ニャアン人妻概念のおはなしするね。 ニャアンはエグザベくんとも結ばれました。マチュはちゃんとシュウジのことを連れ戻しました。 ニャアン・オリベは無事名誉除隊しジオン公国の市民権を獲得した。今はジオン公営団地に住んでるよ。シュウマチュ夫婦も隣に住んでいます 採光性も高い大きな窓もある。4LDK風呂トイレ別。愛の棲家にしては十二分であった―――。 臨月を迎えるエグニャア夫婦、出産も近いですね。最近西松屋で昨日新生児用品をまとめて購入したそうですよ?その様子はまた後日おはなしします。 ベビーカーは何故か買わなかった。『だっこして赤ちゃんの命を感じていたいから』とニャアンは語る。ベビーカーは二人目が産まれたら買うようです。 これは夫婦が子を持ち、家族になる「第一歩」のおはなし。 そんな幸せなエグニャア夫妻。その動きを「観察」する存在がいる事を二人は知らない…いや知っていました。 エグニャア夫婦は退役し、軍属ではないのですが。ニャアンは「キラキラ」(ゼクノヴァ)を制するニュータイプである事には違いありません。 その動向を注意深く、深く観察しなくてはなりません。そうしなければならない人物がいました 今日はヒゲマンとエグニャア夫婦のおはなし。 おヒゲが似合うナイスミドル。しかしまだ30台。戦争という行為は人体に多大な負担をかけます、故に老化を早めます。人を老けさせます。壮年と呼ぶにはまだ早い男、シャリア・ブル中佐です。シャリアブル中佐、見事に准将に出世しました。将校出世レースにおいてピカピカの一年生。現在一軍を構える将の一員です。しかしヒゲマン出世に興味ありませんでした 現在「ジオン統合軍第五特別監査局局長」の座についています。 特別監査局。なんだか物騒な名前ですが。 第一監査局は軍内における公安部隊。 第二は軍内の不穏な動きを監査する軍内の秘密警察。押井守の「人狼」みたいでかっこいいね 第三は軍費不正利用を暴く予算査察部。ようはマルサ。第四は省略。 新たに新設された第五特別監査局。 ゼクノヴァに特化した監査局であった、ジオン公舎(あのおどろおどろしい建物)の一室に局室を構えている立派な省庁だ。局長ヒゲマンと第一秘書コモリン、第二秘書セファ(ソドンにいたデカパイのオペ子)さんのみ。 直轄するのはジオンニュータイプ研究所別室。通称「キラキラ部屋」。世界中で発生するゼクノヴァを観察し分析する専門の研究機関であった。 しかしゼクノヴァ、キラキラの海を泳げる人類はまだ三人しかいません。シュウジ、マチュ、そしてニャアン。たった三人だけ。 この三人を監視する為に1000人単位の研究員が日夜ゼクノヴァ解析に勤しんでいます。実証データは山のように振ってきます。 イトウ夫妻。シュウジとマチュ昼夜を問わず常にキラキラの海をお世でいます。キラキラとは性行為と同意です。 常に赤く発光しているジオン市民団地某棟某室。リビングから赤い光が漏れています。近所からはヤバイ植物を育てているのではないかと疑う人がいるくらいです。 ゼクノヴァの扉は常に開きっぱなしです。そのデータを観察するだけで手一杯な研究員。解析する余裕もありません。 AKIRAのあの博士が見ていた鉄雄の脳波データが常に贈られている感じです。鉄雄どころかAKIRAくんレベルのもうメチャクチャです。 ジオンに巨大なクレーターができる日は近いかもしれませんし、シュウジとマチュが国立競技場の地下に0ケルビンで冷凍保存される日も近いかもしれません。 斜行エレベーターってワクワクするよね。とガンダムが言っている。 シュウジとマチュとニャアン(あとエグザベくん)の観察がヒゲマンのお仕事でした。監視ではありません。「みまもり」です。 良からぬ輩が彼らに何かしら危害を咥えないようにみまもっているのです、彼らの生活はヒゲマンに筒抜けでした。 性生活までは踏み込みませんが。まぁエグニャア夫婦の性生活はコンチが録画してますからね。たまにシュウジとマチュが録画データを見たり見なかったり。 最近西松屋で赤ちゃん用品をまとめ買いした事をヒゲマン知っていました。 ―――午前11時すぎ。場所はエグニャア家のリビング。平和な団地に黒いイカつい車が止まっている。ナンバーは一般車と違い、当然軍用車両ナンバー。 「あまり目立つ事をされると困るのですが…」とニャアンは静かに答える。 「これも仕事なので、団地に公用車で乗り付ける…慇懃無礼も甚だしいですね。無礼をお詫びします、メトロで来るべきでした」 「ニャアン、中佐に失礼だよ」エグザベくんニャアンをたしなめる 「あなた…シャリアさんは今准将になられました…」ニャアン指摘 エグザベくん無言で傾注。言葉に意味はないとエグザベくんは感じたからだ 「まぁカタくならないで、エグザベくん…そういう所がエグザベくんらしさなのですけどね」 「失礼いたしました准将」 「ですが…あの車、目立ちますのでやめてください…わたしたち静かに暮らしたいので」 ニャアンの気持ちを汲んであげるべきです。 ニャアンはジオン軍を下野し、今では専業主婦だ。イグオマッソの引き金も今では新妻である。 平和な生活を望んでいた。それを考えると、ジオン公用車(Fセグメント高級セダン)で乗り込まれるのは抵抗があるのもわかる。 「あなたの気持ちを私は十分汲みたい。あなたの平和を守るのがわたしの仕事ですからね」 「わかっています…いつもありがとうございますシャリア准将さん」 「いままで通り中佐でいいですよ、階級なんて大した意味はありません。最もマチュくんはヒゲマンって呼んでますけど」 ヒゲマンは紳士であった。 軽い談笑を終えた末、ヒゲマンが切り出す。 「随分お買い物をされたようですね…赤ちゃんを迎える準備、整ってるようですね」 ヒゲマンはエグニャア夫婦の動向を観察している。西松屋での購入履歴も知っていた 「はい、何もなかったので…慌てて買いました」ニャアンが答える 「申し訳ありません…自分もうっかりしていたもので」エグザベくんもつづく。 「いいのですよ、微笑ましいじゃないですか。育児は軍務より大変と聞きますが、あなた達なら愛を育めるでしょう」 ヒゲマン、世辞ではなかった。ここにいる三人と胎児、四者ともにニュータイプであった。嘘はつけない。 だからあけすけにニャアンは話す。思考は常にシャリアにつつぬけであった。 「哺乳瓶など買う必要など…なかったのですがね」 ヒゲマンは突然切り出す。 「どういう事?」ニャアン眉を動かす 「いくらでも支給しますよ、そういう意味です」 「支給?」ニャアン訝しむ。 「あなた達の生活もそうですが、赤ちゃんの成長を含め、国家がその安全な発育を保証しているのです。欲しいものがあればなんなりと申し付けていただければ答えますよ」 ヒゲマンは冷静に答える。薄紫のカラーシャツにこげ茶色のベスト。深緑のネクタイピンが鈍く光る。 「支給されるのはイヤです…」ニャアン 「何故です?」ヒゲマン 「与えられたものではなく、自分たちで選んだものでこの子を育てたいからです…贅沢な悩みでしょうか?」 ニャアンはシャリアに伺った。リビングの隅には西松屋のロゴが描かれたレジ袋が鎮座していた。 「いえ、贅沢ではありませんよ。『支給』という言葉に棘がありましたね」ヒゲマン訂正 「官給品ではありません好きなものを選んでいいのですよ。領収書さえいただければ、代金はこちらで支払います。ようは現金支給です」 ―――現金。 現金という単語にニャアンはゆらいだ。お金は命に関わるからだ。ニャアンは難民になってからずっと「金を稼ぐ」という方法でイズマコロニー時代を生き抜てきた。 児童労働は宇宙世紀憲章では違法であったが、そんな事、生命の危機の前では戯言に過ぎない。 危険な仕事の繰り返しだった運び屋もそうであったが、不可抗力の暴力に耐える事も生命の維持に不可欠であった。だから耐えた。これは金というより命の為であった。抗えば殺される。 ニャアンの心に思考が巡る。「おかね…いのち…ひどいことたくさんされた…」 ニャアンの意識がヒゲマンにビンビンと伝わる。ニャアンの「いやなにおい」悲しい過去がヒゲマンの脳を直接犯すッ! 抵抗もできず、暴漢に羽交い締めにされ腰を降られる自分の姿が脳によぎるのだ。 …それはそれで興奮しますね。とヒゲマンは一瞬思案しかけたがやめた。目の前にいるのは暴力の加害者ニャアンさんだ 口が裂けても心が裂けてもそんなことは思えない。 「どうしよう…ワケワカになりそう」ニャアン不穏 まさか『現金』の一言がニャアンのワケワカトラウマスイッチの引き金を引くとはヒゲマンもエグザベくんも思ってもみなかった 地雷ワードが多すぎるよニャアン。 「ニャアン、ワケワカになることはない、中佐はやさしいお方だ、大丈夫だよ」エグザベくんはなだめる 「今日はおいとまさせてもらいます。エグザベくん、ニャアンさんの傍にいてあげてください」ヒゲマンも察する 屈強な暴漢に蹂躙され肉便器にされる自分の姿を脳内で想像し恍惚としかけているヒゲマンの姿があったが、そこは冷静さを保つ 心に棚を作り、ニャアンさんにだけはその変態的妄想を悟られないように必死に心を閉ざす。 ヒゲマンなりに、必死であった。 「大丈夫です…こんなことでワケワカになってちゃダメ…続けてくださいシャリア准将」 ニャアン、エグザベくんの抱擁で冷静さを取り戻そうとする。心が穏やかになっていく。荒波にもまれれ時化(しけ)めいた彼女の心の海は穏やかなものへとうつろいでいく 「大丈夫…ですか?」疑問形でヒゲマンは伺う 「大丈夫です、続けてください」とニャアン ニャアン、エグザベくんと夫婦になってからワケワカへの耐性はかなり強くなった。平穏な生活がきっと心を強くしたのであろう かつてはワケワカという名の錯乱で黒い二連星を葬り。そしてワケワカという癇癪でキシリア様を射殺したニャアンであったが、今は落ち着いている。 「では…続けますか」「ええ」 「重ね重ねになりますが、領収書さえ切っていただければ養育費用はすべてジオンが負担します、おむつから教育費まですべてにおいてです。」 「そこまでしていただかなくても…ジオンからは恩給も頂いてますし…」ニャアン 「ええ、生活に困ってはおりません中佐」エグザベくん「准将ですよ」ニャアン ニャアン、エグザベ両名。ジオン名誉十字勲章を授与されていた。医療費免除。社会保険料免除。それとは別に偶数月に一度30万ハイト(450万円相当)が支給される。 「ニャアンさんのお子さんはジオンの血税で養わなければならない子です…」 「何故?」 「あなたの子だからですよニャアンさん、『キラキラ』の海を泳げる存在はマチュくんシュウジくん、そしてあなただけです、その才能の遺伝子なのです、遺伝子とは冷たい言い方になってしまいましたね」 「よく…わかりません…もっとわかりやすく説明してください」ニャアン 「ニャアンさんやお子さんを『観察』したい。それだけですよ。少し大変かもしれませんがあなた達は政府の研究対象になります」 「けんきゅう…」 ニャアンの声色が冷たくなる。ニャアンの脳内に「研究」のイメージが浮かぶ。 髪は綺麗に剃毛され、頭蓋骨に穴を開けられ、脳に直接電極を刺しこまれる。体中を改造されるイメージが浮かぶ。 ニャアンが昔古本屋でてにした「AKIRA」の原風景がそのまま移されていた。ミヤコさまやタカシくんアキラくんのイメージがばっちり写った 当然ニャアンの脳内イメージは敏感なヒゲマンの脳みそに直接描写される 「中佐、僕たちはかまいません…ニャアンとこの子だけは」エグザベくん情けの言葉であった 「連邦みたいな手荒なこと(強化人間の意)はしません、オリジナルのニュータイプに外科施術的なアプローチはナンセンスですからね。整えられたバランスを人工的に崩すことはいたしません」 「定期検診をジオン国立病院で行うだけです、月に一度。いや偶数月に一度。脳波をチェックする、それだけの事ですよ。私も受けていますよ、脳波チェック」 「ひどいこと…しない?」 「しませんよ、あのカーパ・サイコミュ(ジフレドの意)を操ったあなたですもの、才能ある人間に手荒はマネはいたしません」 「その子にニュータイプの素質があろうとなかろうと、すこし調べたい、それだけです。ご協力いただけませんか?」 下手に出ているが、エグニャア夫婦。ジオンに『飼われている』以上、拒否権はなかった。 シャリア、いやジオンとしても彼らを庇護せねばならなかった。ゼクノヴァの海を泳げる唯一の「力」をコントロールしなければならない。封じるのではなく「制御」するのだ。 「わかりました…ひごいことしないなら協力します」ニャアンは素直に答えた。 「無理強いする形にならなくてよかったです…ご協力感謝いたしますニャアンさん、健やかに産まれるといいですね、出産の手筈も取っております」 「えっ」ニャアン驚く。地元の産婦人科さんで産むつもりであった。 「出産のデータも必要ですからね、安心してください。観察するだけです。エグザベくんに見守られながら産みましょうね」 「赤ちゃん産む時、マチュやシュウちゃんも呼んでもいい?」 「ええかまいませんよ。命の輝きは共有したいですからね」 「マチュくんシュウジくんも!?」 「うん、マチュやシュウちゃんも私が赤ちゃん産むの見たいって言ってたから…見せてもいいかなって」 「キミが望むならそれで構わないよ…本来ならキミと二人だけがよかったけど。マチュくん達ならいいかな」 「出産予定日…まだ大まかにしかわかっていないのですが…」ニャアン 「24時間360日特別チームが待機しております。あなたの子を掬い出す為に集められたスタッフですのでお気遣いなく」 「そこまでしなくていいのに…」 「させてください。大事な赤ちゃんですから」ヒゲマンは念を押す こうしてヒゲマンは去っていった。 ヒゲマンはお土産として欲しがっていた「二人乗りベビーカー」を渡そうとしたが、お断りした。ニャアンいわく「必要になったら買います」とのこと たかが出産であるが、ジオンにとっては一大事業であった、ニュータイプ研究のブレイクスルーがそこに誕生するかもしれない とにかく、ニャアンはジオンのおおきい大学で、みんなに見守られながら出産することが決まりましたとさ。 だいぶ大げさな話しになったけど、それだけのおはなし。 元気な赤ちゃん産もうねニャアン 以上がニャアンとヒゲマン概念の全容です なんだかヒゲマンのおはなしになっちゃいましたね。 明日はおやすみです。来週またおはなしするね。 次回のジークアクスの内容次第で語り足りない所があると思いますので、続きはまた後日。