こちらL4宙域補給統括基地『ハルシオン』    こちらL4宙域補給統括基地『ハルシオン』  私は基地司令付き秘書官、イザベル・ロイスナー少尉と申します。    ハルシオン基地の司令であるマーロウ・テーレ准将閣下の公務開始時刻はとして定められているのは基地内時間で08:00。私の朝が始まるのはその30分前。07:30に閣下の執務室へと赴き、当日の予定や夜間に発生した案件の確認を行います。前日からの変更があればその旨を閣下にお伝えし、また周辺部署の方への伝達も行います。場合によっては忙しい朝となるでしょう。  この眼前のドアが開けば私の新しい一日が始まります。気合いを入れていきましょう。      ……ええ、はい。  そのつもりだった、のですが。   「おはようございます。イザベル・ロイスナー少尉、入室いたしま──」   「いっぐッ♡い゛ッ♡ぅ゛ぅ゛ぅぅ゛ッッ♡♡い゛きまひゅぅ゛ぅぅ゛ッッ♡♡」    残念ながら執務室のドアを開けた私の耳に届いたのは聞くだけで胸焼けしそうな桃色の嬌声でした。  思わず後ろ手にドアのセンサーをぴしゃりと叩き、速やかに施錠し現場を密封。痴態の廊下への漏洩は免れたと信じましょう。    しかし代償として私は空間に粘性があるのではないかと錯覚するほど甘ったるい官能の叫びが蔓延する室内に踏み入ってしまったのです。最悪。  はあ。頭痛がします。配置移動を希望したいのですがよろしいでしょうか。それを最終的に認可するのが閣下の仕事なので希望しても無駄? 死んでくださいませ閣下。    残念ながら現状逃避に頭を抱える間も誰かの喘ぎ声が響き続けています。無論というべきか幸いな事にというべきか執務室には人影はありません。朝っぱらから執務室で淫行に耽るほど堕落してはいないようで良かったです。いえ、そもそも執務室にまで嬌声が響いている時点で何も良くないのですが。  気を取り直して全自動のコーヒーメーカーのスイッチを入れつつ、ならば、と歩を進めます。  執務室の奥には仮眠室や浴室などが備えられた生活空間が設けられているのです。居住区に高級ホテルと見紛う専用の宿舎をお持ちの閣下ですが、結構な頻度でこちらの仮眠室で過ごされます。それは偏に閣下がご多忙故の事ですが……。   「ふんっ! ふんっ……! 全く、君は本当に好きものだなティアくん……! そんなにっ! これがっ! 善いのかねっ!!」   「ぃ゛ッ、ひぃ゛ッ!?♡♡ いってるッ♡イ゛ってますから、ぁ゛ぁァ゛ッ!?♡♡ いっ、いいますっ♡ すきっ♡ すきですっ♡ 閣下のォ゛ッ♡ かっかの、おちんちんすきぃっ♡♡」   「おぉったまらん……素直に言えたご褒美だ、膣内に射精すぞぉっ……!! 射精るっ……射精る射精る射精るっ……!! ぉ゛おっ、お゛っ、ほぉっ……! お゛ぉ゛〜ッ小便のように射精るわっ……何を休んでおるっもっと締めんかティアくんっ……!」   「いぐッ♡ またいっぐッ……!♡ いっう゛ぅぅぅッッ♡♡♡♡」      このように女性を連れ込んで『お楽しみ』に使うための部屋……俗な言い方をすれば『ヤリ部屋』を使うのを楽しみにしておられる節は否定できないかもしれません。     「ふぅぅぅぅ……。……むっ、イザベルくん」   「……おはようございます閣下」    先程までベッドの上で執拗に抽送を繰り返し、今はお射精の余韻に浸りながらねちっこく女性の臀部を撫で回しているこの方はマーロウ・テーレ准将。  禿頭、白い口髭、ふくよかながらも筋肉のある『厚い』体型が人目を引く方で、お盛んすぎるのがチャームポイント(本人談)の55歳。残念ながら、非常に残念ながら私の直属の上司です。   「良い所に来た。まだ金玉が重い気がしてならんのだ。どうだね一発混ざっていくというのは」   「死んでください閣下。失礼間違えました。もう07:30を回っております。そろそろ朝の用意をお願いします。……ジュスティーヌ少尉は出勤なさらなくて良いのですか?」    くたばれ、といつも通りの罵倒で閣下を急かし、「もうそんな時間かね……歳を取ると時が流れるのが早くて叶わん」などとぼやきながらシャワーを浴びに行く閣下を見送る。  視線を別方向にやれば、ベッドでうつ伏せのまま潰れている顔見知りの女性が居た。顔見知りの女性──レティシア・ジュスティーヌ少尉に声を掛ける。   「ん゛っ……♡ ……あ、れ……? ロイスナーしょうい……?」   「ご無事ですかジュスティーヌ少尉。……一晩中ですか?」   「いえ……あぁ、目が覚めてきました……私はひばんなので……お気になさらずに……」    彼女はレティシア・ジュスティーヌ少尉。  基地司令部の戦術分析課勤務の方で、同時に閣下と『個人的な親交』がある内の1人です。     「今は……07:35? 朝勃ち処理だけのつもりでしたが、1時間ほど経ったのですね……」    なるほど。非番だからどれだけハメ潰しても問題ないだろうという事で昨晩からお楽しみだったみたいです。  一度2人とも寝落ちした後にまた朝からおっ始めてしまったのでしょう。不良学生か何かですか? もっと節度を持った生活しろよ。  見れば仮眠室には使用済みのくず紙だの脱ぎ散らかされた衣服類だのが散乱しており、ジュスティーヌ少尉に至っては首筋や乳頭付近、内腿に噛み跡、臀部には執拗なスパンキング痕が刻まれています。酷使されたのでしょう、目が覚めたとは言えどその姿は気怠げでした。    とりあえずは空気清浄機のスイッチを入れます。雄と雌の爛れた匂いが蔓延して私までおかしくなりそうです。   「わかりました。ジュスティーヌ少尉もある程度御休憩なされたらお戻りください」   「ありがとうございます。……閣下が浴室から出ていただかないと入れませんからね」   「そうですね……」    閣下がシャワーを浴び終わらなければジュスティーヌ少尉が入れない理由は簡単だ。  一緒に入ると襲われるのである。   「はぁ……なんでこんな人の下で働いてるんでしょう、私……」   「……ふふっ。ロイスナー少尉は口では色々と言いつつも従順に従ってしまうから閣下におもちゃにされるんじゃないですか?」    うぐ。   「それに、少尉はえっちしてる時は結構楽しそうですよ?」   「勘弁してもらえます?? だーれが好き好んであんなエロオヤジと……ちょっと絶倫でおちんぽが立派で金払いが良いだけじゃないですか」   「褒めてないですかそれ?」   「褒めてません、罵倒です」   「──ふう、いやあすまんねレティシアくん。浴室は空いたので使ってくれたまえ」    『竿姉妹』同士で馬鹿みたいな会話をしていた所、閣下が戻って来られました。  お髪がないので楽そうで良いですね。   「おや、ワシの美点でも列挙してくれていたのかな」   「していません、陰口です」   「ではもう陰口ではなくなったという訳だ。……さてイザベラくん、今何時だね?」   「07:45です。お着替えはこちらに」    ようやく秘書らしい時間が始まりました。  閣下用の衣類が何処に置いてあるのかは私達全員が把握しています。 糊の効いた連邦軍の将校服を一式手に取り閣下に渡し、ご自身でベルトを締めておられる間に襟元のボタンを……。   「セクハラで訴えますよ閣下」    尻を撫でるなエロオヤジ。時間がないと言ってるんですから早く着替えてください。   「いやすまんね、ミュラーくんの尻はぷりっとしていて愛らしいしレティシアくんもボリュームがあって食いでがある。スーザンくんは引き締まっていて独特の良さがあるが、やはりイザベルくんの尻は良いな」   「死んでいただけますか閣下。できれば私に容疑がかからない程度に離れた場所でお願いします」   「そう言いながらも手は止めないのがきみの美点だとワシは思っているが、ぁいてっ」    人の尻を撫で回しながら他の女との比較寸評を始める脳みそチンポ野郎の手を叩き落として身体を離す。   「まだ私は本日の予定の確認もしていないんですよ。朝から好き放題に色欲に耽って……重要な案件が有ったらどうなさるおつもりですか」   「おおすまんすまん。だがそうなれば君が叩き起こしてくれるだろう?」   「……それが私の仕事ですので」   「そういう所が良いというのだ。なあ、レティシアくん」   「そうですね……。ロイスナー少尉の生真面目さは、人を笑顔にさせる類いのものですから」    腰砕けになっていたのが回復したのかようやく身を起こすジュスティーヌ少尉。  その身体は女性的な曲線と暴力的な肉付きが同居する凄まじいもので、同性の私が見ても生唾を飲み込んでしまうほど。私より頭半分ほど高い身長に、閣下と『個人的な親交』がある面々の中ではダントツで数値の大きなバストとヒップがくっ付いている。  なんでも昔はもっと痩せていたが前線に出る職ではなくなったせいで肉付きが良くなってしまったのだとか。   「では閣下、浴室をお借りします」   「ああ、ゆっくり休んでくれたまえ」   「お疲れ様でした、ジュスティーヌ少尉」    ふらつきながらも浴室に向かうジュスティーヌ少尉を見送って私達は執務室に戻ります。    コーヒーメーカーから2人分を注ぎ、それぞれのデスクへ。  上質な豆を用いていれば人の手が関与せずとも馥郁な香りが辺りを満たし、桃色に汚染された空気と私の、……下腹部の甘い疼きを誤魔化してくれるものです。     「さて。ではイザベルくん、今日も一日判子押しと政治と金に精を出すとしよう」      ……人の気も知らないで。あなたのせいなのですが、閣下。   「かしこまりました。ではこちらをご確認ください」    なんにせよお仕事の時間です。  例えお仕事中に尻を撫でられようが、お口奉仕を要求されようが、仕事なので仕方ありません。  高いお給金と引き換えにこの立場を受け入れている私にも自己責任はあります。  ただ、それはそれとして。   「うーむ、やはりいい尻をしている……」   「……閣下」    ……いやー。本当に死にませんかねこの人!