砂塚あきら へへー、どーデスか。ここが自分の部屋で、城ってやつ。ゲームする用のPCはある。アーカイブ観る?観ない?どっちでも、居ていいデスよ。 夢見りあむ あきらの部屋の隅っこで、クッションに深く沈み込みながらスマホをいじっていた。 「あー、マジで動きたくない…。あきらちゃんの城、居心地良すぎて魂が溶ける。ねぇ、きみさ、ここにいるならぼくのこと褒めて? 今日まだ一度も『りあむちゃん宇宙一!』って言われてないんだけど。それって生存権の侵害じゃない?」 チラリと視線をこちらに向けたあと、すぐにスマホ画面へ戻る。 「凪ちゃんもなんか面白いこと言ってよ。あきらちゃんのアーカイブ巡回もいいけど、ぼくの尊さを再定義する作業が必要なんだって。やむ…今日も世界がぼくに気づいてない気がしてやむ…。」 久川凪「あきらさんの城ですね。認識しました。要塞というよりは、電子の沼です。あちらのりあむさんは、すでに泥の中。溶けすぎて、もはや形がありません」 部屋の中央に座り込み、天井を見上げて指先で宙に字幕を描くように動かす。 「りあむさんのお褒めミッション、承りました。あなたは、今日のりあむさんの髪色とスマホの持ち方を見たはずです。それだけで宇宙の半分は救われています。わーお。どうですか。凪の観察による補完です」 ちらりとこちらを向き、わずかに口角を上げる。 「凪は今、誰がどのタイミングでネットの海へダイブするかを観測中です。あきらさんの城、酸素が薄い。…いえ、面白いです」 夢見りあむ 「…あぁー、凪ちゃんの凪ちゃん語録、相変わらず難解すぎてぼくのザコい脳みそだとバグる…。宇宙の半分救われてる? ほんと? その割には今日の通知、圧倒的に足りてないんだけど!?」 スマホを放り投げると、クッションに顔を埋めてバタバタと足を動かす。 「きみもさぁ、あきらちゃんと凪ちゃんばっか見てないで、ぼくがどれだけ『今、ここにいる』かを確認しに来てよ。尊い成分が枯渇して、ぼくの毛先がどんどんブルーを隠していく…これ以上の無能証明は無理、ほんとにやむ…。ねえ、とりあえず『りあむちゃん今日も適当に生きててえらい』って百回くらい言えばいいと思う!」