一方で、性善説に基づく仕組みに限界があることもまた事実だ。批判だけでなく、「セルフコーヒーの仕組みに問題がある」という男性の意見を肯定する声もあった。

はたして、どう考えればいいのか。「犯罪機会論」と呼ばれる研究分野では、犯罪を起こす「人」ではなく、犯罪が起きる「場所や環境」に注目して、犯罪発生の機会をなくしていくことで犯罪を防ぐという考え方をとる。

この犯罪機会論を専門とする立正大学・小宮信夫教授は、男性への批判を「生産的ではない」と指摘する。コンビニのセルフコーヒーをめぐる問題について、「犯罪機会論」のアプローチから小宮教授に聞いた。（弁護士ドットコムニュース編集部・塚田賢慎）（２／８）

◆犯罪機会論とは？

>――「犯罪機会論」とはどんな考え方でしょうか

たとえば、学校の防犯教室では、子どもに「不審者に気をつけよう」などと教えていますが、大人でも犯罪者を見分けるのは容易ではありません。 そうではなく、犯罪が起きやすい危険な場所とはどのようなものかを教えて、そうした環境を避けて行動してもらおうとするのが、犯罪機会論の考え方です。

時には加害者本人でさえよくわかっていない犯行動機を探る（犯罪原因論）のはとても難しく、時間も労力もかかります。 それに対して、犯罪の動機を抱えた人でも、機会が目の前になければ、犯罪は実行されないと考えるのが犯罪機会論です。

この考え方のもとでは「犯罪を起こさせない環境」を作ることこそ防犯につながると捉えています。 要するに、人は悪いことをするけど、悪いことをさせない方向でデザインしようとするのが犯罪機会論です。性善説ではなく、性悪説をベースとした考え方であるとも言えます。（３／８）

◆コンビニ運営にも取り入れられた犯罪機会論

>――犯罪機会論では、セルフコーヒーの仕組みをどのように評価できますか

コンビニのセルフコーヒーの仕組みは、性善説をベースに作られています。ただ、すべての人が「善い人」ではないので、これでは店側が被害を受けてしまうことになります。 マシンへの投資コストなどを抜きにした場合、性悪説に立ってマシンが設計・運営されなければ、結果として店のコスパは悪いはずです。

歴史を紐解けば、コンビニの原型はアメリカで誕生したと言われており、1970年代には当地の店は強盗のターゲットになっていました。 犯罪機会論の研究もその頃から始まり、1990年代に定着しました。実は、犯罪機会論の考え方を取り入れながらたどり着いたのが、今の基本的なコンビニの店舗デザインです。 （４／８）

たとえば、かつては複数あった出入り口を1カ所に限定して、全面ガラス張りにしたことで外からの目も届くようになりました。 このように、犯罪は「人が入りにくく」「見えやすい」場所で起きにくくなることがわかっています。

そのような環境であれば、セルフコーヒーの窃盗行為の機会をなくしていけると思います。 たとえば、注ぐ人の様子が店外からも丸見えになる作りにするとか、防犯カメラの方向がマシンに向けられているのが、ひと目でわかるようにするのも効果的でしょう。

また、ボタンを押すと店内に聞こえるように「ラージです。ありがとうございます」などと音声で知らせるとか、そもそも購入したもの以外の商品を選択できないようにするなどの手段も考えられます。 もし店の広さに余裕があれば、レギュラーはこちら、ラージはこちらと、マシンをサイズ別に別の場所に配置するなども効果的でしょう。（５／８）

>――コンビニやマシンによっては、客がボタンを押すと、店側が把握できる作りになっているそうです。そのような仕組みに効果はあるでしょうか

犯罪機会論に基づく防犯の考え方では、犯罪が行われてしまったときに、どのように対応するか（クライシス管理）ではなく、そもそも犯罪が起こらないようにどうすればよいか（リスク管理）を考えます。 店側が客の注いだものを把握するのは「クライシス管理」です。何かが起こってから注意したり、捕まえたりするための装置なので「防犯」にはなりません。

他の客の購入したものが店内に音声で伝われば、犯罪の動機を抱えていた人はそれを実行しにくくなるから、それは「防犯」になります。それこそ全面ガラス張りにするのと同じ「リスク管理」です。 「防犯」とは、「犯罪を未然に防ぐ」ことです。（６／８）

何か起こってしまっては防犯になりません。「防犯カメラの映像を使って犯罪者を見つけて逮捕した」という場合、犯罪はすでに起こってしまっているので、「防犯カメラ」とは言えません。「捜査カメラ」とでも呼ぶのが適切でしょう（クライシス管理）。

犯罪の動機を抱える人にカメラの存在を意識させて、犯罪を実行させないのが「防犯カメラ」です（リスク管理）。 もちろん、コンビニのセルフコーヒーを否定するものではありません。運営の効率化をはかり、店にも客にも便利なものです。

課題は防犯対策と利便性のバランスです。 記事で取材に応じた男性に「けしからん」「お前が言うな」と言うのは、性善説の立場からの批判であり、犯罪の抑止力にならないだけでなく、店の損害も防げません。（７／８）

すべての人間が「善い人」であれば理想的ですが、残念ながら、人類はそこまで成熟していません。どんなシステムでもズルをする人は一定数現れます。人をだましたことがない人は、おそらくいないのではないでしょうか。

性悪説に基づいて作られたシステムは結果的に犯罪者も被害者も生まないことにつながるのです。 （８／８）

https://news.yahoo.co.jp/articles/ee0d900ae1fd8cadaf01ac33fb9ae732f8202b57

【関連記事】

１円のパチンコ玉を４円の台で使用、７万円だまし取った男性陸士長を懲戒免職
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240415-OYT1T50230/

>「犯罪を起こさせない環境」を作ることこそ防犯につながると捉えています。 要するに、人は悪いことをするけど、悪いことをさせない方向でデザインしようとするのが犯罪機会論です。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

昨日、日曜日にもかかわらず、「取調室で警察官に暴行された」という被告人の訴えを国選弁護人経由で聞きました（接見禁止中）。同様の訴えは年間数件聞きます。しかし、密室の出来事なので、警察は「自分で自分を傷つけた」などと主張します。

全取調室の２４時間３６５日の完全録画・録音が必要です。

>「犯罪を起こさせない環境」を作ることこそ防犯につながると捉えています。 要するに、人は悪いことをするけど、悪いことをさせない方向でデザインしようとするのが犯罪機会論です。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

取調室の２４時間、３６５日の録画が必要です。

私が取材した覚せい剤取締法違反事件で、任意で取り調べた被疑者が取調室を出たあと、覚せい剤が取調室に落ちていたとして逮捕されたものがあります。

こんなふざけた話でも、日本の裁判官はちゃんと有罪にしてくれました。

レギュラー買ってラージ注いだ…コンビニコーヒー「窃盗」で懲戒免職の元公務員「犯罪者を出さない仕組みにならないか」
https://news.yahoo.co.jp/articles/03f5d7fd573f3b14319f09cba3a9f72d0d4532f6

>さて、小出さんは店から連れて行かれた警察署で5時間ほど聴取を受け、自宅に帰った。「20回くらいやった」という逮捕時の供述が報じられているが「そこまでやっていない」と首を振る。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

昔は、「ウソつきは泥棒のはじまり」と言ったものですが、今は、すっかり、「ウソつきは警察のはじまり」というのが定着しました。

だからこそ、警察官と話をするとき、録音・録画する国民が増えたんでしょう。

それを禁止する法律をつくろうとしているのが、盗人猛々しい警察なんですが。

>swingerz　@maxyyam

>警察こそ全てを録画して、証拠に基づいて取り締まりして欲しいですね。恣意的に運用されてはたまったものじゃない。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

すべてを録画していても、恣意的に編集して証拠にするのがあたりまえになっています。警察は自分たちに都合が悪い録画は隠します。録画が自動的にクラウドに保存され、それがそのまま証拠になるシステムを構築するべきです。

>@yasunori10514

>警察署内での強姦事件、警察庁は恥ずかしいとは思わないのでしょうかね。RT @Yu_TERASAWA 船橋東署の留置場で警察官が女性を強姦し、千葉県警ばかりか警察庁ぐるみで隠蔽していた事件。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

取調室や留置場の中でのわいせつ事件は、今でもときどき耳にします。たいがいもみ消されてしまいますが。

そういう場所は２４時間録画しておく必要があります。

>「犯罪を起こさせない環境」を作ることこそ防犯につながると捉えています。 要するに、人は悪いことをするけど、悪いことをさせない方向でデザインしようとするのが犯罪機会論です。性善説ではなく、性悪説をベースとした考え方であるとも言えます。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

まったくおっしゃるとおりで、警察官の犯罪は
一般人の刑の３倍と法律で定めたほうがいいと思います。

現状、警察官の犯罪は、「逮捕されない」「実名報道されない」
「免職されない」などの「警察特権」で守られています。

日本人が平和ボケしている間に、警察が日本一の反社会的勢力になっていたのです。

多くの国民が警察の怖さを知ったほうがいいです。
性善説など論外。

>要するに、人は悪いことをするけど、悪いことをさせない方向でデザインしようとするのが犯罪機会論です。
>性善説ではなく、性悪説をベースとした考え方であるとも言えます。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

警察が悪いことをしないという前提の法制度がおかしいわけです。
むしろ悪いことばかりするという前提の法制度にしないと。

>要するに、人は悪いことをするけど、悪いことをさせない方向でデザインしようとするのが犯罪機会論です。
>性善説ではなく、性悪説をベースとした考え方であるとも言えます。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

警察官全員にボディカメラを装着させて、撮影された動画はリアルタイムで裁判所が管理するサーバーへアップロード。裁判官が逮捕状を出したり、裁判をするさいには、動画を確認。というようなシステムを法制化しないと、警察は不正、人権侵害をやり放題。昨日も職務質問で暴行された読者から相談あり。

>すべての人間が「善い人」であれば理想的ですが、残念ながら、人類はそこまで成熟していません。どんなシステムでもズルをする人は一定数現れます。

>性悪説に基づいて作られたシステムは結果的に犯罪者も被害者も生まないことにつながるのです。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

「警察の一部」が悪いのではなく、「警察の全部」が悪いという事実を直視しないと、いつまでも冤罪も裏ガネもなくなりません。

>何か起こってしまっては防犯になりません。

>犯罪の動機を抱える人にカメラの存在を意識させて、犯罪を実行させないのが「防犯カメラ」です（リスク管理）。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

最近、よく聞くのが「警察官から事情を聞かれる前に身体検査をされた。ＩＣレコーダーで録音していないか確認するため」という話。被疑者だけではなく、被害者に対しても同様です。身体検査を拒否すればいいと思いますが、一般人はなかなかそこまでできないのでしょうか。

https://twitter.com/Dctct/status/895800253844029440

寺澤有　@Yu_TERASAWA

もう何年も前から警察は任意の取り調べにICレコーダーやスマホを持ち込まれないよう身体検査しています。そのうえで、安心して、罵声を浴びせたり、殴ったりしています。

>何か起こってしまっては防犯になりません。「防犯カメラの映像を使って犯罪者を見つけて逮捕した」という場合、犯罪はすでに起こってしまっているので、「防犯カメラ」とは言えません。「捜査カメラ」とでも呼ぶのが適切でしょう（クライシス管理）。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

裁判を取材していると、本当によくあることなんですが、警察にとって都合の悪い場面だけ、防犯カメラの映像がないということがあるんです。警察が「ない」とウソをついても、それを提出させる方法はありません。

https://mainichi.jp/articles/20170923/k00/00m/040/105000c

>川奈まり子　@MarikoKawana

>諸事情あってコメントを控えていた件ですが、これで納得できたわけではありません。防犯カメラの映像を見てみたい。公開するわけにはいかなかったのかなぁ。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

警察に都合のいい監視カメラの映像は記者クラブメディアがバンバン公開して宣伝しますよね。

『警察２４時』系のテレビ番組に顕著ですが。

ところが、警察に都合の悪い監視カメラの映像はなかなか公開されないばかりか、ホテルなどが「映像はない」とウソをついて、刑事裁判へも提出されないんです。

>犯罪の動機を抱える人にカメラの存在を意識させて、犯罪を実行させないのが「防犯カメラ」です（リスク管理）。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

私がジャーナリストを始めた３０年前は、警察官の犯罪的言動をカメラ（フィルム使用）で撮影したら、逆に逮捕されたという事例がいくつもありました。現在は携帯電話やネットの発達で下掲のような動画が多く公開されています。警察はそろそろ規制を考えているはずです。

「長崎県警を揺るがす男」がネズミ捕りに抗議 　第２弾
https://www.youtube.com/watch?v=dpvXT2oqXmo

>@yasunori10514

>おいおい、戦前の隣組が復活かよ。住みにくい世の中になったなあ。

寺澤有　@Yu_TERASAWA

街頭の監視カメラを警察は「見守り」と主張しているので、その二番煎じの感。

１円のパチンコ玉を４円の台で使用、７万円だまし取った男性陸士長を懲戒免職
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240415-OYT1T50230/

寺澤有　@Yu_TERASAWA

1990年代前半に警察庁が自分たちの利権を拡大するために賭博性の高いＣＲ機を普及させて、それからパチンコは「遊技」とはとても言えないものになりました。

>寺澤有　@Yu_TERASAWA

>警察官全員にボディカメラを装着させて、撮影された動画はリアルタイムで裁判所が管理するサーバーへアップロード。裁判官が逮捕状を出したり、裁判をするさいには、動画を確認。というようなシステムを法制化しないと、警察は不正、人権侵害をやり放題。昨日も職務質問で暴行された読者から相談あり。

「官僚の腐敗を検出するAIシステム」を中国で導入した結果とは？
https://gigazine.net/news/20190204-china-corruption-busting-ai-system/

貴州省ではクラウドシステムが警官の動きを生体情報と共にリアルタイムで記録しているとされています。

「官僚の腐敗を検出するAIシステム」を中国で導入した結果とは？
https://gigazine.net/news/20190204-china-corruption-busting-ai-system/

>貴州省ではクラウドシステムが警官の動きを生体情報と共にリアルタイムで記録しているとされています。

ドライバー　@MXru68etup

警察官にはボディーカメラとGPS装着を義務化し
行動発言全てを記録させないと信頼性が担保出来ない

【新潟】「公用車に使用する」と携行缶にガソリンを給油させ “自家用車”に使用　市役所の60代男性職員を懲戒処分　長岡
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1700023672

寺澤コピペしか出来ないにーちゃん、これのどこが岸田に関係するんだ？

大方速攻でdelしかし無いんだろうが　pgr

国民には規制抑圧
企業には大盤振る舞い

これが悪さの自民党企業献金裏金事件へとたどり着く

本当にワルいのは警察じゃなくて政治家です
マスゴミに騙されないで！

反日スクリプト荒らし

本文無し

>本当にワルいのは警察じゃなくて政治家です
>マスゴミに騙されないで！

寺澤有　@Yu_TERASAWA

ある県警の記者クラブの新聞記者から送られてきたメールに、警察を評して「呼吸するように嘘を吐く組織」とあり、的確な表現だと感心する一方、それを紙面で書いてくれれば、警察被害も少しは減るのにと思いました。