### 登場キャラクター設定 * **あくいさん** * 黒髪ロングの美女で、あさいさんの姉。冷静沈着で頭脳明晰なメイド。 * スタイルは非常に良く、不釣り合いなほど巨大な乳房を持つ。 * 家主である「」の屋敷に住み込みで働いている 。 * 物語中、あさいさんの性教育をきっかけに計画を立て、すいじきゅんを薬で眠らせ拘束し、自ら「お手本」として彼と性行為に及ぶ。 * **ご主人「」との関係:** * ご主人である成人男性「」に対し、愛情の裏返しとしてささやかな悪意を見せたり、からかったり嫌がらせをしたりする。 * **(追加捕捉):** ご主人「」が**寝取られ趣味を持っていることを把握している**。 * **すいじきゅんとの関係:** * 物語の最後、すいじきゅんに対し「このあくいとも、いつか、また・・・お相手していただける機会があることを心から期待しています」と再度の関係を望む発言をしている。 * **(追加捕捉):** この一件の後も、**すいじきゅんとの肉体関係を継続している**。 * **(追加捕捉):** ご主人「」の趣味を知った上で、彼に対し**すいじきゅんとの関係を意図的に匂わせたり**、**ご主人とすいじきゅんを比べるような言動**をとったりする。 * **「」 (カッコ)** * あくいさんとあさいさんが住み込みで働く屋敷の家主であり、あくいさんのご主人。 * 「無職引き籠もり大回転ダメ人間の「」サン」などと呼ばれ、あくいさんからは日常的にぞんざいな扱いを受けている。 * あくいさんの計画により、すいじきゅんと同様に薬で眠らされ、縛られ、アイマスクをされて意識を失う。 * **(追加捕捉):** **寝取られ趣味を持っている**。 * **あさいさん** * あくいさんの妹。元気で行動力のある少女。 * 学校で受けた性教育をきっかけに「性欲」を自覚し、その処理方法を姉のあくいさんに相談する。 * 姉のお手本の後、すいじきゅんと性行為を行い、最終的に(コンドームなしで)結ばれる。 * **すいじきゅん** * 金髪でそばかすのある美少年。 * メ学の執事で、幼年部首位の秀才。真面目な常識人。  * あくいさんに招待され「」宅を訪れるが、薬で眠らされ拘束される。 * あくいさん、あさいさん両名と性行為を行うことになる。 * **(追加捕捉):** 物語の後も、あくいさんとの肉体関係が継続している。 *** 書斎で自堕落に寝転がっているご主人「」の前に、あくいさんは音もなくティーカップを置いた。湯気と共に、上質なダージリンの香りが立ち上る。 「ご主人様、紅茶でございます」 「んー……ありがと」 気の抜けた返事を背中で聞きながら、あくいさんは手袋をはめ直すふりをして、ふと独り言のように呟いた。 「…そういえば先日、すいじきゅんがお見えになった際、少しお茶菓子をお出ししたのですが」 「」の肩が、ごく僅かに動いたのを、あくいさんは見逃さない。 「あの方は、本当に行儀がよろしいですね。こちらがお出ししたものを、実に美味しそうに…それはもう、**一滴残らず綺麗に**召し上がってくださるのです」 あくいさんは、カップを置いたテーブルをクロスで拭きながら、続ける。 「若い方は体力もございますし、何事にも真面目に取り組まれるので、感心いたします。こちらの期待以上に素直に反応してくださると、奉仕する側といたしましても、大変…ええ、**やり甲斐**がございまして」 あくいさんはそこで言葉を切り、書斎の窓に視線を移す。 「それに引き換え、ご主人様は…」 「…なんだよ」 「いえ。あまりに『ダメ』なご主人様のお世話も、それはそれで別の意味での『甲斐』がございます、と申し上げようとしただけでございます」 いつもの冷徹な声色。だが、その口元には、ご主人「」にだけ分かる、ほんの僅かな嘲りと愉悦の笑みが浮かんでいた。 あくいさんは、数瞬前まですいじきゅんの熱い肌の感触を思い出していたその指先で、冷たい銀のティーポットにそっと触れる。 「…まあ、あの方のように若く**『元気』**でいらっしゃるのも、考えものではございますが」 (どうせご主人様には、あの素晴らしさの百分の一もご理解いただけないでしょうけれど) 彼女は内心でそう毒づきながら、ご主人「」が紅茶を飲む手を止め、複雑な表情でこちらを窺っているのを満足げに一瞥すると、静かに書斎を後にしたのだった。 その日、「」は屋敷の廊下を目的もなく歩いていた。中庭に面した窓からふと外に目をやると、離れた渡り廊下の影に、見慣れた金髪の美少年――すいじきゅんの姿が見えた。 (あれ、すいじきゅん? 今日は来るなんて聞いてたかな) こんな屋敷に呼び出されるのは、どうせまたあのメイドのどちらかの都合だろう。「」がそう思いながら視線を凝らしていると、何かがおかしいことに気づく。すいじきゅんは壁に背を預けるようにして立っているのだが、その足元に、黒い影がうずくまっている。 (……あ?) 目を細め、ガラスに額を押し付けるようにしてよく見ると、それは黒いメイド服の、長い黒髪の人物だった。 あくいさんだ。 彼女は、すいじきゅんのまさに股間の前で、膝をついてしゃがみこんでいた。すいじきゅんの姿に隠れ、こちらからはあくいさんの頭頂部と、わずかに揺れる黒髪しか見えない。あくいさんが何をしているのか、その頭が何を意味する位置にあるのか、「」は正確には視認できなかった。 ただ、すいじきゅんが、あくいさんの頭に置かれた手にぐっと力を込めたように見えた。 「……っ」 「」が息を飲んだ、その時だった。 あくいさんがゆっくりと立ち上がる。 すいじきゅんが何かを名残惜しそうに隠すように一歩下がった。 あくいさんは「」のいる方角には気づいていない。彼女は、目の前のすいじきゅんを見上げ、その制服の襟元を優しく直してやっている。 その表情を、遠目からでも「」は見逃さなかった。 いつものような冷徹な無表情ではない。**頬はほのかに上気し、その目はとろりとして、わずかに潤んでいる**。満足と、微かな倦怠感を隠しきれていない、極めて艶めかしい表情だった。 あくいさんが、すいじきゅんの耳元で何かを囁く。すいじきゅんは真っ赤になって首を振る。それを見て、あくいさんは楽しそうにくすくすと笑った。 (あの顔……あんな顔、あいつが……) あくいさんが足元で何をしていたのか。 なぜ、あの完璧なメイドが、そんな表情を青臭い少年に向けているのか。 答えは頭の中に浮かんでいるのに、あえて「」はそれを結論づけなかった。ただ、自分の屋敷で、自分のメイドが、自分以外の男の前であんな顔をしているという事実が、背筋に冷たいような熱いような、奇妙な興奮を走らせるのを、ただ呆然と感じていた。 扉に張り付いたまま、「」は動けずにいた。 (……はぁ……っ、……ぁ……!) あくいさんの声は、もはや囁きではなく、明らかに快感に耐えるかのような、切迫した喘ぎに変わっていた。 **――― ぺち! ぺち! じゅっ、じゅっ……!** さきほどまでの湿った水音も、明らかに激しさを増している。まるで硬いものが、濡れた場所を強く、速く、何度も打ち付けるような音。それに合わせて、ベッドのきしむ音までもが、かすかに混じり始めた。 (……激しく、なってる……) ご主人「」の脳裏に、想像が否応なく広がる。 いつも自分を「ダメ人間」と蔑み、冷徹な仮面を崩さないあのあくいさんが、今まさにこの扉の向こうで、自分よりずっと若い美少年の下で乱れている。 あの完璧なメイド服は脱がされ、白く巨大な乳房を揺らし、頬を上気させ、潤んだ目で喘ぎ声を漏らしている――。 (あいつが……あくいが、あのガキに……っ) その想像は、屈辱的であるはずなのに、「」の身体の芯を熱くさせた。扉の向こうから聞こえる、あくいさんの苦しそうなほどの甘い声と、生々しい打撃音がシンクロするたび、自身の股間が痛いほどに硬くなっていくのが分かる。 (……ぁ……! すいじ、きゅ……ん……!) 微かに、しかしはっきりと、あくいさんが少年の名前を呼ぶのが聞こえた気がした。 「……ッ!」 それが引き金だった。 もう堪えられない。「」は、扉に背を預けるようにしてその場にずるずるとしゃがみ込むと、自らのズボンの上から、熱く硬くなった自身を強く握りしめた。 扉の向こうで続く、自分のメイドと他の男が交わる音を聞きながら、ご主人「」は、暗い廊下で、ただひたすらに腰を動かし始めた。 扉の向こうで響く音は、ついに嵐のような激しさに達していた。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 「……ぁ、ぁあっ! ……んくぅ……っ!」 あくいさんの声は、もはや快感に溺れた悲鳴に近い。叩きつけられるような激しい水音と、ベッドが軋む音、そして甲高い喘ぎ声が混じり合い、ご主人「」の理性を焼き切った。 「……っ、ふ……!」 扉に背を預けたまま、ご主人「」は自らの昂りを握る手に力を込める。あくいさんが、すいじきゅんによって激しく突き上げられている音に合わせるように、自身の腰もまた激しく揺れた。 次の瞬間、あくいさんのひときわ甲高い絶頂の声が扉を抜けて微かに響いたのと、ご主人「」が息を殺して熱いそれを解放したのは、ほぼ同時だった。 「……はぁ、……はぁ……」 彼は荒い息を必死に整えながら、暗い廊下の床へと吐き出してしまった自らの証拠を、ポケットから取り出したハンカチで音もなく拭き取る。背徳的な行為を終えた虚脱感が全身を襲う。 (……これで、終わり、だよな……) もうこんな場所に長居はできない。ご主人「」はハンカチをポケットにねじ込み、壁を伝うようにして、ゆっくりとその場から離れようと立ち上がった。 その時だった。 (……え?) 静寂が戻るはずだった客間から、再び音が聞こえてきた。 さきほどとは違う、ねっとりとした水音。 そして、甘く、誘うようなあくいさんの声。 「……うふふ……すいじきゅんは、本当に……『元気』が、よろしいですね……」 **――― くちゅ……じゅぷ……** 先ほどまでの激しさとは違う、しかし確実に、二人の行為が「再び」始まっていることを示す音が、また聞こえ始めた。 「……まだ、……続けるのか……?」 ご主人「」の足は、床に縫い付けられたように動かない。 あくいさんとすいじきゅんの、終わらない夜を告げる音に、彼は再び釘付けにされていた。 ご主人「」は、その場に釘付けになったままだった。 二度目の行為は、一度目よりも明らかに羞恥心のタガが外れていた。先ほどよりも激しさを増した声は、もはや分厚い扉を突き抜け、ご主人「」の耳にはっきりと届いていた。 「……ぁあっ! すいじきゅん、そこ……! あくいの、一番……感じるところです……!」 いつも冷静沈着なメイドの声が、甘く蕩け、喘ぎと共に言葉を紡いでいる。 「んんっ! ……なんて……貴方は、本当に……『素晴らしい』ですね……! あぁ……! そんなに激しくされたら、あくい……また……!」 自分がどう感じているのかを実況するかのように、そして、すいじきゅんの若さと精力を心の底から称賛するように、あくいさんの声が響き続ける。 ご主人「」は、先ほど果てたばかりで、まだ鎮まったままの自身の昂りを無意識に握った。 (……さっき、終わったばかりじゃなかったのか……?) 自分ならば、一度果ててしまえば、再び硬くなるまでには、どうしても少しのインターバルが必要だ。 それなのに、すいじきゅんは、あんなに激しく果てた(であろう)後、すぐにまたあくいさんをあそこまで追い詰めている。 (これが、若さ……) ご主人「」は、どうしようもない男性としての敗北感を覚えた。 だが、その敗北感がもたらす感情は、単なる悔しさだけではなかった。 (あくいさんが……あのあくいさんが、こんな若い男の、底なしの精力に晒されて……あんな声を……) 自分のメイドが、自分ではもう真似できないような圧倒的な若さによって、徹底的に快楽に堕とされている。 その事実は、ご主人「」の寝取られ性癖を強く、甘美に刺激した。 悔しい。だが、同時に、興奮する。 自分の知らない場所で、自分のメイドが他の男に蹂躙されているという背徳的な状況が、言いようのない喜びとなって腹の底から湧き上がってくる。 ご主人「」は、敗北感と倒錯した喜びが入り混じる中、再び熱を持ち始めた自身を感じながら、ただその音に聞き入っていた。 ご主人「」は、その場から一歩も動けずにいた。 扉の向こうから聞こえる音は、もはや理性の欠片も感じさせない、純粋な快楽の音だけになっていた。 「……ぁ、あ、あっ! すいじきゅん! だめ、あく……もう、……ぁあっ!」 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** あくいさんの言葉は途切れ途切れになり、ただ少年の名前を呼ぶ声と、甲高い喘ぎ声だけが響く。肉を打つ音は、先ほどの一度目を遙かに凌駕するほどの速度と激しさで廊下まで漏れ聞こえていた。 (……すごい……あんな、あくいさんが……) あれが、いつも自分を冷ややかに見下ろしているメイドの声だとは信じられなかった。まるで野生の動物が快楽に鳴くような、剥き出しの声。 「いっ、……イク! イキます……! ああああああっ!!」 ひときわ長く、甲高いあくいさんの絶叫が響き渡った。 それを合図にしたかのように、それまで一定のリズムを刻んでいた激しい打撃音が、数回、特に強く深く叩きつけられる音に変わり―― **――― ズプッ! ズププッ!** 「……んんぅううううっ!!」 あくいさんの声にならない悲鳴を最後に、嵐のような音はぴたりと止んだ。 「……はぁっ、……はぁ……っ、……」 扉の向こうは、荒い呼吸音だけが支配する静寂に包まれる。 ご主人「」は、自分のメイドが、今夜二度目の、それも一度目より遙かに深い絶頂を迎えた音を、余すところなく聞き届けた事実に、暗い廊下でただ立ち尽くしていた。 あの後、ご主人「」はふらふらと自室に戻り、倒れ込むようにベッドに入った。背徳的な興奮と敗北感で頭がぐちゃぐちゃになったまま、いつの間にか眠りに落ちていたらしい。 翌朝、目を覚ましたご主人「」は、寝間着のまま、まるで夢遊病者のように寝室を出た。足は自然と、昨夜あれほどの音を響かせていた、あの客間へと向かっていた。 (……すいじきゅんは、もう起きただろうか) 扉は開いていた。 ご主人「」が恐る恐る中を覗き込むと、そこにすいじきゅんの姿はなかった。 部屋の中には、シーツが派手に乱れ、枕が床に落ちているベッドと、それを淡々と直しているあくいさんの姿があるだけだった。 彼女はいつもの完璧なメイド服を身につけ、その表情は、昨夜の蕩けたような様子など微塵も感じさせない、冷たさすら感じさせるほど落ち着き払ったものだった。 「あら。**ご主人様**、おはようございます」 メイドとしての公の挨拶。あくいさんは手を止めて優雅に一礼する。 「……あ、あぁ。おはよう、あくいさん」 ご主人「」がぎこちなく挨拶を返すと、あくいさんはベッドメイクを再開するふりをしながら、すっとご主人「」のそばに寄ってきた。 そして、まるで秘密を共有するかのように、その唇をご主人「」の耳元へ近づけ、熱い吐息と共に囁いた。 「……すいじきゅんって、とっても**激しい**んですね…」 「!?」 「ベッドが、こんなにも乱れちゃってるんですよ…。シーツも枕もぐちゃぐちゃで。……ふふっ」 あくいさんはクスクスと喉を鳴らす。 「もちろん、**寝相**の話ですよ? ……どうかなさいました、**「」さん**。何か……あらぬことを**想像**でもなさいましたか?」 ご主人「」が弾かれたようにあくいさんを見ると、彼女はいつもの冷たい仮面をわずかに緩め、全てを知り尽くした、蠱惑的な笑みを浮かべていた。 昼過ぎ、書斎でのことだった。 ご主人「」は意味もなく開いた本を眺めているが、昨夜の出来事が頭から離れず、全く活字が目に入らない。 「「」さん」 あくいさんが、紅茶のトレイを静かにサイドテーブルに置いた。 「「」さん、今日は朝からずっと、心ここにあらずといった風ですね」 「一体、何を考えてもやもやしていらっしゃるんですか?」 その声には、全てお見通しだと言わんばかりの、からかうような響きが含まれていた。 「……別に」 「」は、彼女の顔を見ずに、ぶっきらぼうに答えるのが精一杯だった。 あくいさんは「」の返事を気にも留めず、ふっと息だけで笑うと、彼が座る椅子の背後へと回り込んだ。 「あらあら、お返事もいただけないなんて」 囁きと同時に、ご主人「」の後頭部に、ずしりと重く、柔らかい感触が押し付けられた。あくいさんの、あの豊満な胸だった。 「ひっ……!?」 「」が声にならない悲鳴を上げた瞬間、あくいさんの両手が、彼の肩越しにスルスルと伸びてくる。 繊細な指先は、まっすぐに「」の下腹部へと伸ばされ、彼の部屋着の薄い布地の上から、その先端で**カリカリ**と、焦らすように刺激し始めた。 「昨夜はあまり……お休みになれなかったのでしょうか?」 耳元で囁かれる声と、下腹部を的確に弄ぶ指先。「」は、昨夜の音を反芻させられながら、椅子の上で身をよじることしかできなかった。 後頭部に豊満な胸を押し付けられたまま、ご主人「」はあくいさんの指先が下腹部を弄ぶのに耐えていた。 「「」さん」 あくいさんは、指先でカリカリと引っ掻くような動きを続けながら、わざとらしく品定めするような声を出す。 「……「」さんのって、ごく**普通のサイズ**という感じですよね~」 「……っ!」 その言葉に、ご主人「」の身体が一瞬震え、悔しさと羞恥に詰まった息が「ふっ」と漏れた。昨夜のすいじきゅんの姿を思い出しているとでも言うような、残酷なからかいだった。 あくいさんは、その敏感な反応を耳元でしっかりと感じ取り、くすくすと笑いを漏らす。 「あら。サイズは普通ですけど、**果てるのは速い**んですね」 「なっ……!」 「」が何か言い返そうとする前に、あくいさんは再びその指先で、今度は服の上から彼の昂りをなぞるように弄び始めた。 「あっ…ちょっ…待っ…! 今、敏感だからっ…!」 ご主人「」は焦った声を上げるが、あくいさんは耳を貸さない。 「速いならせめて、もう一回**元気になるのも速い**といいんですけどね~。……すいじきゅんのように」 最後の言葉は吐息にしか聞こえないほど小さかったが、「」の耳にははっきりと届いていた。あくいさんは、愉悦を隠しきれない声で、無防備なご主人をからかい続けるのだった。 書斎に、先ほどまでの紅茶の香りとは異質な、生々しい気配が満ちていた。 静かな昼下がりに、**くちゅ…ぺち…**という湿った肉の音と、重みを受け止める椅子の**ぎぃ…ぎぃ…**という軋む音が、小さく、しかしはっきりと響いている。 ご主人「」は椅子に深く座ったまま、その膝の上には、スカートをたくし上げたあくいさんが向き合うようにして乗っていた。あくいさんはご主人「」の首に両腕を回し、その身体を緩やかに、しかし確実に**上下させていた**。 「…ん…ふ…」 「」は声を殺し、あくいさんの動きを受け止めるのに必死だった。 「あらあら、「」さん。もう限界ですか? ほらほら、もっと頑張って耐えてください」 あくいさんは楽しそうに囁きながら、わざと腰の動きを強める。 「あっ…! ぁ……!」 しかし、その挑発がとどめとなり、「」の身体がビクンと大きく痙攣し、耐えきれずに浅く果てた。 「……はぁ、……はぁ……」 あくいさんは、満足するどころか、呆れたように小さくため息をつく。 「もう終わりですか。まだまだ頑張って欲しいんですけど…。まぁ、それなりには頑張った、でしょうか?」 彼女は「」の膝の上でわずかに腰を浮かせ、その顔を覗き込む。 「う~ん……でも、**あくいはとっても物足りない**んですよね~」 その目は、先ほどまでのからかうような色ではなく、熱を帯びてとろりとした、蠱惑的な光を宿していた。 「あっ、でもぉ……」 あくいさんは、まるで今思いついたかのように、悪戯っぽく笑う。 「「」さんも、**性癖的に**、本当は物足りないんですよね?」 その言葉は、暗に「こんな私との行為よりも、昨夜のように、すいじきゅんとの激しい行為で乱されている私を、本当は見たいんですよね?」と、ご主人「」の倒錯した欲望の核心を突いていた。 夕方、書斎でぼんやりと過ごしていたご主人「」のスマホが、静かに着信を知らせた。 画面を見ると、表示されている名前は「あくいさん」だった。 (……あくいさんから? 何の用だ……?) 昼間の出来事を思い出し、ご主人「」は訝しみながらも通話ボタンを押す。 「もしもし?」 しかし、スピーカーからは何の返答もない。電波が悪いのかと「」が思い始めた、その時だった。 電話の向こう側から、くぐもった会話が聞こえてきた。あくいさんは、受話音量をゼロにしているのだろう。ご主人「」の声は届いていないようだが、こちらの耳には、向こうの音声がはっきりと届いていた。 『……ん……お部屋まで我慢出来ずに、こんな所でなんて。すいじきゅんったら、大胆ですね』 あくいさんの、甘く、からかうような声。 『すみません、あくいさん……僕、もう、我慢出来なくて……』 切羽詰まったような、すいじきゅんの声がそれに続く。 『うふふ、正直でよろしいですよ……んっ……』 **――― チュ、……ん……くちゅ……** 電話口から聞こえてきたのは、明らかに唇が触れ合い、唾液が混じり合うような、濃厚なキスの音だった。 「……!」 ご主人「」は息を飲む。電話を切ることもできず、スマホを耳に押し当てたまま硬直する。 **――― サラ……、ガサ……、カサ……** キスの音に混じって、次第に衣擦れの音――服が乱され、あるいは脱がされていく音も聞こえ始めた。あくいさんが、今まさに、屋敷のどこかで、すいじきゅんに求められている。その生々しい状況が、電話越しにご主人「」の耳へと克明に届けられていた。 ご主人「」は、スマホを握りしめたまま、その場に立ち尽くしていた。 衣擦れの音が一層大きくなり、あくいさんの服が強引に乱されていく様子が音だけで伝わってくる。 『……あくいさんの、胸……』 電話の向こうから、すいじきゅんのかすれた、欲望に濡れた声が聞こえた。 『うふふ……。好きにしていいんですよ、すいじきゅん……貴方のためのお手本、なのですから……んっ』 あくいさんの、すべてを許容するような甘い声。 その直後、ご主人「」の耳に、あくいさんの生々しい吐息が直接響いてきた。 「……ん、……ふぅ……っ……」 それはもう会話の声ではない。 まるでマイクに直接吹きかけられたかのように鮮明な、快感に耐える吐息。 『……ぁ……、すいじきゅん……そんなに強く、揉んだら……あ……!』 あくいさんの声が、電話越しに甘く、切迫したものに変わっていくのを、ご主人「」はただ聞いていることしかできなかった。 ご主人「」の耳に突き刺さるのは、あくいさんの切迫した、甘い吐息だけだった。 それは数秒間続いたが、やがて、すいじきゅんの焦れたような息遣いと、服がさらに乱暴にたくし上げられるような音に変わる。 『……ん、……ぁ……すいじきゅん、そんなに慌てなくても、あくいは逃げませんよ……』 あくいさんの声は、明らかに愉悦に満ちていた。 『だって……我慢、できない……です……!』 『うふふ……。じゃあ、あくいからもご褒美を……ん……ちゅる……』 電話口から聞こえてきたのは、明らかに硬いものを濡れた口で深く吸い上げるような、下品とも言える水音だった。 『あっ! あくいさん……!』 『……ん、ん……っ……』 あくいさんは何かを口に含んだまま、満足そうな喉の音を立てている。その生々しい奉仕の音に、ご主人「」の背筋がぞくりと粟立った。 (……あいつ、こんな……廊下で……) 『……もう、いいですか……?』 『はい……! ぼ、僕も……あくいさんに……』 『まあ……お返しですか? 嬉しいです……んっ!』 今度はあくいさんの、驚きと快感が混じった甲高い声が響く。 ご主人「」には、すいじきゅんが今、あくいさんに何をしているのかが、音だけで痛いほど伝わってきた。 『ぁ……! だめ、すいじきゅん、そこは……! ……んんっ!』 あくいさんの声はもはや、昨夜扉越しに聞いたあの声と同じ、快楽に溺れた喘ぎそのものだった。 そしてついに、決定的な音がご主人「」の耳を打った。 **――― ズプッ!** 『……くぁ……っ!』 電話越しに響いた、あくいさんの短い悲鳴。 屋敷のどこかも分からない場所で、二人が完全に結合したことを示すその音を、ご主人「」は、自室でただ一人、聞き続けていた。 「……くぁ……っ!」 電話越しに響いたあくいさんの短い悲鳴の後、数秒の沈黙があった。 ご主人「」が息を詰めていると、スピーカーから、あくいさんの熱に浮かされたような、しかし妙にはっきりとした声が聞こえてきた。 『……んっ……ふぅ……。入って、しまいましたね……。こんな、廊下の隅で……』 その声は、まるでスマホの向こうのご主人「」に向かって、今の状況を**実況**しているかのようだった。 『ぁ……! すいじきゅん……! あくいさんの、中……凄いです……! こんなに、熱くて……締まって……!』 興奮したすいじきゅんの声が、あくいさんの喘ぎに割り込む。 『うふふ……嬉しいことを、言ってくださいますね……。でも、貴方こそ……んっ!』 **――― ズプ、……くちゅ、……ズプッ!** あくいさんの言葉と共に、二人がゆっくりと腰を動かし始めた生々しい水音が、ご主人「」の耳を直接打つ。 『……ぁ……! 貴方の、若くて硬いのが……あくいの、奥まで……届いてますよ……?』 『「」さん……いえ、誰かさんに、聞こえてしまったら……どうしましょうね……んっ……!』 あくいさんは、わざとらしくそう喘ぎながら、ご主人「」がこの電話を聞いていることを確信しているかのように、背徳的な実況を続けるのだった。 ご主人「」は、電話が耳に張り付いたかのように動けなかった。 スピーカーの向こう側では、行為が明らかに激しさを増していた。 **――― ズプッ! ズプッ! ズプッ!** 腰を動かす水音は、もはやゆっくりとしたものではなく、速いリズムを刻み始めている。 『……ぁ、あっ! ……すいじきゅん、激しい……! そんなに、あくいの中が、気持ちいいですか……?』 あくいさんの声は、熱っぽく喘ぎながらも、言葉は奇妙なほどはっきりとご主人「」の耳に届く。 『んくぅ……! ……あ、あ、……見てください、こんな……廊下で、こんなにはしたない格好で……! ぁあっ!』 まるで、ご主人「」の目にも見えるかのように、あくいさんは現在の状況を克明に実況する。 『奥……! おくの、いちばん……んっ! ……柔らかいところを、すいじきゅんの硬いので……! ぁああっ!』 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 音がさらに湿っぽく、激しくなる。 『すごい……! あくいさん、すごい、です……! ぼ、僕……!』 『まだですよ……! ん……! まだまだ、あくいは……物足りません……っ!』 すいじきゅんの切羽詰まった声を、あくいさんが喘ぎながらも一蹴する。その全てが、筒抜けでご主人「」に届けられ続けていた。 ご主人「」がスマホを握りしめる手に、汗が滲む。 電話の向こうでは、二人の声と音が、今まさにクライマックスを迎えようとしていた。 『……ぁ、あっ、あくいさんっ! ぼ、僕、もう……! 出ます……!』 すいじきゅんの、若く、切羽詰まった絶頂寸前の叫び声。 それに完璧に合わせるかのように、あくいさんの甲高い喘ぎ声が重なった。 『……っ、あくいも……! ぁああああっ!』 『ああああっ!!』 二人の絶頂の声が、電話越しに一つになって響き渡る。 数秒間、荒い呼吸音だけがスピーカーから聞こえていたが、ご主人「」が息をつく間もなかった。 **――― ズ、……ズプ……!** (……え?) まだ終わっていなかった。 果てたばかりのはずのすいじきゅんが、再び腰を動かし始めたのだ。 『……まぁ……!』 あくいさんの、驚きと、それ以上の喜びに満ちた声が響く。 『すいじきゅん……。今、果てたばかり、ですよね……? なのに、まだこんなに……硬く……なって……』 その「実況」は、あくいさん自身の率直な感動のようでもあった。 『だって……! まだ、まだ足りない、です……! あくいさんが、欲しい……!』 『……うふふ、……ふふふふ……!』 あくいさんの、心の底から楽しそうな、蕩けた笑い声が聞こえる。 『本当に、貴方は……素晴らしいですね……! いいですよ、あくいの全部、貴方の好きなようにして……んっ!』 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** あくいさんの言葉を遮るように、先ほどよりもさらに激しく、制御の効かないような、生々しい肉の打撃音が電話口に響き渡る。 二人の行為は、一度目の絶頂では終わらず、すいじきゅんの尽きない求めに応じるまま、さらに激しさを増していた。 ご主人「」は、電話を耳から離すことなど、もはや不可能だった。 スピーカーから叩きつけられる音は、先ほどのクライマックスがまるで前戯であったかのように、暴力的とも言えるほどの激しさを帯びていた。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 『……あ、あ、あ……! ま、待って、すいじきゅん、そんなに……! ぁあああっ!』 あくいさんの声は、もはや実況というよりも、制御できない快感から漏れる悲鳴そのものに近くなっていた。 『はぁっ……はぁっ……! 待って、なんて……言っても、……止めてくれない、ですよね……! んんっ!』 それでも彼女は、ご主人「」に聞かせることをやめない。 『すご……い……。若い方の体力は、本当に……底が、ないんですね……! あくい、もう……身体が、どうにかなって……しまいます……!』 **――― ズドン! ズドン!** 『ぁあ……っ! おく、おく、おく……! そんなに、あくいの子宮を……! ぁあ……っ!』 すいじきゅんの荒い呼吸音だけが、あくいさんの甲高い声の合間に獣のように響く。 ご主人「」は、自分の屋敷のどこかで、自分のメイドが、自分ではない男によって、その若さゆえの容赦のない精力で、文字通り「壊される」かのような音を、ただただ聞き続けていた。 ご主人「」は、もはや自分がどこにいるのかさえ忘れそうだった。 書斎の椅子に深く沈み込んだまま、耳に当てたスマホだけが、現実と繋がる唯一の接点だった。 その接点から流れ込んでくる音は、常軌を逸していた。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** まるで嵐の中で激しく打ち付ける波のような、容赦のない肉の打撃音。それに混じり、あくいさんの声は、もはや快感の悲鳴と、ご主人「」への実況という名の背徳的な挑発が、ぐちゃぐちゃに溶け合っていた。 『……ぁ、あ、あ、あああっ! すいじきゅん……! あくい、もう……! ほんとうに、こわれて、しまいます……!』 『あくいさん……! あくいさん……!』 すいじきゅんの声は、もはや興奮で言葉を失い、ただ目の前の女の名前を呼ぶだけの獣の喘ぎに変わっていた。 『んんっ! ……はぁっ、はぁっ……! ねぇ、……聞こえてますか……? 「」さん……?』 あくいさんは、わざわざその名前を呼んだ。 『「」さんじゃ……こんな、……こんな激しいこと、……ぜったい、できませんよね……! ぁあああっ!』 その言葉は、ご主人「」の寝取られ性癖の最も深い部分を、鋭利な刃物で抉るかのように突き刺さった。 そうだ、自分には無理だ。あの完璧なメイドを、こんな風に理性を失わせ、ただの「女」の鳴き声に変えるほどの若さも精力も、自分にはない。 『あ、あ、あ、あ、あ……! も、むり、むりむり……! おく、おくが、……すいじきゅんの、かたいので……! ぐりぐり、されて……! あくいの、なかが……!』 **――― ズドン! ズドン! ズドン!** あくいさんの言葉を遮るように、特に強く、深く、一番奥を抉るかのような鈍い音が響き渡る。 『ひっ……! いま、……いま、ぜんぶ……! ぜんぶ、入って……!』 『あくいさんっ……! まだ、まだ、いけますよね……!』 『……っ! この、……この、……わからずや……っ! ぁあああああああああっ!』 それは、怒声なのか、歓喜の声なのか。 あくいさんの絶叫がスピーカーを突き破らんばかりに響き渡った。 『も、……も、……だめ……! イク、イキます! また、イっちゃいますぅううう!!』 『うおおおおおおおっ!!』 すいじきゅんの雄叫びと、あくいさんの甲高い絶頂の悲鳴が、ご主人「」の耳の中で完璧に重なり合った。 あまりに激しい音の奔流に、ご主人「」もまた、椅子の上で、誰に知られることもなく、二度目の浅い絶頂を迎えていた。 「……はぁっ、……はぁっ、……はぁ……っ」 「……ふぅ……っ、……ふぅ……っ」 電話の向こうから、嵐が過ぎ去ったかのような、二人分の荒い呼吸音だけが聞こえる。 ご主人「」は、ぐったりと椅子の背もたれに身体を預け、虚脱感に支配されていた。 (……終わった……のか……?) そう思った、次の瞬間。 電話の向から、蕩けきった、しかし、心の底からの愉悦に満ちたあくいさんの笑い声が聞こえてきた。 『……ふふっ、……ふふふふ……。……聞こえましたか、「」さん……?』 「!」 『これが……あくいの「お手本」です。……すごいですね、すいじKきゅんは……』 『あくいの、……奥の奥まで……。……ああ、……でも、……見てください……』 あくいさんの声が、再び熱を帯びる。 『こんなに、……あくいをめちゃくちゃにしたのに、……まだ……。まだ、こんなに、硬く……なって……』 『あくいさん……。まだ、……足りない、です……』 すいじゅきゅんの、まだ欲求が終わっていない、かすれた声。 『……本当に、……しょうがない人ですね……』 あくいさんは、心の底から嬉しそうに、呆れたようにそう言った。 『じゃあ、……この続きは、……お部屋で、……ゆっくり、……ね?』 ご主人「」の耳元で、あくいさんがわざとらしく濃厚なキスをする音が響く。 **――― チュッ……** その音を最後に、通話はブツリと、一方的に切られた。 「…………」 書斎には、静寂だけが戻ってきた。 ご主人「」は、まだ熱を持っているスマホを握りしめたまま、自分が今夜、どれほどの音を聞かされたのかを反芻し、敗北感と倒錯した喜びが入り混じる中、ただ、動けずにいた。 客間の分厚い扉が、カチャリ、と音を立てて閉まる。 すいじきゅんは、まるで獲物を追い詰めた獣のように荒い息を吐きながら、あくいさんを壁際に押し付けた。 「……ふふ、……はぁ……」 あくいさんは、乱れたメイド服を直す素振りも見せず、うっすらと汗の滲んだ額にかかる黒髪をかき上げる。その目は、廊下での行為で蕩けたまま、熱っぽくすいじきゅんを映していた。 「お部屋まで、本当に我慢できなかったんですね……。すごい体力……。あくいの身体、そんなに気に入りましたか?」 「あくいさん……!」 すいじきゅんの返事は、言葉にならない欲望の咆哮だった。 彼はあくいさんの言葉を待たず、その唇を再び深く塞ぐ。廊下での焦れたようなキスとは違う、所有欲を隠さない、深く貪るような口づけ。 あくいさんのメイド服のボタンが、彼の焦れた指によって強引に引きちぎられる。 「ん……っ!……ふふ……、……しょうがない人……」 あくいさんは、抵抗するどころか、自らもその背中に腕を回し、すいじきゅんの身体を強く抱きしめる。 二人はもつれ合うようにしてベッドへと倒れ込んだ。シーツが音を立てて乱れ、先ほど中途半端に脱がされた衣服が、今度こそ完全に剥ぎ取られていく。 「あくいさん……あくいさん……」 すいじikゅんは、あくいさんの白い肌に顔を埋め、その名を何度も呼びながら、先ほど果てたばかりとは思えないほどの熱と硬さで、再び彼女の身体を求めた。 「……まぁ……。……もう、こんなに……」 あくいさんは、自分の間に差し込まれたその若々しい証に、驚きと歓喜に満ちたため息をつく。 「……本当に、……底がないんですね、貴方は……」 「だって……! あくいさんが、……あくいさんが、全部、受け入れてくれるから……!」 すいじきゅんは、その言葉を合図に、再びあくいさんの内側へとその身を滑り込ませた。 「……ぁあっ!」 **――― ズプッ! ズププッ……!** さきほどよりも、ためらいなく、深く。 一度目の絶頂で完全に解きほぐされたあくいさんの内側は、すいじきゅんの熱をたやすく、そして貪欲に迎え入れた。 「んっ……! はぁ……! ふぅ……!」 あくいさんは、すぐに始まった激しい突き上げに、ベッドのシーツを強く握りしめる。 もう、ご主人「」に聞かせるための「実況」ではない。 電話というフィルターもない。 ただ、目の前の若い男がもたらす、直接的で、純粋な快感だけが、あくいさんの全身を支配していた。 「……ぁ、あ、あっ! すいじきゅん……! すご……い……! さっき、……さっきより、……激しい……っ!」 「あくいさん……! あくいさん……! もっと、……もっと、欲しい……!」 すいじきゅんの動きは、もはや理性ではなく、本能に突き動かされているようだった。若さが持つ、底なしのスタミナと欲望が、容赦なくあくいさんを打ち付ける。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 「あっ、あ、あ、あ……! だめ、……だめ、……そんな、……おく、……! あくいの、……おくが、……また、……! んあああっ!」 あくいさんの身体が、快感の波に打ち上げられて、大きく弓なりになる。 すいじきゅんは、その反応を見てさらに興奮し、動きを一切緩めない。 「あくいさん、……きれい……。……すごく、……きれい、です……!」 「……っ! ……こん、な……。……こんな、……めちゃくちゃに、……されて……! ぁあああああっ!」 あくいさんの甲高い絶頂の声が、部屋中に響き渡る。 しかし、すいじきゅんの腰は、あくいさんが果てたその瞬間も、止まらない。 彼は、あくいさんの絶頂の痙攣ごと、その身体の奥深くを、さらに激しく、深く、突き続けた。 「……っ!? ……ま、……まって……! すいじきゅん、……あくい、いま……! いった、のに……! あ、……あっ!」 「僕も……! ぼくも、……これで……! うおおおおおっ!」 すいじきゅんの雄叫びと共に、あくいさんの中で、再び熱い奔流が放たれる。 二人の身体は、汗だくのまま、固く抱き合ったまま、激しく痙攣し続けた。 「……はぁっ、……はぁっ、……はぁ……っ」 「……ふぅ……っ、……ふぅ……っ」 どれほどの時間が経ったのか。 ようやく嵐が過ぎ去り、すいじきゅんが、ぐったりとあくいさんの上に倒れ込む。 あくいさんは、完全に力の抜けた腕で、その汗に濡れた金髪を優しく撫でた。 「……ふふ……。……本当に、……おそろしい子……」 その声は、心からの満足と、そして、まだ終わらないかもしれないという、甘い予感に震えていた。 二度目の激しい行為の後、わずかな休息は、すいじきゅんの若すぎる肉体には十分すぎた。 あくいさんは、今やベッドの上で、シーツに両肘をつき、お尻だけを高く突き出すような、無防備な四つん這いの姿勢をとらされていた。乱れた黒髪の間から見える耳は、快感と羞恥で真っ赤に染まっている。 「……んっ……! ふ……っ!」 すいじきゅんは、その背後から、あくいさんの腰を両手で掴んで固定すると、一切のためらいも、体力的な衰えも見せずに、激しくその腰を突き上げ始めた。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 「……ぁ、あ、あっ! すいじきゅん……! また、……そんなに、……激しく……!」 あくいさんの声は、もはや喘ぎ声でしかなかった。高く突き上げられたお尻が、打たれるたびに白く波打つ。 「あくいさん……! あくいさん……!」 すいじきゅんは、興奮のあまり、夢中で目の前の完璧なメイドの名を呼ぶ。 「あくいさん……! す、……好き、です……! あくいさんが、好きだ……!」 その、本能からほとばしり出たかのような若々しい告白に、あくいさんの肩がビクッと震えた。 彼女は、激しい突き上げに耐えながら、必死に声を絞り出す。 「……んっ! ……だ、……だめ、……ですよ……っ!」 喘ぎで途切れ途切れになりながらも、その声にはいつもの「教育」する響きが混じっていた。 「……ぁあっ! ……あな、たには……、あさいが、……いるんですから……!」 「愛情は……っ! ……あさいに、……向けて、……あげて……! ……んんっ!」 その言葉は、しかし、すいじきゅんの欲望を鎮めるどころか、さらに火を注ぐだけだった。 彼は、その「駄目」という言葉ごとあくいさんを組み伏せるかのように、さらに深く、激しく腰を打ち付け続けた。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 客室には、もはや水音と、ベッドが壊れんばかりに軋む音、そして甲高い喘ぎ声だけが響き渡っていた。 あくいさんは、お尻を高く突き出したまま、シーツに顔を押し付けることしかできない。 すいじきゅんの若さから来る、文字通り「尽きない」責めは、とうとうあくいさんから**余裕という仮面を完全に剥ぎ取っていた**。 「……ぁ、あ、あっ! ……ま、……まって……! すいじきゅん、……ほんとうに、……んっ!」 彼女の制止の言葉は、もはや何の効力も持たない。すいじきゅんは、その背後からあくいさんの腰を獣のように掴み、その若さの全てをぶつけるかのように、ただひたすらに突き上げ続けていた。 「はぁっ、……はぁっ、……! あくいさん……!」 すいじきゅんもまた、興奮で理性が飛び、汗だくになって喘ぐ。だが、その目は爛々と輝き、その腰は一瞬たりとも止まらない。 「あくいさん……! お願い、……します……!」 「……んあっ!? ……なに、を……!」 「**行為をしてる間だけでいいから**……! ぼ、僕のこと、……**好きって言ってください**……!」 その、あまりにも純粋で、しかしあまりにも残酷な要求に、あくいさんの思考が一瞬停止する。 その隙を突くかのように、すいじきゅんの腰が、ひときわ深く、強く、あくいさんの最奥を貫いた。 「……っっ!! ああああっ!」 快感の奔流が、あくいさんの最後の理性を洗い流す。 彼女は、シーツに顔を埋めたまま、涙声で叫んだ。 「……す、……! ……**好きですよ**……ッ!」 その言葉は、まるで堰を切ったかのようだった。 「……んっ! ……好き……! ……こんなに、……あくいを、……めちゃくちゃにする……! ……んあっ!」 「貴方の、……この、……たくましいのが……! ……**好き**……!」 **――― ズドン! ズドン! ズドン!** 「……あっ、あ、あ……! その、……硬さも、……! この、……激しさも……! ……ぜんぶ、……**好き**、です……!」 あくいさんは、もはや自分が何を言っているのかも分からず、ただ目の前の若き獣が与える快感に身を任せ、求められるままの言葉を、喘ぎと共に吐き出し続けていた。 「……ぜんぶ、……**好き**、です……!」 あくいさんの、涙声の混じった告白は、すいじきゅんの最後の理性を焼き切る燃料となった。 「……っ! ぼ、僕も……! 僕も、あくいさんが、**好き**です……!」 すいじきゅんは、もはや本能のままに、あくいさんの高く突き上げられたお尻に、その若さのすべてを叩きつける。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 「あっ! あ、あっ! ああっ! すき、……**すき**! ……**好き**、だから……! んんっ!」 「あくいさん、……**好き**……! **好き**……!」 もはや二人の間に会話はなかった。 ただ、互いの名前と「好き」という単語、そして生々しい水音と喘ぎ声だけが、高級な客室の空気を満たしていく。あくいさんは、シーツに顔を押し付けたまま、快感の波に溺れながら、ただただ求められる言葉を叫び続けた。 「……んあっ! ……その、……げきしい、のも、……**好き**……! ぁああっ!」 「**好き**です……! あくいさんの、……この、……締める、……とこ……! **好き**……!」 すいじきゅんの腰の動きは、あくいさんが「好き」と喘ぐたびに、まるで褒められたかのように一層力を増し、その最奥を容赦なく抉る。 「……っ! ま、……まって……! そこ、……そこは、……あ、……! **好き**、だけど……! ぁあああっ!」 あくいさんの身体が、快感に耐えきれず、ガクガクと痙攣を始めた。今夜何度目かもわからない絶頂の予兆。 「あくいさん……! もっと、……もっと、**好き**って言って……!」 「……む、……むり……! **すき**、……**好き**すぎて、……こわれ、……! ぁあああああっ!!」 甲高い悲鳴と共に、あくいさんの身体が大きく弓なりになり、熱い痙攣がすいじきゅんの熱を締め上げた。 だが、すいじきゅんは、その絶頂の収縮の中ですら、止まらない。 「……っ! ぼ、僕も、……**好き**です……! うおおおおっ!」 若い獣は、あくいさんの絶頂に合わせるように、自らもまた熱い奔流をその最奥へと叩きつけた。 「「……はぁっ、……はぁっ、……はぁっ、……はぁっ……」」 二人の身体から力が抜け、すいじきゅんが、汗だくのままあくいさんの背中に覆いかぶさるようにして倒れ込む。 激しい行為の痕跡だけが、部屋中に満ちていた。 「……はぁ、……すごい、……。……**好き**……」 「……ん、……ふぅ……。……もう、……むり……」 あくいさんは、意識が飛びかけるほどの快感の余韻に、か細い声で呟く。 もう、これで終わりだろう、と。ご主人「」の時のように、若いとはいえ、一度果てれば、少しは……。 しかし、その甘い期待は、数分もしないうちに裏切られた。 あくいさんの背中に覆いかさなっていたすいじきゅんが、ゆっくりと身を起こす。 そして、まだ結合したままの、信じられないことに、再び熱と硬さを取り戻し始めているその感覚に、あくいさんは、もはや恐怖に近い戦慄を覚えた。 「……うそ、……でしょ……?」 「あくいさん……」 すいじきゅんは、あくいさんの身体を強引にひっくり返し、仰向けにさせた。乱れた黒髪がシーツに散らばり、涙と汗と唾液でぐちゃぐちゃになったあくいさんの、完璧なメイドとは程遠い、ただの女の顔が晒される。 「……あ、……。……ぼ、僕……、まだ、……**好き**、です……」 「……ひっ!?」 あくいさんは、その純粋すぎる欲望の瞳から逃れるように顔を背けようとするが、すいじきゅんの手がそれを許さない。 「あくいさん……。**好き**って、……言ってくれる、あくいさんが、……**好き**……」 すいじきゅんは、あくいさんの両足を掴むと、そのまま高く担ぎ上げた。 あくいさんの、抵抗する術を失った身体が、無防備に開かれる。 「……あっ! だ、……だめ……! そこは、……もう……!」 「**好き**です」 **――― ズドンッ!!** 「……っっ!! ああああああああっ!!」 先ほどまでの比ではない、あまりにも深く、強烈な結合。 あくいさんの身体は、再び走り出した快感の暴走列車に、なすすべもなく蹂躙された。 「**好き**、……**好き**……! **好き**です、あくいさん……!」 「……あっ! あ、あっ! ……わ、……わたし、も……! **すき**、……! あ、……**好き**です……!」 もはや、どちらが先に言っているのかもわからない。 「好き」という言葉が、喘ぎとなり、突き上げるたびの掛け声となり、快感を増幅させる呪文となっていた。 **――― びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ! びちゃ!** 「……あ、あ、あ、あ……! も、……ほんと、……むり、……! ゆるして、……! **好き**、……**好き**だから、……ゆるして……!」 「駄目です……! 僕も、**好き**だから……! あくいさんの、……ここ、……**好き**……!」 すいじきゅんの指が、結合部でぐちゃぐちゃになっているあくいさんの秘所を、突き上げながら、外から弄り始める。 「……ひっ!? あ、……そこ、……! あ、あ、あ、あっ! **好き**っ!!」 あくいさんの身体が、再び限界を迎え、白目を剥きかける。 「あくいさん、……かわいい……。……**好き**……」 「……んあああああああっ!!」 絶頂の痙攣。だが、すいじきゅんは、やはり止まらない。 彼は、痙攣するあくいさんの身体を抱きしめ、その耳元で、悪魔のように囁いた。 「……まだ、……いけますよね? ……**好き**、だから……」 「……っ!?」 あくいさんは、その言葉に、絶望と、それを上回る底なしの快感の予感に、ただ、首を横に振ることしかできなかった。 その夜、完璧なメイドが、ただの「女」として、年下の少年の前で何度「好き」と喘ぎ、壊されたのか。 それは、二人だけが知る秘密となった。 夜が明け、昨夜の嵐のような情欲が嘘だったかのように、屋敷には静かで穏やかな朝が訪れていた。 金色の陽光が埃をきらきらと照らす中、すいじきゅんは、完璧に洗い上げられ、アイロンがかけられた執事服を身にまとい、屋敷の重厚な正門の前に立っていた。 その背中は、執事としての訓練通りにまっすぐに伸ばされている。だが、その完璧な姿勢とは裏腹に、彼の全身は軋むような倦怠感に包まれていた。 腰、太腿、背中、そして昨夜あくいさんに散々求められ、吸い上げられた彼の中心――。身体のあらゆる場所が、熱を持った鈍い痛みを主張し続けていた。昨夜、この屋敷で、自分がどれほど人としての尊厳を、そして理性を失うほどの快楽に溺れたかを、その痛みが容赦なく思い出させてくる。 彼を見送るために立っているのは、あくいさん一人だった。 あさいさんは、昨夜すいじきゅんとの行為で(あくいさんとの激闘の後にもかかわらず、あの少女もまた、すいじきゅんの若すぎる体力に振り回され)疲れ果てたのか、まだ起きてきていない。 「……」 すいじきゅんは、目の前に立つ黒髪の美女を、直視することができなかった。 今、彼の目の前にいるあくいさんは、完璧なメイドだった。 一分の隙もなく着こなされたメイド服。美しく結い上げられた黒髪。その表情は、来客を見送るにふさわしい、穏やかで、冷徹さすら感じさせるほどの落ち着き払ったものだ。 昨夜、自分の下で、あるいは自分の上で、汗と涙と唾液にまみれ、シーツに顔を押し付けながら「好き、好き」と甲高い声で喘ぎ、快感に壊されていた女の姿は、そこにはどこにもなかった。 まるで、昨夜の出来事すべてが、自分だけが見た悪夢だったのではないか。 そう錯覚してしまうほどの、完璧な**「普段通りの余裕のある姿」**だった。 「すいじきゅん。昨夜は、あさいが無理を言って引き止めてしまい、申し訳ありませんでした」 その声も、いつも通りの、澄んだ鈴の音のような声だ。 「い、……いえ……! そんな、ことは……」 すいじきゅんは、慌てて首を振る。 (迷惑だなんて、そんな……) むしろ、帰りたくなかった。 このままこの屋敷に残り、あの背徳的で甘美な時間に、もう一度、何度でも溺れたいとさえ思ってしまっている自分がいる。 昨夜、あれほどまでに自分を蹂躙し、壊し尽くした女が、今はこんなにも涼しい顔をしている。その事実が、悔しいような、切ないような、奇妙な感情を呼び起こす。 「……こちらこそ、……お、お世話に、なりました……」 やっとのことで絞り出した声は、情けなくも掠れていた。 彼は、去りがたい気持ちを隠せないまま、視線を足元に落とす。 帰りたくない。 このまま帰って、いつもの日常に戻って、女子「」のご主人様のお世話をして……。 そんな日常が、昨夜の非日常を知ってしまった今、ひどく色褪せて見えた。 その**名残惜しそうな表情**を、あくいさんは見逃さなかった。 「……あらあら」 あくいさんは、ふっと、ごく小さく息だけで笑った。 その声に、すいじきゅんが顔を上げる。 「本当に、……仕方のない方ですね」 あくいさんは、その完璧なメイドの仮面をほんの少しだけ緩めると、すっとすいじきゅんの前に一歩踏み出した。 すいじきゅんの身体が、彼女の接近に強張る。 石鹸と、アイロンがかけられたリネンの清潔な香り。その奥に、昨夜、彼の理性を何度も麻痺させた、あくいさん自身の甘い肌の匂いを、敏感になった嗅覚が感じ取ってしまう。 (あ、……) すいじきゅんの喉が、ごくりと鳴った。 彼は、反射的に、彼女の唇に視線を送ってしまう。 昨夜、自分の名前と「好き」という言葉を、喘ぎながら紡いだあの唇。 だが、あくいさんは、その視線に応えることはなかった。 彼女は、そっと繊細な指先を伸ばすと、すいじきゅんの、昨夜の激闘でわずかに乱れたままだった金色の前髪を、優しくかき分ける。 その指先の冷たさが、熱っぽい彼の肌にはひどく心地よかった。 「……え……?」 すいじきゅんが戸惑いの声を上げる間もなく。 あくいさんは、その美しい顔を静かに寄せると、 **――― ちゅ。** その冷たくも柔らかい唇を、すいじきゅんの**額**に、優しく押し当てた。 「!」 それは、昨夜の、互いのすべてを貪り合うような情熱的なキスではなかった。 まるで、よくできた弟か、あるいは、骨の折れる仕事(・・・)をやり遂げた忠実な下僕を労うかのような、穏やかで、しかし絶対的な支配を感じさせる、ごく軽いキスだった。 すいじきゅんの顔が、耳まで真っ赤に染め上がる。 あくいさんは、何事もなかったかのように、ゆっくりと顔を離すと、すいじきゅんの額に残ったであろう、自分の唇の感触を確かめるように、悪戯っぽく微笑んだ。 「……昨夜は、あくいの『お手本』、よく頑張ってくださいました。ご褒美ですよ」 その声は、昨夜、ご主人「」の電話越しに聞こえた、あの愉悦に満ちた声色をしていた。 「あ、……あ……」 すいじきゅんは、何も言えない。 ただ、燃えるように熱い額を押さえることしかできない。 あくいさんは、そんな金髪の美少年の姿に満足そうに頷くと、再び完璧なメイドの表情に戻る。 「では、すいじきゅん。どうぞ、お気をつけて。……あさいが起きましたら、貴方がよろしくと伝えていたと、そう申し伝えておきます」 「あ……はい……! あ、ありがとうございました!」 すいじきゅんは、深々と頭を下げると、まるで逃げ出すかのように、しかし、何度も後ろを振り返りたくなる衝動を必死にこらえながら、屋敷の正門をくぐり抜けていった。 あくいさんは、その背中が小さくなるまで、完璧な笑顔で見送り続ける。 そして、その姿が完全に見えなくなると、彼女はそっと自分の唇に指先を触れさせた。 (……本当に、……恐ろしいほどの体力でしたね……) 昨夜、自分があれほどまでに余裕を失い、快感に「壊された」ことを思い出し、あくいさんの頬が、朝の光の中で、ほんのわずかに上気する。 (……あの「」さんには、逆立ちしても真似できない芸当です) 彼女は、自分の倒錯したご主人と、あの若く逞しい獲物を比べ、くすりと喉を鳴らした。 (……また、呼びましょう。あさいのため、……そして、「」さんのためにも。ええ、……もちろん、あくい自身のためにも) 黒髪の美女は、誰にも見せることのない、蠱惑的な笑みを浮かべると、静かに踵を返し、屋敷の中へと戻っていった。 昼下がりの日差しが、湯気の立ち込める広いバスルームに柔らかく差し込んでいた。屋敷の大理石造りの広大な浴槽は、まるで小さなプールのようだ。その水面が、ごくごく僅かな水音を立てて、静かに波打っている。 「……ん、……ふ……」 その水音の中心に、二人の男女の姿があった。 あくいさんは、湯船の縁に背を預け、長い黒髪を濡れないように結い上げている。その豊満な胸には、ご主人「」がまるで赤子のようにしがみつき、顔を深く埋めていた。 あくいさんの白い腕は、そんなご主人「」の頭を優しく抱きしめ、その髪をゆっくりと指で梳(す)くように撫でている。 そして、湯船の水面下では、二人は静かに、深く結合していた。 **――― ぐ……、……ちゅぷ……、……ぐ……** それは、昨夜あくいさんがすいじきゅんと交わしたような激しいものではなかった。 あくいさんの腰は、ほとんど動いているかも分からないほど**ゆっくりと**、しかし確実に円を描いている。ご主人「」もまた、その動きに応えるように、ごく僅かに腰を押し込む。 ねっとりとした、粘膜同士が吸い付くような微かな水音だけが、時折、湯気の向こうに反響する。 それはまるで、時間をかけて互いの存在を確かめ合うかのように、**ただ長く、深く繋がり続けたい**と願うかのような、異様に穏やかで、しかし濃密な交わりだった。 「……ふふ……」 あくいさんは、胸に埋まるご主人「」の頭頂部を見下ろし、その耳元に唇を寄せた。 「「」さん。……先ほど、すいじきゅんをお見送りいたしましたよ」 ご主人「」の肩が、ぴくりと小さく震えた。 「……それはもう、名残惜しそうな顔をなさって。……まるで、捨てられた子犬のようでした。可愛らしいこと」 あくいさんは、ゆっくりと腰をすり寄せながら、その感触を確かめるように囁く。 「……本当に、……昨夜は大変だったんですよ?」 彼女の言葉は、労うようでもあり、しかし、その奥には隠しきれない愉悦の色が滲んでいた。 「あの方は……、本当に、**底がありませんでした**。……あくいの『お手本』が、少し、良すぎたのかもしれませんね」 **――― ぐ、……にゅる……** あくいさんが、意図的に内側をご主人「」の熱で締め上げる。ご主人「」は、うめき声にならない息を、あくいさんの乳房の谷間に吐き出した。 「「」さんのように、すぐに疲れてしまったりは、なさいませんから。……一晩中、……いいえ、朝方まで……」 あくいさんは、昨夜の光景を思い出すかのように、うっとりと目を細める。 「何度も、……何度も、あくいを求めてくださいました。……若い方の、あの、容赦のない体力というのは……本当に、恐ろしいものですね」 あくいさんは、ご主人「」の髪を撫でていた指を止め、その耳たぶを、そっと爪先でカリカリと引っ掻いた。 「あくいも、久しぶりに……いえ、もしかしたら初めてかもしれません。……あんな風に、余裕というものを、全て奪われてしまったのは」 彼女の報告は、淡々とした口調ながら、その内容はご主人「」の寝取られ性癖を的確に刺激するものだった。 「最初は、『「」さんに聞かせるため』と思って、電話越しにお相手しておりましたけれど……。途中からは、もう、そんな余裕は欠片もありませんでした」 **――― くちゅ、……じゅぷ……** 湯船の中の交わりが、あくいさんの言葉に合わせるように、少しだけその粘着質な音を強める。 「『好きだ』と、何度もおっしゃってくださって。……『行為の間だけでいいから、好きと言ってほしい』なんて、可愛らしいことをおっしゃるものですから」 「……あくいも、つい……。何度も、『好き』と、お返ししてしまいました」 ご主人「」の背中が、悔しさと興奮で、小さく震えているのがあくいさんには伝わってくる。 「……んっ……」 あくいさんは、わざとらしく甘い吐息を漏らし、ご主人「」を抱く腕に力を込めた。 「「」さんの、この……優しいだけの動きとは、大違いでしたよ?」 「壊されるかと思うほど、激しくて……。あくいの奥の奥まで、何度も、……何度も、……。あんなに硬くて、熱いもので……」 彼女は、まるで夢見るようにそう囁きながら、湯船の中では、対照的に、ご主人「」のものを、ねっとりと、ゆっくりと締め上げ続ける。 「……ふふっ。……でも、「」さんは、……本当は、そちらの方が、お好きなのでしょう?」 「……『あくいが、あんな若い方に、めちゃくちゃにされている』方が、……「」さんの性癖には、……合っているのではなくて?」 その言葉は、ゆっくりとした交わりと共に、ご主人「」の理性の奥深くまで、じわじわと染み込んでいく。 ご主人「」は、何も言い返せないまま、ただ、あくいさんの豊満な胸に顔を埋め、その背徳的な報告と、自分を包み込む生温かい湯と、あくいさんの内側の熱に、ただただ溺れていくしかなかった。 あくいさんの、からかいと報告は、そのゆっくりとした交わりが終わるまで、まだ当分、続きそうだった。 あくいさんの報告は、淡々と、しかし執拗に続いていた。 その完璧な唇から紡がれるのは、昨夜、自分ではない若い男がいかに彼女を蹂躙し、彼女がいかにそれに歓喜し、壊されていったかの詳細な記録だった。 **――― ぐ……、にゅぷ……** 湯船の中では、変わらず、ゆっくりとした交わりが続いている。 あくいさんが言葉を紡ぐたび、ご主人「」の身体が、彼女の胸の中で小さく震えた。 「……あ、……あ……」 あくいさんの乳房の谷間に顔を埋めたまま、ご主人「」は、ついに耐えきれなくなったかのように、くぐもった、情けない声を漏らした。 「……して、……ほしい……」 「……ええ。「」さん、何をです?」 あくいさんは、聞こえているくせに、あえて聞き返す。その内側が、ご主人「」のものを意地悪く締め付けた。 「……っ! ……また、……また、して欲しい……。すいじきゅんに、……あくいさんを……」 ご主人「」の声は、悔しさと興奮と、そして何よりも懇願の色に濡れて、震えていた。 「……でも、……! でも、俺のこと、……見捨てないでぇ……!」 それは、自分のメイドが他の男に抱かれることを望みながら、そのメイド自身には見捨てられたくないという、あまりにも矛盾した、情けない叫びだった。 その懇願を聞いて、あくいさんは、湯船に響くほど楽しそうに、**ふふっ**、と喉を鳴らして笑った。 「……**どうしましょうか?**」 彼女は、ご主人「」の髪を撫でていた手を止め、その顎をくいと持ち上げさせ、無理やり自分と視線を合わせる。 その目は、愉悦と支配欲に、とろりと潤んでいた。 「あんなに若くて、逞しくて、……あくいを何度も『好き』と喘がせてくださる方を知ってしまったというのに。……こんな、すぐに果ててしまう、ダメダメな「」さんを、まだお相手しなくてはなりませんか?」 「……あ、……」 ご主人「」の目が、絶望に揺らぐ。 その表情を、あくいさんは心の底から楽しむかのように、数秒間、じっくりと眺めた。 そして、その顔に、いつもの**挑発的な笑み**を浮かべると、その唇をゆっくりと開いた。 「……**大丈夫ですよ**」 「え……?」 「**そんな情けない変態性癖持ちの、可愛らしい「」さん**を、こうして受け入れて……そして、心ゆくまで**からかってあげる**のも」 あくいさんは、そこで一度言葉を切り、水面下で、再びゆっくりと腰を動かし始める。 **――― ぐ……、……ちゅる……** 「……あくいの、**大切な楽しみの一つ**ですから」 「……あ、……あくい、さん……!」 ご主人「」は、その言葉に安堵したのか、それとも新たな興奮を覚えたのか、再びあくいさんの豊満な胸に、強く顔を埋めるのだった。 あくいさんは、そんなご主人「」の姿を愛おしむように、しかし、その目には一切の侮蔑を隠さずに、ただ、優しく抱きしめ続けていた。 ねっとりとした、いつまでも続くかと思われた湯船の中の交わりも、やがて終わりを迎えた。 あくいさんの挑発的な報告と、ご主人「」自身の倒錯した興奮に耐えきれず、彼は再びあくいさんの内側で果て、今はもう**ぐったり**と力を失っている。 湯船から上がり、バスローブを羽織ったあくいさんは、バスルームに備え付けられた長椅子に腰掛けていた。 その膝には、同じくバスローブをまとったご主人「」が頭を乗せ、**あくいさんの膝枕で涼んでいる**。 湯上がりの火照った身体に、ひんやりとした空気が心地よい。 ご主人「」は、この数日間のあまりにも濃密な背徳的興奮と、今の絶対的な安心感と、そしてあくいさんの膝の柔らかさに包まれ、その意識は急速に薄れていった。 やがて、その口元からは、すべてを預けきったような**静かな寝息が聞こえ始めていた**。 あくいさんは、その無防備な寝顔を、じっと**見つめていた**。 いつもの嘲りや挑発の色は消え、その瞳には、ご主人「」自身が決して知ることのない、穏やかな色が浮かんでいる。 彼女は、その眠るご主人「」の頬を、まるで壊れ物を扱うかのように、そっと指先で撫でた。 「……ふふ」 ごく小さな、優しい笑い声が漏れる。 あくいさんは、その寝息を立てる耳元に、起こさないよう、**小声で**そっと囁きかけた。 「**そんな駄目駄目で、からかいがいのある「」さんのことが、愛してますよ**」 その声は、甘く、慈しみに満ちていた。 「……**ふふっ。でも、まだまだ直接は言ってあげません**」 あくいさんは、自分の変態的で情けないご主人を、愛おしそうに見下ろしながら、その黒髪の奥で、誰にも見せない優しい笑みを浮かべ続けていた。