも進化を維持できず退化する。 - デーモンが勇太へ止めを刺そうとすると、叶が盾になる。ヴォーボモンとブイモンも逃げず、幼年に近い身体のままデーモンへ飛び掛かる。 - ケルビモンと共に、正体を隠した外套の人物が現れる。後にマグナモンと判明するこの人物は、閉ざされたシオンへ直接介入できない事情を持ちながら、最後の力を貸す。 - ケルビモンはホーリーリングを剣の形へ変え、外套の人物の聖なる力を通す媒体とする。 - ヴォーボモンは再びヴォルケニックドラモンへ、ブイモンはインペリアルドラモン・パラディンモードへ到達する。これは力の横取りでなく、叶とブイモンが互いを選び直した結果へ、聖なる力が道を開いた進化として描かれる。 - 慎平たちも、ジャンクモンとチンロンモンのデジクロスによる砲撃など、残った戦力を結集してデーモンの動きを制限する。 - 勇太は風と熱で光景を屈折させ、複数の進路を見せる蜃気楼を作る。デーモンが勇太側の本命を読む間に、叶とインペリアルドラモン・パラディンモードが死角へ入る。 - 叶は聖剣をデーモンの胸へ突き立てる。勇太と叶、二体のパートナー、仲間全員の援護が噛み合い、超究極体デーモンはついに敗北する。 【第42話の変化・伏線】 - デーモンが単なる破壊者でなく、守れなかった人間の少女との約束から堕天した存在だと示される。 - 外套の人物と聖なる進化の出所はこの時点で説明し切られず、ロイヤルナイツと閉鎖されたシオンの問題へ繋がる。 - 勇太と叶の勝利は個人の新技でなく、和解、相棒の意思、全戦力の役割分担で成立する。 ------------------------------------------------------------ 第43話 ------------------------------------------------------------ - 瀕死のデーモンは、自分がエンジェモンだった時代を語る。初期のシオンでは、天使型デジモンが進化するため人間のパートナーを必要とし、現実世界から「いなくなっても騒がれにくい」子供たちを選んで連れ去っていた。 - デーモンのパートナーとなった少女は、母親から性的搾取を受けていた。エンジェモンは食事を分け、話を聞き、少女が世界や誰かをもう一度信じられるよう寄り添った。 - エンジェモンはケルビモンやもう一人の友と現実世界を訪れ、人間社会の戦争、差別、暴力も知る。それでも少女との約束から、人間の悪意だけで世界全体を否定しない理想を持っていた。 - 天使社会は、人間の選ばれし子供と獣型天使の進化力を恐れた。人間を隔離し、獣型天使を下位へ置き、抵抗する者を粛清する。 - ケルビモンは獣型天使を生かすため、天使社会への従属を受け入れる和平を選ぶ。エンジェモンは、それを仲間と理想への裏切りだと感じた。 - 主流派天使は、人間の子供を人格あるパートナーでなく、生体進化ユニットへ改造した。エンジェモンが再会した時、少女は装置へ融合され、死にかけながら「守るという約束は嘘だった」と告げる。 - 怒りと絶望に呑まれたエンジェモンはデーモンへ堕天し、天使社会へ反逆する。自由を掲げながら力で支配する王になったのは、二度と弱者の側へ戻りたくない恐怖の裏返しでもあった。 - デーモンは十闘士や敵対者を完全に消さず、一部の力を未来へ残していた。自分の理想を継ぐ者がいつか自分を倒すことを、意識の底で望んでいたためである。 - 青空を見上げるデーモンへ、叶が話し掛ける。デーモンは、迷いながらも抗う叶の目に、過去の自分と少女の面影を見ていたと語る。 - 叶は、デーモンが自分を雲の上まで導いた事実も否定しない。従属を肯定するのでなく、受け取ったものと加害を分けて認める。 - デーモンは叶が使っていた古い装置を壊し、新しいデジヴァイスを渡す。現実世界へのゲートを開き、再びデジタルワールドへ来るならムゲンマウンテンの門を使えと教える。 - デーモンとケルビモンは人目を避けて最後に話す。ケルビモンは、誰もデーモンを許さなくても自分だけは友として許すと告げる。デーモンも、自分には配下と叶という、最後まで自分を見た者がいたと認める。 - デーモンは、デザイアリングが都合よく発見されすぎたこと、白いコンセクレイションリングとの技術的接点、地下都市ソドムに残る仕掛けを警告する。 - 鮎川聖がオグドモンの一部を奪いながら解析データを意図的に残したことも示される。デーモンは、次の敵は悪魔でなく天使だと伝える。 - ベルスターモン、サンドリモンとも短い別れを交わした後、デーモンは消滅する。長い加害の責任が赦しで消えることはないが、最期には少女を守りたかったエンジェモンの心を取り戻す。 - 叶とブイモンは開かれたゲートから現実世界へ向かう。明確な誓いを言葉にし切らずとも、勇太、光、ヴォーボモンと再び会う未来を選ぶ。 - 勇太は仲間へ別れを告げ、ヴォーボモンと二人でオグドモン内部へ向かう。消耗した仲間をこれ以上巻き込まず、自分が光との約束を果たすためである。 【第43話の変化・伏線】 - デーモンの敗北で悪魔軍との戦争は一区切りするが、リング、天使社会、日本との接点が次の主軸になる。 - ケルビモンの和平とデーモンの反逆は、どちらも人間と獣型天使を救えなかった不完全な選択として並置される。 - 叶の新しいデジヴァイス、ムゲンマウンテンのゲート、外套の人物が再登場への導線になる。 ------------------------------------------------------------ 第44話 ------------------------------------------------------------ - 勇太はヴォルケニックドラモンに乗り、停止したオグドモンへ向かう。右手を失い、全身から出血し、視界もぼやける中、ヴォーボモンへ、空を飛べるようになっても恐ろしい場所ばかりへ連れてきたと謝る。 - ヴォーボモンは、勇太や光、仲間と一緒に見たもの全てが自分にとっての「空」だったと答え、最後まで運ぶことを選ぶ。 - そこへ天使軍が現れ、オグドモンを破壊するのでなく確保しようとする。ケルビモンは、かつての仲間たちが世界を守る名目でオグドモンを支配装置へ転用しようとしていると察し、残った仲間と迎撃する。 - 勇太は、光とのジョグレスで残った結び付きを頼りにオグドモン内部へ侵入する。進路を塞ぐデーモン軍兵士を、種族だけで悪と決めず、可能な限り殺さず突破する。 - コア付近で、オグドモンは光やデビドラモンの姿と声を真似し、勇太とヴォーボモンの深い恐怖や欲望を言葉にして揺さぶる。しかし二人は、本人ならしない仕草、言葉遣い、声の違いから偽物だと見抜く。 - 正体を見破られたオグドモンは、自分が世界中の欲望と破壊を求める装置であり、二人の心の底にある醜い願いも自分の一部だと明かす。勇太たちは欲望の存在を否定せず、それに選択を委ねないと攻撃する。 - 家族世界では、デビドラモンが秋子を連れて圭吾と光の前へ来る。デビドラモンは、この願いの中で光が泣き続けているため、光の命令より光自身を守ると宣言する。 - 光は裏切りと受け取り、デビドラモンを一時的に削除する。父を失い、母が壊れ、未来へ進めばまた大切な者が死ぬのに、過去だけが自分の幸福だと泣き叫ぶ。 - 勇太はヴォーボモンとの結び付きを介して光の心へ声を届ける。今すぐ自分を信じられなくても、自分が一生かけて光を信じる、恋人や隣人でいられなくても光が未来を選べるまで信じ続けると伝える。 - 勇太は、この幸福が成り立つために外の被害者を見ないふりをし続ける必要があり、他者の痛みを無視できない光には本当の安らぎにならないと指摘する。 - 圭吾と秋子は、これまで光を守れなかったことを謝る。同時に、自分たちのため世界を犠牲にする幸福を受け入れず、愛した記憶は死や別離で消えないから未来へ走れと背中を押す。 - 光は自分のデジヴァイスを生み出して掴み、崩れ始めた家族世界から勇太の声へ走る。戻ったデビドラモンが光を抱え、勇太へ託す。 - 圭吾は再び死ぬが、今度は秋子に抱かれ、光を未来へ送り出した父として別れる。秋子は現実世界へ戻される。 - 勇太は光を受け止め、約束を果たした印としてゴーグルを被せる。その直後、生命力とD3の損耗が限界を超え、身体がデータの粒へ崩れていく。 - 光は勇太へ縋るが、勇太は光を連れ戻せたことに安堵し、消滅する。この時点の光と仲間からは、勇太は死亡したように見える。 - デビモンは、再びオグドモンのコアへ入り、痛みのない世界を作ろうと光を誘う。光は、大切な者は消えても記憶と心に残ると学び、過去へ戻らず未来を選ぶ。 - 光のデジヴァイスへ、旅の開始以来初めて明確な「進化」の文字が現れる。光とデビドラモンの相互選択に応え、デビドラモンは聖騎士型究極体デュナスモンへワープ進化する。 【第44話の変化・伏線】 - 光は両親との幸福を他者に壊されるのでなく、自分で偽りの箱庭から出る。喪失を消去せず、愛された記憶を持って未来へ進むことが救済として描かれる。 - デビドラモンは光に従う道具から、光を守るため光へ逆らう相棒へ到達し、その結果がデュナスモン進化となる。 - 勇太は一度データ化して消えるが、現実世界の身体とルクスモンの処置が後の生還へ繋がる。第44話だけを根拠に完全死亡と確定しない。 ------------------------------------------------------------ 第45話 ------------------------------------------------------------ - デビモンは蛹を破るようにワープ進化し、理性の薄いダンデビモンとなる。光とデュナスモンは、崩壊するオグドモン内部で迎え撃つ。 - デュナスモンは光を守ろうとして注意を分散させ、落下物とダンデビモンの両方へ対処し切れなくなる。 - 生き残っていたヴォーボモンは、勇太のD3なしでも短時間だけラヴォーボモンへ進化し、光を背へ乗せて瓦礫から救う。光を「お姉ちゃん」と呼び、勇太を介さず結ばれた家族に近い関係を示す。 - 光は自分のデジソウルをデュナスモンへ送れる距離が約二十メートルしかなく、総量も限られると把握する。ラヴォーボモンと共に危険な間合いへ入り、進化維持を支える。 - デュナスモンは、光を守るため防御へ戻ると読まれていることに気づく。光の判断だけを待たず、光なら自分を信じて攻めさせると判断し、ダンデビモンへ踏み込む。 - 二人の読みが一致し、デュナスモンはダンデビモンをオグドモンの外へ殴り出す。光と相棒の関係は、命令と服従から相互判断へ変わる。 - シオンへ直接招かれた人間以外の選ばれし子供とパートナーは、天使側の干渉で強制的に各世界へ排出される。多数の援軍が戦場から消え、シオンは外部から孤立する。 - ダンデビモンは理性を失い、自分を巻き込む巨大なエネルギー攻撃を放つ。攻撃を受けた天使部隊は壊滅する。 - 光とデュナスモン、ケルビモン、サンドリモンらは連携し、ダンデビモンを撃破する。決定打を助けた一陣の風を、光は勇太の気配として感じる。 - デビモンは退化してなお生きている。部下たちが身を挺して守ったことに戸惑い、自分がデーモンの器である以前に、彼らを守りたいと願っていることを認める。 - 光はデビモンと旧デーモン軍へ一時同盟を提案する。サンドリモンは、悪魔なら誰かの都合でなく自分の欲望を通せと叱り、デビモンは仲間の側へ立つ。 - デビモンは、デザイアリングがデウス・エクス・マキナの「多数の願いを機械的に実現する性質」を利用し、欲望と混乱が増すほどダークエリアの封印を緩める装置だったと説明する。 - リングは並行世界のデーモンから、あまりに都合のよい時機と場所で回収された。鮎川聖の解析では、黒いリングに見せた白いコンセクレイションリングを世界中へ配り、任意の時点で一斉に切り替える計画が示されていた。 - セラフィモンとオファニモンを中心とする天使支配者は、カーネルへ干渉してデジタルワールドを掌握し、その後は現実世界も管理下へ置こうとしている。 - 第二波の天使軍が迫る。光とデュナスモンは追撃を遅らせるため残り、ケルビモン、サンドリモン、デビモンらはトレイルモンで避難する人間とデジモンを守る。 - 場面は現実世界の東京へ移る。デジタルワールドで消滅したはずの勇太が、自分の身体で目を覚ます。現実では数日しか経っておらず、ヴォーボモンも仲間も側にいない。 【第45話の変化・伏線】 - 悪魔との決戦から、天使による世界管理とリング支配へ敵の軸が移る。 - デビモンはデーモンの後継装置でなく、自分の仲間を選ぶ主体になり始める。 - 勇太は生還したが、光たちとの時間差、D3、ヴォーボモンとの接続、帰還の仕組みは未解決。 ------------------------------------------------------------ 第46話 ------------------------------------------------------------ - 日付は七月二十八日。勇太が新宿で消えたのは七月二十六日で、現実世界では二日しか経っていない。一方、勇太の体感ではデジタルワールドで半年以上が過ぎている。 - 失った右手と傷ついた目は現実の身体では元に戻り、長い旅で鍛えられた体格だけが残る。勇太は、全てが夢だった可能性を疑うが、記憶と喪失の実感は消えない。 - 家族と再会し、妹・日花の前では安心させようとする。叶と光は依然として失踪扱いで、光の祖父母は勇太へ事情を尋ねる。 - 勇太は、光は本当は優しい友人だと伝えるが、デジタルワールドの出来事を説明できず、また大切な事実を一人で抱え込む。 - 警察へ問い合わせても「電脳犯罪捜査課」という部署は存在せず、烏藤すみれという職員もいないと回答される。勇太は、組織的な隠蔽か世界のずれを疑う。 - オカルト掲示板や失踪事件を調べ、SNSで情報を求めるが、作り話や注目集めだと中傷される。家族へ迷惑が及ぶことを恐れ、アカウントを削除する。 - デジヴァイスもパートナーもなく、何もできない現実へ無力感を深める。家族を安心させるため忘れようとするが、光とヴォーボモンを置いて日常へ戻ることはできない。 - 同級生の結月茜が勇太へ接触する。茜は真面目で理路整然とした学級委員で、光の孤立にも異議を唱えていた。普段は標準語だが、感情が高ぶると博多弁が出る。 - 茜は、帰還後の勇太の変化と失踪中の言動を不審に思い、心配して後を追っていた。厚生省の健康維持・心のケア用アプリを見せる。 - TEZの信者を名乗る男が二人へ声を掛ける。正体はエンジェモンで、勇太と茜を繁殖・進化実験用の「飼育箱」へ入れるため、二人は適合性が高いと語る。 - エンジェモンは周囲から切り離された空間を作り、逃走路を塞ぐ。勇太は、デジタルワールドの天使による人間管理が現実世界に既に入り込んでいると知る。 - 小規模なゲートが開き、ひび割れたD3が勇太の手へ戻る。偽フェアリモンの風の脚も再び起動し、勇太は茜を守るため生身でエンジェモンへ向かう。 【第46話の変化・伏線】 - 現実世界とシオンでは時間の流れが大きく異なる。以後、両世界の同時進行を同じ経過日数として扱わない。 - 政府機関とTEZ、厚生省アプリ、警察記録の抹消が、天使の現実社会への浸透を示す。 - 勇太は身体を取り戻したが、ヴォーボモン不在のまま再び戦うことになる。 ------------------------------------------------------------ 第47話 ------------------------------------------------------------ - 勇太は一瞬、わざと捕まりTEZ内部へ潜入する案を考える。しかし服を掴む茜の手が震えていることに気づき、情報収集より目の前の相手を守る判断へ戻る。 - エンジェモンの攻撃を風の脚でかわし、廊下やガラス、閉鎖空間の形状を観察する。勇太は熱と風で光を屈折させ、分身のような蜃気楼を作る。 - さらに密閉された通路内の酸素濃度を局所的に高め、エンジェモンの呼吸と判断を乱す。超常的な力へ正面から勝つのでなく、環境と生理反応を利用して蹴りを通す。 - ゲートから羊型の小さなデジモン、エレプモンが現れる。エレプモンは茜を自分のパートナーと認め、電気を帯びた羊毛の網でエンジェモンを拘束する。 - 勇太の風とエレプモンの電撃、茜の判断が噛み合い、エンジェモンを撃破する。敵はデータへ還り、再構成可能な死として処理されるが、目の前の人格が消えた事実は軽く扱わない。 - 一行は通常サーバー側へ退避し、外套の協力者と会う。相手はロイヤルナイツのマグナモンで、シオンが封鎖されゲートがほぼ閉じたため、自分は直接入れないと説明する。 - マグナモンは勇太へD3を、茜へエレプモンとの接続を送った存在だった。現実世界からシオンへ入る残された手段を探している。 - 茜は勇太から光、ヴォーボモン、デジタルワールドの事情を聞く。突飛な説明を、目の前の証拠と勇太の行動から受け入れる。 - 勇太は茜を危険から外そうとするが、茜は光も勇太も同級生であり、自分の意志で助けると拒む。エレプモンも茜の側に残る。 - 二人はTEZが優秀な人間の選別、失踪、閉鎖的な教義を持つ組織であると調べる。茜は勇太への恋心を隠しながら行動を共にする。 - 第47話末、操縦士が既に死亡したAH-64D戦闘ヘリが何者かに電子的に乗っ取られ、警視庁本部を攻撃して着陸する。多数の犠牲が出て、天使と日本の治安機構の対立が表面化する。 【第47話の変化・伏線】 - 茜とエレプモンが新たなテイマー/パートナー組として成立する。 - マグナモンは援助者だが、ロイヤルナイツがシオンへ直接介入できない理由と、誰が世界を封鎖したかは未解決。 - AH-64D事件は単独テロでなく、警察、軍、天使の相互不信を作る工作へ繋がる。 ------------------------------------------------------------ 第48話 ------------------------------------------------------------ - 烏藤すみれは、デジタルワールドからパートナーのシンドゥーラモンと引き離され、現実世界へ強制帰還させられていた。電脳犯罪捜査課の他のパートナーもサイバー警察局へ「保全措置」として収容される。 - 電脳犯罪捜査課は、民間人と仲間を置き去りにした強制帰還、救援拒否、パートナーを危険物・資産として扱う方針へ抗議する。 - 警察上層部とサイバー警察局は、デジモンの統一管理と国家安全保障を理由に現場の訴えを退ける。すみれたちの部署そのものも、表向き存在しない扱いにされている。 - サイバー警察局長の「セラフィム」は、自分がセラフィモンであり、シオンの全権代表、電子生命体No.0だと明かす。 - セラフィモンによれば、天使は一九九五年に新宿の安定ゲートから日本へ接触した。米国も関与する秘密協定により、天使の技術が監視、犯罪予測、情報処理、健康管理などへ導入されてきた。 - AH-64Dが会議を狙って攻撃し、警察施設は大きく損壊する。表向きは軍による攻撃に見え、警察と自衛隊の相互不信が急速に高まる。 - 八月四日、すみれたちの部署は実務から外される。防衛省情報本部電波情報部の安所がすみれへ接触し、操縦士二名が離陸前に既に死亡し、雷のようなデジタル光が機体を乗っ取った映像を見せる。 - 安所は、天使がシオンの支配権をほぼ握り、日本警察も出所不明の天使AIへ依存していると指摘する。警察と軍を衝突させれば、非常時の統制を正当化できる。 - 警察は部隊を展開し、政府も信頼できる自衛隊部隊を動かす。互いが相手のクーデターを疑う状況が作られ、天使が人間側を直接支配せずとも自壊させられる段階へ進む。 - 時系列は八月二日の勇太と茜へ戻る。二人の家族は自宅から消え、家には監視が置かれている。 - ルクスモンが勇太の前へ現れ、自分が勇太を救命したと明かす。デジタルワールドで散り始めた勇太のデータを、現実世界に残る身体情報へ結び直したため、右手や目も含めて再生できた。 - ルクスモンは今も天使であり、組織へ反旗を翻すつもりはない。勇太と茜の家族はTEZ東京教会へ保護・収容されており、傷つけないと約束する。また、勇太を自分の側へ迎える望みも捨てていない。 - 勇太は家族を救うためTEZへ向かおうとするが、天使側への信頼はない。茜は、ルクスモンの言葉を鵜呑みにせず勇太を現実へ引き戻す。 - そこへ光の母・秋子がバイクとパワードスーツで現れる。箱庭から戻った秋子は勇太と茜を回収し、天使に奪われた娘を救うため行動を開始している。 【第48話の変化・伏線】 - 勇太の生還理由が、ルクスモンによるデータと現実身体の再接続と判明する。恩があっても、過去の強制融合や現在の組織加担は相殺されない。 - 日本政府・警察は突然侵略されたのでなく、約三十年前から天使技術へ依存していた。 - 安所は天使の工作を見抜きながら、勇太やケルビモンへ個人的な反応を示す。正体と最終目的は未開示。 ------------------------------------------------------------ 第49話 ------------------------------------------------------------ - 秋子は、かつて十代の天才技術者として働いたイワヤ製作所へ勇太と茜を連れて行く。光を守れなかった秋子へ工場長は強い怒りを持つが、今は娘を救うという目的のため話を聞く。 - 技術者たちは勇太のD3を、単独進化より複数個体の接続・ジョグレスへ特化した不安定な装置と分析する。茜のバイタルブレスは心拍や精神状態を送り、パートナーを支援する性質が強い。 - 工場の作業員が突然襲い掛かり、自分の身体を壊すほどの力を振るう。首には白いコンセクレイションリングが完成している。 - エレプモンは作業員のスマートフォンから異常なデジタルプログラムを検出し、電撃で破壊する。起動していたのは茜が勇太へ勧めた厚生省の健康維持アプリだった。 - 茜の首にもリングが形成されかける。完成前だったため、勇太が蹴り飛ばして切り離すことに成功する。完成後のリングは同じ方法では外せない。 - 工場長は、個人的な怒りより目前の侵略を優先し、社員と家族を神奈川方面へ避難させる。同時に工場の設備を使い、TEZ突入用のパワードスーツ、武器、車両を急造する。 - 準備の合間、勇太と茜は水族館へ出かける。普通の同級生として笑う時間の中でも、勇太の話題は繰り返し光へ戻り、茜は自分が入り込めない絆を感じる。 - 海辺で勇太は、光が自分の本当の初恋であり、救う使命だけでなく、隣にいたいから会いに行くのだと認める。 - 茜は自分の告白を飲み込み、勇太へ光に気持ちを伝えるよう背中を押す。勇太と別れた後、エレプモンを抱いて泣くが、光を排除して勇太を得る道は選ばない。 - エレプモンは、恋が叶わなくても自分は茜の側にいると寄り添う。茜とパートナーの関係が、恋愛の代用品でなく、悲しみを共有できる居場所として強まる。 - 二日後、イワヤ製作所の突入準備が整う。秋子、勇太、茜はパワードスーツを着てTEZへ向かう。 - 場面はデジタルワールドへ移り、天使軍に追われる光とデュナスモンがファクトリアタウンで避難民を守っていることが示される。 【第49話の変化・伏線】 - コンセクレイションリングは、健康アプリを介して現実世界の一般人にも形成される。本人の意思が急に強くなったように見える点が、単純な洗脳より危険である。 - 勇太は光への感情を「救うべき相手」から「自分が共にいたい初恋の相手」へ言語化する。 - 茜の失恋と嫉妬は消えず、後の琴音による誘惑へ繋がる。 ------------------------------------------------------------ 第50話 ------------------------------------------------------------ - デジタルワールドではデーモン決戦から約半年が経過している。光とデュナスモンはマンティコアモンを一撃で倒し、天使に追われる人間とデジモンの避難拠点ファクトリアタウンを守る。 - 光は勇太の死を受け入れたように静かで、以前より感情を表へ出さない。戦闘判断は鋭いが、自分を消耗品のように扱い休息を避ける。 - 人間の少女・佐藤宮子とグレイモン、ピコデビモンらは、悪魔型だからという理由で責められる避難民を庇う。機械型デジモンのマリンブルモンたちとの対立が、街の内部にも残る差別と不信を示す。 - サンドリモンは、天使の繁殖・進化システムから救出された子供や幼いデジモンの世話をする。かつて弱者を価値なしと見た自分が、強さ以外の生命の価値を学んでいる。 - サンドリモンは光が自分の命を軽く扱っていることを案じる。勇太を失った光は戦い続けることで考える時間を消そうとしており、勝利しても喪失は癒えていない。 - ヴォーボモンは勇太が生きている感覚を得て、ベルスターモンと共に捜索へ出た。光も完全には信じ切れないが、二人を逃がすため表向きは別の任務を命じたことにする。 - 難民の増加で食料、住居、通信、医療が不足し、機械型、人間、悪魔型の間で責任の押し付け合いが起きる。外の天使軍だけでなく、共同体が崩れる危険が高まる。 - 天使側の現場指揮官アルケーエンジェモンは、マンティコアモンを消費しても街を落とせず苛立つ。そこへオファニモン直属のラブリーエンジェモンが現れ、住民殺害とは別の目的を持つ作戦を始める。 - 光は過労で倒れ、休むよう命じられる。それでも巨大な落下物を察知すると命令を破り、デュナスモンと出撃する。 - 改造されたソルメラモンが衛星軌道から落下し、サンドリモンの防壁を貫いて街へ突き刺さる。天使側は、ソルメラモンそのものを兵器でなく、何かを作る炉として使おうとしている。 - 光とデュナスモンが攻撃すると、それを起爆条件としてソルメラモンは直径約五キロメートルの「地上の太陽」へ膨張する。光とデュナスモンは内部へ呑まれる。 【第50話の変化・伏線】 - 現実世界で数日しか経たない間に、シオンでは約半年が経過している。 - 光の冷静さは完全な回復でなく、勇太を失った悲しみと自己価値の低下を抑え込んだ状態。 - ソルメラモン作戦の主目的は都市破壊ではなく、全個体へ適合するリングの製造と示唆される。 ------------------------------------------------------------ 第51話 ------------------------------------------------------------ - ソルメラモンは半径約五キロメートル、表面温度約五千度の火球となる。しかし中心から約二キロメートルの内部は約四十度に保たれ、熱とは別の未知エネルギーが循環している。 - 観測から、約四十八時間後に再膨張または爆発し、避難を始めても間に合わないと分かる。街の住民は、光たちを救うか見捨てるか、そもそも悪魔型を守る価値があるかで争う。 - 直前の落下でガードロモンは宮子を庇って死亡し、宮子も重傷を負っている。マリンブルモンは怒りを悪魔型へ向けるが、ピコデビモンと宮子が頭を下げ、互いの救助と犠牲を示す。 - 宮子は、自分にはデジタルワールドの長い憎しみを理解し切れないと認めた上で、目の前の優しい相手まで種族で決めないでほしいと訴える。マリンブルモンは、失ったシャコモンの面影を彼らへ重ね、自分の憎悪が別の空白を生んでいると気づく。 - 翌朝、マリンブルモンは宮子とピコデビモンへ謝る。全員が赦し合ったことにはせず、共同作業を選べる最初の段階として描かれる。 - 機械型、植物型、氷雪型、悪魔型、人間の技術者が合同で攻略案を立てる。磁場を乱して再結合現象と黒点を作り、地下へ伸びるエネルギーコードを植物データで分解・被覆する。 - 氷雪型が雲と冷却層を作り、モデムを介してソルメラモンの内部処理へ矛盾した命令を送り込む。脈動、再生、防御の周期を観測し、膨張直前にだけ現れる短い「谷」を作る。 - 火球内部で光は墓標のようなものが並ぶ暗い水底へ沈み、自分も勇太の側へ行きたい誘惑を受ける。勇太のゴーグルとタグ、仲間の声が、勇太の願いは光が死ぬことでなく生きることだったと思い出させる。 - ケルビモンが光とデュナスモンを死の幻から引き上げ、作戦の最終段階へ運ぶ。 - 技術者たちは、アルマモンのデータとレジェンドアームズ技術を使った未完成兵器「アルマリオン・フィンガー」を射出する。デュナスモンが腕へ装着し、爆発エネルギーを光へ変換して貫く。 - 全陣営の工作で生まれた一瞬へデュナスモンが突入し、膨張するソルメラモンを光の渦へ変えて消滅させる。アルマリオン・フィンガーもひび割れて崩壊する。 - ソルメラモンの中心には、多様な個体へ即座に適合できるコンセクレイションリングが生成されていた。天使側の主目的は、長期間かかる寄生的適応を巨大エネルギーで短縮し、汎用リングを量産することだった。 - ラブリーエンジェモンは、情報を漏らしたアルケーエンジェモンを反逆者として殺害し、汎用リングを回収する。明るい口調の裏に苛烈な選民思想と格闘能力を持つ。 - デュナスモン、サンドリモン、アンティラモンらが包囲するが、ラブリーエンジェモンは全員の攻撃を防ぎ、急所へ正確に反撃する。特に、傷ついても威厳を失わない光へ強い憎悪を向ける。 - 空が割れ、天使の大軍とゴッドドラモン、ホーリードラモンが降下する。ファクトリアタウンはソルメラモンを退けた直後、さらに大きな包囲戦へ入る。 - 別の場所、ムゲンマウンテンでは、勇太を探すヴォーボモンがマンティコアモンに追われる。叶とブイモン、浮状希理江とジャザモンが現れ、ヴォーボモンを救う。 【第51話の変化・伏線】 - 汎用コンセクレイションリングの製造目的が明確になる。現実世界の「サポタマ」による個別適応と、シオンの炉による一括適応が同じ支配計画の両輪。 - 光は勇太の後を追って死ぬのでなく、勇太が望んだ未来を生きる方向へ戻る。 - 叶、ヴォーボモン、希理江の合流により、現実世界へのゲート突破編が始まる。 ------------------------------------------------------------ 第52話 ------------------------------------------------------------ - ムゲンマウンテンで、ヴォーボモンは叶、ブイモン、浮状希理江、ジャザモンと再会する。切迫した状況でも、久しぶりの友人同士として抱きつき、食事や呼び方をめぐる賑やかなやり取りが入る。 - 希理江は十二歳の探検家で、ジャザモンとデジタルワールド各地を歩き地図を作っている。明るく距離が近い一方、未知の土地と死の危険を数字と地形で考える現実性を持つ。 - 叶とブイモンは、以前の支配と怯えを引きずりながらも、互いの身体を気遣い、冗談を交わせる相棒へ変わっている。ブイモンは不完全だった進化能力も取り戻している。 - ヴォーボモンは、理屈では説明できなくても勇太が生きていると感じる。以前の叶なら希望を否定したが、今はパートナー同士の結び付きを、自分とブイモンの経験から信じる。 - 叶は、デーモンが開いた門から一度現実世界へ戻り、ロイヤルナイツのマグナモンと出会ったと説明する。マグナモンはシオンへ直接入れず、叶を再び送り込んで内部と現実をつなごうとしていた。 - 現実世界へ通じるゲートは七つ確認されている。他の六つは協力者が突破できる可能性を約三割まで上げたが、ムゲンマウンテンの第一ゲートだけは一パーセント未満と見積もられる。 - 第一ゲートを守るのはシスタモン・シエル。種族上は成熟期でも、斬るという一点に異常な能力を持ち、天使の命令に従う者まで近づけば切る。老化か長い戦闘で認知が崩れ、決闘への執着だけが残っている。 - 正面戦闘ではデーモン以上の危険があり、究極体級の力も、炎や空間も切断され得る。それでもヴォーボモンは、勇太の気配がこのゲートの先にあると主張する。 - 叶、ブイモン、希理江、ジャザモンは、ヴォーボモンだけを行かせない。成功率の低さを隠さず、囮、地形、複数進化、ゲート通過役を分担する。 - 希理江は叶へ、勇太のため死ぬつもりかと問う。叶は、命を賭ける必要はあるが死にたいのではなく、ブイモン、勇太、光と未来へ戻るため戦うと答える。 - 霧に覆われたムゲンマウンテンで、希理江とジャザモンが敵部隊を引き離し、叶とブイモンがシエルを止め、ヴォーボモンがゲートへ走る作戦が始まる。 【第52話の変化・伏線】 - 叶は自己破壊的な贖罪でなく、帰りたい未来を持って危険を引き受ける段階へ進む。 - ヴォーボモンと勇太の接続はD3がなくても残り、両世界を結ぶ導きになる。 - 七つのゲート、ロイヤルナイツ、シオンへの直接介入不能という条件が現実世界合流の仕組みになる。 ------------------------------------------------------------ 第53話 ------------------------------------------------------------ - 希理江とジャザリッヒモンは、山の上昇気流、霧、岩塔を使い、天使の巡回部隊とマンティコアモンをシエルから引き離す。 - 急旋回で逃げ切るのでなく、敵が追いつける程度の速度を保って狭い岩場へ誘導する。巨体を退化で消して敵を壁へ衝突させ、最後はメタリックドラモンへ進化してレーザーキャノンで撃破する。 - シスタモン・シエルは、自分へ命令したり触れたりする味方の天使すら切り捨て、第一ゲート前で叶との一対一だけを待つ。 - 叶はブイモンを勇気のデジメンタルでブレイズドラモンへ進化させ、渦状の炎を浴びせる。しかしシエルは炎そのものを斬り、無傷で踏み込む。 - 次に純真のデジメンタルでバンチョウヤシャモンとなり、植物、岩盤、傀儡、崩れる足場を同時に使う。シエルは足場の破片さえ踏み台にし、片脚を切り裂く。 - マーダー・ビーモンの群体と高速攻撃も、一体ずつ正確に切られる。進化を維持できず、ブイモンまで退化する。 - これらの進化は無意味な失敗でなく、シエルの視線、足運び、斬撃の癖を蓄積し、傀儡と破片を戦場へ残すための段階だった。 - 叶は自分自身も鉄パイプを持って接近し、ブイモンが作った囮と足場を使う。シエルの剣は叶の胸を貫く。 - 叶は逃げず、刺された身体でシエルを掴み、ヴォーボモンへ声を出さず「今だ」と伝える。自分の死を望むのでなく、唯一の通過機会へ役割を果たす。 - ヴォーボモンは叶を置いて行く痛みに耐え、第一ゲートへ飛び込む。叶の拘束が外れる直前、希理江とメタリックドラモンも到着し、あと半歩の時間を作る。 - ヴォーボモンは現実世界の新宿、都庁周辺へ到達する。街は大量の死傷者と破壊に覆われ、結晶の壁で封鎖されている。 - 勇太の気配を感じながら、ヴォーボモンは再会が間に合わないかもしれない恐怖へ駆られ、惨状の中を走り出す。 【第53話の変化・伏線】 - 叶は胸を貫かれるが、第53話終了時点で死亡は確定しない。希理江とブイモンが残っており、以後に確認されるまで生死不明とする。 - シエルも倒されたとは明記されない。ゲート突破が成功したことと、守護者撃破を混同しない。 - ヴォーボモンは現実世界へ到着したが、勇太とはまだ合流していない。 ------------------------------------------------------------ 第54話 ------------------------------------------------------------ - 八月五日、安所は国立新美術館ですみれへ秘密裏に追加情報を渡す。公的機関の通信と施設が天使に監視されるため、人の少ない展示空間が会合場所になる。 - 電脳犯罪捜査課のパートナーデジモンはTEZ東京施設の地下に収容され、セラフィモンは上層部にいる可能性が高い。 - 厚生省の健康・精神支援アプリ「サポタマ」は国民の約八割が利用する。表向きは心身を支えるが、内部の天使プログラムが行動、感情、判断、自己像を継続収集している。 - コンセクレイションリングは、命令を直接押し付けるのでなく、依存、不安、孤立が高まった時に「自分でそうしたい」と感じる提案を与える。個人の葛藤を消し、集団全体を一つの最適解へ従わせる。 - 天使は、日本社会に元からある過労、孤立、比較、自己責任化、失敗への恐怖を作ったのではない。それらを観測し、増幅し、敵と救済の物語を与えて支配へ使う。 - 本人が進んで従う段階で足りなければ、汎用リングと非常事態を使った強制安定化へ移行すると安所は予測する。 - すみれと電脳犯罪捜査課は、命令違反と処分を覚悟し、TEZへ潜入してパートナーを救出する。安所は、露出が多い一方で電子迷彩と対デジモン防護を備えた特殊スーツを渡す。 - 安所は、勇太が既にリング支配を受けている可能性と、偽スピリットを使える人間としての危険性を警告する。遭遇時には保護対象と決めつけず、敵として制圧する判断も必要だと告げる。 - すみれたちがTEZへ到着すると、イワヤ製作所側が無人の礼拝堂を既に爆破している。互いに相手の作戦を知らない二つの救出部隊が、偶然同時に突入することになる。 【第54話の変化・伏線】 - リング支配の本質は「命令された人形」ではなく、「外から設計された欲望を自分の決断と思う人間」である。 - すみれと勇太は同じ目的を持ちながら、偽情報と半形成リングのため敵対する可能性を作られる。 - 安所は有用な情報を出すが、どこまで政府の意思を代表し、何を知っているかは断定しない。 ------------------------------------------------------------ 第55話 ------------------------------------------------------------ - TEZ東京施設への二つの突入作戦が同時に始まる。イワヤ製作所の車両班は警察側を信用せず、秋子は、天使が警察上層へ浸透している以上すみれ個人まで敵と決めるなと抑える。 - 施設内ではセラフィモンが、新たにリングを形成された捕虜を人間社会統制の実験材料として扱う。ルクスモンは勇太の家族を使うことへ反対するが、天使組織から離脱はしない。 - すみれたちは電子迷彩で地下へ侵入し、収容されたパートナーデジモンを救出する。パートナーと結び直した隊員双方の首に半形成のリングが現れるが、この時点では明確な精神支配は起きていない。 - イワヤ側は二つ目の礼拝堂を爆破して陽動を作り、秋子、勇太、茜が三つ目の施設へ入る。 - TEZ側には、元警察官の篠原誠司とエリザモン/シードラモン、安藤琴音とシェイドモン、琴音に支配された太田勇斗、焼けた姿で生き残る渡辺直人とムゲンドラモンが待つ。 - 勇太は篠原とシードラモンを自分へ引きつけ、茜と秋子から離す。上階へ向かいながら、風の脚と施設設備を使って巨大な相手を翻弄する。 - 茜と秋子は琴音、シェイドモン、勇斗へ対峙する。琴音は、好きな相手を自分だけ見るよう壊せば幸せになれると茜を誘惑し、光への嫉妬を刺激する。後からすみれ側の隊員も合流して退路を作る。 - 家族が閉じ込められた区画前で、勇太とすみれが鉢合わせる。互いの首に半形成リングがあり、安所の警告とルクスモンの情報も食い違うため、両者は相手が支配されていると疑う。 - すみれはシンドゥーラモンへ勇太の制圧を命じる。勇太の攻撃は硬い装甲へ通らないが、すみれが背後の部屋を守る動きから、そこに家族がいると見抜き、母へ会わせてほしいと訴える。 - 勇太が救出対象を攻撃する意思を持たず、すみれも家族の存在を隠し切れないことで誤解が解ける。二人は完全に信頼を回復したのでなく、同じ現実を確かめて共闘へ戻る。 - 部屋にいた勇太の両親、妹、親族は裸にされ、完成したリングで支配されている。家族は勇太を敵と認識して殴り掛かり、リングは力ずくで外せない。勇太は、帰るため戦ってきた家族から拒絶され崩れる。 - ルクスモンは、家族を傷つけないという約束を守れなかったことを謝る。光がデジタルワールドでオファニモンの軍に追い詰められていると教え、直人を警戒するよう告げるが、それでも天使側に残る。 - ムゲンドラモンが床を崩し、大吾とダイナモンらを瓦礫で分断する。勇太は落下する家族を自分の身体で守り、戦闘と救助を同時に続ける。 - 直人は、勇太の母と妹へ性的加害を行った後にリングを付けたと主張し、勇太を意図的に激情へ落とそうとする。この発言は直人自身による悪意ある挑発であり、客観的に確認された事実として扱わない。 - セラフィモンは、自衛隊が接近したため計画を前倒しする。負傷し支配された信者と捕虜、勇太の家族を並べ、施設を燃やしながら賛歌を歌わせる。 - 全国の画面には、悪魔型デジモンが渋谷、名古屋などを虐殺し、デーモンが自衛隊との協力を宣言する映像が流れる。すみれは「デーモン」の口の動きがセラフィモンの声と一致することを見抜き、天使による偽装だと判断する。 - 巨大なデジタル結晶壁が日本を外界から隔離する。セラフィモンは、恐怖と責任転嫁を最大化し、人々が自らリングの秩序を望むようにすると宣言する。 - セラフィモンは、デジモンとデジタルワールドがインターネット以前から、人間の神経活動、物語、恐怖、模倣される記憶の網から生まれ、一時は神や怪物として現実へ現れた存在だと語る。 - 人間のミームは今もデジモンへ流れ込み、人間の悪意や欲望も「原罪」としてデジモンへ刻まれる。天使は、獣型や悪魔型をその汚染の体現とみなし、来る破局を生き残るには全生命をリングで一つの楽園へ統合するしかないと考える。 - イワヤ製作所、電脳犯罪捜査課、安所側の自衛隊が協力して脱出路を作る。TEZ施設は崩壊するが、セラフィモンは真の巨大な姿を現し、日本全域を支配する段階へ移る。 【第55話の変化・伏線】 - 「悪魔のテロ」は天使による演出で、恐怖を利用したリング形成の引き金。映像や公式発表をそのまま事実として扱わない。 - 勇太の家族は救出されたが、リングによる心理改変と施設内で受けた被害は残る。脱出だけで元の日常へ戻さない。 - デジモンの起源と「原罪」はセラフィモン側の説明を含む。観測された設定と天使の思想的解釈を完全に同一視しない。 - セラフィモンの目的は単なる世界征服でなく、自由意志を危険な揺らぎとして消し、多数を生存させる管理社会の完成。 ------------------------------------------------------------ 第56話 ------------------------------------------------------------ - セラフィモンの虐殺と日本封鎖から三日。渋谷では、リングを形成された家族や恋人が「より大きな幸福」のため身近な者を攻撃し、生存者は即席の避難所へ集まる。 - 電脳犯罪捜査課と一部の自衛隊は命令系統から離れ、避難民を密かに守る。警察は命令違反を理由に電脳犯罪捜査課の全員を免職する。 - 結晶壁は外から日本へ入ることを許すが、中から出ることを許さない。海外報道や救援者をあえて招き入れ、犠牲と恐怖を世界へ広げる罠でもある。 - 通信は完全遮断せず、時折回復する。助けが来る希望と、別地域の虐殺映像を交互に与え、不安と依存を最大化するためセラフィモンが調整している。 - 勇太の家族はリングの制御を抑えられた後も、恐怖、混乱、攻撃性が残り、家族同士で傷つけ合う。勇太は看病と避難民救助を続け、自分の帰還と選択が皆を巻き込んだという思いで限界へ近づく。 - 恋夜は自分の過去を重ね、勇太を黙って支える。助言で傷を消すのでなく、動けない時の見張りや救助を分担する。 - 篠原誠司の過去が共有される。神奈川県警の優秀な刑事だった篠原は特殊詐欺・強盗組織「トクリュウ」を追い詰めたが、腐敗した警察官に家族情報を漏らされ、妻と六歳の娘・雅を殺された。 - 世論と報道は篠原自身を疑い、正義を信じた仕事が家族を奪った。セラフィモンは彼を犯人たちの独房へ導き、篠原はデジソウルで自ら復讐を果たす。 - 復讐後も空虚さは消えず、篠原は自分で考え続ける苦痛から逃れるためリングと天使の秩序を選んだ。同時に、かつての自分のような理想主義者に止めてもらう、遅い自殺に近い願いを抱く。 - 秋子は直人への復讐に行かず、避難所の後方支援と光救出の準備を選ぶ。憎しみに人生の進路を決めさせないことが、直人の支配を破る行動になる。 - すみれは勇太へ、負傷と家族を理由に避難所へ残るよう一度命じる。しかし最後には、正解を大人から与えるのでなく、自分で考え、その結果を引き受けることが勇太の主体性だと認める。 - すみれ自身も、信じた警察の使命と職を失い、判断へ迷っている。大人だから迷わないのではなく、迷っても選び続ける姿を勇太へ見せる。 - 茜は、すみれが勇太を抱き止める場面に強い嫉妬を覚え、琴音の「自分だけを見させればよい」という言葉を思い出す。それを自分の醜さとして認めながら、勇太の選択を奪う道は拒む。 - 勇太は、自分の選択が誰かを傷つけることを恐れ続ける。それでも、母がかすかに服を握った反応から、考えることをやめず、内側の熱と正義を捨てず戦うと決める。 - 作戦の目的は都庁のゲート確保とセラフィモンの撃破。部隊は複数へ分かれ、大吾とダイナモンがヘラクルカブテリモン、デジマルとアヌビモンがクロスモン/デビタマモンを引き受ける。 - 紋十郎と三体のガルルモン系、合流した大吾/ダイナモン、デジマル/アヌビモンらは、崩壊したTEZ屋上でセラフィモンへ挑む。個々には勝てなくても、都庁へ向かう部隊の時間を作る。 - 源乃と宗介は遠距離支援、丁たちは避難所防衛へ回る。勇太、すみれ、茜、恋夜は自衛隊車両で都庁へ向かう。 - 安所は勇太やケルビモンへ個人的な既視感を示すが、正体を説明しない。協力者である一方、全ての意図を共有しているわけではない。 - 篠原と琴音が移動部隊を待ち伏せし、破壊された道路と建物で一行を分断する。勇太とすみれは篠原/エリザモン側、茜と恋夜は琴音/シェイドモン側へ取り残される。 - 篠原はエリザモンをマリンブルモンへ変異進化させ、琴音は茜の恋心へ再び揺さぶりを掛ける。第56話は二つの戦闘が始まったところで終わる。 【第56話の変化・伏線】 - 勇太の課題は「正しい選択を当てる」ことでなく、誤り得る自由と責任を捨てないこと。これはリングの無葛藤な最適化と対立する。 - 篠原は天使への忠誠だけで戦う敵でなく、自分を止める他者を待つ絶望を抱える。ただし家族を失った過去は現在の加害を免罪しない。 - 琴音の支配的な恋愛と茜の片思いが対照になり、相手の選択を残す愛情が試される。 ------------------------------------------------------------ 第57話 ------------------------------------------------------------ - 雨の新宿で、勇太、すみれ、シンドゥーラモンは篠原誠司と、エリザモンが変異したマリンブルモンへ対峙する。 - マリンブルモンは純水の壁で電撃を遮断し、シンドゥーラモンの雷を無効化する。勇太は正面の火力でなく、視界、重量、移動方向を崩す戦術へ切り替える。 - 勇太は隠していた閃光で篠原の視界を奪い、風の縄で球形のシンドゥーラモンを振り子のように何度も加速させる。すみれも磁気ワイヤーとパワードスーツの蹴りを重ね、マリンブルモンの角を破壊する。 - 篠原はさらに力を解放し、エリザモンを究極体リュウグウモンへ進化させる。額の結晶から放つレーザーと巨体は、消耗した三人を圧倒する。 - シンドゥーラモンは一瞬だけホウオウモンへ進化してレーザーを防ぐが、維持できず退化する。すみれも直撃と落下で重傷を負う。 - 勇太はすみれを庇い、砕けたガラスで全身を切られ、右上腕を錆びた鉄筋に貫かれる。家族、光、叶、健太郎、目の前のすみれまで、自分の判断が皆を傷つけたという恐怖が再燃する。 - それでも、倒れたすみれが勇太の服を掴み、シンドゥーラモンも責めるのでなく頷く。二人が自分の意思で共に来た事実を、勇太はようやく他者の選択として受け取る。 - 勇太は、今も選ぶことが怖く、自分が正しいとは断言できないと篠原へ告げる。それでも胸の熱と正義を捨て、誰かの答えだけに従うことはできないと立つ。 - その言葉は、かつて正義を信じ、家族の死と世間の非難で理想を失った篠原の過去を揺さぶる。篠原は、天使への協力が自分の殻を誰かに壊してもらう遅い自殺だったと認める。 - シンドゥーラモンが先に放ち、戦場を巡回して戻ってきた雷が死角から命中する。リュウグウモンの片腕が切断され、組成を維持できずエリザモンへ退化する。 - 勇太は風を纏った最後の蹴りで篠原へ向かう。篠原は反射的にエリザモンを突き飛ばし、自分の身体で攻撃を受ける。 - 勇太は最初から致命点を外していた。篠原が戦闘中に勇太へ「家へ帰れ」と言い、最後にはエリザモンを庇ったため、完全に他者を捨てた人間ではないと見抜いていた。 - 篠原は天使側を離れ、この戦いが終われば自首すると決める。「もう逃げない」と言い、倒れる。呼吸と意思は示されるが、重傷のため第57話終了時点の回復までは確定しない。 - セラフィモンは篠原の離反を察知し、数十体の天使を勇太たちへ差し向ける。勇太は出血と連戦で倒れ、すみれとシンドゥーラモンも戦闘不能に近い。 - そこへデジタルワールドで別れた三下慎平がクロスローダーを持って現れる。スカモンの軍勢、マッハモン、ジャンクモン、ターゲットモンらが天使を攪乱し、増援を押し返す。 - 慎平は、再会した勇太がまた全身傷だらけであることへ呆れたように声を掛ける。第57話は、デジタルワールド側の仲間が現実世界の戦線へ到着した場面で終わる。 【第57話の変化・伏線】 - 篠原は離反したが、法的・倫理的責任が消えたわけではなく、本人も自首を選ぶ。 - 勇太は「自分の判断で他人を傷つける恐怖」を克服して消すのでなく、他者にも選択があると認めた上で進む。 - 慎平たちの到着経路、ヴォーボモンの現在地、叶と希理江の生死、都庁ゲートとセラフィモン戦、ファクトリアタウンの包囲戦は未解決のまま第58話へ続く。 ============================================================ 【第1話~第57話の流れを一続きで要約】 ============================================================ - 勇太は新宿で、孤立した同級生・光が異世界へ吸い込まれるのを見て、従兄の安全側へ戻るより光の手を取る。 - デジタルワールドで二人はヴォーボモンとギルモン/デビドラモンに出会い、異変を解決しなければ帰れない可能性を知る。 - 光はデビドラモンを怪物・道具として扱い、勇太も自分をヒーローに見せたいだけではないかと悩む。 - 勇太が恐怖の中でも他者を庇ったことでヴォーボモンが一時進化し、光も勇太を失いたくない気持ちを認め始める。 - アルケニモンの街で、光は母、義父、性的・身体的虐待の記憶と向き合う。勇太と泣き、デビドラモンや捨てられた子供たちと共に、自分の意思で支配者へ立ち向かう。 - 光は過去を消すのではなく、マイナスからゼロへ進むと決め、勇太と下の名前で呼び合う。 - 三上竜馬から、選ばれし子供は複数おり、使命、倫理、帰還条件が全員違うと知らされる。 - レジストシティで、世界のデータ性、死の現実性、成熟期以上の失踪と改変を知る。 - ヴォーボモンはオーガモンへの恐怖から逃げるが、勇太は強制せず待ち、光は「自分を信じる仲間を信じろ」と背を押す。 - 勇太とヴォーボモンは互いを選び、ラヴォーボモンへの安定進化を得る。強さは勝敗でなく、弱さを認めて選び続ける心だと学ぶ。 - Local58で鮎川聖の心理操作と月の支配事件に巻き込まれ、勇太は自分を褒める大人への弱さ、光は勇太を奪われる恐怖を露呈する。 - 最終的に勇太は光の疑いを信じ、警察側と連携するが、聖はダークドラモンと共に逃げる。 - 雪奈、ホロネ、良子、イサミ、しずみ、璃奈たちとの出会いを通じ、四人は恋愛、友情、相棒、家族の境界を少しずつ作る。 - 光は「家族は血で決まらず、失った相手を忘れずに新しく作れる」と他者へ語れるまで成長する。 - 一行は黒いリング事件を追うが、勇太は進化を安定させられず、自分だけが役立たないという劣等感を深める。偽スピリットの足だけが残り、人間の身体でも戦場へ入れるようになる。 - テリアモンの村で、リングの被害が単なる洗脳ではなく、本能を解放し、破壊後も傷を残すことを知る。 - 勇太は人食い衝動に負けかけたロップモンを言葉で戻すが、ベルスターモンが兄弟を射殺し、その努力を無意味にする。 - 救済を奪われた勇太は殺意へ落ち、ヴォーボモンを暗黒進化させ、光まで殺しかける。 - 第17話で、勇太の「ヒーローでありたい」という自己像はいったん崩壊し、物語は「人を助ける少年」から「自分の怪物性を知った少年が、それでも何を選ぶか」へ移る。 - 第18話で勇太、光、ヴォーボモンは、暴走の恐怖を消さずに言葉へし、互いをもう一度選ぶ。一方、叶とルクスモンが裏でデーモンと結び付き、勇太を孤立させる構図が明らかになる。 - 闘技場の街で勇太たちは、叶と協力してランキング一位となり、街中のリングを解除する。しかし叶は直後に街を襲い、勇太へ知られたくない罪と、勇太へ人が集まることへの嫉妬を深める。 - ムゲンマウンテンで叶の裏切りが露見し、デーモンが勇太たちを圧倒する。ケルビモン、アポロモン、ディアナモンに救われ、一行は別世界イリアスへ逃れる。 - イリアスで、シオン、カーネル、ダークエリア、複数デジタルワールドの構造と、ケルビモンが勇太たちを召喚した経緯を知る。 - フレアモンとクレシェモンの修行は、単純な強化でなく、勇太の怒りの根、光が逃げずに隣へ立つ理由、二組のパートナー関係を見直す時間となる。 - しんもんざえモンとの戦いで、勇太は怒りの発散ではなく、受け取った誇りを守るため戦うと答えを出し、太陽の紋章とラヴォガリータモンへの完全体進化を得る。その代償としてフレアモンを失う。 - 光は義父・渡辺直人との再会で過去の被害を再体験し、ルクスモンとデビモンはその傷を利用して勇太と光を別々に孤立させる。 - オリンポス十二神は当初二人へ責任を問うが、デーモンを全世界の脅威と認めて協力する。クレシェモンは月の紋章を光へ託し、追手を止めるためイリアスへ残る。 - 慎平とラセツモン、サンドリモンとの事件を通じ、暴力だけでない強さ、弱い者同士の連携、罪を認めた後の贖罪が描かれる。サンドリモンは敵から協力者へ移るが、過去の罪は消えない。 - ソドムの願いの仕組みは、誰かを捧げて何かを得る交換であり、捨てられた者が塔内部へ積まれている。叶はそこで勇太と戦い、勇太は初めて叶を後退させるが、門は壊れて闇が漏れ出す。 - 鮎川聖と閉じ込められた天使の実験空間で、勇太は二か月以上を過ごす。天使社会は人間とデジモンを進化・繁殖の資源として管理し、勇太へ執着するルクスモンもその内部に属しながら反発していると分かる。 - 勇太は聖と共に天使都市を破壊し、囚人を解放する。聖は共闘後も虐殺を選ぼうとするため、勇太は彼女を理解しながら止め、再び別の道へ分かれる。 - ゴモラで光は、換装式ムゲンドラモンと渡辺直人へ対峙する。過去の被害を再演されても、自分の人生を仮面へ渡すことを拒み、勇太と再会してトワイライトドゥールドラモンへの究極体ジョグレスを成立させ、渡辺を倒す。 - しかし光は、失った両親との暮らしを選び、世界を犠牲にする契約を実行する。ガルフモンをコアにオグドモンが起動し、デーモンと軍勢、複数の模造オグドモンが世界へ現れる。 - 勇太たちは光を殺せば危機を早く終えられると知りながら、連れ戻す道を選ぶ。勇太は叶を、主力はデーモンを、仲間たちは軍勢とデザイアリングを担当して最終決戦へ入る。 - 叶は、勇太が本来の選ばれし子供ではなく、叶のデジヴァイスで無理に進化させてきたと暴露し、ヴォーボモンも支配する。制度上の資格、パートナー、ヒーロー像を一度に奪われ、勇太は完全に崩れる。 - ルクスモンは勇太へ真のパートナーを名乗り、強制融合してハシュマモンとなる。圧倒的な力で敵だけでなく味方も大量に殺し、勇太を罪と孤立へ追い込む。 - 土井健太郎は、かつて勇太へヒーローの姿を見せた本人としてジャスティモンへ変身し、右腕も命も失いながら勇太を融合から取り戻す。勇太の英雄観は、選ばれた資格でなく、誰かが見せた行動を次へ渡す連鎖として再構成される。 - 第38話でアンティラモンは、選ばれし子供の肩書は機械的な選定にすぎず、勇太がここまで来たのは自分で選び続けたからだと伝える。勇太は何も持たない生身で戦場を走り、過去に救った人々から道を返される。 - 勇太はルクスモンの力を再び拒み、使命ではなく「一緒にいたい」という本心でヴォーボモンを取り戻す。ヴォーボモンも、所有者や制度ではなく自分の意思で勇太を選ぶ。 - 壊れかけたデジヴァイスは二人の相互選択へ応え、ヴォーボモンは究極体ヴォルケニックドラモンへ進化する。第38話終了時点で、勇太対叶、味方主力対超究極体デーモン、オグドモン内部の二つの影という三つの決戦軸が同時進行している。 - オグドモン内部で圭吾とデビドラモンが光の悲しみに気づき、家族世界の住人自身が、犠牲の上の幸福へ異議を唱え始める。 - 勇太はヴォルケニックドラモンで叶と戦い、力で勝った後も見捨てない。互いの羨望と見落としを認め、叶はブイモンと共に勇太の隣へ戻る。 - 勇太、ヴォーボモン、叶、ブイモンは「四人のヒーロー」として超究極体デーモンへ挑み、全仲間の援護とインペリアルドラモン・パラディンモードの聖剣で倒す。 - デーモンは、天使社会が人間の少女を進化装置へ組み込み、守る約束を奪ったため堕天した過去を明かす。ケルビモンと和解し、次の敵がリングを仕込んだ天使であると警告して消滅する。 - 勇太は単身オグドモンへ入り、光へ、一生かけて信じ続けると告げる。圭吾、秋子、デビドラモンも光の偽りの幸福を拒み、光自身が過去でなく未来へ走る。 - 光は両親との箱庭を自分で手放す。圭吾は再び死に、秋子は現実へ戻り、勇太は光を救出した直後に限界を超えてデータ化する。 - デビドラモンは光を守るため光へ逆らう相棒となり、光のD3へ初めて「進化」が表示される。デュナスモンへ進化し、ダンデビモンを倒す。 - デビモンは、配下が自分を守ったことで、自分自身の欲望として仲間を守る道を選ぶ。光と旧デーモン軍は、世界を管理しようとする天使へ一時同盟を結ぶ。 - 勇太はルクスモンによりデータを現実の身体へ戻され、東京で目覚める。現実では二日、勇太の体感では半年以上が経過している。 - 勇太は同級生・結月茜と再会し、TEZのエンジェモンに襲われる。マグナモンの支援でD3が戻り、茜はエレプモンのパートナーとなる。 - 日本政府は一九九五年から天使と秘密協定を結び、監視、犯罪予測、健康管理へ天使AIを導入していた。セラフィモンはサイバー警察局長「セラフィム」として国家機構へ入り込んでいる。 - 秋子はイワヤ製作所と協力し、光救出のためTEZへ向かう。厚生省アプリがコンセクレイションリングを形成し、本人へ外部の命令を自分の決断と思わせると判明する。 - 勇太は光が自分の初恋で、使命でなく隣にいたいから救うのだと認める。茜は自分の恋を飲み込み、勇太の告白を後押しするが、悲しみと嫉妬は残る。 - デジタルワールドでは約半年が経ち、光とデュナスモンがファクトリアタウンの難民を守る。悪魔型、人間、機械型の対立を越えてソルメラモンを攻略するが、天使は汎用リングの製造に成功する。 - ラブリーエンジェモン、ゴッドドラモン、ホーリードラモンを含む天使軍がファクトリアタウンを包囲し、オファニモン側との決戦が迫る。 - ヴォーボモンは勇太が生きている感覚を頼りに現実世界を目指す。叶、浮状希理江、ブイモン、ジャザモンがムゲンマウンテンの第一ゲート突破を支援する。 - 叶はシスタモン・シエルに胸を貫かれながらヴォーボモンを通す。ヴォーボモンは結晶壁で封鎖された新宿へ到達するが、叶の生死と勇太との再会は未確定。 - すみれと電脳犯罪捜査課、秋子たちイワヤ製作所組は偶然同時にTEZへ突入する。勇太の家族と警察側のパートナーは救出されるが、リング支配と監禁の傷は残る。 - セラフィモンは悪魔軍の攻撃を偽装し、日本を結晶壁で封鎖する。恐怖、孤立、既存の社会的不安を増幅し、人々が自らリングの秩序を望む状況を作る。 - 天使は、人間の神経、記憶、物語から生まれたデジモンに人類の「原罪」が流れ続けるため、自由意志を消して全生命を一つの楽園へ統合しなければ破局を防げないと主張する。 - 虐殺開始から三日後、勇太は、正しい答えを保証されなくても考えることと責任を手放さないと決め、都庁ゲート攻略へ出る。これは葛藤そのものを消すリング支配への反論となる。 - 第57話で勇太とすみれは篠原誠司/リュウグウモンを退ける。篠原はエリザモンを庇い、天使から離反して自首を選ぶが、重傷で倒れる。 - 勇太も右腕を貫かれ倒れるが、デジタルワールドから三下慎平と軍勢が到着し、天使の増援を押し返す。 - 第57話終了時点では、勇太とヴォーボモンはまだ再会しておらず、叶と希理江の安否、茜と琴音の戦闘、セラフィモン戦、都庁ゲート、光たちのファクトリアタウン防衛が同時に未決着である。 ============================================================ 【第57話終了時点の継続情報】 ============================================================ 【時間・世界・同時進行する戦線】 - 現実世界は八月上旬。セラフィモンが日本を封鎖して虐殺とリング形成を始めてから三日が経過している。 - 現実世界とデジタルワールド・シオンの時間は非同期。現実で数日しか経たない間に、シオンではデーモン決戦から約半年が経過した。場面転換時に同じ経過時間と決めつけない。 - 現実第一戦線:新宿から都庁ゲートを目指す勇太、すみれ、シンドゥーラモン。篠原戦を終えた直後、慎平とデジタルワールド側の部隊が合流した。 - 現実第二戦線:茜、エレプモン、恋夜側は安藤琴音/シェイドモンと戦闘中。第57話では決着が描かれていない。 - 現実第三戦線:紋十郎、大吾/ダイナモン、デジマル/アヌビモンらがセラフィモンを引きつけ、都庁攻略部隊の時間を作っている。各自重傷で、勝利は未確定。 - 現実第四戦線:ヴォーボモンはムゲンマウンテン第一ゲートから新宿へ到着し、勇太を探している。勇太とはまだ再会していない。 - シオン第一戦線:光、デュナスモン、ケルビモン、サンドリモン、デビモン、ファクトリアタウン住民が、ラブリーエンジェモン、ゴッドドラモン、ホーリードラモンと天使軍の包囲を受ける。 - シオン第二戦線:叶は第一ゲート前でシスタモン・シエルに胸を貫かれた。ブイモン、希理江、ジャザモン/メタリックドラモンが現場に残るが、第57話まで安否は更新されない。 【勇太の現在】 - 現実世界の身体はルクスモンがデータを再接続して復元したため、第44話以前の右手・右目の欠損は治っている。ただし第57話の新たな戦闘傷は別で、全身裂傷、出血、疲労、右上腕を鉄筋で貫かれる重傷を負う。 - 偽フェアリモンの風の脚と、ひび割れたD3を使用できる。パートナー不在のためヴォーボモンの進化力は使えず、人間の身体とパワードスーツで戦っている。 - 家族はTEZから救出されたが、完成リングによる認知・感情の改変、互いを襲った記憶、監禁中の被害で深く傷ついている。勇太の母がかすかに反応しただけで、回復したとはいえない。 - 勇太は、自分の選択が叶、光、健太郎、家族、すみれらを傷つけたと考え、判断そのものを恐れている。一方、第57話で、仲間にも自分の選択があり、全責任を一人で奪うことも支配になり得ると気づき始める。 - 光が初恋の相手であり、使命ではなく隣にいたいと自覚している。光は勇太を一度死んだと思っており、勇太は光がファクトリアタウンで生きて戦っていることをルクスモンから聞いただけで、直接連絡できていない。 【ヴォーボモンの現在】 - 勇太のD3なしでも短時間ラヴォーボモンへ自己進化でき、勇太の生存を感覚で追える。ただし現実世界到着後の消耗と現在位置の詳細は未開示。 - 叶が胸を貫かれてまで作った道を通っている。再会の喜びだけでなく、叶を置いてきた罪悪感と恐怖を抱える。 - 新宿にいるため慎平たち、勇太たちと近距離にいる可能性は高いが、第57話末まで合流した描写はない。第58話冒頭で当然に同じ場所へ置かず、位置関係を示す。 【光とデュナスモンの現在】 - 光は両親との箱庭を自分で捨て、勇太の死と圭吾との二度目の別れを抱えて未来へ進むことを選んだ。勇太のゴーグルとタグを持つ。 - デビドラモンは、光の命令より光の心を守る主体となり、デュナスモンへワープ進化できる。二人の戦闘は命令待ちでなく、互いの判断を信じる段階へ進んでいる。 - ソルメラモン内部で瀕死となり、アルマリオン・フィンガーも決戦で破損・崩壊した。デュナスモンと光を、直後の包囲戦で無傷・全快として扱わない。 - 光は勇太が死んだと思い、自分も死の側へ沈みかけたが、生きることを選び直した。ヴォーボモンから「勇太が生きているかもしれない」と聞いた希望はあるが、確認されていない。 - ファクトリアタウンには人間、機械型、悪魔型、天使の実験から救われた子供が混在し、資源不足と相互不信が残る。ソルメラモン攻略で協力しても対立が全て解消したとはしない。 【叶、ブイモン、希理江の現在】 - 叶は勇太と和解し、ブイモンを兵器でなく相棒として選び直した。デーモンから新しいデジヴァイスを受け取り、マグナモンの協力でシオンへ戻った。 - ムゲンマウンテンでヴォーボモンをゲートへ通すため、シスタモン・シエルの剣を胸に受けた。危篤相当だが、死亡、データ化、救命のいずれも明記されていない。 - ブイモンは複数のデジメンタルによるアーマー進化と完全進化を回復しているが、シエル戦で消耗し退化している。 - 希理江とメタリックドラモンは叶の援護へ到着した。彼女は危険を理解し、死ぬためでなく未来へ帰るため戦う人物。救命や撤退を選べる主体として扱う。 - シスタモン・シエルはゲート通過を許しただけで、敗北・死亡は確認されていない。 【茜とエレプモンの現在】 - 茜は勇太へ恋をしているが、勇太が光を想うことを知っている。失恋、嫉妬、すみれへの対抗心を抱えたまま、相手を支配する琴音の道を拒もうとしている。 - エレプモンは電撃網、電子探知、アプリ内プログラム破壊、バイタルブレスを介した支援が可能。現実世界での新しいパートナーで、茜の悲しみを共有する。 - 第57話終了時点で、茜と恋夜は琴音/シェイドモンと交戦中。琴音は太田勇斗を支配下へ置き、茜にも勇太を所有するよう誘惑する。 - 茜を恋敵・当て馬だけにしない。光を案じた同級生、情報整理と支援を担うテイマー、自分の欲望をどう扱うか選ぶ人物である。 【すみれ、電脳犯罪捜査課、イワヤ製作所】 - すみれは警察官としての職を失った。第57話ではリュウグウモンの攻撃で重傷を負い、シンドゥーラモンもホウオウモンへの一時進化後に退化・消耗している。 - すみれは勇太の保護者役である一方、勇太の選択を代行しない。本人も警察と正義を信じた結果に迷い、考えながら責任を引き受けている。 - 電脳犯罪捜査課のメンバーとパートナーには半形成のリングが残る可能性がある。現時点で精神支配は明示されないが、安全と断定しない。 - 秋子とイワヤ製作所は避難所の技術・医療・装備支援を担う。秋子は直人への復讐でなく光救出を選んだが、過去の罪悪感や親子関係が解決したわけではない。 - 三下慎平は現実世界へ到着した。スカモン軍、マッハモン、ジャンクモン、ターゲットモンらを率いるが、到着経路、同行者の全容、クロスローダーで可能なことは次話以降で確認する。 【セラフィモン、オファニモン、ルクスモン】 - セラフィモンは現実世界側の主敵。日本の警察・行政・健康管理へ長年天使AIを浸透させ、偽装虐殺、情報操作、結晶壁、リング形成を同時に実行する。 - セラフィモンは「多数を来る破局から救う」という大義を本気で持つが、個々の選択を誤差として消し、恐怖を意図的に作る。純粋な破壊欲だけの悪役にしない。 - オファニモンはシオン側の天使軍を指揮する。ラブリーエンジェモン、ゴッドドラモン、ホーリードラモンを投入しているが、本人の現在地、考え、セラフィモンとの役割差は未開示。 - ルクスモンは勇太の命を救ったが、天使社会から離脱せず、家族を守る約束も果たせなかった。愛情、救助、所有、加害、組織への忠誠を併存させる。 - マグナモンと他のロイヤルナイツは天使側と同一ではない。シオン封鎖のため直接介入できず、D3送付、ゲート情報、叶の送り込みで間接支援する。 【リングと社会支配の仕組み】 - 黒いデザイア/インスティングリングは本能と欲望を過剰化し、ダークエリアとデウス・エクス・マキナの願望実現機構を利用する。 - 白いコンセクレイションリングは、個人の行動、感情、自己像を学習し、外部の提案を「自分で選んだ答え」と感じさせる。単純な催眠や遠隔操縦ではない。 - 現実世界では「サポタマ」が個人ごとの適応を進める。シオンではソルメラモンが、種族を問わず短時間で適合する汎用リングを製造した。 - 完成前のリングは切り離せる場合があるが、完成後は力ずくで外せない。信号を止めても認知、感情、記憶の傷がすぐ元に戻るとは限らない。 - 天使は社会に元からある孤立、比較、過労、責任の内面化を利用し、通信を断続させ、偽映像と恐怖を流し、人々が管理を求める状態を作る。 - 結晶壁は外から日本へ入れるが、日本から外へ出られない一方向の封鎖。救援者や報道も閉じ込め、恐怖を拡散する機能を持つ可能性がある。 【第57話終了時点で死亡・消滅が確定している主な人物】 - 土井健太郎は第37話で死亡。安易に復活させない。 - 鬼塚圭吾は箱庭崩壊時に再び死亡。光の中に記憶と愛情が残るが、同一人格を便利に再生成しない。 - デーモンは第43話で消滅。過去と警告は残るが、次の戦いへ簡単に復帰させない。 - フレアモンは第22話で死亡・デジタマ転生。転生個体は同じ人格として扱わない。 - テリアモンとロップモン、その他の戦死者・虐殺被害者の喪失も継続する。リング解除や世界修復で一括復活させない。 【第57話終了時点の未解決事項】 - 勇太とヴォーボモンがいつ、どこで再会し、D3と相棒関係が再びどう接続されるか。 - 胸を貫かれた叶、援護に残ったブイモン、希理江、ジャザモンの安否。シスタモン・シエルの状態。 - 茜/エレプモン/恋夜と琴音/シェイドモン/勇斗の戦闘結果。 - 慎平たちが使った現実世界への経路、到着した戦力の全容、他の仲間が続けるか。 - セラフィモン戦、都庁ゲートの確保、結晶壁の解除、日本各地のリング装着者の救済方法。 - 光とデュナスモンがファクトリアタウン包囲をどう切り抜けるか。ラブリーエンジェモン、ゴッドドラモン、ホーリードラモン、オファニモンとの決着。 - 勇太と光が互いの生存を知り、現実世界かシオンのどちらで再会するか。勇太が初恋の気持ちを伝えるか。 - 勇太の家族、秋子、光の祖父母、避難民、リング装着者の長期的回復。支配中に行った加害の責任と被害をどう扱うか。 - ルクスモンの最終的な選択、本来の少女パートナーの生死、ディーアークと勇太へ入れた「鍵」の影響。 - 安所の正体、ケルビモンや勇太へ示す個人的反応、政府内の協力者と天使側の範囲。 - オファニモンとセラフィモンの計画差、デウス・エクス・マキナ、カーネル、ダークエリア、ロイヤルナイツの最終関係。 - 鮎川聖が持ち去ったオグドモンの一部と、意図的に残したリング解析データの目的。 - セラフィモンが予告する「来る破局」が実在する脅威か、管理を正当化する誇張か。 ============================================================ 【作品の土台】 ============================================================ - 舞台はデータ生命体デジモンが暮らす電脳異世界。補助資料上の正式な世界名は「デジタルワールド・シオン」。 - 大地、海、建物、食物、生物はいずれもデータで構成されるが、住民にとっては現実の生活世界であり、怪我・苦痛・死が存在する。 - 現実世界の情報、都市、映像、神話、怪談などが流れ込み、自然物と電子機器が無秩序に接合した景観や、突然出現する街・土地を生む。 - デジモンはデジタマから生まれ、進化・退化する。種族の外見や属性だけで善悪は決まらず、凶悪な姿でも優しい個体、聖なる姿でも残酷な個体がいる。 - 「選ばれし子供」は世界の危機に際して呼ばれる人間だが、善人である保証も、帰還方法が同じである保証もない。世界に大きく干渉できる未熟な存在でもある。 - デジヴァイスは人間とパートナーデジモンの心を接続し、感情・関係・選択を進化の力へ変換する。強い恐怖や憎悪も力になるため、正規進化だけでなく暴走・暗黒進化を起こし得る。 - 物語開始時、各地で成熟期以上のデジモンの失踪、性格改変、見知らぬ土地の出現が続く。失踪個体の一部はリングで操られ、無言で目的行動や破壊を繰り返している。 - 第17話で、黒いリングの一種は七大魔王デーモン側がイービルリングを改良した「インスティングリング」と判明する。装着者の本能を過剰に刺激し、破壊後も一度知った本能へ抗いにくくする。 - デジタルワールドは一つではなく、物語の主舞台シオン、通常サーバー、イリアスなど複数の世界・領域がある。上位層には世界の制御へ関わるカーネル、下層にはダークエリアが存在する。 - デウス・エクス・マキナは多数の願望を機械的に集計・実現する性質を持つ。善悪を判断せず、願う数と力へ偏るため、リングやオグドモンに悪用される。 - シオンの天使社会は、歴史的に人間の子供と獣型デジモンを進化・繁殖の資源として扱い、上位天使中心の秩序を作った。デーモンの反乱とケルビモンの従属的和平は、この支配への異なる応答だった。 - 現実世界とシオンでは時間の流れが一致しない。勇太がシオンで半年以上を過ごした間に現実では二日、後に現実で数日が経過する間にシオンではさらに約半年が経つ。 - 日本政府は一九九五年から新宿の安定ゲートを介して天使と接触し、天使AIを監視、犯罪予測、健康管理へ導入した。この秘密協力が、セラフィモンの国家機構への浸透を可能にした。 - 白いコンセクレイションリングは、本人の行動・感情・自己像を学習し、外部から与えられた判断を「自分で選んだ」と感じさせる。現実世界では厚生省アプリ「サポタマ」が国民の約八割へ普及し、個別適応を進める。 - セラフィモンは、デジモンがインターネット以前から人間の神経活動、記憶、神話、恐怖などの模倣ネットワークから生じたと説明する。ただし、人間の「原罪」を持つ獣型を管理・排除すべきという結論は天使側の思想であり、客観的事実と区別する。 - 日野勇太/ヴォーボモン - 第39~40話で叶と正面から戦い、叶の劣等感と愛憎を受け止めて和解する。叶を倒した後も処刑せず、自分も叶を羨み、その苦しさを見落としていたと謝る。 - 第44話で光を箱庭から連れ戻した直後、限界を超えた身体とD3の反動でデータ化して消える。しかしルクスモンが散逸データを現実世界の身体情報へ結び直しており、第45~46話で東京へ生還する。 - 現実世界ではヴォーボモンと離れ、家族のリング支配、天使による虐殺、選択の責任に直面する。第57話時点では右上腕を鉄筋に貫かれる重傷を負いながら、すみれとシンドゥーラモンを守り、都庁のゲートを目指している。 - ヴォーボモンは勇太が生きている感覚を頼りにデジタルワールドを離れ、第53話で叶たちの犠牲的援護を受けて新宿へ到達。第57話時点では勇太との再会前で、双方が互いを探している。 - 鬼塚光/デビドラモン/デビモン/デュナスモン - 光は父母との偽りの幸福を自分で捨て、喪失を消すのでなく、父母や勇太との記憶を抱えて未来へ進むと選ぶ。勇太の消滅後も、彼のゴーグルと「信じ続ける」という言葉を支えにする。 - デビドラモンは光の幸福より光自身が悲しんでいることを優先し、命令へ逆らって箱庭脱出を助ける。その相互選択により、光のデジヴァイスへ初めて「進化」が表示され、聖騎士型デュナスモンへワープ進化する。 - 光とデュナスモンは、天使軍に包囲されたファクトリアタウンで難民を守る。第51話ではソルメラモンをアルマリオン・フィンガーで破壊するが、直後にラブリーエンジェモン、ゴッドドラモン、ホーリードラモンを含む大軍と対峙している。 - 持田叶/ブイモン - 叶は勇太に敗れ、勇太への嫉妬、自分も隣で同じ景色を見たかった願い、共に堕ちてほしかった依存を認める。勇太からゴーグルを返され、「四人のヒーロー」としてデーモン戦へ戻る。 - ブイモンは並行世界のブイモンを想定した対抗用クローンだが、叶の劣等感へ共感し、自ら叶の相棒を選ぶ独立した人格を持つ。 - デーモン戦後、二人はいったん現実世界へ送られ、マグナモンと接触してデジタルワールドへ再渡航する。第53話でヴォーボモンを現実世界へ通すため、シスタモン・シエルと戦い、叶は胸を貫かれる。第57話時点で生死は明示されていないため、死亡と断定しない。 - 烏藤すみれ/シンドゥーラモン - 初期資料の一部では姓が「鳥藤」と表記されるが、第46話以降のPDF本文に従い、本資料の現在時系列では「烏藤すみれ」とする。 - デジタルワールドから強制帰還させられ、警察上層部とサイバー警察局が天使の技術・管理下にある事実へ辿り着く。電脳犯罪捜査課の仲間と命令へ背き、パートナー救出、TEZ突入、避難民保護へ動く。 - 第57話では勇太と共に篠原/リュウグウモンを退けるが、本人もシンドゥーラモンも深く負傷している。勇太に正解を与えるのでなく、考えた結果を引き受ける主体として扱う。 - 結月茜/エレプモン - 勇太と光の同級生。頭の回転が速い学級委員で、感情が強くなると博多弁が出る。光の孤立を気に掛け、現実世界へ戻った勇太の言動を追ったことで天使事件へ巻き込まれる。 - エレプモンと出会い、バイタルブレスによる支援・探知、電撃網、電子プログラムの破壊で戦う。厚生省アプリを介したリング形成にも早期に気づく。 - 勇太へ恋心を抱くが、勇太が光を初恋の相手として求めていると知り、告白を後押しして自分は泣く。第56話では琴音の誘惑と嫉妬に揺れながらも、勇太を所有する道を拒んでいる。 - 鬼塚秋子/イワヤ製作所 - 箱庭崩壊後に現実世界へ戻り、失踪した光を救うため、かつて天才技術者として働いたイワヤ製作所へ協力を求める。 - パワードスーツ、武器、車両を用意してTEZへ突入する。渡辺直人への復讐より光の救出を優先し、加害者に人生の選択を握らせない姿勢を示す。 - デーモン/ケルビモン - デーモンはかつて、人間の少女を守ると誓ったエンジェモンだった。天使社会が人間を進化装置へ組み込み、少女を死に追いやったことで堕天し、自由を掲げる破壊者となった。 - 第42~43話で勇太と叶に敗れ、叶へ新たなデジヴァイスと帰還路を残す。最期にケルビモンと和解し、デザイアリングと白いリングの背後に天使側の作為があると警告して消滅する。 - デビモンと旧デーモン軍 - デビモンはデーモンの器・後継者として振る舞ってきたが、配下が身を挺して自分を守ったことで、自分自身にも彼らを守りたい欲望があると認める。光と一時同盟を結び、天使側のリング計画を明かす。 - ベルスターモン、サンドリモン、旧デーモン軍の兵たちは一枚岩ではない。悪性種と呼ばれる者にも家族、仲間、子供、生活があり、天使軍の浄化対象として追われている。 - セラフィモン/オファニモン/天使陣営 - セラフィモンは日本政府へ「電子生命体No.0」「セラフィム」として接触し、監視、犯罪予測、健康管理など社会基盤へ天使AIを浸透させていた。表向きは大多数の幸福と生存を掲げる。 - 厚生省アプリ「サポタマ」を介して個人の行動・感情・自己像を学習し、不安と依存を増幅してコンセクレイションリングを形成する。本人が自分で選んだと思う形で集団最適へ従わせることが支配の核心。 - 日本を結晶壁で封鎖し、悪魔軍の攻撃に見せかけた虐殺と情報操作で恐怖を高め、全国規模のリング形成を進める。オファニモンはデジタルワールド側でラブリーエンジェモンらを指揮している。 - ルクスモン - 勇太を救命して現実世界へ戻した一方、天使組織からは離れず、TEZの監禁と実験にも関与する。勇太の家族を傷つけないという約束を守れなかったことは認めるが、組織そのものには敵対しない。 - 勇太への愛と保護は本物でも、所有、選別、強制融合、他者の犠牲を伴う。第57話時点でも救済者と加害者の両面を保ち、単純な味方として扱わない。 - マグナモン/浮状希理江/ジャザモン - マグナモンはロイヤルナイツの一員。閉鎖されたシオンへ直接入れないため、現実世界の勇太へD3とエレプモンを送り、叶をデジタルワールドへ戻す。 - 浮状希理江は十二歳の探検家・地図作りで、陽気だが危険と死を現実的に見る。パートナーのジャザモン/メタリックドラモンと共に、ヴォーボモンと叶のゲート突破を支援する。 - 篠原誠司/エリザモン、安藤琴音/シェイドモン、渡辺直人/ムゲンドラモン - TEZ側の選ばれし者たち。篠原は妻子を犯罪組織と腐敗警官に殺され、復讐後も空虚さから逃げるため天使へ従った。第57話でエリザモンを庇い、勇太に生かされたことで離反と自首を決める。 - 琴音は太田悠斗を支配的な恋愛の形へ閉じ込め、茜へ同じ道を勧める。第57話時点で茜・恋夜側との戦闘は継続中。 - 直人は焼けただれた姿で再出現し、勇太の家族に関する残虐な主張で勇太を挑発する。ただし、その主張は直人自身による悪意ある発言で、本文上の客観的事実として確認されていない。 - 三下慎平と帰還組 - 第57話末、デジタルワールドで別れた慎平がクロスローダー、スカモン軍、マッハモン、ジャンクモン、ターゲットモンらを率いて現実世界へ到着する。 - 天使の増援を押し返し、重傷の勇太へ再会の声を掛ける。どのゲートを通ったか、他のデジタルワールド側の仲間がどこまで来ているかは未開示。