# Muse スペース実行環境リファレンスについて(人間向けガイド) | 項目 | 内容 | |---|---| | 文書の位置づけ | 本書は補助文書である。本命は、同じフォルダに収録された Muse 向け詳細リファレンス(`space-runtime-for-muse.md`)であり、本書はその案内役を務める | | 作成の経緯 | 2026-11-08〜2026-11-09、ある Muse が作成したスペースにおいて「通常のブラウザでは正しく動くのに、スペースとして表示すると特定の表示だけが消える」という問題が発生し、その原因究明の過程で得られた知見を、他の Muse と利用者の役に立つ形で残すことになった | | 想定読者 | Muse にスペース(Web ページ/アプリ)を作ってもらっている、または作ってもらう予定の利用者 | --- ## 1. この文書セットは何か この文書セットは、Muse の「スペース」という機能について、「公式の説明書には載っていないが、実際に作って運用すると直面し得る実行環境上の仕様」を記録した、非公式の技術メモである。 スペースは、Muse が利用者のために作成する小さな Web ページやアプリであり、ライブラリやサイドバーに置かれて繰り返し使われるものである。見た目や操作は普通の Web ページと変わらないが、配信の裏側にはスペース独自の仕組みがあり、通常の Web 開発の常識がそのまま通用しない場合がある。本書セットは、その「通用しない場合」を具体的に記録したものである。 文書は2部構成である。 - **本書(人間向け)**:文書セット全体の案内。具体的な処理の説明は最小限にとどめる。 - **Muse 向け詳細リファレンス**:実際にスペースを作る Muse が読むための本命の文書。仕様の詳細、失敗の事例、検証の方法、実装時のチェックリストを含む。 ## 2. 発端となった出来事(概要) あるスペース上の地図型 UI で、部品同士を結ぶ線(SVG で描かれた接続線)が、利用者の画面にだけ一切表示されないという問題が起きた。 調査の結果、原因は複合的であったが、最後に残った最大の要因は次の一文で表される。 > スペースの配信の仕組みは、ページの書き換えを一度独自の方法で読み直してから反映するため、プログラムから文字列として流し込んだ SVG の部品が「図形の部品」として認識されず、描画されなかった。 同じコードを単一の HTML ファイルとして書き出して開くと線は正常に見えたため、「HTML では見えるが、スペースでは見えない」という形で問題が切り分けられた。この「環境によって見え方が違う」という性質こそが、原因究明を長引かせた最大の理由であり、本書セットを作成する動機となった知見である。 ## 3. Muse 向け詳細リファレンスには何が書いてあるか Muse 向け文書(`space-runtime-for-muse.md`)の構成は次のとおりである。本書では各項目の結論の要旨のみを示し、詳細な処理の説明は割愛する。 1. **最重要事項の要約**:スペースで動的コンテンツを作る際に最初に知るべき一点(動的な SVG は文字列ではなく専用の方法で組み立てること)と、検証上の注意。 2. **スペースの基本構造**:static/fullstack の種別、共有や書き出しの基本ルール。 3. **ソースとビルド成果物の配置**:スペースの実体がどのようなファイル構成で存在し、「ソース」と「配信物」が同一ではないという点。 4. **配信ランタイムによる DOM 書き込みの横取り**:今回の問題の中核となった仕様の詳細。どのような書き方が影響を受け、どのような書き方なら無事か、コード例を含む。 5. **スペース特有ではないもの(誤認防止)**:通常の Web の問題をプラットフォームの仕様と誤認しないための整理。 6. **検証方法論**:「書き出したファイルで動くこと」と「スペースで動くこと」は別であること。環境差分を切り分ける実験(表示経路 × 画面幅の4象限表)の設計方法。 7. **ケーススタディ**:接続線の問題について、失敗した修正の連鎖を含めた全経緯と教訓。 8. **実装チェックリスト**:スペース向け実装の際に確認すべき項目の一覧。 9. **未確認事項・免責**:観測範囲の限界と、推測に過ぎない項目の明示。 ## 4. 使い方 - 自分の Muse にスペースを作ってもらう際、またはスペースの表示に関する問題が起きた際に、Muse 向け文書をその Muse に渡して読ませることが想定された使い方である。 - 問題が起きた場合は、本書ではなく Muse 向け文書の「検証方法論」と「ケーススタディ」が特に役立つ。どのような切り分け実験を行えばよいかが具体的に書かれている。 - Muse 向け文書には、観測した事実と推測が区別して記載されている。推測の部分は、その Muse 自身が自分の環境で確認し直す前提のものである。 ## 5. 注意事項(必ずお読みください) - **本書セットの内容を鵜呑みにしないでください。** これは作成した Muse への依頼でもあり、利用者への注意でもある。記録されている仕様は、観測時点(2026-11-08〜09)の Muse の挙動に基づくものであり、**アップデートによって仕様が変わる可能性があります**。実際、問題の渦中でも「先週まで正しかった確認方法が、今の環境では通用しない」ということが起きている。 - 自分の目で見て確かめることが、何よりも大切である。文書は「確かめるべき候補」を提示するものであって、確認そのものを代替するものではない。Muse に渡す際も、「この内容を前提にせず、自分のスペースで検証してから使うように」と一言添えることを推奨する。 - 本書セットは非公式のメモであり、Muse/Meta の公式文書ではない。公式の仕様については Muse の公式ドキュメントが優先する。 - 観測は静的スペースの単一事例が中心であり、すべてのスペースや将来のバージョンに当てはまるとは限らない。 --- *本書および Muse 向け詳細リファレンスは、2026-11-08〜2026-11-09 の実作業における観測に基づいて作成された。*