「やあ小さな姫、会えて嬉しいよ、だけど夜の街を歩くのはまだ早くないかな?」 王都サカエトルは魔舞伎町に聳えるホストクラブKIRABOSHI ナンバーワンホストに君臨するYOZORAは夜の街に似つかわしくない少女を見かけ、接客モードを全開にして話しかけていた 寂しい姫に夢を魅せるのが仕事だが、さすがに10そこらの少女には早いだろう 「俺はYOZORA、今夜は特別に俺が同伴するからお家を教えてくれないか?」 「あの…わたしヒノモトハルカって言います…おうちわかんないんです」 これにはナンバーワンも少し困った 「ン…訳アリ?」 「いきなりわからないところに来ちゃって、知ってる人も場所も全部なくなっちゃって…」 まったく例のない事ではない、どこか別の場所や世界から急に呼び出された存在の話はそれなりにありふれているのだ だがこのまま放っておくわけにもいかない、そこでYOZORAはホストではないもう一つの顔、冒険者のツテを使うことにした 「つーわけで麗しのアンナさん!この子にひとまずの部屋と愛情料理を頼むよこの通り!」 「さすがにほっとけねーって俺もちょくちょく様子見たり差し入れ持ってきたりするからさ」 向かった先は冒険者ギルド、困った時のアンナさんである 受付嬢にしてS級冒険者アンナ、彼女の業務量及び種類は常軌を逸しており、冒険者が困るととりあえず問題を振られることも珍しくないのであった 「私も困るんですが…でも確かに放っておけませんよね、宿直室に毛布を用意します、あとでシチューを持っていきますからね」 「そして…何もわからないのは仕方ないですが、何か少しでも身元や出身のわかるものはないのですか?」 「ジェネシス…」「「ジェネシス?」」「ジェネシスドライブ…これしか持ってないの、私のバディ、レッドメタルワイバーン…」 〜しばらくして〜 「いけえっ!俺のダークナイトシューティングスター!!」 YOZORAのバディジェネシスがレッドメタルワイバーンに猛スピードで襲いかかった!しかし! 「ああ!?召喚祭壇からゲットした俺のバディがあ!」 正面衝突の結果ダークナイトシューティングスターは弾かれジェネシスアウト、レッドメタルワイバーンの勝利であった 「くっそー…!つえーなハルカちゃん!」 「へへん!私これでも大会にも出てたんですよ!負けません!」 「むむうビギナーには手強い相手だぜ…!なあハルカちゃんのジェネシスはなんでそんなに強いんだ?」 「ジェネシスにも種類があるんです、ダークナイトシューティングスターはスピードタイプ、アタックタイプのレッドメタルワイバーンと正面からぶつかるのは分が悪いですよ、スピードを活かしてヒットアンドアウェイが向いています」 「奥深いな…うおおお燃えてきたぜ俺のジェネシスソウル!!」 「もう…元気になったのはいいんですけどね…」 すっかりギルド宿直室がハルカの部屋兼ジェネシス会場になってしまったことに頭を悩ませつつも、笑ってしまうアンナ 「お昼ですよー」 カレーの匂いに2人は目を輝かせ、ひとまずジェネシス休憩となったのだった